JP5463871B2 - 画像処理装置および電子カメラ - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置および電子カメラに関する。
近年、CCD型撮像素子やCMOS型撮像素子などを用いた電子カメラが広く普及している。ところが、これらの撮像素子の製造過程において、正常な出力が得られない欠陥画素が生じる場合がある。また、特殊な撮像素子では、画像撮影用の画素とは別にAF(オートフォーカス)用の画素が設けられたものもある。このような欠陥画素やAF用画素など画像撮影に利用できない画素(以降、特定画素と称す)が存在する撮像素子で撮影された画像データの特定画素位置の色成分(画素値)を画像処理によって補間生成するために、生成対象の特定画素の色成分とは異なる色成分の画像データを用いて特定画素の画素値を生成する方法などが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3721281号公報
ところが、従来は撮影に用いた光学系の倍率色収差などの影響による撮影画像の色ズレを考慮しておらず、特定画素の画素値を補間生成後に色ズレ補正処理を行った場合、偽色が生じるという問題があった。
本発明の目的は、撮影画像に色ズレが生じている場合でも、偽色の少ない特定画素の画素値を補間生成できる画像処理装置および電子カメラを提供することである。
本発明に係る画像処理装置は、少なくとも第1色成分と第2色成分を含む複数種類の色成分のいずれか1つの色成分値を有する複数画素で構成され、且つ前記第1色成分を有するべき複数画素のうち前記第1色成分の情報を利用できない特定画素が存在する撮像素子によって撮像された画像データを入力する画像入力部と、前記特定画素を含む近傍領域における前記第1色成分と前記第2色成分との色ズレ量を取得する色ズレ量取得部と、前記特定画素の第1色成分値を生成する特定画素成分生成部とを備え、前記特定画素成分生成部は、前記特定画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第2参照画素の第2色成分値を生成する第2色成分生成部と、前記特定画素に近接する第1参照画素の第1色成分値と、前記第2参照画素の第2色成分値とから前記特定画素の第1色成分値を生成する第1色成分生成部とで構成される。
そして、前記特定画素成分生成部の前記第2色成分生成部は、前記第1参照画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第3参照画素の第2色成分値を前記第2参照画素の第2色成分値を用いて補間生成し、且つ前記特定画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第4参照画素の第2色成分値を前記第2参照画素の第2色成分値を用いて補間生成し、前記特定画素成分生成部の前記第1色成分生成部は、前記第1参照画素の第1色成分値と、前記第3参照画素の第2色成分値と、前記第4参照画素の第2色成分値とを用いて、前記特定画素の第1色成分値を生成することを特徴とする。
さらに、前記特定画素成分生成部の前記第2色成分生成部に、前記第3参照画素の第2色成分値と、前記第4参照画素の第2色成分値とを用いて第2色成分の高周波成分値を生成する高周波成分生成部を更に設け、前記特定画素成分生成部の前記第1色成分生成部は、前記第1参照画素の第1色成分値を用いて前記特定画素に第1色成分暫定値を生成する暫定値生成部と、前記第1色成分暫定値に前記第2色成分の高周波成分値を付加して、前記特定画素の第1色成分値を生成する高周波成分付加部とで構成されることを特徴とする。
或いは、前記特定画素成分生成部の前記第1色成分生成部は、前記第1参照画素の第1色成分値と前記第3参照画素の第2色成分値とを用いて、前記第1参照画素の色差成分値を生成する色差生成部と、前記色差成分値を用いて前記特定画素の色差成分値を補間生成する色差補間部と、前記第4参照画素の第2色成分値と前記特定画素の色差成分値とを用いて前記特定画素の第1色成分値を生成する色差付加部とで構成されることを特徴とする。
さらに、前記画像データの画像構造の方向情報を算出する画像構造方向情報算出部を更に設け、前記特定画素成分生成部は、前記画像構造の方向情報に応じて、前記特定画素の第1色成分値を生成し、前記第1色成分生成部は、前記画像構造の方向情報に応じて、前記特定画素に類似する方向に近接する第1参照画素の第1色成分値と、前記第2参照画素の第2色成分値とから前記特定画素の第1色成分値を生成することを特徴とする。
また、本発明に係る画像処理装置は、少なくとも第1色成分と第2色成分を含む複数種類の色成分のいずれか1つの色成分値を有する複数画素で構成され、且つ前記複数画素のうち前記第1色成分の情報を利用できない第1特定画素および前記第2色成分の情報を利用できない第2特定画素が存在する撮像素子によって撮像された画像データを入力する画像入力部と、前記第1特定画素および前記第2特定画素を含む近傍領域における前記第1色成分と前記第2色成分との色ズレ量を取得する色ズレ量取得部と、前記画像データの画像構造の方向情報を算出する画像構造方向情報算出部と、前記画像構造の方向情報に応じて、前記第2特定画素の第2色成分値を生成するG欠陥補正部と、前記画像構造の方向情報に応じて、前記第1特定画素に近接する第5参照画素の第1色成分値と、前記第1特定画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接し且つ前記第2特定画素の第2色成分値を含む第6参照画素の第2色成分値とを用いて、前記第1特定画素の第1色成分値を生成する特定画素成分生成部とを備えることを特徴とする。
さらに、前記特定画素成分生成部は、前記第6参照画素の第2色成分値を用いて、前記第5参照画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第7参照画素の第2色成分値を補間生成する第1のG補間生成部と、前記第5参照画素の第1色成分値と前記第7参照画素の第2色成分値とを用いて暫定色差値を生成する暫定色差生成部と、前記第2特定画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第1色成分の画素を第8参照画素として設定する参照画素位置設定部と、前記第8参照画素の第1色成分値を抽出するデータ抽出部と、前記第8参照画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第9参照画素の第2色成分値を補間生成する第2のG補間生成部と、前記第8参照画素の第1色成分値と前記第9参照画素の第2色成分値とを用いて参照色差値を生成する参照色差生成部と、前記暫定色差値を前記参照色差値に近づけるように前記暫定色差値を修正して修正色差を生成する色差修正部と、前記修正色差と前記第7参照画素の第2色成分値とを用いて前記第1特定画素の第1色成分値を生成する色差付加部とを有することを特徴とする。
特に、前記参照画素位置設定部は、設定すべき前記第8参照画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第9参照画素が前記第2特定画素と重複しないように前記第8参照画素を設定することを特徴とする。
さらに、前記第1特定画素近傍の第1色成分の画素を追加補正画素とし、前記追加補正画素から前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第10参照画素が前記第2特定画素である場合に追加補正の実行を決定する追加補正判定部と、前記第10参照画素の第2色成分値を補間生成する追加G補間生成部と、前記追加補正画素の第1色成分値と前記第10参照画素の第2色成分値とを用いて追加色差値を生成する追加色差生成部と、前記追加色差値を前記参照色差生成部が生成した前記参照色差値に近づけるように前記追加色差値を修正して修正追加色差値を生成する追加色差修正部と、前記修正追加色差値と前記第2特定画素の第2色成分値とを用いて、前記追加補正画素の第1色成分値を生成する追加画像出力部とを備えることを特徴とする。
また、上記の画像処理装置が出力する画像データの色ズレ補正処理を行う色ズレ補正部を更に設けたことを特徴とする。
本発明に係る電子カメラは、前記画像処理装置を搭載する電子カメラであって、光学系を介して入射する被写体光を各画素毎に複数種類の色成分のいずれか1つの色成分を有する複数画素で構成される画像データに変換して前記画像処理装置に出力する撮像部と、前記撮像部に撮像タイミングを与える操作部材と、前記画像処理装置が出力する画像データを所定のフォーマットで記憶媒体に記録する記録部とを設けたことを特徴とする。
本発明では、撮影画像に色ズレが生じている場合でも、精度良く特定画素位置の画素値を生成することができ、偽色を防止することができる。
各実施形態に係る電子カメラ101の構成を示すブロック図である。 電子カメラ101の画像処理部107の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203aの構成および処理の流れを示すブロック図である。 画素配列の様子および各実施形態における線キズの様子を示す説明図である。 画像構造方向情報算出部303aの処理を示す説明図である。 色ズレの様子とG補間生成部352の処理を示す説明図である。 暫定RB生成部351の処理を示す説明図である。 G補間生成部352の処理を示す説明図である。 色ズレ位置のG成分の補間値を求める処理を示す説明図である。 G高周波成分生成部353で用いるG成分の画素位置を示す説明図である。 第1の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203aの効果を示す説明図である。 第2の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203bの構成および処理の流れを示すブロック図である。 特定画素補間処理部203bの色差補間部361の処理を示す説明図である。 第3の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203cの構成および処理の流れを示すブロック図である。 画像構造方向情報算出部303bの処理を示す説明図である。 画像構造方向と線キズ位置の条件と選択画素の関係を示す説明図である。 特定画素位置および色ズレ量の条件と第8参照画素位置の関係を示す説明図である。 二重連続線キズの上側で色ズレ量(dy>0)の条件の第8参照画素位置を示す説明図である。 二重連続線キズの下側で色ズレ量(dy<0)の条件の第8参照画素位置を示す説明図である。 第3の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203cの効果を示す説明図である。 第4の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203dの構成および処理の流れを示すブロック図である。 第4の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203dの効果を示す説明図である。
以下、本発明に係る画像処理装置および電子カメラの実施形態について図面を用いて詳しく説明する。尚、以下の実施形態では、電子カメラの構成例について説明するが、ベイヤー配列などのカラーフィルタアレイが配置された単板イメージセンサーで撮影した特定画素(線キズや点キズなどによって画像に利用できない画素や別目的のAF用画素など)を有する画像データを入力して、特定画素位置の画素値を補間生成する単体の画像処理装置であっても構わない。
[電子カメラ101の構成および基本動作]
先ず、各実施形態に共通の電子カメラ101の全体構成および基本動作について説明する。図1は電子カメラ101の構成を示すブロック図で、電子カメラ101は、光学系102と、メカニカルシャッタ103と、撮像素子104と、A/D変換部105と、画像バッファ106と、画像処理部107と、カメラ制御部108と、メモリ109と、表示部110と、操作部材111と、メモリカードIF(インターフェース)112とで構成される。
図1において、光学系102に入射される被写体光は、メカニカルシャッタ103を介して撮像素子104の受光面に入射される。ここで、光学系102は、ズームレンズやフォーカスレンズなどの複数枚のレンズおよびレンズ駆動部や絞りなどで構成され、カメラ制御部108からの指令に応じて、ズームレンズやフォーカスレンズ或いは絞りなどが制御される。
