JP5469549B2 - 熱電変換発電装置 - Google Patents

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本発明は、熱電変換モジュールを用いて高温側と低温側との間の温度差から発電する熱電変換発電装置に関する。
従来から、ゼーベック効果あるいはぺルチェ効果を利用して発電あるいは冷却に使用する熱電変換モジュールが知られている。この熱電変換モジュールは、一般に、アルミナなどのセラミックスからなる絶縁基板の間に、p型およびn型半導体からなる熱電変換素子を交互に直列に配列し、p型およびn型のそれぞれの熱電変換素子を電極で接続した構造を有する(例えば、特許文献1参照。)。
このような熱電変換モジュールを用いて発電を行う場合、高温側の熱源としては、工業炉や焼却炉、あるいはこれらの炉からの配管などが用いられ、熱電変換モジュールを炉や配管の外表面に取り付け、炉壁や配管の壁を介して高温熱源を取り出す他、炉や配管内に挿入するなどして、内部の高温熱源(高温ガスなど)を直接取り出す場合もある。発電出力、発電効率を高める観点からは、後者の方法が好ましい。
しかしながら、後者では、熱電変換モジュールに高温熱源が直接接触するため、熱電変換モジュールが損傷乃至変形するおそれがあった。すなわち、例えば、高温熱源が窒素を含有する高温ガスからなり、熱電変換モジュールの絶縁基板にアルミナが使用されていると、アルミナが窒素ガスによって分解されるおそれがある。
そこで、かかる問題を解決するため、熱電変換モジュールを高温熱源の影響を受けない保護ケースに収容することが検討されている。しかし、この場合、高温熱源からの熱が熱電変換モジュールに効率良く流入されるよう、保護ケース内に熱伝導性の良好な材料を充填する必要がある。この結果、熱電変換モジュール、保護ケースおよび充填材の温度が上昇し熱膨張した際に、熱電変換モジュールに過度の応力が集中して破損するおそれがあった。
このように、熱電変換モジュールを保護ケースに収容することによって、熱電変換モジュールに高温熱源が直接接触することによる問題は解消されるものの、保護ケース内に熱伝導性の良好な材料を充填することによる、熱電変換モジュールの破損という新たな問題を生じた。
特開2005−302783号公報
本発明はこのような従来技術の課題に対処してなされたもので、熱電変換モジュールを保護ケースに収容し、保護ケースを介して高温熱源からの熱が熱電変換モジュールに入熱されるように構成された熱電変換発電装置であって、高温熱源から熱電変換モジュールへ効率良く熱が流入されるとともに、熱電変換モジュールの破損や変形、およびこれに伴う特性の劣化を発生することのない熱電変換発電装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の熱電変換発電装置の第1の態様は、高温熱源と低温熱源の間に配置され、これらの温度差を利用して発電出力を得る熱電変換モジュールを備えた熱電変換発電装置であって、前記熱電変換モジュールを保護ケースに収容するとともに、前記ケース内の空隙に充填材を充填し、これらのケースおよび充填材を介して前記熱電変換モジュールが前記高温熱源および低温熱源と接するように構成された熱電変換発電装置において、前記充填材は、熱電変換モジュールの外周面を覆う第1の充填材と、前記第1の充填材を覆う、前記第1の充填材と弾性率(860℃)の異なる第2の充填材とを含むことを特徴としている。
本発明の熱電変換発電装置の第2の態様は、第1の態様において、第1の充填材の弾性率(860℃)が第2の充填材の弾性率(860℃)より小さいことを特徴としている。
本発明の熱電変換発電装置の第3の態様は、第2の態様において、第1の充填材の弾性率(860℃)が140〜210GPaの範囲にあり、第2の充填材の弾性率(860℃)が240〜510GPaの範囲にあることを特徴としている。
