JP4115786B2 - 送風機 - Google Patents

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JP4115786B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アウタロータ型ブラシレスモータと、このモータを駆動源とする遠心型ファンであるシロッコファンとを備える送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の送風機1では、図10に示すように、アウタロータ型ブラシレスモータ2のハウジング2aには、モータ回転軸2bを回転可能に支持するボス部2cが形成されている。モータ2のステータは、このボス部2cを取り巻いてこれに固定的に配置された電磁石2dを備える。モータ2のロータは、モータ回転軸2bと一体的に回転可能な筒状のヨーク2eを備える。ヨーク2eは電磁石2dを取り巻いてこれと同軸的に配置され、その内周面には、電磁石2dの周方向へ相互に異なる磁極が交互に配列されるように永久磁石2fが環状に配置されている。ステータの電磁石2dへの給電により回転磁界が生じると、この回転磁界とロータの永久磁石2eとの磁気作用力により、ロータ(2e、2f)と一体的にモータ回転軸2bが回転する。
【0003】
モータ回転軸2bにはシロッコファン3の円形ディスク部3aが固定されている。この円形ディスク3aは、ブラシレスモータ2の上方を覆うように、全体に椀状を呈し、ヨーク2eの周壁から間隔を置いて下方へ伸びる。ディスク部3aの外縁からは、多数の環状に配列されたファンブレード3bが相互に間隔を置いて立ち上がる。
【0004】
モータ2の駆動によりそのモータ回転軸2bが回転されると、シロッコファン3のファンブレード3bの回転によって、ファンブレード3b間の空気が遠心方向であるシロッコファン3の径方向外方に強制的に案内され、ファンブレード3b列の内方に負圧が発生する。また、この負圧により、その上端開口3cから空気が吸入され、この吸入空気が、順次遠心方向へ排出される。これにより空気流4が発生することから、シロッコファン3は遠心型ファンとして機能する。
【0005】
関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−50602号公報(第4−5頁、図2)
【0007】
前記特許文献1では、ヨーク2eおよびディスク部3aの相互に非整合の位置に空気案内穴を形成することにより、吸入空気中の水分によるボス部2cへの被水が原因となる不都合を招くことなくステータの電磁石2dを効果的に空冷することが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したような送風機では、ロータのヨークとシロッコファンのデスク部とが相互に間隔をおいて一体的に回転する領域のうち、ディスク部の下端近傍の領域Xから振幅が周期的に変動する変動音が観測された。
【0009】
そこで、本発明の目的はアウタロータ型ブラシレスモータを駆動源とするシロッコファンを備える送風機の静寂性を高めることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、筒状のステータと、前記ステータ内に同軸に配設され且つ前記ステータから突出する回転軸と、前記ステータの外側に同軸に配設され且つ前記回転軸の前記ステータからの突出部に固定されたヨークとを備えるブラシレスモータを有すると共に、前記ヨークを覆い且つ中央部が前記回転軸の前記ステータからの突出部に固定された椀状の円形ディスク部と、該円形ディスク部の開口部の外縁から前記円形ディスク部の開口端とは反対側に向けて立ち上がり且つ前記円形ディスク部の周方向に配列された多数のファンブレードを備えるシロッコファンを有し、前記円形ディスク部の開口部の内周壁面と前記ヨークの外周壁面との間に空隙が形成されている送風機において、前記円形ディスク部の開口部の内周壁面に周方向に間隔をおいて複数のフィンが取り付けられている送風機としたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記空隙から前記円形ディスク部と前記複数のファンブレードとの間のチャンバに空気を流すファン穴が前記円形ディスク部に周方向に間隔をおいて複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の送風機。
【0012】
