JP5464542B2 - リサイクルシート、リサイクルシートを構成材料として含む床材、リサイクルシートを製造する方法 - Google Patents

リサイクルシート、リサイクルシートを構成材料として含む床材、リサイクルシートを製造する方法 Download PDF

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本発明はリサイクルシート、リサイクルシートを構成材料として含む床材、及びリサイクルシートを製造する方法に関する。より詳細に述べれば、本発明は、未加硫ゴム或いは熱可塑性樹脂から成るバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから成るバッキング付きカーペットを、バッキングと、繊維製品とに分離せずに、そのまま所定の大きさに粉砕した粉砕物を原材料として使用し、バッキングを溶融するのに十分の熱量以外に過剰なエネルギーを必要とせずに成形したリサイクルシート、当該リサイクルシートを構成材料として含む床材、及び当該リサイクルシートを製造する方法に関する。
カーペット(絨毯)に関しては、JIS L 4404が「織りじゅうたん」に関して、JIS L 4405が「タフテッドカーペット」に関して、JIS L 1904が「タイルカーペット」に関して、それぞれの細目を規定しているので、詳細な説明を省略する。
本発明では、未加硫ゴム或いは熱可塑性樹脂から成るバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから構成された敷物を「バッキング付きカーペット」と呼称する。本発明が対象とするバッキング付きカーペットは、それを構成するバッキングの材料、外観形状、物性、及びバッキングと接合されて一体化される繊維製品の材料、外観形状、物性等に制約されない。本発明が対象とするバッキング付きカーペットの形状面からは、生産現場で予め所定の規格寸法に裁断して製造される、いわゆるタイルカーペット、及び生産現場では長尺タイプとして製造されていて施工現場で所定の形状に裁断される、いわゆる長尺タイプを包含する。
本発明で使用する用語「リサイクルシート」を定義しておく。本発明のリサイクルシートは、その主要な原材料であるバッキング付きカーペットとして、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものを回収して再循環材料、即ちリサイクルして使用してシート状に成形したものであるので、これを「リサイクルシート」と呼称するものである。なお、特殊な事例であるが、適正に製造され商品価値があるが、使用されずに処分されるに至ったバッキング付きカーペットを、本発明で原材料として使用する場合も発生するが、その場合も本発明で使用する用語「リサイクルシート」に包含される。
バッキング付きカーペットを製造する工程で、バッキングとして使用される未加硫ゴム或いは熱可塑性樹脂には、所望する効果を奏功させるために未加硫ゴム或いは熱可塑性樹脂用の各種添加剤が配合されているが、その点は公知の技術的事項であり、適正に製造されたバッキング付きカーペットを出発原料とする本発明は、それらを包含するものであるので、詳細な説明は省略する。さらに、バッキング付きカーペットを製造する工程で、バッキングに接着されて一体化される織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品には、繊維の種類、製造方法、テクスチャー、特性等に関して多種多様な技術があるが、それらの点は公知の技術的事項であり、適正に製造されたバッキング付きカーペットを出発原料とする本発明は、それらを包含するものであるので、詳細な説明は省略する。即ち、本発明のリサイクルシートは、適正に製造されたバッキング付きカーペットを再原料として使用するものであるので、バッキングとして使用される未加硫ゴム或いは熱可塑性樹脂に添加された未加硫ゴム或いは熱可塑性樹脂用の各種添加剤による効果、或いはバッキングに接着されて一体化される織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品のテクスチャー、特性等は、そのまま維持されている。
本発明で使用する用語「リサイクルシート」は、特段に厚さに制約されるものではなく、平坦な板と広義に解釈されるべきである。従って、本明細書で使用する用語「リサイクルシート」は、いわゆる、シート、それより厚いプレート、及びシートより薄いフィルムも包含する。
本発明のリサイクルシートを製造する方法は、金型を使用して予め定寸のタイル状に成形するプレス法、或いはエンドレスに成形する圧延法も包含する。
また、本発明のリサイクルシートは、形状及び物性を選定することにより、単品として自己完結型の床材として使用すること、及び新しい床材を製造するための構成材料として使用することができる。後者の場合、たとえば、本発明のリサイクルシートを、下層シート+本発明のリサイクルシート+ペースト+織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品から成る構成として新規なタイルカーペットとしたり、或いは下層シート+本発明のリサイクルシート+中間層+塩ビ等熱可塑性合成樹脂の表層から成る構成として新規な樹脂タイル、たとえば塩化ビニルタイルとすることができる。従って、本発明において、「本発明のリサイクルシートを構成材料として含む床材」とは、上述した2つのタイプの構成を包含する。
