JP5462537B2 - アモルファス金属複合体およびその製造方法 - Google Patents

アモルファス金属複合体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アモルファス金属複合体およびその製造方法に関する。
本願は、米国特許出願第60/131,973号に基づく優先権を享受する。
金属ガラスは局所的な剪断変形帯の形成により変形し、壊滅的な破壊に至る。
金属ガラス試料に平面応力状態で荷重負荷すると単一の支配的な剪断変形帯で変形し、非弾性挙動はほとんど示さない。金属ガラス試料を拘束形状(平面歪み)で荷重負荷すると多数の剪断変形帯が生成して弾性/完全塑性型の変形挙動を示す。多数の剪断変形帯が観察されるのは、一軸圧縮、曲げ、絞り、および局所押圧等の機械的拘束によって壊滅的な不安定破壊が回避された場合である。金属ガラスにおける剪断変形帯の形成を説明する多数のモデルが試みられているが、現在これらのモデルでは実験事実を十分に説明できていない。
新たな種類の延性金属強化バルク金属ガラスマトリクス複合材料が作製されており、機械的性質の向上が見出されている。この新たに設計された工業材料は、靭性が向上し、破壊に至るまでの塑性歪みが大きい。この新材料は、構造用(航空宇宙用、自動車用等)として設計されたものであるが、装甲用としても期待されている。
本発明は、アモルファス金属マトリクス中に結晶質の延性金属粒子を含有させた複合材料の製造方法を提供する。合金をその融点すなわち液相線より高温に加熱する。高温の溶湯から冷却すると、合金は濃度分配を生じ、すなわち液相から結晶質相が核発生および成長する部分的結晶化が起こる。残留液相はガラス転移点(固相線と考えられる)より低温に冷却された後に凝固してアモルファス(非晶質)すなわちガラス状態になり、アモルファス金属マトリクスすなわちバルク金属ガラスマトリクス中に結晶質粒子(すなわちデンドライト)が存在する2相組織が形成される。
この技術を用いて、どの方向の寸法も1mmより大きいアモルファス金属複合体を製造することができる。この複合体は、アモルファス合金から成る実質的に連続したマトリクスと、このマトリクス中にある延性金属の第2相とから構成される。例えば、第2相は、主柱長さが30〜150μm、隣接アーム間隔が1〜10μm、より一般的には約6〜8μmの二次アーム(枝柱)を持つ結晶質金属のデンドライトから成る。
望ましい態様においては、第2相は、初期組成がジルコニウム:52〜68原子%、チタン:3〜17原子%、銅:2.5〜8.5原子%、ニッケル:2〜7原子%、ベリリウム:5〜15原子%、およびニオブ:3〜20原子%である溶融合金からその場生成によって形成される。ニオブに替えて、あるいはニオブに加えて含有できる他の金属は、タンタル、タングステン、モリブデン、クロムおよびバナジウムから成る群から選択される。これらの元素は、Ti基合金およびZr基合金のbcc対象結晶構造を安定化する作用がある。
図1は、模式的な2元状態図である。 図2は、組成分配により複合体を製造するための典型的な合金系の擬2元状態図である。 図3は、Zr-Ti-Cu-Ni-Be合金系の擬3元状態図である。 図4は、組成分配によるその場生成複合体の典型的なSEM顕微鏡写真である。 図5は、上記複合体に歪みを付与した後の状態の典型的な顕微鏡写真である。 図6は、上記複合体を圧縮した際の応力-歪み曲線である。 図7は、配向組織を持つ複合体を形成するための技術を示す模式図である。
発明の説明
バルク金属ガラスは低冷却速度(例えば約10K/sec未満)で顕著なガラス生成能力を発揮するので、その場生成法すなわち濃度分配によってバルク金属ガラスマトリクスを有し延性金属で強化した複合体が製造できる。金属ガラスマトリクス中に延性金属相が存在することによって、金属ガラスマトリクス内に多数の剪断変形帯を生成させることができる拘束状態が生じる。これによって亀裂成長が安定化し、複合体が破壊に至るまでの歪み量を拡大する。すなわち、化学組成および処理条件を制御することにより、液体状態からの冷却により安定な2相複合体が得られる。
濃度分配によりアモルファス金属複合体を製造するために、基本組成としては、液相から実用的な冷却速度で冷却したときにそれ自体がアモルファス金属を生成しないものを用いる。その代わりに、この組成に、液相からの冷却時にガラス相を生成する元素を合金成分として加える。
バルク状態のガラスを形成する合金系で特に注目されるものが、アメリカ合衆国特許第5,288,344号に記載されており、本願においてはその内容を参照している。例えば、結晶質の強化相とアモルファスマトリクスを有する複合体を形成する際に、ガラス形成組成であるジルコニウム-チタン-銅-ニッケル-ベリリウム合金にニオブを添加する。この組成の合金を溶解して均質にする。溶融した合金をこの組成についての液相線と固相線との間の温度範囲に冷却すると、濃度分配によって、結晶質の固相である延性金属デンドライトと、これとは組成の異なる液相とが生成する。結晶質固相の成長に伴い液相中の金属濃度が低下すると、液相の組成は、低い冷却速度でバルク金属ガラスを生成する組成に移行する。
残留している液相の冷却が更に進行すると、上記の結晶相の周りにアモルファスマトリクスが生成する。
本発明に適した合金は、状態図の液相線および固相線がいずれも少なくとも1箇所に、垂直または傾斜していて温度一定でない部分がある。
