JP5474133B2 - 発光装置 - Google Patents

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本発明は、発光素子から発せられる光を外部に放出する発光装置に関する。
従来の発光ダイオード(LED)等の発光素子24を収容するための発光装置を図9に示す。図9に示すように、発光装置21は、上面の中央部に発光素子24を搭載するとともに、発光素子24と発光素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)の内外を電気的に導通接続するリード端子などの配線導体(図示せず)が形成された絶縁体から成る基体23と、基体23の上面に接着固定され、中央部に発光素子24を収納するための貫通孔が形成された、金属、樹脂またはセラミックス等から成る反射部材22とから主に構成される。
基体23は酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミックス、またはエポキシ樹脂等の樹脂から成る。基体23がセラミックスから成る場合、その上面にメタライズ配線層から成る配線導体(図示せず)がタングステン(W)、モリブデン(Mo)−マンガン(Mn)等から成る金属ペーストを高温で焼成して形成される。また、基体23が樹脂から成る場合、基体23をモールド成型する際に、銅(Cu)や鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金等から成る配線導体(リード端子)が基体23の内部に一端部が突出するように固定される。
また、反射部材22は、アルミニウム(Al)やFe−Ni−コバルト(Co)合金等の金属、アルミナ質焼結体等のセラミックスまたはエポキシ、ポリフタロアミド等の樹脂から成り、切削加工や金型成形、押し出し成型等の成形技術により筒状に形成される。反射部材22の中央部には上方に向かうに伴って外側に広がる貫通孔が形成されている。なお、貫通孔の内周面の光の反射率を向上させる場合、この内周面にAl等の金属が蒸着法やメッキ法により被着される。そして、反射部材22は、半田、銀ロウ等のロウ材または樹脂接着剤により、基体23の上面に接合される。反射部材22と基体23は、このように別に製造し接合してもよいし、一体に形成してもよい。
そして、基体23表面に形成した配線導体(図示せず)と発光素子24の電極とをボンディングワイヤやバンプ、半田(ともに図示せず)などを介して電気的に接続し、しかる後、反射部材22の内側に透光性部材25を注入し熱硬化させ、さらに波長変換部材26を配することで、発光素子24からの光を波長変換部材26により波長変換し、所望の波長スペクトルを有する光を取り出せる発光装置21と成すことができる。
図9において、反射部材22の機能は、発光素子24の発する光を反射することと、波長変換部材26が発する蛍光を反射することであるから、反射部材22の内周面の反射率は高いほうが好ましい。よって、反射部材22の内周面を金属で作る場合、反射率の高いアルミニウム、銀、ロジウムなどが使用される。製造方法としては、金属のバルク材を切削加工やプレス加工で反射部材22の形状にする方法や、樹脂材料やガラス材料を反射部材12の形状に成形した後、反射部材22の少なくとも内周面にアルミニウム、銀、ロジウムなどを蒸着して反射面を形成する方法がある。
しかしながら、金属は一般的に大気に晒すと表面が酸化して金属光沢が失われたり、着色されたりするため、反射面の反射率が低下する場合が多い。また反射部材22を形成する金属の表面粗さが粗いと大気と接する表面積が広くなることにより、表面酸化が進みやすくなる。反射部材22を形成する金属の表面粗さを滑らかにすると反射率は向上するが、加工の難易度が上がり、製造コストが上がってしまう。
このような問題があるため、反射部材22の材料として、酸化チタン(チタニア)から成るフィラーを分散させた樹脂材料が広く用いられている。チタニアは屈折率が高く、効率よく光を散乱するため、反射率は高く、発光素子24や波長変換部材26の光を良好に反射することができる。そして、これらを反射部材22の材料として用いると、高効率な発光装置21を得ることができる。
特開1999−29745号公報
しかしながら、このような発光装置21の基体23を外部電気回路基板に半田付け等により電気的に接続する際の熱により、反射部材22と透光性部材25との接合界面の一部もしくは全部が剥がれる場合がある。反射部材22と透光性部材25との接合界面の一部もしくは全部が剥がれると、生じた空隙に光が閉じ込められたり、空隙から水分が侵入したりする結果、発光装置21の出力が低下したり、発光特性が変化したりするという問題が生じる。
さらに、上記の発光装置が実装される発光装置駆動回路基板(図示せず)の温度が変化する場合、発光装置駆動回路基板から基体23を介して発光素子24に伝導される熱によって発光素子24の活性層のバンドギャップが変化し、発光素子24から安定した発光効率かつ所望するピーク波長を有する光が出射されないといった問題点を有していた。
