以下、本発明の最良の形態について図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1乃至図4に示すように、この開閉蓋1は、容器本体2にヒンジ片3を介して連結可能であり、このヒンジ片3を支点にして回動することにより容器本体2の開口を開閉するものであって、容器本体2の開口を覆う天板部4が設けられ、この天板部4にヒンジ片3が一体的に設けられ、容器本体2の開口の内周に形成された環状嵌合部5内に繰り返し嵌入可能な嵌合凸部6が天板部4に固着された構成を有する。
上記開閉蓋1の天板部4、ヒンジ片3及び嵌合凸部6は、いずれも紙を主材料とする紙シートで形成される。
紙シートとしては、例えば次のような層構成のものを使用することができる。
なお、層構成は最初に掲げる層が開閉蓋の表面側であり、最後に掲げる層が開閉蓋の内面側である。
ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレンテレフタレート樹脂/紙層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/ポリエチレンテレフタレート樹脂/紙層/ポリエチレン樹脂層、高密度ポリエチレン樹脂層(フィルム)/ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層、発泡ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層、ポリプロピレン樹脂層/紙層/ポリプロピレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエステル樹脂層/紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/エチレン−アクリル酸共重合体層/アルミニウム箔/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層(フィルム)、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン層/蒸着アルミ層/
ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層/シリカ蒸着層/ポリエステル層/ポリエチレン樹脂層(フィルム)、紙層のみ、紙層/ポリエチレン樹脂層。
開閉蓋1の天板部4は、上記紙シートから打ち抜き等により円板型に形成される。このように、天板部4が紙を主体に形成されることから、この開閉蓋1に優れた遮光性が付与されることとなる。
天板部4を紙シートから打ち抜く際に、摘み片7も天板部4と一体的に形成される。摘み片7は例えば舌状に形成され、開閉蓋1が容器本体2に被せられた時に容器本体2の側面に引き剥がし可能に接着剤等により貼着される。この摘み片7は指で摘みやすいので、この開閉蓋1が装着された蓋付き容器に易開封性を与えることができ、また、ピルファープルーフ手段として機能させることが可能である。
なお、摘み片7は必要に応じて容器本体2の側面に貼着することなく、解放状態にしておいてもよい。
開閉蓋1の天板部4には、容器本体2の開口の内周に形成された環状嵌合部5内に繰り返し嵌入可能な嵌合凸部6が固着される。嵌合凸部6は、上記紙シートを例えばプレス成形によって絞ることにより凹型に形成される。この凹型に形成されたものの開口縁が、開閉蓋1の天井面に接着剤等により接着されることによって開閉蓋1に嵌合凸部6が形成される。図示しないが、嵌合凸部6の上端の開口縁にフランジ部を形成してこのフランジ部を開閉蓋1の天板部4の裏面に接着してもよい。
この開閉蓋1が容器本体2にその開口の上から被せられると、図4に示すように、開閉蓋1の嵌合凸部6の外周面が容器本体2の開口の内周に形成された環状嵌合部5に密着する。これにより、開閉蓋1が容器本体2に大きな係合力によって固定され、開閉蓋1の閉止力が高められる。また、開閉蓋1の嵌合凸部6は容器本体2の環状嵌合部5内に繰り返し嵌入可能である。これにより、容器に再封性が与えられ、容器本体2内に収納された内容物aの保存性が向上する。また、開閉蓋1の嵌合凸部6は容器本体2の環状嵌合部5内に収まるようになっているので、容器本体2から外部への突出物が少なくなる。
なお、嵌合凸部6や天板部4を形成する紙シートには、水蒸気吸着剤を含有する塗料を印刷等により塗布することによって水蒸気吸着層を予め形成しておくのが望ましい。これにより、開閉蓋1や容器本体2の紙層を透過する水蒸気を水蒸気吸着層で吸着し、容器本体2内の内容物aを湿気から保護することができる。
上記開閉蓋1は、図3及び図4に示すように、容器本体2にヒンジ片3によって連結される。このヒンジ片3は開閉蓋1を構成する紙シート上に屈曲自在に形成される。図5に示すように、開閉蓋1を開けると、開閉蓋1がヒンジ片3を支点にして折れ曲がり、図6に示すように開閉蓋1から手を放しても、紙の折癖によって開閉蓋1の開放状態が保持され、したがって、中身の内容物aの取り出しを簡易に行うことができる。
上記ヒンジ片3は、より具体的には、図1及び図2に示すように、開閉蓋1を構成する紙シート上に折れ線3aを介して区分けされることによって形成される。折れ線3aは紙シートから開閉蓋1の天板部4を打ち抜く際に同時に形成される。このヒンジ片3の縁が上記容器本体2の頂部に接着剤、ヒートシール、超音波シール等によって接合される。このように開閉蓋1の一部を利用してヒンジ片3が形成されることから、別途ヒンジ手段を設ける必要がなく、開閉蓋1の大型化が防止される。
開蓋に際しては、図5に示すように、開閉蓋1が折れ線3a上で折れ曲がり、折れ線3aの箇所に折癖が付けられる。また、開蓋の際に上記嵌合凸部6のヒンジ片3に対向した箇所がヒンジ片3から剥がれる。なお、このヒンジ片3に対応する箇所には嵌合凸部6を接着しないようにしておくことも可能である。このように開閉蓋1を開けた後も、開閉蓋1はヒンジ片3を介して容器本体2に屈曲自在に保持される。
