JP5464611B2 - 浸炭処理用の誘導加熱コイル及び浸炭処理装置 - Google Patents
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Description
この発明は、浸炭処理用の誘導加熱コイル、及び、この誘導加熱コイルを備えた浸炭処理装置に関する。
自動車に搭載される変速機として、ベルト式の連続可変トランスミッション(以下、CVTという)が知られており、このCVTは、駆動側及び従動側のプーリー装置及び動力伝達チェーン等を備えている。プーリー装置それぞれは、軸部及び円盤状のプーリー部を一体として有しているプーリーシャフトと、前記軸部に沿って変位可能なプーリーとを備えている。
プーリーシャフトでは、特開平9−25519に開示されているように、耐久性等を高めるため、熱処理として、プーリーシャフトを部分的に短時間加熱して急冷する高周波焼き入れ処理が施されているものがある。
プーリーシャフトでは、特開平9−25519に開示されているように、耐久性等を高めるため、熱処理として、プーリーシャフトを部分的に短時間加熱して急冷する高周波焼き入れ処理が施されているものがある。
しかし、プーリーシャフトのベルトの摺動面には高い面圧が作用し、また、プーリーシャフト全体には荷重が繰り返し作用することから疲労寿命を延ばすために、熱処理として、焼き入れ処理よりも、浸炭処理を行うのが好ましい場合がある。
従来、浸炭処理を行う装置として、内部のヒーターによってワークを加熱するバッチ式又は連続式の加熱炉を備えた装置がある。
従来、浸炭処理を行う装置として、内部のヒーターによってワークを加熱するバッチ式又は連続式の加熱炉を備えた装置がある。
プーリーシャフトを浸炭処理する際、その全体を比較的長い任意の所定時間均一に加熱保持する必要がある。しかし、プーリーシャフトは、軸部及び円盤状のプーリー部を有し複雑な形状であるため、前記加熱炉による浸炭処理は、このような形状であるプーリーシャフトの浸炭処理には積載量が限られ適していないことがある。また、短時間の部分加熱に用いられる高周波焼き入れ用コイルを浸炭処理に用いても、良好な結果は得られない。
そこで、発明者は、図13に示しているように、プーリーシャフト90の形状に応じて設けられた複数のコイル91,92,93,94,95と、これらコイル毎に設けられた電源部96とを有し、プーリーシャフト90の各部を誘導加熱することを試みた。
しかし、この場合、プーリーシャフト90を広い範囲で長時間、加熱保持することが可能となったが、均一に加熱するまでには至らなかった。すなわち、軸部とプーリー部との境界付近の温度は特に高くなるが、プーリー部のベルト摺動面は、特にその外周端部に近づくほど温度が低くなるという傾向が認められた。また、この構成では、電源部96が複数必要となり、装置のイニシャルコストが高くなり、また、プーリーシャフト90に対してコイル91,92,93,94,95を設置する作業が困難となり、作業性が悪く生産性が低下するという問題点にも直面した。
そこで、発明者は、図13に示しているように、プーリーシャフト90の形状に応じて設けられた複数のコイル91,92,93,94,95と、これらコイル毎に設けられた電源部96とを有し、プーリーシャフト90の各部を誘導加熱することを試みた。
しかし、この場合、プーリーシャフト90を広い範囲で長時間、加熱保持することが可能となったが、均一に加熱するまでには至らなかった。すなわち、軸部とプーリー部との境界付近の温度は特に高くなるが、プーリー部のベルト摺動面は、特にその外周端部に近づくほど温度が低くなるという傾向が認められた。また、この構成では、電源部96が複数必要となり、装置のイニシャルコストが高くなり、また、プーリーシャフト90に対してコイル91,92,93,94,95を設置する作業が困難となり、作業性が悪く生産性が低下するという問題点にも直面した。
そこで、本発明は、高周波焼き入れ処理のようにプーリーシャフトを部分的に短時間加熱する構成ではなく、浸炭処理するためにプーリーシャフトを広い範囲で長時間にわたり均一に加熱することができる構成であり、かつ、浸炭処理するための構成を簡素化することが可能となる浸炭処理用の誘導加熱コイル、及び、この誘導加熱コイルを備えた浸炭処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明は、円盤状のプーリー部と軸部とを同じ中心線上に有しているプーリーシャフトを、当該中心線回りに回転させながら加熱して浸炭処理するための誘導加熱コイルであって、少なくとも前記軸部を誘導加熱するための第一コイル部と、前記プーリー部の表面から裏面に跨って当該プーリー部のまわりに設けられ当該プーリー部を誘導加熱するための第二コイル部とを備え、前記第一コイル部と前記第二コイル部とが直列に一体化されており、前記プーリーシャフトを前記中心線回りに回転させながら前記プーリー部を誘導加熱するための前記第二コイル部は、当該プーリー部の前記表面及び前記裏面に対向して当該プーリー部のまわりを一周以上巻いた状態となる全巻き線部を有していることを特徴とする。
本発明によれば、第一コイル部は少なくとも軸部を誘導加熱するためのものであり、第二コイル部はプーリー部を誘導加熱するためのものであるので、プーリーシャフトを広い範囲で加熱して浸炭処理することができる。特に、第二コイル部は、プーリー部の表面から裏面に跨って当該プーリー部の回りに設けられるので、プーリー部の表面及び裏面の双方を浸炭処理することが可能となる。
