JP5469906B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、タイヤ、特に耐久性能に優れる空気入りタイヤに関するものである。
近年、トラックやバス等の重車輌においては、排ガス規制強化に伴う排ガス装置の追加や、キャビン内の利便を図る各種機器の車内導入が図られ、車内スペースが増加してきている。
これらを主な背景とし、とりわけ、今日のトラックやバス等の重車輌には、例えば、扁平率が40〜50%の扁平タイヤが広く使用されている。
一方、この種のタイヤは、耐摩耗性能を確保する観点から、カーカスのクラウン部に、タイヤの赤道に対して対称な傾斜角度で延びるコードによる少なくとも2層の傾斜ベルト層を、積層配置したベルトを有するのが通例である。こうすることで、タイヤ転動時におけるトレッドゴムのせん断変形を抑制し、トレッドの発熱及び摩耗を抑えるほか、駆動性能や制動性能を確保する。
このように、傾斜ベルト層は、タイヤの基本的な性能要求を満足するために必要であるが、上述したような扁平タイヤでは、内圧充填時の形状保持にあたって、従来の重荷重用タイヤに比べ、さらに大きな周方向剛性が必要とされ、また、トラックやバス等の荷重に耐えうるための耐久力も必要とされたため、傾斜ベルト層に加えて周方向ベルト層を追加配置している。
すなわち、傾斜ベルト層よりも周方向剛性に優れた周方向ベルト層を、当該傾斜ベルト層に重ねて配置してベルトを構成することによって、内圧充填によるタイヤの径方向成長を抑制している。このとき、傾斜ベルト層および周方向ベルト層の幅は異なっており、通常は、傾斜ベルト層を周方向ベルト層よりも幅広に配することによって、耐摩耗性能等を満足させている。
その他、扁平タイヤの耐久性能を向上させる方法として、例えば、特許文献1では、補強層の動きを抑制することで補強層の損傷および補強層とトレッドゴムとのセパレーションを抑制したタイヤが提案されている。
特開2006−160833号公報
しかし、このようなベルトを採用するタイヤでは、かかる傾斜ベルト層と周方向ベルト層間における周方向剛性および最大幅の違いから、タイヤ負荷転動時において、周方向ベルト層の幅方向端部付近において、両ベルト層間に周方向せん断歪が発生し、これを原因として、両ベルト層間に剥離が生じることがある。
この剥離現象はセパレーションと呼ばれており、タイヤの破裂を引き起こす要因となる。従って、タイヤの耐久性能を鑑みるにあたって、セパレーションの原因となる各ベルト層間に生じる周方向せん断歪を緩和させる必要がある。
そこで、本発明の目的は、前記の問題点を解決し、耐久性能に優れたタイヤを提供することにある。
前記目的を解決する本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)一対のビード間で、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外周上に、タイヤの赤道に沿って延びるゴム被覆コードのプライからなる、一層以上の周方向ベルト層と、タイヤの赤道に対して傾斜して延びるゴム被覆コードのプライからなる、二層以上の傾斜ベルト層とを具える空気入りタイヤであって、
前記周方向ベルト層に使用されるコードが波形の型付けを有し、
標準リムに取り付け、適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する内圧を充填した状態の該タイヤの幅方向断面において、
前記周方向ベルト層の幅方向端部における前記カーカスから、前記標準リムのリム径位置を通ってタイヤの回転軸と平行なビードベースラインに、垂線を下ろしたときの線分の長さが、周方向ベルト層の幅方向中心部における前記カーカスから、該ビードベースラインに垂線を下ろしたときの線分の長さ以上となることを特徴とした、空気入りタイヤ。
ここで、上記「標準リム」および「適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する内圧」とは、いずれも、タイヤに関する国際規格に準拠したものを言い、前記「タイヤに関する国際規格」とは、例えば、JATMA、TRAおよびETRTO等による規格を含むものとする。以下、上記「適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する内圧」を、標準内圧と記述する。
