JP5463844B2 - 潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置に関し、さらに詳しくは、潜像担持体に塗布される潤滑剤の均し機構に関する。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置において、潜像担持体として用いられる感光体に対して帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程を施すことにより画像形成が行われる。
感光体には、帯電工程において生じる放電生成物や転写されなかった未転写トナーが存在することがある。このため、感光体は転写工程後、クリーニング工程を実行され、放電生成物や残留トナーを除去されるようになっている。
クリーニング工程に用いられるクリーニング方式としては、安価で機構が簡単でクリーニング性に優れたゴムブレードを用いる方式が一般によく知られている。
しかし、ゴムブレードは感光体に押し当てて感光体表面の残留物を除去するため感光体表面とクリーニングブレード間の摩擦によるストレスが大きく、ゴムブレードの磨耗や特に有機感光体においては感光体表面層の磨耗が生じ、ゴムブレードおよび有機感光体の寿命を短くする。
また、近年、高画質化の要求に対して画像形成に用いられるトナーは小粒径のものが多くなってきている。
小粒径のトナーを用いた画像形成装置では、未転写による残トナーがクリーニングブレードをすり抜けていく割合が多くなり、特に、クリーニングブレードの寸法精度、組み付け精度が十分でなかったり、クリーニングブレードが部分的に震動した場合にトナーのすり抜けは激しくなってしまい高画質の画像形成を妨げていた。
このため、有機感光体の寿命を延ばし長期に渡って高画質を保持するには、摩擦による部材の劣化を低減し、クリーニング性を向上させる必要がある。
摩擦を低減する方法で一般的なものとしては、感光体表面に潤滑剤と供給し、クリーニングブレードによって供給された潤滑剤を均一に均して潤滑剤の皮膜を形成する方法がある。
潤滑剤を用いる場合には、潤滑剤の塗布量が少なすぎると、像担持体の磨耗、傷、ブレード劣化に対して充分な効果を発揮できず、過剰に塗布すると像担持体に余剰な潤滑剤が感光体上に蓄積され、像流れが生じたり、余剰な潤滑剤が現像剤に混入してしまって現像剤の性能が低下してしまうなどの問題が起こるため、潤滑剤の塗布量を規定しておく必要があった。
潤滑剤の塗布量を規定する構成として、前述したように、クリーニング後の像担持体に塗布された潤滑剤を均すための均しブレードを設けた構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、クリーニング後の像担持体に対してトレーリング方向に先端を接触させるブレードを設け、潤滑剤塗布手段により塗布された潤滑剤を均すことにより層厚を均等化するようになっている。
ところで、上述したクリーニング装置や潤滑剤塗布機構に用いられるブレードは、像担持体に対する接触方式として像担持体の移動方向に沿って先端がなびく状態となるトレーリング方式と像担持体の移動方向に逆らう向きに先端が接触する状態となるリーディング(カウンタ)方式がある。
潤滑剤均しブレードにおいては、潤滑剤の層厚を一様化できる当接角度を設定されてブレード先端が像担持体に対向しているが、潤滑剤の塗布条件、つまり、像担持体表面に均一に延ばして塗布するということを目的として当接角度が予め規定されている。
このため、当接角度により均しブレードを設置した場合には、その設置スペースも限定されることになる。従って、近年、要望が高い装置の小型化を達成することが困難となる虞がある。つまり、当接角度は、像担持体中心からこの担持体に対向している均しブレード先端を通る延長線を基準とした時計方向あるいは反時計方向でのブレードの占有スペースが限定されてしまい、このスペースを小さくすることができないのが現状である。
このようなブレードの設置スペースは、像担持体において潤滑剤塗布後に実行される帯電工程や書き込み工程さらには現像工程に用いられる装置の設置スペースに影響し、設置スペースが確保できなくなる虞がある。このように均しブレードの設置スペースによって他の装置の設置スペースが確保できない場合には、装置の大型化により対処することとなり、所期の目的である装置の小型化が図れないという問題が依然として残されたままとなる。
本発明の目的は、上記従来の均しブレードを備えた潤滑剤供給装置およびこれを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置における問題に鑑み、潤滑剤供給機構の設置スペースを小型化することにより装置の小型化および省スペース化が得られる構成を備えた潤滑剤供給装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明は次の構成よりなる。
(1)潜像担持体表面に潤滑剤を供給する装置であって、
前記潜像担持体のクリーニング後に該潜像体表面に塗布された潤滑剤を均して一様な層厚を設定する均しブレードを備え、
