JP5472239B2 - 送風装置 - Google Patents

送風装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5472239B2
JP5472239B2 JP2011188551A JP2011188551A JP5472239B2 JP 5472239 B2 JP5472239 B2 JP 5472239B2 JP 2011188551 A JP2011188551 A JP 2011188551A JP 2011188551 A JP2011188551 A JP 2011188551A JP 5472239 B2 JP5472239 B2 JP 5472239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fan rotor
motor
centrifugal fan
opening
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011188551A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012013090A (ja
Inventor
慎治 石井
光久 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2011188551A priority Critical patent/JP5472239B2/ja
Publication of JP2012013090A publication Critical patent/JP2012013090A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5472239B2 publication Critical patent/JP5472239B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、送風装置に関し、特に遠心ファンロータを用いた送風装置に関する。
空気の吸い込み側と反対側にモータが取り付けられる構造のファンロータを備えた送風装置では、モータを冷却するために、モータ外周を覆うように囲むハブ部とモータ外周との間に吹き出し空気の一部が戻る仕組みになっている。その仕組みについて、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7は、従来の送風装置の断面図である。また、図8は、図7におけるファンロータの正面図である。図7及び図8において、ファンロータ120が回転することによって、羽根126の内側から外側に向かって空気が流れ、ハブ部125の表面が負圧となる。また、ハブ部125には予め開口124aが設けられており、ハブ部125の表面が負圧になることによって、ハブ部125とモータ30の外周との間にある空気は、その開口124aから出て行き、それを補うように吹き出し空気の一部がハブ部125とモータ130の外周との間に戻る。なお、同様の構成が特許文献1(特開2000−50602号公報)の段落[0005]にも開示されている。
しかしながら、上記のような送風装置では、開口124aが設けられたことによる影響として、送風音が上昇するという現象がみられる。これは、開口124aがハブ部125の上部(空気の吸い込み側に近い部分)に設けられているため、ハブ部125に沿って流れる空気と、開口124aから流出する空気とが互いに干渉することが原因と推測されている。
本発明は、かかる送風音を低減する送風装置を提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係る送風装置は、遠心ファンロータと、モータとを備えている。遠心ファンロータは、吸い込んだ空気を吸い込み方向と直交する方向に吹き出す。モータは、遠心ファンロータを回転させる。また、遠心ファンロータは、モータの外周面に近接するモータ覆い部を有している。このモータ覆い部の下部には開口が設けられ、さらにモータ冷却用空気通路が形成されている。モータ冷却用空気通路は、遠心ファンロータからの吹き出し空気の一部が遠心ファンロータとモータとの間に形成されたモータ周囲空間に導かれた後、開口を通って排出されるための通路である。モータ覆い部は、傾斜面を含んでいる。その傾斜面は、モータの回転軸に対して傾斜し遠心ファンロータの反吸い込み側の端部まで延びている。また、開口は、傾斜面の反吸い込み側の根元にかかっている。また、開口は、遠心ファンロータの反吸い込み側の端部を基準にして、遠心ファンロータの回転軸方向の寸法である高さ寸法の0〜45%の範囲にかかるように配置されている。さらに、モータ覆い部のうち、遠心ファンロータの高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、開口が占める面積の割合は60〜80%である。そして、モータ周囲空間に遠心ファンロータから吹き出された直後の空気の一部が導かれ、モータの外周面が冷却される。