また、上記「カーカスから」とは、「カーカスのコードの軸心から」という意味であり、以下、同様の意味として扱う。さらに、上記「リム径」とは、タイヤをリムに装着したときの該リムの呼び径をいい、該リム径の位置を通って該タイヤの回転軸と並行な前記「ビードベースライン」は、該タイヤのビードヒールを通る。
(2)前記周方向ベルト層の周方向引張強さが、タイヤの赤道からタイヤの幅方向外側に向かうに従って小さくなる、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
ここで、上記「周方向引張強さ」とは、前記周方向ベルト層の周方向に歪0.05%を与えたときの最大引張荷重Fmaxを測定し、該最大引張荷重Fmaxを原断面積Aで除することによって、測定される応力σのことを言う。すなわち、σ=Fmax/Aで算出する。
(3)前記周方向ベルト層の幅方向端部から該周方向ベルト層の最大幅の10%内側までの部分における周方向引張強さが、該周方向ベルト層の幅方向中心部から該周方向ベルト層の最大幅の10%外側までの部分における周方向引張強さの、0.7倍以下である、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記周方向ベルト層の最大幅が、前記カーカスの最大幅の0.6倍以上である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記傾斜ベルト層の最大幅が、前記カーカスの最大幅の0.7倍以上である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記傾斜ベルト層におけるゴム被覆コードのタイヤの赤道に対する傾斜角度が、タイヤの赤道方向に対して40度以上である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
)標準リムに取り付け、内圧をゲージ圧で0kPaとした状態の前記タイヤの幅方向断面において、前記周方向ベルト層の幅方向端部におけるカーカスから、前記ビードベースラインに垂線を下ろしたときの線分の長さが、周方向ベルト層の幅方向中心部における前記カーカスから、該ビードベースラインに垂線を下ろしたときの線分の長さの、1.03倍以下である、上記(1)〜()のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によって、従来、タイヤの周方向ベルト層の端部付近から傾斜ベルト層にかけて発生していた周方向せん断歪を解消することができ、これにより、セパレーションの発生頻度を大幅に減少させ、耐久性能を向上させることができる。
本発明による空気入りタイヤの、内圧充填後における幅方向断面図である。 本発明による空気入りタイヤの、内圧充填前における幅方向断面図である。 Hs/Hc−歪(指数)線図である。
本発明に従う実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に従うタイヤ1をJATMA規格に定める標準リム6に取り付け、前記規格に定める標準内圧を充填した状態の幅方向断面図であり、図2は、本発明に従うタイヤ1をJATMA規格に定める標準リム6に取り付け、内圧をゲージ圧で0kPaとした状態の幅方向断面図である。
図1および図2に示すように、本発明に従うタイヤ1は、一対のビード2間でトロイド状に延びるカーカス3を具えており、かかるカーカス3のクラウン部の外周上に、タイヤの赤道に対して傾斜して延びるゴム被覆コードのプライからなる2層以上の傾斜ベルト層5と、タイヤの赤道に沿って延びるゴム被覆コードのプライからなる、1層以上の周方向ベルト層4とから成るベルト7を具える。
このタイヤ1を、図1に示すように、標準リム6に取り付け、標準内圧を充填した状態の該タイヤ1の幅方向断面において、周方向ベルト層4の幅方向端部におけるカーカス3からビードベースラインBLに垂線を下ろしたときの線分の長さHs(以下、カーカス高さHsと示す)が、周方向ベルト層4の幅方向中心部における前記カーカス3から該ビードベースラインBLに垂線を下ろしたときの線分の長さHc(以下、カーカス高さHcと示す)以上となることが肝要である。すなわち、HsとHcとが、Hc≦Hsの関係を満たす。