そして、このようにプーリーシャフトを広い範囲で加熱することができる構成であり、かつ、第一コイル部と第二コイル部とが直列に一体化されているので、第一コイルと第二コイルとの電源を共通化することができ、浸炭処理するための装置の構成を簡素化することができる。
そして、このようにプーリーシャフトを広い範囲で加熱することができる構成であり、かつ、第一コイル部と第二コイル部とが直列に一体化されているので、第一コイルと第二コイルとの電源を共通化することができ、浸炭処理するための装置の構成を簡素化することができる。
また、前記第一コイル部は、前記軸部に平行な方向に延びかつ当該軸部を間に挟んで配置した対を成す軸方向線部と、当該対を成す軸方向線部を連結していると共に前記中心線側を中心に湾曲して前記軸部の端面を軸方向に開放する迂回線部とを有しているのが好ましい。
プーリーシャフトを浸炭処理する際に、軸形状である当該プーリーシャフトを支持する必要があるが、前記迂回線部によれば、プーリーシャフトの前記軸部の端面は軸方向に開放されているので、軸部を軸方向両外側から挟んでプーリーシャフトを支持することができる。
プーリーシャフトを浸炭処理する際に、軸形状である当該プーリーシャフトを支持する必要があるが、前記迂回線部によれば、プーリーシャフトの前記軸部の端面は軸方向に開放されているので、軸部を軸方向両外側から挟んでプーリーシャフトを支持することができる。
また、前記第一コイル部及び前記第二コイル部から前記中心線に直交する一方向に向かって、前記プーリーシャフトを出し入れ可能な空間が形成されているのが好ましい。
この空間によれば、誘導加熱コイルの第一コイル部及び第二コイル部に対して、プーリーシャフトを、干渉することなく、前記一方向から接近させて当該プーリーシャフトを当該誘導加熱コイルによって囲まれた所定の位置に設置することができ、また、前記所定の位置にあったプーリーシャフトを誘導加熱コイルから、干渉することなく、前記一方向に向かって離反させて取り出すことができる。この結果、浸炭処理を行うための準備作業としてのコイルの設置が不要となり、自動化が可能となる。
この空間によれば、誘導加熱コイルの第一コイル部及び第二コイル部に対して、プーリーシャフトを、干渉することなく、前記一方向から接近させて当該プーリーシャフトを当該誘導加熱コイルによって囲まれた所定の位置に設置することができ、また、前記所定の位置にあったプーリーシャフトを誘導加熱コイルから、干渉することなく、前記一方向に向かって離反させて取り出すことができる。この結果、浸炭処理を行うための準備作業としてのコイルの設置が不要となり、自動化が可能となる。
また、前記第二コイル部は、前記プーリー部の表面に対向する表対向線部と、裏面に対向する裏対向線部とを有し、前記表対向線部と前記裏対向線部とが表裏で非対称の配置となる非対称構造部を有しているのが好ましい。
この場合、表対向線部と裏対向線部とによって、プーリー部の表面及び裏面の双方を誘導加熱して浸炭処理することが可能となるが、プーリー部の内の厚さが薄い部分では、表面と裏面とで発生する渦電流が打ち消しあって発熱量が小さくなるおそれがある。しかし、前記非対称構造部によれば、表対向線部と裏対向線部とが表裏で非対称の配置となるので、表面と裏面とで発生する渦電流が打ち消しあうことを防ぐことができる。このため、厚さが薄い部分において、発熱量が小さくなるのを防ぐことができる。
この場合、表対向線部と裏対向線部とによって、プーリー部の表面及び裏面の双方を誘導加熱して浸炭処理することが可能となるが、プーリー部の内の厚さが薄い部分では、表面と裏面とで発生する渦電流が打ち消しあって発熱量が小さくなるおそれがある。しかし、前記非対称構造部によれば、表対向線部と裏対向線部とが表裏で非対称の配置となるので、表面と裏面とで発生する渦電流が打ち消しあうことを防ぐことができる。このため、厚さが薄い部分において、発熱量が小さくなるのを防ぐことができる。
また、前記誘導加熱コイルの前記第一コイル部は、前記軸部を誘導加熱するための部分と、前記プーリー部の内の前記軸部から前記中心線に直交する方向両側に延びている延伸部分を誘導加熱するための部分とを有しているのが好ましい。
この構成によれば、第一コイル部によって、軸部の他に、プーリー部の一部(前記延伸部分)も誘導加熱することができ、プーリーシャフトを広い範囲で誘導加熱して浸炭処理することができる。
このように広い範囲で誘導加熱することができ、かつ、第一コイル部を簡単な構成とするために、前記軸部を誘導加熱するための部分と、前記延伸部分を誘導加熱するための部分とは、前記中心線を含む仮想平面に沿ってかつ前記プーリーシャフトを周回する配置とすればよい。
この構成によれば、第一コイル部によって、軸部の他に、プーリー部の一部(前記延伸部分)も誘導加熱することができ、プーリーシャフトを広い範囲で誘導加熱して浸炭処理することができる。
このように広い範囲で誘導加熱することができ、かつ、第一コイル部を簡単な構成とするために、前記軸部を誘導加熱するための部分と、前記延伸部分を誘導加熱するための部分とは、前記中心線を含む仮想平面に沿ってかつ前記プーリーシャフトを周回する配置とすればよい。