本発明の熱電変換発電装置の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記第2の充填材を覆う、前記第2の充填材と弾性率(860℃)の異なる第3の充填材を含むことを特徴としている。
本発明の熱電変換発電装置の第5の態様は、第4の態様において、第3の充填材の弾性率(860℃)が第2の充填材の弾性率(860℃)より小さいことを特徴としている。
本発明の熱電変換発電装置の第6の態様は、第5の態様において、第3の充填材の弾性率(860℃)が140〜210GPaの範囲にあることを特徴としている。
本発明の熱電変換発電装置の第7の態様は、第1乃至第6の態様のいずれかにおいて、前記保護ケースは、アルミナセメント、金属およびセラミックスの群より選択される1種からなることを特徴としている。
本発明の熱電変換発電装置の第8の態様は、第1乃至第6の態様のいずれかにおいて、前記保護ケースは、炭化ケイ素粒子、窒化アルミニウム粒子および窒化ケイ素粒子の群より選択される少なくとも1種を含有するアルミナセメントからなることを特徴としている。
本発明の熱電変換発電装置の第9の態様は、第1乃至第8の態様のいずれかにおいて、高温熱源が高温流体であり、前記保護ケースと直接接していることを特徴としている。
本発明の一態様に係る熱電変換発電装置によれば、高温熱源から熱電変換モジュールへ効率良く熱を流入させることができるとともに、熱電変換モジュールや保護ケースの破損や変形も防止することができる。
本発明の一実施形態による熱電変換発電装置の構成を示す断面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 本発明の熱電変換発電装置に使用される保護ケースの一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、それらの図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。
図1は本発明の一実施形態による熱電変換発電装置の構成を示す断面図、図2はそのII−II線に沿う断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の熱電変換発電装置1は、有底円筒状の保護ケース2と、この保護ケース2内に所定のクリアランスを持って収容された1個乃至複数個の熱電変換モジュール3と、保護ケース2内の空隙部を埋め、熱電変換モジュール3を保護ケース2内に保持固定する充填材4とを有している。
熱電変換モジュール3は、図示は省略したが、p型およびn型の半導体からなる熱電変換素子を交互に平面状に配列し、p型およびn型の素子を対として電極で直列に接続するとともに、これらを2枚の、アルミナなどのセラミックスからなる絶縁基板で挟持した構造を有する。
熱電変換素子は、特に限定されるものではないが、耐熱性が高く、1000℃近い高温雰囲気でも安定して動作させることができる点から、酸化物系半導体からなるものが好ましい。具体的には、p型酸化物系半導体として、例えば、ナトリウムコバルト酸化物、カルシウムコバルト酸化物、カルシウムビスマスコバルト酸化物などが使用される。また、n型酸化物系半導体としては、例えば、酸化亜鉛、ランタンニッケル酸化物、カルシウムマンガン酸化物、ストロンチウムチタン酸化物などが使用される。
なお、図1の例では、熱電変換モジュール3として、縦110mm、横60mm、厚さ0.5mmで、24対の熱電変換素子を備え、かつ絶縁基板がアルミナからなる熱電変換モジュールが使用されている。そして、このような熱電変換モジュール3が厚さ方向に8個積層されて保護ケース2内に収容されている。
また、保護ケース2は、一端を開口した円筒部2aと、その開口端に設けられたフランジ部2bとから構成されている。後述するように、このフランジ部2bにより、円筒部2aが高温熱源5となる高温流体、例えば高温ガスの雰囲気を形成している炉6内に保持固定される。また、このフランジ部2bには低温熱源7となる冷却ユニットも取り付けられるようになっている。