さらにまた、上記の発光装置に一時的な熱負荷が印加された場合、透光性部材25の熱膨張や熱収縮により、基体23および反射部材22と透光性部材25とが剥がれ、発光装置の長期信頼性が低下するとともに、黄変等の着色が発生したりすることにより、透光性部材25の透過率が劣化したり、発光装置の発光効率が低下するとった問題点を有していた。
また、発光素子24や発光装置駆動回路基板からの熱により、基体23および反射部材22が着色され、表面の反射率が低下することから、発光装置の発光効率が低下するとった問題点を有していた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半田付けなどや作動環境による熱や衝撃が印加されても、出力が低下したり、発光特性が変化したりすることがない信頼性の高い発光装置を提供することにある。
本発明の発光装置は、発光素子と、前記発光素子を覆う透光性部材と、前記発光素子を囲む、前記発光素子によって発生された光を反射する反射部材とを備えており、該反射部材は、無機材料の複数の粒子が互いに部分的に一体化された多孔質構造で一様に形成されているとともに、15〜43%の気孔率を有し、前記透光性部材の一部が浸透している浸透領域の厚さが50μm以上1000μm以下であることを特徴とする。

また、本発明の発光装置は、発光素子と、前記発光素子を覆う透光性部材と、前記発光素子が搭載された上面を有する基体とを備えており、該基体は、無機材料の複数の粒子が互いに部分的に一体化されていた多孔質構造で一様に形成されているとともに、15〜43%の気孔率を有し、前記透光性部材の一部が浸透している浸透領域の厚さが50μm以上1000μm以下であることを特徴とする。
本発明の発光装置は、上面に発光素子の搭載部を有し、発光素子の搭載部を取り囲むように反射部材が形成された発光素子収納用パッケージと、搭載部に搭載された発光素子と、発光素子を覆うように反射部材の内側に注入された透光性部材とを具備しており、上面および反射部材の少なくとも一方は多孔質な材料から成り、透光性部材は、その一部を上面または反射部材中に浸透させて上面または反射部材に接合されていることから、アンカー効果によって透光性部材と上面または反射部材とが非常に強固に接着されることになり、半田付けや作動環境等の熱や衝撃により、基体または反射部材と透光性部材との接合界面において、その一部もしくは全部が剥がれるという問題が生じることがなくなる。その結果、発光装置の光出力が低下したり、長期間にわたり発光特性が変化したりすることがない。
さらに、基体の上面または反射部材は多孔質な材料から成ることから、低熱伝導率であり、基体または反射部材を介して、発光装置が実装される発光装置駆動回路基板から発光素子に熱が伝わり難くできる。すなわち、多孔質な材料内には、多数の空隙が形成されていることから、発光装置駆動回路基板からの熱が多孔質な材料を介して発光素子に伝導され難くなる。その結果、黄変等が発生したりすることによって、透光性部材の透過率が劣化したりし難く、発光装置駆動回路基板の温度変化に対しても、安定した光出力、発光効率、および所望するピーク波長の光を発光素子から出射させることができる。
また、本発明の発光装置において好ましくは、反射部材の内周面が上方に向かうに従って外側に広がる傾斜面とされていることにより、発光素子から側方に出射された光は、反射部材の内周面で上方に反射され、発光装置の輝度や照度、発光効率をより向上させることができる。
また、本発明の発光装置において好ましくは、上面または反射部材は、その気孔率が15〜43%である多孔質な無機材料から成ることから、基体の上面または反射部材内に適度な量の気孔が形成されて、適度な強度を有する基体または反射部材とできるとともに、透光性部材が適度に浸透するものとできる。また、無機材料は変質しにくく、耐候性等の環境性能がよいので信頼性に優れた基体または反射部材とすることができる。
また、本発明の発光装置において好ましくは、上面または反射部材は、複数の気孔同士がつながって、上面または反射部材の内側の気孔と連通していることにより、透光性部材は基体または反射部材中に浸透し易くなり、また、複雑形状に連通した気孔に浸透することにより、非常に強固に透光性部材と基体または反射部材とを接着させることができる。
また、本発明の照明装置は、上記本発明の発光装置と、発光装置が搭載され、発光装置を駆動する電気配線を有する駆動部と、発光装置から出射される光を反射する光反射手段とを含むことから、光出力が低下したり、長期間にわたり発光特性が変化したりすることがなく、均一な照度面が得られる照明装置とすることができる。
(a)は本発明の発光装置の実施の形態の他の例を示す断面図、(b)は反射部材を模式的に拡大表示した断面図である。 本発明の発光装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の発光装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の照明装置の実施の形態の一例を示す平面図である。 図4の照明装置の断面図である。 本発明の照明装置の実施の形態の他の例を示す平面図である。 図6の照明装置の断面図である。 従来の発光装置の断面図である。 気孔率と反射率との測定結果を示すグラフであり、(a)は測定波長が400nm、(b)は測定波長が600nmのときの結果を示すものである。
