JP4716109B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータを高速回転させることによって高真空を得るターボ分子ポンプに関する。
真空装置では、ターボ分子ポンプ等の吸引機構によって真空容器内等を吸引することによって真空状態を形成している。一般に、ターボ分子ポンプはステータとロータとを有するポンプユニットを備え、モータの電源駆動によってロータを回転させ、真空容器内を吸引・排気している。
成膜やドライ・エッチングなどを行う半導体製造装置では、反応生成物等のパーティクルや真空処理室内などの内壁に堆積した物質が剥離したパーティクル等が真空処理室で発生する。これらのパーティクルがウエハ上に付着した場合には、半導体デバイスの欠陥の原因となる。
半導体製造プロセスでは、微細加工が進むにつれて真空処理室内の圧力は、より低いことが求められている。このような低圧力では、真空処理室の下流に取り付けられたターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流が、圧力低下を妨げる原因として指摘されている(例えば、特許文献1、2)。
パーティクルがターボ分子ポンプ内に吸引されると、高速回転する回転翼と衝突して反跳し、真空処理室に逆流する。逆流したパーティクルは、ガス圧が有る程度高い場合には、ガスの抵抗力が比較的大きいため、真空処理室までは到達しないが、ガス圧力が低下すると、逆流距離が延びて真空処理室内にまで到達する。真空処理室に到達したパーティクルは、ウエハ上に達し、半導体の歩留まりを悪化させる。
上記した特許文献1,2には、この問題を解決する構成が提案されている。
特許文献1には、ポンプケーシング内において、微小塵防止用の静翼ディスクを最上流段の動翼よりも上流に設ける構成が提案されている。
また、特許文献2には、最も吸気側に位置する回転翼ブレードにおいて、吸気側の平面部の傾きを所定角に設定する構成が提案されている。この所定角は、吸気側平面の内向きの法線と、排気方向とのなす角が0度以上としている。
特開平8−14188号公報 特開2004−19493号公報
一般に、成膜あるいはドライ・エッチングなどを行う半導体製造装置では、ウエハサイズの大型化や高真空プロセスへの移行に伴って、ターボ分子ポンプの排気性能を最大限に引き出す排気設計が求められている。そのため、排気性能の減少を極力抑えるには、パーティクルの真空処理室側への跳ね返りを低減させることが必要である。
上記特許文献1に提案される構成では、静翼ディスクが排気作用を邪魔するため、ポンプの排気速度が低下するという問題がある。また、多数の翼で構成されているため、コストが高くなるという問題もある。
また、上記特許文献2に提案される構成によれば、翼の上面で跳ね返るパーティクルの跳ね返り量を減らし、また、跳ね返ったパーティクルを接続配管の内面でさらに跳ね返すことができる。しかしながら、ロータ翼のエッジ(リーディングエッジ)部に跳ね返されたパーティクルが真空処理室方向に飛び出した場合、接続配管のV字溝で再びポンプ側に跳ね返されたとしても、これはパーティクルの往復運動を誘発するに過ぎず、一時的に真空処理室に到達するパーティクルが減少したとしても、いずれは飛び回るパーティクルの総量は増加し、真空処理室に到達するパーティクルが再び増加することになる。
したがって、上記提案された構成では、ターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を十分に抑制することができないという問題がある。
そこで、本発明は上記課題を解決して、ターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を抑制することを目的とする。
より詳細には、排気速度の低下を抑えると共に、吸気口から上流側へのパーティクルの跳ね返りを減少させ、これによってターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を抑制することを目的とする。