該均しブレードは、前記潜像担持体表面に対向する面と該潜像担持体の移動方向上流側に向いた面との間に、該潜像担持体の移動方向上流側に向いた面(B)となす角度を鈍角とされた面(A)が設けられ、前記潜像担持体に対向する位置での該潜像担持体の接線と前記潜像担持体の移動方向上流側を向いた面(B)に対して鈍角をなす面(A)との間で規定される当接角度が10°以上90°未満に設定され、前記潜像担持体の移動方向に対してトレーリング方向に配置された状態で均しブレード支持部により片持ち梁状に支持され、
前記均しブレード支持部は、前記均しブレードの支持面から前記潜像担持体の帯電に用いられる帯電部材に向けて折り曲げられた部分を有し、
該折り曲げられた部分の端部と、前記潜像担持体の回転中心とを結ぶ仮想線分上に前記帯電部材の一部が重なる状態で配置されていることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
(2)前記潜像担持体表面に供給される潤滑剤は、少なくとも脂肪酸金属塩(A)を含有することを特徴とする(1)記載の潤滑剤供給装置。
(3)前記潜像担持体に供給される潤滑剤は、少なくとも無機潤滑剤(B)を含有することを特徴とする(1)または(2)記載の潤滑剤供給装置。
(4)前記潤滑剤に含有される脂肪酸金属塩(A)としてステアリン酸亜鉛が用いられることを特徴とする(2)記載の潤滑剤供給装置。
(5)前記潤滑剤に含有される無機潤滑剤(B)として、窒化ホウ素が用いられることを特徴とする(3)記載の潤滑剤供給装置。
(6)(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の潤滑剤供給装置を備え、前記潜像担持体およびこれに対する画像形成処理を行う帯電装置、現像装置およびクリーニング装置が纏めて収容されて構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(7)前記潤滑剤供給装置は、前記潜像担持体の移動方向における前記クリーニング装置の下流側に配置されていることを特徴とする(6)記載のプロセスカートリッジ。
(8)前記潜像担持体は、直径が35mm以下であることを特徴とする(6)または(7)に記載のプロセスカートリッジ。
(9)(6)乃至(8)のいずれか一つに記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、潤滑剤供給装置に用いられる均しブレードの構成として、潜像担持体表面に対向する面と該潜像担持体の移動方向上流側に向いた面との間に、該潜像担持体の移動方向上流側に向いた面(B)となす角度を鈍角とされた面(A)を設けることにより、潜像担持体に対向する位置での該潜像担持体の接線と前記潜像担持体の移動方向上流側を向いた面(B)に対して鈍角をなす面(A)との間で規定される当接角度が10°以上90°未満に設定される。これにより、均しブレードが対向する潜像担持体の位置において潜像担持体の中心から延長された線を基準として、潜像担持体の移動方向上流側に向けて均しブレードを傾けて配置することができる。
この結果、潜像担持体の移動方向上流側に傾けられた均しブレードの近傍、具体的には、潜像担持体の移動方向下流側に位置する設置スペースも同様に潜像担持体の移動方向上流側に偏らせることができるので、均しブレードに隣接して帯電装置を配置した場合には帯電装置を均しブレード側に近づけることができ、潜像担持体の移動方向に沿った、クリーニング装置および潤滑剤供給装置そして帯電装置を含む設置スペースを少なくすることができる。
特に、均しブレードを潜像担持体に対してトレーリング方式の接触を行わせることにより、均しブレードの傾けた場合の設置スペースの低減がより顕著となる。
本発明による潤滑剤供給装置を備えたプロセスカートリッジが組み込まれている画像形成装置の全体構成を説明するための模式図である。 図1に示した画像形成装置の側板を開放した状態を示す斜視図である。 本発明による潤滑剤供給装置を備えたクリーニング装置の構成を示す模式図である。 図3に示した潤滑剤供給装置に用いられる均しブレードの構成を説明するための図である。 図4に示した均しブレードの当接角度を示す図である。 図4に示した構成の均しブレードによる作用を説明するための図である。 図6に示した均しブレードと異なる構成の均しブレードを用いた場合の作用との違いを説明するための図である。 図4に示した構成の均しブレードを用いた潤滑剤供給装置による作用を説明するための図である。
以下、図面により本発明を実施するための形態について説明する。
図1に示されている画像形成装置は、複数色の画像形成が可能なカラープリンタを示している。なお、本発明は、画像形成装置としてプリンタに限らず、複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機さらにはこれら各機能を複合させた装置を含むものである。
