JP5470825B2 - 耐摩耗性鋳鉄 - Google Patents

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Description

本発明は、Moの含有量を抑制し、C、Si、Mn、Ni、Cr、W、Nb、Tiをバランス良く含有させることにより良好な焼入性を保持しながらコストと諸性能のバランスを両立した耐摩耗性鋳鉄に関する。
ローラータイヤ、テーブルセグメント等の微粉炭機、砕石機械、採鉱機械、電力関連設備、建設機械などの設備や産業用機械においては、取り扱う原料、素材との接触などにより部材の損耗が著しく、構造物としての物理的な強度の他に、耐摩耗性が重要な条件となっている。この種の用途において、引っ掻き摩耗や耐エロージョンに強い汎用材料として炭化物を多量に分散させた耐摩耗性鋳鉄が知られている。
鋳鉄の一般的な強化法として浸炭や窒化などの表面処理技術が広く知られているが、表面処理を伴わない大型耐摩耗性鋳鉄として、Moを多く添加した組成系の鋳鉄が知られ、Moを多く添加した組成系の鋳鉄では、M7C3炭化物の析出機構を利用して鋳鉄の高硬度を保っている。
この種の耐摩耗性鋳鉄の一従来例として、化学組成が、C:2.7〜3.5wt%、Cr:16〜22wt%、Mo:6〜12wt%、Si:0.4〜0.8wt%、Mn:0.4〜1.0wt%、Ni:0.5〜1.2wt%、V:0.2〜3.5wt%%、残部がFeおよび不可避不純物からなる耐摩耗性鋳鉄が知られている。(特許文献1参照)
他の耐摩耗性鋳鉄の一従来例として、化学成分が重量比でC2.7〜3.5%、Si0.2〜1.0%、Mn0.5〜1.5%、Cr27〜34%、Mo0.5〜2.0%、W0.5〜2.0%、B0.1%以下、残部が実質的にFeおよび不可避不純物である高クロム鋳鉄を焼き入れ処理し、焼き戻すことにより得られた耐摩耗性合金鋳鉄が知られている。(特許文献2参照)
また、更に他の耐摩耗性鋳鉄の一例として、C,CrおよびMoを含む高Cr鋳鉄において、Nb:2〜5質量%を含有すると共に、下記(1)式を満足するものであることを特徴とする耐摩耗性高Cr鋳鉄が知られている。
7.5≦[Nb]/([C]−2.8)≦9 …(1)
但し、[Nb]および[C]は、夫々Nb,Cの含有量(質量%)を示す。 (特許文献3参照)
特開平11−199963号公報 特開平 3−150334号公報 特開平11−229070号公報
前述の特許公報に開示されている各々の耐摩耗性鋳鉄及び他の公知の耐摩耗性鋳鉄においては、いずれも、オーステナイトの母相の中に、焼き入れ温度で高硬度のM7C3炭化物を析出させ、焼き戻し温度でM7C3炭化物を組織中に微細に分散させる構造を採用することにより、耐摩耗性を高めている。
このM7C3炭化物は、鉄鋼材料に析出する炭化物の類型の1つとして知られ、硬さ(Hv):1800〜2800であり、(Cr,Fe)7C3として表記することができ、高Crの鉄鋼材料において析出し易く、焼き入れ温度に加熱しても素地に固溶し難く、組織中に残留し易いので、耐摩耗性鋳鉄の強化に広く用いられている。
しかし、高硬度の耐摩耗性鋳鉄を製造する上でMoの存在は大きく、重要な添加元素であるが、現在、Moは北米地区、中南米地区、中国地区を中心とした地域からの輸入に頼っているのが現状であり、近年では世界規模の需要逼迫から、モリブデン価格の高騰が始まっている。このため本発明者は、耐摩耗性鋳鉄に必要な添加元素として、Moに代わる添加元素の研究を行い、今回良好な結果を得ることが出来たので本願発明に到達した。
本発明は前記課題を解決するために、Moの含有量を低減し、C、Si、Mn、Ni、Cr、W、Nb、Tiをバランス良く含有させることにより良好な焼入性を保持しながらコストと諸性能のバランスを両立した耐摩耗性鋳鉄を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者は、Moの代替元素として、周期律表の6A族であるMoの近傍の族元素のうち、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Ta、Hf、Wに着目し、研究開発を行った。これらの元素の内、Hfは希少元素であり極端に単価が高いために研究対象から除外した。
次に、Zrを鋳鉄に添加すると極めて酸化し易くなり、合金を溶製する際に、のろとして、無駄になるので研究対象から除外し、Taを添加すると素地がフェライト組織になり易く、軟化し易くなるので研究対象から除外した。
