JP5470014B2 - 誘電体用樹脂組成物及び誘電体アンテナ部品 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波領域での使用に好適な誘電体用樹脂組成物及びそれからなる誘電体アンテナ部品に関する。
従来より、携帯電話等の移動体通信機器や無線LANに用いられる表面実装型誘電体アンテナとして、誘電体セラミックス単体、樹脂単体又はセラミックス樹脂複合体からなるものが提案されている。例えば、アンテナ基体がセラミックス単体や樹脂単体からなる表面実装型誘電体アンテナが開示されている(特許文献1)。また、めっき性の良好な、比誘電率実部が1.8程度のシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂からなる発泡体及びその製造方法が開示されている(特許文献2)。更に、球状の誘電体セラミックス粉末を樹脂に40vol%〜70vol%混合した樹脂組成物が(特許文献3)、高充填を可能とするためアスペクト比が3〜5に調整されたチタン酸金属塩繊維と熱可塑性樹脂等からなる複合材料(特許文献4)が開示されている。
特開平9−98015号公報 特開平10−45936号公報 特許第3930814号公報 特許第2992667号公報
ところで、近年、携帯電話等の移動体通信機器の軽量化及び小型化に伴って、誘電体アンテナも軽量化及び小型化の要求が高まっている。しかしながら、従来の誘電体セラミックス単体からなるアンテナや樹脂単体からなるアンテナには、それぞれ次のような不具合があった。
すなわち、誘電体セラミックス単体からなるアンテナでは、アンテナ基体の成形工程や焼成工程等に時間がかかるばかりでなく、加工性および成形性に劣り、複雑な形状のアンテナを作成するのが困難であった。また、高誘電率のセラミックスを用いることでアンテナを小型化することができるが、アンテナにはサイズ効果があり、小さくしすぎるとアンテナ特性が極端に低下するので、アンテナの小型化には限界がある。従って、アンテナの軽量化には比重の小さい材料を用いることが必要である。また、電気抵抗が低くなると誘電体アンテナの機能が果たせなくなる為、体積抵抗率を1×1012Ωcm以上とすることが求められている。
しかしながら、誘電体セラミックスは比重が大きく、アンテナの軽量化に対応できないという問題がある。また、樹脂単体からなるアンテナは、樹脂は比重が小さく、成形性及び加工性には優れているが、比誘電率が小さいため、アンテナの小型化・軽量化に対応できないという問題がある。
さらに、球状ないしアスペクト比が3〜5と比較的アスペクト比が小さいセラミックス粉体と樹脂からなる樹脂組成物の場合には、セラミックス粉体の添加量を多くしなければ高い誘電率が得られず、結果的に比重が高くなりアンテナの軽量化に対応できないという問題がある。
樹脂組成物の誘電率を高くしつつ、誘電体であるセラミックスの添加量を減らすためには、アスペクト比の高い繊維状のセラミックスを添加することが有効である。本発明者は先に、アスペクト比の大きいルチル型繊維状酸化チタンを配合した樹脂組成物が、比誘電率実部が高く、体積抵抗率が高く、強度、加工性及び成形性に優れていることを見出した。然しながらこの樹脂組成物は、成形品の誘電率に異方性が生じ易いので、使用に熟練を要するという問題がある。即ちこの樹脂組成物を射出成形すると、金型内で樹脂の流動方向に繊維状酸化チタンが配向するため、流動方向とその直角方向の誘電率に差異が生じてしまう。従って、射出成形により所望の特性を有するアンテナ部材を得るためには、誘電率の異方性を考慮して部材の設計を行わなければならない。そのためには、試行錯誤を繰り返したり、電磁場解析ソフトウェアによる予測が必要となる等、部材の設計に多大の労力と熟練を要することが多い。
従って、本発明の目的は、比誘電率実部が高く、かつ射出成形しても金型内における樹脂の流動方向とその直角方向の比誘電率実部の比が小さく、体積抵抗率が高く、しかも比重の小さい誘電体用樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を用いた誘電体アンテナ部品を提供することにある。
本発明によれば、少なくとも(A)樹脂材料を85〜20重量%と、(B)薄片状高誘電材料を15〜80重量%とを含む誘電体用樹脂組成物からなる成形品であって、成形品中の(B)薄片状高誘電材料の平均粒径と平均厚みの比(平均粒径/平均厚み)が5以上であることを特徴とする成形品により、上記の目的を達成することができる。
本発明の誘電体用樹脂成形品は、比重が比較的小さく、誘電体としての特性が優れていることに加えて、機械的強度や加工性にも優れているので、携帯電話等のアンテナ部品用の材料に好適である。
本発明の成形品に用いる誘電体用樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」と称す場合がある。)は、樹脂成分として少なくとも(A)樹脂材料と、(B)薄片状高誘電材料とを含む樹脂組成物である。
本発明の誘電体用樹脂組成物に用いる(B)薄片状高誘電材料は、平均粒径と平均厚みの比(平均粒径/平均厚み)が50以上であるものが好ましい。平均粒径と平均厚みの比は、好ましくは60以上、より好ましくは100以上である。その上限は限定されるものではないが、通常は、1000以下、好ましくは700以下である。
また、(B)薄片状高誘電材料としては、通常は、平均粒径が1〜200μmで、平均厚みが0.01〜1μmのものを用いる。平均粒径が、10〜150μmで、平均厚みが0.03〜1μmのものを用いるのが好ましい。