バッキング付きカーペットは、一般家庭用、オフィス・ホテル・店舗等ビジネス用建造物、航空機、船舶、鉄道車輌、自動車などの床などの運輸車輌用床、水回りマット、玄関マット、廊下敷きマット(ランナー)、業務用マット(ダストコントロールマット)、自動車用オプションマット等として広範に使用されている。それに伴って、使用済みバッキング付きカーペット、特に、タイルカーペットの量も増え、その処理あるいは再利用が国家プロジェクトにもなっている。使用済みタイルカーペット或いは生産過程で発生する端材としてのタイルカーペットの再利用方法は、一種の国策事業として展開されている。
その一つの方法として、タイルカーペットを繊維製品とバッキング材とに分離せずに粉砕し、タイルカーペットのバッキング材として再利用するものがある。この従来技術は、タイルカーペットに熱を加えバッキングと繊維を一旦溶融し、チップ化する工程を含むものである。
さらに、粉砕機、微粉砕機、押出機、造粒機、分離機などの設備から成り、タイルカーペットを粉砕機で5〜10cm角程度の大きさに粗粉砕後、さらに微粉砕し、この微粉砕物を特殊押出機により一定比率で溶融混練し熱可塑性樹脂への添加が可能な再資源化ペレットとするものである。また、市販カーペットの場合は、カーペット廃材を5〜10cm角程度の大きさに粗粉砕後、衝撃粉砕機により粉砕し、粉砕後、繊維分と樹脂分に分離し、各々を再資源化品として使用するものである。
上述した従来技術は、いずれも、タイルカーペットに熱を加えバッキングと繊維を一旦溶融し、チップ化する工程を含むために、大きなエネルギーを必要とする。使用済みのタイルカーペットの再利用(リサイクル)を産業として定着させるには、できるだけ不要なコストをかけないことが不可欠である。この観点から、前記従来技術には改良すべき点がある。
たとえば、特許文献1は、タイルカーペット廃材などを繊維分と樹脂分を分離せずに原料として再利用した床材用リサイクルシート及びこれを用いたタイルカーペットを記載している。特許文献1に記載された発明では、タイルカーペット廃材を含む廃棄床材を粉砕機で約10〜50mm四方大に粉砕し、減容シリンダーと回転部材を備える加熱溶融手段に投入して減容化することを要件としている(特許文献1、段落0010、0025他)。この従来技術は、使用済みのタイルカーペットを、繊維分と樹脂分とに分離せずにそのまま原料として再利用する点では、廃材の再利用(リサイクル)を産業として定着させるための要件の一つを満たしているが、減容化に大きな熱量を必要としている点で、改良すべき点がある。
特許文献2は、いわゆるタイルカーペットをバッキング層とカーペットを分離することなく、そのまま、スクリーン径80mmの粉砕機で粉砕し、平均繊維長8mm、最大樹脂塊径8mmにフロック化し、このフロックをバージンコンパウンドと一緒にバンバリーミキサーで混練し、溶融混合された再生樹脂を、カレンダーで圧延し、冷却して再生バッキングとして再利用する技術を開示している(段落0014他)。この従来技術は、使用済みのバッキング材を再利用した原料50重量%に対して50重量%のバージンコンパウンドを使用することを必須としている点で、なるべく不要なコストをかけないことが好ましいという観点から改良すべき点がある。
特許文献3は、台所、風呂場、洗面所等の水回りの床に使用されている使用済み塩化ビニル樹脂発泡体を破砕もしくは減容して、その溶融温度以上の温度で剪断力をかけながら溶融混練して熱可塑化したのち、取り出された熱可塑性樹脂再生物を破砕あるいは裁断して粗粒体あるいはペレット化することによって得られる樹脂組成物を開示している(段落0009他)。この従来技術は、減容化に大きな熱量を必要とし、且つ最終的にペレット化することを特徴とするものである。従って、コストを吸収できる製品には応用できるが、いわゆる使用済みのタイルカーペットを、繊維分と樹脂分とに分離せずにそのまま原料として再利用し、産業として定着させるという観点からは改良すべき点がある。
特許文献3は、台所、風呂場、洗面所等の水回りの床に使用されている使用済み塩化ビニル樹脂発泡体を破砕もしくは減容して、その溶融温度以上の温度で剪断力をかけながら溶融混練して熱可塑化したのち、取り出された熱可塑性樹脂再生物を破砕あるいは裁断して粗粒体あるいはペレット化することによって得られる樹脂組成物を開示している(段落0009他)。この従来技術は、減容化に大きな熱量を必要とし、且つ最終的にペレット化することを特徴とするものである。従って、コストを吸収できる製品には応用できるが、いわゆる使用済みのタイルカーペットを、繊維分と樹脂分とに分離せずにそのまま原料として再利用し、産業として定着させるという観点からは改良すべき点がある。
特許文献4は、概略、繊維素材より構成される表面素材と、塩化ビニル樹脂を含有する補強層都で構成される床敷物廃材を粉砕機にかけて、補強層の大きさが平均径10mm以下となる粉砕片とし、次に、155乃至240℃の加熱及び5乃至50kg/cmの加圧操作のみによって融着一体化させ、次いで冷却して成形体とする、床敷物廃材を原料とする成形体の製造方法にであって、前記加圧操作における加圧力を加減することによって、前記成形体の密度を調整する床敷物廃材を原料とする成形体の製造方法、を記載している。
特許文献4が記載する方法では、いわゆるバッキング付きカーペットのバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品を、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断した粉砕物を、そのまま加熱・加圧して熱融着して固化してボードに成形するものである。従って、製造されたボードの表面には、熱融着したバッキングと繊維製品が露出したままなので、商品としての印象を低下させ、用途が極めて限定されたものになる。
