JP4348684B2 - 発光デバイス及び発光デバイスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、発光ダイオードやレーザーダイオード等の発光デバイス及びその製造方法、例えば、高電力、高出力の発光素子が設けられた発光ダイオードとして構成された、放熱性に優れる発光デバイス及びその製造方法に関する。
発光デバイスとしては、代表的に、発光ダイオードやレーザーダイオード等の電子デバイスを挙げることができる。このうち発光ダイオード(以下、LED(Light Emitting Diode)ともいう。)は、発光素子が設けられ、この発光素子に所定の電力が供給されることで、該発光素子から光が出射される。このとき、発光素子がその発光に伴って発熱し、これによりLEDの温度が上昇する。
近年、LEDは、青色LEDや白色LEDの実用化により、電気製品のインジケータや携帯電話の液晶バックライトなどの表示用に利用されてきており、さらに、高い発光効率や輝度の向上により、室内照明、自動車用照明、信号機など照明用等に広く利用されることが期待されている。このように照明用等に利用される場合には、今後、さらに高出力のLEDが求められており、この場合、発光素子に、より高い電力が供給されることになり、それだけLEDの温度が上昇することになる。
このような高電力、高出力LED等の発光デバイスにおいては、前記したような温度上昇に耐え得るパッケージ用部材として、セラミックからなるパッケージ用セラミック部材が採用されることがある。
このパッケージ用セラミック部材を備えた発光デバイスでは、発光素子等の半導体素子の温度を所定の動作保証温度以下に抑えるように、例えば、パッケージ用セラミック部材に金属からなる放熱用金属部材を設け、半導体素子からの熱をセラミック部材から速やかに金属部材へ熱伝導により移動させるとともに該金属部材にて分散させ、効率よく金属部材表面から放熱部への放熱を行っている。
このような放熱用金属部材及びパッケージ用セラミック部材を備えた発光デバイスにおいては、通常、金属部材とセラミック部材とが接着剤にて相互に接着されている。かかる金属部材とセラミック部材との接着は、従来、かかる接着剤として一般的に用いられる銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、Zn(亜鉛)、Cd(カドミウム)等のロー材にてロー付けを行うことでなされている。
しかしながら、前記したような、放熱用金属部材及びパッケージ用セラミック部材を備え、金属部材とセラミック部材とがロー付けにて相互接着された発光デバイスでは、金属部材とセラミック部材との線膨張係数に差があれば、それだけ金属部材及びセラミック部材に、温度上昇に伴う応力が生じ、そり・セラミック部材の破損(われ)等が発生し易い。この問題を回避するために、従来は、セラミック部材及び金属部材の接着にあたって、セラミック材料及び金属材料として、それぞれの線膨張係数が近似している材料を使用している。
前記のセラミック材料としては、一般的に、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)等が使用され、前記の金属材料としては、一般的に、銅−タングステン複合材料(CuW)、銅−モリブデン複合材料(CuMo,CuMoCu)等が使用される。以下に、各材料の線膨張係数を示す。
セラミック材料 AlN 4.5×10-6
Al23 6.7×10-6
金属材料 CuW 6.5×10-6(W−10:89W,11Cu)
CuMo 7.0×10-6(CM−15:85Mo,15Cu)
CuMoCu 8.9×10-6(CMC111)
なお、前記のCuMoCu(CMC111)は、Mo板を2枚のCu板で挟持して圧着したものであって、3層比Cu:Mo:Cu=1:1:1としたものである。
ところで、前記のCuW,CuMo,CuMoCu等の金属材料の熱伝導率は、比較的熱伝導率の良い金属材料の熱伝導率(代表的にはCu(393W/mk))に対し、CuW(180W/mk),CuMo(160W/mk),CuMoCu(232W/mk)等と劣る。従って、照明用等に利用されるような従来のものより高電力、高出力のLED等の発光デバイスでは、放熱用金属部材として、Cuのような比較的熱伝導率の良い金属材料を用いることが望まれているものの、Cu(線膨張係数17.0×10-6)のような金属材料は、セラミック材料に対して線膨張係数の差が大きく、前記したような、金属部材及びセラミック部材の温度上昇に伴う応力に起因する、そり・セラミック部材の破損(われ)等の問題が発生し易い。
一方、高電力、高出力のLEDでは、次のことが要求される。すなわち、LEDにおいては、一般的に、発光素子側方から出射される光は利用され難く、それだけ効率よく光が出射され難い。例えば、パッケージ用部材としてセラミック部材を用いる場合には、発光素子側方から出射される光がセラミック部材に反射して外部に放出されるので、それだけ効率よく光を利用することができない。また、例えば、LEDを照明用等として利用する場合には、発光素子からの光をレンズ等で集光すると、発光素子側方からセラミック部材にて反射される反射光によって、集光ムラを招く。従来はLEDを複数設け、複数の光源として、この集光ムラによる影響を少なくしている。しかし、従来のものより高電力、高出力のLEDは、単一の光源として利用され得る。従って、従来のものより高電力、高出力のLEDにおいては、特に、発光素子側方から出射される光を、効率よく、且つ、集光ムラ少なく、有効に利用することが要求される。
そこで、本発明は、金属からなる放熱用金属部材とセラミックからなるパッケージ用セラミック部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが接着剤にて相互接着された発光デバイス及びその製造方法であって、前記金属部材及び前記セラミック部材の温度上昇に伴う応力に起因する、そり・前記セラミック部材の破損(われ)等の前記金属部材と前記セラミック部材との線膨張係数の差による温度変化時の問題の発生を抑制でき、従って、前記金属部材の材料として比較的熱伝導率の良い金属材料を用いることができ、従来のものより高電力、高出力のデバイス特性を実現することができる発光デバイス及びその製造方法を提供することを第1の課題とする。
また、本発明は、金属からなる放熱用金属部材とセラミックからなるパッケージ用セラミック部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが接着剤にて相互接着された発光デバイスであって、例えば、発光素子が設けられた発光ダイオードとして構成される場合において、前記発光素子側方から出射される光を、効率よく、且つ、集光ムラ少なく、有効に利用することができる発光デバイスを提供することを第2の課題とする。
本発明者は前記第1の課題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、次のことを見出した。すなわち、金属からなる放熱用金属部材とセラミックからなるパッケージ用セラミック部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが接着剤にて相互接着された発光デバイスにおいては、前記接着剤としてロー材を用い、前記金属部材と前記セラミック部材との接着をロー付けにて行う場合には、このロー材は、前記金属部材及び前記セラミック部材の温度上昇に伴う応力の緩衝性が悪く、これにより、そり・セラミック部材の破損(われ)等の前記金属部材と前記セラミック部材との線膨張係数の差による温度変化時の問題が発生し易い。そこで、前記接着剤として固化接着状態において柔軟性を示すように構成されたホットメルトを用い、前記金属部材と前記セラミック部材とを接着すれば、このホットメルトにより、前記金属部材及び前記セラミック部材の温度上昇に伴う応力が緩和され、これにより、そり・セラミック部材の破損(われ)等の前記金属部材と前記セラミック部材との線膨張係数の差による温度変化時の問題の発生が抑制される。
