JP5471020B2 - 感光体ユニットおよびタンデム型感光体ユニット - Google Patents
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Description
感光ドラムの表面には、静電潜像が形成され、この静電潜像は、トナーが供給されることで可視像化されてトナー像となった後に、用紙に転写される。
クリーニングユニットでは、1次クリーニングローラが、感光ドラムの表面に接触している。感光ドラムの表面の紙粉は、1次クリーニングローラに捕捉され、その後、1次クリーニングローラから2次クリーニングローラに受け渡される。2次クリーニングローラに受け渡された紙粉は、スポンジスクレーパによって掻き取られた後に、クリーニングユニット内の紙粉貯留室に貯留される。
そこで、本発明の目的は、感光体の表面上の異物を捕捉する1次ローラを感光体に安定して接触させることができる感光体ユニットおよびタンデム型感光体ユニットを提供することにある。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記案内部材は、前記第1フレームに一体形成されていることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発明において、前記第2フレームに設けられ、前記感光体の表面の電荷を除去するための光を、前記感光体の表面における前記1次ローラに接触する直前の部分へ導く導光部材を備えていることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の発明において、前記感光体には、第1ギヤが設けられており、前記1次ローラの軸方向一端部には、前記第1ギヤに噛合し、前記第1ギヤから駆動力が伝達されることによって前記1次ローラを回転させる第2ギヤが設けられており、前記1次ローラの軸方向他端部に対して前記付勢方向上流側に設けられ、前記1次ローラの軸方向他端部による前記付勢方向上流側への移動を規制する規制部を備えていることを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の感光体ユニットを、現像剤像が転写される記録媒体の搬送方向に並んだ状態で複数保持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なタンデム型感光体ユニットであって、複数の前記感光体ユニットにおいて、前記搬送方向における最上流側の第1感光体ユニットは、前記1次ローラおよび前記2次ローラの両方を備え、複数の前記感光体ユニットにおいて、前記第1感光体ユニットに対して前記搬送方向下流側の第2感光体ユニットは、前記1次ローラおよび前記2次ローラのうち前記1次ローラのみを備えていることを特徴としている。
ここで、一対の付勢部材が一対の1次軸受部材を感光体へ向けて付勢するので、1次ローラを直接感光体へ向けて付勢することができる。さらに、一対の案内部材が、付勢部材が1次軸受部材を付勢する付勢方向(以下では、単に「付勢方向」という。)へ、一対の1次軸受部材を案内するので、1次ローラを感光体へ向けて正確に付勢することができる。
また、第1フレームが感光体を保持している一方で、第2フレームが、1次ローラ、一対の1次軸受部材および一対の付勢部材を保持している。
つまり、1次ローラ、一対の1次軸受部材および一対の付勢部材が第2フレームにおいてユニット化されているので、第1フレームと第2フレームとを組み合わせるといった単純な作業で感光体ユニットを容易に完成させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第2フレームは、案内部材を介して第1フレームに支持されている。これにより、案内部材は、1次軸受部材を案内するだけでなく、第1フレームと第2フレームとを連結させる役割も兼ねるので、部品点数の低減を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、第2フレームは、光を反射させる材料で形成されているので、導光部材による感光体の表面へ光を導く作用を補助することができる。
請求項6に記載の発明によれば、1次ローラの軸方向一端部には、感光体の第1ギヤに噛合して第1ギヤから駆動力が伝達されることによって1次ローラを回転させる第2ギヤが設けられている。