撮像素子104は、単板イメージセンサーで構成され、受光面には光電変換部を有する複数の画素が二次元状に配置されている。そして、カラー情報を取得するために、例えば各画素にはRGB3色のいずれかのカラーフィルターが所定の配列で配置されている。従って、撮像素子104は、各画素毎にRGB3色のいずれか1色の色成分を有する画像信号を出力する。尚、本実施形態では、ベイヤー配列のカラーフィルタアレイ(CFA)が配置され、第1色成分(R成分、B成分)の線キズを有する場合や、第1色成分だけでなく第2色成分(G成分)の線キズを有する場合などについて説明する。また、線キズだけでなく、点キズや別の要因によって画像に利用できない画素がある場合でも同様に適用可能である。例えば、AF用画素など別目的の画素が配置されている場合でも同様に補間生成することができる。以下の各実施形態では、このような画像に利用できない画素を特定画素と称する。また、補間生成する対象画素を注目画素と称する。
A/D変換部105は、撮像素子104が出力する画像信号を各画素毎にデジタル値に変換し、1枚の撮影画像分の画像データとして画像バッファ106に一時的に記憶する。例えば、撮像素子104の解像度が1000画素×1000画素である場合、100万画素分の画像データが画像バッファ106に取り込まれる。この時、画像バッファ106に取り込まれた画像データはRAWデータと呼ばれ、各画素にRGBいずれか1つの色成分を有する画像データである。
画像バッファ106は、揮発性の高速メモリで構成され、A/D変換部105が出力する撮影画像を一時的に記憶するだけでなく、画像処理部107が画像処理を行う際のバッファメモリとしても使用される。或いは撮影画像やメモリカードIF112に接続されたメモリカード112aに保存されている撮影済の画像を表示部110に表示する際の表示用バッファとしても使用される。
画像処理部107は、画像バッファ106に取り込まれたRAWデータに対して、ホワイトバランス処理,色補間処理,ガンマ補正処理,彩度強調処理,輪郭輪郭強調処理、或いはJPEG規格などに準拠した画像圧縮方法で画像データの圧縮処理を施す。特に、本実施形態では、撮像素子104は画像に利用できない特定画素を有しているので、画像処理部107は特定画素を周囲の画素から補間生成する(後に図2で説明する特定画素補間処理部203)。尚、画像処理部107の構成については後で詳しく説明する。
カメラ制御部108は、内部に記憶されたプログラムに従って動作するCPUで構成され、電子カメラ101全体の動作を制御する。例えば、カメラ制御部108は、操作部材111を構成する撮影モード選択ダイヤルやレリーズボタンの操作に応じて、電子カメラ101の撮影モードを設定したり、レリーズボタン押下時には光学系102のレンズ制御や絞り制御を行ってメカニカルシャッタ103を開閉し、撮像素子104で被写体画像を撮像する。そして、カメラ制御部108は、撮像素子104から予め設定した解像度の画像信号を読み出しながらA/D変換部105でデジタル値に変換し、1画面分の画像データ(RAWデータ)を画像バッファ106に取り込む。さらに、カメラ制御部108は、画像バッファ106に取り込まれたRAWデータに対してホワイトバランス処理や色補間処理などの画像処理を施すよう画像処理部107に指令し、画像処理後の画像データ(例えばJPEGデータ)に所定のファイル名やヘッダ情報を付加してメモリカードI/F112を介してメモリカード112aに保存したり、表示部110に撮影画像を表示する。
メモリ109は、フラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリで構成され、電子カメラ101の撮影モードや露出情報,フォーカス情報などのパラメータが記憶される。カメラ制御部108は、これらのパラメータを参照して電子カメラ101の動作を制御する。尚、これらのパラメータは、操作部材111を介して行われるユーザー操作に応じて適宜更新される。
表示部110は、液晶モニタなどで構成され、カメラ制御部108によって撮影画像や電子カメラ101の操作に必要な設定メニュー画面などが表示される。
操作部材111は、電源ボタン、レリーズボタン、撮影モード選択ダイヤル、カーソルボタンなどで構成される。ユーザーは、これらの操作ボタンを操作して電子カメラ101を使用する。尚、これらの操作ボタンの操作情報はカメラ制御部108に出力され、カメラ制御部108は操作部材111から入力する操作情報に応じて電子カメラ101全体の動作を制御する。
メモリカードIF112は、電子カメラ101にメモリカード112aを接続するためのインターフェースである。そして、カメラ制御部108はメモリカードIF112を介してメモリカード112aに画像データを読み書きする。
以上が電子カメラ101の構成および基本動作である。尚、電子カメラ101ではなく、本発明に係る単体の画像処理装置を構成する場合は、図1において、光学系102,メカニカルシャッタ103,撮像素子104およびA/D変換部105で構成される撮像部を取り除いた装置とし、カメラ制御部108(画像処理装置の制御部に相当)が撮影済みの特定画素を有する画像データをメモリカード112aから画像バッファ106に読み出して、画像処理部107が特定画素位置の画素値の補間生成処理を行う。
[画像処理部107の構成および動作]
次に、画像処理部107の構成および動作について図2のブロック図を用いて説明する。図2において、画像処理部107は、ホワイトバランス処理部(WB処理部)201と、ガンマ変換部202と、特定画素補間処理部203と、色ズレ補正処理部204と、色補間処理部205と、ガンマ補正処理部206と、彩度強調処理部207と、輪郭強調処理部208と、圧縮処理部209とで構成される。尚、図2において、図1と同符号のものは同じものを示す。以下、画像処理部107の各部について順番に説明する。
ホワイトバランス処理部201は、被写体の無彩色部分が無彩色の画像として撮影されるように、RGB各色のバランスを調整する係数(ホワイトバランスゲイン)を求め、このホワイトバランスゲインを画像バッファ106から読み出したRAWデータに乗算してホワイトバランス調整を行う。尚、ホワイトバランス処理部201は、特定画素補間処理部203が特定画素の画素値を補間生成した後で行うようにしても構わない。
ガンマ変換部202は、次の特定画素補間処理部203の補間処理や色補間処理部205に適した階調特性(ガンマ特性)に変換する。
尚、図2において、RAWデータとは、各画素にRGB3色の中のいずれか1色の値を有するベイヤー配列の画像データを意味するものとし、例えばホワイトバランス処理部201の処理前後のRAWデータやガンマ変換部202の処理前後のRAWデータは同じものではない。同様に、図2において、RGBデータとは、各画素にRGB3色の色成分の値を有する画像データを意味するものとし、例えば色補間処理部205が出力するRGBデータと輪郭強調処理部208が出力するRGBデータは同じものではない。
色ズレ補正処理部204は、RGB各色間の色ズレを補正する。例えばR成分とG成分の画像間やB成分とG成分の画像間あるいはR成分とB成分の画像間に色ズレがある場合は、色ズレ量の分だけRAWデータの当該色成分の画素位置を補正する。尚、色ズレ補正処理部204が行う色ズレ補正処理は周知のいずれの方法を用いても構わない。
色補間処理部205は、各画素にRGB3色の中のいずれか1色の値しか持たないRAWデータを各画素がRGB3色の値を有するRGBデータに変換する。尚、色補間処理部205が行う補間処理は周知のいずれの方法を用いても構わない。
ガンマ補正処理部206は、色補間処理部205が出力するRGBデータに対して階調変換処理を行う。尚、ガンマ変換部203では特定画素補間処理部203の補間処理に適したガンマ特性に変換したが、ガンマ補正処理部206では出力空間に適したガンマ特性に変換する。
彩度強調処理部207は、撮影画像が鮮やかな色彩の画像になるようにRGBデータの彩度を強調する。
輪郭強調処理部208は、彩度強調処理部207が出力するRGBデータの画像の輪郭を強調する。
圧縮処理部209は、輪郭強調処理部208が出力する画像データに対して、JPEG規格など所定の方式で画像圧縮処理を行う。そして、画像圧縮処理後の画像データ(例えばJPEGデータ)は、カメラ制御部108を介してメモリカードIF112に接続されているメモリカード112aに撮影画像として保存される。
このように、画像処理部107は、画像バッファ106に取り込まれたRAWデータに対して、ホワイトバランス処理,特定画素補間処理,色補間処理,ガンマ補正処理,彩度強調処理,輪郭輪郭強調処理および圧縮処理を施してカメラ制御部108に出力する。
ここで、本願発明の特徴は、図2の画像処理部107の中の特定画素補間処理部203の処理にあり、他の処理は省略したり上記以外の方法を用いても構わない。例えば、先に述べたように、ホワイトバランス処理部201の処理位置を変えたり、ガンマ変換部203の処理を省略したり、圧縮処理部209で画像圧縮処理を行わないようにしても構わない。
次に、特定画素補間処理部203の構成および処理について、いくつかの実施形態を挙げて説明する。
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203aの構成および処理の流れを示すブロック図である。尚、図3の特定画素補間処理部203aは、図2の特定画素補間処理部203に対応するブロックである。
特定画素補間処理部203aは、図2のガンマ変換部202から入力する(線キズのある)RAWデータの特定画素の画素値を補間生成し、特定画素の無い(線キズ補正された)RAWデータを出力する。尚、本実施形態では、特定画素を線キズのある欠陥画素として説明する。
図3において、特定画素補間処理部203aは、画像入力部301と、画素値抽出部302と、画像構造方向情報算出部303aと、色ズレ量取得部304と、特定画素成分生成部305aと、画像出力部306とで構成される。尚、分かり易いように画素値抽出部302を別に描いてあるが、画素値抽出部302の処理を画像入力部301に含めても構わない。
画像入力部301は、ホワイトバランス処理部201およびガンマ変換部202で処理された特定画素を有するRAWデータを入力する。尚、ホワイトバランス処理部201およびガンマ変換部202の処理を行わずに、撮像素子104で撮像されて画像バッファ106に取り込まれたRAWデータや、メモリカード112aに記憶された特定画素を有するRAWデータを入力しても構わない。
ここで、画像入力部301が入力するRAWデータは、例えば図4(a)に示すようなベイヤー配列の画像データである。尚、図4(a)は、1つの画像を構成する画像データの一部分を描いた図で、特に次の画素値抽出部302が抽出する15×15画素の範囲を示している。図4(a)において、横軸はX軸、縦軸はY軸を示し、中心のR成分の画素(x,y)を注目画素として、上下左右に7画素以内の領域を示している。以降の説明では、特に明記しない限り、各画素位置を座標(x,y)で示すものとする。例えば、R成分の画素(x,y)の真上のG成分の画素は、座標で表記すると画素(x,y-1)となる。また、当該座標の画素値は、色成分の記号を付してR(x,y)やG(x,y-1)と表記するものとし、例えばR(x,y)は画素(x,y)のR成分の画素値を示し、G(x,y-1)は画素(x,y-1)のG成分の画素値を示す。
また、画像入力部301が入力するRAWデータは、図4(b)または図4(c)に示すように、線キズを有するものとする。例えば図4(b)の場合は(y)行のR成分の画素と(y+1)行のB成分の画素とに線キズがあり、図4(c)の場合は(y)行のR成分とG成分の画素と(y+1)行のB成分とG成分の画素とに線キズがある例を示している。ここで、×印で示した画素が欠陥画素で、画像として利用できない特定画素に相当する。
次に、図3において、画素値抽出部302は、画像入力部301が入力する例えば1000×1000画素の1つの画像を構成するRAWデータに含まれる1つまたは複数の特定画素の中から補間生成しようとする対象画素(注目画素)を1画素ずつ選択しながら、処理毎に当該注目画素を中心とする図4(a)に示したような15×15画素の領域を抽出する。従って、補間生成しようとする特定画素が複数ある場合は、特定画素の数だけ同じ補間処理を行う。尚、画素値抽出部302は、注目画素を中心として上下左右に7画素以内の領域(例えば15×15画素)の部分を抽出するものとしたが、7画素より多くても構わない。但し、実際の色ズレ量は4画素以内である場合が殆どであり、且つ画素数を多くすると処理量が増大するので、7画素以内のデータを抽出するのが適切である。