なお、容器本体2は、図3及び図4に示すように、例えば上述した紙を主材料とする紙シートを円筒形に巻回し、その両端を重ね合わせて接着することにより形成される。その他、紙シートをスパイラル状に巻いたスパイラル管によって形成することも可能である。また、容器本体2としては樹脂で一体成形されたものを用いることが可能であり、紙シートと樹脂の複合容器を用いることも可能である。
図示例の容器本体2においては、その円筒形の上端が容器の開口とされ、そこには内向きトップカール部8が形成される。この内向きトップカール部8の内周が、開閉蓋1の上記嵌合凸部6が嵌り込む環状嵌合部5とされる。容器本体2の底は、底蓋9で閉じられる。底蓋9も上記紙シートで円板型に形成され、容器本体2の下端に巻き締め等により取り付けられる。
図4に示すように、容器本体2における開閉蓋1で閉じられた開口の奥側が、必要に応じてインナーシール部10で密封される。インナーシール部10が設けられることによって容器本体2の初期の密封性が高められる。
その他、開閉蓋1、上記容器本体2、インナーシール部10には、それらを構成する紙シートの例えばオレフィン系樹脂層、紙層、フィルムに所望の内容がインキによる印刷層として表示される。
次に、上記構成の開閉蓋1の作用について説明する。
図1及び図2に示す開閉蓋1と、図3及び図4に示す容器本体2と、インナーシール部10のブランクとが用意される。
図4に示すように、まず、容器本体2内に粒状ガム等の内容物aが充填された後に、その開口がインナーシール部10によって閉じられる。インナーシール部10は、容器本体2内にその開口から挿入され、外側のシール代10aが容器本体2の内面に押し付けられた後、超音波シール等により容器本体2の内面に接着される。
次いで、開閉蓋1が容器本体2の開口に被せられ、容器本体2の内向きトップカール部8によって形成される環状嵌合部5内に開閉蓋1の嵌合凸部6が嵌め込まれる。また、同時に開閉蓋1に設けられたヒンジ片3がトップカール部8に接着剤等により貼着され、摘み片7が容器本体2の側面に貼着される。
なお、上述したように摘み片7は容器本体2の側面に貼着することなく、解放状態にしておいてもよい。
これにより、蓋付き容器の組立が完了し、市場に出荷される。
この蓋付き容器の購入者等は、内容物aの取り出しに際し、図3および図4の状態において、摘み片7を容器本体2の側面から剥し、図5に示すように、開閉蓋1を容器本体2の開口の上方に持ち上げる。
この際、摘み片7がピルファープルーフ手段として機能するので、購入者等は摘み片7の状態を確認することで蓋付き容器が正常であるか否かについて判別することができる。
購入者等が開閉蓋1を容器本体2の開口の上方に持ち上げると、図5に示すように、ヒンジ片3の折れ線3a上で開閉蓋1が折れ曲がる。また、開閉蓋1の嵌合凸部6が容器本体2の内向きトップカール部8からなる環状嵌合部5から離脱すると同時に、嵌合凸部6がヒンジ片3に接着されている場合は、その部分のみヒンジ片3から剥がれる。これにより、容器本体2の開口が開放される。また、同時にヒンジ片3の折れ線3aに折癖が付けられる。
購入者等が開閉蓋1から指を離して開閉蓋1を解放すると、折れ線3aの折癖によって、図6に示すように、開閉蓋1が開放状態に保持される。
そこで、購入者等がインナーシール部10を除去すると、購入者等は内容物aを容器本体2から取り出すことができる。図6に示すように、この実施の形態1では、インナーシール部10のシール代10aが容器本体2の内面に残留している。
その後、購入者等が指で開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすると、図7に示すように、開閉蓋1の嵌合凸部6が容器本体2の環状嵌合部5内に嵌り込み、その嵌合力によって開閉蓋1が容器本体2に対する閉位置に拘束される。これにより、開閉蓋1は購入者等によって再び開けられるまでその閉状態を維持する。
購入者等が再度内容物aを容器本体2から取り出そうとするときは、開閉蓋1を図5に示す如く持ち上げればよく、持ち上げられた開閉蓋1は解放されても図6に示す如く折れ線3aの折癖によって開放状態を保持する。このため、購入者等は簡易に内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
内容物aを取り出した後は、開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすればよく、図7に示すように、開閉蓋1の嵌合凸部6が再び容器本体2の環状嵌合部5内に嵌り込み、その嵌合力によって開閉蓋1が容器本体2に閉姿勢のまま拘束される。
かくて、この蓋付き容器は開封後も内容物aを適正に保存することができる。また、開閉蓋1による容器本体2の繰り返し開閉が可能であるから、内容物aの小出しが可能になる。また、この蓋付き容器の開閉蓋1は紙シートで作られているので、その廃棄処分も簡易に行うことができ、リサイクル化も可能である。
<実施の形態2>
図8及び図9に示すように、この実施の形態2に係る開閉蓋1においては、ヒンジ片3が天板部4の周縁から突出するように天板部4と同じ紙シート上に形成される。
図10及び図11に示すように、開閉蓋1は容器本体2にその開口上から被せられ、ヒンジ片3と摘み片7とが容器本体2の側面に貼着されることによって容器本体2に閉じ状態で固定される。
なお、摘み片7は必要に応じて容器本体2の側面に貼着することなく、解放状態にしておいてもよい。
摘み片7を容器本体2から剥し、図12に示すように、開閉蓋1を開けると、ヒンジ片3が折れ曲がり、開閉蓋1から手を放してもヒンジ片3の折癖や開閉蓋1の自重によって開閉蓋1の開放状態が保持される。したがって、中身の内容物aの取り出しを簡易に行うことができる。
