JP5471374B2 - ガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物、ガラス繊維集束剤、製造方法及びガラス繊維 - Google Patents

ガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物、ガラス繊維集束剤、製造方法及びガラス繊維 Download PDF

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Description

本発明は、チョップトストランドやロービング、ヤーン他をはじめとするガラス繊維の集束剤に好適なガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物、該ガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物を含有するガラス繊維集束剤、ガラス繊維集束剤が表面に被覆されたガラス繊維に関する
一般にガラス繊維は、溶融ガラスを白金ブッシングの底部に設けられた多数のノズルから引きすことによって成型され、各ガラス繊維(フィラメント)の表面には、集束剤が塗布された後、数百〜数千本束ねられて一本のストランドとされる。また、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、上記のようにして得られたストランドを所定長に切断し、あるいはストランドを一旦巻き取ってから引き出し、所定長に切断することによってガラスチョップトストランドにした後、これを熱可塑性マトリックス樹脂と加熱しながら混練し、次いで各種の成型法によって所定形状に成型することによって製造される。
従来、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)の機械的物性改良を目的として、ガラス繊維の表面にコートされ、熱可塑性樹脂との好適な密着性を付与する各種ガラス繊維収束剤が提案されている。たとえば、イソシアネートとポリオールから合成されるポリウレタン樹脂を含有するガラス繊維用集束剤が一般的に知られている。
そのような中、成型品の色相や機械的強度の改良を目的として、アクリル系共重合樹脂を用いたガラス繊維集束剤も広く検討されている。しかしこれらの樹脂は特にポリアミド樹脂の補強剤として用いた場合、良好な耐水強度を有するが、成型品の引っ張り強度や衝撃強度が不十分で、経時による強度低下や着色の問題があった。これに対し重合性2塩基酸とアクリル酸とを主成分としたアクリル樹脂系組成物が提案されているが、該技術では特に集束剤を含む成型物配合中に耐熱性向上等を目的とした金属塩が入った場合に、機械的強度低下の問題が発生する難点があった。
特開2008−138026
本発明が解決しようとする課題は、集束性に優れ、かつ熱可塑性樹脂、とくにポリアミド樹脂の補強剤として用いた場合に、集束剤を含む成型物配合に金属塩が入っても物性の低下がなく、良好な機械特性、特に成型物の引っ張り特性を有する繊維補強樹脂成型体を与えることができるアクリル系樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、(無水)マレイン酸と(メタ)アクリル酸エステルとからなる重合性単量体を共重合したアクリル樹脂で、該アクリル樹脂中にアクリル酸由来のカルボキシル基を有さない樹脂を必須成分としたアクリル系樹脂組成物が本課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸エステルと(無水)マレイン酸からなる重合性単量体混合物をラジカル共重合して得られる重量平均分子量が5000〜150000の共重合体を必須成分とするガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物であって、前記重合性単量体混合物中の(メタ)アクリル酸エステル(a)と(無水)マレイン酸(m)との重量比〔(a)/(m)〕が7/3〜3/7であることを特徴とするガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物、該ガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物を含有するガラス繊維集束剤、ガラス繊維集束剤が表面に被覆されたガラス繊維を提供する。
(a) H2C=CXHCOOR1
(ここでXは水素原子あるいはメチル基を表し、R1は炭素数1〜4の直鎖あるい
は分岐鎖アルキル基を表す)
本発明のガラス繊維集束剤用アクリル樹脂組成物によれば、従来のポリアミド樹脂の補強剤として考えた場合に、集束剤に金属塩を配合しても物性の低下がなく、良好なガラス繊維集束性、ならびに良好な機械特性、特に成型物の引っ張り特性を有する繊維補強樹脂成型体を与えることができるアクリル系樹脂組成物を提供することが可能である。
本発明のガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物(A)は、(メタ)アクリル酸エステル、特に好ましくは、下記一般式(a)にて示される(メタ)アクリル酸エステルと(無水)マレイン酸からなる重合性単量体類を溶剤(c)の存在下、ラジカル開始剤にてラジカル重合して得られるアクリル系樹脂を必須成分としたものである。このアクリル系樹脂組成物の一部あるいは全部を塩基性化合物(b)にて中和し、水中に分散させた水分散体の形態をとってもよい。また、さらに該水分散体を脱溶剤したものでもよい。
(a) H2C=CXHCOOR1
(ここでXは水素原子あるいはメチル基を表し、R1は炭素数1〜4の直鎖あるいは分岐鎖アルキル基を表す)
また、前記水分散体は、造膜性、ガラス繊維ぬれ性、ガラス繊維の集束性、及びこのガラス繊維を補強剤として用いたFRTPの機械的強度等の理由から500nm以下の範囲の平均粒子径であることが好ましい。ここで言う平均粒子径とは、動的光散乱法により測定した体積基準での平均粒子径を指す。
また、前記水性樹脂は、本発明の水性樹脂分散体の全量に対して10〜70重量%の範囲で含まれることが、樹脂貯蔵安定性及び樹脂塗工適性の理由により好ましい。
本願のアクリル系樹脂組成物について説明する。
まず、前記(メタ)アクリル酸エステル(a)について説明する。
(メタ)アクリル酸エステル(a)としては、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸-n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル酸イソブチル等があるが、ガラス集束性と機械的強度のバランスを考慮すると、メタクリル酸-n-ブチルが特に好ましい。