請求項1または2に記載の発明では、相互に一体的に回転するヨークおよびこれに向き合うディスク部の各壁面の少なくともいずれか一方に形成されたフィンは、ヨークあるいはディスク部の回転によってこれらと一体的に回転することにより、ディスク部の開口部すなわちディスク部下縁近傍におけるディスク部およびこれに向き合うヨークとの間空隙内の空気を規則的に撹拌する。このフィンの撹拌作用により、ディスク部下縁近傍におけるディスク部およびヨーク間の空気に流れが生じ、この空気流が促進されるので、ディスク部下縁近傍におけるディスク部およびヨーク間の空気に起因すると思われる変動音の発生が抑制(低減)される。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、フィンのハウジングに近接する下縁を、このフィンが設けられたヨークまたはディスク部のハウジングに近接する下端よりも上方に位置させたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明では、フィンの下縁を該フィンが設けられたヨークまたはディスク部の下縁よりも上方に位置させることにより、フィンの回転高次成分によるノイズレベルの低減が図られる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、フィンを4個以上とし、ヨークまたはディスク部の周方向へそれぞれを相互に間隔をおいて設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明では、4個以上のフィンを周方向へ均等に配置することにより、ヨークおよびディスク部間の空気流が効果的に促進されることから、変動音の発生が効果的に抑制される。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれか一つに記載の発明において、ヨークの外周壁面は回転軸と平行な直立壁面を有し、この直立壁面に向き合うディスク部は直立壁面に関して傾斜する傾斜壁面を有し、この直立壁面と傾斜壁面との間に配置されるフィンは前記両壁面により規定される三角平面形状に相似した三角平面形状を有することを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明では、ヨークとディスク部との空隙に沿った形状のフィンを採用することにより、ディスク部下縁近傍におけるディスク部およびヨーク間の空気流が効果的に促進される。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5のいずれか一つに記載の発明において、フィンの張出面積が、ヨークとディスク部との一体的な回転によりこのディスク部下縁近傍におけるディスク部およびヨーク間の空気流を促進させるに十分な面積を有することを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明では、適正な張出面積を有するフィンにより、ヨークおよびディスク部間の空気流が効果的に促進され、これにより変動音の発生が効果的に防止される。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれか一つに記載の発明において、フィンが張り出すディスク部下縁近傍におけるディスク部とヨークとの空隙の断面で見て、この空隙に対するフィンの張出面積の割合は約15%以上であることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明では、各フィンの張出割合面積を15%以上とすることにより、効果的に空気流を生じさせることができるので、変動音の発生が効果的に防止される。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項2ないし7のいずれか一つに記載の発明において、ヨークまたはディスク部から張り出す各フィンには、その回転方向と逆方向へ伸びる突出部が形成され、この突出部にはエッジが形成されていることを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載の発明では、フィンの回転による各フィンの後縁部での空気流の乱れがエッジにより効果的に抑制されるので、ヨークとディスク部との空隙の空気流がフィン後縁部での乱流によって低減することを防止でき、この空気流の増大が図られる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項2ないし8のいずれか一つに記載の発明において、各フィンの厚さ寸法は、ハウジングに近接するその下縁へ向けて、漸減することを特徴とする。