容器本体2における開閉蓋1の奥側には、必要に応じてインナーシール部10が設けられる。
この蓋付き容器の購入者等は、内容物aの取り出しに際し、図10および図11の状態において、摘み片7を容器本体2の側面から剥し、図12に示すように、開閉蓋1を容器本体2の開口の上方に持ち上げヒンジ片3を支点にして容器本体2と反対側へと回すと、開閉蓋1はその自重やヒンジ片3の折癖により開放状態に保持される。
そこで、購入者等がインナーシール部10を容器本体2から剥ぎ取ると、図12の如く容器本体2の開口が開き、購入者等は内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
その後、購入者等が開閉蓋1を、ヒンジ片3を支点にして容器本体2の開口側に回し、開閉蓋1を容器本体2の開口側に押圧すると、図13に示すように、開閉蓋1の嵌合凸部6が容器本体2の環状嵌合部5内に嵌り込み、その嵌合力によって開閉蓋1が閉位置に拘束される。これにより、開閉蓋1は購入者等によって再び開けられるまでその閉状態を維持する。
購入者等が再度内容物aを容器本体2から取り出そうとするときは、開閉蓋1を図12に示す如く開ければよく、開けられた開閉蓋1はその自重やヒンジ片3の折癖によって開放状態を保持する。このため、購入者等は簡易に内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
内容物aを取り出した後は、開閉蓋1を容器本体2上へと回して開口側に押し付けるようにすればよく、図13に示すように、開閉蓋1の嵌合凸部6が再び容器本体2の環状嵌合部5内に嵌り込み、その嵌合力によって開閉蓋1が閉位置に拘束される。
その他、実施の形態2において、実施の形態1と同じ部分には同じ符号を付して示すことしし、その詳細な説明を省略する。
<実施の形態3>
図14乃至図16に示すように、この実施の形態3に係る開閉蓋1は、容器本体2にヒンジ片3を介して連結可能であり、このヒンジ片3を支点にして回動することにより容器本体2の開口を開閉するものであり、容器本体2の開口を覆う天板部4が設けられ、この天板部4の周縁から容器本体2の外周面に沿って垂下する周壁部11が設けられ、この周壁部11に上記ヒンジ片3が一体的に設けられた構成を有する。
上記天板部4及び周壁部11は、いずれも紙を主材料とする紙シートで形成される。紙シートは実施の形態1で用いたものと同様なものを使用することが可能である。
開閉蓋1の天板部4は、上記紙シートから打ち抜き等により円板型に形成される。
周壁部11は、図17に示すブランクの両端を接着代11aで重ね合わせて接着することにより短円筒形に形成される。このブランクは上記紙シートを打ち抜くことによって形成される。
このブランクには、上記ヒンジ片3が折れ線3aを介して区分けされることによって形成される。折れ線3aは紙シートから周壁部11を打ち抜く際に同時に形成される。周壁部11が組み立てられ、天板部4と一体化された後に、容器本体2に被せられた際に、このヒンジ片3の先端が容器本体2の背面側上部に接着剤によって結合される。このように開閉蓋1の一部を利用してヒンジ片3が形成されることから、別途ヒンジを設ける必要がなく、開閉蓋1の大型化が防止される。
上記ヒンジ片3の両側には、それぞれ逆V字状の切欠部12,12が形成され、これらの切欠端部12a,12aからブランクの両端に向かう外側が幅広部13,13に形成される。これら幅広部13,13の外側には、それぞれ緩やかな曲線部14,14を介して幅狭部15,15が形成される。
幅狭部15,15の長手方向略中間の下端には、このブランクが周壁部11として組み立てられた際の上記ヒンジ片3とは反対側において周壁部11の内側に折り込まれる折込片16が折れ線16aを介して連設され、この折込片16の先に切り離し線17aを介して係合圧接片17が連設され、この係合圧接片17に折れ線18aを介して係合接着片18が連設される。
このように形成されたブランクを周壁部11として組み立てる際、又はその後容器本体2に接合する際に、折込片16及び係合圧接片17が折れ線16aを介して内側に折り込まれた後、係合接着片18が折込片16及び係合圧接片17に重なるように折れ線18a上で折り曲げられる。
この短円筒の周壁部の上端には、図16に示すように、内向きカール部19が形成され、この内向きカール部19の下部に接着剤等の接合手段により上記天板部4が接合されることによって開閉蓋とされる。
この開閉蓋1は、図15及び図16に示すように、容器本体2の背面側上部にヒンジ片3によって接合される。図18に示すように、開閉蓋1を開けると、ヒンジ片3が折れ曲がり、開閉蓋1から手を放しても、紙の折癖によって開閉蓋1の開放状態が保持され、したがって、中身の内容物aの取り出しを簡易に行うことができる。
上記係合接着片18の内面は、図15及び図16に示すように、開閉蓋1が最初に容器本体2に被せられる際に、容器本体2の上部の外周面であって、容器本体2のヒンジ片3と結合した位置と反対側に接着される。この係合圧接片18は、開蓋時に切り離し線17a上で破断し、係合接着片18と共に容器本体2側に残留する。したがって、係合圧接片17は、ピルファープルーフ手段として機能させることが可能である。また、係合圧接片17は、折れ線18aにおける復元力を有することから再度開閉蓋1を閉めた際に、開閉蓋1の周壁部11の内面に圧接するように作用する。これにより、開閉蓋1が容器本体2に大きな係合力によって固定され、開閉蓋1のロック機能(閉止力)が高められる。
また、ヒンジ片3の両側には、逆V字状に切り欠いた切欠12,12が形成され、その切欠端部12a,12aが開蓋時に容器本体2の周壁部11に当接してその状態を保持することにより、ヒンジ片3の弾性力によって開閉蓋1が自然に閉るようなことはなく、開閉蓋1の開状態を確実に保持することができる。