標準内圧充填時のタイヤのカーカス形状を上記のようにすることで、負荷転動時のショルダー部の変形を抑制し、もって該ショルダー域における周方向ベルト層4と傾斜ベルト層5間でのせん断歪の発生を低減する。ここで、図3に、Hs/Hcと前記歪との関係を調査した結果を示すように、Hs/Hcの値を大きくすることによって、前記歪が小さくなることがわかる。なお、図3に示す実験結果は、有限要素法(FEM)によるシミュレーションにおいて、タイヤに標準内圧を充填し、JATMA規格に定める最大負荷能力(標準荷重)を負荷し、転動させたときの歪を測定したものである。
一方、Hs/Hcの上限としては、Hs/Hc≦1.05とすることが好適である。この理由として、セパレーション抑制の観点において、Hs/Hcの値は高いほど良いが、この値が、1.05よりも大きい場合、タイヤのショルダー部における接地圧が増加するために、耐摩耗性能を損ねる可能性があるからである。
また、本発明にあっては、前記周方向ベルト層4の周方向引張強さが、幅方向断面におけるセンターラインCLからタイヤ1の幅方向外側に向かうに従って小さくなることが好適である。周方向ベルト層4の周方向引張強さをこのようにすることで、前記タイヤの標準内圧充填時に、Hc≦Hsの関係を満たすカーカス3の形状を確実に得ることが可能である。
さらに、本発明にあっては、前記周方向ベルト層4の幅方向端部から該周方向ベルト層4の最大幅の10%内側までの部分における周方向引張強さσsと、該周方向ベルト層4の幅方向中心部から該周方向ベルト層4の最大幅の10%外側までの部分における周方向引張強さσcとが、σs/σc=γとした場合に、γ≦0.7を満たすことが好適である。こうすることによって、HC≦Hsの関係を満たすカーカス3の形状をより確実に得ることができる。
加えて、本発明にあっては、前記周方向ベルト層4の最大幅Bwと、前記カーカス3の最大幅Smaxとが、Bw/Smax≧0.6を満たすことが好適である。周方向ベルト層4の最大幅Bwをカーカス3の最大幅Smaxの0.6倍未満とした場合、タイヤの形状保持が困難となり、耐久性能や耐摩耗性能等を損ねる可能性があるからである。また、タイヤの耐摩耗性能の観点から、より好適には、Bw/Smax≧0.7であるが、前記周方向ベルト層4の最大幅Bwを広げるに従い、変形の大きいショルダー部に近づき、前記歪を増幅させる可能性がある。そのため、該最大幅Bwは、タイヤの使用条件や要求性能等を考慮して決定する必要があり、その上限としては、Bw/Smax≦0.9である。
さらにまた、本発明にあっては、前記傾斜ベルト層5の最大幅Bw′と、前記カーカス3の最大幅Smaxとが、Bw′/Smax≧0.7を満たすことが好適である。傾斜ベルト層5の最大幅Bw′を、カーカス3の最大幅Smaxの0.7倍以上とすることによって、タイヤの耐摩耗性能を向上させることができる。とりわけ、本発明による、Hs/Hcとなるカーカス構造と組み合わせることによって、耐摩耗性能と耐久性能の両方を同時に向上させることが可能となり、従来品のタイヤに比してより優れた効果を発揮することができる。
加えてまた、本発明にあっては、前記傾斜ベルト層5におけるゴム被覆コードの、タイヤ1の赤道に対する傾斜角度が、40度以上であることが好適であり、さらに好適には、50度以上である。ゴム被覆コードの傾斜角度を上記範囲内とすることによって、傾斜ベルト層5のタイヤ幅方向における接地圧分布を均一にするとともに、幅方向剛性を確保できるため、より確実に耐摩耗性能および耐久性能を両立させることが可能となる。
また、本発明にあっては、前記周方向ベルト層4に使用されるコードは、波形の型付けを有する。かかるコードを周方向ベルト層4に適用すれば、コードの波長や波高を変化させることによって、ベルトの引張強さの制御が可能であるため、該ベルト幅方向の周方向引張強さ分布を上述の通りに抑制するのに便利である。
さらに、本発明にあっては、標準リムに取り付け、内圧をゲージ圧で0kPaとした状態の前記タイヤの幅方向断面において、周方向ベルト4端部におけるカーカス高さHs′と、周方向ベルト4の幅方向中心部におけるカーカス高さHc′とが、Hs′/Hc′=βとした場合、β≦1.03の関係を満たすことが好適である。なぜなら、1.03<βとなる場合、内圧を充填していない状態の本発明によるタイヤの外観と、製造段階における不具合によりタイヤの幅方向中心部が窪んだ形状で完成してしまった不良タイヤ、いわゆるバックリングを生じたタイヤの外観とが類似する。従って、製品検査段階における混同防止の観点からは、Hs′/Hc′は上記範囲にあることが好ましいと言える。