画像構造方向情報算出部303aは、注目画素を中心とする画像構造の方向を判別する。ここで、画像構造の方向を判別する方法について図5を用いて説明する。図5(a)は縦方向(CV方向)、図5(b)は横方向(CH方向)、図5(c)は右下斜め方向(CD1方向)、図5(d)は右上斜め方向(CD2方向)の画像構造をそれぞれ判別するための選択画素を示している。尚、各図において、注目画素はR成分の画素(x,y)とする。
図5(a)の場合は、注目画素(x,y)の上下のG成分の画素(x,y-1)と画素(x,y+1)の画素値の差分の絶対値(CV)を求める。
CV=|G(x,y-1)-G(x,y+1)| …(式1)
また、図5(b)の場合は、注目画素(x,y)の左右のG成分の画素(x-1,y)と画素(x+1,y)の画素値の差分の絶対値(CH)を求める。
CH=|G(x-1,y)-G(x+1,y)| …(式2)
同様に、図5(c)の場合は、注目画素(x,y)を挟む右下斜め方向の2つのG成分の画素(x-1,y)と画素(x,y+1)の画素値の差分の絶対値と、画素(x,y-1)と画素(x+1,y)の画素値の差分の絶対値との平均値(CD1)を求める。
CD1=(|G(x-1,y)-G(x,y+1)|+|G(x,y-1)-G(x+1,y)|)/2 …(式3)
また、図5(d)の場合は、注目画素(x,y)を挟む右上斜め方向の2つのG成分の画素(x,y-1)と画素(x-1,y)の画素値の差分の絶対値と、画素(x+1,y)と画素(x,y+1)の画素値の差分の絶対値との平均値(CD2)を求める。
CD2=(|G(x,y-1)-G(x-1,y)|+|G(x+1,y)-G(x,y+1)|)/2 …(式4)
尚、各式において、例えばG(x,y-1)の表記は各画素の画素値を示すものとする。また、CV,CH,CD1およびCD2は各方向の構造方向情報に相当し、各方向の構造方向情報CV,CH,CD1およびCD2の値が小さいほど当該方向の類似性が高い画像構造を有していると判別する。
このようにして、画像構造方向情報算出部303aは、注目画素(x,y)を中心とする画像構造の方向を判別する。
色ズレ量取得部304は、R成分に対するG成分の色ズレ量を求める。これにより、補正対象のR成分の注目画素(x,y)に対応するG成分の画素位置がわかる。尚、色ズレ量の取得方法は、様々な方法が考えられており、公知のいずれの方法を用いても構わない。例えば、撮影に用いた光学系に対応する色収差情報を参照するようにしても構わないし、撮影画像におけるR成分の画像とG成分の画像との相関処理を行って位置ズレ量を求め、これを色ズレ量としても構わない。ここで、取得される色ズレ量を(dx,dy)とする。これは、例えばR成分の画素(x,y)に対応する色ズレした位置にあるG成分の画素は画素(x+dx,y+dy)となる。尚、色ズレ量(dx,dy)は一般には整数ではない。尚、特定画素がB成分の画素である場合は、色ズレ量取得部304は、R成分の特定画素と同様にB成分に対するG成分の色ズレ量を求める。
図6(a)は、R成分の画像とG成分の画像との間に色ズレがある場合の様子を描いた図で、一例としてdx=2.4,dy=1.8の色ズレ量の場合を示している。図6(a)において、G成分の被写体位置は、R成分の被写体位置に対して、X軸方向にdx(2.4画素分),Y軸方向にdy(1.8画素分)だけ位置がずれている。例えば、R成分の被写体の画素(x,y)と同じ部分のG成分の被写体が撮像されているのは画素(x+dx,y+dy)となる。尚、画素(x+dx,y+dy)のG成分の求め方については後で詳しく説明する。
次に、図3において、特定画素成分生成部305aは、画素値抽出部302が抽出した注目画素を中心とする上下左右7画素以内のRAWデータと、画像構造方向情報算出部303aが算出した画像構造の方向情報と、色ズレ量取得部304が取得したR成分またはB成分の画素とG成分の画素との間の色ズレ量とを用いて、特定画素の画素値を生成する。本実施形態では、図4(b)に示したように、特定画素は線キズ部分のR成分およびB成分の画素で、特定画素成分生成部305aは線キズ部分のR成分およびB成分の画素値を補間生成する。尚、特定画素成分生成部305aの構成については後で詳しく説明する。
画像出力部306は、画像入力部301が入力したRAWデータの特定画素部分に、特定画素成分生成部305aが補間生成した特定画素の画素値を代入して、特定画素が補正されたRAWデータを出力する。例えば本実施形態の場合は、線キズがあるRAWデータを入力して、線キズ部分を補正したRAWデータを出力する。
[特定画素成分生成部305aの構成および処理]
次に特定画素成分生成部305aの構成および処理について説明する。特定画素成分生成部305aは、図3に示したように、暫定RB生成部351と、G補間生成部352と、G高周波成分生成部353と、高周波成分付加部354とで構成される。ここで、暫定RB生成部351とG高周波成分生成部353と高周波成分付加部354の3つの処理は、最終的に特定画素の第1色成分(R成分またはB成分)を生成する処理である(第1色成分生成部341aに対応)。また、G補間生成部352は、本実施形態では第1色成分生成部341aが第1色成分を生成するために、色ズレ量を考慮した第2色成分(G成分)を生成する(第2色成分生成部342aに対応)。
先ず、暫定RB生成部351は、画像構造方向情報算出部303aが算出した構造方向情報(CV,CD1,CD2)に応じて、特定画素であるR成分の画素(x,y)における暫定画素値(Rz(x,y))を次のように求める。
・構造方向情報CVが最小の場合は、図7(a)に示す上下に隣接する画素(x,y-2)および画素(x,y+2)を用いて、(式5)により暫定画素値(Rz(x,y))を求める。
Rz(x,y)=(R(x,y-2)+R(x,y+2))/2 …(式5)
・構造方向情報CDlが最小の場合は、図7(b)に示す右斜め下方向に隣接する画素(x-2,y-2)および画素(x+2,y+2)を用いて、(式6)により暫定画素値(Rz(x,y))を求める。
Rz(x,y)=(R(x-2,y-2)+R(x+2,y+2))/2 …(式6)
・構造方向情報CD2が最小の場合は、図7(c)に示す右斜め上方向に隣接する画素(x+2,y-2)および画素(x-2,y+2)を用いて、(式7)により暫定画素値(Rz(x,y))を求める。
Rz(x,y)=(R(x+2,y-2)+R(x-2,y+2))/2 …(式7)
また、横方向の構造方向情報CHを用いないのは、先に説明したように本実施形態では線キズが横方向のためである。従って、縦方向に線キズが有る場合や点キズの場合は、構造方向情報CHが最小の場合は、左右に隣接する画素(x-2,y)および画素(x+2,y)を用いて、(式8)のように暫定画素値(Rz(x,y))を求める。
Rz(x,y)=(R(x-2,y)+R(x+2,y))/2 …(式8)
このようにして、暫定RB生成部351は、画像構造方向情報算出部303aが算出した構造方向情報に応じて、特定画素であるR成分の画素(x,y)における暫定画素値(Rz(x,y))を求める。尚、上記の(式5)から(式8)で参照した右辺の各画素は第1参照画素と定義する。
次に、4つの画素(画素(p0,q0),画素(p0+1,q0),画素(p0,q0+1),画素(p0+1,q0+1))のG成分値をそれぞれ求める。特定画素であるR成分の画素(x,y)及び暫定RB生成部351で参照した第1参照画素位置の各画素に対して、色ズレ量に応じて色ズレした位置のG成分値を補間生成する。
具体的な処理について図6を用いて説明する。尚、先に図6(a)で説明したようにR成分の画像に対してG成分の画像は(dx,dy)だけ色ズレしているものとする。ここで、先ず色ズレ量(dx,dy)の小数点以下を切り捨てて整数化した画素を画素(p0,q0)とする。この整数化の結果、図6(b)に示すように、色ズレしたG成分の画素(x+dx,y+dy)の位置は整数化されて画素(p0,q0)となる。尚、図6(b)の場合、画素(p0,q0)を元のxy座標で表すと、G成分の画素(x+2,y+1)の位置に対応するが、整数化後に必ずしもG成分の画素位置に対応するとは限らず、R成分の画素やB成分の画素が対応する場合もある。このような場合の処理について図8を用いて説明する。
図8(a)において、R成分の画素(x,y)に対応するG成分の色ズレ位置にある画素が整数化後において、例えばG成分の画素(x+2,y+1)である場合と、R成分の画素(x+2,y+2)である場合とに分けて説明する。尚、色ズレ位置にある画素がB成分の画素である場合は、R成分の画素の場合と同様に処理するので説明を省略する。
図8(a)において、R成分の画素(x,y)に対応するG成分の色ズレ位置にある画素がR成分の画素(x+2,y+2)である場合は、図8(b)に示すようにR成分の画素(x+2,y+2)を色ズレ後のG成分の画素位置としてpq座標に置き換えて画素(p0,q0)とする。そして、pおよびqが+1方向の4つの画素(画素(p0,q0),画素(p0+1,q0),画素(p0,q0+1),画素(p0+1,q0+1))に対応するG成分値をそれぞれ求める。
先ず、図8(b)の場合(画素(p0,q0)が元のxy座標でG成分の画素ではない場合)は、以下のように4つの画素(画素(p0,q0),画素(p0+1,q0),画素(p0,q0+1),画素(p0+1,q0+1))に対応するG成分値を算出する。
・画素(p0,q0)のG成分値の算出
画素(p0,q0)は元のxy座標ではG成分の画素ではないので、近傍のG成分の画素の画素値から補間する。この時、画像構造方向情報算出部303aが算出した構造方向情報(CV,CH)に応じて補間に使用する近傍のG成分の画素を選択する。
例えばCV≧CHの場合は、縦方向より横方向の方が類似度が高いので、画素(p0,q0)のG成分値(G(p0,q0))は、画素(p0,q0)の左右の画素(p0-1,q0)と画素(p0+1,q0)を選択して、これらの画素のG成分値(G(p0-1,q0)とG(p0+1,q0))の平均値とする(式9)。
G(p0,q0)=(G(p0-1,q0)+G(p0+1,q0))/2 …(式9)
逆にCV<CHの場合は、横方向より縦方向の方が類似度が高いので、画素(p0,q0)のG成分値(G(p0,q0))は、画素(p0,q0)の上下の画素(p0,q0-1)と画素(p0,q0+1)を選択して、これらの画素のG成分値(G(p0,q0-1)とG(p0,q0+1))の平均値とする(式10)。
G(p0,q0)=(G(p0,q0-1)+G(p0,q0+1))/2 …(式10)
・画素(p0+1,q0)のG成分値の算出
画素(p0+1,q0)は元のxy座標でG成分の画素(x+3,y+2)に対応するので、そのまま画素(x+3,y+2)のG成分(G(x+3,y+2))を画素(p0+1,q0)のG成分(G(p0+1,q0))とする(式11)。
G(p0+1,q0)=G(x+3,y+2) …(式11)
・画素(p0,q0+1)のG成分値の算出
画素(p0,q0+1)は元のxy座標でG成分の画素(x+2,y+3)に対応するので、そのまま画素(x+2,y+3)のG成分(G(x+2,y+3))を画素(p0,q0+1)のG成分(G(p0,q0+1))とする(式12)。
G(p0,q0+1)=G(x+2,y+3) …(式12)
・画素(p0+1,q0+1)のG成分値の算出
画素(p0+1,q0+1)は元のxy座標ではG成分の画素ではなくB成分の画素なので、近傍のG成分の画素から補間する。この時、画素(p0,q0)の場合と同様に、画像構造方向情報算出部303aが算出した構造方向情報(CV,CH)に応じて補間に使用する近傍のG成分の画素を選択する。
例えばCV≧CHの場合は、画素(p0,q0)の場合と同様に、(式13)により求める。
G(p0+1,q0+1)=(G(p0,q0+1)+G(p0+2,q0+1))/2 …(式13)
逆にCV<CHの場合は、画素(p0,q0)の場合と同様に、(式14)により求める。
G(p0+1,q0+1)=(G(p0+1,q0)+G(p0+1,q0+2))/2 …(式14)
尚、図8(c)に示すように、色ズレ量(dx,dy)を整数化後の画素(p0,q0)がG成分の画素である場合についても、図8(b)で説明した処理と同様の処理を行うことによって、4つの画素(画素(p0,q0),画素(p0+1,q0),画素(p0,q0+1),画素(p0+1,q0+1))のG成分値をそれぞれ求めることができる。例えば、図8(c)において、元のxy座標のG成分の画素に対応する画素(p0,q0)と画素(p0+1,q0+1)はそのまま元のG成分値を用い、元のxy座標のR成分またはB成分の画素に対応する画素(p0+1,q0)と画素(p0,q0+1)については、構造方向情報(CV,CH)に応じて補間に使用する近傍のG成分の画素(上下または左右のG成分の画素)を選択して、その平均値を当該画素のG成分値とする。