(B)薄片状高誘電材料の材質としては、アルミナ(比誘電率 10)、酸化チタン(比誘電率 ルチル型100、アナターゼ型50)やチタン酸金属塩等、比誘電率の高いものを用いるのが好ましい。チタン酸金属塩としては、チタン酸バリウム(比誘電率 1200)、チタン酸カルシウム(同 140)、チタン酸ストロンチウム(同 323)等が挙げられる。これらの中でも、扁平形状にしやすい点から酸化チタンを用いることが好ましく、比誘電率の点からルチル型酸化チタンを用いることがより好ましい。また、薄片状高誘電材料としては、通常は比誘電率が30以上のものを用いる。好ましくは比誘電率が50以上、特に70以上のものを用いる。なお、比誘電率の測定は、JIS
K−6911規格に準じて1MHzにおいて行うものとする。
(B)薄片状高誘電材料の製造方法は、特に限定されず、公知のいかなる方法により製造してもよい。例えば、特許第3611303号公報、WO99/11574号公報に記載の方法により、製造することができる。
また、(B)薄片状高誘電材料としては、(b−1)薄片状基質の表面上に(b−2)高誘電材料を被覆させた被覆組成物を用いてもよい。このような被覆組成物は、溶融混練工程や射出成形工程での扁平形状の保持の点で、本発明の誘電体用樹脂組成物に好適である。
(b−1)薄片状基質としては、樹脂と溶融混練しても熱変形しないものが好ましく、通常は、無機材料、金属材料や炭素材料を用いる。好ましくは無機材料、例えば、天然マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク、タルク等を用いる。これらの中でも、扁平度や取り扱いのしやすさの点からマイカが好ましい。
(b−1)薄片状基質の表面の被覆層を形成する(b−2)高誘電材料の材質としては、(B)薄片状高誘電材料に用いられるものの中から選択し用いることができる。なかでも、酸化チタンを用いることが好ましく、比誘電率の点からルチル型酸化チタンを用いることがより好ましい。なお、(b−2)高誘電材料の比誘電率の測定は、JIS K−6911規格に準じて1MHzにおいて行うものとする。(b−2)高誘電材料が粉末状である場合には、この粉末をプレス金型内に充填し、500〜2000kg/cmの圧力をかけて仮成形体となし、この仮成形体をマッフル炉で適温、例えば1000〜1400℃で焼成して焼結体としたものについて測定する。即ち、焼結体の比重を測定して空隙率を算出すると共に、該焼結体の誘電特性を測定し、対数の混合則により高誘電材料粉末の比誘電率を算出する。
被覆組成物の被覆層の平均厚みは0.03μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であるのがより好ましく、0.1μm以上であるのがさらに好ましい。被覆層の厚みの上限は特に限定されるものではないが、通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下である。
被覆組成物に占める被覆層の厚みの比率は大きい方が好ましく、通常は両面の被覆層の厚みの合計が被覆組成物の平均厚みの30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上を占めるものを用いる。両面の被覆層の厚みの合計が30%より小さいと、樹脂組成物に所望の高い誘電率を付与することが困難な傾向にある。また、両面の被覆層の厚みの合計は最大で80%程度であり、これより被覆層が厚い被覆組成物は入手が困難な場合がある。通常、入手し得る被覆組成物の両面の被覆層の厚みの合計は最大でも70%程度である。なお、被覆層の平均厚みとは、樹脂組成物について、被覆組成物の厚み方向の端面が露出するようにその断面を研磨し、ランダムに選んだ500個の試料の被覆層の厚みを電子顕微鏡で測定した、その最も薄い部分の厚みの算術平均を意味する。また、両面の被覆層の厚みの合計とは、被覆組成物の厚み方向の端面において、(被覆組成物の平均厚み−薄片状基質の平均厚み)で算出される値である。
被覆組成物の製造方法は、特に限定されず、公知のいかなる方法により製造してもよい。例えば、特開2003−55574号公報に記載の方法により、製造することができる。
被覆組成物としては、薄片状のマイカに二酸化チタンを被覆したいわゆるパール顔料を用いることができる。従来、この種のパール顔料は金属光沢を有する顔料として用いられており、例えば、特許第2524922号にはアルミニウム粉とマイカ製パール顔料を配合したメタリック感を有する熱可塑性樹脂組成物が開示されている。また、特許第2817127号には、ポリオレフィン樹脂、パール顔料及び鎖状のメチルハイドロジェンポリシロキサンを配合したポリオレフィン樹脂組成物が開示されている。然しながら従来は、パール顔料は誘電材料として用いられておらず、これらの文献にも樹脂組成物の誘電率に関する記載は全くない。なお、パール顔料は二酸化チタン被覆層の厚みにより色彩が異なるので、自然光のもとで目視することによりおおよその被覆層の厚みを知ることができる。これは、二酸化チタン被覆層の厚みにより干渉色が異なることによる。干渉色が銀色の場合は被覆層厚みは約30nm、金色の場合は約65nm、赤色の場合約100nm、紫色の場合は約115nm、青色の場合は約130nm、緑色の場合は約145nm、金色(2層目)は165nm、紫色(2層目)は約190nmと判断できる。
(B)薄片状高誘電材料は、シロキサン化合物、シランカップリング剤や、チタンカップリング剤で予め表面処理して用いてもよい。これらの中でもシロキサン化合物で表面処理することが好ましい。シロキサン化合物で表面処理することにより、熱安定性を改善することができ、さらに、成形品中での薄片状高誘電材料の分散性を向上させることができる。
シロキサン化合物としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、ポリオルガノシロキサンが好ましく、中でも、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、ポリジメチルシロキサンがより好ましく、ポリメチルハイドロジェンシロキサンが特に好ましい。処理量としては、薄片状高誘電材料の0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜8重量%がより好ましく、1〜5重量%がさらに好ましい。
