JP5472239B2 - 送風装置 - Google Patents
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図1は、本発明の一実施形態に係る送風装置の断面図である。図1において、送風装置10は、ファンロータ20と、ファンロータ20を回転させるモータ30とを備えたシロッコファンである。モータ30は回転軸32を有し、この回転軸32に、ファンロータ20がファンボス部34を介して固定される。それゆえ、モータ30が回転することによって、ファンロータ20が回転する。
図2Aは、本実施形態に係る送風装置のファンロータの正面図である。また、図2Bは、図2AのL1−L1線における断面図である。図2A及び図2Bにおいて、ファンロータ20は、ハブ部25と、主板29と、複数の羽根26とによって構成されている。
ハブ部25は、モータ30の回転軸32を保持する固定部22と、モータ30の外周面に近接するモータ覆い部24とが一体的に形成された部材である。
主板29は、ハブ部25の周囲を囲み、複数の羽根26が、この主板29の外周に沿って円筒状に配列されている。主板29は、羽根26の長手方向の反吸い込み側の端部28を兼ねている。モータ覆い部24は、固定部22と端部28とを繋いでいる。
次に、開口24aの最適位置を求めるため、開口24aの位置を異ならせたファンロータ20の第1〜第3サンプルを作成し、送風装置に実装したときの風量に対する騒音を実測した。以下に各サンプルの仕様と騒音の測定結果について説明する。なお、第1サンプルは本実施形態に係る送風装置のファンロータ20(図2参照)と同じであるので説明を省略し、ここでは、第2サンプル及び第3サンプルの開口24aの位置について図3及び図4を参照しながら説明する。
図3Aはファンロータの第2サンプルの正面図であり、図3Bは図3AのL2−L2線における断面図である。図3A及び図3Bにおいて、ファンロータ20の第2サンプルでは、開口24aの一方のエッジ高さhbは、高さ寸法Hの0%の位置にあり、他方のエッジ高さhaは25%の位置にある。つまり、開口24aは、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28を基準にして、高さ寸法Hの0%の位置から25%の位置を占めている。
図5は、ファンロータの第1〜第3サンプルそれぞれを実装した送風装置の風量と騒音との関係を示すグラフである。図5において、4つの曲線のうち、実線で表された曲線が第1サンプルを実装した送風装置の測定結果、一点鎖線で示された曲線が第2サンプルを実装した送風装置の測定結果、2点鎖線で示された曲線が第3サンプルを実装した送風装置の測定結果である。また、点線で示された曲線は、図6に示す従来の送風装置の測定結果である。
(4−1)
送風装置10は、ファンロータ20が、ハブ部25と、主板29と、複数の羽根26とによって構成されるシロッコファンである。送風装置10では、モータ覆い部24の下部(反吸い込み側)に開口24aが設けられている。開口24aは、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28を基準にして、ファンロータ20の高さ寸法Hの0〜45%の範囲にかかるように配置されている。それゆえ、ファンロータ20の吸い込み側から吹き出し側へ流れる空気と、開口24aから流出する空気とは、互いに干渉することが抑制されるので静音化が見込まれる。
モータ覆い部24のうち、遠心ファンロータの高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、開口24aが占める面積の割合が60〜80%であれば、開口24aから流出する空気の通風抵抗が抑制され、且つ、遠心ファンロータの必要剛性も維持される。
モータ覆い部24は傾斜面と鉛直面とを含み、傾斜面はモータ30の回転軸32に対して傾斜しファンロータ20の反吸い込み側の端部28に向って延び、鉛直面は回転軸32とほぼ平行に、傾斜面の終端から端部28まで延びている。開口24aは、鉛直面の反吸い込み側の根元にかかっており、開口24aから流出する空気の大部分が鉛直面の根元部分から流出するので、傾斜面に沿って流れる空気と、開口から流出する空気とが互いに干渉することが抑制される。
送風装置10では、羽根26に向う空気と、開口24aから流出する空気とがほぼ平行に交わり、これらの空気流れの干渉が抑制される。
上記実施形態では、モータ覆い部24が傾斜面と鉛直面とを含み、鉛直面の反吸い込み側の根元に開口24aがかかっているが、それだけに限定されるのではない。
(1)
図1において、出願人は、遠心ファンロータ20の外径Dを変更しないという条件下で、モータ覆い部24と羽根26との最短距離Lと、ハブ部25の最大半径Rとの比率を変更した場合、その比率が所定範囲内にあるとき、吸い込み空気がハブ部25に沿って流れ易くなり、送風音が低くなることを確認した。具体的には、その比率(L/R)が0.1〜0.3の範囲内であるときに、その効果が見込まれる。
