JP5464974B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真画像形成装置等の現像装置に関する。
近年の電子写真画像に対するより一層の高画質化への要求に対し、現像剤の微粒子化、球形化が進められている。しかし、現像剤の微粒子化、球形化が進むに連れて、現像剤担持体上での摩擦帯電量が不均一になり、現像特性が低下する場合がある。このような傾向は一成分現像剤において特に顕著である。かかる課題に対して、現像剤および現像剤担持体の双方から解決策が提案されている。すなわち、現像剤の側からの解決策として、特許文献1では、帯電安定性を目的としてハイドロタルサイト類を含有したトナーとして、Mg−Al系に2価金属(Zn等)の1種又は2種を追加した3元系又は4元系のハイドロタルサイト類を含有したトナーが提案されている。一方、現像剤担持体の側からの解決策として、特許文献2は、摩擦帯電量分布をより均一にするため、現像剤担持体の表面に荷電制御剤を含有させた樹脂層を設ける手法を開示している。
特許第2682331号公報 特開平08−030088号公報
本発明者らの検討の結果、特許文献1または2の現像装置に磁性一成分現像剤を使用した場合、電子写真画像に小さな白い斑点(白抜け)が発生することがあった。この現象は、特に濃度の高い電子写真画像を出力したときに顕著であった。本発明者らは、上記した課題の原因について検討を重ねてきた。その結果、電子写真画像への白い斑点の発生は、磁性一成分現像剤の摩擦帯電量が不均一であることに起因するものと推定した。つまり、磁性現像剤においては電荷のリークサイトである磁性体が現像剤粒子表面に存在する。そのため、現像剤の摩擦帯電量を高めた場合、帯電され易い箇所と帯電され難い箇所の電位差が大きくなり、現像剤が凝集し易くなる。その結果、現像剤の摩擦帯電量の不均一化が発生し、上記の現象を生じさせているものと考えられる。特許文献2に記載の現像剤担持体は、摩擦帯電均一化に有効であるものの、未だ改善の余地があると本発明者等は認識した。本発明の目的は、より高品位な電子写真画像を与える現像装置を提供することにある。
本発明に係る現像装置は、磁性一成分現像剤及び該現像剤を収容するための現像容器、前記現像剤を表面に担持し回転自在に保持された現像剤担持体、現像剤層厚規制手段を有している現像装置において、該磁性一成分現像剤が、現像剤粒子とハイドロタルサイト類化合物とを含有し、該現像剤粒子はスルホン酸基、スルホン酸塩基及びスルホン酸エステル基の少なくともいずれかを有する重合体(A)と磁性体と結着樹脂とを少なくとも含有し、該ハイドロタルサイト類化合物は該現像剤粒子の表面に存在しており、該現像剤担持体は、基体と該基体の表面上に形成された樹脂層とを有し、該樹脂層は結着樹脂、アクリル樹脂及び導電性粒子を含み、該アクリル樹脂は一般式(1)及び一般式(2)で表されるモノマー単位を少なくとも含有することを特徴とする:
Figure 0005464974
[式中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、炭素数8以上18以下のアルキル基を示す。]
Figure 0005464974
[式中、R3は水素原子又はメチル基、R4は炭素数1以上4以下のアルキレン基、R5〜R7のうち一つ又は2つ以上の基は炭素数4以上18以下のアルキル基、残りの基は炭素数3以下のアルキル基を示す。Xは、−COO−、−CONH−、−C64−のいずれかであり、A-は、アニオンを示す]。
本発明によれば、磁性一成分現像剤に対して迅速に均一かつ高い摩擦電荷を付与することができ、高品位な電子写真画像を形成することができる現像装置が提供される。
本発明の現像装置の一例の模式的断面図である。
本発明に係る現像装置は、磁性一成分現像剤及び該磁性一成分現像剤を収容するための現像容器、現像剤を表面に担持し回転自在に保持された現像剤担持体、該現像剤担持体上の現像剤量を規制するための現像剤層厚規制手段とを有している。
<現像剤担持体>
現像剤担持体は、基体と、該基体の表面上に形成された表面層としての樹脂層とを有する。樹脂層は、結着樹脂、一般式(1)及び(2)で表されるモノマー単位を有するアクリル樹脂及び導電性粒子を含有する樹脂組成物にて形成されている。
<樹脂層>
<結着樹脂>
結着樹脂には公知の樹脂が使用できる。樹脂層の耐久性及び環境安定性の点から熱硬化性樹脂が好ましい。耐摩耗性及び環境安定性に優れ、後述する本発明に係るアクリル樹脂との相溶性に優れることからフェノール樹脂が好ましい。
<アクリル樹脂>
アクリル樹脂は一般式(1)及び(2)で表されるエステル構造のモノマー単位と一般式(2)で表されるカチオン性のモノマー単位とを有する。
Figure 0005464974
上記式中、R1は水素原子またはメチル基を示す。R2は炭素数8以上18以下のアルキル基を示す。
Figure 0005464974
上記式中、R3は水素原子またはメチル基、R4は炭素数1以上4以下のアルキレン基を示す。R5〜R7から選ばれる一つ又は2つ以上の基は炭素数4以上18以下のアルキル基、残りの基は炭素数3以下のアルキル基を示す。Xは−COO−、−CONH−、−C64−の何れかであり、A-はアニオンを示す。
一般式(1)で表されるモノマー単位において、R1が水素またはメチル基であるので、重合を容易に行うことが可能となる。また、R2の炭素数が8以上18以下のアルキル基であることにより、結着樹脂中への、導電性粒子の分散性やアクリル樹脂の分散性が向上するため、樹脂層の抵抗値が均一となる。その結果、本発明の現像装置では現像剤のチャージアップが抑制され、現像剤に均一に摩擦帯電付与することができ、画像濃度を安定化させることが可能になる。R1がメチル基であって、R2がデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基のうちの何れかであることが好ましい。
一般式(2)で表されるモノマー単位において、R3が水素またはメチル基であるので重合を容易に行うことが可能となる。また、R4に炭素数1以上4以下のアルキレン基が導入されているため摩擦帯電サイトであるカチオンユニットが結着樹脂中に均一に存在し、現像剤に対して均一な摩擦帯電を付与し、さらに高温高湿下における帯電能の安定性がより向上する。更に、R5、R6、R7のうち一つ又は2つ以上の基は炭素数4以上18以下のアルキル基、その他の基は炭素数1以上18以下のアルキル基である。これにより、均一な摩擦帯電付与を行うことができる。特に、R5がオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基の中から選ばれるアルキル基であり、R6、R7がメチル基、エチル基、プロピル基の中から選ばれるアルキル基であることが好ましい。この結果、より均一な摩擦帯電付与を行うことが可能となる。R3がメチル基、R4がメチレン基またはエチレン基であって、R5、R6、R7の少なくとも一つの基がオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基の中から選ばれるアルキル基であることが好ましい。また、A-は、ハロゲン類、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸の如き無機酸類、カルボン酸、スルホン酸の如き有機酸類におけるアニオンである。特に、熱硬化性樹脂との相溶性からBr-、Cl-等のハロゲンが好ましい。またXは樹脂層中への導電性粒子の分散性を向上するために−COO−であることが好ましい。
