JP5464630B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、広角レンズを通して曲面スクリーンに画像を投影する画像表示装置に関する。
従来から、球面スクリーン上に画像を投影する画像表示装置が知られている。例えば、特開平3−82493号公報には、半球状の曲面スクリーンに画像を投影するビデオゲーム機が開示されている。このビデオゲーム機では、画像を作成して広角レンズに入射することにより、曲面スクリーン全体にゲーム画像を投影することができる。
発明が解決しようとする課題
ところで、上述した従来の画像表示装置では、曲面スクリーンに対する画像の投影はプロジェクタによって行われるが、一般に市販されているプロジェクタを考えた場合に、その投影範囲は横長の長方形を有している。したがって、投影対象となる画像情報を格納するために用いられる画像メモリもこの長方形の投影範囲に対応しているものが用いられる。ところが、曲面スクリーンに画像を投影する場合の実際の投影範囲は円形であるため、曲面スクリーン全体に画像を投影しようとすると、長方形の投影範囲に内包される円形の領域に対応して画像メモリの一部のみが使用されることになる。
図9は、画像メモリと実際の投影範囲との関係を示す図である。長方形領域300が、プロジェクタの長方形の投影範囲であり、画像メモリにはこの投影範囲に対応する画像情報が格納される。また、円形領域310は、曲面スクリーンに投影を行う場合に有効利用される投影範囲であり、実際に画像情報が読み出される範囲を示している。
このように、従来の画像表示装置では、汎用のプロジェクタを用いて曲面スクリーンに画像を表示する場合には、画像メモリの一部を使って投影した画像を大きく引き延ばして表示することになるため、画像メモリの容量が大さい場合であっても、それほど解像度を上げることができないという問題があった。例えば、図9に示した長方形領域の300の縦横比を3:4とすると、円形領域310に含まれる画素数は、長方形領域300に含まれる画素数全体の58.9%に過ぎず、画像メモリの使用率が低いことがわかる。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、曲面スクリーンに画像を表示する場合に解像度を上げることができる画像表示装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の画像表示装置は、投影された画像を広角レンズを通して曲面スクリーン上に表示するために、投影装置とフレームバッファと画像情報格納手段を備えている。フレームバッファは、格納領域である矩形領域の一部を使用して画像情報が格納される。投影装置は、広角レンズのイメージサークルに対応する円形領域の一部と矩形領域の一部が対応し、円形領域に対応してフレームバッファに格納されている画像情報に基づいて画像の投影を行う。画像情報格納手段は、フレームバッファの格納領域に対して画像情報を格納する。また、円形領域の直径を矩形領域範囲の長辺に一致させるとともに円形領域の円周が矩形領域の一方の長辺に接している、あるいは、円形領域の直径を矩形領域の長辺に一致させるとともに円形領域の上部および下部が矩形領域から外れている。曲面スクリーンに表示された画像の一部が欠落することを許容することにより、矩形領域に対応したフレームバッファの使用率を飛躍的に高めることができるため、曲面スクリーンに表示される画像の解像度を上げることができる。
特に、円形領域の直径を矩形領域の長辺に一致させた場合には、フレームバッファの画素使用率を84.25〜89.61%に高めることができる。
また、上述した投影装置の投影位置を、曲面スクリーンの中心位置からイメージサークルと格納領域の非重複領域側にずらすことが望ましい。このように投影位置をずらすことにより、曲面スクリーン上で表示画像が欠落する範囲を少なくすることができる。
また、上述した格納領域から外れる円形領域の一部は、この外れる部分が曲面スクリーンに表示された画像を見る人の頭上に対応するように設定することが望ましい。一般に、人の視界は、左右方向に広く、上下方向には狭い。また、上方向については、頭髪等によって視界が遮られることも多い。したがって、上方向に表示された画像の一部が欠落するようにフレームバッファを使用することにより、全体画像に与える影響を少なくして、画像を見る人の違和感を軽減することができる。