そこで、1次ローラの軸方向他端部に対して付勢方向上流側には、規制部が設けられている。規制部は、1次ローラの軸方向他端部による付勢方向上流側への移動を規制する。これにより、1次ローラの軸方向他端部の位置が、軸方向一端部側と同様に安定する。この結果、1次ローラは、軸方向一端部側および軸方向他端部側の両方において、感光体の表面に安定して接触できるので、軸方向における全域に亘って、感光体の表面上の異物を確実に捕捉することができる。
ここで、案内部材には、1次案内部と2次案内部とが設けられている。
2次案内部が2次軸受部材を付勢方向へ案内するので、1次案内部によって付勢方向へ案内されている1次軸受部材に対して2次軸受部材を追従させることができ、2次ローラが1次ローラの表面に接触した状態を常に維持することができる。この結果、2次ローラは、安定して、1次ローラの表面に接触して1次ローラの表面上の異物を捕捉することができる。
請求項9に記載の発明によれば、タンデム型感光体ユニットは、感光体ユニットを、現像剤像が転写される記録媒体の搬送方向(以下では、単に「搬送方向」という。)に並んだ状態で複数保持し、画像形成装置本体に対して着脱自在である。そのため、タンデム型感光体ユニットを画像形成装置本体に対して着脱させることで、各感光体ユニットのメンテナンスが可能である。
一方、第2感光体ユニットの1次ローラでは、第1感光体ユニットの1次ローラとは異なり、紙粉が捕捉されることはほとんどない。これは、感光体に付着するような記録媒体の紙粉は、搬送方向上流側の第1感光体ユニットの感光体にほとんど付着するためである。従って、第2感光体ユニットは、1次ローラおよび2次ローラのうち1次ローラのみを備えている。
この結果、タンデム型感光体ユニットにおける部品点数の低減、および、タンデム型感光体ユニットの小型化を図ることができる。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのプリンタの一実施形態を示す側断面図である。なお、方向について言及する場合には、図示した方向矢印を参照する(他の図についても同様)。ここで、左右方向と幅方向(図1において紙面に垂直な方向)とは同じであり、上下方向と垂直方向とは同じである。そして、水平方向は、幅方向および前後方向を含んでいる。また、左側とは、図1において紙面に垂直な方向における奥側であり、右側とは、図1において紙面に垂直な方向における手前側である。また、幅方向内側とは、プリンタ1の幅方向中央に近い側である。
本体ケーシング2内には、タンデム型感光体ユニット4が備えられている。タンデム型感光体ユニット4は、フロントカバー3が開かれた状態で、本体ケーシング2の前面に形成される着脱口を介して、本体ケーシング2の内部に対して着脱自在である。
各感光ドラム5の外周面は、帯電器6によって一様に帯電された後、本体ケーシング2の上部に設けられたスキャナユニット9から出射されたレーザビーム(図示破線矢印参照)によって露光される。これにより、各感光ドラム5の外周面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。各感光ドラム5の静電潜像は、各感光ドラム5に対応する現像ローラ7の外周面に担持されるトナーによって可視像化され、各感光ドラム5の外周面には、トナー像(現像剤像)が形成される。ここで、上述したように現像カートリッジ8が収容するトナーの色が各現像カートリッジ8に応じて異なるので、感光ドラム5のトナー像の色は、各感光ドラム5に応じて異なる。
ベルト11は、4つの感光ドラム5に下方から対向して配置されている。感光ドラム5に対してベルト11の上側部分を挟んで対向する各位置には、転写ローラ12が配置されている。ベルト11上に搬送された用紙Sは、ベルト11の走行により、ベルト11と各感光ドラム5との間を順次後側へ通過する。そして、感光ドラム5の外周面上のトナー像は、用紙Sと対向(接触)したときに、転写ローラ12に印加された転写バイアスによって、用紙Sに転写される。
2.タンデム型感光体ユニット
次に、タンデム型感光体ユニット4について詳説する。
(1)タンデム型感光体ユニットの全体構成
タンデム型感光体ユニット4は、その外郭をなすユニットフレーム20と、上述した感光ドラム5を1つずつ備える4つの感光体ユニット21と、上述した4つの現像カートリッジ8とを備えている。