また、本発明は、円盤状のプーリー部と軸部とを同じ中心線上に有しているプーリーシャフトを、当該中心線回りに回転させながら加熱して浸炭処理するための誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルによって前記プーリーシャフトを加熱して昇温させると共に当該昇温後に昇温状態を所定時間継続させる制御を行う制御装置とを有し、前記誘導加熱コイルは、少なくとも前記軸部を誘導加熱するための第一コイル部と、前記プーリー部の表面から裏面に跨って当該プーリー部のまわりに設けられ当該プーリー部を誘導加熱するための第二コイル部とを備え、前記第一コイル部と前記第二コイル部とが直列に一体化されており、前記プーリーシャフトを前記中心線回りに回転させながら前記プーリー部を誘導加熱するための前記第二コイル部は、当該プーリー部の前記表面及び前記裏面に対向して当該プーリー部のまわりを一周以上巻いた状態となる全巻き線部を有していることを特徴とする。
本発明によれば、浸炭処理するために、誘導加熱コイルは、プーリーシャフトを広い範囲で任意の所定時間にわたって均一に加熱保持することができる構成であり、かつ、第一コイル部と第二コイル部とが直列の配置で一体化接続されているので、第一コイルと第二コイルとの電源を共通化することができ、浸炭処理装置の構成を簡素化することができる。
そして、制御装置によって、プーリーシャフトを加熱して昇温させると共に昇温状態を所定時間継続することにより、プーリーシャフトの浸炭処理を行うことができる。
そして、制御装置によって、プーリーシャフトを加熱して昇温させると共に昇温状態を所定時間継続することにより、プーリーシャフトの浸炭処理を行うことができる。
また、前記制御装置は、前記第二コイル部によって前記プーリー部の表面側で発生させる渦電流と裏面側で発生させる渦電流とが、双方で打ち消し合わないように、前記誘導加熱コイルに与える電流を高周波とする電源を有しているのが好ましい。
この場合、第二コイルによって、プーリー部の表面及び裏面の双方を加熱して浸炭処理することが可能となるが、プーリー部の内の厚さが薄い部分では、渦電流が打ち消しあって発熱量が小さくなるおそれがある。しかし、電源が誘導加熱コイルに与える電流を高周波とすることで、渦電流の浸透深さを浅くすることができ、厚さが薄い部分において、発熱量が小さくなるのを防止することが可能となる。
この場合、第二コイルによって、プーリー部の表面及び裏面の双方を加熱して浸炭処理することが可能となるが、プーリー部の内の厚さが薄い部分では、渦電流が打ち消しあって発熱量が小さくなるおそれがある。しかし、電源が誘導加熱コイルに与える電流を高周波とすることで、渦電流の浸透深さを浅くすることができ、厚さが薄い部分において、発熱量が小さくなるのを防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の誘導加熱コイル7を備えた浸炭処理装置の概略を示している説明図である。この浸炭処理装置は、プーリーシャフト1を加熱する誘導加熱コイル7と、浸炭処理のための制御を行う制御装置6とを備えている。
プーリーシャフト1は、例えばクロム鋼(SCr420)からなり、円盤状のプーリー部3と軸部2とを一体として有している。プーリー部3と軸部2とは、同じ軸芯(以下、この軸芯を中心線Cという)上に配置されている。
なお、本発明において、前記中心線Cに沿った方向をZ軸方向とし、プーリー部3の径方向であってZ軸方向に直交する一方向をX軸方向とし、プーリー部3の径方向であってZ軸方向とX軸方向とに直交する方向をY軸方向とする。
図1は、本発明の誘導加熱コイル7を備えた浸炭処理装置の概略を示している説明図である。この浸炭処理装置は、プーリーシャフト1を加熱する誘導加熱コイル7と、浸炭処理のための制御を行う制御装置6とを備えている。
プーリーシャフト1は、例えばクロム鋼(SCr420)からなり、円盤状のプーリー部3と軸部2とを一体として有している。プーリー部3と軸部2とは、同じ軸芯(以下、この軸芯を中心線Cという)上に配置されている。
なお、本発明において、前記中心線Cに沿った方向をZ軸方向とし、プーリー部3の径方向であってZ軸方向に直交する一方向をX軸方向とし、プーリー部3の径方向であってZ軸方向とX軸方向とに直交する方向をY軸方向とする。
誘導加熱コイル7は、プーリーシャフト1を浸炭処理するために、プーリーシャフト1の回りに巻かれた状態となる。そして、誘導加熱コイル7は、制御装置6が有している電源8から高周波電流が与えられ、この高周波電流により発生する誘導電流(渦電流)によってプーリーシャフト1を誘導加熱する。
誘導加熱コイル7は、高周波用の入力端子を有している入力線部30,31と、入力線部30と接続され少なくとも軸部2を誘導加熱するための第一コイル部10と、入力線部31と接続されプーリー部3を誘導加熱するための第二コイル部20とを有している。なお、本実施形態の第一コイル部10は、後にも説明するが、軸部2を誘導加熱するための部分(軸方向線部11,12)の他に、プーリー部3の内の軸部2から中心線Cに直交する方向両側(Y方向両側)に延びている延伸部分3bを誘導加熱するための部分(半巻き線部23,24)も有している。すなわち、本実施形態では、第一コイル部10は、軸部2の他に、プーリー部3の前記延伸部分3bも誘導加熱する。
そして、誘導加熱コイル7は、第一コイル部10と第二コイル部20とを接続している接続線部32を更に有している。
入力線部30,31それぞれの入力端子は、電源8側のケーブル(図示せず)と接続されている。そして、第一コイル部10と第二コイル部20とは、接続線部32を介して、電気的に直列に一体化されている。