また、本発明者は前記の研究過程においてさらに次の知見を得た。すなわち、セラミック材料のなかには、もろさ、加工性等の観点から、気孔を有しているものがある。この気孔を利用して、前記ホットメルトを前記セラミック部材表面の気孔に含浸させ、該ホットメルトを該気孔に結びつかせると、該セラミック部材と該ホットメルトとの接着力が向上し、これにより、接着状態での前記ホットメルトの厚みを比較的薄くしても接着性を良好に保つことができ、それだけ前記ホットメルトの熱伝導性が向上する。
本発明はかかる知見に基づくものであり、前記第1の課題を解決するため、次の発光デバイス及び発光デバイスの製造方法を提供する。
(1)発光デバイス
放熱用の金属部材と、パッケージ用のセラミック部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが第1ホットメルトにて接着された発光デバイスであって、
ガラスからなる光学部材をさらに備えており、前記セラミック部材と前記光学部材とが第2ホットメルトにて接着され、
前記第1及び第2ホットメルトは、所定の温度より高い溶融温度で加熱溶融するとともに固化接着状態において弾性係数が0.2×10 8 Pa〜13.0×10 8 Paとなる柔軟性を示すように構成され、
前記セラミック部材は、少なくとも所定の接着領域の表面部分に気孔を有しているとともに、該気孔に前記ホットメルトが含浸され、
さらに、前記第1ホットメルトの溶融温度aと前記第2ホットメルトの溶融温度bとの関係が、a>bであることを特徴とする発光デバイス。
(2)発光デバイスの製造方法
放熱用の金属部材と、パッケージ用のセラミック部材と、ガラスからなる光学部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが第1ホットメルトにて接着されると共に、前記セラミック部材と前記光学部材とが第2ホットメルトにて接着された発光デバイスの製造方法であって、
水又は水溶性有機溶剤に第1及び第2の樹脂材料を溶解することにより、第1及び第2の溶融温度a,b(a>b)で加熱溶融するとともに固化接着状態において弾性係数が0.2×10 8 Pa〜13.0×10 8 Paとなる柔軟性を示す第1及び第2ホットメルトを作成する接着剤作成工程と、
前記セラミック部材として、前記接着領域表面部分が第1及び第2の接着領域表面部分を含むものを採用し、前記セラミック部材の前記第1及び第2の接着領域表面部分に、前記接着剤作成工程にて作成された前記第1及び第2ホットメルトをそれぞれ塗布するとともに、1kPa以下の真空状態にて、前記セラミック部材の前記第1及び第2の接着領域表面部分における気孔に該第1及び第2ホットメルトをそれぞれ含浸させる接着剤塗布含浸工程と、
前記セラミック部材と前記金属部材との間で前記第1ホットメルトを前記第1の溶融温度a以上の第1の接着温度下で溶着させて前記セラミック部材と前記金属部材とを相互に接着するセラミック−金属接着工程と、
前記セラミック−金属接着工程にて前記セラミック部材と前記金属部材とを接着した後、前記セラミック部材と前記光学部材との間で第2ホットメルトを前記第2の溶融温度b以上前記第1の溶融温度a未満の第2の接着温度下で溶着させて前記セラミック部材と前記光学部材とを相互に接着するセラミック−ガラス接着工程と、
を含むことを特徴とする発光デバイスの製造方法。
本発明に係る発光デバイスによると、前記金属部材と前記セラミック部材とを接着する前記接着剤が、固化接着状態において柔軟性を示すように構成されたホットメルトであるので、該ホットメルトにより、前記金属部材及び前記セラミック部材の温度上昇に伴う応力を緩和でき、これにより、そり・前記セラミック部材の破損(われ)等の前記金属部材と前記セラミック部材との線膨張係数の差による温度変化時の問題の発生を抑制でき、従って、前記金属部材の材料として比較的熱伝導率の良い金属材料(代表的には銅(Cu))を用いることができ、従来のものより高電力、高出力のデバイス特性を実現することができる。また、前記セラミック部材の前記接着領域表面部分における気孔に前記ホットメルトが含浸されるので、前記ホットメルトを前記気孔に結びつかせることができ、これにより、該セラミック部材と該ホットメルトとの接着力を向上させることができる。従って、固化接着状態での前記ホットメルトの厚みを比較的薄くしても接着性を良好に保つことができ、それだけ前記ホットメルトの熱伝導性を向上させることができる。
本発明に係る発光デバイスの製造方法では、前記接着剤として作成された前記ホットメルトが、前記セラミック部材の前記接着領域表面部分に塗布され、前記所定真空状態にて前記セラミック部材の前記接着領域表面部分における気孔に含侵される。このホットメルトは、前記水又は前記水溶性有機溶剤に前記樹脂材料を溶解したものであるので、室温(例えば、25℃)ではベタ付きが少なく、該気孔に均一に含侵することができる。この所定真空状態における真空雰囲気圧としては、1kPa程度以下を例示できる。その後、前記ホットメルトが塗布含浸された前記セラミック部材と前記金属部材との間で該ホットメルトが前記溶融温度以上の接着温度下で加熱溶融によって活性化され、前記セラミック部材と前記金属部材とが相互に接着される。このように、前記セラミック部材の前記接着領域表面部分における気孔に前記ホットメルトを真空含侵させることにより、該ホットメルトと該気孔とを良好に結びつかせることができる。かくして、前記本発明に係る発光デバイスを製造することができる。
このように、本発明に係る発光デバイスの製造方法によると、前記本発明に係る発光デバイスを製造できるので、前記金属部材及び前記セラミック部材の温度上昇に伴う応力に起因する、そり・前記セラミック部材の破損(われ)等の前記金属部材と前記セラミック部材との線膨張係数の差による温度変化時の問題の発生を抑制でき、従って、前記金属部材の材料として比較的熱伝導率の良い金属材料を用いることができ、従来のものより高電力、高出力のデバイス特性を実現することができ、また、前記セラミック部材の前記接着領域表面部分における気孔に前記ホットメルトが含浸されるので、前記ホットメルトを前記気孔に結びつかせることができ、これにより、該セラミック部材と該ホットメルトとの接着力を向上させることができ、従って、固化接着状態での前記ホットメルトの厚みを比較的薄くしても接着性を良好に保つことができ、それだけ前記ホットメルトの熱伝導性を向上させることができる発光デバイスを提供することができる。
前記金属部材の材料としては、比較的熱伝導率の良い金属材料、例えば、既述したCuの他、金(Au)、銀(Ag)等を挙げることができる。特に、Cuは、熱伝導性に優れるとともに比較的安価であり、CuW、CuMo、CuMoCu等のような複合材料に比べ、加工性がよいので、好適に用いることができる。
前記セラミック部材の材料としては、それには限定されないが、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)等を挙げることができる。前記セラミック部材は複数のセラミック部材からなっていてもよい。この場合、各セラミック部材が前記ホットメルトにて互いに接着されていてもよい。前記セラミック部材としては、もろさ、加工性等の観点から、気孔が表面部分を含むセラミック材料全体的に形成されているものを例示できる。前記セラミック部材における気孔の気孔率としては、5%〜20%程度を例示できる。この気孔が5%程度より少ないと該気孔へのホットメルトの含浸が困難になり、20%程度より多いと、熱伝導率が低下し易い。前記セラミック部材における気孔の孔径としては、それには限定されないが、0.01mm〜0.15mm程度を例示できる。なお、本発明の発光デバイスの製造方法の前記接着剤塗布含浸工程において、前記樹脂材料は、前記水又は前記水溶性有機溶剤に溶解されているので、例えば、0.01mm〜0.15mm程度の微細な気孔にも均一に含浸され得る。
ここでいう気孔率とは、JIS R1634(ファインセラミックスの焼結体密度・開気孔率の測定方法、セラミックスの開気孔率の算出方法)による開気孔率として、
Pb=((W3−Wl)/(W3−W2))×100