【0026】
請求項9に記載の発明では、例えばフィンを合成樹脂材料によりシロッコファンのデスク部と一体成形する場合、その成形金型の分割面の変更をもたらすことなくしかも被成形品の成形金型からの取り出しを容易とする上で、有利となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、自動車用空気調和装置のブロアユニットに組み込まれる送風機10を示す。
【0030】
本発明に係る送風機10は、ブラシレスモータ11と、該ブラシレスモータにより駆動されるシロッコファン12とを備える。
【0031】
ブラシレスモータ11は、回転子であるロータが固定子であるステータの外方に配置された、いわゆるアウタロータ型ブラシレスモータである。このブラシレスモータ11は、図示しない駆動電源回路が収容されるハウジング13と、該ハウジングに設けられたボス部13aに回転可能に支持される回転軸14と、ボス部13aを取り巻いて該ボス部にこれと同軸的に配置され、ボス部13aに固定される全体に筒状の電磁石15とを有する。電磁石15は、そのコア15aに巻かれた巻き線15bに前記電源回路から所定の電力の供給を受けることにより、電磁石15の回りに従来良く知られた回転磁界を生成することから、ステータとして機能する。
【0032】
回転軸14には、ハウジング13のボス部13aから突出する部分で、磁性金属材料からなる筒状のヨーク16が結合されている。ヨーク16は、円筒状の本体部分16aと、該本体部分の一端17と反対側の端部を閉鎖する閉鎖端部分16bとを有する。ヨーク16は、その一端である開放端17をハウジング13に向けるように、閉鎖端部分16bの中央部で回転軸14に固定されている。これにより、ヨーク16の本体部分16aは、回転軸14および筒状の電磁石15と同軸的に該電磁石を取り巻いて配置されかつ開放端17をハウジング13から間隔をおくように、回転軸14と一体的に回転可能である。
【0033】
電磁石15を取り巻くヨーク16の本体部分16aの内周面18には、多数の永久磁石19が本体部分16aの周方向へ相異なる磁極を交互に配列させて固定的に設けられている。永久磁石19が設けられたヨーク16は、この永久磁石19と電磁石15の回転磁界との磁気相互作用により、回転軸14と一体的に回転するロータとして機能する。
【0034】
シロッコファン12は、回転軸14に結合された円形ディスク部20と、このディスク部20の開口部の外縁すなわち円形縁部20aに一端が保持され、該円形縁部の周方向へ相互に間隔をおいて回転軸14と平行に配置される多数のファンブレード21とを有する。尚、この多数のファンブレード21は、図1,図2から明らかな如く、又、従来の構成から明らかな如く、ディスク部20の開口端とは反対側に向けて延びていると共に、周方向に配列されている。
【0035】
円形ディスク部20は全体に椀状を呈する。円形ディスク部20は、ヨーク16をその他端である閉鎖端部分16bの側から本体部分16aを覆うように、前記円形縁部20aをハウジング13に向けて配置されている。また円形ディスク部20は、円形縁部20aがハウジング13から間隔をおくように配置されており、円形ディスク部20は、その中央部20bで、回転軸14にヨーク16の閉鎖端部分16bとの結合部より先端側で固定されている。
【0036】
図1に示す例では、円形ディスク部20の中央部20bおよびその近傍には、ヨーク16の閉鎖端部分16bとの間で内方へ張り出す補強リブ22が設けられている。この補強リブ22は、不要とすることができるが、円形ディスク部20の回転軸14への取り付け部近傍の強度を高める上で、補強リブ22を形成することが望ましい。
【0037】
また、ハウジング13に対向する平坦な円形縁部20aの下面とハウジング13との間隔d1がヨーク16の開放端17とハウジング13との間隔d2よりも大きくなるように設定されている。従って、図示の例では、円形ディスク部20の下端がヨーク16の下端よりも上方に位置するように配置されている。円形ディスク部20の下端とヨーク16の下端との上下位置の関係は、円形ディスク部20の下端がヨーク16の下端よりも下方に位置するように、あるいは同一高さ位置となるように、必要に応じて適宜変更することができる。ファンブレード21の他端は、吸入口23を規定する環状板24に結合されることにより、該環状板を介して相互に結合されている。
【0038】