図1において、画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKを並設したタンデム構造が採用されている。 図1に示す構成の画像形成装置100は、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKに形成された可視像が、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能な無端ベルトが用いられる中間転写体(以下、転写ベルトという)11に対して1次転写工程を実行してそれぞれの画像が重畳転写され、その後、記録シートなどが用いられる記録紙Sに対して2次転写工程を実行することで一括転写されるようになっている。本実施例における転写ベルトは、樹脂フィルムまたはゴムを基体としてループ状に形成された無端ベルトが用いられている。なお、転写ベルト11は、展張面の一部にテンションローラ74が設けられて弛みを防止されている。
各感光体ドラムの周囲には、感光体ドラムの回転に従い画像形成処理するための装置が配置されており、いま、ブラック画像形成を行う感光体ドラム20BKを対象として説明すると、感光体ドラム20BKの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30BK,現像装置40BK、1次転写ローラ12BKおよびクリーニング装置50BKが配置されている。帯電後に行われる書き込みは、後述するように、光走査装置8が用いられる。本実施例においては、感光体ドラムおよびこれに対する画像形成処理を行う装置のうちで、光書き込みを行う光走査装置8以外の装置に相当する帯電装置30,現像装置40,クリーニング装置50が纏めて一つのケース内に収容されることによりプロセスカートリッジを構成している。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKに形成された可視像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKに対向して配設された1次転写ローラ12Y、12C、12M、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並んでいる。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
画像形成装置100は、各色毎の画像形成処理を行う4つの画像ステーションと、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11及び1次転写ローラ12Y、12C、12M、12BKを備えた転写ベルトユニット10と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11に従動し、連れ回りする転写部材としての転写ローラである2次転写ローラ5と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置13と、これら4つの画像ステーションの下方に対向して配設された光書き込み装置としての光走査装置8とを有している。
本実施例における光走査装置8は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、ミラーおよび回転多面鏡などを装備しており、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BKに対して色毎に対応した書き込み光Lb(図1では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として符号が付けてあるが、その他の画像ステーションも同様である)を出射して感光体ドラム20Y,20C,20M,20BKに静電潜像を形成する構成とされている。
画像形成装置100には、感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKと転写ベルト11との間に向けて搬送される記録紙Sを積載した給紙カセット61Aを装備した給送装置61と、給紙装置61から搬送されてきた記録紙Sを、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20BKと転写ベルト11との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対4と、記録紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとが設けられている。
画像形成装置100には、トナー像が転写された記録紙Sにトナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、定着済みの記録紙Sを画像形成装置100の本体外部に排出する排紙ローラ7と、画像形成装置100の本体上部に配設され排出ローラ7により画像形成装置100の本体外部に排出された記録紙Sを積載する排紙トレイ17と、排紙トレイ17の下側に位置し、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9C、9M、9BKとが備えられている。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12BKの他に、転写ベルト11が掛け回されている駆動ローラ72及び従動ローラ73,テンションローラ74を有しており、各プロセスカートリッジの感光体ドラムと対峙しながら移動することで順次、複数の色画像が重畳転写される。
