JP5463037B2 - 真空ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、真空容器の排気処理を行う真空ポンプに関し、特に、真空容器へのパーティクルの逆流を防止する構造を有する真空ポンプに関する。
ターボ分子ポンプやねじ溝式ポンプなどの真空ポンプは、例えば、半導体製造装置の排気や、電子顕微鏡などの高真空を要する真空容器に多用されている。
この高真空の環境を実現する真空ポンプは、吸気口及び排気口を備えた外装体を形成するケーシングを備えている。そして、このケーシングの内部には、当該真空ポンプに排気機能を発揮させる構造物が収納されている。この排気機能を発揮させる構造物は、大きく分けて回転自在に軸支された回転部(ロータ部)とケーシングに対して固定された固定部(ステータ部)から構成されている。
ターボ分子ポンプの場合、回転部は、回転軸及びこの回転軸に固定されている回転体からなり、回転体には、放射状ブレードが設けられたロータ翼が多段に配設されている。また、固定部には、ロータ翼に対して互い違いにステータ翼が多段に配設されている。
また、回転軸を高速回転させるためのモータが設けられており、このモータの働きにより回転軸が高速回転すると、ロータ翼とステータ翼との作用により気体が吸気口から吸引され、排気口から排出されるようになっている。
ところで真空ポンプには、真空容器内の気体だけでなく、例えば、半導体製造装置のプロセスチャンバにおいて生じた反応生成物からなる微粒子など、真空容器内で生じたパーティクルも吸気口から取り込まれる。
パーティクルは、真空ポンプの内部において、高速回転しているロータ翼に衝突した場合、真空容器側へ跳ね返され、即ち吸気口から真空容器側へ逆流してしまう。
真空ポンプから逆流したパーティクルは、真空容器の内部の汚染原因となるおそれがある。
そこで従来、このような真空容器側へのパーティクルの逆流を抑制する技術が下記の特許文献に提案されている。
特開2006−307823公報
特許文献1には、ロータ翼に衝突したパーティクルが吸気口側へ跳ね返されることを防止するために、ロータ翼のブレードの先端面が、回転軸方向と平行になるように、または、排気口側を向くように形成されたターボ分子ポンプが提案されている。
図5は、特許文献1で提案されているターボ分子ポンプにおけるロータ翼を模式的に示した展開図である。
具体的に特許文献1には、図5に示すように、ブレード108の面108aが、回転軸方向と平行になるように形成されたロータ翼が開示されている。
このようにブレード108の面108aを形成することにより、パーティクルがブレード108の従来の面108bに衝突して吸気口側へ跳ね返されることを防止することができる。
しかしながら、パーティクルの逆流防止を目的として、特許文献1で提案されているようにロータ翼のブレード108を加工した場合、気体分子(ガス分子)の排気処理において有効となるロータ翼の領域が減少してしまうため、真空ポンプの排気性能が低下してしまう。
ここで、特許文献1で提案されているようにロータ翼のブレード108を加工した場合において、真空ポンプの排気性能の低下が生じるメカニズムについて説明する。
図6(a)は、ブレード108に加工を施していない場合における、吸気口側からロータ翼に入射するガス分子の移動経路の一例を示した図であり、図6(b)は、ブレード108に加工を施した場合における、吸気口側からロータ翼に入射するガス分子の移動経路の一例を示した図である。
また、図7(a)は、ブレード108に加工を施していない場合における、排気口側からロータ翼に入射するガス分子の移動経路の一例を示した図であり、図7(b)は、ブレード108に加工を施した場合における、排気口側からロータ翼に入射するガス分子の移動経路の一例を示した図である。
なお、図6及び図7では、説明の煩雑化を避けるために、ガス分子が1ヵ所から入射した場合の状態を示す。
図6(b)に示すように、吸気口側から入射したガス分子がブレード108の面108aに衝突した場合、ガス分子は、排気口側へ送られずに、隣接するブレード108における吸気口側に傾いた側面108cと衝突して吸気口側へ跳ね返される。