尚、上述したところは、本発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
図1および図2に示すところに従い、カーカス3クラウン部の外周上に、タイヤの赤道に対して傾斜して延びるゴム被覆コードのプライからなる傾斜ベルト層5−1と、タイヤの赤道方向に対して傾斜ベルト層5−1と対称の角度で延びるゴム被覆コードからなる傾斜ベルト層5−2を具え、さらに、タイヤの赤道に沿って延びる、正弦波状に型付けしたゴム被覆コードのプライからなる1層の周方向ベルト層4とを、具えて成るベルト7を持った供試タイヤを、サイズ355/50R22.5において試作した。その際、各供試タイヤのカーカス最大幅Smaxを339mmとし、周方向ベルト層4の幅BWおよび端部・中央部間の周方向引張強さの比σs/σc、傾斜ベルト層5−1および5−2の、幅および赤道方向に対しての角度を表1の通りとした。尚、引張強さは、前記波形コードの波長または波高を調整して、端部と中央部とで変化させた。
次に、かかるタイヤを、JATMA規格に定める、サイズ(11.75×22.5)の標準リムに取り付けてタイヤ車輪とし、前記規格に定める標準内圧であるゲージ圧900kPaを充填したときのセンターカーカス高さHc′、周方向ベルト端カーカス高さHs′およびHs′/Hc′並びにゲージ圧0kPaとしたときの、Hc、HsおよびHs/Hcを測定したので、併せて表1に示す。
かくして得られた供試タイヤのタイヤ車輪を、車軸に装着し、標準内圧900kPaを充填し、JATMA規格に定める最大負荷能力39.2kNを負荷した状態で、耐久性能および耐摩耗性能について評価したので、以下に図表を交えて説明する。
耐久性能はドラム試験機を使用した耐久性能試験において、一定速度60km/hで、30,000km走行後、タイヤの周方向ベルト層4および傾斜ベルト層5間に発生したセパレーションの長さを測定することにより評価した。
また、耐摩耗性能は、ドラム試験機を使用し、一定速度60km/hで、10,000km走行後の、トレッド端部の摩耗量を測定することにより評価した。
ここで、耐久性能および耐摩耗性能は、従来例タイヤの性能を100とし、その他のタイヤの数値を比較した指数値で表しており、これを表2に示す。尚、数値が大きいほど耐久性能および耐摩耗性能に優れている。
発明例タイヤ1は、従来例タイヤに対し、各ベルト層の幅および傾斜角度を変えずに、標準内圧充填時のカーカス形状が、本発明の要旨を満たすように試作したものである。ここで、表2に示す評価結果を見ると、発明例タイヤ1は、従来例タイヤに比べ耐久性能が大幅に向上していることがわかる。これは、負荷転動時におけるタイヤのショルダー部の変形が抑制され、該ショルダー域における周方向ベルト層と傾斜ベルト層間での歪を軽減することができたためである。
上記結果から、本発明によって、タイヤの耐久性能を向上できると言える。
発明例タイヤ2は、発明例タイヤ1の傾斜ベルト層5−2の幅を広げることによってさらに耐摩耗性能の向上を図ったものである。このとき、傾斜ベルト層5−1および5−2はともに、カーカス最大幅の0.7倍以上である。表2に示す評価結果を見ると、発明例タイヤ2は、発明例タイヤ1に比べ耐摩耗性能を大幅に向上している、さらに、従来例タイヤと比較すると、耐久性能および耐摩耗性能の両方に関して、向上した値を示していることがわかる。
上記結果から、本発明にあっては、傾斜ベルト層5が、カーカス最大幅Smaxの0.7倍以上であることが好適であると言える。
発明例タイヤ3は、発明例タイヤ2に対し、各ベルト層の幅および傾斜角度を変えずに、さらに、Hs/Hcの値が大きくなるように形成したものである。表2に示す評価結果を見ると、発明例タイヤ3は、発明例タイヤ2に比べ、さらに耐久性能を向上していることがわかる。従って、本発明にあっては、Hs/Hcの値が大きくなるほど耐久性能が向上すると言える。但し、発明例タイヤ3は、内圧をゲージ圧で0kPaとしたときのカーカス高さHs′およびHc′が、Hs′/Hc′≦1.03を満たさないため、製品検査段階における混同防止の観点からは、さらなる改良が必要である。
発明例タイヤ4は、発明例タイヤ2の周方向ベルト層4における周方向引張強さの比σs/σcなどを調整することによって、Hs′/Hc′≦1.03を満たしつつ、Hs/Hcの値を大きくし、耐久性能をさらに向上させることを図って製作したものである。このとき、発明例タイヤ4の周方向ベルト層4における周方向引張強さの比σs/σcは、σs/σc≦0.7を満たす。表2に示す評価結果を参照に、発明例タイヤ4と発明例タイヤ2を比較すると、発明例タイヤ4は、耐久性能および耐摩耗性能を大幅に向上していることがわかる。