従動ローラ73は、転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、このため、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。このような転写ベルトユニット10と、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12BKと、2次転写ローラ5と、クリーニング装置13とで転写装置71が構成されている。
給紙装置61は、画像形成装置100の本体下部に有する空間部において着脱可能に配設されている給紙カセット61Aを備えており、最上位の記録紙Sの上面に当接する繰り出し手段としての給送ローラ3が配置されている。
給送ローラ3は、反時計回り方向に回転駆動されることにより、これと対峙する摩擦分離機と協働して最上位の記録紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
定着装置6は、熱源を内部に有する定着ローラ62と、定着ローラ62に圧接された加圧ローラ63とを有しており、トナー像を担持した記録紙Sを定着ローラ62と加圧ローラ63との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を記録紙Sの表面に定着するようになっている。
転写装置71に装備されているクリーニング装置13は、詳細な図示を省略するが、転写ベルト11に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有しており、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。クリーニング装置13はまた転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための図示しない排出手段を有している。なお、図1に示す構成の画像形成装置100では、転写ベルト11に対して各感光体ドラムで形成された画像を順次転写することで色画像が重畳されたものを2次転写ローラ5により記録紙Sに一括転写する方式であるが、これに代えて、転写ベルト11に記録紙Sを担持し、この記録紙Sを各感光体ドラムに対峙させて各色の画像を直接記録紙S上で重畳する方式とすることも可能である。
図2は、画像形成装置100の側壁の一部をなすカバー100Aを開放した状態を示す図であり、同図において、カバー100Aを開放すると、内装されている転写ベルトユニット10および各プロセスカートリッジでの排出パイプ(便宜上、符号P1で示す)および廃トナータンク200が外部に露呈し、これらユニットやプロセスカートリッジおよび廃トナータンク200を交換やメンテナンスを行うことができる。図1に示した転写ベルトユニット10には、その側部を覆うカバーが設けられており、内部に各ローラおよびベルトを対象としたクリーニング装置13が格納されている。
図3は、本発明による潤滑剤供給装置を含むクリーニング装置の構成を示す図であり、同図においてクリーニング装置(便宜上、図1においてブラック画像を対象とした符号50BKを用いる)は、感光体ドラム20BKの回転方向上流側に位置して感光体ドラム20BKの表面に当接するクリーニングブレード51BKと搬送コイル52BKとを備えている。
クリーニングブレード51BKは、感光体ドラム20BKに残留する未転写トナーを掻き取ることにより回収し、搬送コイル2BKは、クリーニングブレード51BKにより感光体ドラム20kから掻き取られて回収されたトナーを現像装置(図1において符号40BKで示す装置)あるいは廃トナータンク200Aに向け搬送するスクリューオーガなどで構成されている。
一方、感光体ドラム20BKの回転方向において、クリーニング装置50BKの下流側には潤滑剤供給装置300が設けられている。
潤滑剤供給装置300は、固形潤滑剤301と感光体ドラム20BKとに接触しながら回転可能なブラシローラで構成された潤滑剤塗布部材302と、均しブレード303とを備えている。なお、符号306は、トナー飛散防止シールを示し、符号31BKは、帯電装置として用いられる帯電ローラ30BKを感光体ドラム20BKに向け押圧するための弾性体を示し、符号32BKは、帯電クリーナーローラを示し、そして符号33BKは、帯電ローラ30BKに向け付勢する弾性体をそれぞれ示している。
潤滑剤塗布部材302は、バネ304により感光体ドラム20BKに向け押圧付勢されている摺動支持体305に搭載されている固形潤滑剤301に接触しながら回転することにより固形潤滑剤を削り取ることができ、ブラシに付着して固形潤滑剤を感光体ドラム20BKの表面に塗布する。なお、図中、符号307は、摺動支持体305が摺動可能に装填されている枠体を示している。
均しブレード303は、均しブレード支持ブレード310に支持された片持ち梁状のブレードであり、潤滑剤塗布部材302により塗布された潤滑剤を均すことにより感光体ドラム20BKの表面に一様な層厚に擦りつけるための部材である。
均しブレード303は、本発明の特徴部をなす部材であり、以下にその特徴について説明する。