この送風装置では、遠心ファンロータに吸い込まれた空気は、モータ覆い部の傾斜面に沿って流れ、その傾斜面の根元部分で遠心方向に偏向される。仮に、開口が傾斜面の途中に設けられている場合、傾斜面に沿って流れる空気と、開口から流出する空気とが互いに干渉して、送風音の増加を引き起こす。
しかし、開口が傾斜面の根元部分にかかっている場合は、開口から流出する空気の大部分が傾斜面の根元部分から流出し、空気の流出方向は遠心方向となる。それゆえ、傾斜面に沿って流れる空気と、開口から流出する空気とが互いに干渉することは抑制される。これらの空気流れの干渉は、送風音上昇の原因と推測されており、その干渉が抑制されるので静音化が見込まれる。また、開口から流出する空気の通風抵抗が抑制され、且つ、遠心ファンロータの必要剛性も維持される。
本発明の第2観点に係る送風装置は、遠心ファンロータと、モータとを備えている。遠心ファンロータは、吸い込んだ空気を吸い込み方向と直交する方向に吹き出す。モータは、遠心ファンロータを回転させる。また、遠心ファンロータは、モータの外周面に近接するモータ覆い部を有している。このモータ覆い部の下部には開口が設けられ、さらにモータ冷却用空気通路が形成されている。モータ冷却用空気通路は、遠心ファンロータからの吹き出し空気の一部が遠心ファンロータとモータとの間に形成されたモータ周囲空間に導かれた後、開口を通って排出されるための通路である。モータ覆い部は、傾斜面と鉛直面とを含んでいる。その傾斜面は、モータの回転軸に対して傾斜し遠心ファンロータの反吸い込み側の端部に向って延びている。鉛直面は、回転軸とほぼ平行に、傾斜面の終端から端部まで延びている。また、開口は、鉛直面の反吸い込み側の根元にかかっている。また、開口は、遠心ファンロータの反吸い込み側の端部を基準にして、遠心ファンロータの回転軸方向の寸法である高さ寸法の0〜45%の範囲にかかるように配置されている。さらに、モータ覆い部のうち、遠心ファンロータの高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、開口が占める面積の割合は60〜80%である。そして、モータ周囲空間に遠心ファンロータから吹き出された直後の空気の一部が導かれ、モータの外周面が冷却される。
この送風装置では、開口から流出する空気の大部分が鉛直面の根元部分から流出し、空気の流出方向は遠心方向となる。また、傾斜面に沿って流れる空気は、傾斜面の終端近傍で遠心方向となる。それゆえ、傾斜面に沿って流れる空気と、開口から流出する空気とが互いに干渉することが抑制される。これらの空気流れの干渉は、送風音上昇の原因と推測されており、その干渉が抑制されるので静音化が見込まれる。また、開口から流出する空気の通風抵抗が抑制され、且つ、遠心ファンロータの必要剛性も維持される。
本発明の第3観点に係る送風装置は、第1観点又は第2観点に係る送風装置であって、開口が、遠心ファンロータの高さ寸法の0〜25%の範囲にかかっている。
出願人の実験結果によれば、開口が他の位置に設けられている送風装置と比較した場合、同一風量を得るために必要な回転数が低く、且つ、送風音も低い。
本発明の第4観点に係る送風装置は、第1観点または請求項2に係る送風装置であって、遠心ファンロータが、固定部と、複数の羽根とをさらに有している。固定部は、モータの回転軸を保持する。複数の羽根は、固定部から径方向外側に離れた位置に配列される。モータ覆い部は、固定部と、羽根の長手方向の反吸い込み側の端部とを繋いでいる。
この送風装置では、羽根に向う空気と、開口から流出する空気とがほぼ平行に交わるので、これらの空気流れの干渉が抑制される。これらの空気流れの干渉は、送風音上昇の原因と推測されており、その干渉が抑制されるので静音化が見込まれる。
本発明の第5観点に係る送風装置は、第1観点または請求項2に係る送風装置であって、遠心ファンロータが、ハブ部と、主板と、複数の羽根とによって構成されるシロッコファンである。ハブ部は、モータの回転軸を保持する固定部とモータ覆い部とが一体となっている。主板は、ハブ部の周囲を囲む。複数の羽根は、主板の外周に沿って円筒状に配列される。
この送風装置では、羽根に向う空気と、開口から流出する空気とがほぼ平行に交わるので、これらの空気流れの干渉が抑制される。これらの空気流れの干渉は、送風音上昇の原因と推測されており、その干渉が抑制されるので静音化が見込まれる。
本発明の第6観点に係る送風装置は、第5観点に係る送風装置であって、モータ覆い部と羽根との最短距離と、ハブ部の最大半径との比率が、0.1〜0.3である。
この送風装置では、モータ覆い部と羽根との最短距離と、ハブ部の最大半径との比率が0.1〜0.3の範囲内にあるとき、吸い込み空気がハブ部に沿って流れ易くなり、送風音の増大が抑制される。
本発明の第7観点に係る送風装置は、第5観点に係る送風装置であって、遠心ファンロータの外径と、モータの外径との比が、3.0以下である。
この送風装置では、遠心ファンロータの外径とモータの外径との比が3.0以下であるとき、吸い込み空気の流れをハブ部に沿い易くすることができる。