Pb:開気孔率(%)
[ここで、W1:乾燥質量(g)(110±5℃の恒温器で乾燥した後、デシケータ中で放冷し、質量を測定した値)
W2:水中質量(g)(飽水試料を針金で水中に懸垂したまま質量を測定し、治具の質量を補正した値)
W3:飽水質量(g)(飽水試料を水中から取り出し、湿ったガーゼで表面の水滴を除去し質量を測定した値)とする。]
の計算式により算出される値であり、アルキメデス法という算出方法に基づくものである。
また、気孔の孔径は、試料中にある微細な気孔に水銀を圧入し、圧入圧力と圧入された水銀の体積から、気孔の容積を算出するという水銀圧入法により算出された値で、具体的には水銀ポロシメータ(例えば島津製作所製オートポア9200型など)を用いて算出される。
本発明に係る発光デバイスの製造方法において、前記所定温度より高い溶融温度で加熱溶融するとともに固化接着状態において柔軟性を示す前記樹脂材料としては、それには限定されないが、例えば、熱可塑性エラストマーと、エチレン・酢酸ビニル及びアクリル酸又はメタクリル酸の共重合体とを含む樹脂組成物を挙げることができる。本発明に係る発光デバイスにおいて、前記所定温度より高い溶融温度で加熱溶融するとともに固化接着状態において柔軟性を示すように構成された前記ホットメルトとしては、弾性係数が0.2×108Pa〜13.0×108Pa程度のホットメルトを例示でき、後述するように弾性係数に寄与する材料選定の観点からすると、さらに好ましくは0.25×108Pa〜5.0×108Pa程度、最も好ましくは1.9×108Pa〜3.3×108Pa程度のホットメルトを例示できる。このようなホットメルトは、従来のロー材、例えば、
弾性係数Pa
Ag 827.7×108
Au 780.6×108
Cu 1274.9×108
Zn 760.0×108
Cd 489.4×108
に比べ、明らかに柔軟性に優れる。
前記熱可塑性エラストマーは、例えば、天然ゴム、合成ゴム等のように長大な分子鎖が複雑に絡み合った分子構造を持つ材料であり、前記金属部材及び前記セラミック部材の温度上昇に伴う応力の緩和剤としての役目を有する。前記熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系のもの、オレフィン系のもの、ポリエステル系のもの、塩化ビニル系のもの、ポリアミド系のもの等を例示できる。なかでも、スチレン系及びオレフィン系の熱可塑性エラストマーを用いると、ホットメルトの弾性係数が前述の「さらに好ましい範囲である0.25×108Pa〜5.0×108Pa」にほぼ包含され得るので好ましい。
前記エチレン・酢酸ビニル及びアクリル酸又はメタクリル酸の共重合体は、前記金属部材及び前記セラミック部材の接着強度を向上させ得る役目を有する。
前記樹脂材料は、ポリエチレンを含んでいてもよい。このポリエチレンとしては、低密度・高密度ポリエチレンを使用することができ、前記ホットメルトのぬれ性を向上させ得る役目を有する。このように前記樹脂材料がポリエチレンを含んでいる方が、前記ホットメルトのぬれ性の点で好ましい。
前記の樹脂組成物が、熱可塑性エラストマーと、エチレン・酢酸ビニル及びアクリル酸又はメタクリル酸の共重合体と、ポリエチレンとのうち、少なくとも熱可塑性エラストマーと、エチレン・酢酸ビニル及びアクリル酸又はメタクリル酸の共重合体とを含む場合、各成分の割合としては、例えば、
熱可塑性エラストマー :20重量%〜80重量%程度
エチレン・酢酸ビニル及びアクリル酸
又はメタクリル酸の共重合体 :10重量%〜60重量%程度
ポリエチレン : 0重量%〜40重量%程度
を挙げることができる。これらのうち、少なくとも熱可塑性エラストマーの成分割合を適宜調製することで、固化接着状態における前記ホットメルトの弾性係数を調整することができる。例えば、熱可塑性エラストマーを少なくすると弾性係数が大きくなり、熱可塑性エラストマーを多くすると弾性係数が小さくなる。
また、前記樹脂材料には、耐熱性に優れる熱硬化性樹脂、例えば、ポリイミド樹脂、BTレジン、シリコーン等の熱硬化性樹脂を適宜配合することができる。この熱硬化性樹脂の配合割合としては、例えば、0.01重量%〜10重量%程度を挙げることができる。このような熱硬化性樹脂は、前記セラミック部材の前記接着領域表面部分における気孔内に含浸され、たとえ前記所定温度程度になっても、前記金属部材及び前記セラミック部材の接着強度を維持し得る役目を有する。
前記樹脂材料が前記水溶性有機溶剤に溶解される場合、この水溶性有機溶剤としては、それには限定されないが、例えば、ジメチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤などを挙げることができる。
本発明に係る発光デバイスの製造方法において、前記セラミック部材に塗布する前記ホットメルトの厚みとしては、20μm〜200μm程度を例示できる。本発明に係る発光デバイスにおいて、固化接着状態の前記ホットメルトの厚みとしては、0.01mm〜0.10mm程度を例示できる。この厚みが0.01mm程度より小さいと前記ホットメルトの接着性が低下し易く、0.10mm程度より大きいと前記ホットメルトの熱伝導性が低下し易い。また、本発明に係る発光デバイスの製造方法において、前記接着剤塗布含浸工程にて前記ホットメルトが塗布含浸された前記セラミック部材を乾燥させる接着剤乾燥工程をさらに含んでいてもよい。
本発明に係る発光デバイスは、前記金属部材又は前記セラミック部材に発光素子が設けられた発光ダイオードとして構成されていてもよい。また、本発明に係る発光デバイスの製造方法は、前記金属部材又は前記セラミック部材に発光素子を設ける工程をさらに含み、発光ダイオードとして構成される発光デバイスを製造してもよい。このように発光ダイオードとして構成される発光デバイスは、例えば、前記金属部材の材料として、既述のCuのような比較的熱伝導率の良い金属材料を用いることで、従来のものより高電力、高出力の発光ダイオードとしてより高輝度な発光特性を実現することができる。
また、本発明に係る発光デバイス(例えば、発光ダイオードとして構成される発光デバイス)は、ガラス部材(例えば、ガラスからなる光学部材、さらに具体的にはガラスレンズ)をさらに備えていて、前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)とが前記ホットメルトにて相互接着されさらに、前記ホットメルトは、前記金属部材と前記セラミック部材とを接着している第1のホットメルトと、前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)と前記セラミック部材とを接着している第2のホットメルトとを含んでいて、例えば、前記金属部材と前記セラミック部材とを接着し、半導体素子(例えば、発光素子)等を設けたあとに、前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)と前記セラミック部材とを接着する場合を考慮して、前記第1ホットメルトの溶融温度aと前記第2ホットメルトの溶融温度bとの関係をa>bとしている。こうすることで、前記第1ホットメルトにより前記金属部材と前記セラミック部材とを接着したあとに前記第2ホットメルトにより前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)と前記セラミック部材とを接着しても、前記第2ホットメルトによる前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)と前記セラミック部材との接着の際に、前記金属部材と前記セラミック部材とを接着している前記第1ホットメルトの溶融を防ぐことができる。
本発明に係る発光デバイスの製造方法は、発光デバイス(例えば、発光ダイオードとして構成される発光デバイス)が、ガラス部材(例えば、ガラスからなる光学部材、さらに具体的にはガラスレンズ)をさらに備えるものであり、前記接着剤塗布含浸工程にて前記ホットメルトが塗布含浸された前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)との間で該ホットメルトを前記溶融温度以上の接着温度下で溶着させて前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)とを相互に接着するセラミック−ガラス接着工程をさらに含んでいる。