保護ケース2を形成する材料としては、高温流体によって変形したり破損することのない耐熱性に優れた材料であれば特に制限されることなく使用されるが、高温熱源5からの熱を効率よく熱電変換モジュールに伝達するため、熱伝導性に優れ、かつ熱電変換モジュール3に加わる応力をできるだけ小さくするため、熱膨張率の小さいものが好ましい。具体的には、例えば、炭化ケイ素粒子、窒化アルミニウム粒子、窒化ケイ素粒子などの熱伝導率の高い粒子の1種以上を含むアルミナセメント材料などが好ましく使用される。
なお、図1の例では、保護ケース2は、炭化ケイ素粒子を含むアルミナセメント材料により、肉厚7mm、円筒部内径90mm、円筒部長さ230mmに形成されている。
さらに、このような保護ケース2内の空隙部を埋める充填材4は、熱電変換モジュール3の外周面を覆う第1の充填材4aと、第1の充填材4aの外周面を覆う、第1の充填材4aと異なる弾性率(860℃)を有する第2の充填材4bとから構成されている。なお、本明細書中、充填材の「弾性率」というときは、特に明示しない限り、「860℃における弾性率」をいう。このように弾性率の異なる充填材を用いて2層に形成することにより、第1の充填材4aおよび第2の充填材4bのうちの弾性率の小さい方の充填材が、温度が上昇した際に熱電変換モジュール3に加わる応力を吸収して緩和する応力緩和層として機能するため、熱電変換モジュール3の応力による破損や変形が防止される。
温度上昇時の応力を緩和する効果の点からは、第1の充填材4aの弾性率が第2の充填材4bの弾性率より小さいことが好ましく、この場合、第1の充填材4aの弾性率が140〜210GPaの範囲にあり、第2の充填材4bの弾性率が240〜510GPaの範囲にあるとより好ましい。
第1および第2の充填材4a,4bとして使用される材料としては、耐熱温度の高いセラミックス系接着剤や金属ペーストなどが使用される。セラミックス系接着剤としては、例えば、(株)日本セラテック製のアルミナセラミックス(ベース:アルミナ、耐熱温度1200℃、熱膨張係数8.5×10−6/℃、熱伝導率2.50W/m・K、弾性率390GPa);(株)フェローテックセラミックス製の低熱膨張セラミックス(ベース:アルミナ、耐熱温度1300℃、熱膨張係数2.9×10−6/℃、熱伝導率2.60W/m・K、弾性率290GPa);(株)オーテック製のパイロパテ1500(ベース:エポキシレジン、耐熱温度1260℃、熱膨張係数3.2×10−6/℃、熱伝導率2.72W/m・K、弾性率200GPa);鐘通(株)製のResbondTM989(ベース:アルミナ、耐熱温度1640℃、熱膨張係数8.1×10−6/℃、熱伝導率2.16W/m・K、弾性率280GPa)、ResbondTM904(ベース:ジルコニア、耐熱温度2200℃、熱膨張係数7.4×10−6/℃、熱伝導率2.16W/m・K、弾性率320GPa)、ResbondTM919(ベース:マグネシア、耐熱温度1530℃、熱膨張係数4.7×10−6/℃、熱伝導率0.58W/m・K、弾性率350GPa)、ResbondTM940(ベース:ジルコン、耐熱温度1090℃、熱膨張係数8.1×−6/℃、熱伝導率1.15W/m・K、弾性率380GPa)、ResbondTM940LE(ベース:シリカ、耐熱温度1370℃、熱膨張係数0.7×10−6/℃、熱伝導率0.72W/m・K、弾性率400GPa)、ResbondTM931(ベース:グラファイト、耐熱温度2980℃、熱膨張係数7.4×10−6/℃、熱伝導率8.64W/m・K、弾性率380GPa)、DurabondTM950(ベース:アルミニウム粉、耐熱温度650℃、熱膨張係数18.0×10−6/℃、熱伝導率6.34W/m・K、弾性率300GPa)、DurabondTM952(ベース:ニッケル粉、耐熱温度1090℃、熱膨張係数7.2×10−6/℃、熱伝導率7.20W/m・K、弾性率330GPa)、DurabondTM954(ベース:ステンレス粉、耐熱温度1090℃、熱膨張係数18.0×10−6/℃、熱伝導率1.44W/m・K、弾性率350GPa)、DurabondTM7032(ベース:ステンレス粉、耐熱温度1090℃、熱膨張係数16.2×10−6/℃、熱伝導率2.54W/m・K、弾性率280GPa)、ResbondTM907F(ベース:アルミノシリケート、耐熱温度1280℃、熱膨張係数17.1×10−6/℃、熱伝導率0.86W/m・K、弾性率300GPa)、ThermeezTM7030(ベース:シリカ、耐熱温度980℃、熱膨張係数13.5×10−6/℃、熱伝導率1.20W/m・K、弾性率310GPa)、ResbondTM901(ベース:アルミノシリケート、耐熱温度1260℃、熱膨張係数7.2×10−6/℃、熱伝導率0.29W/m・K、弾性率280GPa)、ThermeezTM7020(ベース:アルミナ、耐熱温度1650℃、熱膨張係数8.3×10−6/℃、熱伝導率0.09W/m・K、弾性率270GPa)(以上、商品名)などが挙げられる。また、金属ペーストとしては、京セラケミカル(株)製のCT212H(耐熱温度1300℃、熱膨張係数13.0×10−6/℃、熱伝導率1.30W/m・K、弾性率280GPa)(商品名)などが挙げられる。これらの材料の中から、前述した条件を満足するものを適宜選択して使用される。
なお、セラミック系接着剤および金属ペーストの耐熱温度は、硬化サンプルを24時間放置した際に重量と体積に変化が観測されない温度であり、熱膨張係数は、ASTM D 296に準拠して測定された値であり、熱伝導率はASTM D 2214に準拠して測定された値である。また、弾性率は、JIS R 1602に準拠して測定された値である。
第1および第2の充填材4a,4bとしては、上記の材料のなかでも、熱伝導性に優れたものが好ましく、また、熱電変換効率の点からは、絶縁性を有するものが好ましい。熱伝導性に優れたものを使用することにより、高温熱源5からの熱を効率よく熱電変換モジュール3に伝達することができる。また、絶縁性を有するものを使用することにより、外部への電気の放出を防止することができる。
図1の例では、第1の充填材4aは、セラミックス系接着剤により約4mm厚さに形成されており、第2の充填材4bにも、セラミックス系接着剤が使用されている。
本実施形態の熱電変換発電装置1を使用するにあたっては、図1に示すように、保護ケース2の円筒部2aを、高温熱源5となる高温流体、例えば高温ガスの雰囲気を形成している炉6内に挿入し、フランジ部2bを炉壁6aに固定する一方、フランジ部2bに低温熱源7となる冷却ユニットを取り付ける。高温熱源5からの熱は、保護ケース2、第2の充填材4b、第1の充填材4a、熱電変換モジュール3、第1の充填材4a、および第2の充填材4bを経て、低温熱源7に伝熱される。
本実施形態の熱電変換発電装置1においては、保護ケース2内の空隙部が第1の充填材4aおよび第2の充填材4bによって充填されているので、高温熱源5からの熱は、保護ケース2、第2の充填材4bおよび第1の充填材4aを経て熱電変換モジュール3に効率よく入熱される。このため、効率の良い発電が可能となり、高い発電出力を得ることができる。
しかも、熱電変換モジュール3はその外周面が、異なる弾性率を有する第1および第2の充填材4a,4bによって2層に包覆されているので、第1の充填材4aおよび第2の充填材4bのうちの弾性率の小さい方の充填材が、温度が上昇した際に熱電変換モジュール3に加わる応力を吸収して緩和する応力緩和層として機能する。このため、熱電変換モジュール3の応力による破損や変形も防止される。
なお、本発明においては、保護ケース2の形状は、特に円筒状に限らず、角筒状であってもよく、さらに、外形が断面矩形乃至多角形状で、熱電変換モジュール3が挿入される中空部分が断面円形状、あるいは、外形が断面円形状で、熱電変換モジュール3が挿入される中空部分が断面矩形乃至多角形状であるなど、外形と中空部分の形状が異なっていてもよい。しかし、外力や衝撃に対する抵抗力、製造の容易さなどの観点からは、円筒状が好ましい。