誘導加熱コイル7は、高周波用の入力端子を有している入力線部30,31と、入力線部30と接続され少なくとも軸部2を誘導加熱するための第一コイル部10と、入力線部31と接続されプーリー部3を誘導加熱するための第二コイル部20とを有している。なお、本実施形態の第一コイル部10は、後にも説明するが、軸部2を誘導加熱するための部分(軸方向線部11,12)の他に、プーリー部3の内の軸部2から中心線Cに直交する方向両側(Y方向両側)に延びている延伸部分3bを誘導加熱するための部分(半巻き線部23,24)も有している。すなわち、本実施形態では、第一コイル部10は、軸部2の他に、プーリー部3の前記延伸部分3bも誘導加熱する。
そして、誘導加熱コイル7は、第一コイル部10と第二コイル部20とを接続している接続線部32を更に有している。
入力線部30,31それぞれの入力端子は、電源8側のケーブル(図示せず)と接続されている。そして、第一コイル部10と第二コイル部20とは、接続線部32を介して、電気的に直列に一体化されている。
第一コイル部10は、軸部2を誘導加熱するために、対の軸方向線部11,12を有している。軸方向線部11,12は、軸部2(中心線C)に平行な方向に延び、かつ、Y軸方向で当該軸部2を間に挟んだ配置にある。軸方向線部11,12は、軸部2の長さよりも長く設定されているが、その途中部に、前記延伸部分3bを誘導加熱するための後述する半巻き線部23,24が介在している。第一コイル部10は、三巻きのコイル部からなり、軸方向線部11,12では、電流の流れる方向はZ軸方向(正方向及び負方向)である。
図2及び図3は、誘導加熱コイル7及びプーリーシャフト1の平面図及び底面図である。第一コイル部10は、対の軸方向線部11,12の両端側に迂回線部13を有していて、この迂回線部13は、対の軸方向線部11,12を連結していると共に、中心線C側を中心に湾曲して軸部2の端面2aを軸方向外側に開放している。
図2及び図3は、誘導加熱コイル7及びプーリーシャフト1の平面図及び底面図である。第一コイル部10は、対の軸方向線部11,12の両端側に迂回線部13を有していて、この迂回線部13は、対の軸方向線部11,12を連結していると共に、中心線C側を中心に湾曲して軸部2の端面2aを軸方向外側に開放している。
なお、プーリーシャフト1を浸炭処理する際に、プーリーシャフト1を支持する必要がある。特に、この実施形態では、プーリーシャフト1を、中心線C回りに回転させながら誘導加熱コイル7によって加熱することから、軸部2を軸方向両外側から挟んで、プーリーシャフト1を支持するのが好ましい。
そこで、前記迂回線部13によれば、軸部2の端面2aを軸方向両外側に開放しているので、プーリーシャフト1を軸方向両外側からチャック部(図示せず)によって挟むことができる。そして、このチャック部を中心線C回りに回転駆動することで、プーリーシャフト1を回転させることができる。
そこで、前記迂回線部13によれば、軸部2の端面2aを軸方向両外側に開放しているので、プーリーシャフト1を軸方向両外側からチャック部(図示せず)によって挟むことができる。そして、このチャック部を中心線C回りに回転駆動することで、プーリーシャフト1を回転させることができる。
図4及び図5は、誘導加熱コイル7及びプーリーシャフト1の背面図及び正面図である。対の軸方向線部11,12には、その途中部で前記延伸部分3bを誘導加熱するための部分が接続されている。すなわち、図4において、第一コイル部10は、軸方向線部11,12の他に、一方の軸方向線部11と連続してプーリー部3の前記延伸部分3bをほぼ半周巻いた状態となる半巻き線部23と、他方の軸方向線部12と連続してプーリー部3の前記延伸部分3bをほぼ半周巻いた状態となる半巻き線部24とを更に有している。
半巻き線部23,24は、プーリー部3の表面4及び裏面5に対向する表対向線部21及び裏対向線部22を有している。表対向線部21は、直線状の部分23a及び直線状の部分24aを有していて、裏対向線部22は、直線状の部分23b及び直線状の部分24bを有している。
半巻き線部23,24は、プーリー部3の表面4及び裏面5に対向する表対向線部21及び裏対向線部22を有している。表対向線部21は、直線状の部分23a及び直線状の部分24aを有していて、裏対向線部22は、直線状の部分23b及び直線状の部分24bを有している。
図5において、第二コイル部20は、プーリー部3(ただし、前記延伸部分3b以外の部分)を一周以上巻いた状態となる全巻き線部27を有している。全巻き線部27は、プーリー部3の表面4及び裏面5に対向する表対向線部25及び裏対向線部26を有している。この表対向線部25は、プーリー部3の表面4に対向する直線状の部分25aを有し、裏対向線部26は、プーリー部3の裏面5に対向する直線状の部分26aを有している。
以上より、第二コイル部20は、プーリー部3の表面4に対向する表対向線部25と、裏面5に対向する裏対向線部26とを有している。
そして、第二コイル部20は、プーリー部3の内の前記延伸部分3b以外の部分を加熱するために、プーリー部3の表面4から裏面5に跨って、プーリー部3の回りに巻かれている。
以上より、第二コイル部20は、プーリー部3の表面4に対向する表対向線部25と、裏面5に対向する裏対向線部26とを有している。
そして、第二コイル部20は、プーリー部3の内の前記延伸部分3b以外の部分を加熱するために、プーリー部3の表面4から裏面5に跨って、プーリー部3の回りに巻かれている。
図1において、第一コイル部10の半巻き線部23,24及び第二コイル部20の全巻き線部27それぞれは、三巻きのコイル部からなり、半巻き線部23の直線状の部分23a,23b(図4参照)、半巻き線部24の直線状の部分24a,24b、及び、全巻き線部27の直線状の部分25a,26a(図5参照)では、電流の流れる方向はY軸方向(正方向及び負方向)である。