ブラシレスモータ11のヨーク16と一体的に回転軸14が回転されると、該回転軸に固定された円形ディスク部20がヨーク16と一体的に回転する。円形ディスク部20の回転により、該円形ディスク部に固定されたファンブレード21が回転軸14の回りに回転されることから、従来におけると同様に、ファンブレード21間の空気がシロッコファン12の径方向外方へ排出され、円形ディスク部20の外方とファンブレード21列の内方との間のチャンバ25内に発生する負圧により、吸入口23からシロッコファン12の径方向外方への空気流26が生じる。
【0039】
図示の実施の形態では、チャンバ25内に発生する負圧を利用してステータである電磁石15を空冷するために、ヨーク16の閉鎖端部分16bには、ヨーク穴27が形成され、また円形ディスク部20におけるヨーク16の本体部分16aに対向する部分には、ファン穴28が形成されている。
【0040】
ヨーク穴27はヨーク16の閉鎖端部分16bに形成され、ファン穴28はヨーク16の本体部分16aに形成されていることから、図1に示すとおり、両穴27、28の高さ位置が互いに異なり、しかもヨーク16および円形ディスク部20をヨーク16の開放端17の側から見た図2に示されているように、両穴27、28がヨーク16の周方向で見て相互にずれた位置に配置されている。
【0041】
従って、空気流26中に含まれる水滴等が両穴27および28を経てヨーク16内部に浸入することを防止し、この水分のヨーク16内への浸入による被水を招くことなく、ヨーク16の開放端17からヨーク穴27およびファン穴28を経てチャンバ25に至る空気流29あるいはヨーク16の開放端17と円形ディスク部20の円形縁部20aとの間の間隙Dからファン穴28を経てチャンバ25に至る空気流30を生じさせることができ、この空気流により電磁石15を効果的に冷却することができる。
【0042】
また、本発明に係る送風機10では、図1および図2に示されているように、円形ディスク部20の内周壁面には、ヨーク16の本体部分16aに向けて張り出す複数のフィン31が形成されている。
【0043】
図1に明確に示されているように、各フィン31は、円形縁部20aの近傍のファン穴28の下方位置でヨーク16の本体部分16aの外周壁面に向けて張り出す。ヨーク本体部分16aの外周壁面は回転軸14に平行な直立壁32であり、この直立壁32に対向する円形ディスク部20の内面は直立壁32との間隔を下方の円形縁部20aへ向けて漸増する傾斜壁面33であり、各フィン31は、直立壁32に平行な垂直縁34と、傾斜壁面33に平行な傾斜縁35と、円形縁部20aと平行な下縁36とにより規定される三角形の平面形状を有する。
【0044】
各フィン31の張出面積は、円形ディスク部20とヨーク16との一体的な回転により両者間の空気を撹拌するに充分な面積を保持するために、ヨーク本体部分16aの外周壁面32とこれに対向する円形ディスク部20の傾斜壁面33との間、すなわち対向面32、33間で規定される空隙の各断面積S(図1に破線斜線で示す)に対して、その約15%を超える。また各フィン31の下縁36は、このフィン31が設けられた円形ディスク部20の下端20cに一致させることができるが、円形ディスク部20の下端20cよりも約3mm分上方に位置するように、形成されている。このフィン31は、ハウジング13から突出する前記電源回路のための放熱フィン13bと干渉を引き起こさない範囲で空隙Sに突出させることができる。
【0045】
フィン31は、図2に示す例では、10枚のフィン31がヨーク本体部分16aを取り巻くように円形ディスク部20の内周壁面の周方向へ等間隔をおいて配置されている。また、各フィン31の垂直縁34には、図3に拡大して示すように、円形ディスク部20の回転方向(矢印C)と逆方向へ伸びる突出部37が形成されており、各突出部37にはエッジ37aが形成されている。突出部37およびそのエッジ37aは、円形ディスク部20が矢印Cで示す方向へ回転するとき、フィン31の張出端の後縁に位置することから、各フィン31の張出端での乱流の発生を抑制する作用をなす。
【0046】
各フィン31は、円形ディスク部20と一体的に合成樹脂材料で樹脂成形により形成することができる。この場合、図4に示すように、各フィン31の厚さ寸法tを上端から下端である下縁36へ向けて漸減させることが望ましい。このフィン31の厚さ寸法tの漸減により、フィン31が設けられていない従来の円形ディスク部を形成するための金型にフィン31のための成形部を形成するのみで、金型の分割面に変更をもたらすことなく、フィン31が一体的に形成された円形ディスク部20をフィン31の上端方向へ向けて金型と相対移動させることによって該金型から容易に分離することが可能になる。従って、製造コストの増大を抑制する上で有利である。