特開2006−37274号公報 特開平7−32520号公報 特開2008−196213号公報 特許第3707022号公報
近年、生活環境が改善されるに伴って、バッキング付きカーペットが、自動車用フロアマット、各種ビルディング、ホテル、病院、集合・戸建て住宅、各種公共施設等のフロア等で使用されるようになっている。それと共に、使用済みバッキング付きカーペットの量も増え、その処理あるいは再利用が国家プロジェクトにもなっている。
前述した特許文献に記載されているように、使用済みバッキング付きカーペットの再処理法としは、最終用途のコストが十分吸収できる場合には、使用済みバッキング付きカーペットを、バッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品に分離し、粉砕したり、或いはさらに、加熱溶融してペレットにする方法がある。然しながら、最終製品の用途によっては、前述した特許文献に記載されているような方法ではコストを吸収できない場合がある。たとえば、使用済みバッキング付きカーペットを再利用して床面の不陸調整材、またはそれほど厳しい仕上がり状態、いわゆる商品イメージを要求されない製品の場合などがその例である。
従って、発明が解決しようとする主たる課題は、使用済みのバッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品に分離さずに、そのまま所定の大きさに粉砕した粉砕物を原材料として使用し、バッキングとして使用している熱可塑性合成樹脂、たとえば、ポリ塩化ビニルを溶融するに十分の熱量以外に過剰なエネルギーを必要とせずに粉砕物同士の一部を固着させて、自己完結型の商品としても使用可能なリサイクルシートに成形することである。
上記課題は、以下の各項に述べる手段により解決される。
1.未加硫ゴム又は熱可塑性合成樹脂製のバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから成るバッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断した粉砕物が上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されて所定の形状を保持しているリサイクルシートであって、
前記粉砕物のバッキングと熱可塑性合成樹脂製フィルム同士が熱融着されていること、
前記繊維製品の繊維が溶融せずに熱可塑性合成樹脂製フィルム内に埋入されていること、
上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている隣接する粉砕物のバッキング同士は熱融着していること、及び
上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている粉砕物のカーペットの繊維同士は交絡し合って全体として形状を保持しているリサイクルシート。
2.前記1項において、バッキング付きカーペットが、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものである。
3.前記1または2項におけるリサイクルシートを構成材料として含む床材。
4.未加硫ゴム又は熱可塑性合成樹脂製のバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから成るバッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断して粉砕物を製造する工程と、
前記粉砕物の所定量を上下2個から成る下金型に散布する工程と、
前記散布された粉砕物の表面に熱可塑性合成樹脂製フィルムを載置する工程と、
前記載置された熱可塑性合成樹脂製フィルムの上から加熱する第1加熱工程と、
冷却上金型で加圧して、予備成形物を成形する第1加圧工程と、
前記予備成形物を反転する工程と、
前記反転した予備成形物の上に熱可塑性合成樹脂製フィルムを載置する工程と、
前記載置された熱可塑性合成樹脂製フィルムの上から加熱する第2加熱工程と、
冷却上金型で加圧してリサイクルシートを成形する第2加圧工程と、を含むリサイクルシートを製造する方法。
5.前記4項において、バッキング付きカーペットが、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものとする。
6.前記4または5項において、第1加熱工程及び第2加熱工程を、表面温度を約190℃で15〜30秒間、第1加圧工程及び第2加圧工程を2〜5kg/cmにて5〜10秒間行う。
7.ゴム又は熱可塑性合成樹脂製のバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから成るバッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断して粉砕物を製造する工程と、
エンドレスベルト上に熱可塑性合成樹脂製フィルムを繰り出す工程と、
熱可塑性合成樹脂製フィルム上に前記粉砕物の所定量を散布する工程と、
前記散布した粉砕物の上に熱可塑性合成樹脂製フィルムを載置する工程と、