その他、開閉蓋1を形成する紙シートには、水蒸気吸着剤を含有する塗料を印刷等により塗布することによって水蒸気吸着層を予め形成しておくのが望ましい。これにより、開閉蓋1や容器本体2の紙層を透過する水蒸気を水蒸気吸着層で吸着し、容器本体2内の内容物aを湿気から保護することができる。
また、図16に示すように、容器本体2における開閉蓋1で閉じられた開口の奥側が、インナーシール部10で密封される。このインナーシール部10は、必要に応じて設けられるもので、インナーシール部10が設けられることによって容器本体2の初期の密封性が高められる。
また、上記容器本体2、開閉蓋1、インナーシール部10には、それらを構成する紙シートの例えばオレフィン系樹脂層、紙層、フィルムに必要に応じて所望の内容がインキによる印刷層として表示される。
次に、上記構成の蓋付き容器の作用について説明する。
図15及び図16に示す容器本体2、図14に示す開閉蓋1、インナーシール部10のブランク等が用意される。
図16に示すように、まず、容器本体2内に粒状ガム等の内容物aが充填された後に、その開口がインナーシール部10によって閉じられる。インナーシール部10は、容器本体2内にその開口から挿入され、シール代が容器本体2の内面に押し付けられた後、超音波シール等により容器本体2の内面に接着される。
次いで、開閉蓋1が容器本体2にその開口上から被せられる。その際、ヒンジ片24が容器本体2の背面側上部に接着剤等により貼着される。また、上述したように各折れ線16a,18a上でジグザグ折りされた結果、周壁部11の最内側に位置する係合接着片18の内面が容器本体2の上部の外周面であって、ヒンジ片3が貼着された位置とは反対側に接合される。
これにより、蓋付き容器の組立が完了し、市場に出荷される。
この蓋付き容器の購入者等は、内容物aの取り出しに際し、図15および図16の状態において、開閉蓋1の周壁部11における幅狭部15に指を掛けて開閉蓋1を容器本体2の開口の上方に持ち上げる。すると、開閉蓋1は、ヒンジ片3を中心として開くと同時に、係合圧接片17が切り離し線17aに沿って折込片16から切り離され、ヒンジ片3と反対側で容器本体2上に係合接着片18と共に残留する。
この際、係合圧接片17がピルファープルーフ手段として機能するので、購入者等は係合圧接片17の状態を確認することで蓋付き容器内の内容物aが正常であるか否かについて判別することができる。
購入者等が開閉蓋1を容器本体2の開口の上方に持ち上げると、図18に示すように、ヒンジ片3の折れ線3a上で折れ曲がり、容器本体2の開口が開放される。また、同時にヒンジ片3の折れ線3aに折癖が付けられる。
購入者等が開閉蓋1から指を離し開閉蓋1を解放しても、折れ線3aの折癖によって、開閉蓋1が開放状態に保持される。
そこで、購入者等がインナーシール部10を容器本体の開口から除去すると、購入者等は内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
その後、購入者等が指で開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすると、図19に示すように、開閉蓋1の周壁部11及び天板部4が容器本体2の上部に被着される。このとき、係合圧接片17は、折れ線18a上での折り曲げによる復元力を有することから開閉蓋1の周壁部11の内面に圧接する。これにより、開閉蓋1が容器本体2に対する閉位置に拘束され、購入者等によって再び開けられるまでその閉状態を維持する。
購入者等が再度内容物aを容器本体2から取り出そうとするときは、開閉蓋1を図18に示すように持ち上げればよく、持ち上げられた開閉蓋1はヒンジ片3の折れ線3aの折癖によって開放状態を保持する。このため、購入者等は簡易に内容物aを容器本体2から取り出すことができる。その際、係合圧接片17は、折り曲げによる復元力を有することから、開閉蓋1の開放状態では、外側に所定角度で傾斜する。
内容物aを取り出した後は、開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすればよく、図19に示すように、開閉蓋1の周壁部11及び天板部4が容器本体2の上部に被着される。そのとき、係合圧接片17は、折れ線18a上での折り曲げによる復元力を有することから開閉蓋1の周壁部11内面に圧接することによって開閉蓋1が容器本体2に閉姿勢のまま拘束される。
このようにして、この蓋付き容器は開封後も内容物aを適正に保存することができる。また、開閉蓋1による容器本体2の繰り返し開閉が可能であるから、内容物aの小出しが可能になる。また、この開閉蓋は紙シートで作製されているので、廃棄処分も簡易に行うことができ、リサイクル化も可能である。
さらに、本実施形態によれば、開閉蓋1は、ヒンジ片3の両側に逆V字状の切欠12,12が形成され、その切欠端部12a,12aが開蓋時に容器本体2の周壁部11に当接してその状態を保持することにより、従来の樹脂製の容器におけるようなヒンジの弾性力によって開閉蓋が自然に閉るようなことはなく、中身の取り出しを簡易に行うことができる。
<実施の形態4>
図20に示すように、この実施の形態4に係る開閉蓋1は、その天板部4の断面形状が上方に向けて開口する略「コ」の字形に形成される。この天板部4の外周の折り曲げ部分が、周壁部11の上端外側によって包み込まれると同時に、この上端外側の内面に接着される。この天板部4の外周の折り曲げ部分は、この開閉蓋1の上端に糸尻部20を形成する。この糸尻部20によって開閉蓋1の強度が大幅に高められる。
その他、実施の形態4において、他の実施の形態と同じ部分には同じ符号を付して示すこととし、その詳細な説明を省略する。
<実施の形態5>
図21乃至図23に示すように、この実施の形態5に係る開閉蓋1は、実施の形態3に係る開閉蓋1と異なり、天板部4の内面には、容器本体2の開口縁2aに当接しうるクッション材からなるクッション部21が取り付けられる。クッション材は適度な防湿性を有するものであるのが望ましい。