この場合、例えば、前記金属部材と前記セラミック部材とを接着し、半導体素子(例えば、発光素子)等を設けたあとに、前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)と前記セラミック部材とを接着する場合を考慮して、前記接着剤作成工程では、前記接着剤として、前記水又は前記水溶性有機溶剤に溶解し、前記所定温度より高い第1及び第2の溶融温度a,b(a>b)で加熱溶融するとともに固体接着状態において柔軟性を示す第1及び第2の樹脂材料を前記水又は前記水溶性有機溶剤に溶解させて第1及び第2のホットメルトをそれぞれ作成し、前記接着剤塗布含浸工程では、前記セラミック部材として、前記接着領域表面部分が第1及び第2の接着領域表面部分を含むものを採用し、前記セラミック部材の前記第1及び第2の接着領域表面部分に、前記接着剤作成工程にて作成された前記第1及び第2のホットメルトをそれぞれ塗布するとともに、所定真空状態にて前記セラミック部材の前記第1及び第2の接着領域表面部分における気孔に該第1及び第2のホットメルトをそれぞれ含浸させ、前記セラミック−金属接着工程では、前記接着剤塗布含浸工程にて前記第1ホットメルトが塗布含浸された前記セラミック部材と前記金属部材との間で該第1ホットメルトを前記第1溶融温度a以上の第1の接着温度下で溶着させて前記セラミック部材と前記金属部材とを相互に接着し、前記セラミック−ガラス接着工程では、前記セラミック−金属接着工程にて前記セラミック部材と前記金属部材とを接着した後、前記接着剤塗布含浸工程にて前記第2ホットメルトが塗布含浸された前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)との間で該第2ホットメルトを前記第2溶融温度b以上前記第1溶融温度a未満の第2の接着温度下で溶着させて前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)とを相互に接着する。こうすることで、前記第1ホットメルトにより前記金属部材と前記セラミック部材とを接着したあとに前記第2ホットメルトにより前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)と前記セラミック部材とを接着しても、前記第2ホットメルトによる前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)と前記セラミック部材との接着の際に、前記金属部材と前記セラミック部材とを接着している前記第1ホットメルトの溶融を防ぐことができる。
前記所定温度としては、発光デバイスに設けられる半導体素子(例えば、発光デバイスが発光ダイオードとして構成される場合、発光素子)の動作保証温度以下であることが望ましく、例えば、100℃〜150℃程度を挙げることができ、この場合、前記溶融温度は、100℃〜150℃程度より高い温度とすることができる。また、前記溶融温度以上の前記接着温度としては、例えば、180℃〜300℃程度を例示できる。前記接着温度が300℃程度を超えると、前記ホットメルトを構成する樹脂の特性劣化を招く恐れがある。なお、従来のロー材での接着では、一般的に、500℃〜800℃程度の加熱状態において接着がなされている。この点、本発明では、従来の500℃〜800℃程度といった温度より十分低い温度(例えば、180℃〜300℃)で接着できるので、発光デバイスの生産効率が向上し、それだけ製造コストを低く抑えることができる。
本発明に係る発光デバイスの製造方法において、前記セラミック−金属接着工程では、前記セラミック部材と前記金属部材との間で前記ホットメルトを前記接着温度下、且つ、所定の圧力下で溶着させて前記セラミック部材と前記金属部材とを相互に接着してもよいし、前記セラミック部材の前記接着領域表面部分が前記第1接着領域表面部分を含む場合、前記セラミック−金属接着工程では、前記セラミック部材と前記金属部材との間で該第1ホットメルトを前記第1接着温度下、且つ、前記所定圧力下で溶着させて前記セラミック部材と前記金属部材とを相互に接着してもよい。
また、前記セラミック−ガラス接着工程では、前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)との間で前記ホットメルトを前記接着温度下、且つ、前記所定圧力下で溶着させて前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)とを相互に接着してもよいし、前記セラミック部材の前記接着領域表面部分が前記第2接着領域表面部分を含む場合、前記セラミック−ガラス接着工程では、前記セラミック−金属接着工程にて前記セラミック部材と前記金属部材とを接着した後、前記接着剤塗布含浸工程にて前記第2ホットメルトが塗布含浸された前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)との間で該第2ホットメルトを前記第2接着温度下、且つ、前記所定圧力下で溶着させて前記セラミック部材と前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)とを相互に接着してもよい。
前記の所定圧力としては、それには限定されないが、9.8×104Pa〜294.2×104Pa(1kg/cm2〜30kg/cm2)程度を例示できる。
ここで、接着剤として一般的に多用されている2液式や熱硬化型等の接着剤を用いてセラミック材料の気孔に真空含浸する場合について見てみると、真空含浸中において、該接着剤の硬化が始まるため、セラミック材料に該接着剤を介して接着物を付けた状態で真空含浸する必要があり、このようにセラミック材料に接着物を付けた状態では、セラミック材料の気孔から空気が抜ける際の接着剤層のムラが発生するなど、うまく真空含浸できず、接着性の低下を招き易い。
この点、本発明に係る発光デバイスの製造方法では、前記ホットメルトは、前記セラミック部材に真空含浸した後に、さらに前記接着剤乾燥工程を含む場合には、前記セラミック部材に真空含浸後乾燥した後に、前記金属部材(さらに前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)を設ける場合には該ガラス部材(例えば、該光学部材))が設けられ、前記接着温度に加熱されることにより、前記セラミック部材と前記金属部材(さらに前記ガラス部材(例えば、前記光学部材)を設ける場合には該ガラス部材(例えば、該光学部材))とを接着することができる。
本発明に係る発光デバイスにおいて、例えば、発光素子が設けられた発光ダイオードとして構成される場合には、前記第2の課題を解決するために、前記発光素子が、前記金属部材又は前記セラミック部材の周縁部頂部から0.5mm〜2mm程度浮かすように設けられていることが好ましい。こうすることで、前記発光素子側方から出射される光が直接的に外部に放出され易くなり、それだけ効率よく光を利用することができる。また、例えば、前記発光ダイオードを照明用等として利用する場合には、前記発光素子からの光をレンズ等で集光しても、前記発光素子側方から前記セラミック部材にて反射される反射光は十分抑制され、それだけ集光ムラの発生を低減できる。従って、前記発光素子側方から出射される光を、効率よく、且つ、集光ムラ少なく、有効に利用することができる。
前記発光素子は、該発光素子が配置される素子配置部材を介して前記金属部材又は前記セラミック部材に設けられていてもよい。この素子配置部材としては、代表的には、サブマウントと呼ばれる、回路パターン等が形成された小型回路を含むものを例示できる。このサブマウントは、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)等の比較的熱伝導性が高いセラミック材料にて構成され得る。前記サブマウントがセラミック材料にて構成される場合、該サブマウントは前記セラミック部材の一部として構成され得る。