(B)薄片状高誘電材料は、上記の化合物等で表面処理する前に、アルミナ水和物及び/又は珪酸水和物で前処理してもよい。前処理に用いるアルミナ水和物及び/又は珪酸水和物量は、薄片状高誘電材料の0.1〜10重量%が好ましい。
表面処理の方法は、特に限定されず、湿式法、乾式法のいずれであってもよい。湿式法とは、処理剤と溶剤との混合物に薄片状高誘電材料を加え、撹拌した後に脱溶媒を行い、さらにその後100〜300℃で熱処理する方法である。乾式法とは、薄片状高誘電材料トをヘンシェルミキサー等で混合する方法、薄片状高誘電材料に処理剤を含む有機溶液を噴霧して付着させ、100〜300℃で熱処理する方法である。
誘電体用樹脂組成物に用いる(A)樹脂材料は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、誘電正接が低いものが好ましい。通常は射出成形が可能な熱可塑性樹脂を用いる。
熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹脂とのアロイ、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリアミド樹脂とのアロイ、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリオレフィン系樹脂とのアロイ等のポリフェニレンエーテル樹脂を含有するアロイ、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリメタキシリレンジアパミド等のポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等のエンジニアリングプラスチックスや、これらエンジニアリングプラスチックスを含むアロイが挙げられる。また、液晶高分子、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂といった高耐熱性のスーパーエンジニアリングプラスチックスやこれらを含むアロイを用いることもできる。
好ましくは、ポリフェニレンエーテル樹脂を含有するアロイ又はポリカーボネート樹脂が好ましく、誘電正接が低く、且つ成形加工性や機械的物性に優れた組成物を与える点から、(a−1)ポリフェニレンエーテル樹脂と(a−2)ポリスチレン系樹脂のアロイ又はポリカーボネート樹脂を用いることが好ましい。この(a−1)ポリフェニレンエーテル樹脂と(a−2)ポリスチレン系樹脂のアロイを用いる場合には、両者の合計に占める(a−1)ポリフェニレンエーテル樹脂の比率は15〜85重量%が好ましく、25〜75重量%がより好ましい。
(a−1)ポリフェニレンエーテル樹脂とは、下記一般式(1)表される構造単位を主鎖に有する重合体であって、単独重合体又は共重合体の何れであってもよい。また、ポリフェニレンエーテル樹脂は2種以上併用してもよい。
Figure 0005470014
(式中、2つのRは相互に異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、第1級もしくは第2級アルキル基、アリール基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基、又はハロ炭化水素オキシ基を表わし、2つのRは相互に異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、第1級若しくは第2級アルキル基、アリール基、ハロアルキル基、炭化水素オキシ基、又はハロ炭化水素オキシ基を表す。ただし、2つのRがともに水素原子であることはない。)
及びRとしては、水素原子、第1級若しくは第2級アルキル基、アリール基が好ましい。第1級アルキル基の好適な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−、3−若しくは4−メチルペンチル基又はヘプチル基等炭素数1〜8のものが挙げられる。第2級アルキル基の好適な例としては、イソプロピル基、sec−ブチル基又は1−エチルプロピル基が挙げられる。特に好ましくは、Rは第1級若しくは第2級の炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である。またRは水素原子であるのが好ましい。
ポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)等の、2,6−ジアルキルフェニレンエーテルの重合体が挙げられる。
共重合体としては、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノール共重合体、2,6−ジエチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジプロピルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体等の2,6−ジアルキルフェノール/2,3,6−トリアルキルフェノール共重合体で代表される複数の異なるフェニレンオキシ基の共重合体、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)にスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体にスチレンをグラフト重合させたグラフト共重合体等、上記の(共)重合体にスチレン系単量体をグラフト重合させたものが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂として特に好ましいのは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)及び、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノールランダム共重合体である。また、特開2005−344065号公報に記載されているような末端基数と銅含有率を規定したポリフェニレンエーテル樹脂も好適に使用できる。