残った元素において、Ti、V、Cr、Nb、Wの解析と、その他鋳鉄に含有させている元素としてSi、Mn、Niなどの元素との相関関係について各元素の含有量に応じて得られる鋳鉄が如何なる特性を具備するか種々試験研究を行った結果、本願発明に到達した。
(1)本発明の耐摩耗性鋳鉄は、化学組成として質量%で、C:2.5〜3.7%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.4〜0.8%、Ni:0.13〜5.0%、Cr:10.0〜23.0%、Mo:0.5〜4.0%を必須元素として含み、W:0.5〜3.9%、Nb:0.096〜2.1%、Ti:0.023〜1.0%、V:0.06〜0.7%のうち、1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、かつ、Pを以下の式としたとき、
P=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]、P≧32を満たす組成を有し、
金属組織中に(Cr,Fe)7C3で示されるM7C3炭化物と、(Cr,Fe)23C6で示されるM23C6炭化物が析出され、更に、M6C炭化物としてのW6Cと、MC炭化物としてのNbCとTiCとVCのいずれかが析出されたことを特徴とする。
(2)本発明の耐摩耗性鋳鉄は、前記P=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]なる式において、P≧33.7を満たす組成を有することを特徴とする。
(3)本発明の耐摩耗性鋳鉄は、化学組成として質量%で、C:2.5〜3.7%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.4〜0.8%、Ni:0.13〜5.0%、Cr:10.0〜23.0%、Mo:0.5〜4.0%を必須元素として含み、W:0.5〜3.9%、Nb:0.096〜2.1%、Ti:0.023〜1.0%、V:0.06〜0.7%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、かつ、Pを以下の式としたとき、
P*=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+2.23[V%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]、P≧32を満たす組成を有し、金属組織中に(Cr,Fe)7C3で示されるM7C3炭化物と、(Cr,Fe)23C6で示されるM23C6炭化物が析出され、更に、M6C炭化物としてのW6Cと、MC炭化物としてのNbCとTiCとVCのいずれかが析出されたことを特徴とする。
(4)本発明の耐摩耗性鋳鉄は、(1)〜(3)のいずれかに記載の耐摩耗性鋳鉄の化学組成において、C:2.88〜3.7%、Si:0.55〜1.0%、Mn:0.6〜0.8%、Ni:0.13〜5.0%、Cr:10.0〜22.56%、Mo:0.5〜3.94%としたことを特徴とする。
(5)本発明の耐摩耗性鋳鉄は、(1)〜(4)のいずれかに記載の耐摩耗性鋳鉄の化学組成において、化学組成として質量%で、C:2.88〜3.22%、Si:0.55〜0.66%、Mn:0.60〜0.72%、Ni:0.13〜1.55%、Cr:16.51〜22.56%、Mo:0.50〜3.94%を必須元素として含み、W:0.5〜3.86%、V:0.06〜0.7%、Nb:0.096〜2.1%、Ti:0.023〜0.27%、を含み、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
(6)本発明の耐摩耗性鋳鉄は、(5)に記載の化学組成において、C:3.07〜3.15%、Ni:1.0〜1.55%、Cr:17.76〜18.18%、Mo:1.5〜3.94%、W:0.5〜2.38%としたことを特徴とする。
(7)本発明の耐摩耗性鋳鉄は、(6)に記載の金属組織中のM7C3炭化物と、M23C6炭化物の量比が、M7C3炭化物(at%)÷M23C6量(at%)<3.4となることを特徴とする。
(8)本発明の耐摩耗性鋳鉄は、(6)に記載の金属組織中のM7C3炭化物と、M23C6炭化物の量比が、M7C3炭化物(at%)÷M23C6量(at%)<2.5となることを特徴とする。