以下、本発明を適用した一実施形態のゲームシステムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のゲームシステムの構成を示す図である。同図に示すゲームシステムは、ゲーム装置1、プロジェクタ2、レンズ3、球面スクリーン4を含んで構成されている。
ゲーム装置1は、プレーヤによる操作に対応して各種のゲーム演算を行うとともに、ゲーム進行に応じたゲーム画像を表示するための画像情報を生成する。プロジェクタ2は、ゲーム装置1によって生成された画像情報に基づいて、球面スクリーン4にゲーム画像を照射する。本実施形態では、このプロジェクタ2は、一般に市販されている汎用品が用いられており、フレームバッファの格納領域は横長の長方形を有している。レンズ3は、プロジェクタ2から照射されたゲーム画像を球面スクリーン4に投影する。本実施形態では、このレンズ3として広角レンズ、さらに具体的には投影角がほぼ180°の魚眼レンズが用いられている。球面スクリーン4は、半球状の投影面を有しており、プロジェクタ2から照射されてレンズ3を通したゲーム画像が内側に投影される。
次に、ゲーム装置1の詳細構成について説明する。図1に示すゲーム装置1は、入力装置10、ゲーム演算部20、情報記憶媒体30、画像処理部40、フレームバッファ50を含んで構成されている。
入力装置10は、プレーヤがゲーム装置1に対して各種の指示を入力するためのものであり、ゲーム装置1において行われるゲームの種類に応じた各種操作キー、操作レバー等を含んで構成されている。例えば、ドライブゲームを行うために設けられた入力装置10には、ハンドル、アクセル、ブレーキ、変速レバー等が備わっている。
ゲーム演算部20は、ゲームの進行に必要な所定のゲーム演算を行うものである。このゲーム演算部20は、入力判定部22、イベント処理部24、ゲーム空間演算部26を含んで構成されている。このゲーム演算部20は、CPUやROM、RAM等の半導体メモリを用いて所定のゲームプログラムを実行することにより実現される。
入力判定部22は、入力装置10に備わったハンドル、アクセル、ブレーキ等の操作状態を判定し、操作状態に応じた信号をイベント処理部24に出力する。イベント処理部24は、各種イベントの発生や、ゲームの進行状況に対応した分岐判断等、ゲーム進行に必要な処理を行う。ゲーム空間演算部26は、仮想的な三次元空間であるゲーム空間内に存在する各種の三次元オブジェクトの位置情報の計算を行う。本実施形態における三次元オブジェクトのそれぞれは複数のポリゴンによって構成されており、ゲーム空間演算部26は、三次元オブジェクトを構成する各ポリゴンの頂点座標を計算する。
情報記憶媒体30は、コンピュータとしての機能を有するゲーム装置1を動作させるためのプログラムやデータを格納するためのものである。具体的には、情報記憶媒体30は、ゲーム演算部20によって実行されるゲームプログラムやゲーム画像の表示に必要なデータ(テクスチャマッピング用のテクスチャデータ等)や画像表示プログラムを格納する。この情報記憶媒体30は、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク装置、半導体メモリ等によって実現される。
画像処理部40は、ゲーム演算部20内のゲーム空間演算部26によって計算された各ポリゴンの頂点座標が入力されており、球面スクリーン4上に画像を表示するために、フレームバッファ50に画像情報を格納する処理を行う。この画像処理部40は、座標変換処理部42、テクスチャマッピング処理部44、シェーディング処理部46を含んで構成されている。なお、通常は、この画像処理部40は、専用のグラフィック用LSIやDSP等を用いて実現されるが、ゲーム演算部20を実現するCPUの性能が高い場合であって処理能力に余裕がある場合には、このCPUに画像処理部40の処理を行わせてもよい。