クッション材としては、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、スポンジ、エラストマー、ゲル状素材等を用いることができる。これらのクッション材は適度な防湿性を併せ持っている。
クッション部21は、この実施の形態5では天板部4と相似の円板形に形成される。このクッション部21が接着剤等により天板部4の内面に貼着される。クッション部21は、円板形に限らず、リング形等他の形状に形成することも可能である。
この開閉蓋1を備えた容器の開封は実施の形態3の場合と同様な操作によって行うことができる。すなわち、図21のように容器本体2に被せられた開閉蓋1を購入者等が容器
本体2の開口の上方に持ち上げると、図22に示すように、開閉蓋1はヒンジ片3の折れ線3a上で折れ曲がり、容器本体2の開口が開放される。また、同時にヒンジ片3の折れ線3aに折癖が付けられる。
そこで、購入者等がインナーシール部10を容器本体の開口から除去すると、購入者等は内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
その後、購入者等が指で開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすると、図23に示すように、開閉蓋1の周壁部11及び天板部4が容器本体2の上部に被着される。このとき、係合圧接片17は、折れ線18a上での折り曲げによる復元力を有することから開閉蓋1の周壁部11の内面に圧接する。これにより、開閉蓋1が容器本体2に対する閉位置に拘束され、購入者等によって再び開けられるまでその閉状態を維持する。
また、開閉蓋1を容器本体2に再度被せた場合、天板部4の内面のクッション部21が容器本体2の開口縁2aに当接し、また、クッション部21は適度な防湿性を有するので、外部の湿気の容器本体2内への侵入が防止される。
購入者等が再度内容物aを容器本体2から取り出そうとするときは、開閉蓋1を図22に示すように持ち上げればよく、持ち上げられた開閉蓋1はヒンジ片3の折れ線3aの折癖によって開放状態を保持する。このため、購入者等は簡易に内容物aを容器本体2から取り出すことができる。その際、係合圧接片17は、折り曲げによる復元力を有することから、開閉蓋1の開放状態では、外側に所定角度で傾斜する。
内容物aを取り出した後は、開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすればよく、図23に示すように、開閉蓋1の周壁部11及び天板部4が容器本体2の上部に被着される。そのとき、係合圧接片17は、折れ線18a上での折り曲げによる復元力を有することから開閉蓋1の周壁部11内面に圧接することによって開閉蓋1が容器本体2に閉姿勢のまま拘束される。
また、開閉蓋1を容器本体2に再度被せた場合、前回と同様に、天板部4の内面のクッション部21が容器本体2の開口縁2aに当接する。クッション部21は容器本体2の開口縁2aに接して弾性変形することで密接する。また、クッション部21は適度な防湿性を有するクッション材で作られている。これにより、外部の湿気の容器本体2内への侵入がクッション部21によって防止される。
この場合、係合圧接片17は、折れ線18a上での折り曲げによる復元力を有することから開閉蓋1の周壁部11内面に圧接し、或いは、係合圧接片17と折込片16とが破断後の切り離し線17a上で接触することから、これらがロック手段として機能する。このロック手段による開閉蓋1の拘束と上記クッション部21の弾性変形とが相俟ってクッション部21による密閉性が更に向上する。
なお、クッション部21による開閉蓋1のシール性が当初から十分に確保される場合は、図21に示したインナーシール部10は省略することが可能である。
このように実施の形態5に係る開閉蓋1によれば、クッション部21が容器本体2の開口縁2aに当接するので、外部の湿気の容器本体2内への侵入が防止され、残りの内容物aが長期間にわたって傷むことなく適正に保存されることとなる。
その他、実施の形態5において、他の実施の形態と同じ部分には同じ符号を付して示すこととし、その詳細な説明を省略する。
<実施の形態6>
図24に示すように、この実施の形態6に係る開閉蓋1は、実施の形態4に係る開閉蓋1と異なり、天板部4が図24に例示するようなクッション材層22を有した積層シート4aで形成され、この積層シート4aのクッション材層22が容器本体2の開口縁2aに当接するようになっている。クッション材層22は適度な防湿性を有するものであるのが望ましい。
図24に示す積層シート4aは、ポリエチレン層/印刷インキ層/紙層/ポリエチレン層/アルミニウム箔/ポリエチレン層/発泡ポリエチレン層の層構成を有する。積層シートとしては、上記層構成のものに限らず、紙層を主体にした他の層構成のものを採用することができる。クッション材層22も発泡ポリエチレンに限らず他の材料で形成することができ、発泡ポリプロピレン、スポンジ、エラストマー、ゲル状素材等を用いることができる。これらのクッション材は適度な防湿性を併せ持っている。
この開閉蓋1を備えた容器本体2の開封と再封は実施の形態3の場合と同様な操作によって行うことができる。
開閉蓋1を容器本体2に再度被せた場合、天板部4の内面のクッション材層22が容器本体2の開口縁2aに当接する。クッション材層22は容器本体2の開口縁2aに接して弾性変形することで密接する。また、クッション材層22は適度な防湿性を有する材料でできている。これにより、容器本体2は再度密閉され、外部の湿気の容器本体2内への侵入が防止される。