4つの感光体ユニット21は、ほぼ等しい間隔を隔てて、前後方向に沿って並列配置されており、この状態で、左側板22Lの下端部と右側板22Rの下端部との間に架設され、ユニットフレーム20によって支持されている。各感光体ユニット21は、現像カートリッジ8K、Y、MおよびCのいずれかに対応しており、4つの感光体ユニット21は、前側から順に、感光体ユニット21K、感光体ユニット21Y、感光体ユニット21M、感光体ユニット21Cと区別される。
ここで、ベルト11での用紙Sの搬送方向は、上述したように、後側へ向かう方向である。また、4つの感光体ユニット21は、上述したように、前後方向に沿って並列配置されている。そのため、タンデム型感光体ユニット4は、4つの感光体ユニット21を、用紙Sの搬送方向に並んだ状態で保持していることがわかる。
(2)サブユニット
以下には、サブユニット19について詳説するが、後述するように、ブラックの感光体ユニット21Kのサブユニット19の構成は、ブラック以外の感光体ユニット21Y、MおよびCのサブユニット19の構成と異なる。
サブユニット19において、第1ユニット23は、第1フレーム35と、上述した帯電器6とを備えている。
第1フレーム35に関し、その右側断面は、後上側へ延びる斜線からなるハッチングが施された部分である(後述する図9および図10においても同様)。第1フレーム35は、上方から見て幅方向に長手の矩形をなす板状であり(図3参照)、後下側へ傾斜して延びている。幅方向から見て、第1フレーム35において、前上側の端部は、中空になっており、この中空部分は、ダクト25とされる。
また、上述したダクト25は、第1フレーム35を幅方向において貫通しており、第1フレーム35の右端面では、第2電極28Bの前上側において、ダクト25の右端部が露出されている。ダクト25は、ユニットフレーム20の左側板22Lおよび右側板22R(図1参照)のそれぞれから幅方向外側へ露出されている。そのため、ユニットフレーム20の外側の空気が、ダクト25内に流れ込み、帯電器6(図2参照)を冷却したり、放電ワイヤ26(図2参照)に付着した塵埃等を除去したりする。
そして、第1フレーム35の後下側の端縁の幅方向両端部には、後下側へ突出する一対の突出部30が一体的に設けられており、第1フレーム35の後下側の端縁には、一対の突出部30によって挟まれた幅方向に長手の切欠き31が形成されている。第2ユニット24は、この切欠き31に嵌るように設けられている。
(2−1)ブラックの第2ユニット
図4において、(a)は、ブラックの第2ユニットを右後上方から見た斜視図であり、(b)は、ブラックの第2ユニットを右前から見た斜視図である。図5は、図4(a)において要部を抜き出して示した図である。
ここで、どの第2ユニット24を問わず、第2フレーム36の右側断面は、後下側へ延びる斜線からなるハッチングが施された部分であり(後述する図9および図10においても同様)、第2フレーム36は、幅方向に長手である。
掻取部材43は、幅方向に細長いブロック形状であり、スポンジによって形成されている。幅方向から見ると、掻取部材43は、上下方向(厳密には取付面46Aに沿う方向)にやや長手の略矩形状をなしている。掻取部材43では、後面が、両面テープ等で取付面46Aに貼り付けられており、前面が、貯留室47において前上側へ開放された部分に対して後側から臨んでいる。
凹部50には、上述した導光部材44が、前側から嵌め込まれた状態で収容されている。つまり、導光部材44は、凹部50が区画された第2フレーム36に設けられている。
幅方向から見ると、導光部材44は、前後にやや長手の略矩形状をなしている。ここで、導光部材44において、上面および下面は、略水平方向に沿った平坦面であり、後面は、略垂直方向に沿った平坦面である。凹部50に収容された状態にある導光部材44において、上面、下面および後面は、下フレーム45の前端部および延設部49において凹部50を区画する部分によって覆われている。その一方で、導光部材44の前面は、前側へ円弧状に膨出する曲面であり、凹部50から前側へ露出されている。導光部材44の機能については、以降で説明する。
各保持部51は、第1保持部51Aと、第2保持部51B(図4(a)参照)と、第3保持部51C(図4(b)参照)とを含んでいる。