このようなアクリル樹脂は、アクリルモノマー、スチレンモノマー、アミドモノマーのうち少なくとも第4級アンモニウム塩を有するいずれか1種のモノマーとアクリルモノマーとの共重合により製造することが出来る。アクリルモノマーとしては一般式(3)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0005464974
上記式(3)中、R1及びR2は、一般式(1)の場合と同様の基を示す。
第4級アンモニウム塩基を有するアクリルモノマー、スチレンモノマー又はアミドモノマーとしては、下記一般式(4)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 0005464974
上記式(4)中、R3〜R7、X及びAは、一般式(2)の場合と同様の基または化学種を示す。
アクリル樹脂は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の公知の重合法により製造できる。特に、反応制御の容易な溶液重合が好ましい。溶液重合においてはメタノール、エタノール、n−ブタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールの使用は、結着樹脂との相溶性を向上するため好ましい。その他、必要に応じてキシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の他の溶媒を混合してもよい。溶媒とモノマー成分の比は、溶媒100質量部に対してモノマー成分30質量部以上400質量部以下で重合を行うのが好ましい。アクリル樹脂の分子量は、1000以上100000以下、特には5000以上50000以下が好ましい。これにより、樹脂層中に導電性粒子をより均一に分散させることができる。
モノマー混合物を重合開始剤の存在下で不活性ガス雰囲気下、50以上100℃以下に加熱してすることにより重合させることができる。重合開始剤の例を以下に挙げる。t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)。重合開始剤は単独または2つ以上を組み合わせて用い得る。重合開始剤はモノマー溶液に添加して重合を開始してもよく、または未反応モノマーを低減するために重合開始剤の一部を重合の途中に添加してもよい。
紫外線や電子線の照射によって重合を促進させる方法も使用でき、これらの手法を組み合わせてもよい。重合開始剤の使用量は、分子量管理や反応温度抑制のためモノマー成分100質量部に対し0.05質量部以上30質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上15質量部以下である。重合反応の温度としては、使用する溶媒、重合開始剤、モノマー成分の混合組成に応じて設定することができるが、40℃以上150℃以下で行うのが好ましい。また、一般式(4)のモノマーは、4級化剤を用いて一般式(5)で表されるモノマーを4級化させたものを用い得る。
Figure 0005464974
式(5)中、R3は、水素原子、またはメチル基を示す。R5、R6はアルキル基を示す。R4は炭素数1以上4以下のアルキレン基を示す。Xは、−COO−、−CONH−、−C64−のいずれかである。
4級化剤の例を以下に挙げる。アルキルハライド(例えば、ブチルブロマイド、2エチルヘキシルブロマイド、オクチルブロマイド、ラウリルブロマイド、ステアリルブロマイド、ブチルクロライド、2エチルヘキシルクロライド、オクチルクロライド、ラウリルクロライド、ステアリルクロライド)、p−トルエンスルホン酸メチル、ジメチル硫酸、ヒドロキシナフタレンスルホン酸メチル。4級化剤の使用量は、一般式(5)で表される単量体1モルに対して、0.8モル以上1.0モル以下が4級化を十分に行い、且つ未反応の4級化剤を低減する点で好ましい。かかるモノマーの4級化はモノマーと4級化剤とを溶媒中60℃以上90℃以下に加熱することにより行うことができる。
また、一般式(3)式のモノマーと一般式(5)式のモノマーを共重合させた後に、さらに前記の4級化剤で4級化させることによって、所望の4級アンモニウム塩基含有アクリル共重合体を得ることもできる。さらに、一般式(5)式で表される単量体をメチルクロライドの如きアルキルハライドで4級化を行った後、一般式(3)式のモノマーと共重合させる。得られた第4級アンモニウム塩基含有アクリル共重合体を、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシナフタレンスルホン酸の如き酸で処理して対イオン交換を行い、目的のアニオン種とした第4級アンモニウム塩基含有アクリル共重合体とすることも可能である。アクリル樹脂中の各モノマー単位のモル組成比率は、アクリル系樹脂中の一般式(1)で表されるモノマー単位のモル組成比をa、一般式(2)で表されるモノマー単位のモル組成比をbとした時、b/(a+b)が0.50以上0.90以下であることが好ましい。b/(a+b)を0.50以上とすることにより、アクリル樹脂の負帯電付与特性が向上する。また、第4級アンモニウム塩構造によるイオン導電性の効果を向上できる為、現像剤への迅速な摩擦帯電付与特性が向上する。b/(a+b)を0.90以下とすることにより、結着樹脂に対しアクリル樹脂を均一に存在させることが可能となる。更に、樹脂層中に存在する導電性粒子の分散性を良好にすることもできる。なお、一般式(1)または(2)で表されるモノマー単位がアクリル樹脂中に複数種存在する場合、一般式(1)で表されるモノマー単位の合計組成比をa、一般式(2)で表されるモノマー単位の合計組成比をbとする。
アクリル樹脂はこれらのモノマー単位以外の他のモノマー単位を含有してもよい。アクリル樹脂中に含有する他のモノマー単位の含有率としては、アクリル樹脂を構成するモノマー単位総数[モル]の30モル%以下であることが好ましい。他のモノマー単位の含有率を30モル%以下とすることで、一般式(1)または(2)で表されるモノマー単位の導入による効果を得やすい。アクリル樹脂の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上40.0質量部以下とすることが好ましい。この範囲とすることによってアクリル樹脂の添加による摩擦帯電を均一且つ高めに制御する効果を更に発揮することができる。また、アクリル樹脂を結着樹脂中へ均一に存在させられるため、被膜強度が良好となる。
<導電性粒子>
導電性粒子としては金属(アルミニウム、銅、ニッケル、銀等)や導電性金属酸化物(酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム等)の微粉末、結晶性グラファイト、各種カーボンファイバー、導電性カーボンブラック等が挙げられる。特に、分散性及び電気伝導性に優れる導電性カーボンブラックおよび結晶性グラファイトが好ましい。導電性のアモルファスカーボンは、電気伝導性に特に優れまた塗料にした場合のチキソ性効果により分散安定性及び塗工安定性も良好である。
導電性粒子は2種以上混合して使用してもよい。また、導電性粒子の配合量は、結着樹脂100質量部に対して20質量部以上100重量部以下が好ましい。この範囲とすることで樹脂層の強度を損なうこと無く、抵抗値を所望のレベルとすることが可能となる。樹脂層の体積抵抗値は10-2Ω・cm以上103Ω・cm以下が好ましい。
<凹凸付与粒子>
樹脂層の表面に均一且つ適切な表面粗さを付与するために樹脂層中に凹凸付与粒子を添加してもよい。凹凸付与粒子としては球状のものが好ましい。球状粒子であることにより不定形粒子に比べ、より少ない添加量で所望の表面粗さが得られ、また均一な凹凸面が得られる。さらに、樹脂層表面が摩耗した場合でも表面粗さの変化を抑制することができるため、現像剤担持体上の現像剤担持量の変動を抑えられる。凹凸付与粒子としては樹脂粒子;アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸化錫などからなる酸化物粒子;炭素粒子;導電処理を施した樹脂粒子等の導電性粒子;イミダゾール化合物粒子等が挙げられる。イミダゾール化合物粒子は現像剤に摩擦帯電電荷を付与する役割も果たす。