図7(b)に示すように、排気口側から入射したガス分子がブレード108の面108aに衝突した場合、ガス分子は、排気口側へ送られずに、隣接するブレード108における吸気口側に傾いた側面108cと衝突して吸気口側へ跳ね返される。
また、図7(b)に示すように、排気口側から入射したガス分子がブレード108と衝突しない場合、ガス分子は、そのまま吸気口側へ送られる。
図6(a)と図6(b)とを比較すると、ブレード108に加工を施すことにより、ガス分子が吸気口側から排気口側に通過する確率(M12)が低下することが分かる。
また、図7(a)と図7(b)とを比較すると、ブレード108に加工を施すことにより、ガス分子が排気口側から吸気口側へ通過する確率(M21)が増加することが分かる。
真空ポンプにおける気体の排気速度は、次式で示される。
排気速度=C×(M12−M21)...式1 但し、Cは、ガス分子の入射数を示す。
ブレード108に面108aを設ける加工を施すことにより、式1におけるM12の値が減少し、M21の値が増加するため、排気速度が低下する。このような排気速度の低下によって、真空ポンプの排気性能の低下が生じてしまう。
そこで本発明は、排気性能の著しい低下を伴うことなく、吸気口の上流領域へのパーティクル(粒子)の逆流を適切に防止することができる真空ポンプを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明では、吸気口と排気口を有する外装体と、前記外装体に内包され高速回転する回転体と、翼の進行面と前記吸気口から前記排気口まで移送される気体の上流方向を向いた面とを有し、前記回転体に設けられた翼角度を有する動翼列を構成し、前記進行面と前記面とのなす隅角部に、前記回転体の軸方向と平行する面、または、前記気体の下流方向を向く面を有する面取り面が形成された回転ブレードと、を備え、前記回転ブレードは、隣接する前記回転ブレードの間隔×粒子の落下速度/前記回転ブレードの回転速度に基づいて特定される、前記粒子の衝突可能領域に、前記面取り面が形成されていることにより前記目的を達成する。
なお、請求項1記載の発明において、前記面取り面は、例えば、衝突可能領域にのみ形成されていることが好ましい。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の真空ポンプにおいて、前記吸気口から前記排気口まで移送される気体の流路を形成する固定部のうち、軸線方向に平行な側面を有する領域に、前記気体の下流方向を向いた逆流防止面が形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の真空ポンプにおいて、前記外装体に対して固定された静翼列と、前記静翼列の位置決め機能を有し、前記外装体の内部に設けられた環状のスペーサと、を備え、前記逆流防止面は、前記スペーサの内壁面及び前記外装体のうちの少なくとも一方に設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項2または請求項3記載の真空ポンプにおいて、前記逆流防止面は、回転軸と直交する面と共に、断面V字型の溝を構成することを特徴とする。
本発明によれば、回転ブレードにおける吸気口側の隅角部に、粒子が逆流しない方向を向いた面取り面を形成することによって、粒子の入射が集中する部位に粒子の逆流を防止する小さな面が設けられるため、排気性能の著しい低下を伴うことなく、効率良く粒子の逆流を防止することができる。
なお、粒子の入射が回転ブレードの吸気口側の隅角部に集中するのは、回転体が高速回転し、回転ブレードに入射する粒子の入射角度が極めて小さくなるためである。