【0047】
フィン31が設けられた送風機10では、ブラシレスモータ11の作動により、シロッコファン12がヨーク16と一体的に回転するとき、シロッコファン12の円形ディスク部20に設けられたフィン31がこれと一体的に回転する。このフィン31の回転により、円形ディスク部20とヨーク本体部分16aとの間からフィン31が設けられていない従来の前記送風機で観測された振幅が周期的に変動する変動音の低減が図られた。
【0048】
この変動音が低減する理由として、フィン31が円形ディスク部20およびヨーク16と一体的に回転することにより、円形ディスク部20およびヨーク本体部分16a間の空気を周期的に撹拌すると、その撹拌作用により両者16a、20間の空気流が促進され、ファン穴28を経る空気流が促進されることにより、円形ディスク部20の裏側である領域Sと、円形ディスク部20の表側であるチャンバ25内の負圧差が緩和されることにより、変動音の低減が図られたと考えられる。
【0049】
フィン31の突出部37およびエッジ37aを不要とすることができるが、フィン31の先端で生じる乱流の発生を抑制することにより、この乱流による円形ディスク部20およびヨーク本体部分16a間の空気流の抑制を阻止し、前記した負圧差の緩和効果を高め、またフィン31による円形ディスク部20の回転空気抵抗の増大を抑制する上で、突出部37およびエッジ37aを形成することが望ましい。
【0050】
図5ないし図9は、本発明に係る送風機10による変動音の低減効果をフィン31の形態を変えたそれぞれの例と、従来例との比較で示すグラフであり、いずれもブラシレスモータを2900rpmの回転速度で作動させたときの測定データから求められた。各グラフの横軸は観測音の周波数(Hz)を示し、縦軸は騒音レベル(dBA)を示す。
【0051】
図5のグラフには、フィン31として、円形ディスク部20の下端20cに一致した下縁36を有し、ほぼ15%の張出面積を有する4枚のフィン31が円形ディスク部20の周方向へ均等な間隔で設けられた本発明に係る送風機10についての実線で表示された特性線38と、フィン31が設けられていない従来の送風機についての破線で表示された特性線39とが示されている。
【0052】
従来の送風機では、その特性線39の符号39a、39bおよび39cで示す周波数での変動音が観測された。これに対し、4枚のフィン31が設けられた本発明の送風機10では、その特性線38で示されるように、4枚のフィン31による回転数(2900rpm)の4倍に当たる符号38aで示される4次回転成分でのノイズ音が発生するものの、このノイズ音よりも高い騒音レベルの変動音を消去することができた。
【0053】
図6および図7のグラフは、フィン31として、円形ディスク部20の下端20cに一致した下縁36を有し、ほぼ15%の張出面積を有する8枚および16枚のフィン31が円形ディスク部20の周方向へ均等な間隔で設けられた本発明に係る送風機10のそれぞれの特性線40および41と、フィン31が設けられていない従来の送風機の特性線39との比較を示す。
【0054】
図6に示す特性線40に示されているように、8枚のフィン31による回転数(2900rpm)の8倍に当たる符号40aで示される8次回転成分でのノイズ音が発生するものの、符号39a、39bおよび39cで示す周波数での従来の変動音を消去することができた。
【0055】
また、図7の特性線41で示されているように、16枚のフィン31による回転数(2900rpm)の8倍および16倍に当たる符号41aおよび符号41bでそれぞれ示される8次回転成分および16次回転成分でのノイズ音が発生するものの、これらよりも騒音レベルの高い符号39a、39bおよび39cで示す周波数での従来の変動音を消去することができた。
【0056】
図5ないし図7に沿って説明した本発明に係る送風機10では、フィン31として、円形ディスク部20の下端20cに一致した下縁36を有するフィン31が採用された。これらに対し、図8に示す例は、図1に示した例におけると同様に、各フィン31の下縁36を円形ディスク部20の下端20cよりも約3mm分上方に位置させた例であり、このような16枚のフィン31を円形ディスク部20の周方向へ均等に配置することにより得られた本発明に係る送風機10についての特性線42が示されている。