本発明によれば、Moの含有量を抑制し、安価にできるとともに、C、Si、Mn、Ni、Cr、Moの含有量を適度な範囲とすることにより良好な焼入性を保持しながらコストと高硬度などの諸性能のバランスを両立した耐摩耗性鋳鉄を提供することができる。
更に、これらの元素の添加に加え、W、Nb、Ti、Vの少なくとも1種をバランス良く含有させても、良好な焼入性を保持しながらコストと高硬度などの諸性能のバランスを更に高いレベルにおいて両立した耐摩耗性鋳鉄を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明するが、本発明は以下に説明する各実施の形態に制限されるものではない。
本願発明に係る耐摩耗性鋳鉄は、化学組成として質量%で、C:2.5〜3.7%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.4〜0.8%、Ni:0.13〜5.0%、Cr:10.0〜23.0%、Mo:0.5〜4.0%、W:0〜3.9%、Nb:0〜2.1%、Ti:0〜1.0%、V:0〜0.7%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる。
前記化学組成に代えて、質量%で、C:2.88〜3.7%、Si:0.55〜1.0%、Mn:0.6〜0.8%、Ni:0.13〜5.0%、Cr:10.0〜22.56%、Mo:0.5〜3.94%としても良い。
更に本発明の耐摩耗性鋳鉄は、化学組成として質量%で、C:2.88〜3.22%、Si:0.55〜0.66%、Mn:0.60〜0.72%、Ni:0.13〜1.55%、Cr:16.51〜22.56%、Mo:0.50〜3.94%、W:0〜3.9%、V:0〜0.5%、Nb:0〜2.1%、Ti:0〜0.27%、を含み、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴としても良い。
また、先に記載の化学組成において、C:3.07〜3.15%、Ni:1.0〜1.55%、Cr:17.76〜18.18%、Mo:1.5〜3.94%、W:0〜2.38%としても良い。
また、本発明の耐摩耗性鋳鉄は、前述のいずれかの組成を有しながら、Pを以下の式としたとき、P=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]、
P≧32を満たす組成を有することが必要とされる。
前記Pの値は、32.8以上であることがより好ましく、33.7以上であることが最も好ましい。
本発明に係る耐摩耗性鋳鉄において、P値を32.8以上とすることでHRC62.5を超える耐摩耗性鋳鉄を得ることができ、P値を33.7以上とすることでHRC63.5を超える耐摩耗性鋳鉄を得ることができる。
次に、本発明の耐摩耗性鋳鉄は、前述のいずれかの組成を有しながら、Pを以下の式としたとき、P*=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+2.23[V%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]、
P≧32を満たす組成を有することが必要とされる。
前記Pの値は、32.8以上であることがより好ましく、33.7以上であることが最も好ましい。
以下に本発明の耐摩耗性鋳鉄の成分限定理由について説明する。以下に説明において成分の単位はいずれも質量%である。
C:2.5〜3.7%、
Cは耐摩耗性に有効な炭化物の主要構成元素の1つであり、添加量が多い程、析出物の量も多くなる。Cの含有量が2.5%よりも少ないと析出物の析出量が十分ではなく、逆に、Cの含有量が3.7%よりも多いと粗大な炭化物やグラファイトが多量に分散して脆くなるためこの範囲とした。中でも、C含有量範囲として、2.88〜3.7%、2.88〜3.22%、3.07〜3.15%がこの順により好ましい範囲となる。
Si:0.2〜1.0%、Mn:0.4〜0.8%、
SiおよびMnは鋳鉄の溶解における脱酸素に必要な元素であり、Siについては0.2〜1.0%、Mnについては0.4〜0.8%添加する。多量に添加すると耐摩耗性の劣化を招く。中でも、Si含有量において0.55〜1.0%、0.55〜0.66%の範囲がこの順でより好ましい範囲となる。また、Mn含有量において、0.6〜0.8%、0.5〜0.72%がこの順でより好ましい範囲となる。