本発明のターボ分子ポンプは、真空処理室から飛来したパーティクルを反跳させて運動方向を変更させ、パーティクルを排気側に向かわせる構成を備え、これによって、吸気口から上流側へのパーティクルの跳ね返りを減少させ、ターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を抑制する。
また、本発明のターボ分子ポンプは、真空処理室から飛来したパーティクルをロータの中央に集めてロータ翼との衝突を避ける構成を備え、これによって、ターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を抑制する。
また、本発明のターボ分子ポンプは、中央に集められたパーティクルをロータに付着させて捕集する構成を備え、これによって、ターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を抑制する。
本発明の第1の態様は、真空処理室から飛来したパーティクルを反跳させて運動方向を変更させ、パーティクルを排気側に向かわせる構成である。
ターボ分子ポンプは、ポンプケーシング内に回転自在に軸支されたロータ翼を有するロータと、このロータ翼間に固定された多段のステータ翼を有するステータとを備え、ポンプケーシング内において最上流段のロータ翼と吸気口端部との間の空間位置に、パーティクルを反跳させて運動方向を変更する反跳部材を備える。この反跳部材は、吸気口から排気口に向かうパーティクルをロータの中央側に向けて反跳し、最上流段のロータ翼から吸気口側に向かうパーティクルを排気口側に向けて反跳する。
吸気口から飛来したパーティクルは、反跳部材に衝突した際に跳ね返ってロータの中央側に向う。ロータの中央側は、ロータ翼をロータの回転軸に取り付ける部分であって翼が設けられていない箇所か、あるいは翼が設けられている箇所であっても回転速度が低速の部分である。そのため、パーティクルがロータの中央部分に衝突した際にロータから供与される運動量は、高速の外周部分との衝突で供与される運動量よりも小さい。
したがって、ロータの中央部分で反跳したパーティクルは、吸気口を逆流して真空処理室に到達するまでには至らない。
また、吸気口から入り込んだパーティクルがロータの最上段のロータ翼と衝突すると、パーティクルはロータ翼によって上流側に跳ね返される。反跳部材は、このロータ翼で跳ね返されたパーティクルを再び下流側に跳ね返して、真空処理室側への逆流を防ぐ。
なお、吸気口から排気口に向かうパーティクルをロータの中央側に向けての反跳と、最上流段のロータ翼から吸気口側に向かうパーティクルを排気口側に向けての反跳は、反跳部材の表裏面のそれぞれ反対側の面で行う。
第1の態様の反跳部材の一構成形態は、両端の内径を異にする円錐台形状の環状筒体である。
環状筒体は、最上流段のロータ翼側の端部の内径を吸気口側の端部の内径よりも小径とする構成、最上流段のロータ翼側の端部を、ロータの軸方向においてポンプケーシングの吸気口とロータの上端との間の位置とする構成、最上流段のロータ翼側の端部の内径を、ロータ翼の付け根位置の径とロータの吸気口側の端部面に設けた凹部の内径との間の径寸とする構成、最上流段のロータ翼側の端部部分の開口面積を、その端部部分とロータの吸気口側の端部面との間の距離を高さとする構成、最上流段のロータ翼側の端部の内径を内径とする環状体の側面の面積と等しいかあるいは大きい構成とする。
環状筒体が備える構成において、最上流段のロータ翼側の端部の内径を吸気口側の端部の内径よりも小径とする構成、及び、最上流段のロータ翼側の端部の内径を、ロータ翼の付け根位置の径とロータの吸気口側の端部面に設けた凹部の内径との間の径寸とする構成は、吸気口から排気口に飛来したパーティクルをロータの中央側に向う反跳させる構成である。
環状筒体が備える構成において、最上流段のロータ翼側の端部部分の開口面積を、その端部部分とロータの吸気口側の端部面との間の距離を高さとし、最上流段のロータ翼側の端部の内径を径とする環状体の側面の面積と等しいかあるいは大きくなるようにする構成は、吸気口から排気口に向かう排気速度の低下を抑制する。