以上のようにして、G補間生成部352は、4つの画素(画素(p0,q0),画素(p0+1,q0),画素(p0,q0+1),画素(p0+1,q0+1))のG成分値をそれぞれ求めることができる。
尚、列方向にp0と(p0+1)および行方向にq0と(q0+1)の4つの画素を選択する理由(+1方向とする理由)は、先に色ズレ量(dx,dy)の小数点以下を切り捨てて整数化した値をp0およびq0とする処理を行っているので、実際の色ズレ後のG成分の画素(x+dx,y+dy)の位置は、必ず画素(p0,q0)を基準にして+1画素以内の範囲内にあることになる。つまり、画素(p0,q0),画素(p0+1,q0),画素(p0,q0+1),画素(p0+1,q0+1)の4つの画素の範囲内に実際の色ズレ後のG成分の画素(x+dx,y+dy)が位置している。
次に、G補間生成部352は、R成分(またはB成分)の注目画素(x,y)に対応する実際の色ズレ後の画素(x+dx,y+dy)のG成分を求める処理を行う。G補間生成部352は、図9に示すように、これらの4つの画素のG成分値から色ズレ量を整数化していない実際の色ズレ後の画素(x+dx,y+dy)のG成分値(iG(x+dx,y+dy))を求める。尚、G成分の画素値(iG(x+dx,y+dy))の求め方は、一般的な線形補間処理などで求めることができる。例えば図9の場合、dx=2.4、y=1.8とすると、小数点以下の比率(x方向に0.4、y方向に0.8)を4つの画素のG成分値にそれぞれ乗算して(式15)のようにG成分の画素値(iG(x+dx,y+dy))を求めることができる。
iG(x+dx,y+dy)=0.2・0.6・G00+0.8・0.6・G01+0.2・0.4・G10+0.8・0.4・G11 …(式15)
尚、(式15)において、G00は画素(p0,q0)のG成分値(G(p0,q0))、G01は画素(p0+1,q0)のG成分値(G(p0+1,q0))、はG10は画素(p0,q0+1)のG成分値(G(p0,q0+1))、はG11は画素(p0+1,q0+1)のG成分値(G(p0+1,q0+1))をそれぞれ表す。また、G00,G01,G10およびG11の各画素は第2参照画素に対応する。
このようにして、G補間生成部352は、R成分(またはB成分)の画素に対応する色ズレ後のG成分の画素(x+dx,y+dy)のG成分値を求めることができる。尚、G補間生成部352は、上記と同様の処理を行うことにより、図10に示すような色ズレ後の画素(x+dx,y+dy)を中心とする3つの画素のG成分値(G1,G2,G3)をそれぞれ求める。ここで、対象とする3つの画素は、構造方向情報(CV,CD1,CD2)に応じて異なる。また、G2およびG3の各画素は第3参照画素に対応し、G1の画素は第4参照画素に対応する。
例えば、CVが最小である場合は、図10(a)に示すように、画素(x,y)に対応する色ズレ後の画素(x+dx,y+dy)のG成分値(G1)と、画素(x+dx,y-2+dy)に対応する色ズレ後の画素(x+dx,y-2+dy)のG成分値(G2)と、画素(x+dx,y+2+dy)に対応する色ズレ後の画素(x+dx,y+2+dy)のG成分値(G3)とを図8および図9で説明したiGを求める処理を用いて以下のようにそれぞれ算出する。
Gl=iG(x+dx,y+dy) …(式16)
G2=iG(x+dx,y-2+dy) …(式17)
G3=iG(x+dx,y+2+dy) …(式18)
同様に、CD1が最小である場合は、図10(b)に示すように、画素(x,y)に対応する色ズレ後の画素(x+dx,y+dy)のG成分値(G1)と、画素(x-2+dx,y-2+dy)に対応する色ズレ後の画素(x-2+dx,y-2+dy)のG成分値(G2)と、画素(x+2+dx,y+2+dy)に対応する色ズレ後の画素(x+2+dx,y+2+dy)のG成分値(G3)とを以下のようにそれぞれ算出する。
Gl=iG(x+dx,y+dy) …(式19)
G2=iG(x-2+dx,y-2+dy) …(式20)
G3=iG(x+2+dx,y+2+dy) …(式21)
また、CD2が最小である場合は、図10(c)に示すように、画素(x,y)に対応する色ズレ後の画素(x+dx,y+dy)のG成分値(G1)と、画素(x+2+dx,y-2+dy)に対応する色ズレ後の画素(x+2+dx,y-2+dy)のG成分値(G2)と、画素(x-2+dx,y+2+dy)に対応する色ズレ後の画素(x-2+dx,y+2+dy)のG成分値(G3)とを以下のようにそれぞれ算出する。
Gl=iG(x+dx,y+dy) …(式22)
G2=iG(x+2+dx,y-2+dy) …(式23)
G3=iG(x-2+dx,y+2+dy) …(式24)
尚、本実施形態では、横方向の線キズであるため、CHが最小である場合について処理を行わないが、縦方向に線キズがある場合は、CHが最小である場合についても処理を行い、例えば画素(x,y)に対応する色ズレ後の画素(x+dx,y+dy)のG成分値(G1)と、画素(x-2+dx,y+dy)に対応する色ズレ後の画素(x-2+dx,y+dy)のG成分値(G2)と、画素(x+2+dx,y+dy)に対応する色ズレ後の画素(x+2+dx,y+dy)のG成分値(G3)とを以下のようにそれぞれ算出する。
Gl=iG(x+dx,y+dy) …(式25)
G2=iG(x-2+dx,y+dy) …(式26)
G3=iG(x+2+dx,y+dy) …(式27)
以上がG補間生成部352の処理である。
次に、G高周波成分生成部353は、G補間生成部352が算出した画素(x+dx,y+dy)を中心とする3つの画素のG成分値(G1,G2およびG3)を用いて、画素(x+dx,y+dy)の位置における高周波成分dGを(式28)のようにして求める。
dG=G1-(G2+G3)/2 …(式28)
次に、高周波成分付加部354は、暫定RB生成部351が求めた画素(x,y)のR成分の暫定画素値Rzと、G高周波成分生成部353が求めた画素(x+dx,y+dy)の高周波成分dGとを用いて、特定画素である画素(x,y)のR成分値R(x,y)を(式29)のようにして求める。
R(x,y)=Rz+dG …(式29)
尚、上記の説明では、線キズの中のR成分の1つの画素(x,y)の画素値を補間生成する処理について説明したが、線キズの他の部分のR成分の画素やB成分の画素についても同様の処理を繰り返すことによって、当該特定画素の画素値を補間生成することができる。
このようにして、特定画素成分生成部305aは、全ての特定画素(線キズがあるR成分の画素またはB成分の画素)の画素値を補間生成する。
ここで、第1の実施形態の効果について図11を用いて説明する。図11(b)は、従来技術のように色ズレを考慮せずに特定画素の補間処理を行った場合に生成される画素値の様子を示した図である。図11(b)において、G成分がR成分に対してy軸(縦方向)の+方向に2画素ずれていて、y座標が4の位置のR成分の画素に線キズがある場合を示している。このR成分の画素(特定画素)のR成分値を補間生成するために、先ずy座標が2と6のR成分の画素を用いて、y座標が4の位置のR成分の画素の暫定補間値Rz(図の黒四角印)を補間生成しただけでは画像の微細構造を再現しない。例えば、線キズがなければy座標が4の位置のR成分の光量は約100となるべきところが、暫定補間値Rz(黒四角印)の光量は約70になってしまう。図11(b)において、色ズレに対応せずに高周波成分dG(同図のy座標4の位置の白矢印)を算出した場合の最終的な補正結果(同図の黒丸印)は、R成分の光学像を正しく再現していない。このような場合、補正結果の画像において色ズレしたR成分の画像とG成分の画像とが線キズ位置で消える場合があり、このような補間処理画像に対して図2の色ズレ補正処理部204が色ズレ補正を行うと逆に偽色が生じてしまうことになる。
これに対して本実施形態では、図11(a)に示すように色ズレを考慮して特定画素の補間処理を行うようになっている。図11(a)において、G成分がR成分に対してy軸(縦方向)の+方向に2画素ずれた位置にあるG成分を用いて高周波成分dG(同図のy座標6の位置の白矢印)を算出し、それをy座標4の位置の暫定補間値Rz(同図の黒四角印)に付加することにより(同図のy座標4の位置の白矢印)、R成分の光学像を正しく再現するR成分(同図の黒丸印)が補間生成される。このように適正に線キズが補間された画像に対して図2の色ズレ補正処理部204が色ズレ補正を行うことにより、線キズ位置と正常位置の両方において、色ズレが適切に補正された画像が得られる。
尚、上記の実施形態において、参照する画素値に対してガンマ変換を行ってから補正値の算出処理を行い、算出した補正値を逆ガンマ変換してから補正対象である特定画素の画素値に代入しても構わない。これにより、被写体の同じ部分のR成分とG成分の画素値の大きさが異なる場合であっても、ガンマ変換した状態ではそれぞれの高周波成分の大きさはほぼ同じになるので、G成分の高周波成分dGをR成分の高周波成分として採用した場合の精度が向上する。特に、ガンマ変換特性は対数特性(log特性)であることが望ましいが、信号レベルが小さい領域においてはノイズ成分の影響が大きくなってしまうので完全な対数特性である必要はなく、擬似的な対数特性でガンマ変換するだけで上記と同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
次に、特定画素補間処理部203の別の構成および処理について説明する。
図12は、第2の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203bの構成および処理の流れを示すブロック図である。尚、図12の特定画素補間処理部203bは、図2の特定画素補間処理部203に対応するブロックである。
特定画素補間処理部203bは、図2のガンマ変換部202から入力する(線キズのある)RAWデータの特定画素の画素値を補間生成し、特定画素が補正された(線キズ補正された)RAWデータを出力する。尚、本実施形態では、第1の実施形態の図4(b)に示したように、特定画素を横方向に線キズのある欠陥画素(R成分の画素またはB成分の画素)として説明する。
図12において、特定画素補間処理部203bは、画像入力部301と、画素値抽出部302と、画像構造方向情報算出部303aと、色ズレ量取得部304と、特定画素成分生成部305bと、画像出力部306とで構成される。尚、図12において、第1の実施形態の図3と同符号のものは同様の処理を行うブロックである。また、以下の説明では、図3の特定画素成分生成部305aと異なる特定画素成分生成部305bについてのみ説明する。
[特定画素成分生成部305bの構成および処理]
次に特定画素成分生成部305bの構成および処理について説明する。特定画素成分生成部305bは、図12に示したように、G補間生成部352と、色差補間部361と、色差付加部362とで構成される。尚、G補間生成部352は図3のG補間生成部352と同様の処理を行うので重複する説明は省略する。
ここで、色差補間部361と色差付加部362の2つの処理は、最終的に特定画素の第1色成分(R成分またはB成分)を生成する処理である(第1色成分生成部341bに対応)。また、G補間生成部352は、図3と同様に、第1色成分生成部で第1色成分を生成するために、色ズレ量を考慮した第2色成分(G成分)を生成する処理である(第2色成分生成部342aに対応)。
先ず、色差補間部361は、画像構造方向情報算出部303aが算出した構造方向情報(CV,CD1,CD2)に応じて、特定画素の画素(x,y)における色差成分Crを次のように求める。
・構造方向情報CVが最小の場合は、図13(a)に示すように、先ず特定画素の画素(x,y)の上下に近傍するR成分の画素(x,y-2)と画素(x,y+2)の色差Cr2および色差Cr3をそれぞれ求める。この時、第1の実施形態で説明したように、R成分の画素(x,y-2)と画素(x,y+2)のG成分(G2およびG3)はG補間生成部352によってそれぞれ求められている。従って、色差Cr2および色差Cr3はそれぞれ(式30)および(式31)のように求められる。
Cr2=R(x,y-2)−G2 …(式30)
Cr3=R(x,y+2)−G3 …(式31)
・構造方向情報CDlが最小の場合、図13(b)に示すように、色差Cr2および色差Cr3はそれぞれ(式32)および(式33)のように求められる。
Cr2=R(x-2,y-2)−G2 …(式32)
Cr3=R(x+2,y+2)−G3 …(式33)
・構造方向情報CD2が最小の場合、図13(c)に示すように、色差Cr2および色差Cr3はそれぞれ(式34)および(式35)のように求められる。