Ni:0.13〜5.0%、
Niは焼入れ性を向上すべく、母材中に少量添加する元素であり、このような範囲で添加することが望ましい。 Ni添加はM23C6炭化物の生成に寄与し、硬さの向上に寄与する。Ni含有量において、0.13〜1.55%、1.0〜1.55%がこの順でより好ましい範囲となる。
Cr:10.0〜23.0%、
Crは材料元素として安価であり、Feと結びついて(Cr,Fe)23C6で示されるM23C6炭化物を形成する。なお、Crは(Cr,Fe)7C3で示されるM7C3炭化物の形成にも寄与する。ただし、本発明者はM7C3炭化物について鋳鉄の硬さの向上に寄与しないと考えているので、Crを必要以上に多く含有させることは望ましくない。
Cr含有量において、10〜22.56%、16.51〜22.56%、17.76〜18.18%がこの順でより好ましい範囲となる。
Mo:0.5〜4.0%、
Moは焼入れ性を向上し、硬さの向上、耐摩耗性の向上に寄与すべく、母材中に添加されるものであり、M23C6炭化物の形成に寄与するが、Moの含有量が少ないと効果が得られにくく、含有量が多いとコストと耐摩耗性とのバランスが悪化する(特にコストの上昇が著しくなる)。
ここで、耐摩耗性を向上させるためにはMoの添加量を増やすことが好ましいが、本願発明ではMoの添加量を抑制し、耐摩耗性については他の元素の適量添加により補うので、0.5〜4.0%の範囲で良い。Mo含有量において、0.5〜3.94%、1.5〜3.94%がこの順でより好ましい範囲となる。
W:0〜3.9%
Wは、Moの代替え元素として有用であり、(Mo+W)量として勘案し、(3.9%以下)の範囲で添加することができる。Wは硬さの向上に寄与し、M6C炭化物としてのW6Cを析出させる。Wを添加するならば、0〜2.38%の範囲、即ち、2.38%以下が好ましい。
Nb:0〜2.1%
Nbは、Moの代替え元素として有用であり、(Mo+Nb)量として勘案し、(2.1%以下)の範囲で添加することができる。NbはNbC炭化物(MC炭化物)を析出する作用があり、耐摩耗性の向上に寄与する。
Ti:0〜1.0%
Tiは、Moの代替え元素として有用であり、(Mo+Ti)量として勘案し、(1.0%以下)の範囲で添加することができる。Tiは硬さの向上に大きく寄与し、TiCを生成する作用がある。Tiの範囲として0〜0.27%の範囲が好ましい。
V:0〜0.7%
VはVC(MC型炭化物)を析出させる作用を奏し、少量の添加でも耐摩耗性の向上効果がある。V含有量において0〜0.5%の範囲、即ち、0.5%以下の含有量がより好ましい。また、Vは焼き戻し軟化抵抗及び2次硬化に有効な元素でもある。
更に本発明に係る耐摩耗性鋳鉄においては、前述の化学組成を備えた上に、金属組織中において、(Cr,Fe)7C3で示されるM7C3炭化物と、MoC,TiC,NbCのいずれかからなるMC炭化物と、(Cr,Fe)23C6で示されるM23C6炭化物とが析出されてなることが好ましい。
また、前記金属組織中のM7C3炭化物と、M23C6炭化物の量比が、M7C3炭化物(at%)÷M23C6量(at%)<3.4となることが好ましく、M7C3炭化物(at%)÷M23C6量(at%)<2.5となることがより好ましい。
本発明の耐摩耗性鋳鉄において、一例としてM7C3炭化物は断面厚さ10μm〜数10μm、断面長さ数10〜数100μm程度の大きさの片状炭化物として析出され、MC炭化物は断面2〜10μm程度の粒状炭化物として析出され、M23C6炭化物は3μm程度以下の粒状炭化物として析出され、これらの炭化物がオーステナイト相を主体とする母相中に混在して析出された金属組織を呈する。通常は、オーステナイト相を主体とする母相中にM7C3炭化物が分散され、それらの間に偏在する如くMC炭化物が析出され、母相中にM23C6炭化物が分散析出された金属組織となる。
本発明の耐摩耗鋳鉄を製造するには、一例として、前記組成比となるように材料を混合して溶解炉に鋳込み、鋳込み試料を放冷する。次いで試料を焼き入れするが、焼き入れ時に常温から温度を上げてゆくと、500℃を超える付近からマトリックスがフェライト(bcc:αFe)からオーステナイト(fcc:γFe)に変わる。更に温度を上昇させるとM23C6が消失する温度以上、約1000℃〜1100℃の範囲、例えば1070℃にて数10分〜数時間(6時間)程度加熱した後、急冷する焼き入れ処理を施す。焼き入れ温度はM23C6消失温度より高く、液相への相転移温度より低いことが条件となる。 次いで各試料を450℃〜550℃の範囲、例えば、500℃に数10分〜数時間(4時間)程度加熱した後、炉冷する焼き戻し処理を施して製造することができる。