ポリフェニレンエーテル樹脂の分子量は、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が0.2〜0.8dl/gであるのが好ましく、0.3〜0.6dl/gであるのがより好ましい。固有粘度が0.2dl/g以上のものを用いると、得られる樹脂組成物の機械的強度が向上する傾向にある。また0.8dl/g以下のものを用いると、一般に流動性がよく、成形加工性のよい樹脂組成物が得られる。なお、固有粘度の異なる2種以上のポリフェニレンエーテル樹脂を併用して、所望の固有粘度を有するものとしてもよい。
ポリフェニレンエーテル樹脂は、周知のようにフェノール化合物の酸化カップリング反応により製造されている。酸化カップリング反応の触媒としては多数のものが知られている。例えば、アミノ化合物と銅、マンガン、コバルト等の重金属化合物の少なくとも1種を、通常は種々の他の物質と組み合わせて用いる。このような触媒は、例えば、米国特許第4,042,056号、米国特許第3,306,874号、米国特許第3,306,875号、米国特許第3,365,422号、米国特許第3,639,656号、米国特許第3,642,699号、米国特許第3,733,299号、米国特許第3,838,102号、米国特許第3,661,848号、米国特許第5,037,943号等において開示されている。
(a−2)ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体の重合体、スチレン系単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体、ゴム成分含有スチレン樹脂等のスチレン系グラフト共重合体等が挙げられる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等が挙げられ、好ましくはスチレンが挙げられる。スチレン系単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、マレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体が挙げられ、好ましくは、シアン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が挙げられる。
ポリスチレン系単量体の重合体としては、通常のポリスチレン樹脂(GPPS)よりも誘電正接が低く、誘電率及び体積抵抗率のバランスに優れ、さらに、耐熱性にも優れている点でシンジオタクチックポリスチレン樹脂が好ましく、価格の点ではGPPSを用いるのが好ましい。
スチレン系単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体としては、例えば、AS樹脂等が挙げられる。スチレン系グラフト共重合体としては、例えば、HIPS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂等が挙げられる。これらの共重合体のスチレン系単量体の含有量は40〜99重量%が好ましい。ポリスチレン系樹脂としては、GPPS、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ゴム成分含有スチレン樹脂等が好ましい。なかでも、誘電正接が低く、誘電率及び体積抵抗率のバランスに優れ、さらに、耐熱性にも優れている点でシンジオタクチックポリスチレン樹脂が好ましく、価格の点ではGPPSを用いるが好ましい。ポリスチレン系樹脂の平均分子量は重量平均分子量として50,000〜400,000が好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂の何れをも使用できるが、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂は、分岐していてもよいし、共重合体であってもよい。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や溶融法(エステル交換法)により製造できる。また、溶融法によって得られる芳香族ポリカーボネート樹脂を用いる場合、末端基のOH基量を調整して用いてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわち、ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAである。また、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、上述した芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を、分岐剤、例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物や、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(すなわち、イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等の化合物で置換すればよい。これら置換する化合物の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