本実施形態に係るターボ分子ポンプの概略構成を示した図である。 本実施の形態に係るターボ分子ポンプにおける動翼列の一部を模式的に示した展開図である。 衝突可能領域Lの算出方法を説明するための説明図である。 図1における破線A部の拡大図である。 特許文献1で提案されているターボ分子ポンプにおけるロータ翼を模式的に示した展開図である。 (a)はブレードに加工を施していない場合における、吸気口側からロータ翼に入射するガス分子の移動経路の一例を示した図であり、(b)はブレードに加工を施した場合における、吸気口側からロータ翼に入射するガス分子の移動経路の一例を示した図である。 (a)はブレードに加工を施していない場合における、排気口側からロータ翼に入射するガス分子の移動経路の一例を示した図であり、(b)はブレードに加工を施した場合における、排気口側からロータ翼に入射するガス分子の移動経路の一例を示した図である。
符号の説明
1 ターボ分子ポンプ
2 ケーシング
3 ベース
4 ロータ部
5 吸気口
6 排気口
7 シャフト
8 動翼列
9 円筒部材
10 ボルト
11 モータ部
12〜14 磁気軸受部
15〜17 変位センサ
18 静翼列
19 ねじ溝スペーサ
20 スペーサ
21 ステータコラム
22 裏蓋
26 冷却管
28 回転ブレード
30 溝
108 ブレード
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1〜4を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、真空ポンプの一例としてターボ分子ポンプを用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るターボ分子ポンプ1の概略構成を示した図である。なお、図1は、ターボ分子ポンプ1の軸線方向の断面図を示している。
本実施形態では、ターボ分子ポンプの一例としてターボ分子ポンプ部Tとねじ溝式ポンプ部Sを備えた、いわゆる複合翼タイプの分子ポンプを例にとり説明する。なお、本実施の形態は、ターボ分子ポンプ部Tのみを有するポンプやねじ溝が回転体側に設けられたポンプに適用してもよい。
ターボ分子ポンプ1の外装体を形成するケーシング2は、円筒状の形状をしており、ケーシング2の底部に設けられたベース3と共にターボ分子ポンプ1の外装体を構成している。そして、ターボ分子ポンプ1の外装体の内部には、ターボ分子ポンプ1に排気機能を発揮させる構造物つまり気体移送機構が収納されている。
これら排気機能を発揮する構造物は、大きく分けて回転自在に軸支されたロータ部4とケーシング2に対して固定されたステータ部から構成されている。
また、吸気口5側がターボ分子ポンプ部Tにより構成され、排気口6側がねじ溝式ポンプ部Sから構成されている。
ロータ部4には、シャフト7の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜してシャフト7から放射状に伸びた複数の回転ブレード28からなる動翼列8が吸気口5側(ターボ分子ポンプ部T)に設けられている。なお、ロータ部4は、ステンレスやアルミニウム合金などの金属により構成されている。
さらに、ロータ部4には、外周面が円筒形状をした部材からなる円筒部材9が排気口6側(ねじ溝式ポンプ部S)に設けられている。
また、ターボ分子ポンプ1には、動翼列8が軸線方向に複数段形成されている。
シャフト7は、円柱部材の回転軸(ロータ軸)である。シャフト7の上端にはロータ部4が複数のボルト10により取り付けられている。
シャフト7の軸線方向中程には、シャフト7を回転させるモータ部11が配設されている。
また、モータ部11の吸気口5側及び排気口6側には、シャフト7をラジアル方向に軸支するための磁気軸受部12及び磁気軸受部13が設けられている。
さらに、シャフト7の下端には、シャフト7を軸線方向(スラスト方向)に軸支するための磁気軸受部14が設けられている。
なお、シャフト7は、磁気軸受部12、13、14から構成される5軸制御型の磁気軸受によって非接触で支持されている。
また、磁気軸受部12、13の近傍には、それぞれ変位センサ15、16が形成されており、シャフト7のラジアル方向の変位が検出できるようになっている。さらに、シャフト7の下端には変位センサ17が形成されており、シャフト7の軸線方向の変位が検出できるようになっている。