本発明の第1観点または第2観点に係る送風装置では、傾斜面に沿って流れる空気と、開口から流出する空気とが互いに干渉することが抑制されるので静音化が見込まれる。また、開口から流出する空気の通風抵抗が抑制され、且つ、遠心ファンロータの必要剛性も維持される。
本発明の第3観点に係る送風装置では、開口が他の位置に設けられている送風装置と比較した場合、同一風量を得るために必要な回転数が低く、且つ、送風音も低い。
本発明の第4観点または第5観点に係る送風装置では、羽根の端部とモータ覆い部の端部とがほぼ同じ高さ位置になり、羽根に向う空気と、開口から流出する空気とがほぼ平行に交わる。その結果、これらの空気流れの干渉が抑制されるので静音化が見込まれる。
本発明の第6観点に係る送風装置では、吸い込み空気がハブ部に沿って流れ易くなり、送風音の増大が抑制される。
本発明の第7観点に係る送風装置では、吸い込み空気の流れをハブ部に沿い易くすることができる。
本発明の一実施形態に係る送風装置の断面図。 本実施形態に係る送風装置のファンロータの正面図。 図2AのL1−L1線における断面図。 ファンロータの第2サンプルの正面図。 図3AのL2−L2線における断面図。 ファンロータの第3サンプルの正面図。 図4AのL3−L3線における断面図。 ファンロータの第1〜第3サンプルそれぞれを実装した送風装置の風量と騒音との関係を示すグラフ。 ファンロータの第1サンプルを実装した送風装置の風量と回転数との関係を示すグラフ。 従来の送風装置の断面図。 図7におけるファンロータの正面図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)送風装置の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る送風装置の断面図である。図1において、送風装置10は、ファンロータ20と、ファンロータ20を回転させるモータ30とを備えたシロッコファンである。モータ30は回転軸32を有し、この回転軸32に、ファンロータ20がファンボス部34を介して固定される。それゆえ、モータ30が回転することによって、ファンロータ20が回転する。
ファンロータ20が回転したとき、空気が固定部22側から回転軸方向に沿って吸い込まれ、モータ覆い部24の斜面に沿って進み、その後、吸い込み方向と直交する方向に吹き出される。
また、吹き出し空気の一部は、ファンロータ20とモータ30との間に形成されたモータ30の周囲空間に導かれる。ファンロータ20には、予め、開口24aが設けられており、モータ30の周囲空間に導かれた空気は、モータ30の外周面を冷却した後、開口24aを通って排出される。この空気の流れる経路を、ここではモータ冷却用空気通路40と呼ぶ。
(2)ファンロータの詳細構成
図2Aは、本実施形態に係る送風装置のファンロータの正面図である。また、図2Bは、図2AのL1−L1線における断面図である。図2A及び図2Bにおいて、ファンロータ20は、ハブ部25と、主板29と、複数の羽根26とによって構成されている。
(2−1)ハブ部
ハブ部25は、モータ30の回転軸32を保持する固定部22と、モータ30の外周面に近接するモータ覆い部24とが一体的に形成された部材である。
ここで、モータ覆い部24のうち空気の吸い込み側半分を上部、その反対側半分を下部としたとき、モータ覆い部24の下部に開口24aが設けられている。開口24aの一方のエッジ高さhbは、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28を基準にして、高さ寸法Hの0%の位置にあり、他方のエッジ高さhaは45%の位置にある。ここで、高さ寸法Hとは、図2に示す通り、ファンロータ20の回転軸方向の寸法である。つまり、開口24aは、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28を基準にして、高さ寸法Hの0%の位置から45%の位置を占めている。
また、モータ覆い部24のうち、ファンロータ20の高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、開口24aが占める面積の割合は60〜80%である。この開口24aの面積割合によって、開口から流出する空気の通風抵抗が抑制され、且つ、ファンロータ20の必要剛性も維持されている。
(2−2)主板と羽根
主板29は、ハブ部25の周囲を囲み、複数の羽根26が、この主板29の外周に沿って円筒状に配列されている。主板29は、羽根26の長手方向の反吸い込み側の端部28を兼ねている。モータ覆い部24は、固定部22と端部28とを繋いでいる。
(3)送風装置の騒音
次に、開口24aの最適位置を求めるため、開口24aの位置を異ならせたファンロータ20の第1〜第3サンプルを作成し、送風装置に実装したときの風量に対する騒音を実測した。以下に各サンプルの仕様と騒音の測定結果について説明する。なお、第1サンプルは本実施形態に係る送風装置のファンロータ20(図2参照)と同じであるので説明を省略し、ここでは、第2サンプル及び第3サンプルの開口24aの位置について図3及び図4を参照しながら説明する。