以上説明した製造方法により、前述の如く各炭化物がオーステナイト相を主体とする金属組織中に分散析出された目的の組織を有する耐摩耗性鋳鉄を得ることができる。
例えば、オーステナイト相を主体とする母相の中に、前記条件の焼き入れ処理により高硬度のM7C3炭化物を析出させ、前記条件の焼き戻し処理によりM7C3炭化物をできる限り微細に析出させる。
そして、以上のように得られた耐摩耗性鋳鉄は、Moを多く含む従来製品より安価に得ることができ、しかも高い硬さと良好な耐摩耗性を具備させることができる。
ところで、本発明者は、本願発明の耐摩耗性鋳鉄においては、M7C3炭化物の減少とともに硬さが向上し、M7C3炭化物の増加とともに摩耗量が増加すると考えている。これは一般的に耐摩耗性に寄与すると考えられているM7C3炭化物の作用とは逆であり、本願耐摩耗性鋳鉄においては、M7C3炭化物が鋳鉄表面の異物となり、その表面が削り取られる現象が支配的になって耐摩耗性を阻害するものと推定している。即ち、M7C3炭化物は硬いが脆いので、耐摩耗性の面については母相ではなく、M7C3炭化物自体が欠けて摩耗性を損なうおそれがあるので、できるだけ微細に分散析出させることが好ましい。
本発明の耐摩耗性鋳鉄において、M23C6炭化物はその増加とともに硬さが向上し、その減少とともに摩耗量が増加する。本発明に係る耐摩耗鋳鉄においてM23C6炭化物は耐摩耗性に寄与する。これは、M23C6炭化物が母相中に微細に析出するため硬さや耐摩耗性に寄与するためと推定できる。
本発明の耐摩耗性鋳鉄においてMC炭化物は、その増加とともに硬さが向上し、摩耗量が増加すると考えられる。また、M6C炭化物はM7C3炭化物と同様の傾向を有すると考えられる。
本発明者はこれらの知見に基づき、各炭化物の傾向を見極め、更に以下に説明する実施例において各元素の含有量について解析した結果として、前述した、P=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]の式において、P≧32を満たす組成を有することが重要であることを見出した。
この式を満たす各元素の含有量とするならば、耐摩耗性と硬度とコストのバランスの取れた耐摩耗性鋳鉄を提供することができる。
なお、コスト換算において、Cは極めて安価、Crを基準単価1として現状金属相場の相対価格換算によると、Tiは8.7倍、Niは9.5倍、Nbは11.6倍、Vは17.6倍、Wは21倍、Moは33.2倍であるので、Moの使用量を削減して他の元素に振り分けることでコスト削減をなし得ることが明らかである。
なお、前記の式には、Vの影響を考慮していないが、Vの影響も考慮した場合、以下の式とすることが好ましい。
即ち、P*を以下の式としたとき、P*=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+2.23[V%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]、P≧32を満たす関係とすることが好ましい。
この式を満たす各元素の含有量とするならば、Vの影響も含めてより正確に考慮し、耐摩耗性と硬度とコストのバランスの取れた耐摩耗性鋳鉄を提供することができる。
前述の条件のうち、焼き入れ性向上のためには、炭素当量が1.8以上であることが好ましく、焼き戻し温度におけるM7C3量が0.25%以上であることが望ましい。焼き戻し温度におけるM23C6量は0.15%以上が望ましい。これは、マトリックスに固溶する炭化物であり、M7C3よりも硬度は下がるが、マトリックスに固溶するので、析出した方が望ましいと考えられる。
以下、本発明に係る耐摩耗性鋳鉄の具体例について説明する。
本発明に係る耐摩耗性鋳鉄を製造するにあたり、表1の試料No.1〜No.19に示す組成になるように溶解炉に鋳込み、鋳込み試料を8時間放冷して室温とした。鋳込み試料の製造は大型砂型鋳物を模擬した条件にて実施した。
次いで約1070℃にて6時間加熱後に放冷する焼き入れ処理を施し、次いで各試料を約500℃に4時間加熱後に炉冷して焼き戻す熱処理を行った。
得られた試料を研磨し、組織観察し、焼き戻し硬さの測定を行った。