前記発光素子が、単に前記素子配置部材を介して前記金属部材又は前記セラミック部材に設けられるだけでは、熱伝導性の低下を招き、ひいては前記発光素子からの熱を放熱する放熱性が低下し易い。このため、前記素子配置部材の前記金属部材又は前記セラミック部材との相互接触面積を大きくすることが好ましい。一方、前記素子配置部材では、配置する前記発光素子の側方から該素子配置部材側に出射される光を該素子配置部材で遮らないようにすることが好ましい。これらのことを考慮すると、前記素子配置部材は、前記発光素子の配置側に向かうに従って先細のテーパー状に形成されていることが好ましい。この場合の前記素子配置部材の形状としては、側面視(側面から見て)台形状の立方体形状又はこのような台形状の立方体形状において斜面部分が階段状に形成されたものを例示できる。なお、前記素子配置部材のスラント角度は、例えば、10°〜30°程度が好ましい。ここでいうスラント角度とは、前記素子配置部材の頂面の各辺に沿って該頂面に対して垂直に延びる面と斜面とのなす角度をいう。
また、前記素子配置部材では、配置する前記発光素子の側方からの光を該素子配置部材で遮らないようにするため、前記発光素子を配置する面は極力前記発光素子のサイズに近似させることが好ましい。例えば、前記素子配置部材が前記発光素子を配置したときに該発光素子の周縁部より周方向に沿って0.1mm〜0.5mm程度大きい面を有していて、該面に前記発光素子が配置される場合を挙げることができる。こうすることで、前記発光素子側方からの光(例えば、前記発光素子側方から5°程度前記素子配置部材側に出射される光)を利用することができる。
前記のように、前記素子配置部材が前記発光素子の配置側に向かうに従って先細のテーパー状に形成されているとともに、例えば、前記発光素子を配置したときに該発光素子の周縁部より周方向に沿って0.1mm〜0.5mm程度大きい面を有していて、該面に前記発光素子が配置されるように構成された発光デバイスによると、前記発光素子の側方からの光の出射効率の低下を抑制しつつ前記発光素子からの熱を放熱する放熱性を向上させることができる。
前記発光素子としては、面積が1mm2〜9mm2程度の正方形状又は長方形状の発光面を有する立方体形状のものを例示できる。前記発光素子の大きさとしては、具体的には、一方の対の辺の長さをc’、他方の対の辺の長さをd’とすると、それには限定されないが、c’=1mmのときd’=1mm〜9mm、c’=2mmのときd’=1mm〜4mm、c’=3mmのときd’=1mm〜3mm等を例示できる。
ところで、前記発光素子及び前記素子配置部材からの熱を前記金属部材や前記セラミック部材を介して外部に放熱する放熱性は、前記発光素子が設けられる前記金属部材又は前記セラミック部材の面の大きさに対して飽和性を示す。さらに言えば、前記金属部材又は前記セラミック部材の面をあまり大きくしてもパッケージサイズが大きくなるだけで、放熱性には寄与し難い。そこで、必要最小限のパッケージサイズを規定することが望ましい。
例えば、本発明に係る発光デバイスが、既述したように、前記金属部材の材料として、Cuのような比較的熱伝導率の良い金属材料を用いる高電力、高出力可能な発光ダイオードとして構成される場合であって、前記発光素子として、面積が1mm2〜9mm2程度の正方形状又は長方形状の発光面を有する立方体形状のものが採用される場合には、前記金属部材又は前記セラミック部材は、面積が81mm2〜144mm2程度の面であって前記発光素子の前記発光面の形状を含むような正方形状又は長方形状の面を有していて、該面に前記発光素子が設けられている場合を例示できる。このように構成された発光デバイスによると、前記発光素子及び前記素子配置部材からの熱を前記金属部材や前記セラミック部材を介して外部に放熱する放熱性を維持しつつ、必要最小限のパッケージサイズを実現することができる。前記金属部材又は前記セラミック部材の大きさとしては、具体的には、一方の対の辺の長さをc、他方の対の辺の長さをdとすると、それには限定されないが、c=9mm〜12mmのときd=9mm〜12mm等を例示できる。
以上説明したように本発明によると、金属からなる放熱用金属部材とセラミックからなるパッケージ用セラミック部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが接着剤にて相互接着された発光デバイス及びその製造方法であって、前記金属部材及び前記セラミック部材の温度上昇に伴う応力に起因する、そり・前記セラミック部材の破損(われ)等の前記金属部材と前記セラミック部材との線膨張係数の差による温度変化時の問題の発生を抑制でき、従って、前記金属部材の材料として比較的熱伝導率の良い金属材料を用いることができ、従来のものより高電力、高出力のデバイス特性を実現することができる発光デバイス及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明は、金属からなる放熱用金属部材とセラミックからなるパッケージ用セラミック部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが接着剤にて相互接着された発光デバイスであって、例えば、発光素子が設けられた発光ダイオードとして構成される場合において、前記発光素子側方から出射される光を、効率よく、且つ、集光ムラ少なく、有効に利用することができる発光デバイスを提供することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る発光デバイスの一例である発光ダイオード10の概略分解側面図であり、図2は図1に示す発光ダイオード10の概略分解斜視図である。また、図3は図1及び図2に示す発光ダイオード10の概略断面図である。
発光ダイオード(以下、LEDともいう)10は、図1から図3に示すように、パッケージ用セラミック部材1、発光素子2、ガラスからなる光学部材4、放熱用金属部材5及びホットメルト6を備えている。
セラミック部材1は、それぞれがセラミック(本例ではAlN、Al23等)からなる第1及び第2板状部材1a,1bを互いに重ね合わせたものと、サブマウント(素子配置部材の一例)1cとからなっている。第1板状部材1aは、所定サイズ(本例では、一方の辺(図2中e=)9mm〜12mm程度、他方の辺(図2中f=)9mm〜12mm程度)の正方形状又は長方形状の板状部材であり、サブマウント1cの底面1c”のサイズより若干大きい矩形状の第1開口部1a’を有している。第2板状部材1aは、対向する二辺のサイズが第1板状部材1aの対応する二辺と同サイズであり、残りの二辺が第1板状部材1aの対応する二辺より小さいサイズに形成されたものであり、第1板状部材1aの第1開口部1a’のサイズより大きい第2開口部1b’を有している。なお、第1及び第2板状部材1a,1bは、本例では、同じ材質のものである。
サブマウント1cは、本例では、発光素子2を実装するサブマウントと呼ばれる、回路パターン等が形成された小型回路を含むものであり、AlN、Al23等の比較的熱伝導性が高いセラミック材料にて構成されたものである。このサブマウント1cは、発光素子2の実装側に向かうに従って先細のテーパー状に形成されており、具体的には、図1から図3に図示しているような側面視(側面から見て)台形状の立方体形状又はこのような台形状の立方体形状において斜面部分が階段状に形成されたものである。なお、サブマウント1cのセラミック材料及び前記の第1及び第2板状部材1a,1bは、本例では、いずれも気孔hが表面部分を含むセラミック材料全体的に形成された多孔性のものであり、気孔hの気孔率及び孔径が、本例では、それぞれ5%〜20%程度及び0.01mm〜0.15mm程度のものである。この範囲で熱伝導率をもっとも高くするには、気孔率を5%とすればよい。