本発明の第2の態様は、中央に集められたパーティクルをロータに付着させて捕集する構成である。
第2の態様のターボ分子ポンプは、ポンプケーシング内に回転自在に軸支されたロータ翼を有するロータと、ロータ翼間に固定された多段のステータ翼を有するステータとを備える。
ロータの吸気口側の端部面の中央部分に凹部を備え、ポンプケーシングの吸気口側の端部に、吸気口側から前記凹部に向かって傾斜する傾斜面を備え、傾斜面の先端部とロータの吸気口側の端部面との間に隙間を有する。
吸気口から排気口に飛来したパーティクルは、傾斜面によってロータの中央部分の凹部内に集められる。この凹部材に入り込んだパーティクルは、ロータの回転によって生じる遠心力によって、凹部材の内周の側壁面に押し付けられ、凹部からの飛び出しを防いでいる。この凹部でパーティクルを捕集することによって、ターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を抑制する。
第1及び第2の態様において、ロータは吸気口側の端部面の中央部分に凹部を備える。この凹部は、吸気口側の端部の径を排気口側の内部壁面の径よりも小径とする構成とする。この凹部材に入り込んだパーティクルは、ロータの回転によって生じる遠心力によって、凹部材の内周の側壁面に押し付けられる。
また、この凹部は、吸気口側の端部の径を内部壁面の径よりも小径とする構成とすることで、凹部内に入り込んだパーティクルが吸気口側に飛び出すことを防いでいる。凹部内に入り込んだパーティクルが吸気口側に飛び出すには、吸気口側の縁端部を越えなければならない。この吸気口側の端部を内部壁よりも小径とする構成は、この縁端部を超えるための運動量を高めて、パーティクルの凹部からの飛び出しを抑制する。
本発明によれば、ターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を抑制する。また、排気速度の低下を抑えると共に、吸気口から上流側へのパーティクルの跳ね返りを減少させ、これによってターボ分子ポンプから真空処理室内へのパーティクルの逆流を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明のターボ分子ポンプの概要を説明するための図である。
ターボ分子ポンプ1は、ポンプケーシング2内にモータ駆動されるロータ3を備える。ロータ3はロータ翼3aを備え、ポンプケーシング2側に設けたステータ翼4aに対して駆動モータ10によって高速回転する。これによって、吸気口12から吸引して排気口13から排気し、吸気口12に接続される真空処理室(図示していない)内の気体分子を排気する。なお、ステータ翼4aはスペーサ5を介してポンプケーシング2に取り付けられステータ4を構成している。また、吸気口12の上流側には保護ネット14が設けられている。
ロータ3は、ロータ3と同軸に固定された駆動軸6をDCモータや高周波モータ等の駆動モータ10を回転駆動させることで回転させている。駆動モータ10は、駆動軸6に設けられた磁極とポンプケーシング2側に設けたコイルによって構成される。また、駆動軸6はラジアル軸受7及びアキシャル(スラスト)軸受8によって非接触で支持される。
ラジアル軸受7は、駆動軸6を挟んで対向して配置されたラジアル軸受電磁石と駆動軸6のラジアル方向に変位を検出するラジアル位置センサを有し、ラジアル位置センサで検出した位置変位に基づいてラジアル軸受電磁石に供給する電流を制御することによって、駆動軸6がラジアル方向で所定位置となるように位置制御を行う。なお、図1では、ラジアル軸受7は駆動モータ10を挟んで上下に2組備えている。
また、アキシャル(スラスト)軸受8は、駆動軸6と同軸に設けたロータディスクと、このロータディスクを挟んで上下に設けたスラスト軸受電磁石と、駆動軸6のスラスト方向の変位を検出するアキシャル(スラスト)位置センサ11を有し、アキシャル(スラスト)位置センサ11で検出した位置変位に基づいてスラスト軸受電磁石に供給する電流を制御することによって、駆動軸6がアキシャル(スラスト)方向で所定位置となるように位置制御を行う。