図4は、感光体ドラム20BKに当接している均しブレード303を示す図であり、同図において均しブレード303は、感光体ドラム20BKの回転に対してトレーリング方式、つまり、感光体ドラム20BKの回転方向に沿って先端がなびくことができる状態に接触している。
本実施例に用いられる均しブレード303は、側面視、つまり、感光体ドラム20BKの軸方向端面側から見た状態での形状が多角形の一つである5角形とされている。
均しブレード303は、その側面視形状において、感光体ドラム20BKの表面に対向する面(303C)と感光体ドラム20BKの移動方向、つまり回転方向上流側に向いた面(303B)との間に、その回転方向上流側に向いた面(303B)となす角度が鈍角(θ)とされた面(303A)が設けられて5角形状とされれている。
このような面303Aを備えることにより、均しブレード303は、感光体ドラム20BKと対向する面303Cと上述した鈍角を持つ面3030Aとの境界点を基準として、反時計方向に揺動変位させて感光体ドラム20BKと当接させることができ、揺動変位による感光体ドラム20BKとの当接角度(図5において符号αで示す角度)が10度以上90度未満に設定することができるようになっている。
このような当接角度の設定は、感光体ドラム20BKに対して均しブレード303の当接した際の占有スペースが、図6に示すように、均しブレード303の当接位置に向けて感光体ドラム20BKの中心から延長した線(半径の延長線)Lに対して反時計方向にずれた状態となる。これにより、上述した半径の延長線を挟んで対向する時計方向でのスペースに余裕ができることになる。つまり、図5に示した均しブレード303の当接状態から、図6に示す当接状態、つまり反時計方向に揺動させて配置した場合には、図6中、符号L0で示す領域に対して揺動した領域L1がスペースの拡大分として得られる。これにより、均しブレード303に隣接する帯電ローラ30BKの一部に対し、図3に示されているように、均しブレード303を支持している支持ブレード310の折り曲げ端部が水平方向で重なる状態に近寄ることになる。
図7は、本実施例における均しブレード303の接触方式と異なるリーディング(カウンタ)方式の場合が示されている。この方式の場合(便宜上、図7において均しブレードは符号303’で示す)、図から明らかなように、鈍角を持たせることができる面を備えていないので、図6において符号Lで示した半径の延長線を基準とした感光体ドラム20BKの回転方向下流側でのスペースに比べると、本実施例におけるスペースの拡大がよく判る。
本実施例における均しブレード303は、上述したように、半径の延長線Lを基準として計方向に揺動した位置に位置決めし、当接角度が上述した各範囲となるように設置することになるが、この場合の感光体ドラム20BKの表面に対する面303Aの対向状態は、面303Cが対向していた場合と同様な条件、つまり、平坦面が感光体ドラム20BKの表面に対向する状態となるので、塗布された潤滑剤の均し作業が変化することはない。
なお、面303Aの形態としては、上述したように、面303Bとの間で鈍角をなす角度が設定された平坦な面とすることに限らず、均し作業に影響しなければ円弧面とすることも可能である。このような形態とすることにより、揺動変位させる際に揺動基点となる感光体ドラム20BKとの接触位置での対向間隔を一定化することができる。
本実施例は以上のような構成であるから、潤滑剤供給装置300に装備されている均しブレード303、感光体ドラム20BKの回転方向流側に向け寄せることができる。これによりクリーニング装置50BKと隣接して設けられている潤滑剤供給装置300が占有するスペース、特に均しブレード303が占有するスペースを感光体ドラム20BKの回転方向上流側で拡大することができる。これにより、潤滑剤の供給後に行われる感光体ドラム20BKへの帯電工程に用いられる帯電ローラ30BKの設置位置も均しブレード303の片寄りに応じて感光体ドラム20BKの回転方向上流側に寄せることができる。つまり、図3に示されているように、均しブレード支持ブレード310の折り曲げ端部側に近づいて帯電ローラ30BKの径方向一部が水平方向において折り曲げ端部と重なることになる。
この結果、図8において、感光体ドラム20BKの帯電後に実行される書き込み工程や現像工程での書き込み光路および現像装置40BKの設置スペースと表示した領域の確保が十分可能となる。つまり、本実施例の構成を用いない場合には、帯電装置30BKに隣接させて設けられる書き込み光路用のスペースと現像装置設置用のスペースとが狭くなって干渉してしまうのを防止するに必要なスペースを確保できることになる。
図8では、図7に示した場合と同様なリーディング(カウンタ)方式での均しブレード303’の接触方式が示されているが、これは、書き込み光路や現像装置40BKの設置スペースが得にくくなること、つまり、図6において説明したスペースの拡大が行われていない場合を本実施例と対比するために示したものである。