凹凸付与粒子として用いる樹脂粒子の表面に、無機微粉末を付着または固着させたものを用いてもよい。凹凸付与粒子として用いる樹脂粒子の表面に対して無機微粉末で処理することにより塗料中への分散性、塗工表面の均一性を向上でき、現像剤への摩擦帯電付与性、現像剤担持体表面の耐汚染性や耐摩耗性及び機械的強度を向上させることができる。凹凸付与粒子として導電性の球状粒子を用いることもできる。球状粒子に導電性を持たせることによって、導電性樹脂層の体積抵抗値が均一化され、現像剤への摩擦帯電付与の均一化が達成される。
<基体>
基体には円筒状部材が好ましい。感光体ドラムに非接触の現像方法においては金属の如き剛体の円筒管若しくは中実棒が好ましく用い得る。基体にはアルミニウム、ステンレス鋼または真鍮等の非磁性の金属、これらの合金を円筒状あるいは円柱状に成型し、研磨、研削したものを用い得る。
<現像剤担持体の製造>
樹脂層は樹脂層形成用の材料を溶媒中に分散混合して塗料を調製し、これを現像剤担持体の基体上に塗布して形成できる。
<現像剤>
現像剤は負帯電性の一成分磁性現像剤であり、現像剤粒子とハイドロタルサイト類化合物とを含有する。現像剤粒子はスルホン酸基、スルホン酸塩基及びスルホン酸エステル基の何れかを有する重合体(A)と、磁性体と、結着樹脂とを少なくとも含有し、ハイドロタルサイト類化合物は現像剤粒子の表面に存在している。重合体(A)は荷電制御剤として現像剤粒子中に含有されている。重合体(A)とハイドロタルサイトは負摩擦帯電付与性に優れており、現像剤の摩擦帯電量を高く、均一にできる。
磁性現像剤において重合体(A)を単独で用いた場合、摩擦帯電量は高くできる。しかし、磁性現像剤に含有される磁性体が摩擦帯電のリークサイトとなるため、現像剤担持体上で現像剤の摩擦帯電が迅速に付与され難く、摩擦帯電量分布が不均一となり易い。特に現像剤層厚規制部材が現像剤担持体と当接するタイプの現像装置で採用した場合、その傾向が顕著に表れる。この結果、現像剤担持体上の現像剤の摩擦帯電量が不均一となり易く、画像上に白抜けが発生することがある。しかし現像剤粒子中に重合体(A)を含有させると共にハイドロタルサイト類化合物を現像剤粒子表面に存在させることで現像剤にリークサイトがあっても摩擦帯電の均一化が達成できる。
磁性現像剤においてハイドロタルサイト類化合物を単独で用いた場合、現像剤の摩擦帯電量は高く均一になる。しかし、更なる高画質を達成するためには不十分であり、重合体(A)と併用する必要がある。現像剤が重合体(A)を含有し、かつ、ハイドロタルサイト類化合物が外添されてなることで、磁性現像剤の摩擦帯電をより均一且つ高くすることができる。その結果、重合体(A)やハイドロタルサイト類化合物を単独で使用しただけでは発生し易い白抜けをあるレベルまで抑制することができる。
しかし重合体(A)とハイドロタルサイト類化合物を組み合わせた現像剤は、高温高湿下に数日間放置した場合には、摩擦帯電を迅速に立ち上がらせることが難しく、電子写真画像に白抜けが発生することがある。前記した特定のアクリル樹脂を含む現像剤担持体と上記の現像剤とを組み合わせることで帯電付与性能の向上が図られる。当該アクリル樹脂を含む現像剤担持体は、現像剤担持体それ自体で迅速、均一、高帯電付与性能を有し、特に、迅速帯電付与性に優れている。係る現像剤担持体と上記現像剤とを組み合わせることで、現像剤担持体からも摩擦帯電付与を迅速に行うことができ、現像剤に高摩擦帯電量で且つ、均一な摩擦帯電量分布を迅速に付与できる。そのため、高温高湿下に数日間放置した際でも白抜けの発生を抑制でき、画像特性が耐久性及び環境特性に優れた現像装置が得られる。
<重合体(A)>
重合体(A)に含有されるスルホン酸基、スルホン酸塩基、スルホン酸エステル基の単量体としては、アクリルアミドスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、マレイン酸アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体が挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリルアミドスルホン酸である。スルホン酸含有アクリルアミド単量体の例を以下に挙げる。2−アクリルアミドプロパンスルフォン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルフォン酸、2−アクリルアミド−n−ヘキサンスルフォン酸、2−アクリルアミド−n−オクタンスルフォン酸、2−アクリルアミド−n−ドデカンスルフォン酸、2−アクリルアミド−n−テトラデカンスルフォン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、2−アクリルアミド−2−メチルフェニルエタンスルフォン酸、2−アクリルアミド−2−(4−クロロフェニル)プロパンスルフォン酸、2−アクリルアミド−2−カルボキシメチルプロパンスルフォン酸、2−アクリルアミド−2−(2−ピリジン)プロパンスルフォン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルフォン酸、3−アクリルアミド−3−メチルブタンスルフォン酸、2−メタクリルアミド−n−デカンスルフォン酸、2−メタクリルアミド−n−テトラデカンスルフォン酸。特に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸は摩擦帯電性向上の点からより好ましい。
重合体(A)としては摩擦帯電性能のより一層の向上のために、スチレンモノマー及びアクリルモノマーとスルホン酸含有アクリルアミドモノマーとの共重合体(スルホン酸基含有共重合体)を用いることが好ましい。重合体(A)に用いられるスチレンモノマー及びアクリルモノマーとしては、ビニル系共重合体を生成する為のビニルモノマーから適宜選択できる。摩擦帯電性向上の点から、好ましくはスチレンとアクリル酸エステル、又は、スチレンとメタクリル酸エステルとの組み合わせが挙げられる。重合体(A)を合成する際に使用される重合開始剤としては、ビニル系共重合体を生成する際に使用される開始剤の中から適宜選択できるが、過酸化物開始剤がより好ましい。また、重合体(A)の合成方法としては特に制限はなく、溶液重合、懸濁重合、塊状重合の如き製造方法のいずれも使用可能であるが、低級アルコールを含む有機溶剤中で共重合させる溶液重合が結着樹脂との相溶性の点で好ましい。スチレンモノマー及びアクリルモノマーとスルホン酸含有アクリルアミドモノマーとの共重合質量比は、〔スチレンモノマー及びアクリルモノマー〕:〔スルホン酸含有アクリルアミドモノマー〕=98:2〜80:20が好ましい。これにより十分な摩擦帯電特性と環境安定性を得られる。
重合体(A)の酸価(mgKOH/g)は3.0以上80.0以下、特には5.0以上50.0以下、更には10.0以上40.0以下が好ましい。これにより、高温高湿下での水分の影響を受け難くし、環境特性がより優れたものとなる。重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は2000以上200000以下、特には17000以上100000以下、更には27000以上50000以下が好ましい。これにより現像剤の結着樹脂中での分散性が良好となり、摩擦帯電特性及び環境安定性がより向上する。