本発明のターボ分子ポンプ1は、ポンプケーシング2内において最上流段のロータ翼3aと吸気口12との間に設けた空間部分に、パーティクルを反跳させて運動方向を変更する反跳部材20を備える。あるいは、同空間部分において、ポンプケーシング2の吸気口12側の周端部からロータの端部中央に設けた凹部30に向かって傾斜する傾斜面50を備える。この傾斜面50の先端部は、ロータ3の吸気口12側の端部面3bとの間まで延び、ロータ3の吸気口12側の端部面3bとの間に隙間が生じるようにし、この隙間を通してロータ翼3aとの流路を確保している。
なお、図1では、反跳部材20の内周面を傾斜面50とする例を示しているが、傾斜面50はこの反跳部材20による構成に限らず、ポンプケーシング2の一部を延長して構成してもよく、当該傾斜面を有する部材分であれば任意の構成とすることができる。
以下、本発明のターボ分子ポンプが備える反跳部材について説明する。なお、傾斜面による構成は、反跳部材において、吸気口側から入るパーティクルを排気口側(ロータ側)に導く面と同様であるため、ここでは傾斜面についての説明は省略する。
はじめに、図2〜図5を用いて本発明のターボ分子ポンプが備える反跳部材の構成例について説明する。図2、図3は本発明の反跳部材の一構成例を説明するための断面図及び斜視図である。
図2,図3において、反跳部材20は、両端(20A,20B)の内径を異にする円錐台形状の環状筒体であり、例えば、耐腐食性が高いステンレスで形成することができる。この環状筒体において、最上流段のロータ翼3a側の端部20Aは、その内径を吸気口12側の端部20Bの内径よりも小径とする円錐台形状である。
反跳部材20において、最上流段のロータ翼3a側の端部20Aは、ロータ3の軸方向においてポンプケーシング2の吸気口12とロータ3の上端面3bとの間の位置とし、最上流段のロータ翼3a側の端部20Aの内径は、ロータ翼3aの付け根位置の径とロータの吸気口側の端部面に設けた凹部の内径との間の径寸とする。
また、反跳部材20の吸気口側の端部20Bは、ポンプケーシング2の吸気口12の端部の内周面に取り付けられる。
図2,図3に示すように、反跳部材20は、吸気口12の端部とロータ3の上端面3bとの間に形成される空間部分に配置される。反跳部材20は、吸気口側に向かう面(ここでは表面とする)と排気口側に向かい面(ここでは裏面とする)の両面を有している。
反跳部材20の吸気口側の表面は、吸気口12から入ったパーティクル40をロータ3の中央側に向かって跳ね返して、パーティクル40が直接ロータ翼3aに衝突しないようにする。
吸気口12側から飛来したパーティクル40の内で反跳部材20と衝突したパーティクルは、その衝突によってロータ3の中央側に向って跳ね返えされる。ロータ3の中央部分は、ロータ翼3aがロータ3の回転軸に取り付けられるロータ翼3aの付け根部分であって翼が設けられていないか、あるいは、ロータ翼3aの回転速度が低速である部分である。パーティクル40がロータ3の中央部分に衝突して跳ね返る際には、ロータ3から運動量が与えられるが、衝突した箇所の回転速度が低速であるため、パーティクル40に付与される運動量は小さい。そのため、ロータ3の中央部分で反跳したパーティクル40は、運動量は小さく、仮に吸気口12側に飛び出したとしても、吸気口12を逆流して真空処理室までは到達することはない。
また、反跳部材20の排気(ロータ翼3a)側の裏面は、反跳部材20の開口部分を通過し、ロータ翼3aに衝突して吸気口12側に跳ね返ったパーティクル40を再びロータ3側に向かって跳ね返して、パーティクル40が吸気口12側に逆流しないようにする。
吸気口12から入り込んだパーティクル40がロータ3の最上段のロータ翼3aと衝突すると、このパーティクル40はロータ翼3aによって上流側に跳ね返される。反跳部材20の裏面は、このロータ翼3aで跳ね返されたパーティクル40を再び下流側に跳ね返して、真空処理室側に逆流することを防ぐ。