座標変換処理部42は、三次元オブジェクトを視点位置から見た場合に実際に球面スクリーン4上のどの位置に三次元オブジェクトが対応するかを計算し、この球面スクリーン4上に画像を投影するために必要なフレームバッファ50上の格納位置を計算する。実際には、上述したように三次元オブジェクトが複数のポリゴンによって構成され、ゲーム空間演算部26によって各ポリゴンの頂点座標が計算されるため、座標変換処理部46は、各ポリゴンの頂点座標に基づいて、対応する球面スクリーン4上の座標を計算し、さらにこの計算結果を用いてフレームバッファ50上の格納位置を計算する。
テクスチャマッピング処理部44は、各ポリゴンの頂点座標に対応するフレームバッファ50上の格納位置が計算された後に、各ポリゴンにテクスチャデータを貼り付ける処理(テクスチャマッピング処理)を行う。また、シェーディング処理部46は、テクスチャマッピング処理の結果に対してシェーディング補正処理を行う。このようにして各ポリゴンを構成する複数個(例えば3個)の頂点座標によって囲まれた領域(フレームバッファ50上の対応領域)に含まれる各画素の画像情報が得られる。例えば、画像情報として、RGBデータによって表された色情報が用いられている。
フレームバッファ50は、画像処理部40によって得られた画像情報を格納する。フレームバッファ50の一部の格納位置は、球面スクリーン4上の各投影位置に対応しており、フレームバッファ50の所定位置に画像情報を格納することにより、この画像情報によって特定される色の画像が球面スクリーン4上の対応位置に投影される。
上述したプロジェクタ2が投影装置に、ゲーム演算部20、画像処理部40が画像情報格納手段にそれぞれ対応している。
本実施形態のゲームシステムはこのような構成を有しており、次にその動作について説明する。
図2は、本実施形態のゲームシステムの動作手順の概要を示す流れ図であり、ゲーム全体の流れが示されている。なお、図2に示す一連の処理は、所定の表示間隔に対応した周期(例えば、1/60秒)で繰り返して行われる。
入力装置10が操作されてプレーヤによってゲームの開始指示がなされると、ゲーム演算部20は、情報記憶媒体30から読み出したゲームプログラムに基づいて所定のゲーム演算を開始する。具体的には、ゲーム演算部20内の入力判定部22は、入力装置10から出力される信号に基づいて、プレーヤによって行われた操作の内容に応じた信号を出力する所定の入力判定処理を行う(ステップ100)。
次に、イベント処理部24は、入力判定部22から出力される信号に対応して、ゲーム進行に必要な各種のイベントを発生する処理(イベント発生処理)を行う(ステップ101)。また、ゲーム空間演算部26は、イベント処理部24によって行われるイベント発生処理に対応して、ゲーム空間内に存在する各種の三次元オブジェクトの座標計算を行う(ステップ102)。
ゲーム空間演算部26によって各三次元オブジェクトの座標計算が行われると、画像処理部40内の座標変換処理部42は、各三次元オブジェクトの座標、具体的には、三次元オブジェクトを構成するポリゴンの頂点座標をフレームバッファ50上の座標に変換する所定の座標変換処理を行う(ステップ103)。
また、画像処理部40は、テクスチャマッピング処理部44およびシェーディング処理部46によって、フレームバッファ50に格納する画像情報(色情報)を求め、この画像情報をフレームバッファ50の対応位置に書き込む(ステップ104)。フレームバッファ50に対して書き込まれた画像情報が所定の走査順に読み出されてプロジェクタ2に送出される。プロジェクタ2は、この画像情報に基づいて画像を形成し、レンズ3を通して球面スクリーン4に投影する(ステップ105)。
なお、上述した動作説明では、表示間隔に対応した周期で図2に示した一連の処理を行って描画処理を行うようにしたが、必ずしも表示間隔と描画処理の繰り返し間隔は一致させなくてもよい。また、それ以外にも、描画処理が表示タイミングに間に合えば毎回の表示タイミングに同期して描画処理を行い、間に合わなければ同じ内容の画面表示を行うようにした場合には、表示タイミングと描画タイミングが一致しないこともある。
次に、上述したステップ104における画像情報の書き込み方法について詳細に説明する。本実施形態のプロジェクタ2は、フレームバッファ50の格納領域が横長(例えば縦横比が3:4)の長方形を有しており、その中の一部の領域が球面スクリーン4に投影する画像に対応した描画領域として使用される。