右側の保持部51では、第1保持部51Aおよび第2保持部51Bは、上フレーム46の右端部46Rの前上側端部に一体的に設けられ(図4(a)参照)、第3保持部51Cは、下フレーム45の延設部49の前上側端部の右端部に一体的に設けられている(図4(b)参照)。
左右の各保持部51において、第3保持部51Cは、図4(b)に示すように板状であり、延設部49の前上側端部において幅方向で同じ側にある端部から、幅方向で同じ側にある第1保持部51Aの前端部へ向かって上側へ延びている(後述する図9(b)および図10(a)も参照)。第3保持部51Cの上端部は、幅方向で同じ側にある第1保持部51Aの前端部に対して、僅かな隙間を隔てて前下側から対向している。第3保持部51Cには、前側から見て上下に長手の貫通穴(第3貫通穴55という。)が形成されている。
1次ローラ41および2次ローラ42に関し、図5に示された2本のローラのうち、上側のローラが、1次ローラ41であり、下側のローラが、2次ローラ42である。
1次ローラ41は、幅方向に長手である。1次ローラ41は、金属製で幅方向に細長い円柱状の軸部41Aと、軸部41Aの外周面において幅方向両端部以外の部分を被覆するローラ部41Bとを一体的に備えている。軸部41Aが幅方向に細長いことから、1次ローラ41の軸方向は、幅方向である。ローラ部41Bは、発泡体(たとえばスポンジ)で形成されている。1次ローラ41の左端部(1次ローラ41の軸方向一端部)には、ギヤ(第2ギヤの一例としての1次ギヤ56という。)が設けられている。1次ギヤ56は、幅方向に延びる中心軸を有する略円筒状であり、その外周面にギヤ歯が形成されている。
1次ローラ41の幅方向寸法と2次ローラ42の幅方向寸法とは、ほぼ同じである。
各軸受部材58は、幅方向から見て略8の字形状をなしており、図5での姿勢(プリンタ1内に組み込まれた状態における姿勢である)を基準として、前上側の1次軸受部材59と、後下側の2次軸受部材60と、1次軸受部材59と2次軸受部材60とを連結する連結部61と、を一体的に備えている。
1次軸受部材59の上側外周面には、上向きに突出する凸部(第1凸部62という。)が一体的に設けられている(図9(b)および図10(a)も参照)。また、1次軸受部材59の後側外周面には、付勢部材の一例として前後に長手のコイルばね64の前端が取付けられており、コイルばね64は、軸受部材58に対して一体化されている。詳しくは、1次軸受部材59の後側外周面には、後向きに突出するボス65(図9(b)および図10(a)参照)が一体的に設けられており、このボス65に、コイルばね64の前端が外嵌されている。左右の各軸受部材58の1次軸受部材59にコイルばね64が1つ設けられていることから、コイルばね64は、幅方向に間隔を隔てて一対設けられている。
また、1次軸受部材59の前側外周面には、前向きに突出する凸部(第3凸部66という。)が一体的に設けられている(図4(b)、図9(b)および図10(a)参照)。
各軸受部材58において、上述した第1凸部62、第2凸部63および第3凸部66は、幅方向においてほぼ同じ位置(詳しくは、軸受部材58の幅方向中央より幅方向内側の位置であって、右側の軸受部材58の場合には幅方向中央より左側の位置)にある(図9(b)および図10(a)も参照)。
1次ローラ41では、軸部41Aの右端部が、右側の軸受部材58の1次軸受部材59の中空部分に挿通され、この1次軸受部材59によって回転自在に支持されている。そして、軸部41Aの左端部(詳しくは、1次ギヤ56よりも右側の部分が、)が、左側の軸受部材58の1次軸受部材59の中空部分に挿通され、この1次軸受部材59によって回転自在に支持されている。これにより、1次ローラ41の幅方向両端部は、左右一対の軸受部材58(1次軸受部材59)によって回転自在に支持されている。
詳しくは、図4を参照して、第2フレーム36の上述した左右の保持部51のそれぞれにおいて、第1保持部51Aと第3保持部51Cとの間に対して、幅方向で同じ側にある軸受部材58の1次軸受部材59(図5参照)における幅方向内側部分が嵌め込まれている(図4(b)参照)。そして、左右の保持部51のそれぞれにおいて、第2保持部51Bに対して、幅方向で同じ側にある軸受部材58の2次軸受部材60(図5参照)が前から嵌め込まれている(図4(a)参照)。