この場合、係合圧接片17は、折れ線18a上での折り曲げによる復元力を有することから開閉蓋1の周壁部11内面に圧接し、或いは、係合圧接片17と折込片16とが破断後の切り離し線17a上で接触することから、これらがロック手段として機能する。このロック手段による開閉蓋1の拘束と、上記クッション材層22の弾性変形と、上記クッション材層22の適度な防湿性とが相俟って容器の防湿性が更に向上する。
なお、クッション材層22による開閉蓋1のシール性が当初から十分に確保される場合は、図24に示したインナーシール部10は省略することが可能である。
このように実施の形態6に係る開閉蓋によれば、天板部4のクッション材層22が容器本体2の開口縁2aに当接するので、外部の湿気の容器本体2内への侵入が防止され、残りの内容物aが長期間にわたって傷むことなく適正に保存されることとなる。
その他、実施の形態6において、他の実施の形態と同じ部分には同じ符号を付して示すこととし、その詳細な説明を省略する。
<実施の形態7>
図25乃至図27に示すように、この実施の形態7に係る開閉蓋1は、実施の形態3の開閉蓋1と略同様な構成を有し、容器本体2にヒンジ片3を介して連結可能であり、このヒンジ片3を支点にして回動することにより容器本体2の開口を開閉するものであり、容器本体2の開口を覆う天板部4が設けられ、この天板部4の周縁から容器本体2の外周面に沿って垂下する周壁部11が設けられ、この周壁部11に上記ヒンジ片3が一体的に設けられる。
図29に示すように、この開閉蓋1は実施の形態3の開閉蓋1と異なり、ロック機能を高めるための図17に示した折込片16、係合圧接片17及び係合接着片18が、周壁部11から省略されている。
この開閉蓋1では、上記折込片16、係合圧接片17及び係合接着片18に代えて、図25乃至図28に示すように、開閉蓋1が容器本体2に接する箇所に、開閉蓋1を閉じ状態に保持する噛み合い歯機構23が設けられる。
この噛み合い歯機構23は、開閉蓋1の内周面と容器本体2の外周面とに各々開閉蓋1の開閉方向に並ぶように設けられる噛み合い歯24,25の列によって構成される。そして、開閉蓋側の噛み合い歯24は開閉蓋1の天板部4側に傾斜し、容器本体側の噛み合い歯25は容器本体2の底側に傾斜するように設けられる。
この実施の形態7において、噛み合い歯24,25は、開閉蓋側と容器本体側のいずれにおいても各々複数個列状に並べられるが、開閉蓋側と容器本体側のいずれにおいても一個のみであってもよい。また、開閉蓋側と容器本体側のいずれか一方の噛み合い歯が一個で他方の噛み合い歯が複数個であってもよい。
開閉蓋側の噛み合い歯24は、例えばポリエチレン等の合成樹脂を射出成形することによって、図28、図32A乃至図32Dに示すように、開閉蓋側基板26と一体的に形成される。
開閉蓋側基板26は開閉蓋1の周壁部11に沿うように湾曲し、噛み合い歯24がこの開閉蓋側基板26の湾曲凹面上に形成される。
各噛み合い歯24は開閉蓋側基板26の湾曲方向に長く伸び、開閉蓋側基板26の高さ方向に一定ピッチで多数配列される。また、各噛み合い歯24は、図32Dに示すように、断面略三角形に形成され、この三角形が開閉蓋1の天板部4側に傾斜するように形成される。この傾斜によって、各歯における開閉蓋1の天板部4側の歯面は開閉蓋側基板26の湾曲凹面に対し急斜面又は垂直面24aとして形成され、天板部4と反対側の歯面は開閉蓋側基板26の湾曲凹面に対し緩斜面24bとして形成される。
この噛み合い歯24の傾斜方向を示すために、上記開閉蓋側基板26の一辺には突起26aが形成される。この突起26aを指標とすることで噛み合い歯24の向きを間違えることなく開閉蓋側基板26を開閉蓋1に取り付けることが可能である。
また、図32A乃至図32Dに示すように、開閉蓋側基板26の湾曲凸面上には、開閉蓋側基板26の輪郭に沿って凸条27が形成され、凸条27を囲むように溝27aが形成される。凸条27は尖った稜線を有し、この稜線が湾曲凸面外に突出するように形成される。開閉蓋側基板26を開閉蓋1の周壁部11の内面に超音波シール等によって接着する際、この凸条27が容易に溶けることから、開閉蓋側基板26が開閉蓋1の内面に簡易かつ迅速に接着される。
なお、開閉蓋側基板26の湾曲凸面は、上記凸条27等を形成することなく平滑面としてもよい。また、開閉蓋1には超音波接着によることなく接着剤、両面粘着テープ等を用いて接着してもよい。
容器本体側の噛み合い歯25は、開閉蓋側の噛み合い歯24と同様な製造方法によって、図28、図33A乃至図33Dに示すように、容器本体側基板28と一体的に形成される。
容器本体側基板28は容器本体2の周壁に沿うように湾曲し、噛み合い歯25がこの容器本体側基板28の湾曲凸面上に形成される。
また、容器本体側基板28の湾曲凹面上には、上記開閉蓋側基板26と同様に凸条27や、凸条27を囲む溝27aが形成される。
各噛み合い歯25は容器本体側基板28の湾曲方向に長く伸び、容器本体側基板28の高さ方向に一定ピッチで多数配列される。この容器本体側の噛み合い歯25は上記開閉蓋側の噛み合い歯24よりも容器本体側基板28の湾曲方向により長く伸びるように形成される。このようにすることで、開閉蓋1を閉じる時に開閉蓋1が捩じれたり傾斜したりしても噛み合い歯24,25同士の噛み合いがより正確に行われることになる。
また、この容器本体側の噛み合い歯25の個数は開閉蓋側の噛み合い歯24の個数よりも少ない。容器本体側の噛み合い歯25は開閉蓋1を開いたときに容器本体2の外部に露出するが、このように噛み合い歯25の個数を少なくすることで噛み合い歯25の存在を目立ち難くすることができる。もちろん、必要に応じて容器本体側の噛み合い歯25の個数を開閉蓋側の噛み合い歯24の個数よりも多くしてもよいし同数個にしてもよい。
また、各噛み合い歯25は、図33Dに示すように、断面略三角形に形成され、この三角形が容器本体2の底側に傾斜するように形成される。この傾斜によって、各噛み合い歯25における容器本体2の底側の歯面は容器本体側基板28の湾曲凸面に対して急斜面又は垂直面25aとして形成され、容器本体2の底と反対側の歯面は緩斜面25bとして形成される。