重合体(A)のガラス転移点(Tg)は30℃以上120℃以下、特には50℃以上100℃以下、更には70℃以上95℃以下が好ましい。これにより、現像剤の流動性を良好に維持でき、現像特性を良好となる。更に重合体(A)は、結着樹脂100質量部当り0.8質量部以上5.0質量部以下、特には0.9質量部以上4.5質量部以下、更には1.0質量部以上4.0質量部以下含有することが好ましい。これにより現像剤中の他材料との相溶性が良好に保たれ、特に低湿度環境下での過剰な摩擦帯電付与を抑制できる。現像剤中の重合体(A)の含有量はキャピラリー電気泳動法を用いて測定できる。
<ハイドロタルサイト類化合物>
現像剤は現像剤粒子の外添剤としてハイドロタルサイト類化合物を有している。ハイドロタルサイト類化合物の外添によって、摩擦帯電安定性に優れ、高画像濃度・潜像再現性を保持しつつ高品位で鮮鋭な画像が得られ、且つ広い転写ラチチュードが得られる。ハイドロタルサイト類化合物は特許第3862412号公報に開示されているように一般式(6)で表される。
Figure 0005464974
但し、0<x≦0.5、y=1−x、m≧0、M2+はMg、Zn、Ca、Ba、Ni、Sr、Cu及びFeから選ばれる金属イオン、M3+はAl、B、Ga、Fe、Co及びInから選ばれる金属イオン、A-はn価のアニオンである。nは(2y+3x−2)/xを満たす数値である。
一般式(6)において2価及び3価の金属は1種以上存在し、異なる元素を複数含有する固溶体でもよい。1価の金属を微量含んでいてもよい。また、An-(n価のアニオン)の具体例としてはCO3 2-、OH-、Cl-、I-、F-、Br-、SO4 2-、HCO3 -、CH3COO-、NO3 -が挙げられる。ハイドロタルサイト類化合物の比表面積は1.0m2/g以上、特には5.0m2/g以上が好ましい。ハイドロタルサイト類化合物は、表面処理剤によって疎水化処理を行うことが環境安定化を図る上で好ましい。表面処理剤としては、高級脂肪酸類、カップリング剤類、エステル類、シリコーンオイル類が使用可能である。ハイドロタルサイト類化合物は、現像剤100質量部に対して0.03質量部以上3質量部以下、特には0.1質量部以上1.0質量部以下添加されることが好ましい。これにより、ハイドロタルサイト類化合物を添加した効果が十分に発現し易く、環境安定性も良好となる。
ハイドロタルサイト類化合物としては、2価の金属イオンがMg2+、3価の金属イオンがAl3+である一般式(7)で表されるものが好ましい。一般式(7)中、0<x≦0.5、y=1−x、m≧0、An-はn価のアニオンを示す。
Figure 0005464974
<金属錯塩化合物(B)>
下記一般式(8)で表される金属錯塩化合物(B)を現像剤に含有させることが好ましい。金属錯塩化合物(B)自身が有する摩擦帯電付与能は重合体(A)よりも低い。しかし、全体の摩擦帯電量を下げることなく摩擦帯電量が過多となった現像剤粒子の摩擦帯電を好適に緩和し、現像剤全体として摩擦帯電量分布をより均一に保持させ得る。そのため、現像剤担持体上に存在する現像剤の摩擦帯電量がより均一となり、電子写真画像への白抜けの発生をより有効に抑制できる。
Figure 0005464974
式(8)中、Y1およびY2は各々独立に水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表わす。mおよびm’は1以上3以下の整数を表わす。R8およびR10は各々独立に水素原子、炭素数1以上18以下のアルキル、アルケニル、スルフォンアミド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロキシ、炭素数1以上18以下のアルコキシ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ基またはハロゲン原子を表わす。nおよびn’は1以上3以下の整数を表わす。R9およびR11は水素原子またはニトロ基を表わし、B+はH+、Na+、K+またはアンモニウムイオンを表わす。
金属錯塩化合物(B)は、ジアゾ化置換アミノフェノールと置換ナフトールとをカップリング反応させ、その後得られた生成物を硫化鉄の如き鉄塩と結合させることにより調製したものが好ましい。具体例としては、下記構造式(B−1)、(B−2)及び(B−3)に示す金属錯塩化合物が挙げられる。
これらの中でも、金属錯塩化合物(B−1)が、現像剤のチャージアップ抑制及び摩擦帯電量の均一化を図る上でより好ましい。金属錯塩化合物(B)は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上8.0質量部以下、特には0.1質量部以上6質量部以下含有されていることが好ましい。この範囲内に制御することで現像スリーブ上の現像剤の摩擦帯電量の均一化を容易に達成できる。
Figure 0005464974
<結着樹脂>
結着樹脂としてはビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が使用できる。特にビニル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ビニル樹脂を生成する為のビニル系モノマーとしては次の様なものが挙げられる。スチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸nブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nオクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル。更に結着樹脂としては、酸価が5.0mgKOH/g以上50.0mgKOH/g以下のものが好ましい。このような結着樹脂は、当該結着樹脂に対する金属錯塩化合物(B)の相溶性が向上する。即ち、金属錯塩化合物(B)が結着樹脂中でミクロドメインを形成する。また結着樹脂自身の電荷受容性が高まり、これらの相乗効果によって現像剤の摩擦帯電性の向上及び摩擦帯電量の均一化を図られる。酸価はJIS K−0070に基づき測定できる。
<磁性体>
磁性体には以下のものを用い得る。マグネタイト、マグヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niの金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、V等の金属との合金及びこれらの混合物。磁性体は着色剤として使用してもよい。
<現像剤粒子>
現像剤粒子は、フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下の現像剤粒子の平均円形度が0.945以上であることが好ましい。現像剤粒子の形状が球形に近いほど、摩擦帯電付与が均一に行われ易く、現像剤全体の摩擦帯電量を均一にでき、転写性も良好となる。球形化の方法としては以下の方法がある。撹拌羽根またはブレード、およびライナーまたはケーシングを有する装置で、現像剤をブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したり現像剤を球形化する方法。温水中に現像剤を懸濁させ球形化する方法。熱気流中に現像剤を曝し、球形化する方法。着色剤としては任意の適当な顔料または染料が挙げられる。現像剤には離型剤を使用することが好ましい。離型剤としては以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量エチレンープロピレン共重合体、脂肪族炭化水素系ワックス(マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス)、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類(カルナバワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス)。