次に、塩基性化合物(b)について説明する。
塩基性化合物(b)としては、例えばアンモニアの他、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンや、Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物等が挙げられる。
該塩基性化合物による中和率は、変性ポリオレフィンの固形分酸価にもよるが、分散後の樹脂安定性を考慮すれば、100%以上が好ましい。
有機溶剤(c)としては、エステル系、芳香族系、ケトン系、アルコール系等々の有機溶剤が使用可能であるが、ラジカル重合温度あるいは脱溶剤等を考慮すると、エステル系あるいはアルコール系、とりわけ-n-酢酸ブチル、-n-酢酸エチル、イソブタノール、-n-ブタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
また、前記アクリル系樹脂組成物(A)としては、前記の通り、ガラス繊維の集束性と、このガラス繊維を補強剤として用いたFRTP(Fiber Reinforced ThermoPlastics)の機械的強度付与の理由から5000〜150000の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましい。なお、前記重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された値を指す。(尚、FRTP(Fiber Reinforced ThermoPlastics)繊維強化熱可塑性樹脂を意味する。)。
更に、アクリル系樹脂組成物(A)の無水マレイン酸/(メタ)アクリル酸エステルの混合物中の無水マレイン酸の含有率としては、ガラス繊維の集束性と、これを用いた基材の機械的強度のバランスを考慮すると、30〜70重量%であることが望ましい。
また、該アクリル系樹脂組成物の固形分酸価であるが、340〜800mgKOH/g、ガラス繊維の集束性と、成型品の耐久性(耐水性)を考慮すると、好ましくは440〜690mgKOH/gであるのが良い。
また、該アクリル系樹脂組成物は、溶剤(c)中にて重合が完了した状態で、中和剤(b)によりカルボン酸を(一部)中和し、その後水添加により水分散化を行うことが可能である。更に該水分散物を減圧蒸留により、脱溶剤を行うことも可能である。
本発明のガラス繊維集束剤は、前記ガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物に、後述する添加剤を配合したものである。
本発明のガラス繊維集束剤は、シランカップリング剤、特に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を含有すると、マトリックス樹脂とガラス繊維の表面に形成されるポリオレフィン樹脂との結合力が増加し、ポリオレフィン系FRTPの機械的強度が向上するため好ましい。
また、本発明のガラス繊維集束剤は、上記した成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の結束剤、潤滑剤、帯電防止剤等の成分を添加できる。また、本発明のガラス繊維強化熱可塑性樹脂は、ガラス繊維を5〜65質量%の範囲で含有させることができる。
本発明のアクリル系水溶性樹脂組成物を使用したガラス繊維集束剤で処理したガラス繊維は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等のマトリックス樹脂の補強剤として用いられ、特にポリアミド系樹脂に好適に使用される。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。また、部、%は、特に断りのない場合はそれぞれ重量部、重量%を示す。
実施例1
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに酢酸-n-ブチル95重量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸98重量部、メタクリル酸-n-ブチル147重量部、-n-酢酸ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)1.6重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)3.0重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、120〜125℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水137重量部、イオン交換水600重量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約23重量%、pH7.6、粘度580mPa・s、重量平均分子量7.0万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。
まず、皮膜形成成分として、上記水性アクリル系樹脂組成物を固形分で3.0重量%、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを固形分として0.5重量%、を用いて集束剤(水分散液)を調合し、13μm径の繊維表面に均一に塗布した。この繊維を集束させた後、長さ3mmに切断、乾燥してチョップドストランドを作成した。
また、上記チョップトストランドを30重量%、ポリアミド66(ナイロン66)樹脂69.5重量%、酸化マグネシウム0.5重量%を270℃で加熱しながら混練し、公知の方法によってペレット化した後、このペレットを射出成型することによってFRTP成型品を作成した。次いで、得られたFRTP成型品を下記の試験方法で評価し、得られた結果を表1に示す。
集束性、機械的強度の評価方法
集束性・・・該チョップトストランドの集束性は、作成したチョップトストランド
50gと、ポリアミド66樹脂100gを容積1Lのタンブラーに投入し、10分間混合した後、発生した毛羽を採取してその質量を測定することによって評価した。なお、表中の評価結果は、下記の判定基準に依る。
○・・・0.15g未満 △・・・0.15〜1.5g ×・・・1.5g以上
機械的強度・・・上記にて得られたFRTP成型品の引っ張り強度(ASTM D638)に基づいて測定した。なお、表中の評価結果は、下記の判定基準に依る。