各噛み合い歯25の傾斜方向を示すために、容器本体側基板28の一辺には突起28aが形成される。この突起28aの突出方向を指標とすることで噛み合い歯25の向きを間違えることなく容器本体側基板28を容器本体2に取り付けることが可能である。
また、この容器本体側基板28の突起28aは湾曲縁を有しているのに対し、上記開閉蓋側基板26の突起26aは多角縁を有する。これらの突起28a,26aの形状を指標とすることで容器本体2と開閉蓋1との間での基板28,26の付け間違いが防止される。突起28a,26aの形状は必要に応じて他の所望の形状に変更可能である。
次に、上記構成の開閉蓋の作用について説明する。
開閉蓋1は、未開封のときは図27及び図28に示すような状態にある。
この開閉蓋1が装着された蓋付き容器の購入者等は、内容物aの取り出しに際し、容器本体2の周壁における噛み合い歯機構23の下方の箇所を指で少しばかり押圧する。すると容器本体2の周壁が少しばかり撓み、噛み合い歯機構23における噛み合い歯24,25同士の噛み合いが解かれる。すなわち、噛み合った噛み合い歯24,25間で急斜面又は垂直面24a,25a同士の接触が解消される。
そこで、購入者等が開閉蓋1を容器本体2の開口の上方に持ち上げると、図30に示すように、ヒンジ片3が折れ線3a上で折れ曲がり、容器本体2の開口が開放される。また、同時にヒンジ片3の折れ線3aに折癖が付けられる。
購入者等が開閉蓋1から指を離し開閉蓋1を解放しても、折れ線3aの折癖によって、開閉蓋1が開放状態に保持される。
購入者等はインナーシール部10を容器本体2の開口から除去することによって、内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
その後、購入者等が指で開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすると、図31に示すように、開閉蓋1の周壁部11及び天板部4が容器本体2の上部に被さる。この開閉蓋1が被さりつつあるとき、噛み合い歯機構23における噛み合い歯24,25間の緩斜面24b,25b同士が接触するので、開閉蓋1の閉じ動作は円滑に行われる。
開閉蓋1が閉じ切ったところで、図31に示すように、噛み合い歯機構23の噛み合い歯24,25同士が再び噛み合う。すなわち、両噛み合い歯24,25間で急斜面又は垂直面24a,25a同士が接触する。これにより、開閉蓋1が容器本体2に対する閉位置に拘束され、購入者等によって再び開けられるまでその閉状態を維持する。閉状態において噛み合い歯24,25間の急斜面又は垂直面24a,25aが返しとして機能し、そのため開閉蓋1の閉状態は強固に維持される。
購入者等が再度内容物aを容器本体2から取り出そうとするときは、容器本体2における噛み合い歯機構23の下方を指で少しばかり押圧し、開閉蓋1を図30に示すように持ち上げればよく、持ち上げられた開閉蓋1はヒンジ片3の折れ線3aの折癖によって開放状態を保持する。このため、購入者等は簡易に内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
内容物aを取り出した後は、開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすればよく、図31に示すように、開閉蓋1の周壁部11及び天板部4が容器本体2の上部に被着される。
このようにして、この蓋付き容器は開封後も内容物aを適正に保存することができる。また、噛み合い歯機構23の噛み合いによって開閉蓋1の閉じ状態が適正に保持される。従って、容器の密閉性を維持して中味の保存性を高めることができ、容器携帯時等における不意な開蓋を防止することができる。また、使用者は開閉蓋側の噛み合い歯24が容器本体側の噛み合い歯25を乗り越えることによるクリックストップ感を得ることができるので、開閉蓋1の開閉を感知しやすくなる。
また、図26乃至図28から明らかなように、開閉蓋1を閉じると噛み合い歯機構23が開閉蓋1の周壁部11によって隠蔽されるので、開閉蓋1の外面における突起物が低減し、また、開閉蓋1の見栄えが向上する。
なお、実施の形態7において他の実施の形態と同じ箇所には同一符号を用いて示し、重複した説明を省略する。
<実施の形態8>
図34に示すように、この実施の形態8の開閉蓋1における噛み合い歯機構23は、開閉蓋1の外周面と、容器本体2の外周面から開閉蓋1の外周面に向かって突出する腕片29とに各々設けられる一個又は複数個の噛み合い歯24,25によって構成される。そして、開閉蓋側の噛み合い歯24は開閉蓋1の天板部4側に傾斜し、腕片29側の噛み合い歯は容器本体2の底側に傾斜するように設けられる。
開閉蓋側の噛み合い歯24は、開閉蓋側基板26に形成される。この開閉蓋側基板26は、実施の形態7の開閉蓋側基板26とは異なり、開閉蓋1の外周面に貼着される。そして、噛み合い歯24は開閉蓋側基板26の外周面上に一体的に形成される。この場合、噛み合い歯24は一個のみ設けられるが、実施の形態7と同様に複数個設けることも可能である。
また、開閉蓋側基板26の外周面には、この外周面から垂直に立ち上がるように突起30が設けられる。この突起30は開閉蓋1の開閉の際に指で摘む摘み片として機能し、或いは噛み合った噛み合い歯24,25間の隙間を遮蔽する遮蔽物として機能する。
容器本体側の噛み合い歯25は、容器本体側基板28に形成される。この容器本体側基板28は、容器本体2に被さった開閉蓋1の下端よりも下方の容器本体外周面に貼着される。
この容器本体側基板28の上端には、腕片29が一体的に設けられる。腕片29は容器本体側基板28から半径方向外側へと突出し、その先から開閉蓋1の外周面に沿って立ち上がるように形成される。この腕片29の立ち上がった部分に複数個の噛み合い歯25が形成され、これらの噛み合い歯25が開閉蓋側の噛み合い歯24と噛み合う。