本発明の発光装置について以下に詳細に説明する。図1(a)は、本発明の発光装置1の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2および図3は本発明の発光装置1の実施の形態の他の例である。これら図1,図2,図3において2は反射部材、3は基体、4は発光素子、5は透明樹脂やガラスなどの透光性部材、7は反射部材2に透光性部材5が浸透している浸透層であり、主としてこれらで発光装置1が構成されている。なお、6は透明部材に蛍光体を含有して成る波長変換部材を示す。
本発明における基体3は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミックス等のセラミックス、またはシリカなどのガラス絶縁体や樹脂から成る。基体3の上面3bには、発光素子4の搭載部3aが設けられ、発光素子4を支持する支持部材として機能する。
また、基体3の表面または内部には、発光装置1の内外を電気的に導通接続するためのW、Mo、Mn等の金属粉末を用いたメタライズ配線層等から成る配線導体や金属線が埋設された配線導体(図示せず)が形成されており、基体3の上面3bに露出した配線導体の部位に発光素子4の電極が電気的に接続され、基体3の下面や側面に露出した配線導体の部位に外部電気回路(図示せず)が接続される。これによって、基体3は、外部電気回路と発光素子4とを接続する基板としても機能する。
または、配線導体は、基体3の下面等の外部に露出した部位が、Cu、Fe−Ni合金等の金属から成るリード端子やバンプ導体(図示せず)などを介して外部電気回路に接続される。これにより、発光素子4が配線導体を介して外部電気回路と電気的に接続される。
なお、配線導体は、その露出する表面にNiや金(Au)等の耐食性に優れる金属を1〜20μm程度の厚みで被着させておくのがよく、配線導体が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに、配線導体と発光素子4との電気的な接続および配線導体と半田、金バンプなどの導電性接着部材(図示せず)との接続を強固にすることができる。従って、配線導体の露出表面には、厚さ1〜10μm程度のNiメッキ層と厚さ0.1〜3μm程度のAu
メッキ層とが電解メッキ法や無電解メッキ法により順次被着されていることがより好ましい。
そして、本発明の発光装置においては、基体3の上面3bおよび反射部材2の少なくとも一方は多孔質な材料から成り、透光性部材5は、その一部を基体3の上面3b中に浸透させた浸透層7、または、その一部を反射部材2中に浸透させた浸透層7によって基体3の上面3bまたは反射部材2に接合されている。例えば、図1(a)は、反射部材2が多孔質な材料から成り、透光性部材5の浸透層7が反射部材2の内周面に形成されている例を示し、図2は、反射部材2および基体3が多孔質な材料から成り、浸透層7が反射部材2の内周面および基体3の上面3bに形成されている例を示す。この他にも基体3が多孔質な材料から成り、基体3上面3bに浸透層7が形成されて透光性部材5が接合されていてもよい。
基体3の上面3bに浸透層7を形成する場合は、少なくともその上面3bが、例えば複数の粒子を互いに一部分で一体化させて粒子間に多くの空隙が形成されている多孔質な材料から成る。これにより、反射部材2の内側に透光性部材5が注入されると、透光性部材
5が基体3の上面3bに浸透し浸透層7が形成される。そして、浸透層7が透光性部材5のアンカーの作用をなし、透光性部材5と基体3の上面3bとは強固に接着されることになる。その結果、基体3の配線導体を半田付けするときなど、熱や衝撃による負荷が印加された場合、透光性部材5と基体3とが剥がれることは少なくなり、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
さらに、多孔質な材料から成ることから、基体3は低熱伝導率なものとなり、発光装置が実装される発光装置駆動回路基板から基体3を介して発光素子4に熱が伝わり難いものとなる。すなわち、多孔質な材料の内部には、図1(b)の模式的に拡大表示した断面図に示すように、多数の空隙32が形成されていることから、発光装置駆動回路基板からの熱が多孔質な材料を介して発光素子4に伝導され難くなる。その結果、発光素子4は、発光装置駆動回路基板の温度変化に対しても、安定した光出力、発光効率および所望するピーク波長の光を出射することができる。
図1(b)は、基体3または反射部材2の組織を拡大して示した模式図であり、31は粒子、32は粒子31間に形成された気孔(以下、空隙ともいう)を示す。このような基体3または反射部材2として、例えば、フッ素系樹脂の粒子31を押し固めた後に焼成することにより、粒子31間に生じた空隙32を利用して光を散乱,反射させる材料等が挙げられる。この材料は可視領域の波長に対し高い反射率を有する。