一例として、図1に示すように、A-B2元合金の状態図において、共晶点があり、一方の金属Aが他方の金属Bに対して溶解度を持つ場合を考える。このような合金系では、状態図中に共晶温度での水平線すなわち温度一定の固相線があって、この線がB端から延びて、A-B固溶体とBとが平衡している点に達している。固相線はこの平衡点から上方へ傾斜してAの融点に至る。この状態図の液相線は、Aの融点から上記固相線の水平部分にある共晶組成点に達した後、Bの融点に至る。このように固相線には温度一定でない部分(Aの融点から共晶点まで)がある。Bの融点から共晶温度までの垂線は、AがBに固溶しない固相線と考えることもできる。同様に、液相線には温度一定でない傾斜部分がある。3元合金の状態図の場合は、固相線・液相線に対応するものを固相面・液相面とも呼称する。
本発明に適した2元合金および3元合金は現在のところ未知である。本発明に適した合金は4元系、5元系、あるいは更に複雑な多元系である。このような多元系の状態図を視覚化することは非常に困難であるが、液相面あるいは固相面に対応するものがやはり存在する。多元系は、擬2元系状態図および擬3元系状態図を用いて表すことができるが、これらの状態図では一つ辺あるいは一つのコーナーがそれ自体で一つの元素ではなく一つの合金を表している。
ここで、本願における固相線は、例えば従来の結晶質金属の状態図における固相線と全く同じものではない。本願中の用語としては、金属液相と金属固相との境界を画定する線(あるいは面)を固相線と呼称する場合がある。この用語法は、液相と、マトリクス中に埋め込まれる相を構成する結晶質の固相との間の境界を指すのに適している。ガラス相を形成する残留溶湯部分については、「固相線」は典型的には明確に規定された温度ではなく、合金の粘性が十分に高くなって合金が剛体または固体と考えられる温度である。正確な温度を知ること自体は重要でない。
合金組成の選定を考える前に、擬2元合金系における分配現象を説明する。図2に、合金Mと、ガラス相形成傾向が強くて実用的な冷却速度でアモルファス金属を生成する組成の合金Xとの擬2元状態図を示す。図中、左辺が100%Mで、右辺が100%Xである。上の方の緩い曲線はこの合金におけるMの液相線であり、左辺寄りにある急峻な曲線はMの固相線であり、Xは体心立方M合金への固溶度をある程度持っている。液相線の下方に位置しているほぼ水平な線はアモルファス合金の実質的な固相線である。中央にある垂線は、バルクガラス合金形成傾向の強い組成に対して過剰のMを含有する任意の合金を示す。
この合金を液相から冷却すると液相線に出会い、液相線から水平に引いた線が固相線と交わった点の組成を持ったbcc構造のM(V1のうちの幾つかの成分、主としてチタンおよび/またはジルコニウムが固溶している)が析出し始める。冷却が更に進行すると、M結晶のデンドライトが成長して液相中のM濃度が低下し、液相の組成は傾斜した液相線に沿って変化する。このようにして濃度分配が起きて、M濃度の高いbcc結晶相と、M濃度の低い液相とが生成する。
図2において、任意の処理温度Tでは、固相M合金の割合は距離Aに対応しており、残留する液相の割合は距離Bに対応する。すなわち、概ね1/4が固相デンドライト、3/4が液相である。Tより若干低い処理温度Tでの平衡状態では、概ね1/3が結晶質の固相、2/3が液相である。
この合金を最初の高い方の温度Tまで冷却して、そこで平衡に達するまで保持してから急冷すると、約1/4がbcc合金粒子となって、Tでの液相線に対応する組成のバルク金属ガラスマトリクス中に分散した複合体ができる。固相線より上方での保持温度を変えることによって結晶相とアモルファス相との割合を変えることができ、例えば、T2で保持すれば延性金属粒子の割合が増える。
状態図に表されている平衡に達するように冷却および保持を行うのではなく、溶湯から固体状態まで連続して冷却する方が一般的であろう。アモルファス金属マトリクス中の延性金属デンドライトの形態、割合、寸法、間隔は冷却速度の影響を受ける。概略的には、冷却速度が速くなるほど結晶デンドライトの核発生および成長のための時間が短くなるので、寸法は小さく、間隔は大きくなる。デンドライトの配向は、凝固中の局所的な温度勾配の影響を受ける。特定の合金について望みのデンドライトの形態と割合を実現するための望ましい冷却速度は、若干の実験を行えば見出すことができる。
例えば、アモルファスマトリクス中に結晶質の強化相が存在する機械的性質の優れた複合体を製造するには、Zr-Ti-M-Cu-Ni-Be系においてMをNbとしてバルク金属ガラス生成傾向を高めた組成を用いる。図3は擬3元系状態図であり、各頂点はそれぞれチタン、ジルコニウム、Xを表し、XはBCuNiである。この図を参照して合金選定の例を説明する。図中の小さい円は、バルクのガラス生成合金の望ましい組成である42%Zr、13%Ti、45%Xの近傍にある。
この合金系において、結晶質金属粒子がアモルファスマトリクス中に分散している有用な複合体を設計するには、2つの方法がある。第1の方法は、Zr-Ti-Cu-Ni-Be系における金属ガラス形成組成の化学組成を系統的に操作する方法である。第2の方法は、Zr-Ti-Cu-Ni-Be系における良好なバルク金属ガラス形成組成に純金属または合金を添加した混合物である化学組成を作成することである。
第1の方法:バルク金属ガラス形成組成の系統的操作 優れたバルク金属ガラス形成組成として下記の化学組成を見出した:(Zr75Ti255545=Zr41.2Ti13.8Cu12.5Ni10Be22.5、(単位:原子%)。この組成を記号V1と表示する。この合金組成はZrとTiとの比率が75:25であり、状態図中で大きい楕円形の中に小さい円で表示してある。
組成V1の周囲には、実用的な冷却速度で液相から冷却したときにバルク金属ガラス(どの方向の寸法も1mmより大きい)を形成する化学組成の大きな領域が広がっている。このバルクガラス形成領域(GFR)を図3中にGFRで示した。この領域内の化学組成を持つ液相を冷却すると、ガラス点移転より低温まで冷却すれば完全なアモルファスになる。