前記載置された熱可塑性合成樹脂製フィルムの上下方向から断続的に加熱及び加圧を行う工程、とを含むエンドレスリサイクルシートを製造する方法。
8.前記7項において、バッキング付きカーペットが、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものとする。
請求項1に記載した発明により、バッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品に分離せずに、そのまま所定の大きさに粉砕した粉砕物だけを上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に介在させ、粉砕物のバッキングと熱可塑性合成樹脂製フィルムが熱融着されていて、前記粉砕物の繊維は溶融せずに熱可塑性合成樹脂製フィルム内に埋入されていて、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている隣接する粉砕物のバッキング同士は熱融着していて、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている粉砕物のカーペットの繊維同士は交絡し合って全体として形状を保持しているリサイクルシートを製造することができる。従って、バッキング付きカーペットをそのまま粉砕した粉砕物と熱可塑性合成樹脂製フィルム以外に原材料を必要としないので、原材料費が低減される。また、バッキング付きカーペットをそのまま粉砕した粉砕物を使用するので、バッキングと繊維製品を分離して、それぞれ加熱溶融してペレット等に成形していた従来技術に比べて投下するエネルギー量が低減される。このリサイクルシートは、そのまま自己完結型の床材、たとえば、不陸調整材、或いは新たな床材を製造する際の構成材料として使用することができる。
請求項2に記載した発明により、請求項1に記載した発明において、バッキング付きカーペットを、バッキング付き繊維製品の製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものを、できるだけ不要なコストをかけないでそのまま使用するので、請求項1に記載した発明の効果と相まって、使用済みバッキング付きカーペットの再利用(リサイクル)を産業として定着させる可能性が拡大される。
請求項3に記載した発明により、請求項1または2に記載したリサイクルシートを構成材料として含む床材が製造される。即ち、たとえば、下層シート+請求項1または2に記載したリサイクルシート+ペースト+織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品から成る構成として新たなタイルカーペットとしたり、或いは下層シート+請求項1または2に記載したリサイクルシート+中間層+塩化ビニル等熱可塑性合成樹脂の表層から成る構成として新たな樹脂系タイル、たとえば塩化ビニルタイルとすることができる。この場合、請求項1または2に記載したリサイクルシートの厚さを適当に選択することにより、床材としての総厚を自由に設定することが可能になり、リサイクルシートの再利用の範囲が拡大される。
請求項4に記載した発明により、未加硫ゴム又は熱可塑性合成樹脂製のバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから成るバッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断した粉砕物だけを上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムに介在させ、バッキングと熱可塑性合成樹脂製フィルムを融着させるだけの極めて簡単な方法で、且つ、最低量のエネルギーで、バッキング付きカーペットを所定の形状のリサイクルシートに成形することができる。
請求項5に記載した発明により、請求項4に記載した発明において、バッキング付きカーペットを、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものとし、できるだけ不要なコストをかけないでそのまま使用するので、請求項4に記載した発明の効果と相まって、使用済みバッキング付きカーペットの再利用(リサイクル)を産業として定着させる可能性が拡大される。
請求項6に記載した発明により、請求項4又は5項に記載した発明において、第1加熱工程及び第2加熱工程を表面温度を約190℃で15〜30秒間、第1加圧工程及び第2加圧工程を2〜5kg/cmにて5〜10秒間行うので、いずれも、カーペットの繊維を溶融させずに風合いを維持した再生品とすることができる。
請求項7に記載した方法によれば、リサイクルシートをエンドレスで製造することができるので、プレス金型により所定の形状のリサイクルシートを1枚毎に製造する方法に比べ、大量生産が可能で、任意の形状に裁断することが可能で、製造されたリサイクルシートの用途の拡大が期待される。
請求項8に記載した発明により、請求項7に記載した発明において、バッキング付きカーペットを、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものとし、できるだけ不要なコストをかけないでそのまま使用するので、請求項7に記載した発明の効果と相まって、使用済みバッキング付きカーペットの再利用(リサイクル)を産業として定着させる可能性が拡大される。
本発明の実施例1及び2によるリサイクルシートの内部構造を説明するための拡大絵画図である。 実施例3の内部構造を示す断面図である。 実施例4の内部構造を示す断面図である。