○・・・90MPa以上 △・・・70〜90MPa ×・・・70MPa以下
実施例2
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに酢酸-n-ブチル95重量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸75重量部、メタクリル酸-n-ブチル170重量部、酢酸-n-ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)1.6重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)3.0重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、120〜125℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水105重量部、イオン交換水630重量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約22重量%、pH7.7、粘度650mPa・s、重量平均分子量6.5万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成と各種評価に関しては、実施例1と同様にした。得られた結果を表1に示す。
実施例3
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに-n-酢酸ブチ95重量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸170重量部、メタクリル酸-n-ブチル75重量部、-n-酢酸ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)1.6重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)3.0重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、120〜125℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水240重量部、イオン交換水500重量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約21重量%、pH7.4、粘度850mPa・s、重量平均分子量6.5万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。
尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成に関しては、実施例1と同様にした。
実施例4
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに酢酸-n-ブチル95重量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸98重量部、メタクリル酸-n-ブチル147重量部、酢酸-n-ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)3.2重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)12.0重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、120〜125℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水137重量部、イオン交換水600重量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約25重量%、pH7.6、粘度230mPa・s、重量平均分子量0.7万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成と各種評価に関しては、実施例1と同様にした。得られた結果を表1に示す。
実施例5
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに酢酸-n-ブチル95重量部を仕込み110℃に昇温、これに無水マレイン酸98重量部、メタクリル酸-n-ブチル147重量部、酢酸-n-ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)0.8重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)1.5重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、110〜115℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水137重量部、イオン交換水600重量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約20重量%、pH7.6、粘度1230mPa・s、重量平均分子量12.7万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成と各種評価に関しては、実施例1と同様にした。得られた結果を表1に示す。
Figure 0005471374
比較例1
モノマープレミックスの作成
イオン交換水50重量部、イタコン酸43.2重量部、80%アクリル酸90重量部を均一に溶解し、25%安水を90重量部添加後、アクリル酸メチル28.8重量部添加しモノマープレミックスとした。
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコにイオン交換水120重量部を仕込み、窒素ブローしながら70℃に昇温した。その後、過硫酸アンモニウム(APS)の10%水溶液を4部添加し、その後モノマープレミックス302重量部と過硫酸アンモニウムの10%水溶液76重量部を3時間平行滴下し、その後同温度にて3時間ホールド後冷却し、不揮発分約30重量%、pH6.5、粘度350mPa・sの水性アクリル系樹脂組成物を得た。尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成と各種評価に関しては、実施例1と同様にした。得られた結果を表2に示す。
比較例2