(3−1)ファンロータのサンプル仕様
図3Aはファンロータの第2サンプルの正面図であり、図3Bは図3AのL2−L2線における断面図である。図3A及び図3Bにおいて、ファンロータ20の第2サンプルでは、開口24aの一方のエッジ高さhbは、高さ寸法Hの0%の位置にあり、他方のエッジ高さhaは25%の位置にある。つまり、開口24aは、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28を基準にして、高さ寸法Hの0%の位置から25%の位置を占めている。
図4Aはファンロータの第3サンプルの正面図であり、図4Bは図4AのL3−L3線における断面図である。図4A及び図4Bにおいて、ファンロータ20の第3サンプルでは、開口24aの一方のエッジ高さhbは、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28を基準にして、高さ寸法Hの25%の位置にあり、他方のエッジ高さhaは45%の位置にある。つまり、開口24aは、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28を基準にして、高さ寸法Hの25%の位置から45%の位置を占めている。
(3−2)騒音比較結果
図5は、ファンロータの第1〜第3サンプルそれぞれを実装した送風装置の風量と騒音との関係を示すグラフである。図5において、4つの曲線のうち、実線で表された曲線が第1サンプルを実装した送風装置の測定結果、一点鎖線で示された曲線が第2サンプルを実装した送風装置の測定結果、2点鎖線で示された曲線が第3サンプルを実装した送風装置の測定結果である。また、点線で示された曲線は、図6に示す従来の送風装置の測定結果である。
図5に示すように、第1、第2および第3サンプルを実装した送風装置の騒音が、従来のファンロータを実装した送風装置と比較して低くなっている。この結果に対し、出願人は、「ファンロータ20の吸い込み側から吹き出し側へ流れる空気と、モータ覆い部24の開口24aから流出する空気とが、ともにファンロータ20の遠心方向に流れるので、互いに干渉することが抑制され、送風音が低下した」と推定している。
また、ファンロータ20の第1、第2、及び第3サンプルそれぞれを実装した送風装置の騒音値比較においては、ファンロータ20の第1サンプルを実装した送風装置が最も低く、次いで、第2サンプルを実装した送風装置、第3サンプルを実装した送風装置の順となっている。但し、その差は、従来のファンロータを実装した送風装置との差に比較して小さいので、ファンロータ20の開口24aは、高さ寸法Hの0〜45%の範囲にかかるように設けられることが望ましい。
また、構造的な制約により、高さ寸法Hの0〜45%の範囲では大きすぎる場合には、高さ寸法Hの0〜25%、或いは、高さ寸法Hの25〜45%のいずれかの範囲にかかるように設けられることが望ましく、図5に示す結果を鑑みれば、開口24aは、高さ寸法Hの0〜25%の範囲にかかるように設けられることが好ましい。
なお、出願人が実験に用いたファンロータ20の第1、第2、及び第3サンプルそれぞれは、従来の開口位置に開口124aが残されたままの仕様である。しかし、出願人は、従来の開口124aを塞いだ仕様でも図5に示す結果と同様の結果が得られることも確認している。これは、モータ冷却用空気通路40を通過する空気が、従来の開口124aに到達するまでもなく開口24aから出て行くので、従来の開口124aは機能しなくなっていると推定される。
以上のように、開口24aは、高さ寸法Hの0〜45%の範囲にかかっていれば、ファンロータ20の第1、第2、及び第3サンプルそれぞれを実装した送風装置のいずれかと同レベルの騒音が達成される。
なお、開口24aが高さ寸法Hの0〜45%にかかるとは、開口24aの一部または全部が高さ寸法Hの0〜45%の位置に存在することを意味する。開口24aの高さの高い方のエッジ高さhaが高さ寸法Hの45%を越える位置(0.45<ha/H)であっても、開口24aの高さの低い方のエッジ高さhbが高さ寸法Hの0〜45%の範囲内(0<hb/H<0.45)にあれば、高さ寸法Hの0〜45%にかかると判断される。
また、開口24aが高さ寸法Hの0〜45%の範囲にかかるように設けられることによって、同一風量を得るために必要な回転数が低減されるという効果も奏している。以下、図6を用いて説明する。
図6は、ファンロータの第1サンプルを実装した送風装置の風量と回転数との関係を示すグラフである。図6において、ファンロータ20の第1サンプルが実装された送風装置の特性は実線で示されている。また、従来の送風装置の特性が点線で示されている。図6より、ファンロータ20の第1サンプルが実装された送風装置では、同一風量を得るために必要な回転数が従来の送風装置よりも低減されていることが明白である。
(4)特徴
(4−1)