また、サブマウント1cは、図3に示すように、本例では、実装する発光素子2の側方からの光L2をサブマウント1cで遮らないように、発光素子2を実装したときに発光面2aの周縁部より周方向に沿って(図中距離i=)0.1mm〜0.5mm程度大きい面1c’を有しており、該面1c’に発光素子2が実装されている。そしてサブマウント1cは、第1板状部材1aの第1開口部1a’を貫通して金属部材5に設けられている。
発光素子2は、本例では、面積(図2中長さc’×d’)が1mm2〜9mm2程度(例えば、c’=2mmのときd’=1mm〜4mm)の正方形状又は長方形状の発光面2aを有する立方体形状のものであり、図3に示すように、該発光素子2が実装されるサブマウント1cを介して金属部材5に、セラミック部材1の周縁部頂部A(さらに言えば第2板状部材1bの頂部)から(図中距離g=)0.5mm〜2mm程度浮かすように離間して設けられている。この発光素子2に所定の電力が供給されることで、該発光素子2の発光面2a及び発光側面2bから光L1,L2がそれぞれ出射される。このとき、発光素子2がその発光に伴って発熱し、これによりLED10の温度が上昇する。
光学部材4は、図1から図3に示すように、本例では、中空の半球形状をしたドーム状ガラスレンズであり、該ドーム状レンズ4を球形状としたときの略中心部に光源を配置した場合、該光源からの光がドーム状レンズ4を介して略放射状に出射できるものである。このガラスレンズ4は周端部に接着部4aを有している。
金属部材5は、本例では、比較的熱伝導率の良い金属材料であるCuからなり、面積(図2中c×d)が81mm2〜144mm2程度(例えば、c=9mm〜12mmのときd=9mm〜12mm)の面であって発光素子2の発光面2aの形状を含むような正方形状又は長方形状の面5aを有しており、該面5aに発光素子2がサブマウント1cを介して設けられている。なお、金属部材5は、本例では、セラミック部材1の第1板状部材1aと同サイズである。
ホットメルト6は、所定の温度(本例では、100℃〜150℃程度)より高い溶融温度で加熱溶融するとともに固化接着状態において所定の柔軟性を示すように構成されたものであり、金属部材5の面5aとセラミック部材1の一方の面(さらに言えば、第1板状部材1aの一方の面及びサブマウント1cの底面1c”)とを接着している第1ホットメルト6aと、ガラスレンズ4の接着部4aとセラミック部材1の他方の面(さらに言えば、第2板状部材1bの面)とを接着している第2ホットメルト6bとを含んでおり、第1ホットメルト6aの溶融温度aと第2ホットメルト6bの溶融温度bとの関係がa>bである。また、このホットメルト6は、本例では、弾性係数が0.2×108Pa〜13.0×108Pa程度、厚みが0.01mm〜0.10mm程度のものである。この厚みが0.01mm程度より小さいとホットメルト6の接着性が低下し易く、0.10mm程度より大きいとホットメルト6の熱伝導性が低下し易い。
そして、セラミック部材1の一方の面の接着領域表面部分における気孔hに第1ホットメルト6aが含浸されており、セラミック部材1の他方の面の接着領域表面部分における気孔hに第2ホットメルト6bが含浸されている。なお、第1板状部材1aの他方の面には、外部電極と接続する図示を省略した給電部が設けられている。また、第1板状部材1a及び第2板状部材1bが第1ホットメルト6aにて互いに接着されていて、該第1及び第2板状部材1a,1bの接着領域表面部分における気孔hに第1ホットメルト6aが含浸されてもよい。
以上説明したLED10によると、金属部材5とセラミック部材1とを接着する接着剤が、固化接着状態において柔軟性を示すように構成されたホットメルト6であるので、該ホットメルト6により、金属部材5とセラミック部材1との温度上昇に伴う応力を緩和でき、これにより、そり・セラミック部材1の破損(われ)等の金属部材5とセラミック部材1との線膨張係数の差による温度変化時の問題の発生を抑制でき、従って、金属部材5の材料として比較的熱伝導率の良い金属材料(本例では銅(Cu))を用いることができ、従来のものより高電力、高出力の発光ダイオードとしてより高輝度な発光特性を実現することができる。また、セラミック部材1の接着領域表面部分における気孔hにホットメルト6が含浸されるので、ホットメルト6を気孔hに強く結びつかせることができ、これにより、セラミック部材1とホットメルト6との接着力を向上させることができる。従って、固化接着状態でのホットメルト6の厚みを比較的薄くしても接着性を良好に保つことができ、それだけホットメルト6の熱伝導性を向上させることができる。
また、第1ホットメルト6aの溶融温度aと第2ホットメルト6bの溶融温度bとの関係がa>bであるので、例えば、第1ホットメルト6aにより金属部材5とセラミック部材1とを接着し、発光素子2を設けたあとに、第2ホットメルト6bによりガラスレンズ4とセラミック部材1とを接着しても、第2ホットメルト6bによるガラスレンズ4とセラミック部材1との接着の際に、金属部材5とセラミック部材1とを接着している第1ホットメルト6aの溶融を防ぐことができる。
また、LED10において、発光素子2が、セラミック部材1の周縁部頂部Aから距離g=0.5mm〜2mm程度浮かすように離間して設けられているので、発光素子2の発光側面2bから出射される光L2が直接的に外部に放出され易くなり、それだけ効率よく光を利用することができる。また、例えば、LED10を照明用等として利用する場合には、発光素子2からの光L1,L2をレンズ4で集光しても、発光素子2の発光側面2bからセラミック部材1にて反射される反射光は十分抑制され、それだけ集光ムラの発生を低減できる。従って、発光素子2側方2bから出射される光L2を、効率よく、且つ、集光ムラ少なく、有効に利用することができる。
さらに、LED10によると、サブマウント1cが発光素子2の実装側に向かうに従って先細のテーパー状に形成されているとともに、発光素子2を実装したときに発光面2aの周縁部より周方向に沿ってi=0.1mm〜0.5mm程度大きい面1c’を有していて、該面1c’に発光素子2が実装されているので、例えば、発光素子2側方2bから5°程度サブマウント1c側に出射される光L2を利用することができ、従って、発光素子2側方2bからの光L2の出射効率の低下を抑制しつつ発光素子2からの熱を放熱する放熱性を向上させることができる。
さらに、LED10において、発光素子2は、面積が1mm2〜9mm2程度の正方形状又は長方形状の発光面を有する立方体形状のものであり、また、Cuからなる金属部材5は、面積が81mm2〜144mm2程度の面であって発光素子2の発光面2aの形状を含むような正方形状又は長方形状の面5aを有していて、該面5aに発光素子2が設けられているので、発光素子2及びサブマウント1cからの熱を金属部材5やセラミック部材1を介して外部に放熱する放熱性を維持しつつ、必要最小限のパッケージサイズを実現することができる。
次に図1から図3に示すLED10の製造例を説明する。
このLED10を製造するにあたり、先ず、接着剤として、水又は水溶性有機溶剤(例えば、ジメチルエチルケトンとジメチルホルムアミドの混合溶剤)に溶解し、所定の温度(ここでは150℃)より高い溶融温度で加熱溶融するとともに固化接着状態において所定の柔軟性を示す樹脂材料を前記水又は前記水溶性有機溶剤に溶解させてホットメルト6を作成する。さらに説明すると、金属部材5とセラミック部材1とを接着し、発光素子2を設けたあとに、ガラスレンズ4とセラミック部材1とを接着する場合を考慮して、ここでは、熱可塑性エラストマーと、エチレン酢酸ビニル共重合体とエチレンアクリル酸共重合体と、ポリエチレンとを前記水又は前記水溶性有機溶剤に溶解させ、これに、熱硬化性樹脂であるポリイミドを加え、均一に攪拌混合し、こうして150℃より高い第1溶融温度a(=250℃)で加熱溶融するとともに固化接着状態において柔軟性を示す第1樹脂組成物が前記水又は前記水溶性有機溶剤に溶解された第1ホットメルト6aを作成する。さらに、熱可塑性エラストマーと、エチレン酢酸ビニル共重合体とエチレンアクリル酸共重合体と、ポリエチレンとを前記水又は前記水溶性有機溶剤に溶解させ、これに、熱硬化性樹脂であるポリイミドを加え、均一に攪拌混合し、こうして150℃より高い、且つ、第1溶融温度a(=250℃)より低い第2溶融温度b(=180℃)(a>b)で加熱溶融するとともに固化接着状態において柔軟性を示す第2樹脂組成物が前記水又は前記水溶性有機溶剤に溶解された第2ホットメルト6bを作成する。