なお、発光素子4は、動作温度が変化すると、発光する光のピーク波長が変化したり、発光効率(発光素子4への入力電力に対する、発光素子4から出射される光エネルギーや光束量の比率)が変化したりする。これにより、発光装置から出射される光の色が変化したり、光出力および発光効率が変化したりする。従って、発光素子4の光出力、発光効率およびピーク波長等の作動特性を安定化させるためには、発光素子4の温度を一定に安定させることが必要となる。
基体3は、少なくとも発光素子4が搭載される搭載部3aを含む上面3bの一部に、多孔質な材料が設けられていてもよく、上記と同様に発光装置駆動回路基板から基体3を介して発光素子4に熱が伝わり難くなる。なお、基体3は、全体を多孔質な材料によって作製されてもよいことはいうまでもない。
反射部材2に浸透層7を形成する場合は、少なくともその内周面2aが、例えば複数の粒子を互いに一部分で一体化させて粒子間に多くの空隙が形成されている多孔質な材料から成り、上下方向に貫通孔を有する筒状に形成される。好ましくは、貫通孔の内周面2aで光が上方へ反射されやすくするために、図1(a),図2,図3に示されるように、上方に向かうに伴って外側に拡がる貫通孔とされる。そして、反射部材2の下面が基体3の上面3bに樹脂接着剤等で接着固定されることによって、基体3の上面3bおよび反射部材2の貫通孔の内周面2aで囲まれた凹所が形成される。その後、この凹所に透光性部材5となる未硬化の透明樹脂等が注入されるとともに、透光性部材5は常温硬化、加熱硬化、光照射等による光硬化によって硬化される。
また、反射部材2は、その発光素子4を取り囲むように配置される内周面2aが、上方に向かうに従って外側に広がる傾斜面とされていることにより、発光素子4から側方に出射された光は内周面2aで上方に反射され、発光装置の輝度や照度、発光効率が向上する。すなわち、内周面2aが垂直面や上方に向かうに従って内側に狭くなるように形成された反射面である場合に比して、内周面2aによって拡散反射された光が発光装置の内部で閉じ込められることがなく、発光素子4からの光は効率よく発光装置の外部に出射され、発光装置の光出力および発光効率は増加する。
そして、本発明の発光装置において、基体3または反射部材2は、これら多孔質な材料の空隙32に、未硬化のシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの透光性部材5が注入されることにより、基体3または反射部材2の貫通孔表面付近の空隙32に透光性部材5が染み込むように浸透し、その後樹脂を硬化させることによって浸透層7が形成される。この際、透光性部材5となる未硬化樹脂の注入後にその表面に圧力を加えたり、未硬化樹脂の注入を減圧下で行なったりした後に、大気圧下で加熱硬化あるいは常温硬化、光照射等によって硬化させる光硬化を行なわせると、浸透層7の形成が容易になる。
このように、反射部材2の内側に充填された透光性部材5と浸透層7の樹脂とは一体に形成されることにより、浸透層7が透光性部材5のアンカーの作用をなし、透光性部材5と基体3または反射部材2とは強固に接着されることになる。その結果、基体3の配線導体を半田付けするときなど、熱や衝撃による負荷が印加された場合、透光性部材5と基体3または反射部材2とが剥がれることは少なくなり、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
さらに、基体3または反射部材2中の複数の空隙32同士がその一部で互いにつながるように一体化され、基体3または反射部材2の表面と内部の空隙32とが連通していることが好ましい。このように基体3または反射部材2の表面から内部深くの空隙32まで連通していることにより、浸透層7の厚みが厚くなり、浸透層7によるアンカー効果が大きくなる。また、基体3中または反射部材2中の空隙32が外部と連通している場合、透光性部材5が基体3中または反射部材2中の空隙32に表面から内部に向けて染み込み、基体3または反射部材2に浸透層7を形成する際、空隙32内の空気などの気体が速やかに排出されやすくなるため、容易に浸透層7を形成することができる。
また、浸透層7の厚さは50μm以上1000μm以下であることが好ましい。浸透層7の厚さが50μm未満の場合、十分なアンカー効果を発揮させにくい。また、基体3または反射部材2の表面から透光性部材5が染み込む深さが1000μmを超える場合、粒子31間の空隙32と粒子31との界面の屈折率差に起因して生じる全反射が、浸透層7においては屈折率差が小さくなるために小さくなり、基体3または反射部材2の反射率が低下してしまう。よって、基体3または反射部材2の表面から透光性部材5が染み込む深さは50μm以上1000μm以下が好ましい。
また、基体3または反射部材2は、アルミナ、イットリア、ジルコニア、チタニア、ダイヤモンド、酸化カルシウム、および硫酸バリウムなど無機材料の粒子31が互いに一部分で一体化されることで多数の空隙32を有する多孔質に形成されているのが好ましい。
なお、基体3または反射部材2は全体が多孔質部材によって形成されている必要はなく、少なくとも透光性部材5が浸透する深さまで基体3または反射部材2の貫通孔の内周面2aに形成されていればよい。