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに酢酸-n-ブチル95重量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸60重量部、メタクリル酸-n-ブチル185重量部、酢酸-n-ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)1.6重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)3.0重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、120〜125℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水84重量部、イオン交換水680重量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約22重量%、pH7.4、粘度280mPa・s、重量平均分子量6.5万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成と各種評価に関しては、実施例1と同様にした。得られた結果を表2に示す。
比較例3
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに酢酸-n-ブチル95重量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸190重量部、メタクリル酸-n-ブチル55重量部、酢酸-n-ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)1.6重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)3.0重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、120〜125℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水268重量部、イオン交換水500重量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約20重量%、pH7.3、粘度1120mPa・s、重量平均分子量6.5万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成と各種評価に関しては、実施例1と同様にした。得られた結果を表2に示す。
比較例4
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに酢酸-n-ブチル95重量部を仕込み120℃に昇温、これに無水マレイン酸98重量部、メタクリル酸-n-ブチル147重量部、酢酸-n-ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)6.4重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)20.0重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、120〜125℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水137重量部、イオン交換水600gを添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約28重量%、pH7.6、粘度45mPa・s、重量平均分子量0.3万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。
尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成に関しては、実施例1と同様にした。
比較例5
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに酢酸-n-ブチル95重量部を仕込み110℃に昇温、これに無水マレイン酸98重量部、メタクリル酸-n-ブチル147重量部、酢酸-n-ブチル75重量部、パーブチルD(ジターシャリーブチルハイドロパーオキサイド:日本油脂(株)製)0.4重量部、パーブチルZ(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂(株)製)0.7重量部の溶解混合物を2時間かけて滴下し、110〜115℃にて反応を行った。その後120℃に120分間ホールドしたのち、温度を90℃に下げ、25%安水137重量部、イオン交換水600重量部を添加し、中和、水溶解を行った。これを90℃減圧(0.080〜0.095MPa)下、脱溶剤(約60分)、冷却を行い、不揮発分約18重量%、pH7.6、粘度930mPa・s、重量平均分子量16.9万の水性アクリル系樹脂組成物を得た。尚、チョップトストランド、FRTP成型品の作成と各種評価に関しては、実施例1と同様にした。得られた結果を表2に示す。
Figure 0005471374

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル酸エステルと(無水)マレイン酸からなる重合性単量体混合物をラジカル共重合して得られる重量平均分子量が5000〜150000の共重合体を必須成分とするガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物であって、前記重合性単量体混合物中の(メタ)アクリル酸エステル(a)と(無水)マレイン酸(m)との重量比〔(a)/(m)〕が7/3〜3/7であり、前記アクリル系樹脂組成物を塩基性化合物(b)で中和したのち水分散させたことを特徴とするガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル酸エステルが下記一般式(a)で示される請求項1記載のガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物(A)。
    2C=CXHCOOR1・・・・・(a)
    (ここでXは水素原子あるいはメチル基を表し、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  3. 請求項1又は2記載のガラス繊維集束剤用アクリル系樹脂組成物を含有することを特徴とするガラス繊維集束剤。
  4. 請求項記載のガラス繊維集束剤が表面に被覆されたことを特徴とするガラス繊維。
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