全巻き線部27の表対向線部25及び裏対向線部26は、中心線Cと交差せずにY方向に平行である。すなわち、中心線Cに対してねじれの位置にある。半巻き線部23,24は、軸方向線部11,12と同じ仮想平面(Y−Z平面)に沿って配置されていて、半巻き線部23,24の前記直線状の部分は、Y軸方向についてのプーリー部3の径方向と平行である。
図6及び図7は、誘導加熱コイル7及びプーリーシャフト1の左側面図及び右側面図である。全巻き線部27は、半巻き部23,24に対してX軸方向の一方側にのみ設けられている。
図6及び図7は、誘導加熱コイル7及びプーリーシャフト1の左側面図及び右側面図である。全巻き線部27は、半巻き部23,24に対してX軸方向の一方側にのみ設けられている。
図4に示しているように、プーリーシャフト1を第一コイル部10及び第二コイル部20によって囲んだ状態で、背面から見ると(中心線Cに直交する一方向(X軸の負の方向)から見ると)、軸方向線部11,12及び半巻き線部23,24の巻き線は、プーリーシャフト1の全部が見えるようにしてプーリーシャフト1の回りを巻いた配置となる。すなわち、第一コイル部10及び第二コイル部20から背面側から(中心線Cに直交する一方向(X軸方向の負の方向)から)、プーリーシャフト1を出し入れ可能な空間が形成されている。
この空間によれば、誘導加熱コイル7に対して、プーリーシャフト1を、干渉することなく、背面側から接近させてプーリーシャフト1を誘導加熱コイル7によって囲まれた所定の位置に設置することができ、また、前記所定の位置にあったプーリーシャフト1を誘導加熱コイル7から、干渉することなく、背面側に向かって離反させて取り出すことができる。この結果、浸炭処理の前後の搬入と搬出とを、自動化することができ、かつ、迅速に行うことが可能となる。
なお、図5に示しているように、正面から見ると全巻き線部27は、プーリーシャフト1の軸部2をY方向に跨いで設けられている。このため、プーリーシャフト1を正面側から出し入れすることは不可能である。
この空間によれば、誘導加熱コイル7に対して、プーリーシャフト1を、干渉することなく、背面側から接近させてプーリーシャフト1を誘導加熱コイル7によって囲まれた所定の位置に設置することができ、また、前記所定の位置にあったプーリーシャフト1を誘導加熱コイル7から、干渉することなく、背面側に向かって離反させて取り出すことができる。この結果、浸炭処理の前後の搬入と搬出とを、自動化することができ、かつ、迅速に行うことが可能となる。
なお、図5に示しているように、正面から見ると全巻き線部27は、プーリーシャフト1の軸部2をY方向に跨いで設けられている。このため、プーリーシャフト1を正面側から出し入れすることは不可能である。
誘導加熱コイル7の構成について、一方の入力線部30から他方の入力線部31までの順を説明すると、図4において、一方の入力線部30、軸方向線部12の上部、半巻き線部24、軸方向線部12の下部、下側の迂回線部13、軸方向線部11の下部、半巻き線部23、軸方向線部11の上部、上側の迂回線部13となり、以上の各線部によってプーリーシャフト1は一巻きのコイル部に囲まれた構成となる。そして、前記各線部を同じように連続させて配置して三巻きの構成が得られ、以上の部分が前記第一コイル部10となる。そして、図6において、三巻目の軸方向線部11の上部は、接続線部32の上部に接続される。
そして、図1において、接続線部32の下部は、全巻き線部27と、表対向線部25の直線状の部分25aにおいて接続され、全巻き線部27は反時計回りにプーリー部3を三回巻く。全巻き線部27は、一周毎に、X軸方向に位置ずれしてプーリー部3を三回巻いた構成となる。接続線部32の下部以降のこの部分が前記第二コイル部20となる。そして、この全巻き線部27の端部に、他方の入力線部31が接続されている。
以上のように、誘導加熱コイル7は、一方の入力線部30から、第一コイル部10、接続線部32、第二コイル部20を経て、他方の入力線部31までが、一筆書きの構成となっている。また、実施形態の誘導加熱コイル7の各線部は、断面が偏平した形状(長方形)である。
以上のように、誘導加熱コイル7は、一方の入力線部30から、第一コイル部10、接続線部32、第二コイル部20を経て、他方の入力線部31までが、一筆書きの構成となっている。また、実施形態の誘導加熱コイル7の各線部は、断面が偏平した形状(長方形)である。
図1において、制御装置6は、RAMやROM等の記憶装置からなる記憶部6aを有し、制御装置6が実行する浸炭処理のためのコンピュータプログラムを記憶している。そして、制御装置6は、前記コンピュータプログラムを実行することで達成される機能部として、浸炭制御部6bを備えている。浸炭制御部6bは、誘導加熱コイル7に交流電流を与える時間、タイミング、電流値、周波数等を制御するために、電源8を含む電源回路部を制御可能な構成である。
図8は、前記誘導加熱コイル7を用いて浸炭処理を行う浸炭制御部6bの機能を説明する図であり、誘導加熱コイル7によってプーリーシャフト1を加熱して浸炭処理を行う様子を示しているタイムチャート図である。図8に示しているように、浸炭制御部6bは、その制御として、誘導加熱コイル7によってプーリーシャフト1を加熱して所定温度Tまで昇温させると共に、当該昇温後に昇温状態を所定時間〔t(sec)〕継続する制御を行う。そして、プーリーシャフト1を中心線C回りに回転させながら、浸炭処理を行う