また、図3に示すように、例えば、円筒部2aの外周面に炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの熱伝導性の良好なセラミックスからなるフィン8を設けたり、あるいは、外周面に凹凸を設けたりするなどして、入熱面積を大きくするようにしてもよい。このように入熱面積を大きくすることにより、高温熱源からの入熱効率をより高めることができ、より大きな発電出力を得ることができる。
さらに、上記実施形態においては、保護ケース2内の空隙部を埋める充填材4は、熱電変換モジュール3の外周面を覆う第1の充填材4aと、第1の充填材4aの外周面を覆う、第1の充填材4aと異なる弾性率を有する第2の充填材4bとから構成されているが、第2の充填材4bの外側にさらに、第2の充填材4bと弾性率の異なる第3の充填材を配置するようにしてもよい。第2の充填材4bより弾性率の小さい第3の充填材を配置した場合には、熱電変換モジュール3のみならず、保護ケース2の応力による破損や変形も防止される。この場合、第3の充填材は、弾性率が140〜210GPaの範囲にあることがより好ましい。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜6)
図1に示す構造の熱電変換発電装置1を作製した。すなわち、熱電変換モジュール3として、縦110mm、横60mm、厚さ0.5mmで、24対の熱電変換素子を備え、かつ絶縁基板がアルミナからなる熱電変換モジュールを用い、これを8個厚さ方向に積層し、その外周に表1に示すような弾性率を有する第1の充填材4aを厚さ4mmに塗布した後、炭化ケイ素粒子を含むアルミナセメント材料からなる、肉厚7mm、円筒部内径90mm、円筒部長さ230mmの保護ケース2内に挿入した。次いで、保護ケース2の空隙部に、表1に示すような第2の充填材4bを充填した。
(実施例7〜10)
実施例1と同様の熱電変換モジュールを8個厚さ方向に積層し、その外周に表1に示すような弾性率を有する第1の充填材を厚さ4mmに塗布した後、その外周に表1に示すような弾性率を有する第2の充填材を厚さ5mmに塗布した、これを、実施例1と同様の保護ケース内に挿入した後、保護ケースの空隙部に、表1に示すような弾性率を有する第3の充填材を充填し、熱電変換発電装置を製造した。
た。
(比較例1〜3)
実施例1と同様の熱電変換モジュールを8個厚さ方向に積層し、これを、実施例1と同様の保護ケース内に挿入した後、保護ケースの空隙部に、表1に示すような弾性率を有する充填材を充填し、熱電変換発電装置を製造した。
なお、表1の実施例および比較例で用いた充填材は下記の通りである。
弾性率150GPaの充填剤:アルミナセラミックス
(ベース:アルミナ、耐熱温度1300℃、熱膨張係数8.2×10−6/℃、
熱伝導率2.40W/m・K)
弾性率180GPaの充填剤:アルミナセラミックス
(ベース:アルミナ、耐熱温度1280℃、熱膨張係数8.0×10−6/℃、
熱伝導率2.50W/m・K)
弾性率200GPaの充填剤:アルミナセラミックス
(ベース:アルミナ、耐熱温度1310℃、熱膨張係数7.8×10−6/℃、
熱伝導率2.35W/m・K)
弾性率230GPaの充填剤:アルミナセラミックス
(ベース:アルミナ、耐熱温度1310℃、熱膨張係数7.7×10−6/℃、
熱伝導率2.30W/m・K)
弾性率250GPaの充填剤:アルミナセラミックス
(ベース:アルミナ、耐熱温度1320℃、熱膨張係数7.6×10−6/℃、
熱伝導率2.13W/m・K)
弾性率300GPaの充填剤:アルミナセラミックス
(ベース:アルミナ、耐熱温度1290℃、熱膨張係数7.7×10−6/℃、
熱伝導率2.20W/m・K)
弾性率400GPaの充填剤:アルミナセラミックス
(ベース:アルミナ、耐熱温度1320℃、熱膨張係数7.8×10−6/℃、