本実施形態では、プロジェクタ2によって球面スクリーン4上に投影されるゲーム画像の解像度を向上させるために、フレームバッファ50は、レンズ3のイメージサークルに対応する円形領域の一部が格納領域から外れるように設定されている。以下、フレームバッファ50の格納領域について、具体例を挙げて詳細に説明する。
(a)円形領域の上部が格納領域から外れるように設定する場合
図3は、円形領域の上部がフレームバッファ50の格納領域から外れるように設定する場合における円形領域とフレームバッファ50の格納領域との対応関係を示す図である。
同図において、矩形領域200は、フレームバッファ50の格納領域を示している。例えば、矩形領域200の縦方向がプロジェクタ2の投影範囲の上下方向に、横方向が投影範囲の左右方向にそれぞれ対応している。
円形領域210は、レンズ3のイメージサークルに対応しており、その直径が矩形領域200の長辺と等しく設定されている。また、円形領域210は、円周部分が矩形領域200の下辺、右辺、左辺のそれぞれに接する位置に対応付けられている。
図3に示すように、矩形領域200は、円形領域210の上部の一部領域220(図においてハッチングで示されている非重複領域)がこの矩形領域200から外れるように設定されている。フレームバッファ50の格納領域である矩形領域200をこのように設定することにより、フレームバッファ50の格納領域の使用率を向上させることができる。具体的には、図3に示すような配置に設定した場合には、フレームバッファ50の格納領域の使用率、すなわち、格納領域全体に対して、実際に画像情報が書き込まれる領域の割合(画素使用率)は84.25%となり、従来方法(矩形領域200の短辺と等しい直径を有する円形領域を矩形領域200に内接させる場合)における58.9%と比較して、格納領域の使用率を格段に向上させることができる。このように、円形領域の上部がフレームバッファ50の格納領域から外れるように設定することで、多くの画素を用いてゲーム画像を表示することができるようになるので、ゲーム画像の解像度を高めることができる。
図4は、フレームバッファ50に格納される画像情報に基づいて球面スクリーン4に投影されるゲーム画像の上下方向の表示範囲を示す図である。本実施形態では、投影位置(レンズ3の位置)Pは、球面スクリーン4の球心位置に設定されており、円形領域210の円心Qに対応している。この場合に、球面スクリーン4上に表示されるゲーム画像の上下方向の表示範囲は、図4中において矢印で示されている範囲となり、上側の一部分が表示されない状態となる。
このように、円形領域210の上部が矩形領域200から外れるように設定する場合には、ゲーム画像の解像度を向上させて、より精細なゲーム画像を表示することができるようになるが、その反面、球面スクリーン4に実際に表示されるゲーム画像の上部がいくらか表示されないこととなる。したがって、このようなフレームバッファ50の格納領域の設定は、例えば、ドライブゲーム等のように、ゲーム画像の上部が空等に対応しており、ゲーム進行に対してさほど重要な役割を持っておらずその一部が欠落しても影響のないゲーム内容に対して特に適している。
また、一般には、プレーヤの視野は、左右方向に広く、上下方向には狭いという特性があり、特に、上方向の視野は、プレーヤ自身の頭髪等により遮られる場合が多いと考えられる。このため、プレーヤが意図的に上を向かない限りは、上方向の画像は、プレーヤの視界に入りにくく、この点からも、ゲーム画像の上部がいくらか欠落しても、ゲーム画像の臨場感を損なうことはほとんどない。
また、より好適な実施形態としては、投影位置P(レンズ3の設置位置)は、球面スクリーン4の球心位置よりも上方にずらして設定してもよい。図5は、投影位置Pを球面スクリーン4の球心位置よりも上方にずらして設定する場合におけるゲーム画像の上下方向の表示範囲を示す図である。
同図に示すように、投影位置Pを垂直方向に沿って球面スクリーン4の球心位置よりも上方(レンズ3のイメージサークルとフレームバッファ50の格納領域の非重複領域側)にずらして設定することにより、ゲーム画像の上下方向の表示範囲は、図5中において矢印で示されている範囲のようになり、上述した投影位置Pを球心位置に一致させる場合(図4参照)と比較して、ゲーム画像の上側の表示範囲を広げることができる。