ケーシング2の内周側には、ステータ部が形成されている。このステータ部は、吸気口5側(ターボ分子ポンプ部T)に設けられた静翼列18と、排気口6側(ねじ溝式ポンプ部S)に設けられたねじ溝スペーサ19などから構成されている。
静翼列18は、シャフト7の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜してケーシング2の内周面からシャフト7に向かって伸びたブレードから構成されている。ターボ分子ポンプ部Tでは、これら静翼列18が軸線方向に、動翼列8と互い違いに複数段形成されている。各段の静翼列18は、円筒形状をしたスペーサ20により互いに隔てられている。
ねじ溝スペーサ19は、内周面にらせん溝が形成された円柱部材である。ねじ溝スペーサ19の内周面は、所定のクリアランス(間隙)を隔てて円筒部材9の外周面に対面するようになっている。ねじ溝スペーサ19に形成されたらせん溝の方向は、らせん溝内をロータ部4の回転方向にガスが輸送された場合、排気口6に向かう方向である。らせん溝の深さは排気口6に近づくにつれ浅くなるようになっている。そして、らせん溝を輸送されるガスは排気口6に近づくにつれて圧縮されるようになっている。
これらステータ部はステンレスやアルミニウム合金などの金属で構成されている。
ベース3は、ケーシング2と共にターボ分子ポンプ1の外装体を構成している。ベース3のラジアル方向の中央には、ロータの回転軸線と同心に円筒形状を有するステータコラム21が取り付けられている。
ベース3の底部(ステータコラム21の開口部)に裏蓋22が取り付けられている。
本実施の形態に係るターボ分子ポンプ1には、図示されていないがターボ分子ポンプ1を制御するための制御装置が設けられている。
また、ターボ分子ポンプ1の稼働中は、ロータ部4が高速回転し、動翼列8や静翼列18のブレードが、圧縮熱等によって高温になったプロセスガスを受ける。そして、これらの圧縮熱等を受けて、動翼列8や静翼列18のブレードの温度が上昇する。
また、ターボ分子ポンプ1は、モータ部11から発生する熱などにより加熱されて高温状態となる。
このようにターボ分子ポンプ1は、気体分子の衝突熱(圧縮熱)やモータ部11からの発熱などにより高温状態となっている。
そこで、高温状態になったターボ分子ポンプ1を冷却するために、ベース3には、冷却管26が埋設されている。
冷却管26は、チューブ状(管状)の部材からなる。冷却管26は、内部に熱媒体である冷却材を流し、この冷却材に熱を吸収させるようにして冷却管26周辺の冷却を行うための部材である。
上述した冷却管26は、熱抵抗の低い部材つまり熱伝導率の高い部材、例えば、銅やステンレス鋼などによって構成されている。
また、冷却管26に流す冷却材、つまり物体を冷却するための流体は、液体であっても気体であってもよい。液体の冷却材としては、例えば、水、塩化カルシウム水溶液やエチレングリコール水溶液などを用いることができる。気体の冷却材としては、例えば、アンモニア、メタン、エタン、ハロゲン、ヘリウムガスや炭酸ガス、空気などを用いることができる。
なお、本実施形態では、冷却管26がベース3に配設されているが、冷却管26の配設位置はこれに限られるものではない。例えば、ステータコラム21、裏蓋22の内部に直接埋め込むように設けてもよい。
このような構成を有するターボ分子ポンプ1は、真空容器、例えば、半導体製造装置に設けられた内部が高真空状態に保たれたプロセスチャンバなどの排気処理を行う際の真空ポンプとして用いられている。
半導体製造装置のプロセスチャンバの内部では、例えば、プロセスガスの反応時の反応生成物からなるパーティクル(微粒子)が生じる。
そのため、ターボ分子ポンプ1では、プロセスチャンバ(真空容器)内の気体だけでなく、プロセスチャンバにおいて生じたパーティクルも吸気口5から取り込まれる。
吸気口5から取り込まれたパーティクルは、ターボ分子ポンプ1の内部において、高速回転している回転ブレード28に衝突した場合、プロセスチャンバ側へ跳ね返され、即ち吸気口5からプロセスチャンバ側へ逆流してしまう。