以下、添付した図面を参照して実施例を述べる。
図1は、実施例1で製造したリサイクルシートの状態を説明するための拡大絵画図である。製造する工程で発生した不良品、裁断片、及び使用済みの回収品であるポリ塩化ビニル製のバッキングに、ポリエステル繊維製パイル地を接合したバッキング付きカーペット(タイルカーペット)を、バッキングとパイル地を分離せずに、そのまま一辺が1〜10cmに粗裁断して粉砕物を製造した。
なお、本発明は、バッキングに関して、ポリ塩化ビニルに限定されず、ポリエステル、各種合成ゴム、エチレン−ビニル・アセテート・コポリマー、オレフィン等各種熱可塑性樹脂に適用される。また、バッキングとしての強度を高めるために、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、各種合成ゴム、エチレン−ビニル・アセテート・コポリマー、オレフィン等各種熱可塑性樹脂にガラス繊維、炭素繊維、ガラスネット等各種補強材を混入することがあるが、無論、本発明は、このような補強バッキングにも適用される。
また、本発明は、パイルを構成する繊維に関して、ナイロンに限定されず、ポリエステル、ポリプロピレン等にも適用される。また、パイルのテクスチャーとしては、カット(プラッシュ、ベロア、サキソニー、ハードツイスト、シャギー、ヘアー)、リープ(レベルループ、マルチレベルループ/リップル、ハイーローループ)、カット&ループ(ハイカットローループ、レベルカット&ループ)、フラット(フェルトタイプ、織りタイプ)等特段に限定されない。但し、繊維同士の交絡効果を奏功させるためには、ループのみではなく、カット、カット&ループタイプが好ましい。また、本発明は、パイルのないカーペット、たとえば、織りカーペット、縫いつけカーペット、圧縮カーペット等にも適用することができる。
本発明は、バッキング付きカーペット(タイルカーペット)を、バッキングとパイル地を分離せずに、そのまま一辺が1〜10cmに粗裁断して粉砕物を製造することを必須の要件とする。然しながら、本発明を実施する場合、バッキング付きカーペットの粉砕物として、総てを、一辺が1〜10cmの均等な粉砕物を使用することを必須とするものではなく、それぞれサイズ或いは粒径が異なる粉砕物を混合して使用することも排除しない。むしろ、サイズ或いは粒径が大きな粉砕物と、それより小さな粉砕物を混合して使用することにより、サイズ或いは粒径が大きな粉砕物同士が構成する空間内に、サイズ或いは粒径が小さな粉砕物が充填し、全体としての強度を向上するので好ましい。この実施態様の場合、サイズ或いは粒径が大きな粉砕物と、それよりサイズ或いは粒径が小さな1または2種以上との粉砕物の混合比は、最終製造物であるリサイクルシートの強度、平滑性、固着強度等各種物性を勘案して任意に決定されるべきである。
また、本発明において、所定のサイズ、形状に裁断した1種又は2種以上のバッキング付きカーペットの粉砕物を混合する場合、プラスチック及びゴム用各種添加剤から適正に選択して配合することを排除しない。
また、本発明において、所定のサイズ、形状に裁断した1種又は2種以上のバッキング付きカーペットの粉砕物を混合する場合、ホットメルト接着剤を散布すると、全体の接着強度が向上し、それが最終製造物であるリサイクルシートの強度を向上させるので、好ましい。
所定のキャビティーを形成する所定の形状(深さ、縦、横)を有する上下金型から構成されるプレス金型を用意した。金型の容積と製造するリサイクルシートの用途による物性を基礎にして前記粉砕物を予め秤量し、前記下金型に、均一に散布した。本発明の場合、金型の種類は制限されず、鋼鉄製でも、アルミ製でもよい。
次いで、散布した粉砕物の表面にポリ塩化ビニル製のフィルムを乗せた。ついで、第1次加熱工程において、フィルムの表面温度が190℃になるように設定したヒータで15秒間加熱した。本発明の場合、この第1次加熱工程における加熱温度及び時間は、190℃および15秒間に限定されない。即ち、加熱温度は190℃±10℃、加熱時間は15〜30秒の範囲で任意に設定することができる。但し、この加熱温度及び加熱時間の範囲を超えると、パイルの繊維の風合いを壊すので、好ましくない。
次いで、第1次加圧工程において、冷却上金型で、単位圧2kg/cmで、5秒間加圧して成形物を製造した。本発明の場合、この第1次加圧工程における単位圧及び加圧時間は、2kg/cm、5秒間に限定されない。即ち、単位圧は2〜5kg/cm、加圧時間は5〜10秒間の範囲で任意に設定することができる。但し、この単位圧及び加圧時間の範囲を超えると、パイルの繊維の風合いを壊すので、好ましくない。
製造された成形物を反転して、表面にポリ塩化ビニル製のフィルムを乗せた。ついで、第2次加熱工程で、フィルムの表面温度が190℃になるように設定したヒータで15秒間加熱した。本発明の場合、この第2次加熱工程における加熱温度及び時間は、190℃および15秒間に限定されない。即ち、加熱温度は190℃±10℃、加熱時間は15〜30秒の範囲で任意に設定することができる。但し、この加熱温度及び加熱時間の範囲を超えると、パイルの繊維の風合いを壊すので、好ましくない。
次いで、第2次加圧工程において、冷却上金型で、単位圧2kg/cmで、5秒間加圧して成形物を製造した。本発明の場合、この第2次加圧工程における単位圧及び加圧時間は、2kg/cm、5秒間に限定されない。即ち、単位圧は2〜5kg/cm、加圧時間は5〜10秒間の範囲で任意に設定することができる。但し、この単位圧及び加圧時間の範囲を超えると、パイルの繊維の風合いを壊すので、好ましくない。