完成した状態にある第2ユニット24(24K)において、図2(a)に示すように、1次ローラ41のローラ部41Bでは、後下側の外周面が、貯留室47内を前上側から臨みつつ、貯留室47において開放された前上側部分を塞いでいる一方で、それ以外の外周面が、外部へ露出されている(図4も参照)。ここで、ローラ部41Bの後下側の外周面が、貯留室47において開放された前上側部分を塞いでいることから、貯留室47は、密閉されている。なお、ローラ部41Bの外周面と第2フレーム36との隙間は、シール部材38によって適宜塞がれており、これによって、貯留室47の密閉度が保たれている。
そして、図5に示すように、左右の軸受部材58のそれぞれには、案内部材70(ドットで塗り潰された部分であり、他の図においても同様。)が取付けられている。つまり、案内部材70は、幅方向に間隔を隔てて一対設けられている。一対の案内部材70は、各感光体ユニット21に含まれる部材である。
ここで、図5に示す一対の案内部材70において、左側の案内部材70と右側の案内部材70とは、幅方向に並んだ状態で、これらの間で上下に延びる線を基準として対称となるような形状となっている。以下では、左側の案内部材70を基準として、図6を参照しながら案内部材70について説明する。なお、図6(b)および図6(c)のそれぞれにおける案内部材70の姿勢は、軸受部材58に取付けられた状態(図5参照)における姿勢である。
1次案内部71の幅方向内側面(図6(b)において手前側の面)と2次案内部72の幅方向内側面とは面一となっており(図6(a)も参照)、1次案内部71の幅方向外側面(図6(c)において手前側の面)と2次案内部72の幅方向外側面とは面一となっている。
また、1次案内部71の前上側の端部および2次案内部72の前下側の端部のそれぞれには、後上側へ直線状に延びる係合部79が一体的に設けられている。1次案内部71に設けられた係合部79(第1係合部79Aという。)は、1次案内部71に対して上側へ離れた状態で、後上側へ延びている。2次案内部72に設けられた係合部79(第2係合部79Bという。)は、2次案内部72に対して下側へ離れた状態で、後上側へ延びている。各係合部79の後端部には、鉤状の爪80が一体的に設けられている。第1係合部79Aの爪80は、前上側へ突出しており、第2係合部79Bの爪80は、後下側へ突出している。
詳しくは、この状態で、各軸受部材58に取り付けられる案内部材70では、1次案内部71および2次案内部72の両方の凹部73(図6(a)参照)が幅方向内側を向いている。
次に、第1ユニット23と第2ユニット24との支持関係について説明する。この説明に先立って、第1ユニット23の第1フレーム35について、さらに説明する。
図7を参照して、第1フレーム35の左右の両端部(詳しくは、突出部30と一致する部分)のそれぞれの下面には、前ホルダ85と後ホルダ86とが、前後に間隔を隔てて並んだ状態で、一体的に設けられている。
このような第1フレーム35を有する第1ユニット23に対して、図3に示すように、第2ユニット24(24K)が支持されている。第2ユニット24は、第1ユニット23に対して下側から組み付けられている。
そして、第2ユニット24において第2フレーム36より右側の部分(右側の保持部51、軸受部材58、案内部材70、コイルばね64および導光部材44の右端部等であり、図4参照)は、第1フレーム35の右端部(右側の突出部30と一致する部分)の下方に配置されている。
図8は、ブラックの感光体ユニットの正面図であって、感光ドラムを省略している。図9において、(a)は、図8のA−A矢視断面図であり、(b)は、図8のB−B矢視断面図である。図10において、(a)は、図8のC−C矢視断面図であり、(b)は、図8のD−D矢視断面図である。なお、図9および図10では、感光ドラムも図示されている。
図9(a)および図10(b)を参照して、左右の案内部材70のそれぞれは、第1フレーム35において幅方向で同じ側にある前ホルダ85および後ホルダ86(図7参照)の両方に保持されている。
ここで、上述したように、案内部材70は、第2ユニット24の第2フレーム36が固定された左右の軸受部材58のそれぞれに取り付けられていることから(図4参照)、第2フレーム36(つまり第2ユニット24全体)は、左右の案内部材70を介して、第1フレーム35(第1ユニット23)に支持されている。