このようなターボ分子ポンプ1から逆流したパーティクルは、プロセスチャンバの内部の汚染原因となるおそれがある。
そこで本実施の形態に係るターボ分子ポンプ1では、吸気口5から取り込まれたパーティクルの上流側の領域への逆流を抑制する加工が回転ブレード28に施されている。
図2は、本実施の形態に係るターボ分子ポンプ1における動翼列8の一部を模式的に示した展開図である。
図2に示すように、回転ブレード28には、吸気口5から排気口6まで移送される気体の上流方向を向いた面28bと、気体の下流方向を向いた面28cとのなす隅角部に、面取り加工を施すことによって、面取り面28aが形成されている。
面取り面28aは、シャフト7の軸線方向に平行に、即ち回転軸に平行に形成されている。
なお、面取り加工とは、ターボ分子ポンプ1を組み立てる際のけがの防止やバリを少なくするために、例えば、回転ブレード28の面28bと面28cとのなす隅角部のようなナイフエッジ部分の稜角を少し削る処理を示す。
また、本実施の形態に係るターボ分子ポンプ1では、隣接する回転ブレード28の間隔、回転ブレード28の移動速度(動翼列8の回転速度)、パーティクルの移動速度などによって特定されるパーティクルの衝突可能領域L(以下、衝突可能領域Lとする)に基づいて、回転ブレード28の面取り面28aの形成領域が設定されている。
即ち、衝突可能領域Lに基づいて、回転ブレード28の面28bと面28cとのなす隅角部の面取り加工における削り量が設定されている。
次に、衝突可能領域Lの算出方法について説明する。
図3は、衝突可能領域Lの算出方法を説明するための説明図である。
ここでは、算出方法の一例として、ターボ分子ポンプ1がプロセスチャンバの排気口の下部に、鉛直線と回転軸方向とが一致する向きに配設された場合について説明する。
衝突可能領域Lの算出条件として、プロセスチャンバの天井を想定し、ターボ分子ポンプ1の1m上方からパーティクルPが自由落下するものとする。
また、動翼列8(回転ブレード28)の角速度は、2830rad/s(毎秒450回転)、回転ブレード28の半径(回転ブレード28の間隔が最も広い先端部)は、0.15m、回転ブレード28の間隔は、0.03mであるものとする。
パーティクルPの移動速度、即ち、落下速度V1は、エネルギー保存の法則に基づいて算出すると、次のようになる。但し、重力加速度を9.8[m/s2]とする。
落下速度V1=√(2×重力加速度×高さ)=√(2×9.8[m/s2]×1[m])=4.4[m/s]また、回転ブレード28の回転速度V2は、次のようになる。
回転速度V2=回転ブレード28の半径×回転ブレード28の角速度 =0.15[m]×2830[rad/s]=423[m/s]パーティクルの落下速度V1及び回転ブレード28の回転速度V2から、図3に示す回転ブレード28から見たパーティクルの相対速度V3が求められる。そして、衝突可能領域Lは、次のように算出される。
衝突可能領域L=回転ブレード28の間隔×(落下速度V1/回転速度V2)=0.03[m]×(4.4[m/s]/423[m/s])=0.0003[m]=0.3(mm)このように、プロセスチャンバから落下したパーティクルは、回転ブレード28の吸気口5側の端面からわずか0.3mmまでの範囲で回転ブレード28と衝突する。
なお、例えば、ターボ分子ポンプ1の吸気口5に設けられた保護網や、ターボ分子ポンプ1と真空容器との間に設けられたコンダクタンスバルブなどから、パーティクルが落下するような場合には、パーティクルの落下距離が短くなる。そのためパーティクルの落下速度が低下することによって、衝突可能領域Lはさらに小さくなる。
衝突可能領域Lの範囲を超えて面取り面28aを回転ブレード28に形成しても、衝突可能領域Lの範囲外ではパーティクルは衝突しないため、排気性能を低下させるだけになってしまう。
そのため、本実施の形態に係るターボ分子ポンプ1では、回転ブレードの面取り面28aが衝突可能領域Lの範囲に形成されるように、また、衝突可能領域Lの範囲を超えて形成されないように面取り加工時の削り量が設定されている。