このように開閉蓋側の噛み合い歯24と容器本体側の噛み合い歯25とが開閉蓋1の外側で噛み合うようにすると、噛み合い歯機構23が開閉蓋1の外に露出するので、使用者は噛み合い状態を視認しやすくなり、開閉蓋1が閉じたか否かを容易に確認することができる。
その他、実施の形態8において他の実施の形態と同じ箇所には同一符号を用いて示し、重複した説明を省略する。
<実施の形態9>
図35乃至図37に示すように、この実施の形態9の蓋付き容器では、噛み合い歯機構23が実施の形態7の蓋付き容器と同様に設けられるが、実施の形態7とは異なり、この実施の形態では容器本体2の上端に内向きカール部2bが形成され、この内向きカール部2b上にシート状のインナーシール部10がヒートシール等により貼着される。このインナーシール部10によって容器本体2の初期の密封性が高められる。
このインナーシール部10は、図37に示すように、舌片10bを有し、この舌片10bが開閉蓋側の噛み合い歯24と容器本体側の噛み合い歯25との間に、除去可能に挿入される。
この舌片10bに代えてインナーシール部10とは別体のシート片を開閉蓋側の噛み合い歯24と容器本体側の噛み合い歯25との間に挿入してもよい。また、このシート片を開閉蓋側の噛み合い歯24に剥離可能な接着剤等によって貼着してもよい。
開閉蓋1とインナーシール部10は、未開封のときは図35乃至図37に示すような状態にある。
この開閉蓋1が装着された蓋付き容器の購入者等は、内容物aの取り出しに際し、容器本体2の周壁における噛み合い歯機構23の下方の箇所を指で押圧することなく、単に開閉蓋1を容器本体2の開口の上方に持ち上げることで足りる。
すなわち、噛み合い歯機構23の噛み合いが舌片10bの介在によって阻止又は緩和されていることから、容器本体2を初めて開封するにあたって、開閉蓋1を極めて円滑に開けることができる。
開閉蓋1を開けると、図38に示すように、ヒンジ片3が折れ線3a上で折れ曲がり、容器本体2の開口が開放される。また、同時にヒンジ片3の折れ線3aに折癖が付けられる。
購入者等が開閉蓋1から指を離し開閉蓋1を解放しても、折れ線3aの折癖によって、開閉蓋1が開放状態に保持される。
購入者等はインナーシール部10を容器本体2のカール部2bから剥し取ることによって、内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
その後、購入者等が指で開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすると、図39に示すように、開閉蓋1の周壁部11及び天板部4が容器本体2の上部に被さる。この開閉蓋1が被さりつつあるとき、噛み合い歯機構23における噛み合い歯24,25間の緩斜面24b,25b同士が接触するので、開閉蓋1の閉じ動作は円滑に行われる。
開閉蓋1が閉じ切ったところで、図39に示すように、噛み合い歯機構23の噛み合い歯24,25同士が再び噛み合う。すなわち、両噛み合い歯24,25間で急斜面又は垂直面24a,25a同士が接触する。これにより、開閉蓋1が容器本体2に対する閉位置に拘束され、購入者等によって再び開けられるまでその閉状態を維持する。閉状態において噛み合い歯24,25間の急斜面又は垂直面24a,25aが返しとして機能し、そのため開閉蓋1の閉状態は強固に維持される。
購入者等が再度内容物aを容器本体2から取り出そうとするときは、容器本体2における噛み合い歯機構23の下方を指で少しばかり押圧し、開閉蓋1を図38に示すように持ち上げればよく、持ち上げられた開閉蓋1はヒンジ片3の折れ線3aの折癖によって開放状態を保持する。このため、購入者等は簡易に内容物aを容器本体2から取り出すことができる。
内容物aを取り出した後は、開閉蓋1を容器本体2の開口側に押し付けるようにすればよく、図39に示すように、開閉蓋1の周壁部11及び天板部4が容器本体2の上部に被着される。
なお、図36に示すように、容器本体2の底蓋9の上にはスポンジ等からなるクッションシート31が載せられ底蓋9に貼着される。このクッションシートの緩衝作用により、内容物aの衝突による異音等の発生が防止される。
その他、実施の形態9において他の実施の形態と同じ箇所には同一符号を用いて示し、重複した説明を省略する。
<実施の形態10>
図40に示すように、この実施の形態10の蓋付き容器では、容器本体2の上端に内向きカール部2b上にシート状のインナーシール部10がヒートシール等により貼着される。このインナーシール部10によって容器本体2の初期の密封性が高められる。
また、実施の形態8と同様な噛み合い歯機構23が採用されるが、上記インナーシール部10の舌片10bが開閉蓋側の噛み合い歯24と容器本体側の噛み合い歯25との間に、除去可能に挿入される。
なお、この舌片10bに代えてインナーシール部10とは別体のシート片を開閉蓋側の噛み合い歯24と容器本体側の噛み合い歯25との間に挿入してもよい。また、このシート片を開閉蓋側の噛み合い歯24に剥離可能な接着剤等によって貼着してもよい。
この開閉蓋1が装着された蓋付き容器の購入者等は、内容物aの取り出しに際し、開閉蓋1の周壁における噛み合い歯機構23の箇所を指で押圧することなく、単に開閉蓋1を容器本体2の開口の上方に持ち上げることで足りる。
すなわち、噛み合い歯機構23の噛み合いが舌片10bの介在によって阻止又は緩和されていることから、容器本体2を初めて開封するにあたって、開閉蓋1を極めて円滑に開けることができる。
その他、実施の形態10において他の実施の形態と同じ箇所には同一符号を用いて示し、重複した説明を省略する。
なお、本発明は上記実施の形態1〜10に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。