環境安定性、摩擦帯電安定性、現像性、流動性、及び保存性向上のために、ハイドロタルサイト類化合物以外に、シリカやアルミナの如き無機微粉体を現像剤粒子に適宜付着させてもよい。無機微粉体としては環境安定化を図るために疎水化処理を施したものがより好ましい。また、以下に挙げる材料を更に加えて用いても良い。ポリフッ化エチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの滑剤、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、ケイ酸ストロンチウムのクリーニング助材など。中でもポリフッ化ビニリデンが好ましい。また、高画質化のため現像剤の平均粒径(D1)は3μm以上10μm以下が好ましい。重量平均粒径が3μm以上の現像剤においては、粉体としての流動性及び攪拌性を維持できるので、個々の現像剤粒子を均一に摩擦帯電させることができ、摩擦帯電量分布の均一化が図れるため、画像出力時の白抜けをよる有効に抑制できる。また、現像剤の重量平均粒径を10μm以下とすることで、文字やライン画像に飛び散りが発生しにくく、高解像度な画像を得ることができる。
<現像剤の製造>
上記の現像剤は例えば以下の方法によって製造できる。結着樹脂、重合体(A)及び磁性体、または更に、金属錯塩化合物(B)、顔料又は染料、離型剤、その他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミキサーの如き混合機により充分に混合する。そしてこの混合物を熱混練機を用いて溶融して樹脂類を互いに相溶せしめた後に、離型剤、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解させる。その後冷却固化させた後、粉砕及び分級を行って現像剤を得ることができる。そして、ハイドロタルサイト類化合物及びその他の外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により現像剤粒子と充分に混合して現像剤を得られる。
他には以下のような方法がある。ディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化して得る方法。結着樹脂溶液中に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することにより得る方法。懸濁重合方法を用いて生成する方法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法。樹脂微粒子及び着色剤を溶液中において会合させて生成させる会合重合法。
<現像装置>
図1に示した本発明の一態様に係る現像装置は、磁性一成分現像剤と、該現像剤を収容している容器と、現像剤担持体と、現像剤層厚規制手段を有している。現像剤層厚規制部材516としてはゴム弾性や金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性ブレードを使用できる。この弾性ブレードは、現像剤担持体510に対して、磁性一成分現像剤を介して接触あるいは圧接させても良い。現像剤担持体上に形成される磁性一成分現像剤の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像剤担持体と感光体ドラム501との間の最小間隙よりもさらに薄いことが好ましい。
本発明に係る現像剤担持体は、上記の磁性一成分現像剤により静電潜像を現像する、非接触型現像装置に組み込むことが有効である。また、現像剤担持体に担持された磁性一成分現像剤を飛翔させるため、現像剤担持体にはバイアス手段としての現像バイアス電源513により現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは静電潜像に現像剤が付着して可視化される領域の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体に印加するのが好ましい。現像された画像の濃度を高めかつ階調性を向上させるためには、現像剤担持体に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記した現像画像部の電位と背景部の電位との中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体に印加するのが好ましい。
この時、高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて可視化する、いわゆる正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部に現像剤を付着させて可視化する、いわゆる反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。ここで高電位、低電位とは絶対値による表現である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。「部」は「質量部」を意味する。各物性の測定方法は次の(1)〜(10)の通りである。
(1)樹脂層の体積抵抗値
厚さ100μmのPETシート上に7μm以上20μm以下の厚さの樹脂層を形成したものを測定試料とした。測定装置として、抵抗率計ロレスタAP又はハイレスタIP(いずれも商品名、三菱油化株式会社(現 三菱化学株式会社)製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定した。また、測定環境を20℃以上25℃以下、50%RH以上60%RH以下とした。
(2)樹脂層中の0.5μm以上の導電性粒子及び凹凸付与粒子の体積平均粒径
導電性粒子及び凹凸付与粒子の粒径はレーザー回折型粒度分布計(商品名:コールターLS−230型粒度分布計、ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。測定方法は、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を用いた。まず、IPAにて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行した。次に、IPA50ml中に、測定対象の粒子1mg以上25mg以下を加えて懸濁した溶液を超音波分散機で約1分以上3分間以下分散処理し、被験試料液を得た。そして、測定装置の測定系内に被験試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45%以上55%以下になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、体積分布から算出した体積平均粒径を求めた。
(3)樹脂層の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ)
表面粗さ(JIS B0601−2001)に準拠する表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダSE−3500、株式会社小坂研究所製)を用いた。測定箇所は、軸の長手方向の中心及び端部から50mmの地点の3箇所について、周方向に120°度回転させた3点の計9点とし、9箇所における測定値の算術平均値を表面粗さRaとした。粗さ測定に際してカットオフは0.8mm、測定距離は8.0mm、送り速度は0.5mm/secとした。測定環境は温度23℃、湿度60%RHとした。