その結果得られた各試料の組成比とP値、硬さ(HRC)の測定結果を以下の表1に示す。
Figure 0005470825
表1に示す結果から、化学組成として質量%で、C:2.88〜3.22%、Si:0.55〜0.66%、Mn:0.60〜0.72%、Ni:0.13〜1.55%、Cr:16.51〜22.56%、Mo:0.50〜3.94%、W:0〜3.86%、V:0〜0.7%、Nb:0〜2.1%、Ti:0〜0.27%の範囲を選択することにより、ビッカース硬さHRCにおいて、62.18〜64.55の範囲の耐摩耗性鋳鉄を得られることが明らかとなった。
また、化学組成として質量%で、C:2.88〜3.22%、Si:0.55〜0.66%、Mn:0.60〜0.72%、Ni:1〜1.55%、Cr:16.51〜22.56%、Mo:1.50〜3.94%、W:0〜2.38%、V:0〜0.7%、Nb:0〜2.1%、Ti:0〜0.27%の範囲を選択することにより、ビッカース硬さHRCにおいて、62.5以上の耐摩耗性鋳鉄を得られることが明らかとなった。
本発明に係る試料において、砂のみの鋳型を用いて鋳造しても硬さにおいてHRC61を達成している点において本発明に係る組成を採用することが有効に作用したと推定できる。本発明に係る組成からはずれる場合、砂のみの鋳造鋳型において先の硬さを達成することは容易ではない。また、焼き入れしたままであると、硬さは高いが脆くなり易いために、前述の条件にて焼き戻しを行うことで硬さを多少落とすものの、靭性を高くすることができる特徴を有する。
次に、表1に示す試料について、重回帰分析を行い、回帰式を算出した結果を図1に示す。
この重回帰分析結果から、P=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]との回帰式を立案すると、その計算値HRC(予測HRC)が実測のHRCに極めて近似することを確認することができた。その重相関RはR=0.97となり、極めて1に近い数値となったので、図1に示す如く先の回帰式に基づく予測硬さと実測硬さがほぼ一致する傾向となり、先のPで示す式の実効性を確認することができる。
上の式を用いるならば、組成を変化させる際に、硬さを予測できることが判明した。この回帰式を見ると、硬さに寄与しているのは、C(12.2)>Ti(5.29)>Ni(2.23)>Mo(1.72)>W(5.1)Nb(0.23)の順である。なお、Crはマイナスの値であり、少ない方が硬さの面では良好であると考えられる。
次に、表1に示すNo.13の試料の組織写真(SEM写真)を図2(倍率500倍、図中の白点縮尺60μm)、図3(倍率1000倍、図中の白点縮尺30μm)、図4(倍率5000倍、図中の白点縮尺6μm)に示す。
図2(A)〜(C)に示す金属組織写真から、M7C3炭化物は比較的巨大に析出し、MC炭化物は10μm程度の大きさで析出し、M23C6炭化物は母相中に3μm以下の粒状に析出していることが分かる。なお、M23C6炭化物が熱処理により容易に母相に溶け込むことから、母相中に微細に分析している粒子がM23C6炭化物であると考えられる。

次に、図3にMC炭化物のEDX(エネルギー分散型X線)分析結果を示し、図4にM7C3炭化物のEDX分析結果を示し、図5にM23C6炭化物のEDX分析結果を示し、図6に母相のEDX分析結果を示すが、いずれも各炭化物と母相の特徴を明瞭に示している。また、MoC、TiCなどの炭化物の析出も考えられるが、本分析試料においてMC炭化物の分析結果からその主成分はNbCであると推定できる。
次に、炭化物の析出量と各特性の関係を調べるために、焼き戻し温度から熱力学計算ソフト(JMatPro Ver.4.1)にて計算できる炭化物量を計算した結果を以下の表2に示す。
Figure 0005470825
表2に示す結果を纏めて図7(a)、(b)に対比させて示す。図7(a)は炭化物量の計算値と硬さHRCの対比データ、図7(b)は炭化物量の計算値と摩耗量の対比データを示す。摩耗量については、ラバーホイール試験により求めた。
試験条件は、荷重:10kg、試験時間:1時間、ラバー材質:クロロブチルラバー、回転数:70rpm、研削粉末:ムライトボール0.8mm、落下速度:300g/minとした。