芳香族ポリカーボネート樹脂としては、上述した中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、又は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が好ましい。また、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーとの共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体であってもよい。さらには、上述した芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量として、13,000〜30,000が好ましく、16,000〜28,000がより好ましく、17,000〜24,000がさらに好ましい。粘度平均分子量を30,000以下とすることにより、流動性を良好に保ち、13,000以上とすることにより、衝撃強度をより優れたものとすることができる。
本発明の誘電体用樹脂組成物は、本質的に上記した(A)樹脂材料と(B)薄片状高誘電材料から成る。両者の合計に占める(B)薄片状高誘電材料の比率は、薄片状高誘電材料の種類にもよるが通常は15〜80重量%であり、15〜65重量%が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物の製造及び成形加工工程における溶融混練時や高温雰囲気で使用時の熱安定性を向上させるため、安定剤を含有させるのが好ましい。安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物もしくはホスフォナイト系化合物、酸化亜鉛等を用いるのが好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物としては、下記一般式(2)で示される部分構造を1〜4個有する化合物を用いるのが好ましい。
Figure 0005470014
(式中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)等が挙げられる。これらの中でも、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3’,5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンが好ましい。
ホスファイト系化合物又はホスフォナイト系化合物としては、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で示される化合物を用いるのが好ましい。
Figure 0005470014
(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜30の脂肪族基又は炭素原子数6〜30のアリール基を表すが、少なくとも1つのRは、炭素数6〜30のアリール基を表す。)
Figure 0005470014
(式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜30の脂肪族基又は炭素原子数6〜30のアリールを表すが、少なくとも1つのRは、炭素原子数6〜30のアリール基を表す。)
上記一般式(3)で示されるホスファイト系化合物としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノ及びジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)等が挙げられ、これらの中でも、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
一般式(4)で示されるホスフォナイト系化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
酸化亜鉛としては、本荘ケミカル(株)、堺化学工業(株)、正同化学工業(株)から販売されているものを用いることができる。酸化亜鉛は、その分散性、熱安定性の点から、レーザー回折法で測定した平均粒径が0.02〜1μmのものが好ましく、平均粒径が0.08〜0.8μmのものがより好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物若しくはホスフォナイト系化合物、酸化亜鉛等の安定剤は、(A)樹脂材料100重量部に対して、通常は0.01重量部以上となるように配合する。安定剤の配合率が0.01重量部未満では、熱安定性に対する効果が小さい。安定剤の配合量は所望の安定効果を奏する範囲でできるだけ少量であるのが好ましく、通常は5重量部以下である。5重量部を超えても効果は大きくならず、且つホスファイト系化合物及びホスフォナイト系化合物の場合にはモールドデボジットが発生する場合があるので好ましくない。
本発明の樹脂組成物には、さらに難燃性を賦与するため難燃剤を配合するのも好ましい。難燃剤としては、通常は分子中に5価のリン原子を含むリン酸エステル化合物を用いるのが好ましい。リン酸エステル化合物はいくつか併用してもよい。