【0057】
特性線42で示すように、符号39a、39bおよび39cで示す周波数での従来の変動音を消去することができる上、さらに図7の特性線41で見られた符号41aで示した8次回転成分および符号41bで示した16次回転成分についてのノイズ音の発生をも防止することができた。
【0058】
この高次回転成分の発生防止は、図1に示した10枚のフィン31を設けた例をも含み、各フィン31の下縁36を円形ディスク部20の下端20cよりも約3mm分上方に位置させた例で確認することができた。
【0059】
従って、フィン31が設けられた円形ディスク部20の下端20cよりもフィン31の下縁36を上方に位置させることにより、フィン31の高次回転成分のノイズ発生をも抑制することができると考えられる。
【0060】
図9は、図8に示したと同様なフィン31の張出面積を放熱フィン13bとの干渉を引き起こさない範囲で領域S内にその15%を大きく超えて張り出させた場合の図8と同様なグラフであり、比較のための従来の特性線38は省略されている。
【0061】
図9の特性線43によれば、符号39a、39bおよび39cで示す周波数での従来の変動音が消去されており、また高次回転成分によるノイズの発生も抑制されており、図8の特性線42にほぼ一致している。従って、フィン31の領域Sへの張出面積の割合を少なくともほぼ15%とすることにより、変動音の消去効果が得られると考えられる。
【0062】
前記したところでは、フィン31を円形ディスク部20の開口部の内周壁面に形成した例について説明したが、フィン31を円形ディスク部20に代えてヨーク本体部分16aの外周壁面に設けることができる。しかしながら、ヨーク本体部分16aは磁性金属材料から成り、この本体部分16aに一体でフィン31を形成し、或いはフィン31を本体部分16aに固定することに比較して、フィン31を樹脂製の円形ディスク部20で一体成形することにより、フィン31を容易に形成するができる。また円形ディスク部20のフィン31は円形ディスク部20の補強を兼ねる点で、円形ディスク部20にフィン31を形成することが望ましい。
【0063】
また、前記したところでは、ヨーク16および円形ディスク部20にそれぞれ空冷用の穴27および28が形成された送風機10について説明したが、本発明に係るフィン31をこれらヨーク穴27およびファン穴28が形成されていない送風機にも適用することができ、フィン31によるヨーク本体部分16aと円形ディスク部20の縁部近傍との間の空気を撹拌する作用により、従来観測された変動音のレベルを低減することができる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1および2に記載の発明によれば、相互に一体的に回転するヨークおよびこれに向き合うディスク部の各壁面の少なくともいずれか一方に形成されたフィンがディスク部縁部近傍におけるディスク部とこれに向き合うヨーク間の空気を規則的に撹拌することにより、ディスク部下縁近傍における該ディスクおよびヨーク間の空気に流れが生じ、この空気流が促進されるので、ディスク部下縁近傍におけるディスク部およびヨーク間の空気による変動音の発生が抑制もしくは防止され、これにより送風機の静寂性を高めることができる。
【0065】
請求項3に記載の発明によれば、フィンの下縁をヨークまたはディスク部の下縁よりも上方に位置させることにより、フィンを設けたことによる回転高次成分のノイズレベルの低減が図られるので、より優れた静寂性を得ることができる。
【0066】
請求項4ないし7に記載の発明によれば、ヨークおよびディスク部間の空気流を効果的に促進することができるので、変動音の発生を効果的に抑制もしくは防止することができ、これにより送風機の静寂性を一層効果的に高めることができる。
【0067】
請求項8に記載の発明によれば、各フィン縁部での乱流の発生を防止できるので、ディスク部下縁におけるディスク部およびこれに向き合うヨーク間の空隙に生じる空気流の増大を図ることができ、これにより静寂性をより高めることができる。
【0068】
請求項9に記載の発明によれば、フィンを合成樹脂材料によりシロッコファンのデスク部と一体成形する場合、その成形金型の分割面の変更をもたらすことなくしかも被成形品の成形金型からの取り出しを容易することができるので、比較的容易かつ安価に静寂性に優れた送風機を得ることができる。
【0069】