このように本実施の形態では、パーティクルの回転ブレード28へ入射(進入)経路を考慮し、回転ブレード28におけるパーティクルの衝突可能領域Lに面取り面28aを形成することにより、排気性能の著しい低下を伴うことなく、効率良くパーティクルの逆流を防止することができる。
また、本実施の形態では、回転ブレード28の面取り面28aを回転軸と平行に形成されているが、面取り面28aの向きはこれに限定されるものではなく、衝突したパーティクルが上流側へ跳ね返されない方向を向いていればよい。例えば、回転ブレード28の面取り面28aは、気体の下流方向を向くように形成されていてもよい。
本実施の形態に係るターボ分子ポンプ1には、さらにパーティクルの逆流の防止効果を向上させるために、吸気口5から排気口6まで移送される気体の流路を形成するケーシング2やスペーサ20の内側面に、気体の下流方向を向いた逆流防止面、即ち、衝突したパーティクルを排気口6側へ送るためのトラップが形成されている。
図4は、図1における破線A部の拡大図である。
詳しくは、図4に示すように、ケーシング2における内周壁面の吸気口5近傍の領域、及び、吸気口5近傍に配置されたスペーサ20の内周壁面(内側面)に、断面V字型の溝30が周方向に沿って延設されている。
この溝30は、図4に示すように、V字型に設けられた側面のうち、吸気口5側に設けられた側面(逆流防止面)は、排気口6側、即ち、下流方向を向くように形成されている。また、V字型に設けられた側面のうち、排気口6側に設けられた側面は、吸気口5側、即ち、上流方向を向くように形成されている。
このように逆流防止面を有する溝30を設けることにより、回転ブレード28の面取り面28aに衝突したパーティクルを、すみやかに排気口6側へ送ることができるため、パーティクルの逆流の防止効果を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、溝30を、ケーシング2における内周壁面の吸気口5近傍の領域、及び、吸気口5近傍に配置されたスペーサ20の内周壁面にのみ設けられているが、溝30の形成部位はこれに限定されるものではない。
例えば、全てのスペーサ20の内周壁面に設けるようにしてもよい。

Claims (4)

  1. 吸気口と排気口を有する外装体と、
    前記外装体に内包され高速回転する回転体と、
    翼の進行面と前記吸気口から前記排気口まで移送される気体の上流方向を向いた面とを有し、前記回転体に設けられた翼角度を有する動翼列を構成し、前記進行面と前記面とのなす隅角部に、前記回転体の軸方向と平行する面、または、前記気体の下流方向を向く面を有する面取り面が形成された回転ブレードと、
    を備え、
    前記回転ブレードは、隣接する前記回転ブレードの間隔×粒子の落下速度/前記回転ブレードの回転速度に基づいて特定される、前記粒子の衝突可能領域に、前記面取り面が形成されていることを特徴とする真空ポンプ。
  2. 前記吸気口から前記排気口まで移送される気体の流路を形成する固定部のうち、軸線方向に平行な側面を有する領域に、前記気体の下流方向を向いた逆流防止面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の真空ポンプ。
  3. 前記外装体に対して固定された静翼列と、
    前記静翼列の位置決め機能を有し、前記外装体の内部に設けられた環状のスペーサと、
    を備え、
    前記逆流防止面は、前記スペーサの内壁面及び前記外装体のうちの少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項2記載の真空ポンプ。
  4. 前記逆流防止面は、回転軸と直交する面と共に、断面V字型の溝を構成することを特徴とする請求項2または請求項3記載の真空ポンプ。
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