Cr2=R(x+2,y-2)−G2 …(式34)
Cr3=R(x-2,y+2)−G3 …(式35)
尚、色差Cr2および色差Cr3を求めるために参照している各式のR成分の画素は、第1参照画素に対応する。また、横方向の構造方向情報CHを用いないのは、先に説明したように本実施形態では線キズが横方向のためである。従って、縦方向に線キズが有る場合や点キズの場合は、構造方向情報CHが最小の場合についても、色差Cr2および色差Cr3はそれぞれ(式36)および(式37)のように求められる。
Cr2=R(x-2,y)−G2 …(式36)
Cr3=R(x+2,y)−G3 …(式37)
このようにして、色差補間部361は、構造方向情報に応じて、第1参照画素に対応する画素の色差Cr2および色差Cr3を求めた後、さらに特定画素の画素(x,y)における色差成分Cr(x,y)を次のように求める(式38)。
Cr(x,y)=(Cr2+Cr3)/2 …(式38)
次に、色差付加部362は、色差補間部361が求めた特定画素の画素(x,y)における色差成分Cr(x,y)と、G補間生成部352によって求められた特定画素の画素(x,y)におけるG成分(G1)とを用いて、特定画素の画素(x,y)におけるR成分を(式39)のように補間生成する。
R(x,y)=Cr(x,y)+G1 …(式39)
尚、上記の説明では、線キズの中のR成分の1つの画素(x,y)の画素値を補間生成する処理について説明したが、他の線キズのあるR成分の画素や線キズのあるB成分の画素についても同様の処理を繰り返すことによって、当該画素の画素値を補間生成することができる。
このようにして、特定画素成分生成部305bは、特定画素(線キズがあるR成分の画素またはB成分の画素)の画素値を補間生成する。
尚、第2の実施形態の効果は、図11を用いて説明した第1の実施形態と同様に、R成分の光学像を正しく再現するR成分が補間生成されるので、補間処理された画像に対して図2の色ズレ補正処理部204が色ズレ補正を行うことにより、線キズ位置と正常位置の両方において、色ズレが適切に補正された画像が得られる。
尚、本実施形態においても、参照する画素値に対してガンマ変換を行ってから補正値の算出処理を行い、算出した補正値を逆ガンマ変換してから補正対象である特定画素の画素値に代入しても構わない。これにより、色差の誤差が少なくなるので第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
次に、特定画素補間処理部203の別の構成および処理について説明する。
図14は、第3の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203cの構成および処理の流れを示すブロック図である。尚、図14の特定画素補間処理部203cは、図2の特定画素補間処理部203に対応するブロックである。
特定画素補間処理部203cは、図2のガンマ変換部202から入力する(線キズのある)RAWデータの特定画素の画素値を補間生成し、特定画素が補正された(線キズ補正された)RAWデータを出力する。尚、本実施形態では、第1および第2の実施形態とは異なり、図4(c)に示したように、特定画素がR成分とB成分の画素だけでなく、G成分の画素にも線キズがある場合の処理に対応する。ここで、第1および第2の実施形態では、線キズのあるR成分またはB成分の画素(第1色成分の画素)が特定画素に対応したが、本実施形態では線キズがあるR成分またはB成分の画素(第1色成分の画素)が第1特定画素に対応し、線キズがあるG成分の画素(第2色成分の画素)が第2特定画素に対応する。
図14において、特定画素補間処理部203cは、画像入力部301と、画素値抽出部302と、画像構造方向情報算出部303bと、色ズレ量取得部304と、特定画素成分生成部305cと、画像出力部306とで構成される。尚、図14において、第1の実施形態の図3および第2の実施形態の図12と同符号のものは同様の処理を行うブロックである。また、以下の説明では、図3および図12とは異なる部分である画像構造方向情報算出部303bおよび特定画素成分生成部305cについて説明する。
[画像構造方向情報算出部303b]
画像構造方向情報算出部303bは、注目画素を中心とする画像構造の方向を判別する。尚、図3の画像構造方向情報算出部303aも同じように注目画素を中心とする画像構造の方向を判別する処理を行ったが、G成分の画素に線キズがある場合を想定しているので、本実施形態の画像構造方向情報算出部303bは図3の画像構造方向情報算出部303aとは少し異なる処理を行う。
図15は、画像構造方向情報算出部303bが画像構造の方向を判別する処理を説明するための補助図である。尚、図15(a)において、線キズはy座標の(y-1)と(y)と(y+1)の3行の中のいずれか2行を想定し、上側線キズと称する場合はy座標の(y-1)と(y)の行に線キズがある場合を示し、下側線キズと称する場合はy座標の(y)と(y+1)の行に線キズがある場合を示すものとする。また、図15(a)において、画素(x,y)を注目画素とした場合、画像構造の方向を判別するために用いる画素は、その3行上の画素(x,y-3)および3行下の画素(x,y+3)を中心画素とする上下左右のG成分の画素を用いる。
例えば図15(b)に示すように、縦方向(CV方向)は上下の画素、横方向(CH方向)は左右の画素、右下斜め方向(CD1方向)は中心画素の右上斜めの2つの画素と左下斜めの2つの画素、右上斜め方向(CD2方向)は中心画素の左上斜めの2つの画素と右下斜めの2つの画素をそれぞれ用いて計算する。尚、計算の方法は、第1の実施形態の図5の場合と同様に、各ペアとなる画素の差分の絶対値を求める。但し、図15(a)の場合は、画素(x,y)の3行上の画素(x,y-3)と、3行下の画素(x,y+3)とがあるので、それぞれの画素について各方向のペアとなる画素の差分の絶対値を求めた後、画素(x,y-3)と画素(x,y+3)の同じ方向の算出値の平均値を算出する。
具体的には、図15(a)において、各構造方向(CV,CH,CD1,CD2)に対して以下のように計算する。
CV=(|G(x,y-3-1)-G(x,y-3+1)|+|G(x,y+3-1)-G(x,y+3+1)|)/2 …(式40)
CH=(|G(x-1,y-3)-G(x+1,y-3)|+|G(x-1,y+3)-G(x+1,y+3)|)/2 …(式41)
CD1=(|G(x,y-3-1)-G(x+1,y-3)|+|G(x,y+3+1)-G(x-1,y+3)|)/2 …(式42)
CD2=(|G(x,y-3-1)-G(x-1,y-3)|+|G(x,y+3+1)-G(x+1,y+3)|)/2 …(式43)
尚、各式において、例えばG(x,y-3-1)などの表記は各画素の画素値を示すものとし、画素の位置(3行上、3行下など)がわかり易いように(y-3-1)などのように表記したが(y-3-1)は(y-4)と同じである。
ここで、第1の実施形態と同様に、各方向の構造方向情報CV,CH,CD1およびCD2の値が小さいほど当該方向の類似性が高い画像構造を有していると判別する。
尚、上記の説明では、G成分の画素(x,y)の場合について説明したが、y座標の(y-1)と(y)と(y+1)の3行の中のいずれかに線キズがある場合に対応し、例えばR成分の画素(x,y-1)や画素(x,y+1)が線キズの時に画像構造の方向を求める場合でも図15(a)のようにして画像構造の方向を判別する。B成分の画素(x-1,y)や画素(x+1,y)の場合も同じである。いずれの場合でも、線キズのある行を避けた位置、且つできるだけ補正対象とする特定画素に近い位置で画像構造を判別することができる。
このようにして、画像構造方向情報算出部303bは、特定画素を中心とする画像構造の方向を精度良く判別することができる。
[特定画素成分生成部305cの構成および処理]
次に特定画素成分生成部305cの構成および処理について説明する。特定画素成分生成部305cは、図14に示したように、G欠陥補正部371と、G補正結果代入部372と、第1色差生成部373と、第2色差生成部374と、色差修正部375と、色差付加部376と、G補間生成部352とで構成される。尚、G補間生成部352は図3のG補間生成部352と同様の処理を行うので重複する説明は省略する。
ここで、第1色差生成部373と第2色差生成部374と色差修正部375と色差付加部376の4つの処理は、最終的に特定画素の第1色成分(R成分またはB成分)を生成する処理である(第1色成分生成部341cに対応)。また、G欠陥補正部371とG補正結果代入部372とG補間生成部352は、第1色成分生成部341cで第1色成分を生成するために色ズレ量を考慮した第2色成分(G成分)を生成する処理と、G欠陥画素自身の第2色成分(G成分)を生成する処理とを行う(第2色成分生成部342bに対応)。
先ず、G欠陥補正部371は、画像構造方向情報算出部303bが判別した構造方向情報および線キズ位置に応じて、欠陥画素(x,y)のG成分の画素値G(x,y)を補間生成する。
具体的には、次のように構造方向情報および線キズ位置を用いて場合分けして処理する。
・構造方向情報CVが最小の場合
図16において、G成分の画素(x,y-2)と画素(x,y+2)とを用いて、G成分の欠陥画素(x,y)の画素値G(x,y)を(式44)のように求める。
G(x,y)=(G(x,y-2)+G(x,y+2))/2 …(式44)
・構造方向情報CD1が最小の場合
((y+1)行が線キズの場合)
図16において、G成分の画素(x-1,y-1)と画素(x+2,y+2)とを用いて、G成分の欠陥画素(x,y)の画素値G(x,y)を(式45)のように求める。
G(x,y)=(2・G(x-1,y-1)+G(x+2,y+2))/3 …(式45)
ここで、G(x-1,y-1)とG(x+2,y+2)とを画素(x,y)との距離に応じて2:1の比率で重み付けすることによって補間精度を高めている。
((y-1)行が線キズの場合)
図16において、G成分の画素(x-2,y-2)と画素(x+1,y+1)とを用いて、G成分の欠陥画素(x,y)の画素値G(x,y)を(式46)のように求める。
G(x,y)=(G(x-2,y-2)+2・G(x+1,y+1))/3 …(式46)
ここで、G(x-2,y-2)とG(x+1,y+1)とを画素(x,y)との距離に応じて1:2の比率で重み付けすることによって補間精度を高めている。
・構造方向情報CD2が最小の場合
((y+1)行が線キズの場合)
図16において、G成分の画素(x+1,y-1)と画素(x-2,y+2)とを用いて、G成分の欠陥画素(x,y)の画素値G(x,y)を(式47)のように求める。
G(x,y)=(2・G(x+1,y-1)+G(x-2,y+2))/3 …(式47)
ここで、G(x+1,y-1)とG(x-2,y+2)とを画素(x,y)との距離に応じて2:1の比率で重み付けすることによって補間精度を高めている。
((y-1)行が線キズの場合)
図16において、G成分の画素(x+2,y-2)と画素(x-1,y+1)とを用いて、G成分の欠陥画素(x,y)の画素値G(x,y)を(式48)のように求める。
G(x,y)=(G(x+2,y-2)+2・G(x-1,y+1))/3 …(式48)
ここで、G(x+2,y-2)とG(x-1,y+1)とを画素(x,y)との距離に応じて1:2の比率で重み付けすることによって補間精度を高めている。
尚、横方向の構造方向情報CHを用いないのは、先に説明したように本実施形態では線キズが横方向のためであるが、縦方向に線キズが有る場合や点キズの場合は、構造方向情報CHが最小の場合についても、G成分の欠陥画素(x,y)の画素値G(x,y)を(式49)のように求める。
G(x,y)=(G(x-2,y)+G(x+2,y))/2 …(式49)
このようにして、G欠陥補正部371は、画像構造方向情報算出部303bが判別した構造方向情報および線キズ位置に応じて、欠陥画素(x,y)のG成分の画素値G(x,y)を補間生成することができる(第2特定画素の補間)。
次に、G補正結果代入部372は、G欠陥補正部371が補間生成した特定画素位置のG成分値を代入し、G成分の画素の線キズを補正する。