送風装置10は、ファンロータ20が、ハブ部25と、主板29と、複数の羽根26とによって構成されるシロッコファンである。送風装置10では、モータ覆い部24の下部(反吸い込み側)に開口24aが設けられている。開口24aは、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28を基準にして、ファンロータ20の高さ寸法Hの0〜45%の範囲にかかるように配置されている。それゆえ、ファンロータ20の吸い込み側から吹き出し側へ流れる空気と、開口24aから流出する空気とは、互いに干渉することが抑制されるので静音化が見込まれる。
(4−2)
モータ覆い部24のうち、遠心ファンロータの高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、開口24aが占める面積の割合が60〜80%であれば、開口24aから流出する空気の通風抵抗が抑制され、且つ、遠心ファンロータの必要剛性も維持される。
(4−3)
モータ覆い部24は傾斜面と鉛直面とを含み、傾斜面はモータ30の回転軸32に対して傾斜しファンロータ20の反吸い込み側の端部28に向って延び、鉛直面は回転軸32とほぼ平行に、傾斜面の終端から端部28まで延びている。開口24aは、鉛直面の反吸い込み側の根元にかかっており、開口24aから流出する空気の大部分が鉛直面の根元部分から流出するので、傾斜面に沿って流れる空気と、開口から流出する空気とが互いに干渉することが抑制される。
(4−4)
送風装置10では、羽根26に向う空気と、開口24aから流出する空気とがほぼ平行に交わり、これらの空気流れの干渉が抑制される。
(5)変形例
上記実施形態では、モータ覆い部24が傾斜面と鉛直面とを含み、鉛直面の反吸い込み側の根元に開口24aがかかっているが、それだけに限定されるのではない。
例えば、モータ覆い部24の傾斜面が、モータ30の回転軸32に対して傾斜し、ファンロータ20の反吸い込み側の端部28まで延びている(特許文献1の図2に記載されているような形状)タイプでも、開口24aは傾斜面の反吸い込み側の根元にかかっているのが好ましい。
この変形例に係る送風装置では、ファンロータ20に吸い込まれた空気は、モータ覆い部24の傾斜面に沿って流れ、その傾斜面の根元部分で遠心方向に偏向される。開口24aから流出する空気の大部分は傾斜面の根元部分から流出し、空気の流出方向は遠心方向となる。それゆえ、傾斜面に沿って流れる空気と、開口から流出する空気とが互いに干渉することが抑制される。
<その他の実施形態>
(1)
図1において、出願人は、遠心ファンロータ20の外径Dを変更しないという条件下で、モータ覆い部24と羽根26との最短距離Lと、ハブ部25の最大半径Rとの比率を変更した場合、その比率が所定範囲内にあるとき、吸い込み空気がハブ部25に沿って流れ易くなり、送風音が低くなることを確認した。具体的には、その比率(L/R)が0.1〜0.3の範囲内であるときに、その効果が見込まれる。
(2)
さらに、出願人は、遠心ファンロータ20の外径Dとモータ30の外径dとの比(D/d)が3.0以下であるとき、吸い込み空気の流れをハブ部25に沿い易くすることができることを確認した。
以上のように、本発明によれば、モータ冷却用の空気が流通する開口が設けられた送風装置において、開口を流通する空気が原因と推定される送風音の上昇が抑制されるので、シロッコファンを含む遠心ファンに有用である。
20 ファンロータ
22 固定部
24 モータ覆い部
24a 開口
25 ハブ部
26 羽根
28 端部
29 主板
30 モータ
32 回転軸
40 モータ冷却用空気通路
特開2000−50602号公報

Claims (7)

  1. 吸い込んだ空気を、吸い込み方向と直交する方向に吹き出す遠心ファンロータ(20)と、
    前記遠心ファンロータ(20)を回転させるモータ(30)と、
    を備え、
    前記遠心ファンロータ(20)は、前記モータ(30)の外周面に近接するモータ覆い部(24)を有し、
    前記モータ覆い部(24)の下部には開口(24a)が設けられ、前記遠心ファンロータ(20)からの吹き出し空気の一部が前記遠心ファンロータ(20)と前記モータ(30)との間に形成されたモータ周囲空間に導かれた後、前記開口(24a)を通って排出されるモータ冷却用空気通路(40)が形成されており、
    前記モータ覆い部(24)は、前記モータ(30)の回転軸に対して傾斜し前記遠心ファンロータ(20)の反吸い込み側の端部(28)まで延びる傾斜面を含み、
    前記開口(24a)は、前記傾斜面の反吸い込み側の根元にかかっており、
    前記開口(24a)は、前記遠心ファンロータ(20)の反吸い込み側の前記端部(28)を基準にして、前記遠心ファンロータ(20)の回転軸方向の寸法である高さ寸法の0〜45%の範囲にかかるように配置され、
    前記モータ覆い部(24)のうち、前記遠心ファンロータ(20)の前記高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、前記開口(24a)が占める面積の割合は60〜80%であり、
