JP5464340B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents
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Description
本実施の形態に係る気圧式倍力装置は、図1に示すように、2つのパワーピストン7、8を備えたタンデム型で構成されており、フロントシェル1とリヤシェル2とからなるハウジング3内を、センターシェル4によりフロント側及びリヤ側の2室に区画している。フロント側の室は、ダイアフラム5を備えたパワーピストン7により定圧室9と変圧室11とに区画される。一方、リヤ側の室は、ダイアフラム6を備えたパワーピストン8により定圧室10と変圧室12とに区画される。各パワーピストン7、8は、センターシェル4およびリヤシェル2を気密的にかつ摺動可能に挿通させてハウジング3の外まで後端部を延ばしたバルブボディ13に支持させた構造となっている。
なお、リヤシェル2は、バルブボディ13の挿通部分を小径筒部2aとして構成されており、この小径筒部2aにはダストブーツ14が装着されている。該ダストブーツ14は、バルブボディ13の、ハウジング3から延出する中空軸部13bを覆っている。
バルブボディ13の本体部13aには、2つの定圧室9と10とを相互に連通し、かつ各定圧室9、10を中空軸部13b内に設けた弁機構22へ接続する負圧通路15a、15bが設けられる。また、バルブボディ13の本体部13aには、リヤ側の変圧室12を中空軸部13b内の弁機構22へ接続する第1大気通路16が設けられている。
一方、フロント側の定圧室9には、フロントシェル1に設けた管継手19を通じて、例えばエンジン負圧が導入されるようになっており、この負圧は、負圧通路15a、15bを通じてリヤ側の定圧室10にも導入される。
弁プランジャ25は、バルブボディ13の本体部13aに設けた軸孔内に摺動可能に嵌装され、かつブレーキペダル(図示略)と連動する入力ロッド24に連結されている。ポペット弁27は、そのリヤ側端部がバルブボディ13の中空軸部13bの内周面に押え部材26により固定されている。負圧弁29は、ポペット弁27のフロント側端部の外周縁部と、バルブボディ13の中空軸部13bの内周面に形成された負圧用弁座28とが当接・離間して構成されるものである。大気弁31は、ポペット弁27のフロント側端部の内周縁部と、弁プランジャ25のリヤ側端部に形成された環状の大気用弁座30とが当接・離間して構成されるものである。弁ばね32は、入力ロッド24に一端が係止され、常時、ポペット弁27を閉弁方向へ付勢している。なお、押え部材26と入力ロッド24との間には戻しばね33が介装されており、弁プランジャ25は、ブレーキペダルからの入力がない非作動時には、この戻しばね33により、そのリヤ側端部の大気用弁座30をポペット弁27のフロント側端部の内周縁部に当接させる状態を維持するようになっている。
バルブボディ13の軸孔内には、弁プランジャ25にリヤ側端部が連結され、該弁プランジャ25と一体に移動する反力受け部材34が摺動可能に挿入されている。
フロント側の定圧室9内で、バルブボディ13のカップ状の本体部13a内には、バルブボディ13を原位置に戻すための戻しばね37が配設されている。該戻しばね37は、そのフロント側の一端をフロントシェル1の凹部1aの後背部に、そのリヤ側の他端をばね受け38を介してバルブボディ13の本体部13aのカップ底にそれぞれ当接させる状態で配置されている。ばね受け38は、出力ロッド36の基端カップ部36aを覆うカップ部38aと、前記戻しばね37が当接するつば部38bとを有しており、全体がハット状に形成される。カップ部38aの底面部38cには、その中央部に出力ロッド36の軸部36bが挿通される挿通孔47が形成され、該挿通孔47の周りに周方向に間隔をあけて設けられ底面部38cの肉厚方向に貫通する複数の開口部46が形成される。ばね受け38のカップ部38aと出力ロッド36とで形成される空間は、定圧室9を弁機構22へ接続する負圧通路15cとなっており、また、挿通孔47と出力ロッド36の軸部36bとの間に形成される環状空間は、定圧室9を弁機構22へ接続する負圧通路15dとなっている。また、ばね受け38のつば部38bの外周とバルブボディ13の本体部13aの内周面との間に形成される環状空間が定圧室9を弁機構22へ接続する負圧通路15eとなっている。ここで、負圧通路15は、各負圧通路15a,15b,15c,15d,15eから構成されており、負圧通路15と開口部46とにより本実施形態における連通路が構成されている。なお、本実施の形態では、開口部46は複数設けられているが、1個でもよい。そして、バルブボディ13は、戻しばね37により、常時リヤ側(戻り方向)へ付勢されている。なお、ばね受け38は、リアクションディスク35および出力ロッド36のバルブボディ13からの離脱を抑制する抜止めとしても機能している。
該流路面積絞り機構45は、図2に示すように、ばね受け38の底面部38cに設けた各開口部46を開放・閉鎖する環状の絞り用弁部材50と、出力ロッド36の軸部36bの外周面から突設させたばね受け52と、絞り用弁部材50とばね受け52との間に設けられて絞り用弁部材50を各開口部46に向かって付勢する差圧調整ばね51とから構成される。ばね受け38の底面部38cの出力ロッド36の基端カップ部36aに臨む面と反対側の面が、絞り用弁部材50が当接・離間する絞り用弁座49となる。また、差圧調整ばね51は、定圧室9と変圧室11,12との圧力差が所定値以上のときに縮むようなばね定数となっている。