特に、本実施例として示した図3の構成において、感光体ドラム20BKの直径を40mmとし、クリーニングブレード51BKおよび均しブレード303の厚みを約2mm、自由長を約8mmとした場合に対して、感光体ドラム20BKの外径を30mmとした場合には、図8に示すように、均しブレード303の片寄を行わない場合には、書き込み光路や現像装置40BKの設置スペースを確保することができないことが実験により確認された。従って、本実施例においては、35mm以下の感光体ドラムを用いる場合に特に有効となる結果が得られた。なお、上記実施例においては潤滑剤の供給対象として感光体ドラムを挙げたが、像担持体の一つである中間転写ベルト、つまり、このベルトに対して各色の画像を重畳転写する工程を実施する際にも潤滑剤供給対象となるので、上述した潤滑剤供給装置における均しブレードの構成を用いることで設置スペースの低減が図れる。
次に、本発明による画像形成装置に関する構成について説明する。
本実施例における潤滑剤供給装置300により供給される潤滑剤は、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)とのいずれか一方または両方が用いられて感光体ドラムに対して塗布または付着させられるようになっている。
脂肪酸金属塩(A)の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、これに限るものではない。また、これらを混合して使用してもよい。本発明においては、中でもステアリン酸亜鉛が特に像担持体への成膜性に優れることから、最も好ましく用いられる。
本発明における無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、或いは内部滑りを起こす無機化合物のことを指す。具体的な物質例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカなどがあるがこれに限るものではない。中でも窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、本発明においては最も好ましく用いられる。
なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
20 感光体ドラム
30 帯電装置
50 クリーニング装置
300 潤滑剤供給装置
301 固形潤滑剤
302 潤滑剤塗布部材
303 均しブレード
特開2006−251751号公報

Claims (9)

  1. 潜像担持体表面に潤滑剤を供給する装置であって、
    前記潜像担持体のクリーニング後に該潜像体表面に塗布された潤滑剤を均して一様な層厚を設定する均しブレードを備え、
    該均しブレードは、前記潜像担持体表面に対向する面と該潜像担持体の移動方向上流側に向いた面との間に、該潜像担持体の移動方向上流側に向いた面(B)となす角度を鈍角とされた面(A)が設けられ、前記潜像担持体に対向する位置での該潜像担持体の接線と前記潜像担持体の移動方向上流側を向いた面(B)に対して鈍角をなす面(A)との間で規定される当接角度が10°以上90°未満に設定され、前記潜像担持体の移動方向に対してトレーリング方向に配置された状態で均しブレード支持部により片持ち梁状に支持され、
    前記均しブレード支持部は、前記均しブレードの支持面から前記潜像担持体の帯電に用いられる帯電部材に向けて折り曲げられた部分を有し、
    該折り曲げられた部分の端部と、前記潜像担持体の回転中心とを結ぶ仮想線分上に前記帯電部材の一部が重なる状態で配置されていることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  2. 前記潜像担持体表面に供給される潤滑剤は、少なくとも脂肪酸金属塩(A)を含有することを特徴とする請求項1記載の潤滑剤供給装置。
  3. 前記潜像担持体に供給される潤滑剤は、少なくとも無機潤滑剤(B)を含有することを特徴とする請求項1または2記載の潤滑剤供給装置。
  4. 前記潤滑剤に含有される脂肪酸金属塩(A)としてステアリン酸亜鉛が用いられることを特徴とする請求項2記載の潤滑剤供給装置。
  5. 前記潤滑剤に含有される無機潤滑剤(B)として、窒化ホウ素が用いられることを特徴とする請求項3記載の潤滑剤供給装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の潤滑剤供給装置を備え、前記潜像担持体およびこれに対する画像形成処理を行う帯電装置、現像装置およびクリーニング装置が纏めて収容されて構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 前記潤滑剤供給装置は、前記潜像担持体の移動方向における前記クリーニング装置の下流側に配置されていることを特徴とする請求項6記載のプロセスカートリッジ。
  8. 前記潜像担持体は、直径が35mm以下であることを特徴とする請求項6または7に記載のプロセスカートリッジ。
  9. 請求項6乃至8のいずれか一つに記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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