リン酸エステル化合物の具体例としては、フェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、クレジル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・クレジル・レゾルシン・ポリホスフェート、キシリル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル−p−tert−ブチルフェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、クレジル・キシレル・レゾルシン・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ジイソプロピルフェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)等の縮合リン酸エステル化合物が挙げられる。さらに、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニル−2−エチルクレジル、リン酸トリ(イソプロピルフェニル)、メチルホスホン酸ジフェニルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、リン酸ジフェニルクレジル、リン酸トリブチル等が挙げられる。これらの化合物は、公知の方法で、オキシ塩化燐等から製造することができる。
リン酸エステル化合物は、(A)樹脂材料100重量部に対して、通常は1重量部以上配合するが、所望の効果を奏する範囲で少量配合するのが好ましい。通常は30重量部以下で配合する。配合量が多すぎると荷重撓み温度が低下したり、金型汚染が発生する場合があるので好ましくない。リン酸エステル化合物の好ましい配合量は、(A)樹脂成分100重量部に対して、5〜25重量部である。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて更に樹脂組成物に常用の他の成分を配合できる。このような成分としては、耐侯性改良剤、発泡剤、滑剤、流動性改良剤、耐衝撃性改良剤、染料、顔料、(B)成分以外の充填材又は補強材、分散剤等が挙げられる。これらも所望の効果を奏する範囲でできるだけ少量の配合に止めるのが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物の製法として一般的な溶融混練法により製造できる。例えば、(A)樹脂材料及び(B)薄片状高誘電材料を、所望により配合されるその他の成分と共に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー、ラボプラストミル(ブラベンダー)等で溶融混練することにより製造できる。各成分は混練機に一括でフィードしても、順次フィードしてもよく、またいくつかの成分を予め混合したり、予め混合することなく、混練途中で供給したりすることもできる。各成分を予め混合する場合は、混合による(B)薄片状高誘電材料の破砕ができるだけ少ないように、混合時間や回転数を調整することが好ましい。また、より誘電率の高い樹脂組成物を製造するには、被覆組成物が破砕されないようにすることが重要であり、例えば、二軸混練押出機を用いて溶融混練する場合には、被覆組成物を押出機の途中から供給する、いわゆるサイドフィードをするのも好ましい。
混練温度と混練時間は、樹脂組成物の組成や混練機の種類等の条件により、任意に選ぶことができるが、通常は混練温度は200〜350℃、好ましくは220〜320℃であり、混練時間は20分以下が好ましい。350℃又は20分を超えると、樹脂材料が熱劣化して、成形品の物性の低下や外観不良を生じることがある。
このようにして得られた誘電体用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に一般的に用いられる成形法、例えば、射出成形法、押出成形法、中空成形法、熱成形法、プレス成形法等を使用して成形品とすることができる。中でも、生産性、製品性能の観点から、射出成形法が好ましい。
本発明の成形品は、上記に詳説した誘電体用樹脂組成物からなる成形品であって、成形品中の(B)薄片状高誘電材料の平均粒径と平均厚みの比(平均粒径/平均厚み)が5以上であることを特徴とする。平均粒径と平均厚みの比は、好ましくは8以上、より好ましくは13以上である。その上限は限定されるものではないが、通常は、300以下、好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である。
また、成形品中の(B)薄片状高誘電材料は、平均粒径が0.1〜50μmで、平均厚みが0.01〜3μmであることが好ましい。なかでも、平均粒径が1〜30μmで、平均厚みが0.03〜1μmであることがより好ましく、平均粒径が1〜25μmで、平均厚みが0.05〜0.8μmであることがより好ましい。なお、平均粒径とは、成形品を約2g採取し、空気中にて600℃に加熱し(B)薄片状高誘電材料以外の樹脂成分等を燃焼させて除去後、残った灰分中の薄片状高誘電材料を取得し、得られた薄片状高誘電材料からランダムに選んだ500個の試料の長径(試料外周の任意の2点を結んだ線分のうち、最も長い線分が得られる2点を結ぶ直線)を電子顕微鏡で測定した、その算術平均を意味する。また平均厚みとは、樹脂組成物について、薄片状高誘電材料の厚み方向の端面が露出するようにその断面を研磨し、ランダムに選んだ500個の試料の厚みを電子顕微鏡で測定した、その最も厚い部分の厚みの算術平均を意味する。
例えば、射出成形において、(B)薄片状高誘電材料を破砕しないように、成形品中の平均粒径と平均厚みの比を5以上とする方法としては、例えば、射出成形機のスクリュー構成、スクリューやシリンダー内壁の加工、ノズル径、金型構造等の成形機条件の選択、可塑化、計量、射出時等の成形条件の調整、成形材料への他成分の添加等、種々の方法が挙げられる。
射出成形機としては、例えば、未溶融樹脂に急激な剪断をかけないようにスクリュー構成がより緩圧縮なタイプのスクリューを採用する方法や、インラインスクリュータイプ成形機においては、スクリュー先端の逆流防止リング等のクリアランスを大きくする方法等が採用できる。