なお、図9は、高周波焼き入れ処理(従来例)を説明する図である。高周波焼き入れ処理は、プーリーシャフトの一部(例えば、プーリー部の表面)を、図9に示しているように、短時間加熱して急速に冷却する処理であり、本発明の浸炭処理と全く異なる。
そして、図8に示している浸炭処理によれば、プーリーシャフト1のプーリー部3の表面4(ベルトの摺動面)には高い面圧が作用するが、この面圧に抗することができる。さらに、プーリーシャフト1には荷重が繰り返し作用するが、この荷重に耐えることができ、疲労寿命を延ばすことができる。
そして、図8に示している浸炭処理によれば、プーリーシャフト1のプーリー部3の表面4(ベルトの摺動面)には高い面圧が作用するが、この面圧に抗することができる。さらに、プーリーシャフト1には荷重が繰り返し作用するが、この荷重に耐えることができ、疲労寿命を延ばすことができる。
また、プーリーシャフト1が例えば有効硬化層深さ0.7mmを有するために、図8において、前記所定温度Tを1150℃とした場合、前記所定時間tは540秒とすることができ、また、前記所定温度Tを1250℃とした場合、前記所定時間tは396秒、前記所定温度Tを1300℃とした場合、前記所定時間tは360秒と設定される。なお、前記所定温度Tは、950〜1350℃に設定することができ、所定時間は数秒〜数時間とすることができる。
前記のとおり、第二コイル部20は、プーリー部3の表面4から裏面5に跨って当該プーリー部3の回りに設けられていることから、図10(a)の実施例の図に示しているように、プーリー部3の表面4及び裏面5の双方を加熱して浸炭処理することが可能となる。なお、図1に示した誘導加熱コイル7の構成よれば、図10(a)に示しているように、第二コイル部20の表対向線部25(21)と裏対向線部26(22)とで電流の流れる方向は反対となる。
そして、プーリー部3の縁部は厚さが薄い。したがって、図10(b)に示しているように、誘導加熱コイル7によって発生する渦電流の浸透深さが大きいと、厚さが薄い部分3aでは、プーリー部3を表面4から加熱するために表面4側で発生させた渦電流と、裏面5から加熱するために裏面5側で発生させた渦電流とが、双方で打ち消し合い、発熱量が小さくなり、この結果、予定の有効硬化層深さが得られない場合がある。
具体的には、薄い部分3aの厚さBは3mm程度であり、この場合、例えば周波数を25kHzとすると、図10(b)のクロスハッチで示している領域では、渦電流同士が打ち消されてしまい、表面3及び裏面5に近い部分で未発熱部分が発生してしまう。なお、図10(a)(b)では、表対向線部25と裏対向線部26とを、簡略化のために、断面円形に示している。
そして、プーリー部3の縁部は厚さが薄い。したがって、図10(b)に示しているように、誘導加熱コイル7によって発生する渦電流の浸透深さが大きいと、厚さが薄い部分3aでは、プーリー部3を表面4から加熱するために表面4側で発生させた渦電流と、裏面5から加熱するために裏面5側で発生させた渦電流とが、双方で打ち消し合い、発熱量が小さくなり、この結果、予定の有効硬化層深さが得られない場合がある。
具体的には、薄い部分3aの厚さBは3mm程度であり、この場合、例えば周波数を25kHzとすると、図10(b)のクロスハッチで示している領域では、渦電流同士が打ち消されてしまい、表面3及び裏面5に近い部分で未発熱部分が発生してしまう。なお、図10(a)(b)では、表対向線部25と裏対向線部26とを、簡略化のために、断面円形に示している。
そこで、本発明の制御装置6が有している電源8によって誘導加熱コイル7に与える交流電流の周波数は、高周波(例えば100kHz)に設定されている。
ここで、誘導加熱コイル7による渦電流の浸透深さについて説明すると、浸透深さδは、式(1)で表される。なお、f:周波数、μ:電気伝導度(1/Ωm)、σ:透磁率(H/mm)である。
δ=1/(π×f×μ×σ)1/2 ・・・ (1)
ここで、誘導加熱コイル7による渦電流の浸透深さについて説明すると、浸透深さδは、式(1)で表される。なお、f:周波数、μ:電気伝導度(1/Ωm)、σ:透磁率(H/mm)である。
δ=1/(π×f×μ×σ)1/2 ・・・ (1)
したがって、誘導加熱コイル7に与える交流電流の周波数を高く設定することで、渦電流の浸透深さδを浅くすることができる。そこで、高周波に設定することで、図10(a)に示しているように、特に厚さが薄い部分3aの表面4及び裏面5において、渦電流の浸透深さδを浅くすることができるので、表面4側で発生させる渦電流と、裏面5側で発生させる渦電流とが双方で打ち消し合わない。したがって、プーリー部3の縁部についても、浸炭処理を行うことができる。
図11は、本発明の誘導加熱コイル7を備えた浸炭処理装置の他の実施形態の概略を示している説明図である。この実施形態は、図1と比べて誘導加熱コイル7の第二コイル部20が有している全巻き線部27の形状が異なっている。その他は同じである。図11に示している実施形態では、全巻き線部27と入力線部31との接続位置が、図1の実施形態と異なっている。つまり、図1では三巻きであったのに対して、図11では二巻きと半分となっている。
図12は、図11の誘導加熱コイル7を用いた場合における、プーリー部3の縁部及び全巻き線部27の断面図である。図12において、全巻き線部27は、前記表対向線部25の直線状の部分25aと前記裏対向線部26の直線状の部分26aとが、表裏で対称の配置となっている対称構造部28(二点鎖線で囲まれている部分)と、前記表対向線部25の直線状の部分25aと前記裏対向線部26の直線状の部分26aとが、表裏で非対称の配置となっている非対称構造部29(一点鎖線で囲まれている部分)とを有している。