さらに、図9(b)および図10(a)を参照して、左右の各1次軸受部材59の後側外周面に取付けられたコイルばね64の後端が、第1フレーム35において幅方向で同じ側にある突起94に対して前側から外嵌されている。この状態で、コイルばね64は、付勢方向Xに沿って長手であり、付勢方向Xに沿って圧縮されている。
この状態で、1次ローラ41は、ローラ部41Bの前側外周面において、感光ドラム5の後側外周面の幅方向全域に対して、後側から接触している。
そのため、1次ローラ41は、感光ドラム5に対して、その円中心5Aへ向かって接触しており、一対のコイルばね64は、一対の1次軸受部材59(換言すれば1次ローラ41)を、付勢方向Xに沿って、感光ドラム5の円中心5Aへ向けて付勢している。これにより、感光ドラム5に対して、1次ローラ41からの押圧が、垂直にかかっている。
そのため、コイルばね64によって1次軸受部材59が付勢方向Xに付勢されている状態において(図9(b)および図10(a)参照)、各案内部材70では、1次案内部71の凹部73が、1次軸受部材59を付勢方向Xへ案内しており、2次案内部72の凹部73が、2次軸受部材60を付勢方向Xへ案内している。
(2−2)ブラック以外の第2ユニット
ブラック以外の第2ユニット24Y、24Mおよび24Cについて説明する。
しかし、ブラック以外の第2ユニット24Y、24Mおよび24C(感光体ユニット21Y、21Mおよび21C)は、図2(b)に示すように、1次ローラ41および2次ローラ42のうち1次ローラ41のみを備えており、これに関連して、掻取部材43および貯留室47を備えていない。
ただし、第2ユニット24Y、24Mおよび24Cは、上述したように、1次ローラ41および2次ローラ42のうち1次ローラ41のみを備えている。そのため、第2ユニット24Y、24Mおよび24Cの各第2ユニット24において、左右一対の軸受部材58は、1次軸受部材59では、1次ローラ41の幅方向両端部を回転自在に支持しているが、2次軸受部材60では、何も支持していない。
しかし、第2案内部71の挿通穴78(図6(a)も参照)には、何も嵌まっていない。
この状態で、各軸受部材58では、2次軸受部材60の第2凸部63(図5も参照)が、幅方向で同じ側にある第2保持部51Bの第2貫通穴54に対して前側から嵌って第2保持部51Bに係止されている(図12(a)参照)。また、1次軸受部材59の第3凸部66が、幅方向で同じ側にある第3保持部51Cの第3貫通穴55に対して後側から嵌って第3保持部51Cに係止されている(図12(b)参照)。これにより、第2フレーム36(下フレーム45)が、各保持部51において、左右の軸受部材58に固定されている。一方で、1次軸受部材59の第1凸部62は何にも係止されていない。
(3)感光体ユニットでの動作
次に、感光体ユニット21での動作について、ブラックの感光体ユニット21Kを主として説明する。
このとき、上述した本体ケーシング2の電源(図示せず)から、第3電極28C(図3参照)を介して、1次ローラ41に対して、1次クリーニングバイアスが印加される。
ここで、上述した感光ドラム5から用紙Sへのトナー像の転写中において、用紙Sから感光ドラム5の外周面に紙粉が付着する場合がある。また、用紙Sへのトナー像の転写後に感光ドラム5の外周面に転写残トナーが残留する場合がある。
すると、1次ローラ41によって一時的に捕捉された転写残トナーは、1次ローラ41から感光ドラム5に戻され、代わりに、感光ドラム5の表面上の紙粉が、1次ローラ41の表面(ローラ部41Bの外周面)に捕捉される。感光ドラム5に戻された転写残トナーは、感光ドラム5に対向配置された現像ローラ7(図1参照)によって回収される。
そして、感光ドラム5の外周面において、このように残留電荷および異物が除去された部分は、その後、感光ドラム5の回転によって、帯電器6に対向する。ここで、画像形成が継続される場合には、感光ドラム5の外周面において帯電器6に対向した部分は、帯電器6によって再び帯電され、この部分には、上述した手順によって静電潜像が形成される。
3.作用効果
(1)以上のように、図9を参照して、感光体ユニット21では、1次ローラ41が、表面(外周面)にトナー像が形成される感光ドラム5の表面に接触して感光ドラム5の表面上の異物を捕捉する。1次ローラ41の軸方向(幅方向)両端部は、一対の1次軸受部材59によって回転自在に支持されている(図5も参照)。