成形条件の調整においては、特に、高剪断速度での可塑化や射出を回避する必要がある。本発明においては、可塑化、計量、射出時の条件として、例えば、シリンダー温度、背圧、スクリュー回転数、射出速度等を調整することが好ましい。また、成形材料に他成分、例えば、滑剤を添加し射出成形時の樹脂溶融粘度を下げる方法や、可塑剤を添加して樹脂流動性を改善する方法等も有効である。
該滑剤及び可塑剤としては、例えば、ステアリン酸金属塩やモンタン酸金属塩等の脂肪酸金属塩、脂肪族炭化水素化合物、高級アルコール、アミド化合物、エステル化合物等が挙げられ、これらを機械物性に大きな影響を与えない範囲で添加することが好ましい。該滑剤や可塑剤の配合量は、例えば、(A)樹脂材料100重量部に対し0.01〜5重量部が好ましく、0.01〜2重量部がより好ましい。該滑剤、可塑剤は、上記誘電体用樹脂組成物ペレットの製造時に添加してもよいし、上記樹脂組成物ペレットにドライブレンドして成形に供してもよい。
本発明の誘電体用樹脂組成物を成形してなる成形品は、GHz帯域においても好適に使用することができ、周波数帯域が2.45GHzの場合においても高い比誘電率実部εを有しつつ、しかも、成形品の樹脂流動方向とその直角方向との比誘電率実部の比(流動方向の比誘電率実部/流動方向に直角方向の比誘電率実部)を小さく、具体的には、その比が0.9〜1.1とすることができる。しかも、高い誘電特性を維持しつつ、1.0×1012Ωcm以上、好ましくは1×1013Ωcm以上の体積抵抗率を有することができる。
従って、本発明の誘電体用樹脂組成物からなる成形品は、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ等の移動体通信機器や無線LANに用いられる誘電体アンテナ部品、特に、表面実装型誘導体アンテナ部品に好適である。
本発明の成形品を用いた誘導体アンテナとしては、例えば、本発明の誘電体用樹脂組成物からなる成形品に金属導体を挟んだ平行平板状のアンテナ、あるいはマイクロストリップライン型のアンテナ、本発明の誘電体用樹脂組成物成形品の表面にコの字のように屈曲した電極を配置した表面実装型アンテナが挙げられる。
上記のような誘導体アンテナに使用される成形品としては、例えば、長辺が3〜5cm、短辺が0.1〜1cmで、厚みが2mm以下の平板状(リブを有していてもよい)、箱型状のもの等が挙げられる。特に、射出成形法により成形品を製造する場合、射出成形時の剪断による比誘電率の異方性は、成形品の厚みが薄い場合に顕著である。従って、このような比誘電率の異方性が生じ易い成形品の厚みが薄い場合、具体的には厚み1mm以下である場合に、本発明の効果がより発揮される。さらに、本発明の樹脂組成物は、前記のような比誘電率に異方性が生じ難いため、比誘電率の異方性を考慮した部材(形状、ゲート位置等)の設計、成形条件の設定等の制限が少なく、広範囲の用途に適用可能である。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、原料としては下記のものを用いた。
(A)樹脂材料
(a−1)ポリフェニレンエーテル樹脂;
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品、「商品名:PX100L」、クロロホルム中で測定した30℃の固有粘度0.47dl/g
(b−1)ポリスチレン樹脂;
ポリスチレン樹脂、日本ポリスチレン社製、「商品名:HF−77」、重量平均分子量 220,000
(B)薄片状高誘電材料
(B−1)ルチル型酸化チタン被覆天然マイカ;
日本光研工業(株)製、「商品名:パールグレーズMG−2100R」、粒子径 10〜60μm、平均粒径 35μm、平均厚み0.5μm、酸化チタン被覆層の平均厚み 0.145μm。平均粒径/平均厚み 70。被覆組成物中の両面の被覆層の厚みの合計割合 58%。被覆層ルチル型酸化チタンの比誘電率100。
(B−2)ルチル型酸化チタン被覆天然マイカ;
日本光研工業(株)製、「商品名:パールグレーズMG−100RL」、粒子径 10〜125μm、平均粒径 68μm、平均厚み0.3μm、酸化チタン被覆層の平均厚み 0.0725μm。平均粒径/平均厚み 227。被覆組成物中の両面の被覆層の厚みの合計割合 48%。被覆層ルチル型酸化チタンの比誘電率100。
(B−3)ルチル型酸化チタン被覆合成マイカ;
日本光研工業(株)製、「商品名:パアルティミカGE−100」、粒子径 10〜125μm、平均粒径 68μm、平均厚み0.5μm、酸化チタン被覆層の平均厚み 0.145μm。平均粒径/平均厚み 136。被覆組成物中の両面の被覆層の厚みの合計割合 58%。被覆層ルチル型酸化チタンの比誘電率100。
(B−4)ルチル型繊維状酸化チタン;
石原産業(株)製、「商品名:FTL−300」、平均直径0.4μm、平均繊維長5μm、平均アスペクト比(平均繊維長/平均直径)12.5、比誘電率100
(B−5)ルチル型粒子状酸化チタン;
石原産業(株)製、「商品名:PC−3」、平均粒径180nmの粒状酸化チタン、比誘電率100
(B−6)アナターゼ型酸化チタン;
粒子径 5〜30μm、平均粒径 20μm、厚み0.05〜0.1μm、平均厚み0.075μm、平均粒径/平均厚み 267、比誘電率50
(C)安定剤
(C−1)2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;
住友化学工業(株)社製、「商品名:スミライザーBHT」
(C−2)テトラキス(2,4―ジ−tert−ブチルフェニル)[1、1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト;
チバスペシャルティケミカル社製、「商品名:IRGAFAS P−EPQ」
(D)離型剤
(D−1)低分子量ポリエチレン;
三洋化成工業(株)社製、「商品名:サンワックス151−P」、平均分子量約2,000
[実施例1〜9、参考例1、比較例1〜2]