すなわち、非対称構造部29では、プーリー部3の最も外周側となる部分に対向する表面4側の巻き線と裏面5側の巻き線との内の一方が省略されている。なお、図12では、裏面5側の直線状の部分26aが省略されている。
この構成よれば、プーリー部3の内の厚さが大きい部分では、表面4及び裏面5の双方を加熱して浸炭処理することが可能となるが、プーリー部3の内の厚さが薄い部分3aでは、前記のとおり、表面4と裏面5とで発生する渦電流が打ち消しあって発熱量が小さくなるおそれがある。しかし、非対称構造部29は、表対向線部25と裏対向線部26とが表裏で非対称の配置となる部分であるので、厚さが薄い部分3aの表面4及び裏面5の内の一方において、渦電流の浸透深さδを浅くすることができる。このため、厚さが薄い部分3aにおいて、表面4と裏面5とで発生する渦電流が打ち消しあうことを防ぐことができ、表面3及び裏面5に近い部分で未発熱部分が発生するのを防止することができる。したがって、プーリー部3の縁部についても浸炭処理を行うことができる。なお、この実施形態の場合、周波数を前記実施形態よりも低くすることができ、例えば25kHzとすることができる。
この構成よれば、プーリー部3の内の厚さが大きい部分では、表面4及び裏面5の双方を加熱して浸炭処理することが可能となるが、プーリー部3の内の厚さが薄い部分3aでは、前記のとおり、表面4と裏面5とで発生する渦電流が打ち消しあって発熱量が小さくなるおそれがある。しかし、非対称構造部29は、表対向線部25と裏対向線部26とが表裏で非対称の配置となる部分であるので、厚さが薄い部分3aの表面4及び裏面5の内の一方において、渦電流の浸透深さδを浅くすることができる。このため、厚さが薄い部分3aにおいて、表面4と裏面5とで発生する渦電流が打ち消しあうことを防ぐことができ、表面3及び裏面5に近い部分で未発熱部分が発生するのを防止することができる。したがって、プーリー部3の縁部についても浸炭処理を行うことができる。なお、この実施形態の場合、周波数を前記実施形態よりも低くすることができ、例えば25kHzとすることができる。
また、本発明では、誘導加熱コイル7の巻き線は、断面が偏平した形状(長方形)であり、プーリーシャフト1のプーリー部3の面に対向する表面積が、断面円形の巻き線よりも大きい。これにより、巻き線のピッチ幅が大きくなっても、加熱量が不足することを防止することができる。
特に図12に示しているように、非対称構造部29では、表対向線部25の直線状の部分25aを、断面が偏平した形状とすることで、表面4に対向する表面積を大きくし、加熱量不足を抑制している。
特に図12に示しているように、非対称構造部29では、表対向線部25の直線状の部分25aを、断面が偏平した形状とすることで、表面4に対向する表面積を大きくし、加熱量不足を抑制している。
以上の各実施形態によれば、誘導加熱コイル7の第一コイル部10はプーリーシャフト1の軸部2及び前記延伸部分3bを加熱し、第二コイル部20はプーリー部3の内の前記延伸部分3b以外の部分を加熱するので、プーリーシャフト1を広い範囲で任意の所定時間均一に加熱保持して浸炭処理することができる。特に、第二コイル部20は、プーリー部3の表面4から裏面5に跨って当該プーリー部3の回りに巻かれた状態となるので、当該プーリー部3の表面4及び裏面5の双方を浸炭処理することが可能となる。
さらに、第一コイル部10及び第二コイル部20は同じ断面積であり同じ線材であり、直列の配置で一体化されている。このため、第一コイル部10及び第二コイル部20に流れる電流は同じとなる。プーリー部3は、軸部2よりも比表面積が大きいため、放熱量が大きく、昇温後の温度保持に必要なエネルギーは多く必要であるが、第二コイル部20は、この要求を充足し、必要なエネルギーを効果的に供給するものであり、誘導加熱コイル7の巻き線は、相対的にプーリー部3の方が多く設定されている。そして、誘導加熱コイル7の巻き線は、プーリーシャフト1の全体を均一に加熱できるように配置されている。
さらに、第一コイル部10及び第二コイル部20は同じ断面積であり同じ線材であり、直列の配置で一体化されている。このため、第一コイル部10及び第二コイル部20に流れる電流は同じとなる。プーリー部3は、軸部2よりも比表面積が大きいため、放熱量が大きく、昇温後の温度保持に必要なエネルギーは多く必要であるが、第二コイル部20は、この要求を充足し、必要なエネルギーを効果的に供給するものであり、誘導加熱コイル7の巻き線は、相対的にプーリー部3の方が多く設定されている。そして、誘導加熱コイル7の巻き線は、プーリーシャフト1の全体を均一に加熱できるように配置されている。
また、プーリー部3では、表面4及び裏面5に対向するようにして、巻き線が配置されている。すなわち、第二コイル部20でのコイル巻き方向は(表面4及び裏面5に対向する巻き線の長手方向)は、Y軸に平行な方向であり、プーリー部3の面が広がっている方向と同じとなっているので、第二コイル部20は、表面4及び裏面5に渦電流を効率よく発生させる巻き方となっている。
また、図6と図7とに示しているように、プーリー部3は、径方向外側に向かって厚さが次第に減少する形状である。そこで、このような形状に対応させるために、第二コイル部20において、複数の(図例では3巻きの)全巻き線部27それぞれは、径方向外側(X軸方向で正の方向)に所定のピッチで位置ずれして配置されると共に、径方向外側に向かうにしたがって対向する表対向線部25と裏対向線部26との間隔を狭くするようにして配置されている。この構成により、プーリー部3と全巻き線部27(表対向線部25及び裏対向線部26)とのZ軸方向の距離が、径方向外側に向かうにしたがって離れることを防ぐことができる。この結果、径方向外側に向かって厚さが次第に減少するプーリー部3を、均一に加熱することが可能となる。