一方、第1色差生成部373は、第1の実施形態で説明したG補間生成部352と同様の処理を行う第1G補間生成部381と、第2の実施形態の色差補間部361と同様の処理を行う暫定色差生成部382とで構成され、暫定色差Crz(x,y)を求める。ここで、第1および第2の実施形態で説明した第1参照画素は本実施形態の第5参照画素に、第2参照画素は本実施形態の第6参照画素に、第3参照画素は本実施形態の第7参照画素にそれぞれ対応する。また、本実施形態では、第1および第2の実施形態で説明した第4参照画素は用いず、後に説明するように、新たに第8参照画素と第9参照画素とを定義して用いる。 具体的には、第1色差生成部373は、画像構造方向情報算出部303bが算出した構造方向情報(CV,CD1,CD2)に応じて、暫定色差Crz(x,y)を求める。尚、以下の各式において各R成分の画素に対応するG成分値(G2およびG3)は、第1G補間生成部381が第1の実施形態で説明したG補間生成部352と同様の処理を行って求めるものとする。尚、第1G補間生成部381を第1色差生成部373内に設けずに、第1および第2の実施形態と同様に、図14のG補間生成部352が第1G補間生成部381の処理を兼ねるようにして、G補間生成部352の出力を第1色差生成部373に入力するようにしても構わない。
以下、第1色差生成部373の第1G補間生成部381が生成した各R成分の画素に対応するG成分値(G2およびG3)を用いて暫定色差生成部382が暫定色差Crz(x,y)を求める処理について説明する。
・構造方向情報CVが最小の場合(図13(a)の場合)、特定画素の画素(x,y)の上下に近傍するR成分の画素(x,y-2)と画素(x,y+2)の色差Cr2および色差Cr3をそれぞれ求める。
Cr2=R(x,y-2)−G2 …(式50)
Cr3=R(x,y+2)−G3 …(式51)
・構造方向情報CDlが最小の場合(図13(b)の場合)、色差Cr2および色差Cr3はそれぞれ(式52)および(式53)のように求められる。
Cr2=R(x-2,y-2)−G2 …(式52)
Cr3=R(x+2,y+2)−G3 …(式53)
・構造方向情報CD2が最小の場合(図13(c)の場合)、色差Cr2および色差Cr3はそれぞれ(式54)および(式55)のように求められる。
Cr2=R(x+2,y-2)−G2 …(式54)
Cr3=R(x-2,y+2)−G3 …(式55)
尚、縦方向に線キズが有る場合や点キズの場合は、構造方向情報CHが最小の場合についても、色差Cr2および色差Cr3はそれぞれ(式56)および(式57)を求める。
Cr2=R(x-2,y)−G2 …(式56)
Cr3=R(x+2,y)−G3 …(式57)
このようにして、第1色差生成部373の暫定色差生成部382は、構造方向情報に応じて色差Cr2および色差Cr3を求めた後、さらに特定画素(x,y)における暫定色差Crz(x,y)を次のように求める。
Crz(x,y)=(Cr2+Cr3)/2 …(式58)
次に、第2色差生成部374は、特定画素(x,y)における暫定色差Crz(x,y)の精度を高めるために、特定画素(x,y)周辺に参照画素を設定して、参照色差Crsを生成する。ここで、第2色差生成部374は、参照画素位置設定部391と、データ抽出部392と、第2G補間生成部393と、参照色差生成部394とで構成される。
先ず、参照画素位置設定部391は、線キズ位置および色ズレ量の条件に応じて、補正対象となるR成分の特定画素(x,y)近傍に参照色差Crsを生成すべき参照画素位置(第8参照画素位置に相当)を設定する。例えば、図17において、点線で囲んだ部分のR成分の画素のいずれかが下記の条件に応じて第8参照画素位置として設定される。
ここで、線キズ位置および色ズレ量の条件は、図17に示したように、例えば二連続線キズの上側であるか下側であるかで場合分けし、さらに縦方向(y軸方向)の色ズレ量dyの値に応じて場合分けする。尚、線キズを挟んで上側の第8参照画素位置のy座標を示す(y+dy_ue)と、線キズを挟んで下側の第8参照画素位置のy座標を示す(y+dy_st)として第8参照画素位置を設定する。
[二連続線キズの上側の場合]
図18は、二連続線キズの上側の場合で、且つ色ズレ量dyがdy>0の場合に求めるべき参照色差Crsの位置(第8参照画素位置)を示した図で、線キズを避けるために(dy_ue=-2)、(dy_st=8)とに分けて第8参照画素位置を設定する。具体的には、(dy_ue=-2)の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y-2),画素(x,y-2)および画素(x+2,y-2)の3つの画素となり、(dy_st=4)の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y+4),画素(x-2,y+4)および画素(x-2,y+4)の3つの画素となる。このようにして、二連続線キズの上側で色ズレ量(dy>0)の場合の6つの第8参照画素位置が決まる。
また、二連続線キズの上側で色ズレ量(dy<−1)の場合、線キズを避けるための6つの第8参照画素位置は(dy_ue=-4、dy_st=2)となる。具体的には、dy_ue=-4の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y-4),画素(x,y-4)および画素(x+2,y-4)の3つの画素となり、dy_st=2の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y+2),画素(x-2,y+2)および画素(x-2,y+2)の3つの画素となる。
同様に、二連続線キズの上側で色ズレ量(−1≦dy≦0)の場合、線キズを避けるための6つの第8参照画素位置は(dy_ue=-2、dy_st=2)となる。具体的には、(dy_ue=-2)の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y-2),画素(x,y-2)および画素(x+2,y-2)の3つの画素となり、dy_st=2の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y+2),画素(x-2,y+2)および画素(x-2,y+2)の3つの画素となる。
以上が二連続線キズの上側の場合の第8参照画素位置の設定である。二連続線キズの下側の場合についても同様に次のように第8参照画素位置を設定する。
[二連続線キズの下側の場合]
二連続線キズの下側の場合も図18で説明した二連続線キズ上側の場合と同じように第8参照画素位置を設定する。例えば図19において、二連続線キズの下側でdy<0の場合に線キズを避けるためにはdy_ue=-4、dy_st=2の位置に第8参照画素位置を設定する。具体的には、dy_ue=-4の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y-4),画素(x,y-4)および画素(x+2,y-4)の3つの画素となり、dy_st=2の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y+2),画素(x-2,y+2)および画素(x-2,y+2)の3つの画素となる。
また、二連続線キズの下側で色ズレ量(dy>1)の場合、線キズを避けるための6つの第8参照画素位置は(dy_ue=-2)、(dy_st=4)となる。具体的には、(dy_ue=-2)の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y-2),画素(x,y-2)および画素(x+2,y-2)の3つの画素となり、(dy_st=4)の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y+4),画素(x-2,y+4)および画素(x-2,y+4)の3つの画素となる。
同様に、二連続線キズの下側で色ズレ量(0≦dy≦1)の場合、線キズを避けるための6つの第8参照画素位置は(dy_ue=-2、dy_st=2)となる。具体的には、(dy_ue=-2)の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y-2),画素(x,y-2)および画素(x+2,y-2)の3つの画素となり、dy_st=2の時の第8参照画素位置は画素(x-2,y+2),画素(x-2,y+2)および画素(x-2,y+2)の3つの画素となる。
以上が二連続線キズの下側の場合の第8参照画素位置の設定である。
次に、データ抽出部392は、参照画素位置設定部391が設定した第8参照画素の第1色成分値(R成分値またはB成分値)を抽出する。例えば、図18の第8参照画素(x,y-2)の場合は、画素(x,y-2)のR成分値を抽出する。具体的には、RAWデータのR成分の画素(x,y-2)の画素値を読み出す。同様に、各条件に対応する6つの第8参照画素のR成分値を抽出する。尚、B成分の特定画素の場合は、上記の処理をB成分の画素について行い、各条件に対応する6つの第8参照画素のB成分値を抽出する。
次に、第2G補間生成部393は、第1色成分(R成分またはB成分)の第8参照画素から色ズレ量だけずれた位置(第9参照画素位置)の第2色成分値(G成分値)を補間生成する。この処理は、第1の実施形態で説明したG補間生成部352と同様の処理を用いて、第8参照画素の色ズレ後の画素のG成分値(iG)を求める処理である。例えば、図18の第8参照画素(x,y-2)の色ズレ後の第9参照画素(x+dx,y-2+dy)のG成分値(iG(x+dx,y-2+dy)を第1の実施形態で説明したG補間生成部352と同様の処理で求める。また、図18の第8参照画素(x-2,y-2)の色ズレ後の第9参照画素(x-2+dx,y-2+dy)のG成分値はiG(x-2+dx,y-2+dy)となり、第8参照画素(x,y-2)の色ズレ後の第9参照画素(x+dx,y-2+dy)のG成分値はiG(x+dx,y-2+dy)となり、第8参照画素(x+2,y-2)の色ズレ後の第9参照画素(x+2+dx,y-2+dy)のG成分値はiG(x+2+dx,y-2+dy)となる。同様に、画素(x-2,y+4),画素(x,y+4)および画素(x+2,y+4)の各第8参照画素に対応する色ズレ後の第9参照画素のG成分値は、iG(x-2+dx,y+4+dy),iG(x+dx,y+4+dy)およびiG(x+2+dx,y+4+dy)のようにそれぞれ求められる。
尚、他の条件の場合の第8参照画素やB成分の特定画素の場合の第8参照画素についても同様に色ズレ後の第9参照画素位置に対応するG成分値を求めることができる。
次に、参照色差生成部394は、データ抽出部392が抽出した第8参照画素の第1色成分値(R成分値またはB成分値)と、第2G補間生成部393が生成した第9参照画素の第2色成分値(G成分値)とを用いて6つの参照色差Crs1からCrs6を求める。
例えば図18の第8参照画素(x-2,y-2)の参照色差Crs1は(式59)のように求められる。尚、第8参照画素のR成分値をRsと表記する。
Crs1(x-2,y-2)=Rs(x-2,y-2)-iG(x-2+dx,y-2+dy) …(式59)
また、第8参照画素(x,y-2)の参照色差Crs2は(式60)のように求められる。
Crs2(x,y-2)=Rs(x,y-2)-iG(x+dx,y-2+dy) …(式60)
同様に、第8参照画素(x+2,y-2)の参照色差Crs3、第8参照画素(x-2,y+4)の参照色差Crs4、第8参照画素(x,y+4)の参照色差Crs5、第8参照画素(x+2,y+4)の参照色差Crs6は(式61),(式62),(式63)および(式64)のようにそれぞれ求められる。
Crs3(x+2,y-2)=Rs(x+2,y-2)-iG(x+2+dx,y-2+dy) …(式61)
Crs4(x-2,y+4)=Rs(x-2,y+4)-iG(x-2+dx,y+4+dy) …(式62)
Crs5(x,y+4)=Rs(x,y+4)-iG(x+dx,y+4+dy) …(式63)
Crs6(x+2,y+4)=Rs(x+2,y+4)-iG(x+2+dx,y+4+dy) …(式64)
尚、他の条件の場合の参照色差やB成分の特定画素の場合の参照色差についても同様に求めることができる。
ここで、本実施形態の説明では、線キズが横方向(x軸方向)の場合について説明しているが、線キズが縦方向(y軸方向)である場合は、二連続線キズの右側であるか左側であるかで場合分けし、さらに横方向(x軸方向)の色ズレ量dxの値に応じて場合分けすればよい。
以上が第2色差生成部374を構成する参照画素位置設定部391,データ抽出部392,第2G補間生成部393および参照色差生成部394の各処理である。
次に、色差修正部375の処理について説明する。色差修正部375は、第2色差生成部374が各条件毎に生成した複数の参照色差を利用して、第1色差生成部373が生成した特定画素(x,y)の暫定色差Crzを修正する。先ず、色差修正部375は、第2色差生成部374が生成した複数の参照色差(先の例では各条件毎に生成された6つの参照色差(Crs1からCrs6))の中から最大値の参照色差Crs_maxと、最小値の参照色差Crs_minとを求める。例えば、図18のCrs1からCrs6の6つの参照色差において、画素(x-2,y+4)のCrs4が最大値の場合はCrs_max=Crs4となり、画素(x+2,y-2)のCrs3が最小値の場合はCrs_min=Crs3となる。