図7(a)、(b)に示す結果から、M7C3炭化物量が減少すると硬さが向上するが、増加すると摩耗量が上昇する傾向を示すことから、本願発明の耐摩耗性鋳鉄では、他の炭化物に比べて粗大に析出したM7C3炭化物が摩耗試験時に亀裂を生じやすいことが原因となっていると推定できる。また、M23C6炭化物は増加することにより硬さ、耐摩耗性、ともに向上する作用を有していると思われる。このように、M7C3は硬く、微細に分散させることによって耐摩耗性を向上させることができるが、その反面、脆さを持つという特徴があると考えられる。
これは一般的に耐摩耗性に寄与すると考えられているM7C3炭化物の作用とは逆であり、新規な知見である。発明者はM7C3量(at%)=−2.6266×[HRC]+197.97、M23C6量(at%)=2.8526×[HRC]−168.25の関係を見出している。これらから硬さHRCにおいて62.5を上回る耐摩耗鋳鉄を得るためには、M7C3炭化物とM23C6炭化物の量比がM7C3量(at%)÷M23C6量(at%)<3.4を満たすとよいことがわかる。硬さHRCにおいて63.5を上回る耐摩耗鋳鉄を得るためには、M7C3炭化物とM23C6炭化物の量比がM7C3量(at%)÷M23C6量(at%)<2.5を満たすとよいことがわかる。
図8は先の表1に示したNo.1〜19の試料について、各試料のP値と硬さHRCとの相関関係を示す図である。
図8の結果から、P値を32.8以上とすることにより、硬さHRCにおいて62.5を上回る耐摩耗性鋳鉄を得ることができ、P値を33.7以上とすることにより、硬さHRCにおいて63.5を上回る耐摩耗性鋳鉄を得ることができることが分かる。
また、図8の結果から、M7C3炭化物の減少とともに硬さが向上し、M7C3炭化物の増加とともに摩耗量が上がる傾向があること、M23C6炭化物の増加とともに硬さが向上し、減少とともに摩耗量が上がる傾向があること、MC炭化物の増加とともに硬さが向上し、摩耗量も向上すること、M6C炭化物はM7C3炭化物と同様の傾向を有することが判明した。
次に、以下の表3に示す各組成の試料A〜Dについて、先の表2に示した試料と同様に、計算値HRC(予測HRC)とP値を求めた。
更に、Vを含む組成の試料について更に検討するために、表2の各試料で使用したP=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]の回帰式に代えて、P*=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+2.23[V%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]の回帰式を用い、予測HRC*の値と、P*値を求めた。
それらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 0005470825
表3に示す結果から見て、P=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]の回帰式とP=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+2.23[V%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]の回帰式のいずれにおいても予測硬さと実測硬さがほぼ一致する傾向となり、Pの値に加え、P*で示す式の実効性も確認することができた。
図1は本発明に係る耐摩耗性鋳鉄の試料の試験結果について重回帰分析を行い、回帰式を算出した結果において予測硬さと実測硬さを対比させて示したグラフ。 図2は本発明に係る耐摩耗性鋳鉄の試料において一部金属組織の写真を示すもので、図2(A)は500倍に拡大したSEM写真、図2(B)は1000倍に拡大したSEM写真、図2(C)は500倍に拡大したSEM写真。 図3は本発明に係る耐摩耗性鋳鉄試料におけるMC炭化物のEDX分析結果を示す図。 図4は本発明に係る耐摩耗性鋳鉄試料におけるM7C3炭化物のEDX分析結果を示す図。 図5は本発明に係る耐摩耗性鋳鉄試料におけるM23C6炭化物のEDX分析結果を示す図。 図6は本発明に係る耐摩耗性鋳鉄試料における母相のEDX分析結果を示す図。 図7は本発明に係る耐摩耗性鋳鉄試料における炭化物量と硬さ、摩耗量の関係を示すもので、図7(a)は炭化物量と硬さ(HRC)の関係を示す図、図7(b)は炭化物量と摩耗量の関係を示す図。 図8は本発明に係る耐摩耗性鋳鉄試料におけるP値と硬さの関係を示す図。