この擬3元状態図には、バルク金属ガラス形成能力を制限する結晶質または擬結晶質の共存相が多数存在する。GFR内ではこれらの相は不安定になり、液相を溶融状態から冷却する際のガラス化を阻止することがない。しかし、GFR外の組成の場合は、高温の液体状態から冷却する際に、液相中で濃度分配が生じる。合金組成が適正であれば、延性金属結晶相がアモルファスマトリクス中に存在する良好な複合工業材料が生成する。GFR外には、脆性結晶相がアモルファスマトリクス中に存在する複合材料となってしまう不適当な合金組成が存在する。
脆性結晶相が存在すると、得られる複合材料の機械的性質が非常に劣化する。
例えば、大きいGFR楕円領域の右上方向には、その縁部に部分的に重複する形で、小さい楕円形領域があり、この領域内の合金を液相から冷却すると脆性CuZrTiが生成し得る。これは脆化の原因になるので、本発明には適さない。図示した擬3元状態図において、これらの領域は本発明の説明のために概略的に示したものである。
大きいGFR楕円領域の左上に示した小さい円形領域は、やはり脆化の原因になる擬結晶相が形成する領域である。上方にある部分的に楕円形の領域は、NiTiZrラーベス相が形成する領域である。Zr-Xの辺上にある小さい三角形の領域では、金属間化合物であるTiZrCu相および/またはTiCu相が形成する。それぞれ70%Xの近傍にある小さい各領域では、ZrBe金属間化合物相および/またはTiBeラーベス相が形成する。Zr-Tiの辺に沿ってα型およびβ型のZrまたはZr-Ti合金が存在し得る。
機械的性質の優れた複合材料を製造するために、延性の第2相をその場(in-situ)生成させる。そして、擬3元状態図に示した脆性第2相の領域を回避する。これにより残されるほぼ3角形の領域がZr42Ti1444の円形から左上方向にあり、この領域では、もう一つの金属Mをジルコニウムおよび/またはチタンに代えて用いることで望みの性質を持った複合材料を得ることができる。
これについてはチタンに代えてニオブを用いて調べた。
図3に、Zr-Tiの辺上の25%Tiに向かって点線が引いてある。この点線上の一連の組成(Zr100−xTix−z100−y((Ni45Cu55))50Be50)y、〔ここでM=Nb、X=25〕、において、zの増加は元の組成75:25に対してTiが減少することを意味する。大きい楕円領域内にある点線上の組成は、良好なバルクガラス形成合金である。この楕円外では、ジルコニウム濃度の高い延性デンドライトが、アモルファスマトリクスを持つ複合材料中に形成される。この延性デンドライトは濃度分配により広い範囲のz値およびy値に対して生成する。
例えば、z=3、y=25の場合、β相が生成する。β相は、y値が約25のときに、z=13.3からz=20までの範囲で生成することを確認した。Mがニオブのときに、この75:25の点線上でz=5からz=10の範囲で(最適組成はz=約6.66)優れた機械的性質が得られることを見出した。
ただし、75:25の点線上で、ベリリウムが約5%未満、すなわちyが10未満になってはならない。これ未満では、アモルファス相がほとんど残らず、合金はほぼデンドライトのみから成り、複合材料としての望ましい性質が得られない。
一連の合金として、(Zr100−xTix−z)Xを考える。ここでMはTi基合金またはZr基合金中で結晶質β相を安定化する元素であり、Xは前述と同様である。良好な機械的性質を備えたその場生成バルク金属ガラスマトリクス複合材料を製造するには、高温の液相からの冷却時に優先的に核発生する結晶質の第2相が延性相であることが重要である。その場生成バルク金属ガラスマトリクス複合材料で優れた機械的性質を発揮する一例は、(Zr75Ti18.34Nb6.667525、すなわちM=Nb、z=6.66、x=18.34、y=25の合金である。これは図3の点線上の組成である。
この組成についてのX線回折パターン上のピーク(図4のSEM顕微鏡写真中に表示)から、存在する第2相は体心立方(bcc)相あるいはβ相の結晶対称性を持つこと、X線パターンはβ相のみによるものであることが分かる。Nelson-Riley外挿法で求めたβ相の格子定数はa=3.496オングストロームである。このように、高温の液相からの冷却時に、この合金は結晶質の延性金属相の核発生と成長によって部分的に結晶化する。その後、残留する液相が凝固してガラス状態の相が生成し、その結果、アモルファスマトリクス中にβ相のデンドライトが存在する2相組織が形成される。最終的に得られた試料を化学エッチングしたミクロ組織のSEM像を図4に示す。
SEM中でのEPMA分析によると、β相デンドライト(図4中の明るい相)の平均組成はZr71Ti16.3Nb10Cu1.8Ni0.9であった。
合金中のベリリウムが全てマトリクスへ分配されたと仮定すると、アモルファスマトリクス(暗く見える相)の平均組成はZr47Ti12.9Nb2.8Cu11Be16.7である。EPMA分析の結果、実験誤差(約±1原子%)の範囲で、2つの相内において組成変動はなかった。
走査型示差熱分析によって残留部分のアモルファスマトリクスの結晶化の熱量を完全アモルファスの試料と比較すると、2つの相のモル分率(および体積分率)が直接求められる。それによると、β相が約25体積%、アモルファス相が約75体積%であった。この結果はSEM像での面積測定の結果と良く一致した。
図4のSEM像から、β相のデンドライト組織が良く発達していることが分かる。このデンドライト組織の性状は、初晶デンドライト柱の長さが50〜150μmであり、半径が1.5〜2μm程度である。初晶デンドライトより若干細い二次デンドライトアームが間隔約6〜7μmで規則的に配列している。このデンドライト「樹」は非常に均一で規則的な組織である。凝固中の局所的温度勾配の方向にデンドライト成長が起こることから予測されるように、デンドライト柱には試料全体に渡るテクスチャが認められる。