基体3または反射部材2が互いに一部分で一体化された粒子31から成る場合、粒子31の表面に対して全反射角よりも小さな角度で入射した光は、表面を透過して、粒子31の内部に進入する。この透過光は、粒子31中を透過した後に反対側の表面に至り、その表面と、それよりも屈折率の低い空隙32との界面で、屈折率差によって全反射されて、基体3または反射部材2外部に出射させることができる。すなわち、粒子31と空隙32との界面が光入射角度に対して全反射する角度で存在する場合、入射した光は全反射される。一方、粒子31と空隙32との界面が光入射角度に対して全反射する角度で存在しない場合には入射光は透過するが、この透過した光の光路の先には粒子31と空隙32との界面が幾つも存在し、それらの界面の中には、光入射角度に対して全反射する角度で存在する界面が高確率で存在する。その結果、基体3または反射部材2の内部に進入した透過光は、いずれかの界面に
おいて全反射されて、基体3または反射部材2の外部に出射される。この様な現象が連続的に生じることによって、基体3または反射部材2の内部に進入した透過光は、効果的に反射され、基体3または反射部材2の外部に出射される。なお、全反射角とは、粒子31側から空隙32との界面に入射する光が、空隙32に進行しなくなったときの界面に垂直な線と入射光とのなす臨界角度以上の角度を意味する。
上述の作用から理解できるように、入射光を効率良く反射させる観点から、無機粒子31としては、屈折率が高くて全反射角を大きく確保できるものを使用するのが好ましい。また、基体3または反射部材2における光減衰を少なくする観点からは、反射すべき光に対する吸収が少ない(たとえば光吸収率が5%以下の)無機材料を使用するのが好ましい。また、透光性部材5には、屈折率の低いものを使用するのが好ましく、これによって、浸透層7においても粒子31と空隙32に浸透した透光性部材5との界面において、光の全反射を生じやすくできる。
これらの無機材料のうち、屈折率の観点からは、全反射角を大きく確保できるもの、たとえばチタニア(ルチル;n=2.8)あるいはジルコニア(n=2.1)が特に好ましい。
また、無機材料は、光吸収(透過率)の観点からは反射すべき光の波長に応じて選択することができる。たとえばチタニアは屈折率の観点からは好ましいが、光の波長350nm
前後の近紫外領域で光を吸収する特性を有する。そのため、基体3または反射部材2を波長が350nm前後の近紫外光を反射するように構成するためには、近紫外光を吸収しにく
いアルミナを使用するのが好ましい。
また、一般的に粒子31の粒径が入射する光の波長より小さくなる場合、光と粒子31との相互作用が小さくなるため、粒子31と空隙32との界面で光を反射する効果は小さくなる。特に粒径が光の波長の1/4未満になる場合、光を反射する効果が非常に小さくなる。よって、本発明に用いる無機材料から成る粒子31の粒径は、基体3または反射部材2の入射する光の波長の1/4より大きく、かつできるだけ小さいものを使用するのが好ましい。
また、この無機材料は全反射面を空間的に多数存在させることで全体の反射率を向上させているので、無機粒子の粒径が大きすぎる場合には、単位空間あたりの粒子31と空隙32とが接することによって形成される反射面が少なくなり、好ましくない。さらに、入射した光を全反射する確率を上げる観点からは、無機粒子31としては、球形状よりも板形状や柱形状などの不定形なものを使用するのが好ましい。
また、これらの基体3または反射部材2は、基体3または反射部材2の内部に進入した透過光を、高確率で反射・出射させるために、気孔率が15〜43%となるように形成するのが好ましい。これは、気孔率が不当に小さい場合、あるいは不当に大きい場合には、空隙32が少なくなるために、光反射に寄与する反射面の数が少なくなるとともに、良好な浸透層7が形成されにくくなるからであり、気孔率を不当に大きくした場合には、基体3または反射部材2の強度が低下するからである。
図9(a)および図9(b)から分かるように、アルミナ粒子を使用した反射部材は、測定波長に拘わらず、気孔率が10〜45%の範囲において高い反射率を示している。とくに、気孔率が15〜43%の範囲では、比較例として用いたラブスフェア社製の標準反射板(商品名「スペクトラロン」)よりも高い反射率を示している。したがって、アルミナを用いて反射部材を形成する場合には、気孔率を15〜43%の範囲に設定するのが好ましいといえる。
ここで、気孔率は、下記数式1により定義されるものである。
Figure 0005474133
数式1における嵩密度はアルキメデス法により、真密度は気相置換法(ピクノメータ法)により測定することができる。また、多孔質部分が薄い場合、反射層の断面を顕微鏡により観察し、その断面における気孔の面積率(気孔の面積の総和を総面積で割ることにより求められる)を求め、この気孔の面積率を3/2乗することにより気孔率を求めることができる。
このような基体3または反射部材2は、複数の無機材料から成る粒子31を基体3または反射部材2の形状に成形した後に、仮焼成することにより形成することができる。なお、仮焼成とは、無機材料から成る粒子31を間に空隙がほとんど存在しない状態(気孔率が0.001〜1%程度)の焼結体(セラミック)とは異なり、適度な気孔率を有する多孔質体を