(4)樹脂層の膜厚
レーザ寸法測定器(商品名:LS5000シリーズ、株式会社キーエンス製)を用いて、樹脂層形成前のスリーブの外径(S0)及び樹脂層形成後の外径(S1)を測定した。それらの値から、樹脂層の厚み(S1−S0)/2を算出した。測定には、前記装置のコントローラLS−5500(商品名)及びセンサーヘッドLS−5040T(商品名)を用いた。スリーブ固定治具及びスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブ長手方向に対し30分割して30箇所、及びこの30箇所の各位置においてスリーブを周方向に90°回転させた30箇所、合計60箇所についてスリーブの外径寸法を測定した。外径寸法はその平均値とした。測定環境は温度23℃、湿度60%RHとした。
(5)現像剤の粒径測定
測定装置として、コールターマルチサイザーIII(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いた。また、電解液として、塩化ナトリウム(試薬1級)を溶かして調製した約1質量%NaCl水溶液又はISOTON−II(商品名、ベックマン・コールター社製)を使用した。まず、電解液100ml以上150ml以下中に、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩液)0.1ml以上5ml以下を加え、次いで、試料(現像剤)を2mg以上20mg以下加えた。これに、超音波分散器で約1分間以上3分間以下分散処理を行い、被験試料を調製した。そして、測定装置の100μmアパーチャーを用い、被験試料中の球状粒子又は磁性現像剤粒子の体積、個数を測定した。この測定結果から体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)及び個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)(共に各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
(6)磁性現像剤粒子の平均円形度
フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA―2100、シスメックス社製)を用いて23℃/60%RHの環境下で測定を行った。円相当径が0.60μm以上400μm以下の範囲内の磁性現像剤粒子について投影像の面積及び周囲長を測定し、そこで測定された磁性現像剤粒子の投影像の面積から円相当径を求めた。また、円相当径が0.60μm以上400μm以下の範囲内の磁性現像剤粒子について円形度を次式により求めた。円形度は磁性現像剤粒子の凹凸の程度の指標であり、磁性現像剤粒子が完全な球形の場合1.00を示す。また、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度a=L0/L
上記式中、L0は磁性現像剤粒子の投影像の面積と同じ面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の磁性現像剤粒子の投影像周囲長を示す。更に円相当径3μm以上400μm以下の磁性現像剤粒子について、円形度の総和及び全粒子数を求めた。得られた円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義した。
具体的には、予め不純物を除去した水200ml以上300ml以下中に分散剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml以上0.5ml以下加え、更に試料(磁性現像剤粒子)を0.1g以上0.5g以下程度加えた。試料を分散した懸濁液は超音波発信機で2分間分散し、磁性現像剤粒子濃度が0.2万個/μl以上1.0万個/μl以下の被験試料液を調製し、これを用いて磁性現像剤粒子の円形度分布を測定した。超音波発信器としては以下の装置、分散条件を用いた。装置:UH−150(商品名、株式会社エス・エム・テー製)、アウトプットレベル:5、コンスタントモード。
円形度の測定の概略は以下のとおりである。被験試料液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って拡がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラがフローセルに対して相互に反対側に装着されている。被験試料液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、それぞれの粒子はフローセルに平行な一定範囲を有する二次元の投影像として撮影される。各粒子の投影像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。また、円相当径0.60μm以上400μm以下である各粒子の投影像の面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円相当径を求める。得られた結果に基づき円相当径3μm以上400μm以下の磁性現像剤粒子における平均円形度を算出する。
(7)重合体(A)のガラス転移温度
示差走査型熱量計(商品名:MDSC−2920、TA Instruments社)を用いて、ASTM D3418−82に基づき常温常湿下で測定した。測定試料は3mgを精密に秤量したものを用いた。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いた。測定温度範囲を30〜200℃とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温させた後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温させ、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させた。2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において比熱変化が出る前と出た後のベースライン中間点の線と示差熱曲線との交点を重合体のガラス転移温度Tgとした。
(8)画像濃度
画像比率5.5%のテストチャートを出力して得られたコピー上のφ5mmベタ黒丸部のコピー画像濃度を、反射濃度計「RD918」(商品名、マクベス社製)により反射濃度測定を行い、その10点の平均値を画像濃度とした。
(9)白抜け
各評価環境にカートリッジを10日間放置後、本体に設置しA4サイズのハーフトーン画像を出力して、得られた画像上に発生した白抜け画像の個数を、以下の基準で評価した。
A:白抜け画像が見当たらない。
B:最大径1mm以下の白抜け画像が1個以上3個以下確認できる。
C:最大径1mm以下の白抜け画像が4個以上7個以下確認できる。
D:最大径1mm以下の白抜け画像が8個以上、もしくは1mm超の白抜け画像が1つ確認できる。
E:1mm超の白抜け画像が複数確認できる。
(10)逆極性現像剤比率測定
現像剤担持体上の現像剤を、E−SpartAnalyzer Model EST−III(商品名;ホソカワミクロン社製)により3000個捕集し、摩擦帯電量分布を測定した。現像剤摩擦帯電量の中の、負及び逆極性に摩擦帯電した現像剤の質量を、捕集した現像剤粒子粒径及び比重より算出し、捕集した現像剤の総質量中に占める逆極性の現像剤質量の割合を算出して、逆極性成分の現像剤量を計測した。反転現像剤量の測定方法は、ベタ白画像を出力(感光体ドラムに現像剤を現像させない)直後の、現像剤担持体と感光体ドラムのニップ部下流の現像剤担持体に担持される現像剤の摩擦帯電量を、E−SpartAnalyzerにより測定した。なお、測定個数は3000個程度とし、23℃、60%RHの常温常湿(N/N)で測定した。逆極性成分の割合が少ない方が摩擦帯電量の分布はシャープであるため、逆極性成分の割合を測定した。