その場生成したこの複合体中に存在するβ相の相対的な体積率は、化学組成と処理条件の制御によって大幅に変えることができる。例えば、図3の点線上にある合金群(Zr75Ti18.34Nb6.66100−y〔M=Nbの場合〕のy値を変えることによって、すなわち、遷移金属のうち周期律表で前半の元素(前半遷移金属)および後半の元素(後半遷移金属)の相対的な割合を変えることによって、ミクロ組織および荷重負荷時の機械的挙動が劇的に変化する。
点線上にある合金群以外の合金群について、Zr−Ti-M-Cu-Ni-Be系のその場生成複合体を作製した。これら付加的な合金群は、図3中の4元組成相領域を網羅するものである。この領域は、時計回りに、V1合金組成から引いた線(図示せず)から点線を通って擬3元状態図のZrコーナーを経て、V1合金組成から引いた線(図示せず)を通って擬3元状態図のTiコーナーに至るが、脆性結晶相、擬結晶相、ラーベス相がそれぞれ安定な各領域は除外する。
第2の方法:Zr-Ti-Cu-Ni-Be系における良好なバルク金属ガラス形成組成に純金属または合金を添加した混合物である化学組成の作成 濃度分配によるその場生成複合体を設計するもう一つの例として、以下の材料群を説明する。これらの合金は、バルク金属ガラス(BMG)を形成し易い組成と金属または合金との混合則によって作成する。この混合の公式は、BMG(100−x)+M(x)であり、M=NbのときにはBMG(100−x)+Nb(x)である。望ましくは、この形のその場生成複合合金を作成するには、まず金属または合金をBMG組成の前半遷移金属と溶解する。これにより、純金属Nbがアーク溶解でV1合金のZrおよびTiと合金化される。この合金をV1BMG合金の残りの成分:Cu、Ni、Beとアーク溶解する。この合金を高温の溶湯の状態から冷却すると、β相対称性を持つほぼ純粋なNbのデンドライトが液相から核発生および成長する部分的結晶化が起こる。その後、残留液相が凝固してガラス相となって、Nb濃度の高いβ相デンドライトがアモルファスマトリクス中に存在する2相組織が形成される。
バルク金属ガラスを形成し易い組成(Zr41.2Ti13.8Cu12.4Ni10.1Be22.5)よりも約25原子%Nbが過剰な合金組成を用いると、液相から液相線と固相線との間の領域を通る冷却時に結晶質の延性ニオブ合金が生成する。このデンドライトの組成は約83%(原子%)ニオブ、約8%チタン、約8.5%ジルコニウム、約1.5%(銅+ニッケル)である。この組成になるのは、bcc相デンドライトが約1/4、アモルファスマトリクスが3/4の割合の場合である。V1合金にタンタルのみを添加した場合にも、同様の挙動が観察される。ニオブ、タンタル以外に、複合体をその場生成する組成中の添加金属元素としては、モリブデン、クロム、タングステン、バナジウムがある。
分配現象を利用すれば、デンドライトの割合が少なくアモルファスマトリクスの割合が多いものから、デンドライトの割合が多くアモルファスマトリクスの割合が少ないものまでが得られる。この割合は、結晶相を安定化する金属の量を変えることで容易に変えることができる。例えば、ニオブの割合を大きくして、バルク金属ガラスを形成し易い合金の他の元素の総量を少なくすれば、ガラスマトリクス中の結晶質粒子の割合を増大できる。
2相複合体を形成し、第3相の生成を回避することが重要である。金属間化合物相、ラーベス相、擬結晶相は複合体の機械的性質を大きく劣化させるので、これらが第3相として生成することを回避することは明らかに重要である。
第3相すなわち脆性相の粒径を0.1μm未満にして、本発明の良好な複合体を得ることは可能である。このように小さい粒子であれば、剪断変形帯の形成に対する影響を最小限にでき、機械的性質に対する影響をほとんど無くすることができる。
ニオブ濃度の高いZr-Ti-Cu-Ni-Be系においては、溶湯からのデンドライト生成により得られる組織は、β相(bcc)構造を持つ安定な結晶質のZr-Ti-Nb合金がZr-Ti-Nb-Cu-Ni-Beアモルファス金属マトリクス中に存在する組織である。この延性結晶質金属粒子はアモルファス金属マトリクス中に分散しており、マトリクスに対して固有の幾何学的な拘束を及ぼし、荷重負荷時に多数の剪断変形帯を発生させる。
全体の平均組成がZr56.25NbTi13.76Cu6.875Ni5.625Be12.5である本発明のその場生成複合材料から、サブサイズのシャルピー試験片を作製した。そのシャルピー衝撃値は、バルク金属ガラスマトリクスだけの値に比べて250%の大きさであり、前者が15ft-lb、後者が6ft-lbであった。曲げ試験の結果、破断までの塑性歪みは約4%と大きかった。この曲げ試験時に発生した多数の剪断変形帯は約8μmの周期的な間隔を持っており、この周期はβ相デンドライトの形態および間隔によって決められていた。冷却速度を速くして鋳造した板の場合、曲げ破断までの塑性歪みは約25%であった。試料は180°曲げが可能であった。
図5に示したように、歪み付与後の試験片には、アモルファス金属マトリクス相と延性金属デンドライト相の両方を横切る剪断変形帯が観察された。剪断変形帯の方向は両相で若干異なっており、これは機械的性質の違いと、恐らくはデンドライト相の結晶方位によるものである。
上記の剪断変形帯パターンは広い範囲の歪み速度で生じる。マトリクスとデンドライトとを横切る剪断変形帯が形成した試験片は、歪み速度を約10−4〜10−3/秒とした準静的な荷重負荷で試験したものである。シャルピー衝撃値が劇的に向上していることから、10/秒以上の歪み速度でも同じメカニズムが働いていることが分かる。