また、図6と図7とに示しているように、プーリー部3は、径方向外側に向かって厚さが次第に減少する形状である。そこで、このような形状に対応させるために、第二コイル部20において、複数の(図例では3巻きの)全巻き線部27それぞれは、径方向外側(X軸方向で正の方向)に所定のピッチで位置ずれして配置されると共に、径方向外側に向かうにしたがって対向する表対向線部25と裏対向線部26との間隔を狭くするようにして配置されている。この構成により、プーリー部3と全巻き線部27(表対向線部25及び裏対向線部26)とのZ軸方向の距離が、径方向外側に向かうにしたがって離れることを防ぐことができる。この結果、径方向外側に向かって厚さが次第に減少するプーリー部3を、均一に加熱することが可能となる。
また、このように、浸炭処理するためにプーリーシャフト1を広い範囲で加熱することができる構成であり、かつ、第一コイル部10と第二コイル部20とが直列に一体化されているので、プーリー部3と軸部2とを加熱するための第一コイル部10と第二コイル部20との電源8を共通化することができる。このため、浸炭処理装置の構成を簡素化することができ、装置のコストダウンが可能となる。
また、本発明は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。前記実施形態では、浸炭処理するワークを、CVT用のプーリーシャフト1として説明したが、他のものであってもよい。
Claims (9)
- 円盤状のプーリー部と軸部とを同じ中心線上に有しているプーリーシャフトを、当該中心線回りに回転させながら加熱して浸炭処理するための誘導加熱コイルであって、
少なくとも前記軸部を誘導加熱するための第一コイル部と、
前記プーリー部の表面から裏面に跨って当該プーリー部のまわりに設けられ当該プーリー部を誘導加熱するための第二コイル部と、
を備え、
前記第一コイル部と前記第二コイル部とが直列に一体化されており、
前記プーリーシャフトを前記中心線回りに回転させながら前記プーリー部を誘導加熱するための前記第二コイル部は、当該プーリー部の前記表面及び前記裏面に対向して当該プーリー部のまわりを一周以上巻いた状態となる全巻き線部を有していることを特徴とする浸炭処理用の誘導加熱コイル。 - 前記第一コイル部は、前記軸部に平行な方向に延びかつ当該軸部を間に挟んで配置した対を成す軸方向線部と、当該対を成す軸方向線部を連結していると共に前記中心線側を中心に湾曲して前記軸部の端面を軸方向に開放する迂回線部と、を有している請求項1に記載の浸炭処理用の誘導加熱コイル。
- 前記第一コイル部及び前記第二コイル部から前記中心線に直交する一方向に向かって、前記プーリーシャフトを出し入れ可能な空間が形成されている請求項1又は2に記載の浸炭処理用の誘導加熱コイル。
- 前記第二コイル部は、前記プーリー部の表面に対向する表対向線部と、裏面に対向する裏対向線部とを有し、前記表対向線部と前記裏対向線部とが表裏で非対称の配置となる非対称構造部を有している請求項1又は2に記載の浸炭処理用の誘導加熱コイル。
- 前記第二コイル部は、前記プーリー部の表面に対向する表対向線部と、裏面に対向する裏対向線部とを有し、前記表対向線部と前記裏対向線部とが表裏で非対称の配置となる非対称構造部を有している請求項3に記載の浸炭処理用の誘導加熱コイル。
- 前記第一コイル部は、前記軸部を誘導加熱するための部分と、前記プーリー部の内の前記軸部から前記中心線に直交する方向両側に延びている延伸部分を誘導加熱するための部分とを有している請求項1又は2に記載の誘導加熱コイル。
- 前記軸部を誘導加熱するための部分と、前記延伸部分を誘導加熱するための部分とは、前記中心線を含む仮想平面に沿ってかつ前記プーリーシャフトを周回する配置にある請求項6に記載の誘導加熱コイル。
- 円盤状のプーリー部と軸部とを同じ中心線上に有しているプーリーシャフトを、当該中心線回りに回転させながら加熱して浸炭処理するための誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルによって前記プーリーシャフトを加熱して昇温させると共に当該昇温後に昇温状態を所定時間継続させる制御を行う制御装置と、を有し、
前記誘導加熱コイルは、少なくとも前記軸部を誘導加熱するための第一コイル部と、前記プーリー部の表面から裏面に跨って当該プーリー部のまわりに設けられ当該プーリー部を誘導加熱するための第二コイル部と、を備え、
前記第一コイル部と前記第二コイル部とが直列に一体化されており、
前記プーリーシャフトを前記中心線回りに回転させながら前記プーリー部を誘導加熱するための前記第二コイル部は、当該プーリー部の前記表面及び前記裏面に対向して当該プーリー部のまわりを一周以上巻いた状態となる全巻き線部を有していることを特徴とする浸炭処理装置。 - 前記制御装置は、前記第二コイル部によって前記プーリー部の表面側で発生させる渦電流と裏面側で発生させる渦電流とが、双方で打ち消し合わないように、前記誘導加熱コイルに与える電流を高周波とする電源を有している請求項8に記載の浸炭処理装置。
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