前記の第1樹脂組成物の各成分の割合は、ここでは、
熱可塑性エラストマー :約24.9重量%(極限粘度:1.2dl/g)
エチレン酢酸ビニル共重合体 :約24.9重量%
エチレンアクリル酸共重合体 :約24.9重量%
ポリエチレン :約24.9重量%
ポリイミド :約0.3重量%
である。
前記の第2樹脂組成物の各成分の割合は、ここでは、
熱可塑性エラストマー :約24.9重量%(極限粘度:0.6dl/g)
エチレン酢酸ビニル共重合体 :約24.9重量%
エチレンアクリル酸共重合体 :約24.9重量%
ポリエチレン :約24.9重量%
ポリイミド :約0.3重量%
である。
本例では、熱可塑性エラストマーとして、スチレン系熱可塑性エラストマーを用いており、さらに具体的には、「スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー」であって、第1樹脂組成物として極限粘度(η)1.2dl/gのものを、第2樹脂組成物として極限粘度(η)0.6dl/gのものを用いている。ここで、第1樹脂組成物と第2樹脂組成物とで「溶融温度が異なる」のは、熱可塑性エラストマーの極限粘度(η)によって決定している。さらに言えば、「極限粘度(η)の小さい−大きい」の関係が、「溶融温度の低い−高い」を実現している。このように本例では、「溶融温度の低い−高い」は、第1樹脂組成物と第2樹脂組成物とで(同種類の材料の熱可塑性エラストマーで)極限粘度(η)を変えることで実現しており、極限粘度(η)を変えた構成となっているが、第1樹脂組成物と第2樹脂組成物とで熱可塑性エラストマーの材料の種類を変えることでも実現することができる。すなわち、「溶融温度の低い−高い」は、第1樹脂組成物と第2樹脂組成物とで、異なる材料の熱可塑性エラストマーを用いても、或いは(同種類の材料の熱可塑性エラストマーで)異なる極限粘度(η)の熱可塑性エラストマーを用いても、いずれにしても実現することができる。なお、前記の「極限粘度(η)」は、JIS K7367−3によって決まる値であり、このJIS K7367−3によると、「ある有機溶剤の135℃のときの粘度」であり、ウベローデ型粘度計によって求めることができるものである。
次に、セラミック部材1の接着領域表面部分に、ホットメルト6を塗布するとともに、所定真空状態にてセラミック部材1の前記接着領域表面部分における気孔hに該ホットメルト6を含浸させる。さらに説明すると、図示しない真空槽を用意し、該真空槽において、第1板状部材1aの一方の面及びサブマウント1cの底面1c”の第1接着領域表面部分に、第1ホットメルト6aを塗布するとともに、第2板状部材1bの面の第2接着領域表面部分に、第2ホットメルト6bを塗布し、該真空槽内を減圧して、1kPa以下の真空雰囲気圧とすることで所定真空状態にする。そして、前記所定真空状態にてセラミック部材1(1a,1b,1c)の前記第1及び第2接着領域表面部分における気孔hに第1及び第2ホットメルト6a,6bをそれぞれ含浸させる。その後、ホットメルト6(6a,6b)が塗布含浸されたセラミック部材1を乾燥させる。
第1ホットメルト6aが塗布含浸され、該第1ホットメルト6aが乾燥した第1板状部材1aの一方の面及びサブマウント1cの底面1c”と金属部材5との間で該第1ホットメルト6aを前記第1溶融温度a(=250℃)以上の第1接着温度下(ここでは250℃で)、且つ、前所定圧力下で溶着させてセラミック部材1と金属部材5とを相互に接着し、さらにセラミック部材1と金属部材5とを接着した後、第2ホットメルト6bが塗布含浸され、該第2ホットメルト6bが乾燥した第2板状部材1bの面とガラスレンズ4との間で該第2ホットメルト6bを前記第2溶融温度b(=180℃)以上前記第1溶融温度a(=250℃)未満の第2接着温度下(ここでは180℃で)、且つ、前記所定圧力下で溶着させてセラミック部材1とガラスレンズ4とを相互に接着する。このとき、セラミック部材1に塗布する第1及び第2ホットメルト6a,6bの厚みは、20μm〜200μmとし、前記所定圧力は、9.8×104Pa〜294.2×104Paとする。
以上説明したように、この製造例では、接着剤として作成されたホットメルト6が、セラミック部材1の前記接着領域表面部分に塗布され、前記所定真空状態にてセラミック部材1の前記接着領域表面部分における気孔hに含侵される。このホットメルト6は、前記水又は前記水溶性有機溶剤に前記樹脂組成物を溶解したものであるので、室温(例えば、25℃)ではベタ付きが少なく、該気孔hに均一に含侵することができる。その後、ホットメルト6が塗布含浸されたセラミック部材1と金属部材5との間で該ホットメルト6が前記溶融温度以上の接着温度下で加熱溶融によって活性化され、セラミック部材1と金属部材5とが相互に接着される。このように、セラミック部材1の前記接着領域表面部分における気孔hにホットメルト6を真空含侵させることにより、該ホットメルト6と該気孔hとを良好に結びつかせることができる。かくして、図1から図3に示すLED10が製造される。
前記の製造例によると、図1から図3に示すLED10が製造されるので、金属部材5とセラミック部材1との温度上昇に伴う応力を緩和でき、これにより、そり・セラミック部材1の破損(われ)等の金属部材5とセラミック部材1との線膨張係数の差による温度変化時の問題の発生を抑制でき、従って、金属部材5の材料として比較的熱伝導率の良い金属材料(本例では銅(Cu))を用いることができ、従来のものより高電力、高出力の発光ダイオードとしてより高輝度な発光特性を実現することができ、また、セラミック部材1の接着領域表面部分における気孔hにホットメルト6が含浸されるので、ホットメルト6を気孔hに強く結びつかせることができ、これにより、セラミック部材1とホットメルト6との接着力を向上させることができ、従って、固化接着状態でのホットメルト6の厚みを比較的薄くしても接着性を良好に保つことができ、それだけホットメルト6の熱伝導性を向上させることができる発光デバイス10を提供することができる。
また、前記の製造例では、第1ホットメルト6aを前記第1溶融温度a以上の前記第1接着温度下(ここでは250℃)で溶着させてセラミック部材1と金属部材5とを相互に接着し、セラミック部材1と金属部材5とを接着した後、第2ホットメルト6bを前記第2溶融温度b以上前記第1溶融温度a未満(a>b)の前記第2接着温度下(ここでは180℃)で溶着させてセラミック部材1とガラスレンズ4とを相互に接着するので、金属部材5とセラミック部材1とを接着したあとにガラスレンズ4とセラミック部材1とを接着しても、第2ホットメルト6bによるガラスレンズ4とセラミック部材1との接着の際に、金属部材5とセラミック部材1とを接着している第1ホットメルト6aの溶融を防ぐことができる。
さらに、前記の製造例では、従来の500℃〜800℃程度といった温度より十分低い温度(ここでは180℃や250℃)で接着できるので、発光デバイス10の生産効率が向上し、それだけ製造コストを低く抑えることができる。
さらに、接着剤として一般的に多用されている2液式や熱硬化型等の接着剤を用いてセラミック材料の気孔に真空含浸する場合には、真空含浸中において、該接着剤の硬化が始まるため、セラミック材料に該接着剤を介して接着物を付けた状態で真空含浸する必要があり、このようにセラミック材料に接着物を付けた状態では、セラミック材料の気孔から空気が抜ける際の接着剤層のムラが発生するなど、うまく真空含浸できず、接着性の低下を招き易いが、前記の製造例では、ホットメルト6は、セラミック部材1に真空含浸後乾燥した後に、金属部材5やガラスレンズ4が設けられ、前記接着温度に加熱されることにより、セラミック部材1と金属部材5やガラスレンズ4とを接着することができる。
(実施例1)