形成するための不完全な焼成を意味している。
無機材料から成る粒子31層の仮焼成は、使用する無機材料、達成すべき気孔率および抗折強度によって異なるが、通常、1000〜1400℃において1〜5時間行なわれる。仮焼成においては、焼結温度を下げるための助剤を添加してもよい。この場合に使用する助剤としては、たとえばカルシアやマグネシアが挙げられ、その添加量は1〜10質量%とされる。
このような仮焼成を行なうことにより、無機材料から成る粒子31が相互に一体化され、適度な気孔率および抗折強度、たとえば気孔率が15〜43%、抗折強度が1〜300MPaである多孔質体を得ることができる。そして、無機材料から成る粒子31層にバインダ樹脂を含ませておいた場合には、バインダ樹脂は、仮焼成の加熱によって、蒸散あるいは燃焼させることで除去される。
これらの無機材料から成る粒子31から成る基体3または反射部材2は、フッ素系樹脂の粒子31を押し固めた後に焼成することにより、粒子31間に生じた空隙32を利用して光を散乱,反射させる材料と比較し、高い反射率を有するため、より発光効率の高い発光装置1を得ることができる。また、無機材料で基体3または反射部材2を形成した場合、その吸収特性によって発光素子4の発する光が着色されたり、無機材料は耐熱性にも優れることから高温下で使用した場合に炭化して着色したりすることがないため、信頼性の高い発光装置1を得ることができる。
また、基体3または反射部材2を仮焼成によって作製する場合は、無機材料の粒子31をプレス成型し、複数の粒子31を互いに一部分で一体化させて粒子31間に空隙32を形成する加圧工程とその後の仮焼成工程とを分けることができるため、プレス成型機で大量に基体3または反射部材2を成形した後、それを一度に仮焼成することによって基体3または反射部材2を得ることができるから、低コストで効率的に基体3または反射部材2を製造することができる。
次に、発光素子4は、例えば、液相成長法やMOCVD法等によりサファイア等の透明基板上にガリウム(Ga)−アルミニウム(Al)−窒素(N)、亜鉛(Zn)−硫黄(S)、Zn−セレン(Se)、珪素(Si)−炭素(C)、Ga−リン(P)、Ga−Al−砒素(As)、Al−インジウム(In)−Ga−P、In−Ga−N、Ga−N、
Al−In−Ga−N等の半導体を発光層として形成させたLED等が用いられる。半導体の構造としては、MIS接合やpn接合を有したホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構造のものが挙げられる。これら発光素子4は半導体層の材料やその混晶度によって、発光波長を紫外光から赤外光まで種々選択することができる。なお、透明基板とは、この発光層が形成される半導体を支持する目的で用いられる。
また、発光素子4は、Au−Sn共晶半田などの導電性接着部材(図示せず)を介したフリップチップボンディングにより、基体3の搭載部3aに形成された配線導体に接続されることによって基体3に搭載される。あるいは基体3の搭載部3aに半田やゾルゲルガラス,低融点ガラスなどの無機接着剤、もしくはエポキシ樹脂などの有機接着剤で取り付けられ、発光素子4の電極がボンディングワイヤを介して搭載部3a近傍の配線導体に電気的に接続される。
透光性部材5は、発光素子4が発する光に対して透過率が95%以上の透明な材料であり、かつ発光素子4を成す透明基板に近い屈折率を有する材料が好ましい。例えば、フェニル基が導入されたシリコーン樹脂や、チタニアやジルコニアのナノ粒子(粒径50nm未満)が均一分散されたシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、チタニアやジルコニアを骨格内に持つ有機無機ハイブリッド材料、スズリン系低融点ガラス、透明ポリイミド樹脂などが使用できる。
なお、浸透層7では屈折率の小さい樹脂を用いることが好ましいため、発光素子4の周囲では上記樹脂を用い、基体3または反射部材2の周囲では上記樹脂と密着力の大きい樹脂であって屈折率の小さいフッ素系樹脂等の低屈折率の樹脂5aを用いる多層構造にしてもよい(図3参照)。例えば、反射部材2の内周面2aに低屈折率の樹脂5aを反射部材2表面に浸透させるとともに、基体3の上面3bまたは反射部材2の内周面2aを覆うように被覆させ、その内側に発光素子4を覆うように上記樹脂を注入することによって透光性部材5を形成すればよい。これにより、発光素子4からの光は透光性部材5と低屈折率の樹脂5aとの界面でスネルの法則に従って反射され、浸透層7の反射率に応じて発生する光損失が抑制され、発光装置の光出力および発光効率は向上する。
波長変換部材6に用いる透明部材は、発光素子4が発する光と、波長変換部材6に含有された蛍光体(図示せず)が発する蛍光の両者に対し透明な材料を選ぶ必要がある。例えば、シリコーン樹脂や、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フッ素系樹脂、ゾルゲルガラス、有機無機ハイブリッド材料、低融点ガラス、透明ポリイミド樹脂などが使用できる。