圧縮荷重で試験した試験片は、破断までの歪みが8%オーダーの大きな値であった。図6に示したように、典型的な応力-歪み曲線には、弾性-完全塑性型の圧縮挙動が現れており、弾性歪み約1%で塑性変形が開始し、ヤング率は約106GPaであった。弾性限を超えた領域では、応力-歪み曲線の傾斜m=dσ/dεは約106GPa/単位歪み>0であり、dσ/dε>0であることから、かなりの加工硬化が起きていることが分かる。バルク金属ガラスの場合は、この挙動は観察されず、弾性限を超えた領域で加工軟化するのが普通である。この試験は、アモルファス金属単相が壊滅的な破壊をする試験片に限らずに行った。この圧縮試験においては、荷重軸に対して約45°傾斜した面で破断が生じた。この挙動はバルク金属ガラスマトリクスの破断モードに類似している。冷却速度を速くして作製し、デンドライトの寸法が小さい板材では、引張試験で約20%の歪みで破断した。
上記の高Zr合金に比較して高Tiにした、バルクガラス形成し易い合金を設計することもできる。例えば、Zr-Ti-M-Ni-Cu-Be合金系において、ガラス生成に適した組成は、(Zr100−xTi100−y((Ni45Cu55))50Be50において、x=5〜95、y=10〜30、z=3〜20として、Mを、ニオブ、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、バナジウムから成る群から選択する。他の元素を添加あるいは上記の元素をより多量に添加し、溶湯からの分配によって延性第2相がアモルファスマトリクス中に埋め込まれた組織を形成することもできる。
実験結果によれば、化学組成および/または処理条件によってβ相の形態および間隔を制御することができる。これによって、例えば破壊靭性や高サイクル疲労といった性質を大幅に向上することができる。その結果、従来のバルク金属ガラス材料よりも優れた材料が得られる。
従来の延性金属強化バルク金属ガラスマトリクス複合材料では、シャルピー値や破断までの歪みを大幅に向上できなかった。少なくともその一因は、バルク金属ガラスマトリクス中に機械的に導入した第2相粒子の寸法および分布であった。本発明のその場生成複合材料で見出された大きな向上は、デンドライトの形態、粒径、粒子間隔、周期性および延性β相の体積割合によって発揮される。このデンドライト分布に基づく幾何学的な拘束によって、剪断変形帯の密度が高まり、それによって塑性歪みが大きくなる。
向上のもう一つの要因として、延性金属ベータ相とバルク金属ガラスマトリクスとの界面の品質がある。本発明の複合材料においては、この界面が化学的に均質であり、自動的に鮮鋭になっており、第3相を含まない。すなわち、界面の両側にある材料が溶湯から濃度分配によって生成しているため化学的に平衡状態にある。このように界面が清浄であるため、粒子/マトリクス界面が等歪み状態になっていて、それにより変形が安定化して剪断変形帯がβ相粒子を貫通して伝播できる。従来の複合体は、延性耐熱金属のワイヤまたは粒子をガラス形成合金のマトリクス中に埋め込むことによって作られていた。界面は不均質であり剪断変形帯が通過できなかった。
アモルファス金属に対してその場生成複合材料の機械的性質が最も向上するのは、アモルファスマトリクス中に分散している延性結晶質相に、それ以上の歪み増加には大きな応力を必要とする生来の歪み限界が備わっている場合である。これは、応力誘起マルテンサイト変態を生ずる組成または加工双晶を生ずる組成に見られる。マルテンサイトの場合は、粒子が変態誘起塑性を生じ、剪断変形には変態がそれ以上起きない歪み限界がある。アモルファス相の剪断変形帯が延性粒子に出会ったところで双晶が一旦起きると、歪みを付与された材料は簡単には変形せず、歪みを更に付与するには応力を大きくする必要がある。
このように、ガラスマトリクス中に存在する延性金属相に応力誘起マルテンサイト変態する性質があることが望ましい。延性金属粒子が変態誘起塑性を生じるための応力レベルは、マルテンサイト変態および双晶のいずれの場合も、アモルファス金属相の剪断強度以下である。
延性粒子はfcc、bcc、hcpのいずれかの結晶構造を有することが望ましく、これらのどの結晶構造においても、全てのfcc、全てのbcc、全てのhcpではないが、応力誘起塑性を発揮する組成が存在する。他の結晶構造は脆性であるか、あるいは脆性組織へ変態するので、アモルファス金属マトリクス複合体の強化には適さない。
濃度分配という新しい概念は、多くのバルク金属ガラス形成系すなわち延性金属相がバルク金属ガラスマトリクス中に存在するその場生成法により形成した複合体にある普遍的な現象であると考えられる。例えば、同様の機械的挙動の向上が、(Zr100−xTix−z100−x(X)の材料で認められ、ここでXはバルク金属ガラスの生成を起こす後半遷移金属の組合せであり、この合金のXにはBeは含まない。
結晶質相が延性相であって剪断変形帯が通過できることが重要である。アモルファスマトリクス中の第2相が本来的に脆性である規則金属間化合物またはラーベス相などであると、複合材料には延性がほとんど生じない。粒子が延性変形することは、剪断変形帯の発生および伝播にとって重要である。ここで、粒子内の延性材料は加工硬化し、この加工硬化は焼鈍で緩和できるが、アモルファス相が消失するガラス転移温度を超えてはならない。
結晶質相のデンドライトの粒径は分配時にも制御できる。液相線と固相線との間の領域をゆっくり冷却すると、溶湯中に核発生サイトはほとんど発生せず、比較的大きい粒子が生成する。一方、液相線より高温の完全に溶融した状態から処理温度までを急速に冷却した後、この処理温度で平衡状態の近くまで保持すると、核発生サイトが多数発生し、粒径は小さくなる。