    前記モータ周囲空間に前記遠心ファンロータ(20)から吹き出された直後の空気の一部が導かれ、前記モータ(30)の外周面が冷却される、
    送風装置。
  2. 吸い込んだ空気を、吸い込み方向と直交する方向に吹き出す遠心ファンロータ(20)と、
    前記遠心ファンロータ(20)を回転させるモータ(30)と、
    を備え、
    前記遠心ファンロータ(20)は、前記モータ(30)の外周面に近接するモータ覆い部(24)を有し、
    前記モータ覆い部(24)の下部には開口(24a)が設けられ、前記遠心ファンロータ(20)からの吹き出し空気の一部が前記遠心ファンロータ(20)と前記モータ(30)との間に形成されたモータ周囲空間に導かれた後、前記開口(24a)を通って排出されるモータ冷却用空気通路(40)が形成されており、
    前記モータ覆い部(24)は、
    前記モータ(30)の回転軸(32)に対して傾斜し前記遠心ファンロータ(20)の反吸い込み側の端部(28)に向って延びる傾斜面と、
    前記回転軸(32)とほぼ平行に前記傾斜面の終端から前記端部(28)まで延びる鉛直面と、
    を含み、
    前記開口(24a)は、前記鉛直面の反吸い込み側の根元にかかっており、
    前記開口(24a)は、前記遠心ファンロータ(20)の反吸い込み側の前記端部(28)を基準にして、前記遠心ファンロータ(20)の回転軸方向の寸法である高さ寸法の0〜45%の範囲にかかるように配置され、
    前記モータ覆い部(24)のうち、前記遠心ファンロータ(20)の前記高さ寸法の0〜45%の範囲にかかる部分の面積に対して、前記開口(24a)が占める面積の割合は60〜80%であり、
    前記モータ周囲空間に前記遠心ファンロータ(20)から吹き出された直後の空気の一部が導かれ、前記モータ(30)の外周面が冷却される、
    送風装置。
  3. 前記開口(24a)は、前記遠心ファンロータ(20)の前記高さ寸法の0〜25%の範囲にかかっている、
    請求項1又は請求項2に記載の送風装置。
  4. 前記遠心ファンロータ(20)は、
    前記モータ(30)の回転軸(32)を保持する固定部(22)と、
    前記固定部(22)から径方向外側に離れた位置に配列される複数の羽根(26)と、
    をさらに有し、
    前記モータ覆い部(24)は、前記固定部(22)と、前記羽根(26)の長手方向の反吸い込み側の前記端部(28)とを繋いでいる、
    請求項1又は請求項2に記載の送風装置。
  5. 前記遠心ファンロータ(20)は、
    前記モータ(30)の回転軸(32)を保持する固定部(22)と前記モータ覆い部(24)とが一体となったハブ部(25)と、
    前記ハブ部(25)の周囲を囲む主板(29)と、
    前記主板(29)の外周に沿って円筒状に配列される複数の羽根(26)と、
    によって構成されるシロッコファンロータである、
    請求項1又は請求項2に記載の送風装置。
  6. 前記モータ覆い部(24)と前記羽根(26)との最短距離(L)と、前記ハブ部(25)の最大半径(R)との比率が、0.1〜0.3である、
    請求項5に記載の送風装置。
  7. 前記遠心ファンロータ(20)の外径(D)と、前記モータ(30)の外径(d)との比が、3.0以下である、
    請求項5に記載の送風装置。
JP2011188551A 2011-08-31 2011-08-31 送風装置 Active JP5472239B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011188551A JP5472239B2 (ja) 2011-08-31 2011-08-31 送風装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011188551A JP5472239B2 (ja) 2011-08-31 2011-08-31 送風装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010151875A Division JP2012013035A (ja) 2010-07-02 2010-07-02 送風装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012013090A JP2012013090A (ja) 2012-01-19
JP5472239B2 true JP5472239B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=45599775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011188551A Active JP5472239B2 (ja) 2011-08-31 2011-08-31 送風装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5472239B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014167707A1 (ja) * 2013-04-12 2014-10-16 三菱電機株式会社 遠心送風機