Claims (8)

  1. 化学組成として質量%で、C:2.5〜3.7%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.4〜0.8%、Ni:0.13〜5.0%、Cr:10.0〜23.0%、Mo:0.5〜4.0%を必須元素として含み、W:0.5〜3.9%、Nb:0.096〜2.1%、Ti:0.023〜1.0%、V:0.06〜0.7%のうち、1種または2種以上を含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、かつ、Pを以下の式としたとき、
    P=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]、P≧32を満たす組成を有し、
    金属組織中に(Cr,Fe)7C3で示されるM7C3炭化物と、(Cr,Fe)23C6で示されるM23C6炭化物が析出され、更に、M6C炭化物としてのW6Cと、MC炭化物としてのNbCとTiCとVCのいずれかが析出されたことを特徴とする耐摩耗性鋳鉄。
  2. 前記P=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]なる式において、P≧33.7を満たす組成を有することを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性鋳鉄。
  3. 化学組成として質量%で、C:2.5〜3.7%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.4〜0.8%、Ni:0.13〜5.0%、Cr:10.0〜23.0%、Mo:0.5〜4.0%を必須元素として含み、W:0.5〜3.9%、Nb:0.096〜2.1%、Ti:0.023〜1.0%、V:0.06〜0.7%を含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、かつ、P*を以下の式としたとき、
    P*=1.72[Mo%]+0.51[W%]+0.23[Nb%]+2.23[V%]+5.29[Ti%]+12.2[C%]−0.59[Cr%]+2.23[Ni%]、
    P≧32を満たす組成を有し、
    金属組織中に(Cr,Fe)7C3で示されるM7C3炭化物と、(Cr,Fe)23C6で示されるM23C6炭化物が析出され、更に、M6C炭化物としてのW6Cと、MC炭化物としてのNbCとTiCとVCのいずれかが析出されたことを特徴とする耐摩耗性鋳鉄。
  4. 前記化学組成において、C:2.88〜3.7%、Si:0.55〜1.0%、Mn:0.6〜0.8%、Ni:0.13〜5.0%、Cr:10.0〜22.56%、Mo:0.5〜3.94%としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐摩耗性鋳鉄。
  5. 化学組成として質量%で、C:2.88〜3.22%、Si:0.55〜0.66%、Mn:0.60〜0.72%、Ni:0.13〜1.55%、Cr:16.51〜22.56%、Mo:0.50〜3.94%を必須元素として含み、W:0.5〜3.86%、V:0.06〜0.7%、Nb:0.096〜2.1%、Ti:0.023〜0.27%、を含み、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐摩耗性鋳鉄。
  6. 前記化学組成において、C:3.07〜3.15%、Ni:1.0〜1.55%、Cr:17.76〜18.18%、Mo:1.5〜3.94%、W:0.5〜2.38%としたことを特徴とする請求項に記載の耐摩耗性鋳鉄。
  7. 前記金属組織中のM7C3炭化物と、M23C6炭化物の量比が、M7C3炭化物(at%)÷M23C6量(at%)<3.4となることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐摩耗性鋳鉄。
  8. 前記金属組織中のM7C3炭化物と、M23C6炭化物の量比が、M7C3炭化物(at%)÷M23C6量(at%)<2.5となることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐摩耗性鋳鉄。
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