請求項10に記載の発明によれば、シロッコファン内への被水による不都合を招くことなく、ステータの電磁石を効果的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る送風機の一部を破断して示す正面図である。
【図2】本発明に係る送風機の平面図である。
【図3】本発明に係る送風機のフィンを拡大して示す横断面図である。
【図4】図3に示した線IV−IVに沿って得られた断面図である。
【図5】ディスク部の下端に一致する下縁を有する4枚のフィンが設けられた本発明に係る送風機と従来の送風機との騒音レベルの比較を示すグラフである。
【図6】ディスク部の下端に一致する下縁を有する8枚のフィンが設けられた本発明に係る送風機と従来の送風機との騒音レベルの比較を示すグラフである。
【図7】ディスク部の下端に一致する下縁を有する16枚のフィンが設けられた本発明に係る送風機と従来の送風機との騒音レベルの比較を示すグラフである。
【図8】ディスク部の下端よりも上方に位置する下縁を有する16枚のフィンが設けられた本発明に係る送風機と従来の送風機との騒音レベルの比較を示すグラフである。
【図9】8枚のフィンの面積を増大させた本発明に係る送風機の騒音レベルを示すグラフである。
【図10】従来の送風機を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 送風機
11 ブラシレスモータ
12 シロッコファン
13 ハウジング
13a ボス部
14 回転軸
15 (ステータ)電磁石
16 ヨーク
16a ヨーク本体部分
16b 閉鎖端部分
17 ヨーク開放端
19 永久磁石
20 円形ディスク部
21 ファンブレード
27 ヨーク穴
28 ファン穴
31 フィン

Claims (9)

  1. 筒状のステータと、前記ステータ内に同軸に配設され且つ前記ステータから突出する回転軸と、前記ステータの外側に同軸に配設され且つ前記回転軸の前記ステータからの突出部に固定されたヨークとを備えるブラシレスモータを有すると共に、前記ヨークを覆い且つ中央部が前記回転軸の前記ステータからの突出部に固定された椀状の円形ディスク部と、該円形ディスク部の開口部の外縁から前記円形ディスク部の開口端とは反対側に向けて立ち上がり且つ前記円形ディスク部の周方向に配列された多数のファンブレードを備えるシロッコファンを有し、前記円形ディスク部の開口部の内周壁面と前記ヨークの外周壁面との間に空隙が形成されている送風機において、
    前記円形ディスク部の開口部の内周壁面に周方向に間隔をおいて複数のフィンが取り付けられていることを特徴とする送風機。
  2. 前記空隙から前記円形ディスク部と前記複数のファンブレードとの間のチャンバに空気を流すファン穴が前記円形ディスク部に周方向に間隔をおいて複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の送風機。
  3. 前記フィンの前記ハウジングに近接する下縁は、該フィンが設けられた前記ヨークまたは前記ディスク部の前記ハウジングに近接する下端よりも上方に位置する請求項1又は2に記載の送風機。
  4. 前記フィンは4個以上のフィンであり、それぞれが前記ヨークまたは前記ディスク部の周方向へ相互に間隔を置いて設けられている請求項2または3記載の送風機。
  5. 前記ヨークの外周壁面は前記回転軸と平行な直立壁面を有し、該直立壁面に向き合う前記ディスク部は前記直立壁面に関して傾斜する傾斜壁面を有し、前記直立壁面と前記傾斜壁面との間に配置される前記フィンは前記両壁面により規定される三角平面形状に相似する三角平面形状を有する請求項2ないし4のいずれか一つに記載の送風機。
  6. 前記フィンの張出面積は、前記ヨークと前記ディスク部との一体的な回転により該ヨークおよび前記ディスク部間の空気流を促進させるに十分な面積を有する請求項2ないし5のいずれか一つに記載の送風機。
  7. 前記フィンが張り出す前記ディスク部下縁近傍における該ディスク部と前記ヨークとの空隙の断面で見て、該空隙に対する前記各フィンの張出面積の割合は約15%以上である請求項2ないし6のいずれか一つに記載の送風機。
  8. 前記ヨークまたは前記ディスク部から張り出す前記フィンは、その回転方向と逆方向へ伸びる突出部を有し、該突出部にはエッジが形成されている請求項2ないし7のいずれか一つに記載の送風機。
  9. 前記フィンの厚さ寸法は、前記ハウジングに近接する下縁へ向けて、漸減する請求項2ないし8のいずれか一つに記載の送風機。
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