また、蛍光体は、発光素子4の光で励起され異なる波長の光を放出することのできる様々な材料が用いられ、一例としては赤色(約580〜780nm)の蛍光を発するLaS:Eu、やYS:Eu、LiEuW、黄色(約480〜700nm)の蛍光を発するYAl12:Ce、緑色(約450〜650nm)の蛍光を発生する(BaMgAl)1012:Eu,MnやZnS:Cu,Al、SrGa:Eu、青色(約420〜550nm)の蛍光を発生するBaMgAl1012:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO)l2:Euなどが用いられる。
また、波長変換部材6は、透光性部材5を被覆するように形成され、その設置方法としては、蛍光体を透明部材に含有して成る波長変換部材6を予め所望の形状に成形した後、透光性部材5の上方に配置することにより、または蛍光体と透明部材とを混練した後、液状の波長変換部材6の前駆体の状態でディスペンサを用い透光性部材5の上に所望の厚さに塗布した後、オーブンで熱硬化させたり、紫外線を照射して硬化させたりすることによって行なわれる。
なお、紫外から青色光の領域に発光ピークを有する発光素子4を用い、この発光を波長変換させて白色光等に変換する必要がない場合は、波長変換部材6は省略可能である。
また、本発明の照明装置は、1個の本発明の発光装置1を所定の配置となるように設置し、本発明の発光装置1を光源として用いたことにより、または複数個を、例えば、格子状や千鳥状,出射状,複数の発光装置から成る、円状や多角形状の発光装置群を同心状に複数群形成したもの等所定の配置となるように設置し、本発明の発光装置1を光源として用いたことにより、照明装置とすることができる。半導体から成る発光素子4の電子の再結合による発光を利用する照明装置は、従来の放電を用いた照明装置よりも低消費電力かつ長寿命とすることが可能であり、発熱の少ない小型の照明装置とすることができる。
また、本発明の発光装置1を発光装置1が搭載され駆動される電気配線を有する駆動部上に光源として所定の配置に設置するとともに、これらの発光装置1の周囲に任意の形状に光学設計した反射板や光学レンズ、光拡散板等の光反射手段を設置することにより、任意の配光分布の光を出射できる照明装置とすることができる。
例えば、図5,図6に示す平面図,断面図のように複数個の発光装置101が発光装置駆
動回路基板等の駆動部102に複数列に配置され、発光装置101の周囲に任意の形状に光学設計した反射板等の光反射手段103が設置されて成る照明装置の場合、隣接する一列上に配
置された複数個の発光装置101の間に、隣り合う発光装置101が配置されるような配置、いわゆる千鳥状の配置とすることが好ましい。発光装置101が格子状に配置される際には、
光源となる発光装置101が直線上に配列されることによりグレアが強くなり、このような
照明装置が人の視覚に入ってくることにより、不快感を起こしやすくなるのに対し、千鳥状とすることにより、グレアが抑制され人間の目に対する不快感を低減することができる。
さらに、隣り合う発光装置101間の距離が長くなることにより、隣接する発光装置101間の熱的な干渉が有効に抑制され、発光装置101が実装された発光装置駆動部102内における熱のこもりが抑制され、発光装置101の外部に効率よく熱が放散される。その結果、人の
目に対して不快感を生じにくく、長期間にわたり光学特性の安定した長寿命の照明装置を作製することができる。
また、照明装置が、図7,図8に示す平面図,断面図のような発光装置駆動部102上に
複数の発光装置101から成る円状や多角形状の発光装置101群を、同心状に複数群形成した照明装置の場合、1つの円状や多角形状の発光装置101群における発光装置101の配置数を照明装置の中央側より外周側ほど多くすることが好ましい。これにより、発光装置101同
士の間隔を適度に保ちながら発光装置101をより多く配置することができ、照明装置の照
度をより向上させることができる。また、照明装置の中央部の発光装置101の密度を低く
して発光装置駆動部102の中央部における熱のこもりを抑制することができる。よって、
発光装置駆動部102内における温度分布が一様となり、照明装置を設置した外部電気回路
基板やヒートシンクに効率よく熱が伝導され、発光装置101の温度上昇を抑制することが
できる。その結果、発光装置101は長期間にわたり安定して動作することができるととも
に長寿命の照明装置を作製することができる。
このような照明装置としては、例えば、室内や室外で用いられる、一般照明用器具、シャンデリア用照明器具、住宅用照明器具、オフィス用照明器具、店装,展示用照明器具、街路灯用照明器具、誘導灯器具、信号装置、舞台、スタジオ用の照明器具、広告灯、照明用ポール、水中照明用ライト、ストロボ用ライト、スポットライト、電柱等に埋め込む防犯用照明、非常用照明器具、懐中電灯、電光掲示板等、調光器、自動点滅器、ディスプレイ等のバックライト、動画装置の照明、装飾品、照光式スイッチ、光センサ、医療用ライ
トおよび車載ライト等が挙げられる。
本発明の発光装置1を以下のとおり評価した。