なお、上述した実施形態と同様にして、円形領域210の下部がフレームバッファ50の格納領域から外れるように設定することもできる。この場合には、球面スクリーン4上に表示されるゲーム画像の上下方向の表示範囲は、下側の一部分が表示されない状態となるので、例えば、プレーヤが操作する戦闘機のコックピット等が表示範囲の下部に表示される射撃ゲーム等のように、表示範囲の下部に表示されるゲーム画像がゲーム進行上それほど重要とならず、一部を欠落させても影響がないようなゲーム内容に対して特に適している。また、この場合に、より好適な実施形態としては、投影位置Pを球面スクリーン4の球心位置よりも下方にずらして設定することにより、ゲーム画像の下側の表示範囲を広げることもできる。
(b)円形領域の上部および下部がフレームバッファ50の格納領域から外れるように設定される場合
図6は、円形領域の上部および下部がフレームバッファ50の格納領域から外れるように設定する場合における円形領域とフレームバッファ50の格納領域との対応関係を示す図である。上述した図3と同様に、矩形領域200は、フレームバッファ50が備えている画像情報の格納領域を示している。また、円形領域210は、レンズ3のイメージサークルに対応しており、その直径が矩形領域200の長辺と等しく設定されている。また、円形領域210は、円周部分が矩形領域200の右辺および左辺のそれぞれに接する位置に対応付けられている。
図6に示すように、矩形領域200は、円形領域210の上部の一部領域240と下部の一部領域250がこの矩形領域200から外れるように設定されている。このようにフレームバッファ50の格納領域である矩形領域200を設定することによっても、フレームバッファ50の格納領域の使用率を向上させることができる。具体的には、図6に示すような配置に設定した場合には、フレームバッファ50の格納領域の使用率は89.61%となり、従来方法における58.9%と比較して、格納領域の使用率が格段に向上する。したがって、より多くの画素を用いてゲーム画像を表示することができるようになるので、ゲーム画像の解像度を高めることができる。
図7は、フレームバッファ50に格納される画像情報に基づいて球面スクリーン4に投影されるゲーム画像の上下方向の表示範囲を示す図である。上述したように、投影位置(レンズ3の位置)Pは、球面スクリーン4の球心位置に設定されており、円形領域210の円心Qと対応付けられている。この場合に、球面スクリーン4上に表示されるゲーム画像の上下方向の表示範囲は、図7中において矢印で示されている範囲となり、上側および下側の一部分がそれぞれ表示されない状態となる。
このように、円形領域210の上部および下部が矩形領域200から外れるように設定する場合には、球面スクリーン4に実際に表示される画像の上部および下部がいくらか欠落することとなるが、その欠落範囲は、上部または下部のいずれか一方を欠落させる場合よりも少なくすることができる。したがって、このようなフレームバッファ50の設定は、ゲーム画像の解像度を向上させつつ、上下方向ともに画像の表示範囲をできるだけ多く取りたい場合に特に適している。
なお、この場合においても、投影位置Pは、球面スクリーン4の球心位置以外の位置にずらして設定してもよい。具体的には、例えば、投影位置Pを球面スクリーン4の球心位置よりも後方(球面スクリーン4から遠ざかる方向)にずらして設定することにより、球面スクリーン4に表示されるゲーム画像の表示範囲を広げることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、レンズ3のイメージサークルに対応する円形領域210の直径をフレームバッファ50の格納領域に対応する矩形領域200の長辺と等しく設定し、円形領域210の一部がフレームバッファ50の格納領域から外れるようにフレームバッファ50の格納領域を設定する場合について説明していたが、円形領域210の直径は、矩形領域200の長辺と等しい長さに限定されるものではなく、少なくとも、矩形領域200の短辺よりも長く設定されていればよく、矩形領域200の長辺よりも長く設定してもよい。