最終工程において、製品の規格に応じて、任意の形状に裁断した。
連続加熱・加圧成形機としてカレンダー成形機を用意し、これをエンドレスベルトの上に配置し、エンドレスベルトの上にポリ塩化ビニル製のフィルムを乗せ、実施例1で使用したものと同じバッキング付きカーペットの粉砕物を、製造するリサイクルシートの用途による物性を基礎にして予め秤量して均一に散布し、更にその上にポリ塩化ビニル製のフィルムを乗せた。次いで、ロールにより、上下方向からフィルムの表面温度が190℃になるように15秒間加熱し、単位圧2kg/cmで、5秒間加圧した。この加熱・加圧工程を断続的に反復してエンドレスのリサイクルシートを製造した。
実施例2における方法において、加熱温度、圧力、及び時間は、190℃、単位圧2kg/cm、5秒間に限定されない。加熱温度は190℃±10℃、単位圧は2〜5kg/cm、加熱時間は15〜30秒の範囲で任意に設定することができる。但し、この加熱温度及び加熱時間の範囲を超えると、パイルの繊維の風合いを壊すので、好ましくない。
図1を参照して、実施例1及び2で製造したリサイクルシートの内部構造を説明する。図1は、実施例1及び2で製造したリサイクルシートの内部構造を説明するために一部を拡大、強調して表現したもので、各粉砕物2、5、8、11、14、17の形状、個数及び間隔等、バッキング3、6、9、12、15、18の形状等、及びパイル繊維4、7、10、13、16、19の形状、本数、間隔等は正確ではない。
参照番号2、5、8、11、14及び17は、使用済みバッキング付きカーペット(タイルカーペット)を、一辺が1〜10cmの立方体に裁断した粉砕物である。各粉砕物2、5、8、11、14及び17は、それぞれ、バッキング3、6、9、12、15及び18と、パイル繊維4、7、10、13、16及び19から構成されている。たとえば、粉砕物2はバッキング3とパイル繊維4から、粉砕物5はバッキング6とパイル繊維7から、粉砕物8はバッキング9とパイル繊維10から、粉砕物11はバッキング12とパイル繊維13から、粉砕物14はバッキング15とパイル繊維16から、粉砕物17はバッキング18とパイル繊維19から構成されている。即ち、総ての粉砕物がバッキングとパイル繊維とを備えている。
粉砕物2は、バッキング3が熱可塑性合成樹脂であるポリ塩化ビニル製フィルム1と熱融着している。粉砕物5のパイル繊維7は粉砕物2のパイル繊維4と交絡している。粉砕物5のバッキング6は、粉砕物8のバッキング9と熱融着している。粉砕物11のパイル繊維13の一部はポリ塩化ビニル製フィルム1に埋入された状態にある。粉砕物14のパイル繊維16の一部は、粉砕物11のバッキング12に埋入された状態にある。粉砕物17のバッキング18はポリ塩化ビニル製フィルム1’に熱融着されている。
実際のリサイクルシートは、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルム1、1’の間に充填された状態なので、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルム1、1’に接触している粉砕物のバッキングは上または下の熱可塑性合成樹脂製フィルム1又は1’と熱融着していて、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルム1、1’に接触している粉砕物のパイル繊維はその一部が熱可塑性合成樹脂製フィルム1又は1’に埋入されていて、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルム1、1’のいずれとも接していないで、左右上下の位置のいずれかで隣接している粉砕物のバッキング同士は熱融着していて、左右上下の位置のいずれかで隣接している粉砕物のパイル繊維同士は交絡している。このようにして、総ての粉砕物のバッキングが、上下2枚のいずれかの熱可塑性合成樹脂製フィルムと、或いは隣接する粉砕物のバッキング同士が熱融着し、粉砕物のパイル繊維が、上下2枚のいずれかの熱可塑性合成樹脂製フィルムに埋入され、或いは隣接する粉砕物のパイル繊維の一部がバッキングの中に埋入されて固定され、全体として所定の形状を保持することになる。
実施例1及び2で製造したリサイクルシートの、層間剥離強度は100N/50mm以上はあり、上下の熱可塑性樹脂製フィルムとは充分接着されていることが確認された。
図2は、実施例1で製造したリサイクルシートを構成材料として新たに製造したタイルカーペット20の断面図である。図2において、21は下層シート、22は実施例1で製造したリサイクルシート、23は塩化ビニルペースト、24はカーペットである。なお、実施例3のタイルカーペット20の製造法は従来から公知の方法なので、その詳細は割愛する。
下層シート21は、厚さ0.5〜2mmのポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエステル、熱可塑性エラストマー(TPE)等の熱可塑性樹脂シート、及び厚さ0.05〜1.0mmの熱可塑性繊維の不織布から最終製品の厚さ、物性、用途等を勘案して任意に選択される。リサイクルシート22の厚さは0.5〜5.0mmの範囲で最終製品の厚さ、物性、用途等を勘案して任意に選択される。塩化ビニルペースト23は、2層塗布する場合は、第1ペースト層の厚さは1〜3mm、第2ペースト層の厚さは1〜3mmの範囲で任意に選択される。塩ビペースト23が、単層塗布する場合は、1〜5mmの範囲で任意に選択される。