まず、フッ素系樹脂から成る粒子31を押し固めた後に焼成することにより、粒子31間に生じた空隙32を利用して光を散乱,反射させる材料を用いて反射部材2を切削加工法で形成した。また、透光性部材5としてシリコーン樹脂を用意した。次にフッ素系樹脂から成る粒子31を押し固めた後に焼成することにより、粒子31間に生じた空隙32を利用して光を散乱,反射させる材料で形成された反射部材2のうち、発光素子4の光や蛍光体の光が反射される貫通孔の内周面2aに、シリコーン樹脂を染みこませる深さ、即ち、浸透層7の厚さを変更したものを作製した。なお、浸透層7の厚さは1100μm、900μm、50μm、10μmの4通りのものとした。浸透層7の厚さは、シリコーン樹脂を染みこませる前に反射部材2をプレヒーティングする温度にて制御した。
また、基体3として白色アルミナセラミックス製の搭載部3aと配線導体が形成された基体3を用意し、発光素子4の搭載部3aに発光素子4を金バンプにてフリップチップ実装した。次に発光素子4を取り囲むようにシリコーン樹脂を染み込ませた反射部材2をエポキシ接着剤で基体3の上面3bに取り付けた後、反射部材2に染み込ませたシリコーン樹脂と同じシリコーン樹脂を反射部材2の内側に充填して150℃で1時間熱硬化させ、発光装置1を作製した。
次に、作製した浸透層7が4通りの発光装置1の光出力を測定した結果を表1に示す。
Figure 0005474133
表1の結果より、シリコーン樹脂を染みこませる深さ、即ち浸透層7の厚さが1100μmでは、浸透層7が50μmの光出力を1として発光装置1の光出力は82%まで大きく低下した。これは、フッ素系樹脂から成る粒子31を押し固めた後に焼成することにより、粒子31間に生じた空隙32を利用して光を散乱,反射させる材料で形成された反射部材2にシリコーン樹脂が染み込み過ぎ、反射部材2を構成するフッ素系樹脂からなる微細な粒子31間の空隙32をフッ素系樹脂の屈折率1.3より大きい屈折率1.41を持つシリコーン樹脂が埋めて
しまったため、この反射材が本来持つ反射率が損なわれ、反射部材2によって発光素子4の光エネルギーを効率よく反射することができなくなって、発光装置1の光出力が低下したものと考えられる。
次に、作製した4種類の発光装置1を半田リフロー炉に投入した。なお、温度条件は、ピーク温度が260℃以上280℃未満で10秒間保持された後に60秒間で室温に戻すように設定した。また、炉内雰囲気は窒素雰囲気とした。
リフロー炉投入後に光出力を測定した結果を表2に示す。
Figure 0005474133
表2の結果より、シリコーン樹脂を染みこませる深さが10μmの場合、発光装置1の光出力は、浸透層7が50μmの光出力に対して72%に大きく低下した。これはシリコーン樹脂が、フッ素系樹脂から成る粒子31を押し固めた後に焼成することにより、粒子31間に生じた空隙32を利用して光を散乱,反射させる材料で形成された反射部材2に浸透する深さが十分深くないため、この反射材で形成された反射部材2の内面に充填されたシリコーン樹脂を硬化させる際に、反射部材2とシリコーン樹脂とが密着するものの、アンカー効果が十分に発揮されず、反射部材2とシリコーン樹脂との熱膨張差に起因して発生する応力により、透光性部材5が反射部材2から剥がれてしまって、発光装置1の光出力が低下したものと考えられる。
したがって、浸透層7の深さは、50μm以上900μm以下が好ましいことが分かった。
なお、本発明は以上の実施の形態の例および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を行なうことは何等支障ない。例えば、反射部材2は、貫通孔が形成された筒形状に形成されるだけではなく、上視平面において一方の側面が開放されたコの字形状でもよく、また断面において一方向の側面に切り欠きが形成された鍵形状、所謂、サイドビュー用の反射部材2として形成されてもよい。
また、本発明の照明装置は、複数個の発光装置1を所定の配置となるように設置したものだけでなく、1個の発光装置を所定の配置となるように設置したものでもよい。
1:発光装置
2:反射部材
3:基体
3a:搭載部
4:発光素子
5:透光性部材
6:波長変換部材
7:浸透層

Claims (2)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子を覆う透光性部材と、
    前記発光素子を囲む、前記発光素子によって発生された光を反射する反射部材とを備えており、
    該反射部材は、無機材料の複数の粒子が互いに部分的に一体化された多孔質構造で一様に形成されているとともに、15〜43%の気孔率を有し、前記透光性部材の一部が浸透している浸透領域を有しており、前記浸透領域の厚さが50μm以上1000μm以下であることを特徴とする発光装置。
  2. 発光素子と、
    前記発光素子を覆う透光性部材と、
    前記発光素子が搭載された上面を有する基体とを備えており、
    該基体は、無機材料の複数の粒子が互いに部分的に一体化されていた多孔質構造で一様に形成されているとともに、15〜43%の気孔率を有し、前記透光性部材の一部が浸透している浸透領域の厚さが50μm以上1000μm以下であることを特徴とする発光装置。
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