さらに、色差修正部375は、第1色差生成部373が生成した暫定色差Crzと、最大参照色差Crs_maxおよび最小参照色差Crs_minとを比較した結果に応じて、以下のように特定画素(x,y)の暫定色差Crzを修正する。ここで、分かり易いように、色差修正部375が処理後の出力を修正色差Crmとする。
(1)暫定色差Crzが最大参照色差Crs_maxより大きい場合(Crz>Crs_max)
色差修正部375は、特定画素(x,y)の暫定色差Crzを修正して最大参照色差Crs_maxを修正色差Crmとして出力する(Crm(x,y)=Crs_max)。
(2)暫定色差Crzが最小参照色差Crs_minより小さい場合(Crz<Crs_min)
色差修正部375は、特定画素(x,y)の暫定色差Crzを修正して最小参照色差Crs_minを修正色差Crmとして出力する(Crm(x,y)=Crs_min)。
(3)暫定色差Crzが最小参照色差Crs_minと最大参照色差Crs_maxの間にある場合(Crs_min≦Crz≦Crs_max)
色差修正部375は、特定画素(x,y)の暫定色差Crzをそのまま修正色差Crmとして出力する(Crm(x,y)=Crz(x,y))。
このようにして、色差修正部375は、第2色差生成部374が各条件毎に生成した複数の参照色差を利用して、第1色差生成部373が生成した特定画素(x,y)の暫定色差Crzを修正して修正色差Crmを出力する。この処理によって、暫定色差Crzが極端に外れた値になることを防止できるので、求められる特定画素(x,y)の色差値の信頼性が向上する。
次に、色差付加部376は、色差修正部375が出力する修正色差Crmと、G補間生成部352が出力する特定画素(x,y)のG成分の補間値G1とを用いて、特定画素(x,y)のR成分を(式65)のようにして求める。尚、G成分の補間値G1は、第1の実施形態のG補間生成部352の処理で説明したように、特定画素(x,y)のR成分に対して色ズレした位置の画素(x+dx,y+dy)のG成分(iG(x+dx,y+dy))である。
R(x,y)=Crm(x,y)+G1
=Crm(x,y)+iG(x+dx,y+dy) …(式65)
尚、上記の説明では、線キズの中のR成分の1つの画素(x,y)の画素値を補間生成する処理について説明したが、他の線キズのあるR成分の画素や線キズのあるB成分の画素についても同様の処理を繰り返すことによって、特定画素の画素値を補間生成することができる。
このようにして、特定画素成分生成部305cは、特定画素(線キズがあるR成分の画素またはB成分の画素)の画素値を補間生成する。
ここで、第3の実施形態の効果について図20を用いて説明する。図20は、本実施形態の効果を説明するための説明図である。図20において、G成分(点線)がR成分(実線)に対してy軸(縦方向)の+方向に2画素ずれていて、y座標が4の位置のR成分の画素と、y座標が4および5の位置のG成分の画素とに線キズがある場合を示している。
従来技術においては、その線キズを補正する場合、先ずy座標が3と6のG成分の画素を用いてG成分の補正値(黒三角印)を生成する。但し、この補正値は実際のG成分の光学像(点線)に比べてなだらかになっている。次に、線キズを挟んだR成分の画素における色差を生成する。この処理では、色差を生成するR成分の画素位置に対して色ズレした2画素+側のG成分の画素を参照するので、例えば図20においてy座標が2のR成分の画素位置の色差を生成する場合、参照するG成分の画素はy座標が4の位置の欠陥補正後のG成分(黒三角印)なので、実際よりもなだらかに変化する値になる。これにより、y座標が2のR成分の画素位置に生成した色差には偽色(同図のy座標2の位置の白矢印)が生じる。さらに、この偽色が生じた色差を用いてy座標が4のR成分の画素位置に暫定色差を生成すると、そこにも偽色が生じてしまう。
これに対して本実施形態では、欠陥G画素位置に生成されたG成分の影響をあまり受けずに色差を生成できる位置に参照色差Crsを生成する。例えば、図20の例では、y座標が0と6の位置に参照色差(上向き白矢印)を生成しており、その参照色差Crsは偽色がなく正しく再現されている。そして、色差修正部375は、参照色差Crsを用いて暫定色差Crzを修正するので、正しい色差を得ることができる。この結果、y座標が4のR成分の特定画素位置の補正結果(黒丸印)は正しく再現される。このように適正に線キズが補間された画像に対して図2の色ズレ補正処理部204が色ズレ補正を行うことにより、線キズ位置と正常位置の両方において、色ズレが適切に補正された画像が得られる。
(第4の実施形態)
次に、特定画素補間処理部203の別の構成および処理について説明する。
図21は、第4の実施形態に係る電子カメラ101の特定画素補間処理部203dの構成および処理の流れを示すブロック図である。尚、図21の特定画素補間処理部203dは、図2の特定画素補間処理部203に対応するブロックである。
特定画素補間処理部203dは、図2のガンマ変換部202から入力する(線キズのある)RAWデータの特定画素の画素値を補間生成し、特定画素の無い(線キズ補正された)RAWデータを出力する。尚、本実施形態は、第3の実施形態で説明した特定画素補間処理部203cの出力を追加補正することにより、特定画素の補間生成値の精度をさらに向上することができる。
図21において、特定画素補間処理部203dは、第3の実施形態の図14で説明した特定画素補間処理部203cと、追加補正判定部401と、追加G補間生成部402と、追加色差生成部403と、追加色差修正部404と、追加補正結果生成部405と、追加画像出力部406とで構成される。尚、以下の説明では、第3の実施形態で説明した特定画素補間処理部203cの説明は省略する。
追加補正判定部401は、第3の実施形態で説明した特定画素補間処理部203cの第2色差生成部374で使用した参照色差位置(dy_ueおよびdy_st)に応じて追加補正処理を実施するか否かを判定する。そして、追加補正しない場合は特定画素補間処理部203cの処理結果をそのまま特定画素補間処理部203dの処理結果として出力し、追加補正する場合は特定画素補間処理部203cが出力する参照色差位置(dy_ueおよびdy_st)から追加補正位置を決定し、追加補正処理を行う。
(追加補正実施の判定方法)追加補正処理を実施するか否かは以下のようにして判定する。
・参照色差位置がdy_ue=-4の場合:追加補正を行う。そして、この場合の追加補正位置(dy_tk)は−2とする(dy_tk=-2)。
・参照色差位置がdy_st=4の場合:追加補正を行う。そして、この場合の追加補正位置(dy_tk)は2とする(dy_tk=2)。
・参照色差位置がdy_ue≠-4かつdy_st≠4の場合:追加補正を行わない。つまり、この場合の追加補正位置(dy_tk)は0となる(dy_tk=0)。
次に、追加G補間生成部402は、第1の実施形態のG補間生成部352と同様の処理を行って、追加補正位置(dy_tk)から色ズレ量(dx,dy)だけズレた位置にある画素(x+dx,y+dy_tk+dy)のG成分値G_tkを生成する(G_tk=iG(x+dx,y+dy_tk+dy))。ここで、追加補正位置(dy_tk)から色ズレ量(dx,dy)だけズレた位置にある画素(x+dx,y+dy_tk+dy)は第10参照画素に相当する。
次に、追加色差生成部403は、追加補正位置(dy_tk)の画素(x+dx,y+dy_tk+dy)の追加色差Cr_tkを次の式で生成する。
Cr_tk(x,y+dy_tk)=R(x,y+dy_tk)-G_tk
Cr_tk(x,y+dy_tk)=R(x,y+dy_tk)-iG(x+dx,y+dy_tk+dy) …(式66)
次に、追加色差修正部404は、第3の実施形態の特定画素補間処理部203cの第2色差生成部374が各条件毎に生成した複数の参照色差を利用して、追加色差生成部403が生成した追加色差Cr_tkを修正する。この処理は、第3の実施形態の色差修正部375の処理と同様の処理で、暫定色差Crzの代わりに追加色差Cr_tkを修正の対象とする部分だけが異なる。
先ず、追加色差修正部404は、第2色差生成部374が生成した複数の参照色差(先の例では各条件毎に生成された6つの参照色差(Crs1からCrs6))の中から最大値の参照色差Crs_maxと、最小値の参照色差Crs_minとを求める。
さらに、追加色差修正部404は、追加色差生成部403が生成した追加色差Cr_tkと、最大参照色差Crs_maxおよび最小参照色差Crs_minとを比較した結果に応じて、以下のように追加補正位置の画素(x,y+dy_tk)の追加色差Cr_tkを修正する。ここで、分かり易いように、追加色差修正部404が処理後の出力を修正追加色差Crm_tkとする。
(1)追加色差Cr_tkが最大参照色差Crs_maxより大きい場合(Cr_tk>Crs_max)
追加色差修正部404は、追加補正位置の画素(x,y+dy_tk)の追加色差Cr_tkを修正して最大参照色差Crs_maxを修正追加色差Crm_tkとして出力する(Crm_tk(x,y+dy_tk)=Crs_max)。
(2)追加色差Cr_tkが最小参照色差Crs_minより小さい場合(Cr_tk<Crs_min)
追加色差修正部404は、追加補正位置の画素(x,y+dy_tk)の追加色差Cr_tkを修正して最小参照色差Crs_minを修正追加色差Crm_tkとして出力する(Crm_tk(x,y+dy_tk)=Crs_min)。
(3)追加色差Cr_tkが最小参照色差Crs_minと最大参照色差Crs_maxの間にある場合(Crs_min≦Cr_tk≦Crs_max)
追加色差修正部404は、追加補正位置の画素(x,y+dy_tk)の追加色差Cr_tkをそのまま修正追加色差Crm_tkとして出力する(Crm_tk(x,y+dy_tk)=Cr_tk(x,y+dy_tk))。
このようにして、追加色差修正部404は、第3の実施形態の特定画素補間処理部203cの第2色差生成部374が各条件毎に生成した複数の参照色差を利用して、追加色差生成部403が生成した追加色差Cr_tkを修正する。この処理によって、追加色差Cr_tkが極端に外れた値になることを防止できるので、求められる追加補正位置の画素(x,y+dy_tk)の色差値の信頼性が向上する。
次に、追加補正結果生成部405は、追加色差修正部404で修正された修正追加色差Crm_tkに追加G補間生成部402が生成したG_tkを加算することにより、最終的な追加補正位置の画素(x,y+dy_tk)のR成分(R(x,y+dy_tk))を(式67)により求める。
R(x,y+dy_tk)=Crm_tk(x,y+dy_tk)+G_tk(x+dx,y+dy_tk+dy) …(式67)
追加画像出力部406は、追加補正結果生成部405が生成したR成分(x,y+dy_tk)を追加補正判定部401が決定した追加補正位置の画素(x,y+dy_tk)の画素値に代入する。
このようにして、特定画素成分生成部305dは、第3の実施形態で説明した特定画素補間処理部203cの出力を追加補正することにより、偽色を防止することができる。
ここで、第4の実施形態の効果について図22を用いて説明する。図22は、本実施形態の効果を説明するための説明図である。図22において、G成分(点線)がR成分(実線)に対してy軸(縦方向)の+方向に2画素ずれていて、y座標が4の位置のR成分の画素と、y座標が4および5の位置のG成分の画素とに線キズがある場合を示している。図22において、y座標が2のR成分の画素は本来の画像の構造を再現している(つまり実線上にある)が、そのR成分の画素に対応する色ズレ後のG成分の画素はy座標4の位置の画素となる。このG成分の画素は欠陥補正された画素値(黒三角印)であるために、y座標が2の画素のR成分の色差を求めた場合、図22のy座標が2の位置に示した下向き白矢印に相当する偽色が生じてしまう。つまり、特定画素の補間生成処理後のRAWデータに対して、図2の色ズレ補正処理部204が色ズレ補正を行った場合に偽色が生じることを意味する。
そこで、第4の実施形態ではこの間題を回避するために、色ズレ位置にあるG成分の画素が欠陥画素である場合に、対応するR成分の画素の色差(y座標が2の位置の下向き白矢印)を算出して、これを参照色差の範囲に応じて修正することによって、補間生成された欠陥画素位置のG成分(図22のy座標が4の位置の黒三角印)に対応する色ズレ位置の画素のR成分(図22のy座標が2の位置の二重白丸印)を求めることができるので、図22のy座標が2の位置に示した下向き白矢印に相当する偽色は生じなくなる。これにより、本実施形態で説明した特定画素補間処理部203dの処理後のRAWデータに対して図2の色ズレ補正処理部204が色ズレ補正を行っても偽色が生じることがない。