このように、反跳部材20は、吸気口から入り込んだパーティクルをロータの中央部分に向かわせることで、ロータ翼へのパーティクルの進入を抑制すると共に、反跳したパーティクルに加わる運動量を低いものとして逆流を抑制し、さらに、ロータ翼に衝突して跳ね返ったパーティクルを再度ロータ翼側に跳ね返して真空処理室側への逆流を抑制する。また、ロータの中央部分に凹部を備える場合には、この凹部内にパーティクルを捕集して吸気口側への飛び出しを抑制することもできる。
ここで、反跳部材は吸気口とロータとの間の空間部分に配置される部材であるため、この部分を流れる流体にとっては抵抗となる。そのため、この反跳部材はターボ分子ポンプの排気速度を低下させる要因となるため、排気速度の点からはこの反跳部材による抵抗分は小さいことが望まれる。
この両作用は相反するものであり、パーティクルの逆流を抑制する作用を高めると排気速度の低下が大きくなり、また、排気速度の低下を小さくするとパーティクルの逆流の抑制用が低下することになる。本発明の反跳部材は、この相反する二つの作用の両立が望まれ、パーティクルの逆流を抑制する作用を奏すると共に、排気速度の低下が小さいことが望まれる。
以下、パーティクルの逆流の抑制作用と、排気速度の低下抑制の両方を満たすための構成について図4,図5を用いて説明する。図4,図5はこの円環状の開口面積Aと環状隙間面積Bとの関係を示す断面図及び斜視図である。
本発明では、反跳部材20において、パーティクルの逆流の抑制作用と、排気速度の低下抑制の両方を満たすための構成として、以下に説明する円環状の開口面積Aと環状隙間面積Bとの関係との関係を定める。
ここで、円環状の開口面積Aは、反跳部材20の最上流段のロータ翼3a側の端部部分の円環状の部分の面積である。また、環状隙間面積Bは、反跳部材20の先端部分とロータ3の吸気口12側の端部面3bとの間の距離を高さとし、最上流段のロータ翼3a側の端部20Aの内径を径とする環状体の側面部分の面積である。この円環状の開口面積Aと環状隙間面積Bとの関係において、円環状の開口面積Aと環状隙間面積Bは等しいか、あるいは円環状の開口面積Aが環状隙間面積Bよりも小とする。
開口面積Aを環状隙間面積Bと等しいかあるいは小とし、少なくとも円環状の開口面積Aが環状隙間面積Bよりも大としない構成とすることによって、反跳部材20の端部20Aの円環状部分から下流側に向かう流れの抵抗が上昇することを抑制して排気速度の低下を抑制すると共に、前記したパーティクルの逆流を抑制する作用を奏することができる。
本発明のロータ3は吸気口12側の端部面3bの中央部分に凹部30を備える。凹部30は、吸気口12側の端部30aの径を排気口側の内部壁面30bの径と同径、あるいは吸気口12側の端部30aの径を排気口側の内部壁面30bの径よりも小径とする構成とする。図1,図2の断面図、図3の斜視図は、この凹部材30の一構成例を示している。図中の凹部材30は、内部壁面30bは半円形の断面形状とする構成例を示している。ロータ3は回転によって遠心力が生じているため、この凹部材30にパーティクル40が入り込むと、パーティクル40は凹部材30の内周の壁面30bに押し付けられ、凹部30から飛び出さないように保持される。
この凹部30において、吸気口12側の端部30の径を内部壁面30bの径よりも小径とする構成とすることで、凹部30内に入り込んだパーティクル40の吸気口12側への飛び出しをより効果的に防ぐことができる。
この構成において、凹部30内に入り込んだパーティクル40が吸気口12側に飛び出すには、吸気口12側の端部30aに設けた縁端部を越えなければならないが、吸気口側の端部30aを内部壁30bよりも小径とすることによってこの縁端部を超えるための運動量を高め、内部壁30bと同径の場合と比較して、パーティクル40の凹部30からの飛び出しの抑制をより効果的とする。