熱伝導率2.11W/m・K)
弾性率500GPaの充填剤:アルミナセラミックス
(ベース:アルミナ、耐熱温度1310℃、熱膨張係数7.6×10−6/℃、
熱伝導率2.20W/m・K)
[特性評価]
得られた熱電変換発電装置を、図1に示すように、高温熱源として窒素ガス雰囲気(温度860℃)を形成している炉内に保持固定するとともに、保護ケースのフランジ部に低温熱源として冷却ユニット(温度240℃)を取付け、熱電変換モジュールの絶縁基板間の電圧(開放電圧)および出力値を測定した。
[外観]
熱電変換発電装置の動作を開始させてから5時間後に熱電変換発電装置を取り外し、熱電変換モジュールおよび保護ケースの破損や変形などの有無を調べ、下記の基準で評価した。
○:熱電モジュールおよび保護ケースの破損および変形なし
×:熱電モジュールおよび保護ケースに破損または変形有り
これらの結果を表1に示す。
Figure 0005469549
表1から明らかなように、本発明に係る実施例1〜10では、特性および外観において良好な結果が得られた。特に、実施例2、5、6、9、10においては、外観が良好で、かつ特性がさらに良好な結果が得られた。また、実施例7、8では、外観が良好で、かつ特性が極めて良好な結果が得られた。
1…熱電変換発電装置、2…保護ケース、2a…円筒部、2b…フランジ部、3…熱電変換モジュール、4…充填材、4a…第1の充填材、4b…第2の充填材、5…高温熱源、6…炉、6a…炉壁、7…低温熱源、8…フィン。

Claims (9)

  1. 高温熱源と低温熱源の間に配置され、これらの温度差を利用して発電出力を得る熱電変換モジュールを備えた熱電変換発電装置であって、
    前記熱電変換モジュールを保護ケースに収容するとともに、前記ケース内の空隙に充填材を充填し、これらのケースおよび充填材を介して前記熱電変換モジュールが前記高温熱源および低温熱源と接するように構成された熱電変換発電装置において、
    前記充填材は、熱電変換モジュールの外周面を覆う第1の充填材と、前記第1の充填材を覆う、前記第1の充填材と弾性率(860℃)の異なる第2の充填材とを含むことを特徴とする熱電変換発電装置。
  2. 第1の充填材の弾性率(860℃)が第2の充填材の弾性率(860℃)より小さいことを特徴とする請求項1記載の熱電変換発電装置。
  3. 第1の充填材の弾性率(860℃)が140〜210GPaの範囲にあり、第2の充填材の弾性率(860℃)が240〜510GPaの範囲にあることを特徴とする請求項2記載の熱電変換発電装置。
  4. 前記充填材は、前記第2の充填材を覆う、前記第2の充填材と弾性率(860℃)の異なる第3の充填材を含むことを特徴とする請求項2または3記載の熱電変換発電装置。
  5. 第3の充填材の弾性率(860℃)が第2の充填材の弾性率(860℃)より小さいことを特徴とする請求項4記載の熱電変換発電装置。
  6. 第3の充填材の弾性率(860℃)が140〜210GPaの範囲にあることを特徴とする請求項5記載の熱電変換発電装置。
  7. 前記保護ケースは、アルミナセメント、金属およびセラミックスの群より選択される1種からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の熱電変換発電装置。
  8. 前記保護ケースは、炭化ケイ素粒子、窒化アルミニウム粒子および窒化ケイ素粒子の群より選択される少なくとも1種を含有するアルミナセメントからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の熱電変換発電装置。
  9. 高温熱源が高温流体であり、前記保護ケースと直接接していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の熱電変換発電装置。
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