カーペット24は、前述したバッキングにパイルのあるカーペット或いはパイルのないカーペットを接着したものである。パイルカーペットのテクスチャーとしては、カット(プラッシュ、ベロア、サキソニー、ハードツイスト、シャギー、ヘアー)、リープ(レベルループ、マルチレベルループ/リップル、ハイーローループ)、カット&ループ(ハイカットローループ、レベルカット&ループ)、フラット(フェルトタイプ、織りタイプ)等特段に限定されない。また、パイルのないカーペットとしては、たとえば、織りカーペット、縫いつけカーペット、圧縮カーペット等である。
図3は、実施例1で製造したリサイクルシートを構成材料として新たに製造した、いわゆる塩化ビニルタイル23の断面図である。図3において、26は下層シート、22は実施例1で製造したリサイクルシート、27は中間層、28は表層である。
下層シート26は、厚さ0.5〜2mmのポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエステル、熱可塑性エラストマー(TPE)等の熱可塑性樹脂シート、及び厚さ0.05〜1.0mmの熱可塑性繊維の不織布から最終製品の厚さ、物性、用途等を勘案して任意に選択される。リサイクルシート22の厚さは0.5〜5.0mmの範囲で最終製品の厚さ、物性、用途等を勘案して任意に選択される。中間層27の厚さは0.5〜3.0mmの範囲で任意に選択される。表層28は、厚さ0.1〜1.0mmの厚さのポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエステル、熱可塑性エラストマー(TPE)等の熱可塑性樹脂シートである。
なお、表層28と中間層27の間には、所望により、厚さ0.08〜0.3mmのポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエステル、熱可塑性エラストマー(TPE)等の熱可塑性樹脂シートにグラビア印刷した意匠層(意匠フィルム)を介挿することが好ましい。
実施例3ではタイルカーペットの構成材料として、実施例4では塩化ビニルタイルの構成材料として、本発明のリサイクルシートを使用することを特徴とするものである。本発明のリサイクルシートを、タイルカーペット又は塩化ビニルタイルの構成材料として使用することの有利な点は、比較的製造コストが低いリサイクルシートの厚さを調整することにより、リサイクルシートよりコストが高い他の構成材料の使用量を低減して、タイルカーペット又は塩化ビニルタイルの総厚を調整することができることであり、そのことにより、タイルカーペット又は塩化ビニルタイルの製造コストを低減できることである。
本発明のリサイクルシートは、下記に例示する産業上の利用可能性がある。
1.バッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品に分離せずに、そのまま所定の大きさに粉砕した粉砕物だけを上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に介在させ、粉砕物のバッキングと熱可塑性合成樹脂製フィルムが熱融着されていて、前記粉砕物の繊維は溶融せずに熱可塑性合成樹脂製フィルム内に埋入されていて、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている隣接する粉砕物のバッキング同士は熱融着していて、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている粉砕物のカーペットの繊維同士は交絡し合って全体として形状を保持しているリサイクルシートを製造することができ、バッキング付きカーペットをそのまま粉砕した粉砕物と熱可塑性合成樹脂製フィルム以外に原材料を必要としないので、原材料費が低減され、また、バッキング付きカーペットをそのまま粉砕した粉砕物を使用するので、バッキングと繊維製品を分離して、それぞれ加熱溶融してペレット等に成形していた従来技術に比べて投下するエネルギー量が低減される。従って、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものを再利用(リサイクル)する産業として定着させる可能性が拡大される。
2.バッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断した粉砕物だけを上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムに介在させ、最低必要量のエネルギーで、極めて簡単な方法で所定の形状のリサイクルシートに成形することができる。従って、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものを再利用(リサイクル)する産業として定着させる可能性が拡大される。
3.第1加熱工程及び第2加熱工程を表面温度を約190℃で15〜30秒間、第1加圧工程及び第2加圧工程を2〜5kg/cmにて5〜10秒間行うので、いずれも、カーペットの繊維を溶融させずに風合いを維持した再生品とすることができる。従って、製造工程の第1加熱工程、第2加熱工程、第1加圧工程及び第2加圧工程の条件を適切に選択することにより、多様な物性をもった製品を製造することができる。従って、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものを再利用(リサイクル)する産業として定着させる可能性が拡大される。