(2)図9(b)に示すように、感光体ユニット21のサブユニット19では、第1フレーム35(ここでは、図1に示すタンデム型感光体ユニット4のユニットフレーム20も第1フレーム35とみなされる。)が感光ドラム5を保持している一方で、第2フレーム36が、1次ローラ41、一対の1次軸受部材59および一対のコイルばね64を保持している。
(3)第2フレーム36(図2も参照)は、図9(a)に示すように、案内部材70を介して第1フレーム35に支持されている。これにより、案内部材70は、1次軸受部材59を案内するだけでなく、第1フレーム35と第2フレーム36とを連結させる役割も兼ねるので、部品点数の低減を図ることができる。
(4)図2に示すように、導光部材44は、感光ドラム5の表面の電荷を除去するための光を、感光ドラム5の表面における1次ローラ41に接触する直前の部分(後下側の外周面)へ導く。これにより、感光ドラム5の表面において1次ローラ41に接触する部分では電荷が除去されており、1次ローラ41は、感光ドラム5の表面の電荷の影響を受けることなく、円滑に、感光ドラム5の表面上の異物を捕捉することができる。
(5)第2フレーム36は、光を反射させる材料(たとえば白色の材料)で形成されているので、導光部材44による感光ドラム5の表面へ光を導く作用を補助することができる。
(6)図5に示すように、1次ローラ41の軸方向一端部(左端部)には、感光ドラム5のドラムギヤ68(図2参照)に噛合してドラムギヤ68から駆動力が伝達されることによって1次ローラ41を回転させる1次ギヤ56が設けられている。
凸部92は、1次ローラ41の右端部による付勢方向Xにおける上流側への移動を規制する。これにより、1次ローラ41の右端部の位置が、左端部側と同様に安定する。この結果、1次ローラ41は、左端部側および右端部側の両方において、感光ドラム5の表面に安定して接触できるので、幅方向における全域に亘って、感光ドラム5の表面上の異物を確実に捕捉することができる。
(7)図2(a)に示すように、2次ローラ42が1次ローラ41の表面(ローラ部41Bの外周面)に接触して1次ローラ41の表面上の異物を捕捉することによって、1次ローラ41による感光ドラム5の表面上の異物を捕捉する能力を回復させることができる。2次ローラ42の幅方向両端部は、一対の2次軸受部材60によって回転自在に支持されている(図5参照)。
図9(a)および図10(b)に示すように、1次案内部71が1次軸受部材59を付勢方向Xへ案内するので、1次ローラ41を感光ドラム5へ向けて正確に付勢して、1次ローラ41を感光ドラム5に安定して接触させることができる。
(8)図1に示すように、感光体ユニット21Kでは、貯留室47が、2次ローラ42が捕捉した異物を収容するので、感光ドラム5の表面上の異物を確実に回収することができ、また、2次ローラ42による1次ローラ41の表面上の異物を捕捉する能力を回復させることができる。
(9)タンデム型感光体ユニット4は、感光体ユニット21を、トナー像が転写される用紙Sの搬送方向(ここでは、略水平に沿って後側へ向かう方向であり、以下では、単に「搬送方向」という。)に並んだ状態で複数(ここでは4つ)保持し、本体ケーシング2に対して着脱自在である。そのため、タンデム型感光体ユニット4を本体ケーシング2に対して着脱させることで、各感光体ユニット21のメンテナンスが可能である。
一方、感光体ユニット21Y、21Mおよび21Cの1次ローラ41では、感光体ユニット21Kの1次ローラ41とは異なり、紙粉が捕捉されることはほとんどない。これは、感光ドラム5に付着するような用紙Sの紙粉は、搬送方向上流側の感光体ユニット21Kの感光ドラム5にほとんど付着するためである。従って、感光体ユニット21Y、21Mおよび21Cは、1次ローラ41および2次ローラ42のうち1次ローラ41のみを備えている。
この結果、タンデム型感光体ユニット4における部品点数の低減、および、タンデム型感光体ユニット4の小型化を図ることができる。
4.変形例
案内部材70(図6参照)は、上記の実施例では、第1フレーム35(図7参照)とは別部品であったが、第1フレーム35に一体形成されてもよい。
4 タンデム型感光体ユニット
5 感光ドラム
21 感光体ユニット
21K 感光体ユニット