次に、図1から図3に示すLED10を用い、該LED10におけるサブマウント1cについて、スラント角度に対するLED10の温度上昇及びサブマウント1cの底面1c”とCu部材5の面5aとの接触面積の関係を調べたので、以下に説明する。なお、サブマウント1cのスラント角度は、図4(A)に示すように、サブマウント1cの頂面1c’の各辺に沿って該頂面1c’に対して垂直に延びる面Rと斜面Sとのなす角度(図中θ)である。
ここで、セラミック部材1の材料はAlN、サイズe×fは9mm×12mmとし、発光素子2のサイズc’×d’は1mm×2mm、高さr’は100μmとし、サブマウント1cの頂面1c’のサイズは発光素子2の周縁部より周方向に沿ってi=0.2mm大きくし、また、サブマウント1cとCu部材5とを接着するホットメルト6aの厚みは15μmとした。さらに、Cu部材5のサイズc×dは9mm×12mm、高さrは2mmとし、サブマウント1cのスラント角度θを変化させた。このとき、発光素子2に2.5W投入した。
サブマウント1cのスラント角度θと温度上昇値及びCu部材5とサブマウント1cとの接触面積の特性を図5に示す。図5に示すように、スラント角度θが大きくなるに従って、放熱性が良くなるものの、サブマウント1cの底面1c”とCu部材5の面5aとの接触面積が大きくなっている。ところで、サブマウント1cの前記接触面積(換言すればサブマウント1cの大きさ)はコスト等の観点から小さいことが好ましい。この放熱性及び接触面積を考慮すると、スラント角度θは、10°〜30°程度が好ましいことがわかる。
(実施例2)
次に、図1から図3に示すLED10を用い、該LED10におけるCu部材5のサイズc×d(換言すればパッケージ面積)に対するLED10の発光素子2とCu部材5との温度差[(発光素子2の温度Tj)−(Cu部材5の温度TCu-Plate)]の関係を調べたので、以下に説明する。
ここで、発光素子2、サブマウント1cのスラント角度θ並びにCu部材5及びセラミック部材1のサイズ以外は実施例1と同様とした。発光素子2を、図4(B)に示すように、サイズc”×d”=1mm×1mm、高さr’=100μmの発光チップ(Dice)を縦横の2個×4個並べたものとし、サブマウント1cのスラント角度θを20°とし、パッケージ面積として、Cu部材5のサイズc×d及びセラミック部材1のサイズe×fを5mm×5mm(□5mm)=25mm2、7mm×7mm(□7mm)=49mm2、9mm×9mm(□9mm)=81mm2、12mm×12mm(□12mm)=144mm2、15mm×15mm(□15mm)=225mm2と変化させた。このとき、発光素子2に10W投入した。
パッケージ面積−温度特性を図6に示す。図6に示すように、パッケージ面積c×dが大きくなるに従って、放熱性が良くなるが、パッケージ面積c×dが□9mm=81mm2〜□12mm=144mm2程度より大きくなっても、あまり放熱性が変化していない。従って、パッケージ面積c×dは、81mm2〜144mm2程度が好ましいことがわかる。
本発明に係る発光デバイスの一例である発光ダイオードの概略分解側面図である。 図1に示す発光ダイオードの概略分解斜視図である。 図1及び図2に示す発光ダイオードの概略断面図である。 図(A)はサブマウントのスラント角度を説明するための図であり、図(B)は実施例2に用いた発光素子を説明するための図である。 サブマウントのスラント角度と温度上昇値及びCu部材とサブマウントとの接触面積の特性を示すグラフである。 パッケージ面積−温度特性を示すグラフである。
符号の説明
1…パッケージ用セラミック部材 2…発光素子 2a…発光素子の発光面
1c…素子配置部材の一例のサブマウント 1c’…サブマウント1cの頂面
4…光学部材 5…放熱用金属部材 5a…金属部材5の面 6…ホットメルト
10…発光デバイスの一例の発光ダイオード A…セラミック部材1の周縁部頂部
h…気孔

Claims (10)

  1. 放熱用の金属部材と、パッケージ用のセラミック部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが第1ホットメルトにて接着された発光デバイスであって、
    ガラスからなる光学部材をさらに備えており、前記セラミック部材と前記光学部材とが第2ホットメルトにて接着され、
    前記第1及び第2ホットメルトは、所定の温度より高い溶融温度で加熱溶融するとともに固化接着状態において弾性係数が0.2×10 8 Pa〜13.0×10 8 Paとなる柔軟性を示すように構成され、
    前記セラミック部材は、少なくとも所定の接着領域の表面部分に気孔を有しているとともに、該気孔に前記ホットメルトが含浸され、
    さらに、前記第1ホットメルトの溶融温度aと前記第2ホットメルトの溶融温度bとの関係が、a>bであることを特徴とする発光デバイス。
  2. 前記金属部材又は前記セラミック部材に発光素子が設けられた発光ダイオードとして構成されている請求項1記載発光デバイス。
  3. 前記発光素子は、前記金属部材又は前記セラミック部材の周縁部頂部から0.5mm〜2mm浮かすように設けられている請求項に記載の発光デバイス。
  4. 前記発光素子は、該発光素子が配置される素子配置部材を介して前記金属部材又は前記セラミック部材に設けられている請求項2又は3に記載の発光デバイス。
  5. 前記素子配置部材は、前記発光素子の配置側に向かうに従って先細のテーパー状に形成されている請求項記載の発光デバイス。
  6. 前記素子配置部材は、前記発光素子を配置したときに該発光素子の周縁部より周方向に沿って0.1mm〜0.5mm大きい面を有しており、該面に前記発光素子が配置されている請求項4又は5記載の発光デバイス。
  7. 前記発光素子は、面積が1mm2〜9mm2の正方形状又は長方形状の発光面を有する立方体形状のものである請求項2から6のいずれかに記載の発光デバイス。
  8. 前記金属部材又は前記セラミック部材は、面積が81mm2〜144mm2の面であって前記発光素子の前記発光面の形状を含むような正方形状又は長方形状の面を有しており、該面に前記発光素子が設けられている請求項記載の発光デバイス。
  9. 放熱用の金属部材と、パッケージ用のセラミック部材と、ガラスからなる光学部材とを備え、前記金属部材と前記セラミック部材とが第1ホットメルトにて接着されると共に、前記セラミック部材と前記光学部材とが第2ホットメルトにて接着された発光デバイスの製造方法であって、
    水又は水溶性有機溶剤に第1及び第2の樹脂材料を溶解することにより、第1及び第2の溶融温度a,b(a>b)で加熱溶融するとともに固化接着状態において弾性係数が0.2×10 8 Pa〜13.0×10 8 Paとなる柔軟性を示す第1及び第2ホットメルトを作成する接着剤作成工程と、
    前記セラミック部材として、前記接着領域表面部分が第1及び第2の接着領域表面部分を含むものを採用し、前記セラミック部材の前記第1及び第2の接着領域表面部分に、前記接着剤作成工程にて作成された前記第1及び第2ホットメルトをそれぞれ塗布するとともに、1kPa以下の真空状態にて、前記セラミック部材の前記第1及び第2の接着領域表面部分における気孔に該第1及び第2ホットメルトをそれぞれ含浸させる接着剤塗布含浸工程と、
    前記セラミック部材と前記金属部材との間で前記第1ホットメルトを前記第1の溶融温度a以上の第1の接着温度下で溶着させて前記セラミック部材と前記金属部材とを相互に接着するセラミック−金属接着工程と、
    前記セラミック−金属接着工程にて前記セラミック部材と前記金属部材とを接着した後、前記セラミック部材と前記光学部材との間で第2ホットメルトを前記第2の溶融温度b以上前記第1の溶融温度a未満の第2の接着温度下で溶着させて前記セラミック部材と前記光学部材とを相互に接着するセラミック−ガラス接着工程と、
    を含むことを特徴とする発光デバイスの製造方法。
  10. 前記金属部材又は前記セラミック部材に発光素子を設ける工程をさらに含み、発光ダイオードとして構成される発光デバイスを製造する請求項記載の発光デバイスの製造方法。
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