〔1〕現像剤
以下の要領で重合体(A)、結着樹脂、現像剤粒子等を製造し、更に現像剤を製造した。
〔1−1〕重合体A−1
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置および減圧装置を備えた反応容器に下記の材料を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。
Figure 0005464974
この中に、重合開始剤としてt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート4.0部を2−ブタノン20部に溶解した溶液を30分かけて滴下した。その後、温度70℃で9時間重合反応させた。次いで、溶媒を減圧留去し、得られた重合体を100μmのスクリーンを装着したカッターミルを用いて100μm以下に粉砕して重合体A−1を得た。重合体A−1は、重量平均分子量(Mw)が34000、ガラス転移温度(Tg)が75.2℃、酸価が18mgKOH/gであった。
〔1−2〕重合体A−2
Figure 0005464974
上記材料を使用する以外は、重合体Aの製造例1と同様にして、重量平均分子量(Mw)が28000、ガラス転移温度(Tg)が68.8℃、酸価が9mgKOH/gの重合体A−2を得た。
〔1−3〕現像剤G−1
〔1−3−1〕結着樹脂の製造
Figure 0005464974
上記混合物を還流(温度:145℃以上156℃以下)しているクメン200部中に4時間かけて滴下し、クメン還流下で溶液重合を完了させ、減圧下で200℃まで昇温させながらクメンを除去した。
ここで得られたスチレン−アクリル系共重合体25部を、下記の混合物中に溶解し混合溶液とした。
Figure 0005464974
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.20部を溶解した水170部を加え、激しく撹拌しながら懸濁分散液とした。更に、水100部を加え、窒素雰囲気に置換した反応器に上記懸濁分散液を添加し、約75℃で10時間重合した。重合終了後、濾別し、充分に水洗して後、脱水乾燥し、酸価21mgKOH/gを有するスチレン−アクリル共重合体(結着樹脂)を得た。
〔1−3−2〕現像剤粒子の製造
Figure 0005464974
上記混合物をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)で混練した。混練物を冷却しハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、現像剤製造用の粉体原料(粗粉砕物)を得た。この粉体原料をターボミルT−250型(ターボ工業社製)を用いて微粉砕した後、コアンダ効果を利用した多分割分級装置(エルボジェット分級機、日鉄鉱業社製)で超微粉および粗粉を同時に分級除去した。その結果、重量平均粒子径(D4)が6.7μm、平均円形度が0.950である現像剤粒子T−1を得た。
〔1−3−3〕疎水化処理シリカ微粉体の製造
疎水化処理シリカ微粉体を以下の方法にて製造した。四塩化ケイ素を気相中にて1000℃で焼成し、アモルファスのシリカ微粉体を得た。このシリカ微粉体を気相中で分散させ、シリカ微粉体100部に対してヘキサメチルジシラザン(HMDS)を固形分で15部を噴霧し、粒子の合一が生じないように十分に撹拌しながら反応させた。更に十分に撹拌しながら、ジメチルシリコーンオイルを固形分で15部を噴霧し反応させた。これを乾燥後130℃で2時間加熱処理し、その後、凝集体がなくなるまで繰り返しジェットミルにて解砕処理した。こうして得たシリカ微粉体の一次平均粒径は12nmであった。
〔1−3−4〕現像剤粒子の製造
前記現像剤粒子T−1の100部に対し以下の2種の材料を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)にて混合して磁性現像剤G−1を得た。
Figure 0005464974
〔1−4〕(現像剤G−2〜G−12、g−1及びg−2の製造例)
磁性体、重合体(A)及び金属錯塩の種類と添加量、並びに現像剤粒子製造時の平均円形度と粒径を表1に示すものに変更したこと以外はG−1の場合と同様にして、表1に示す物性の現像剤G−2〜G−12、g−1、及びg−2を製造した。尚、現像剤粒子製造時の平均円形度と粒径は、分級工程の変更で調整した。
Figure 0005464974
〔2〕現像剤担持体
以下の凹凸付与粒子、結着樹脂、導電性粒子及びアクリル樹脂溶液を用いて現像剤担持体を製造した。
〔2−1〕凹凸付与粒子:ガラス状カーボンからなるニカビーズICB−1020(商品名、日本カーボン株式会社製、体積平均粒子径12.4μm)。
〔2−2〕結着樹脂1:アンモニア触媒使用レゾール型フェノール樹脂溶液(商品名:J−325、DIC株式会社製)。
〔2−3〕結着樹脂2:ポリオール(商品名:ニッポラン5037、日本ポリウレタン工業製)と、硬化剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン工業製)を質量比10:1で配合したもの。
〔2−4〕結着樹脂3:6/66/610共重合ナイロン(商品名:エルバマイド8023、デュポン社製)。
〔2−5〕導電性粒子1
石炭系重質油を熱処理することで得られたメソカーボンマイクロビーズを、洗浄・乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行い、窒素雰囲気下において800℃で一次加熱処理を行い炭化させた。次いで、アトマイザーミルで二次分散を行った後、窒素雰囲気下において2900℃で熱処理し、さらに分級して体積平均粒径6.6μmの黒鉛粒子を得た。この黒鉛粒子を導電性粒子1とした。
〔2−6〕導電性粒子2:カーボンブラック#5500(商品名、東海カーボン製、体積平均粒径0.02μm)。
〔2−7〕アクリル樹脂溶液AC−1の製造
撹拌機、冷却器、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを付した4つ口セパラブルフラスコに、ジプロピルアミノエチルメタクリレート(化学式12)46.1質量部、ラウリルブロマイド(化学式13)53.9質量部、エタノール50質量部を混合し均一になるまで攪拌した。撹拌を続けながら70℃まで昇温した後5時間攪拌してモノマーの4級化を行い、4級アンモニウム塩基含有モノマーである、(2−メタクリロイロキシエチル)ラウリルジプロピルアンモニウムブロマイド(化学式14)を得た。得られた反応溶液を冷却した後、共重合成分として、トリデシルメタクリレート17.4質量部、溶媒としてエタノール50部、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0部を仕込み、系が均一になるまで撹拌した。撹拌を続けながら、反応系内の温度が70℃になるまで昇温し、滴下ロートで1時間かけて添加した。滴下終了後、窒素導入下還流状態で更に5時間反応させ、さらにAIBNを0.2部添加した後1時間反応させた。更に、この溶液をエタノールで希釈して固形分40%のアクリル系樹脂溶液AC−1を得た。アクリル系樹脂溶液AC−1製造時の共重合モノマー成分配合比を表2−1に、樹脂構造を表3に示した。
Figure 0005464974
Figure 0005464974
Figure 0005464974