本発明のリサイクルシートは、それ自体で自己完結型の床材、たとえば、不陸調整材として使用したり、或いは床材を製造する際の構成材料として使用して、たとえば、新たなタイルカーペットや、塩化ビニルタイルを製造することができる。本発明のリサイクルシートを、タイルカーペット又は塩化ビニルタイルの構成材料として使用することの有利な点は、比較的製造コストが低いリサイクルシートの厚さを調整することにより、リサイクルシートよりコストが高い他の構成材料の使用量を低減して、タイルカーペット又は塩化ビニルタイルの総厚を調整することができることであり、そのことにより、タイルカーペット又は塩化ビニルタイルの製造コストを低減でき、リサイクル産業として確立させる可能性が拡大される。
1、1’熱可塑性合成樹脂製フィルム
2、5、8、11、14、17 粉砕物
3、6、9、12、15、18 バッキング
4、7、10、13、16、19 パイル繊維
20 タイルカーペット
21 下層シート
22 リサイクルシート
23 ペースト
24 カーペット
25 塩化ビニルタイル
26 下層シート
27 中間層
28 表層

Claims (8)

  1. 未加硫ゴム又は熱可塑性合成樹脂製のバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから成るバッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断した粉砕物が上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されて所定の形状を保持しているリサイクルシートであって、
    前記熱可塑性合成樹脂製フィルムが前記粉砕物のバッキングと熱融着されていること、
    前記繊維製品の繊維が溶融せずに、前記熱融着された熱可塑性合成樹脂製フィルム内に埋入されていること、
    前記上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている隣接する粉砕物のバッキング同士は熱融着していること、及び
    前記上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている粉砕物の繊維製品の繊維同士は交絡し合って全体として形状を保持しているリサイクルシート。
  2. バッキング付きカーペットが、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものである請求項1に記載したリサイクルシート。
  3. 請求項1または2に記載したリサイクルシートを構成材料として含む床材。
  4. 未加硫ゴム又は熱可塑性合成樹脂製のバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから成るバッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断して粉砕物を製造する工程と、
    前記粉砕物の所定量を上下2個から成る下金型に散布する工程と、
    前記散布された粉砕物の表面に熱可塑性合成樹脂製フィルムを載置する工程と、
    前記載置された熱可塑性合成樹脂製フィルムの上から加熱する第1加熱工程と、
    冷却上金型で加圧して、予備成形物を成形する第1加圧工程と、
    前記予備成形物を反転する工程と、
    前記反転した予備成形物の上に熱可塑性合成樹脂製フィルムを載置する工程と、
    前記載置された熱可塑性合成樹脂製フィルムの上から加熱する第2加熱工程と、
    冷却上金型で加圧してリサイクルシートを成形する第2加圧工程と、を含むリサイクルシートを製造する方法。
  5. バッキング付きカーペットが、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものである請求項4に記載した方法。
  6. 第1加熱工程及び第2加熱工程を、表面温度を約190℃で15〜30秒間、第1加圧工程及び第2加圧工程を2〜5kg/cmにて5〜10秒間行う請求項4又は5に記載した方法。
  7. 未加硫ゴム又は熱可塑性合成樹脂製のバッキングと、バッキングに接着されて一体化された織物、編み物、或いは不織布から成る繊維製品とから成るバッキング付きカーペットを、バッキングと繊維製品を分離せずにそのまま所定の大きさに裁断して粉砕物を製造する工程と、
    エンドレスベルト上に熱可塑性合成樹脂製フィルムを繰り出す工程と、
    熱可塑性合成樹脂製フィルム上に前記粉砕物の所定量を散布する工程と、
    前記散布した粉砕物の上に熱可塑性合成樹脂製フィルムを載置する工程と、
    前記載置された熱可塑性合成樹脂製フィルムの上下方向から断続的に加熱及び加圧を行う工程によって、
    前記粉砕物のバッキングと前記熱可塑性合成樹脂製フィルムとが熱融着され、前記繊維製品の繊維が溶融せずに、前記熱融着した熱可塑性合成樹脂製フィルムに埋入され、上下2枚の熱可塑性合成樹脂製フィルムの間に無秩序に介在されている隣接する粉砕物のバッキング同士が熱融着されているエンドレスリサイクルシートを製造する方法。
  8. バッキング付きカーペットが、バッキング付きカーペットの製造工程で発生した不良品、裁断片、或いは使用済みのものである請求項7に記載した方法。
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