反跳部材20の傾斜面50は、吸気口12からロータ3側に入り込んだパーティクル40をロータ3の中央部に向かわせる機能を備えており、この反跳部材が持つ傾斜面の機能を凹部の機能に組み合わせることによって、凹部30内へのパーティクルに捕獲効率を高めることができ、パーティクルの真空処理室側への逆流をより効果的なものとすることができる。
次に、図6,図7を用いて本発明のターボ分子ポンプが備える反跳部材の他の構成例について説明する。図6,図7は本発明の反跳部材の他の一構成例を説明するための断面図及び斜視図である。
図6,図7において、反跳部材21は、前記した構成の円錐台状の環状筒体を、同心円状に2つ以上並べた構成である。なお、図に示す反跳部材21は、2つの円環状の環状筒体21a,21bを並べた例を示している。
この2つの環状筒体21a,21bにおいて、内側の環状筒体21aのロータ3側の径は、ロータ翼3aのロータ軸への付け根の径よりも小さいものとし、かつ、環状筒体21aのロータ側の先端部分は、ポンプケーシング2の吸気口12とロータ3の上面の端部面3bとの間の位置となることが望ましい。
この複数の環状筒体21a,21bからなる反跳部材21は、前記した反跳部材20と同様であり、パーティクルをロータ中心部に向かわせる作用、及び、ロータ翼で跳ね返ったパーティクルを再度ロータ翼側に反跳させて戻す作用によって、パーティクルが真空処理室側へ逆流しないように抑制する。
また、ロータ中心部に集められたパーティクルを、ロータの中央部に設けた凹部内に捕集して遠心力で飛びでないように保持する作用も同様である。
また、隣接して設けた環状筒体21a及び21bにおいて、内側の環状筒体21aの端部20B(吸気口側の端部)と外側の環状筒体21bの端部20A(ロータ側の端部)とが、軸方向から見て重なるように環状筒体の径を定めることによって、ロータ翼で反跳されたパーティクルを環状筒体の裏面に効率よく衝突させ、パーティクルが環状筒体と接触することなく直接に吸気口12側に飛び出すことがないようにすることができる。
次に、図8,図9を用いて本発明のターボ分子ポンプが備える反跳部材のさらに別の構成例について説明する。図8,図9は本発明の反跳部材の別の一構成例を説明するための断面図及び斜視図である。
図8,図9において、反跳部材22は、中央部分の円状の穴をくり抜いた円盤状板材22Bに、その円状の穴に筒体22Aを取り付けた構成である。
この中央部分の穴の径はロータ翼3aの付け根部分の径よりも小径とし、かつ、ロータ3の上部の端部面3bに設けた凹部30の径よりも大きいことが望ましい。
この筒状体を有する反跳22の作用は前記した反跳部材20と同様であり、パーティクルをロータ中心部に向かわせる作用、及び、ロータ翼で跳ね返ったパーティクルを再度ロータ翼側に反跳させて戻す作用によって、パーティクルが真空処理室側へ逆流しないように抑制する。
また、ロータ中心部に集められたパーティクルを、ロータの中央部に設けた凹部内に捕集して遠心力で飛びでないように保持する作用も前記した反跳部材と同様であり、円盤状板材22Bの裏面や筒体22Aの外壁面に衝突してロータ翼3a側に跳ね返されることで、真空処理室側へパーティクルの逆流を抑制する。
また、本発明のターボ分子ポンプが備えるロータ上に設けられる凹部は、前記した各図に示した構成に限られるものではなく、吸気口側の端部の径が内部壁面の径よりも小径とすることで同様の作用を奏することができる。
図10は、凹部の他の構成例を説明するための概略図である。この凹部31は、ロータ3の上部の端部面3bに軸方向に穿孔したくぼみ部分31aを、その穿孔の穴径よりも小径の穴が形成された蓋部31bを同心円状に重ねることで構成することができる。図10(a)は蓋部31bを端部面3b上に重ねる前の状態を示し、図10(b)は蓋部31bを端部面3b上に重ねた後の状態を示している。
この蓋部31aは、前記した構成においてロータ3の端部面3bに設けた小径部分に相当する。この構成によれば、凹部31のくぼみ部分31aの内壁面は、ロータの軸方向と同方向とすることができるため、加工が容易となるという利点がある。
図11は、凹部の別の構成例を説明するための概略図である。この凹部32は、ロータ3の上部の端部面3bの径を、軸方向に穿孔した底の部分の径よりも小径とし、この間を直線状に加工して、凹部内の空間部分を円錐台状の形成するものである。