〔2−8〕アクリル樹脂溶液AC2〜AC−39の製造
共重合モノマー成分を表2−1または表2−2に示した成分とした以外はアクリル樹脂溶液AC−1の製造例と同様にしてアクリル樹脂溶液AC−2〜AC−39を得た。アクリル樹脂の構造を表3に示す。AC−38はアクリル樹脂溶液生成後、イオン交換樹脂を用いてアニオンを臭素イオンからp−トルエンスルホン酸イオンへイオン交換した。
〔2−9〕アクリル樹脂溶液ac−1の製造
撹拌機、冷却器、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを付した4つ口セパラブルフラスコに、ジメチルアミノメチルメタクリレート51.1質量部、ブチルブロマイド(4級化剤)48.9質量部、エタノール50質量部を混合し系が均一になるまで攪拌した。撹拌を続けながら70℃まで昇温した後5時間攪拌してモノマーの4級化を行い、(2−メタクリロイロキシメチル)ブチルジメチルアンモニウムブロマイドを得た。得られた反応溶液を冷却した後、共重合成分として、ブチルメタクリレート21.7質量部、溶媒としてエタノール50部、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0部を仕込み、系が均一になるまで撹拌した。撹拌を続けながら反応系内の温度が70℃になるまで昇温し、滴下ロートで1時間かけて添加した。滴下終了後、窒素導入下還流状態で更に5時間反応させ、さらにAIBNを0.2部添加した後1時間反応させた。更にこの溶液をエタノールで希釈して固形分40%のアクリル樹脂溶液ac−1を得た。アクリル樹脂溶液ac−1製造時の共重合モノマー成分配合比を表2−3に、樹脂構造を表4に示した。
〔2−10〕アクリル系樹脂溶液ac−2〜ac−43の製造
共重合モノマー成分を表2−3〜2−4に示した成分とした以外はアクリル樹脂溶液ac−1と同様にしてアクリル樹脂溶液ac−2〜ac−43を得た。アクリル樹脂溶液の樹脂構造を表4に示す。
〔2−11〕現像剤担持体1の製造
以下の材料にメタノールを加え固形分40%に調整し、サンドミル(直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として使用)で2時間分散した。
Figure 0005464974
篩を用いてガラスビーズを分離した後、固形分濃度が33%になるようにメタノールを添加して塗料を得た。基体として上下端部にマスキングを施した外径16.0mmφ、算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管を垂直に立てて、前記塗料をスプレーガンを用いて塗布した。続いて、熱風乾燥炉中で150℃、30分間加熱して塗布層を乾燥し硬化して基体上に樹脂層を形成し現像剤担持体1を製造した。現像剤担持体1の樹脂層の層厚は8μmであった。表5−1に現像剤担持体1の樹脂層の構成と物性を示した。
〔2−12〕現像剤担持体2〜28、及び31〜50の製造
塗料の構成や現像剤をそれぞれ表5−1に示したものとした以外は現像剤担持体1と同様にして現像剤担持体2〜28、31〜50を製造した。
〔2−13〕現像剤担持体29の製造
結着樹脂2をトルエンに溶解して固形分40%の「結着樹脂2溶解液」を調製し、現像剤担持体1の製造において「結着樹脂1溶解液」を「結着樹脂2溶解液」に変え、「アクリル樹脂AC−1」を「アクリル樹脂AC−2」に変えた。それ以外は現像剤担持体1と同様にして現像剤担持体29を製造した。
〔2−14〕現像剤担持体30の製造
結着樹脂3をメタノールに溶解して固形分40%の「結着樹脂3溶解液」を調製した。現像剤担持体1の製造例において「結着樹脂1溶解液」を「結着樹脂3溶解液」に変え、「アクリル樹脂AC−1」を「アクリル樹脂AC−9」に変えた。それら以外は現像剤担持体1と同様にして現像剤担持体30を製造した。表5−1に現像剤担持体1の樹脂層の構成と物性を示した。
〔2−15〕現像剤担持体51の製造
現像剤担持体1の製造例において「アクリル樹脂AC−1」を「アクリル樹脂ac−1」に変えた以外は現像剤担持体1と同様にして現像剤担持体51を製造した。
〔2−16〕現像剤担持体52〜94の製造
塗料の構成や現像剤をそれぞれ表5−2に示したものとした以外は現像剤担持体51と同様にして現像剤担持体52〜94を製造した。
(実施例1)
現像剤担持体1にマグネットローラを組み付け、市販のレーザービームプリンタ(商品名:LaserJet P3005、ヒューレットパッカード株式会社製)の純正カートリッジに組み込み、現像剤G−1を詰め替えカートリッジとした(表6−1)。評価環境は、温度23℃、湿度50%RH(N/N環境)、温度15℃、湿度10%RH(L/L環境)及び温度33℃、湿度90%RH(H/H環境)とした。ランニング時のプリントは、印字比率が1%の横線とし、初期評価は10枚プリント後、耐久性評価は1万枚連続プリント終了後とし、画像濃度、白抜け、樹脂層の表面粗さRa及び逆極性現像剤比率を評価した。結果を表8−1に示す。
(実施例2〜64)
現像剤担持体2〜50にマグネットローラを組み付け、表6−1または表6−2に示す現像剤担持体と現像剤とを使用して実施例1と同様に評価した。結果を表8−1〜8−3に示す。
(比較例1〜46)
現像剤担持体1及び51〜94にマグネットローラを組み付け、表7に示す現像剤担持体と現像剤とを使用して実施例1と同様に評価した。結果を表9−1〜9−2に示す。
Figure 0005464974
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501 静電潜像担持体(感光体ドラム)
503 現像容器

Claims (3)

  1. 磁性一成分現像剤及び該現像剤を収容するための現像容器、前記現像剤を表面に担持し回転自在に保持された現像剤担持体、現像剤層厚規制手段を有している現像装置において、
    該磁性一成分現像剤が、現像剤粒子とハイドロタルサイト類化合物とを含有し、該現像剤粒子はスルホン酸基、スルホン酸塩基、及びスルホン酸エステル基の少なくともいずれかを有する重合体(A)と磁性体と結着樹脂とを少なくとも含有し、該ハイドロタルサイト類化合物は該現像剤粒子の表面に存在しており、該現像剤担持体は、基体と該基体の表面上に形成された樹脂層とを有し、該樹脂層は結着樹脂、アクリル樹脂及び導電性粒子を含み、該アクリル樹脂は一般式(1)及び一般式(2)で表されるモノマー単位を少なくとも含有することを特徴とする現像装置:
    Figure 0005464974
    [式中、R1は、水素原子またはメチル基を示し、R2は、炭素数8以上18以下のアルキル基を示す。]
    Figure 0005464974
    [式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数1以上4以下のアルキレン基を示す。R5〜R7のうち一つ又は2つ以上の基は炭素数4以上18以下のアルキル基であり、残りの基は炭素数3以下のアルキル基を示す。Xは−COO−、−CONH−、−C64−の何れか、A-はアニオンを示す。]。
  2. 前記一般式(1)及び一般式(2)で表されるモノマー単位のモル組成比をそれぞれa及びbとした時、b/(a+b)が0.50以上0.90以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記樹脂層が、前記結着樹脂100質量部に対して前記アクリル樹脂1.0質量部以上40.0質量部以下を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
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