上記結果から、タイヤの周方向ベルト層4における周方向引張強さの比がσs/σc≦0.7を満たすことによって、Hs′/Hc′≦1.03を満たしつつ、より高いHs/Hcの値を得ることができ、これによって、耐久性能および耐摩耗性能をさらに向上することが可能となる。従って、本発明にあっては、周方向ベルト層4の幅方向端部における周方向引張強さが、該周方向ベルト層4の幅方向中心部における周方向引張強さの、0.7倍以下であることが好適である。
また、発明例タイヤ4は、0.6≦BWを満たすものとしたタイヤである。周方向ベルト層4の幅を広くしたことにより、内圧によるタイヤのショルダー部の径方向成長を抑制でき、接地圧分布の均一性を向上できたため、耐摩耗性能についても優れた結果を示している。
このことから、本発明にあっては、周方向ベルト層4の幅BWが0.6≦BWを満たすことが、好適であると言える。
以上に記述したことから明らかなように、本発明によって、従来の空気入りタイヤにおいて主な課題点であった、耐久性能および耐摩耗性能を、大幅に向上することができる。
CL センターライン
BL ビードベースライン
1 空気入りタイヤ
2 ビード
3 カーカス
4 周方向ベルト層
5 傾斜ベルト層
6 リム
7 ベルト

Claims (7)

  1. 一対のビード間で、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外周上に、タイヤの赤道に沿って延びるゴム被覆コードのプライからなる、一層以上の周方向ベルト層と、タイヤの赤道に対して傾斜して延びるゴム被覆コードのプライからなる、二層以上の傾斜ベルト層とを具える空気入りタイヤであって、
    前記周方向ベルト層に使用されるコードが波形の型付けを有し、
    標準リムに取り付け、適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する内圧を充填した状態の該タイヤの幅方向断面において、
    前記周方向ベルト層の幅方向端部における前記カーカスから、前記標準リムのリム径位置を通ってタイヤの回転軸と平行なビードベースラインに垂線を下ろしたときの線分の長さが、周方向ベルト層の幅方向中心部における前記カーカスから、該ビードベースラインに垂線を下ろしたときの線分の長さ以上となることを特徴とした、空気入りタイヤ。
  2. 前記周方向ベルト層の周方向引張強さが、タイヤの赤道からタイヤの幅方向外側に向かうに従って小さくなる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記周方向ベルト層の幅方向端部から該周方向ベルト層の最大幅の10%内側までの部分における周方向引張強さが、該周方向ベルト層の幅方向中心部から該周方向ベルト層の最大幅の10%外側までの部分における周方向引張強さの、0.7倍以下である、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記周方向ベルト層の最大幅が、前記カーカスの最大幅の0.6倍以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記傾斜ベルト層の最大幅が、前記カーカスの最大幅の0.7倍以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記傾斜ベルト層におけるゴム被覆コードのタイヤの赤道に対する傾斜角度が、40度以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 標準リムに取り付け、内圧をゲージ圧で0kPaとした状態の前記タイヤの幅方向断面において、前記周方向ベルト層の幅方向端におけるカーカスから、前記ビードベースラ
    インに垂線を下ろしたときの線分の長さが、周方向ベルト層の幅方向中心部における前記
    カーカスから、該ビードベースラインに垂線を下ろしたときの線分の長さの、1.03倍
    以下である、請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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