固相中の粒径と粒子間隔の制御は、液相線と固相線との間の領域での冷却速度、および/またはこの領域内の処理温度での保持時間で制御できる。これを短期間にして過剰の結晶成長を防止することができる。結晶相へ分配される元素の添加も、結晶相の粒径制御に役立つ。例えば、ニオブ添加量を増加すると、明らかに核発生サイトが増加して生成粒子が微細化する。これによりアモルファス相の体積分率は実質的に変化せず、単に粒径と粒子間隔が変化する。一方、合金の急冷開始温度となる液相線/固相線間の温度を変えることで、結晶とアモルファス相の体積分率を制御できる。延性結晶相の体積分率は約25%が最適である。
一例として、溶湯から生成する固相の組成は、ジルコニウム:67〜74原子%、チタン:15〜17原子%、銅:1〜3原子%、ニッケル:0〜2原子%、ニオブ:8〜12原子%である。この組成は結晶質であり、実用的な冷却速度ではアモルファス合金を形成しない。
残留部分である液相の組成は、ジルコニウム:35〜43原子%、チタン:9〜12原子%、銅:7〜11原子%、ニッケル:6〜9原子%、ベリリウム:28〜38原子%、ニオブ:2〜4原子%である。この組成は、十分な急冷でアモルファス合金を形成する範囲内である。
液相線と固相線との間の領域を50K/秒未満の推定速度で冷却すると、初晶柱長さ約50〜150μmの延性デンドライトが生成する。(冷却は水冷銅るつぼ内で厚さ1mmの試料を片面から行った。)このデンドライトは、幅約4〜6μm、アーム間隔約6〜8μmの二次アームが良く発達している。この材料を圧縮試験すると、約7μmの等間隔で配列した剪断変形帯が観察された。このように、剪断変形帯間隔はデンドライト二次アーム間隔に対応している。
推定100K/秒以上に冷却速度を上げて鋳造すると、デンドライトは明らかに小さくなっており、主柱長さが約5μm、二次アーム間隔が1〜2μmであった。このデンドライトは通常見られる樹枝状ではなく、むしろ薄片状であった。
遅い冷却速度の複合体に比べて、デンドライトは均一性が低く、複合体中に占める体積割合が少ない(約20%)。(冷却は厚さ3.3mmの試料の両面から行った。)この複合体は、デンドライトが大きくて間隔が広い複合材料に比較して、剪断変形帯の密度が高い。前述の複合体では体積の約4〜5%が剪断変形帯であったが、この「細粒化」複合体では2〜5倍の密度であった。すなわち、後者の複合体では、変形した金属の量が多く、これは破断までの歪み量が多いことでも示される。
初晶デンドライトの方向は、凝固中の局所的な温度勾配で決まる。冷却の進行に伴い、デンドライト主柱は温度勾配に沿って、すなわち低温部で核発生し高温部に向かって伸びる。二次アームは主柱に対して横方向に生成し、一般に低温部から遠ざかる向きに傾斜している。言い換えると、このデンドライトは矢羽状であり、先端が抜熱方向を向いている。
荷重負荷時に形成する剪断変形帯の一つ一つはデンドライトの主柱方向に伝播して二次デンドライトアームを横切る。これらの変形帯が形成する各平面はデンドライト主柱に沿っている。このように、デンドライトの方位が複合体中の歪みの方向と破断の方向に影響する。したがって、デンドライトの方位を制御することで歪みと破断の方向を制御することができる。
外部荷重の方向も剪断変形帯の方向に影響し、デンドライト主柱方向への伝播傾向に優先することがある。剪断変形帯の伝播の仕方を知ることで、デンドライトの形態すなわちその方位のみでなく寸法を適切に制御して、臨界的な応力の領域における複合体の性質を向上させるように設計することができる。
本願における用語として、粒径あるいは粒子間隔について述べる際は、デンドライトの二次アームの幅と間隔を指す。デンドライト組織が存在しない場合については、粒径は通常通りの意味であり、球形あるいはほぼ球形の粒子の平均直径を指す。アモルファスマトリクス中に延性金属のアシキュラー組織またはラメラー組織を形成することも可能である。これらの組織の幅も粒径と考える。ここで、デンドライト二次アームの幅は均等ではなく、主柱直近の広幅端部から点状あるいは若干丸い自由端部に向かって延びている。したがって、「幅」は両端部の間の剪断変形帯が通る領域での値である。同様に、アームは基部が広幅なので、アーム間隔も基部では狭く先端に向かって広がっている。剪断変形帯は、幅と間隔が同程度である領域を優先的に通って伝播するように見える。もちろんデンドライトは三次元構造であり剪断変形帯は程度の差こそあれ平面状であるから、上記の説明はあくまでも近似的なものである。
粒子間隔とは、中心間距離の意味であり、本明細書中で文脈上、端部間距離であると読める箇所についても同様である。
粒径制御のもう一つの手段は、溶湯中に人為的な核発生サイトを分散させることである。そのために、適当な結晶構造を持った微細なセラミック粒子等の、溶湯に溶解しない物質を用いることができる。攪拌により核発生とデンドライト成長に影響を及ぼすこともできる。冷却速度制御は再現可能でかつ容易なので、望ましい。
アモルファス金属マトリクス中の延性金属第2相が粒径約0.1〜15μmであると複合材料の機械的性質が向上すると考えられる。粒子が100nm未満であると剪断変形帯が粒子を実質的に避けて通れるので、機械的性質に対してほとんどまたは何ら効果がない。粒子が大きすぎる場合は、延性金属が主体となってしまい、アモルファスマトリクスの望ましい性質を実質的に発揮できない。粒径は0.5〜8μmが望ましく、この範囲で最良の機械的性質が得られる。結晶相の粒子が小さすぎて剪断変形帯の幅より小さくなると効果は少なくなる。粒子は剪断変形帯の間隔より若干大きいことが望ましい。