図8は、円形領域210の直径を矩形領域200の長辺よりも長く設定する変形例における円形領域とフレームバッファ50の格納領域の対応関係を示す図である。同図では、一例として、円形領域210の直径が矩形領域200の対角線と等しい長さに設定されている場合の例が示されている。また、矩形領域200は、円形領域210に内接しており、円形領域210の上部の一部領域260、下部の一部領域262、右側の一部領域264、左側の一部領域266のそれぞれが矩形領域200から外れるように設定されている。この場合には、球面スクリーン4に実際に表示されるゲーム画像は、上側、下側、右側、左側のいずれについてもいくらか欠落することとなるが、フレームバッファ50の格納領域の使用率を100%とすることができるので、ゲーム画像の解像度をより向上させることができる。
また、上述した実施形態では、曲面スクリーンの一種である球面スクリーンに画像を投影する場合を説明したが、ゲーム空間内に配置された三次元オブジェクトを視点位置から見たときに、曲面スクリーン上に投影された位置が計算によって得られる場合には、球面以外の曲面スクリーンに画像を表示する場合に本発明を適用することができる。例えば、楕円を回転させた回転体を半分に切断した投影面を有する曲面スクリーンに画像を投影するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、本発明をゲームシステムに適用した場合の例について説明してきたが、三次元オブジェクトを用いた三次元画像を球面スクリーンに投影する各種の装置に本発明を適用することができる。例えば、三次元オブジェクトを用いてプレゼンテーションを行う装置や、フライトシミュレータ等の各種のシミュレータ装置などに本発明を適用することができる。
発明の効果
上述したように、本発明によれば、曲面スクリーンに表示された画像の一部が欠落することを許容することにより、長方形の投影範囲を有するフレームバッファの使用率を飛躍的に高めることができるため、曲面スクリーンに表示される画像の解像度を上げることができる。
一実施形態のゲームシステムの構成を示す図である。 ゲームシステムの動作手順の概要を示す流れ図である。 円形領域の上部がフレームバッファの格納領域から外れるように設定する場合における円形領域とフレームバッファの格納領域との対応関係を示す図である。 フレームバッファに格納される画像情報に基づいて球面スクリーンに投影されるゲーム画像の上下方向の表示範囲を示す図である。 投影位置を球面スクリーンの球心位置よりも上方にずらして設定する場合におけるゲーム画像の上下方向の表示範囲を示す図である。 円形領域の上部および下部がフレームバッファの格納領域から外れるように設定する場合における円形領域とフレームバッファの格納領域との対応関係を示す図である。 フレームバッファに格納される画像情報に基づいて球面スクリーンに投影されるゲーム画像の上下方向の表示範囲を示す図である。 円形領域の直径を矩形領域の長辺よりも長く設定する変形例における円形領域とフレームバッファの格納領域の対応関係を示す図である。 従来の画像表示装置における画像メモリと実際の投影範囲との関係を示す図である。
1 ゲーム装置
2 プロジェクタ
3 レンズ
4 球面スクリーン
10 入力装置
20 ゲーム演算部
22 入力判定部
24 イベント処理部
26 ゲーム空間演算部
30 情報記憶媒体
40 画像処理部
42 座標変換処理部
44 テクスチャマッピング処理部
46 シェーディング処理部
50 フレームバッファ

Claims (1)

  1. 投影された画像を広角レンズを通して曲面スクリーン上に表示する画像表示装置であって、
    格納領域である矩形領域の一部を使用して画像情報が格納されるフレームバッファと、
    前記広角レンズのイメージサークルに対応する円形領域の一部と前記矩形領域の一部が対応し、前記円形領域に対応して前記フレームバッファに格納されている前記画像情報に基づいて画像の投影を行う投影装置と、
    前記フレームバッファの格納領域に対して画像情報を格納する画像情報格納手段と、
    を備え、前記円形領域の直径を前記矩形領域の長辺に一致させるとともに前記円形領域の円周が前記矩形領域の一方の長辺に接している、あるいは、前記円形領域の直径を前記矩形領域の長辺に一致させるとともに前記円形領域の上部および下部が前記矩形領域から外れることを特徴とする画像表示装置。
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