以上、各実施形態で説明してきたように、本発明に係る画像処理装置は各実施形態における特定画素補間処理部203に対応し、本発明に係る電子カメラは各実施形態における特定画素補間処理部203を有する電子カメラ101に対応する。
尚、各実施形態における画像処理部107の処理を実行する専用の画像処理装置としても構わず、この場合は特定画素を有するRAWデータを入力して特定画素の各色成分を補間生成したRAWデータを出力する。尚、この場合の画像処理装置は、図2の画像処理部107の各処理を実行する画像処理装置であっても構わないし、特定画素補間処理部203と色ズレ補正処理部204の処理のみを実行する画像処理装置であっても構わない。但し、いずれの構成の画像処理装置であっても各実施形態で説明した特定画素補間処理部203の処理を実行する画像処理装置であれば、各実施形態と同じ効果が得られる。
また、図3,図12,図14および図21に示した特定画素補間処理部203a,特定画素補間処理部203b,特定画素補間処理部203cおよび特定画素補間処理部203dの各処理をソフトウェアで実行する画像処理プログラムであっても構わない。この場合は、例えば当該画像処理プログラムをメモリカードインターフェース付きのパソコン上で実行し、メモリカードインターフェースに装着されたメモリカードから特定画素を有するRAWデータを読み出して特定画素の各色成分値を補間生成する処理を実行し、処理後の画像をパソコンのモニタに表示したり、再びメモリカードに記憶する。尚、特定画素補間処理部203の処理をコンピュータなどで実行する画像処理プログラムの場合は、図3,図12,図14および図21の各処理ブロックをソフトウェアフローチャートの処理ステップに読み替えればよい。
以上、本発明に係る画像処理装置および電子カメラについて、各実施形態で例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
101・・・電子カメラ;102・・・光学系;103・・・メカニカルシャッタ;104・・・撮像素子;105・・・A/D変換部;106・・・画像バッファ;107・・・画像処理部;108・・・カメラ制御部;109・・・メモリ;110・・・表示部;111・・・操作部材;112・・・メモリカードIF(インターフェース);112a・・・メモリカード;201・・・ホワイトバランス処理部(WB処理部);202・・・ガンマ変換部;203・・・特定画素補間処理部;204・・・色ズレ補正処理部;205・・・色補間処理部;206・・・ガンマ補正処理部;207・・・彩度強調処理部;208・・・輪郭強調処理部;209・・・圧縮処理部;203a,203b,203c,203d・・・特定画素補間処理部;301・・・画像入力部;302・・・画素値抽出部;303a・・・画像構造方向情報算出部;304・・・色ズレ量取得部;305a,305b,305c・・・特定画素成分生成部;306・・・画像出力部;351・・・暫定RB生成部;352・・・G補間生成部;353・・・G高周波成分生成部;354・・・高周波成分付加部;341a・・・第1色成分生成部;342a・・・第2色成分生成部;361・・・色差補間部;362・・・色差付加部;371・・・G欠陥補正部;372・・・G補正結果代入部;373・・・第1色差生成部;374・・・第2色差生成部;375・・・色差修正部;376・・・色差付加部;381・・・第1G補間生成部;382・・・暫定色差生成部;391・・・参照画素位置設定部;392・・・データ抽出部;393・・・第2G補間生成部;394・・・参照色差生成部;401・・・追加補正判定部;402・・・追加G補間生成部;403・・・追加色差生成部;404・・・追加色差修正部;405・・・追加補正結果生成部;406・・・追加画像出力部

Claims (10)

  1. 少なくとも第1色成分と第2色成分を含む複数種類の色成分のいずれか1つの色成分値を有する複数画素で構成され、且つ前記第1色成分を有するべき複数画素のうち前記第1色成分の情報を利用できない特定画素が存在する撮像素子によって撮像された画像データを入力する画像入力部と、
    前記特定画素を含む近傍領域における前記第1色成分と前記第2色成分との色ズレ量を取得する色ズレ量取得部と、
    前記特定画素の第1色成分値を生成する特定画素成分生成部と
    を備え、
    前記特定画素成分生成部は、
    前記特定画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第2参照画素の第2色成分値を生成する第2色成分生成部と、
    前記特定画素に近接する第1参照画素の第1色成分値と、前記第2参照画素の第2色成分値とから前記特定画素の第1色成分値を生成する第1色成分生成部と
    で構成され
    前記特定画素成分生成部の前記第2色成分生成部は、
    前記第1参照画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第3参照画素の第2色成分値を前記第2参照画素の第2色成分値を用いて補間生成し、且つ前記特定画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第4参照画素の第2色成分値を前記第2参照画素の第2色成分値を用いて補間生成し、
    前記特定画素成分生成部の前記第1色成分生成部は、
    前記第1参照画素の第1色成分値と、前記第3参照画素の第2色成分値と、前記第4参照画素の第2色成分値とを用いて、前記特定画素の第1色成分値を生成す
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記特定画素成分生成部の前記第2色成分生成部に、前記第3参照画素の第2色成分値と、前記第4参照画素の第2色成分値とを用いて第2色成分の高周波成分値を生成する高周波成分生成部を更に設け、
    前記特定画素成分生成部の前記第1色成分生成部は、
    前記第1参照画素の第1色成分値を用いて前記特定画素に第1色成分暫定値を生成する暫定値生成部と、
    前記第1色成分暫定値に前記第2色成分の高周波成分値を付加して、前記特定画素の第1色成分値を生成する高周波成分付加部と
    で構成されることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記特定画素成分生成部の前記第1色成分生成部は、
    前記第1参照画素の第1色成分値と前記第3参照画素の第2色成分値とを用いて、前記第1参照画素の色差成分値を生成する色差生成部と、
    前記色差成分値を用いて前記特定画素の色差成分値を補間生成する色差補間部と、
    前記第4参照画素の第2色成分値と前記特定画素の色差成分値とを用いて前記特定画素の第1色成分値を生成する色差付加部と
    で構成されることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の画像処理装置において、
    前記画像データの画像構造の方向情報を算出する画像構造方向情報算出部を更に設け、
    前記特定画素成分生成部は、前記画像構造の方向情報に応じて、前記特定画素の第1色成分値を生成し、
    前記第1色成分生成部は、前記画像構造の方向情報に応じて、前記特定画素に類似する方向に近接する第1参照画素の第1色成分値と、前記第2参照画素の第2色成分値とから前記特定画素の第1色成分値を生成する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  5. 少なくとも第1色成分と第2色成分を含む複数種類の色成分のいずれか1つの色成分値を有する複数画素で構成され、且つ前記複数画素のうち前記第1色成分の情報を利用できない第1特定画素および前記第2色成分の情報を利用できない第2特定画素が存在する撮像素子によって撮像された画像データを入力する画像入力部と、
    前記第1特定画素および前記第2特定画素を含む近傍領域における前記第1色成分と前記第2色成分との色ズレ量を取得する色ズレ量取得部と、
    前記画像データの画像構造の方向情報を算出する画像構造方向情報算出部と、
    前記画像構造の方向情報に応じて、前記第2特定画素の第2色成分値を生成するG欠陥補正部と、
    前記画像構造の方向情報に応じて、前記第1特定画素に近接する第5参照画素の第1色成分値と、前記第1特定画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接し且つ前記第2特定画素の第2色成分値を含む第6参照画素の第2色成分値とを用いて、前記第1特定画素の第1色成分値を生成する特定画素成分生成部と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記特定画素成分生成部は、
    前記第6参照画素の第2色成分値を用いて、前記第5参照画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第7参照画素の第2色成分値を補間生成する第1のG補間生
    成部と、
    前記第5参照画素の第1色成分値と前記第7参照画素の第2色成分値とを用いて暫定色差値を生成する暫定色差生成部と、
    前記第2特定画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第1色成分の画素を第8参照画素として設定する参照画素位置設定部と、
    前記第8参照画素の第1色成分値を抽出するデータ抽出部と、
    前記第8参照画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第9参照画素の第2色成分値を補間生成する第2のG補間生成部と、
    前記第8参照画素の第1色成分値と前記第9参照画素の第2色成分値とを用いて参照色差値を生成する参照色差生成部と、
    前記暫定色差値を前記参照色差値に近づけるように前記暫定色差値を修正して修正色差を生成する色差修正部と、
    前記修正色差と前記第7参照画素の第2色成分値とを用いて前記第1特定画素の第1色成分値を生成する色差付加部と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記参照画素位置設定部は、設定すべき前記第8参照画素に対して前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第9参照画素が前記第2特定画素と重複しないように前記第8参照画素を設定する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  8. 請求項に記載の画像処理装置において、
    前記第1特定画素近傍の第1色成分の画素を追加補正画素とし、前記追加補正画素から前記色ズレ量だけずれた位置に近接する第10参照画素が前記第2特定画素である場合に追加補正の実行を決定する追加補正判定部と、
    前記第10参照画素の第2色成分値を補間生成する追加G補間生成部と、
    前記追加補正画素の第1色成分値と前記第10参照画素の第2色成分値とを用いて追加色差値を生成する追加色差生成部と、
    前記追加色差値を前記参照色差生成部が生成した前記参照色差値に近づけるように前記追加色差値を修正して修正追加色差値を生成する追加色差修正部と、
    前記修正追加色差値と前記第2特定画素の第2色成分値とを用いて、前記追加補正画素の第1色成分値を生成する追加画像出力部と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の画像処理装置が出力する画像データの色ズレ補正処理を行う色ズレ補正部を更に設けた
    ことを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項に記載の画像処理装置を搭載する電子カメラであって、
    光学系を介して入射する被写体光を各画素毎に複数種類の色成分のいずれか1つの色成分を有する複数画素で構成される画像データに変換して前記画像処理装置に出力する撮像部と、
    前記撮像部に撮像タイミングを与える操作部材と、
    前記画像処理装置が出力する画像データを所定のフォーマットで記憶媒体に記録する記録部と
    を設けたことを特徴とする電子カメラ。
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