隣接粒子間隔は0.1〜20μmとする。連続したアモルファスマトリクス中の延性金属強化相をこの範囲の間隔とすれば、約10−4〜10−3/秒の歪み速度で、複合体中の変形を受けた体積全体に渡って剪断変形帯が均一に分布する。複合体として機械的性質を最良にするためには粒子間隔は1〜10μmが望ましい。
アモルファスマトリクス中の延性金属粒子の体積割合も重要である。機械的性質を最も向上させるには、延性粒子は5〜50体積%であることが望ましく、15〜35体積%であることが最も望ましい。延性結晶質金属相の割合が少なすぎると、性質に及ぼす効果が小さくなって、アモルファス金属相の性質はほとんど向上しない。一方、この第2相の割合が多すぎると、その性質が支配的になってしまい、アモルファス相の有用な性質を活かせない。
しかし、場合によっては、アモルファス金属相の体積割合を50%未満とし、マトリクスを不連続相としてもよい。その場生成した結晶質金属の体積割合の方が大きくなるが、その応力誘起変態を体積割合が小さい方のアモルファス金属が調整して、複合体として望ましい機械的性質を得ることができる。
延性金属質結晶相の寸法および間隔は、約100〜500μmの幅を持つ剪断変形帯を均一に分布させるようにすることが望ましい。典型的には、複合体が歪みを付与されて破断するまでに少なくとも約4体積%の剪断変形帯が形成される。延性は剪断変形帯内にある材料の体積%と関係するので、剪断変形帯同士の間隔は小さい方が望ましい。そのため、材料が破断するまで歪み付与されたときの剪断変形帯間隔は約1〜10μmであることが望ましい。剪断変形帯間隔が約1/2未満であるか、あるいは約20μmを超えると、粒子による靭性向上効果がほとんど得られない。剪断変形帯間隔は剪断変形帯幅の2〜5倍程度が望ましい。剪断変形帯間隔が剪断変形帯幅の20倍まで大きくなると、多くの用途にとって十分な延性と靭性を備えた工業材料が得られる。
一例として、剪断変形帯の密度が材料体積の約4%である場合、歪み速度約10〜10/秒のシャルピー型試験で破断までの変形のエネルギーは23ジュールと見積もれる。この見積もりに基づくと、剪断変形帯密度を材料体積の30体積%まで高めれば、変形のエネルギーは約120ジュールに増加する。
また、結晶相がアモルファス金属とほぼ同じ弾性係数を持つことも望ましい。
それによって剪断変形帯の分布は実用上均一になる。結晶金属相の弾性係数がアモルファス金属合金の弾性係数の50〜150%の範囲にあることが望ましい。
粒子の弾性係数が大きすぎると、粒子とアモルファスマトリクスとの界面に大きな応力差が生じて歪み付与時に破断してしまう。弾性係数の大きい粒子は複合体が歪み付与されたときにマトリクスから脱落することがある。
ミクロン単位より寸法の大きい物を作製するのに適した合金については、液相線/固相線間領域からの冷却速度は1000K/秒未満が望ましい。ガラス形成合金の結晶化を回避する冷却速度は1〜100K/秒が望ましい。適用可能なガラス形成合金を特定するために、1mm以上の層を形成できる能力のものを選択した。言い換えると、アモルファス金属マトリクスを有する対象物の寸法は最小部位で1mm以上とする。
図7に、アモルファスマトリクス中の延性金属相を濃度分配により形成する際のデンドライト組織の方位を制御する技術を模式的に示す。この実施形態においては、細長い部材の一端から一方向凝固をさせるように温度勾配制御を行い、既に生成しているデンドライトと同様な方位に新たなデンドライトが生成するようにした。このプロセスは、活性な材料を酸化等の汚染から保護するために真空チャンバ11内で行う。細長い容器12は、例えば石英管であり、真空チャンバ内に鉛直方向に配置されており、真空チャンバ内を徐々に降下させるための供給機構13に取り付けられている。この管は、管内の合金を融点より高温に加熱する無線周波誘導コイル14を通って降下する。
その後、管は1つ以上の冷却スリーブ15を通って降下し、このスリーブによって管および管内の合金から抜熱し、まず分配により溶湯から結晶質合金のデンドライトを析出させる。更に残留する溶湯を冷却して凝固させることにより、延性耐熱金属の粒子を取り囲むアモルファスマトリクスを形成する。得られた複合体には、管内にある金属の長さ方向に沿った一方向凝固により優先配向したデンドライトが形成されている。このデンドライトは、程度に差はあるが、デンドライト主柱の方向がほぼ揃っている。
必要なら、冷却スリーブの手前に更に加熱ゾーンを設けて、制御された速度でデンドライト生成が進行する処理温度に合金を保持することもできる。このようにすると、粒径、粒子間隔、周期性、方位の制御を、溶融ゾーンから冷却ゾーンまでの降下速度と、合金の液相線と固相線との間の中間温度での保持の両方で行うことができる。
溶湯からの冷却時の合金内の温度勾配を確保および制御するために他の技術を用いることもできる。例えば、金属全体を溶解しておき、得られた溶湯の異なる部位で、特に合金が液相線と固相線との間の温度領域を通過する部位で、一方向冷却を行って温度勾配を形成する。これは、選択した表面領域からのみ冷却を行い、例えば異なる表面領域で異なる速度で抜熱することにより、行うことができる。板状あるいはシート状の鋳造物の場合は、一面から優先的に抜熱して複合体組織内のデンドライトを選択的な配向をさせ、また、細長い物の場合は、端面から冷却して長て方向に配向させることができる。
これによって、複雑な形状の部材のデンドライト形態の制御を、合金の化学組成の制御のみによるのではなく、液相線と固相線との間の温度範囲での冷却速度および冷却方向によっても行うことができる。冷却速度を大きくすると、冷却方向の制御によって破断までの歪みを増加できるし、デンドライトの配向を複合体の性質を高める方向へ偏向できる。複合体を冷間加工例えば冷間圧延して望みのテクスチャを付与することもできる。