表1に示す重量割合で各原料を配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合したのち、二軸押出機(池貝社製「PCM30」、スクリュー径30mm、L/D=42)の上流部分に投入し、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数150rpmにて溶融混練して樹脂組成物をペレット化した。
得られた樹脂組成物ペレットを80℃×4時間乾燥させた後、下記(1)〜(5)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)比誘電率
射出成形機(住友重機械工業製「SH100」、型締め力100t)を用い、シリンダー温度290℃〜310℃、金型温度100℃の条件にて、縦100×横100×厚み2mmのキャビテイを有する金型に一辺からフィルムゲートにて溶融樹脂を射出して、縦100×横100×厚み2mmの成形品を製造した。この成形品の流動方向又はその直角方向が長手方向となるように、成形品を幅0.5mmに機械切削し、縦100×横0.5×厚み2mmの棒状成形品に加工した。この棒状成形品を用い、アジレントテクノロジー(株)製「ネットワークアナライザN5230A」に、関東電子応用開発(株)製「2.45GHz帯用円筒型空洞共振器CP481」を組み合わせた誘電率測定装置を用いて、樹脂流動方向とその直角方向の比誘電率実部及び誘電正接をそれぞれ測定した。
(2)体積抵抗率
上記の方法で得られた、縦100×横100×厚み2mmの成形品について、デジタル超高抵抗/微少電流計(ADVANTEST社製「R8340」)及びレジスティビティ・チエンバー(ADVANTEST製「R12704」)を用いて、体積抵抗率を測定した。
(3)密度
上記の方法で得られた縦100×横100×厚み2mmの成形品から約2gを切り出して、ISO1183のA法(水中置換法)により密度を測定した。
(4)平均粒径
上記の方法で得られた縦100×横100×厚み2mmの成形品から約2gを切り出し、600℃の電気炉(東洋製作所社製「電気マッフル炉KM−280」)内で(B)薄片状高誘電材料以外の成分を燃焼させて除去後、残った灰分中の薄片状高誘電材料を取得し、得られた薄片状高誘電材料からランダムに選んだ500個の試料の長径(試料外周の任意の2点を結んだ線分のうち、最も長い線分が得られる2点を結ぶ直線)を電子顕微鏡で測定し、その算術平均から平均粒径を求めた。
(5)平均厚み
上記の方法で得られた縦100×横100×厚み2mmの成形品について、薄片状高誘電材料の厚み方向の端面が露出するようにその断面を研磨し、ランダムに選んだ500個の試料の厚みを電子顕微鏡で測定し、その最も厚い部分の厚みの算術平均から平均厚みを求めた。
以下の表1から、実施例1〜の誘電体用樹脂成形品は、誘電体としての特性が優れていること、一方、本発明の(B)薄片状高誘電材料を含有しない比較例1及び2の成形品は、誘電体としての特性が劣ることが分かる。
Figure 0005470014

Claims (7)

  1. 少なくとも(A)樹脂材料を85〜20重量%と、(B)薄片状高誘電材料を15〜80重量%とを含み、
    (A)樹脂材料は、(a−1)ポリフェニレンエーテル樹脂と(a−2)ポリスチレン系樹脂とからなり、(A)樹脂材料中に占める(a−1)ポリフェニレンエーテル樹脂の比率が25〜75重量%であり、
    (B)薄片状高誘電材料が、(b−1)薄片状基質の表面上に(b−2)高誘電材料からなる平均厚み0.03μm以上の被覆層を有し、被覆層の厚みが両面の合計で(B)薄片状高誘電材料の平均厚みの30〜80%を占め、
    (b−2)高誘電材料の比誘電率が30以上であり、
    (b−1)薄片状基質が、マイカ、ガラスフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク及びタルクより成る群から選ばれたものであり、(b−2)高誘電材料の材質が、酸化チタン又はチタン酸金属塩である誘電体用樹脂組成物からなる成形品であって、
    成形品中の(B)薄片状高誘電材料は、平均粒径が0.7〜50μm、平均厚みが0.01〜3μm、平均粒径と平均厚みの比(平均粒径/平均厚み)が5以上であることを特徴とする成形品。
  2. 成形品中の(B)薄片状高誘電材料が、平均粒径が1〜30μm、平均厚みが0.03〜1μmであることを特徴とする、請求項1に記載の成形品。
  3. 被覆層の平均厚みが0.1μm以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形品。
  4. (a−2)ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂及びゴム成分含有スチレン樹脂よりなる群から選ばれたものであることを特徴とする、請求項1に記載の成形品。
  5. 大きさが、縦100mm、横100mm、厚み2mmの射出成形品であり、かつ、樹脂流動方向とその直角方向との比誘電率実部比(流動方向の比誘電率実部/流動方向に直角方向の比誘電率実部)が0.9〜1.1であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の成形品。
  6. 誘電体アンテナ部品である、請求項1ないし5のいずれかに記載の成形品。
  7. 少なくとも(A)樹脂材料85〜20重量%と、平均粒径と平均厚みの比(平均粒径/平均厚み)が50以上である(B)薄片状高誘電材料15〜80重量%とを溶融混練してなる誘電体用樹脂組成物を用い、該樹脂組成物を射出成形することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の成形品。
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