21Y 感光体ユニット
21M 感光体ユニット
21C 感光体ユニット
35 第1フレーム
36 第2フレーム
41 1次ローラ
42 2次ローラ
44 導光部材
47 貯留室
56 1次ギヤ
59 1次軸受部材
60 2次軸受部材
64 コイルばね
68 ドラムギヤ
70 案内部材
71 第1案内部
72 第2案内部
92 凸部
X 付勢方向
S 用紙
Claims (9)
- 表面に現像剤像が形成される感光体と、
前記感光体の表面に接触し、前記感光体の表面上の異物を捕捉する1次ローラと、
前記1次ローラの軸方向両端部を回転自在に支持する一対の1次軸受部材と、
一対の前記1次軸受部材を前記感光体へ向けて付勢する一対の付勢部材と、
前記付勢部材が前記1次軸受部材を付勢する付勢方向へ一対の前記1次軸受部材を案内する一対の案内部材と、
前記感光体および前記一対の案内部材を保持する第1フレームと、
前記1次ローラおよび一対の前記1次軸受部材を保持する第2フレームとを備え、
一対の前記1次軸受部材のそれぞれが、一対の前記付勢部材のそれぞれを支持し、
前記一対の付勢部材のそれぞれが、前記第1フレームと前記一対の前記1次軸受部材のそれぞれとの間で、前記一対の前記1次軸受部材のそれぞれを付勢し、
前記1次ローラ、前記1次軸受部材および前記第2フレームが、一体となって、前記案内部材に対して相対移動するように構成されていることを特徴とする、感光体ユニット。 - 前記案内部材は、前記第1フレームに一体形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の感光体ユニット。
- 前記第2フレームは、前記案内部材を介して前記第1フレームに支持されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の感光体ユニット。
- 前記第2フレームに設けられ、前記感光体の表面の電荷を除去するための光を、前記感光体の表面における前記1次ローラに接触する直前の部分へ導く導光部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感光体ユニット。
- 前記第2フレームは、光を反射させる材料で形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の感光体ユニット。
- 前記感光体には、第1ギヤが設けられており、
前記1次ローラの軸方向一端部には、前記第1ギヤに噛合し、前記第1ギヤから駆動力が伝達されることによって前記1次ローラを回転させる第2ギヤが設けられており、
前記1次ローラの軸方向他端部に対して前記付勢方向上流側に設けられ、前記1次ローラの軸方向他端部による前記付勢方向上流側への移動を規制する規制部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の感光体ユニット。 - 前記1次ローラの表面に接触し、前記1次ローラの表面上の異物を捕捉する2次ローラと、
前記2次ローラの軸方向両端部を回転自在に支持する一対の2次軸受部材とを備え、
前記案内部材には、前記1次軸受部材を前記付勢方向へ案内する1次案内部と、前記2次軸受部材を前記付勢方向へ案内する2次案内部とが設けられていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の感光体ユニット。 - 前記2次ローラが捕捉した異物を収容する異物収容部を備えていることを特徴とする、請求項7に記載の感光体ユニット。
- 請求項7または8に記載の感光体ユニットを、現像剤像が転写される記録媒体の搬送方向に並んだ状態で複数保持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なタンデム型感光体ユニットであって、
複数の前記感光体ユニットにおいて、前記搬送方向における最上流側の第1感光体ユニットは、前記1次ローラおよび前記2次ローラの両方を備え、
複数の前記感光体ユニットにおいて、前記第1感光体ユニットに対して前記搬送方向下流側の第2感光体ユニットは、前記1次ローラおよび前記2次ローラのうち前記1次ローラのみを備えていることを特徴とする、タンデム型感光体ユニット。
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