さらに、出願人は、遠心ファンロータ20の外径Dとモータ30の外径dとの比(D/d)が3.0以下であるとき、吸い込み空気の流れをハブ部25に沿い易くすることができることを確認した。
22 固定部
24 モータ覆い部
24a 開口
25 ハブ部
26 羽根
28 端部
29 主板
30 モータ
32 回転軸
40 モータ冷却用空気通路
Claims (7)
- 吸い込んだ空気を、吸い込み方向と直交する方向に吹き出す遠心ファンロータ(20)と、
前記遠心ファンロータ(20)を回転させるモータ(30)と、
を備え、
前記遠心ファンロータ(20)は、前記モータ(30)の外周面に近接するモータ覆い部(24)を有し、
前記モータ覆い部(24)の下部には開口(24a)が設けられ、前記遠心ファンロータ(20)からの吹き出し空気の一部が前記遠心ファンロータ(20)と前記モータ(30)との間に形成されたモータ周囲空間に導かれた後、前記開口(24a)を通って排出されるモータ冷却用空気通路(40)が形成されており、
前記モータ覆い部(24)は、前記モータ(30)の回転軸に対して傾斜し前記遠心ファンロータ(20)の反吸い込み側の端部(28)まで延びる傾斜面を含み、
前記開口(24a)は、前記傾斜面の反吸い込み側の根元にかかっており、
前記開口(24a)は、前記遠心ファンロータ(20)の反吸い込み側の前記端部(28)を基準にして、前記遠心ファンロータ(20)の回転軸方向の寸法である高さ寸法の0〜45%の範囲にかかるように配置され、
前記モータ覆い部(24)のうち、前記遠心ファンロータ(20)の前記高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、前記開口(24a)が占める面積の割合は60〜80%であり、
前記モータ周囲空間に前記遠心ファンロータ(20)から吹き出された直後の空気の一部が導かれ、前記モータ(30)の外周面が冷却される、
送風装置。 - 吸い込んだ空気を、吸い込み方向と直交する方向に吹き出す遠心ファンロータ(20)と、
前記遠心ファンロータ(20)を回転させるモータ(30)と、
を備え、
前記遠心ファンロータ(20)は、前記モータ(30)の外周面に近接するモータ覆い部(24)を有し、
前記モータ覆い部(24)の下部には開口(24a)が設けられ、前記遠心ファンロータ(20)からの吹き出し空気の一部が前記遠心ファンロータ(20)と前記モータ(30)との間に形成されたモータ周囲空間に導かれた後、前記開口(24a)を通って排出されるモータ冷却用空気通路(40)が形成されており、
前記モータ覆い部(24)は、
前記モータ(30)の回転軸(32)に対して傾斜し前記遠心ファンロータ(20)の反吸い込み側の端部(28)に向って延びる傾斜面と、
前記回転軸(32)とほぼ平行に前記傾斜面の終端から前記端部(28)まで延びる鉛直面と、
を含み、
前記開口(24a)は、前記鉛直面の反吸い込み側の根元にかかっており、
前記開口(24a)は、前記遠心ファンロータ(20)の反吸い込み側の前記端部(28)を基準にして、前記遠心ファンロータ(20)の回転軸方向の寸法である高さ寸法の0〜45%の範囲にかかるように配置され、
前記モータ覆い部(24)のうち、前記遠心ファンロータ(20)の前記高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、前記開口(24a)が占める面積の割合は60〜80%であり、
前記モータ周囲空間に前記遠心ファンロータ(20)から吹き出された直後の空気の一部が導かれ、前記モータ(30)の外周面が冷却される、
送風装置。 - 前記開口(24a)は、前記遠心ファンロータ(20)の前記高さ寸法の0〜25%の範囲にかかっている、
請求項1又は請求項2に記載の送風装置。 - 前記遠心ファンロータ(20)は、
前記モータ(30)の回転軸(32)を保持する固定部(22)と、
前記固定部(22)から径方向外側に離れた位置に配列される複数の羽根(26)と、
をさらに有し、
前記モータ覆い部(24)は、前記固定部(22)と、前記羽根(26)の長手方向の反吸い込み側の前記端部(28)とを繋いでいる、
請求項1又は請求項2に記載の送風装置。 - 前記遠心ファンロータ(20)は、
前記モータ(30)の回転軸(32)を保持する固定部(22)と前記モータ覆い部(24)とが一体となったハブ部(25)と、
前記ハブ部(25)の周囲を囲む主板(29)と、
前記主板(29)の外周に沿って円筒状に配列される複数の羽根(26)と、
によって構成されるシロッコファンロータである、
請求項1又は請求項2に記載の送風装置。 - 前記モータ覆い部(24)と前記羽根(26)との最短距離(L)と、前記ハブ部(25)の最大半径(R)との比率が、0.1〜0.3である、
請求項5に記載の送風装置。 - 前記遠心ファンロータ(20)の外径(D)と、前記モータ(30)の外径(d)との比が、3.0以下である、
請求項5に記載の送風装置。
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