JP6102698B2 (ja) * 2013-11-28 2017-03-29 三菱電機株式会社 送風装置
JP6340225B2 (ja) * 2014-03-24 2018-06-06 株式会社日本クライメイトシステムズ 遠心ファン

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5836208Y2 (ja) * 1977-05-23 1983-08-15 株式会社東芝 多翼形フアン付回転電機
DE2939385C2 (de) * 1979-09-28 1982-11-25 Süddeutsche Kühlerfabrik Julius Fr. Behr GmbH & Co KG, 7000 Stuttgart Radialgebläse, insbesondere für Heiz- oder Klimaanlagen von Fahrzeugen
JPS5683697U (ja) * 1979-11-30 1981-07-06
JPS55137285U (ja) * 1980-04-02 1980-09-30
JP3270567B2 (ja) * 1993-04-12 2002-04-02 松下冷機株式会社 送風機
JPH10309069A (ja) * 1997-04-30 1998-11-17 Toshiba Corp 送風装置
JP2001115997A (ja) * 1999-10-14 2001-04-27 Matsushita Seiko Co Ltd 多翼ファン
JP4115786B2 (ja) * 2002-09-17 2008-07-09 カルソニックカンセイ株式会社 送風機
JP2006266194A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Toto Ltd 遠心ファン
JP2007092571A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Japan Servo Co Ltd 遠心ファン
JP2010133309A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Calsonic Kansei Corp 送風装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012013090A (ja) 2012-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012002129A1 (ja) 送風装置
JP5769978B2 (ja) 遠心式ファン
JP5636788B2 (ja) 送風ファン
JP2008261280A (ja) 軸流ファン
JP6340819B2 (ja) 送風装置
JP6504754B6 (ja) 電動送風機およびそれを用いた電気掃除機
JP6354309B2 (ja) ブロワ装置
JP5472239B2 (ja) 送風装置
JP2010084701A (ja) 送風装置
JP2016116272A (ja) 回転電機及びファンカバー
JP5648439B2 (ja) ファン
JP5195983B2 (ja) 遠心送風機
JP2006214420A5 (ja)
JP5905052B2 (ja) 遠心式ファン
JP5076324B2 (ja) 遠心ファン
JP6340225B2 (ja) 遠心ファン
JP2013036444A (ja) 遠心送風機
JP4862809B2 (ja) 遠心式送風機
JP2011047347A (ja) 送風ファン
JP5747149B2 (ja) 消音ボックス付送風機
JP5831595B2 (ja) ファン
JP6181908B2 (ja) ブロワ
JP6098137B2 (ja) 送風装置
JP5304879B2 (ja) 空気調和機
JP5875472B2 (ja) 多翼送風機および送風装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130730

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131024

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20131101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140120

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5472239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151