この構成によれば、凹部32に入り込んだパーティクルは、遠心力によってより深い方向に押し込まれ、吸気口側への飛び出しをより効果的に抑えることができる。
本発明のターボ分子ポンプの概要を説明するための図である。 本発明の反跳部材の構成例を説明するための断面図である。 本発明の反跳部材の構成例を説明するための斜視図である。 本発明の反跳部材の円環状の開口面積Aと環状隙間面積Bとの関係を示す断面図である。 本発明の反跳部材の円環状の開口面積Aと環状隙間面積Bとの関係を示す斜視図である。 本発明の反跳部材の他の構成例を説明するための断面図である。 本発明の反跳部材の他の構成例を説明するための斜視図である。 本発明の反跳部材の別の構成例を説明するための断面図である。 本発明の反跳部材の別の構成例を説明するための斜視図である。 本発明の凹部の他の構成例を説明するための概略図である。 本発明の凹部の別の構成例を説明するための概略図である。
符号の説明
1…ターボ分子ポンプ、2…ポンプケーシング、3…ロータ、3a…ロータ翼、3b…端部面、4…ステータ翼、4a…ステータ翼、5…スペーサ、6…駆動軸、7…ラジアル軸受、8…アキシャル軸受、9…タッチダウンベアリング、11…ギャップセンサ、12…吸気口、13…排気口、14…保護ネット、20,21,22…反跳部材、30,31,32…凹部、31a…開口部、31b…蓋部、40…パーティクル。

Claims (5)

  1. ポンプケーシング内に回転自在に軸支されたロータ翼を有するロータと、
    前記ロータ翼間に固定された多段のステータ翼を有するステータとを備えるターボ分子ポンプにおいて、
    前記ポンプケーシング内において最上流段のロータ翼と吸気口端部との間の空間位置に、パーティクルを反跳させて運動方向を変更する反跳部材を備え、
    前記反跳部材は、吸気口から排気口に向かうパーティクルをロータの中央側に向けて反跳し、最上流段のロータ翼から吸気口側に向かうパーティクルを排気口側に向けて反跳することを特徴とする、ターボ分子ポンプ。
  2. 前記ロータの吸気口側の端部面の中央部分に凹部を備え、
    当該凹部は、吸気口側の端部の径が内部壁面の径よりも小径であることを特徴とする、請求項に記載のターボ分子ポンプ。
  3. 前記反跳部材は、両端の内径を異にする円錐台形状の環状筒体であり、
    当該環状筒体において、
    最上流段のロータ翼側の端部の内径は吸気口側の端部の内径よりも小径であり、
    最上流段のロータ翼側の端部は、ロータの軸方向においてポンプケーシングの吸気口とロータの上端との間の位置であり、
    最上流段のロータ翼側の端部の内径は、ロータ翼の付け根位置の径とロータの吸気口側の端部面に設けた凹部の内径との間の径寸であり、
    最上流段のロータ翼側の端部部分の開口面積は、当該端部部分とロータの吸気口側の端部面との間の距離を高さとし、最上流段のロータ翼側の端部の内径を径とする環状体の側面の面積と等しいかあるいは小さいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のターボ分子ポンプ。



  4. ポンプケーシング内に回転自在に軸支されたロータ翼を有するロータと、
    前記ロータ翼間に固定された多段のステータ翼を有するステータとを備えるターボ分子ポンプにおいて、
    前記ロータの吸気口側の端部面の中央部分に凹部を備え、
    前記ポンプケーシングの吸気口側の周端部に、吸気口側から前記凹部に向かって傾斜する傾斜面を備え、
    前記傾斜面の先端部とロータの吸気口側の端部面との間に隙間を有することを特徴とする、ターボ分子ポンプ。
  5. 前記凹部は、吸気口側の端部の径が内部壁面の径よりも小径であることを特徴とする、請求項4に記載のターボ分子ポンプ。
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