本気圧式倍力装置は、貫通ロッド41の両端側のスタッドボルト42、43および汎用のスタッドボルト44を介して車体(図示略)及びマスタシリンダ(図示略)に結合される。
そして、ブレーキペダルが踏込まれると、入力ロッド24が前進して、弁プランジャ25が前進し、弁プランジャ25のリヤ側端部の大気用弁座30がポペット弁27のフロント側端部の内周縁部から離間して大気弁31が開く。
これにより、大気が、サイレンサおよびフィルタを通してバルブボディ13の中空軸部13b内に流入し、この大気は、第1大気通路16を経てリヤ側の変圧室12に導入されると共に、連通管18内の第2大気通路17を通じてフロント側の変圧室11へも導入される。この結果、フロント側及びリヤ側の変圧室11、12と、負圧が導入されているフロント側及びリヤ側の定圧室9、10との間に速やかに圧力差が発生し、この圧力差によりフロント側及びリヤ側のパワーピストン7、8が推進し、その推力がバルブボディ13から出力ロッド36を経てマスタシリンダ側へ出力される。
これにより、弁プランジャ25の大気用弁座30が、ポペット弁27のフロント側端部の内周縁部に当接して大気弁31が閉じられる一方で、ポペット弁27が弁プランジャ25により持ち上げられて、バルブボディ13の負圧用弁座28から離間して負圧弁29が開き、負圧が負圧通路15a、15bおよび第1、第2大気通路16、17を通じてフロント側及びリヤ側の変圧室11、12に導入されて、前記圧力差が解消される。
入力ロッド24と時間差をおいて、バルブボディ13がフロント側の定圧室9内の戻しばね37により後退して、バルブボディ13に当接したストップキー39がリヤシェル2内の段差部40に当接する原位置に復帰して負圧弁29が閉じる。
その後、入力ロッド24が原位置に戻る直前においては、図4及び図5に示すように、絞り用弁部材50を境としたリヤ側とフロント側との圧力差、すなわち、定圧室9と変圧室11,12との圧力差が差圧調整ばね51の付勢力よりも小さくなるため絞り用弁部材50が絞り用弁座49に当接して各開口部46が閉鎖される。この結果、負圧通路15の流路面積が絞られ、バルブボディ13の後退速度がそれまでよりも遅くなる。
このように、バルブボディ13の後退速度は、流路面積絞り機構45によって変化する負圧通路15の排気流量に影響され、バルブボディ13の後退初期ではその後退速度が速く、また、バルブボディ13が原位置に戻る直前ではその後退速度がそれまでよりも遅くなるので、ストップキー39がリヤシェル2の段差部40に当接する際の打音を抑えることができる。なお、図3及び図4で示す矢印は排気の流れを示す。
これにより、ストップキー39がリヤシェル2の段差部40に当接する直前では、絞り用弁部材50が絞り用弁座49に当接して、各開口部46が閉鎖される。この結果、負圧通路15の流路面積が絞られ、バルブボディ13の後退速度が変動してそれまでよりも遅くなるので、ストップキー39がリヤシェル2の段差部40に当接する際の打音を抑えることができる。
また、従来では、打音対策として、負圧通路15の流路面積を一定とし予め絞った技術(図5の点線で示す)があるが、図5から解るように、本実施の形態はこの従来技術に比べて入力ロッド24が原位置に戻る時間を短縮することができる。なお、本実施の形態では、ストップキー39がリヤシェル2の段差部40に当接する直前に、バルブボディ13の後退速度を遅くしてストップキー39がリヤシェル2の段差部40に当接する際の打音を抑えるために、連通路(負圧通路15)の流路面積を絞ると表現したが、この連通路の流路面積を絞るとは、連通路に流路抵抗を与える、連通路の流量を減らす等の表現と同義である。
Claims (1)
- シェルの内部を定圧室および変圧室に画成するパワーピストンに結合され、前記シェルの内部に摺動可能に設けられるバルブボディと、
該バルブボディに設けられ、前記シェルに対して進退する入力軸に連動し、前記変圧室を前記定圧室または外気に連通切換えする弁機構と、
前記バルブボディまたは前記入力軸とともに移動し、前記シェルに当接することで前記バルブボディおよび前記入力軸の後退端を規定する後退端規定部材と、
前記バルブボディに設けられ、前記定圧室を前記弁機構へ接続する連通路と、
前記入力軸が後退するときに、前記定圧室と変圧室との圧力差によって作動し、前記後退端規定部材が前記シェルに当接する前に、前記定圧室と変圧室との圧力差が所定値より小さくなることで前記連通路の流路面積を絞る流路面積絞り機構と、
を有することを特徴とする気圧式倍力装置。
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Family Cites Families (1)
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JPS60143172A (ja) * | 1983-12-28 | 1985-07-29 | Jidosha Kiki Co Ltd | ブレ−キ倍力装置 |
-
2009
- 2009-11-30 JP JP2009272674A patent/JP5464340B2/ja active Active
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