バルク金属ガラス形成合金にワイヤ、ウィスカー、粒子を機械的に添加しても、本発明の材料で得られる機械的性質の向上は得られない。従来、バルク金属ガラス合金への強化材の導入は、ガラス形成金属を溶解した後、溶融合金に強化材の粒片を導入することによって行っていた。あるいは、ガス加圧下で強化材粒片の成形体にガラス形成合金の溶湯を含浸させた後、冷却していた。
これらの方法はどちらも、荷重負荷時に多数の剪断変形帯が形成されるようにバルク金属ガラスマトリクスを十分に拘束するのに必要な第2相強化粒子の粒径および粒子間隔を確実に制御することができなかった。強化粒子とマトリクスとの界面が化学的に均質ではないため、内部エネルギーが高く、歪みの伝達作用が低かった。本発明の複合材料は、その場生成した2相組織、界面の均質性、デンドライトの形態、粒径および粒子間隔により、機械的性質が向上する。
溶湯の冷却過程で金属の濃度分配により複合体をその場生成する原理を用いて、二重複合体を形成できる。例えば、タングステンワイヤの束に本発明の合金から選択した合金の溶湯を含浸する。得られた含浸体をこの合金の液相線より低温かつガラス転移温度より高温の処理温度まで冷却する。この溶湯から結晶質金属相が生成し、それに伴い溶湯は成分元素の幾つかの濃度が低下する。次いで、十分な急冷を行い、上記金属相を取り囲むアモルファス金属マトリクスを形成する。これにより形成された複合体がマトリクスとなってタングステンワイヤを埋め込んでいる。同じ原理を用いて他の材料の束に含浸することができる。同様に、溶湯に強化相を攪拌導入してから、冷却して分配により析出相を形成し、更に冷却してアモルファスマトリクスを形成する。いずれの方法によっても、複合体から成るマトリクス中に強化金属が埋め込まれている3相複合体を形成できる。

Claims (39)

  1. どの方向の寸法も1mmより大きいアモルファス金属複合体であって、
    アモルファス合金から成るマトリクス、および
    該マトリクス中に埋め込まれた延性を有する金属粒子を含んで成り、隣接粒子間隔が0.1〜20μmである第2相、
    を含んで成り、
    該合金の組成が(Zr100−xTix−z100−y((Ni45Cu5550Be50であり、Mはニオブ、タンタル、タングステン、モリブデン、クロムおよびバナジウムから成る群から選択され、x=5〜95、y=10〜30、z=3〜20である、アモルファス金属複合体。
  2. 該第2相の粒子が粒径0.1〜15μmである請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  3. 該第2相の粒子が粒径0.5〜8μm、隣接粒子間隔1〜10μmである請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  4. 該第2相が、ジルコニウム:52〜68原子%、チタン:3〜17原子%、銅:2.5〜8.5原子%、ニッケル:2〜7原子%、ベリリウム:5〜15原子%、およびニオブ:3〜20原子%である初期組成を有する溶融合金からその場生成により形成される、請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  5. 該溶融合金の結晶化後の残留溶融部分が、該マトリクスと同じ組成を有する請求項4記載のアモルファス金属複合体。
  6. 該第2相がデンドライトを含む請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  7. 該第2相が、該アモルファス金属合金の50%から該アモルファス金属合金と等しい値までの弾性係数を有する延性を有する金属粒子を有する請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  8. 該アモルファス金属複合体が該第2相によって強化されている請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  9. 該第2相が0.1μmより大きい二次アーム間隔を有するデンドライトを含む請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  10. 該第2相が、二次アーム幅0.1〜15μm、隣接アーム間隔0.1〜20μmのデンドライトを含む請求項9記載のアモルファス金属複合体。
  11. 該第2相が、二次アーム間隔0.5〜8μm、隣接アーム間隔1〜10μmのデンドライトを含む請求項9記載のアモルファス金属複合体。
  12. 各デンドライトの配向が揃っている請求項11記載のアモルファス金属複合体。
  13. 複数の延性を有する該金属粒子が該マトリクス中に分散されており、該粒子は変態誘起塑性を示す請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  14. 該変態誘起塑性が、マルテンサイト変態または双晶変形による請求項13記載のアモルファス金属複合体。
  15. 該延性を有する金属粒子が、応力誘起マルテンサイト変態を生ずる請求項13記載のアモルファス金属複合体。
  16. 該延性を有する金属粒子が変態誘起塑性を生ずる応力レベルが該アモルファス合金マトリクスの剪断強度以下である請求項13記載のアモルファス金属複合体。
  17. 該粒子は粒径0.5〜15μmである請求項13記載のアモルファス金属複合体。
  18. 該延性を有する金属粒子は、0.1〜20μmの範囲の間隔で離散しており、該アモルファス相と該第2相との双方を横切っている剪断変形帯は個々の幅が100〜500nmである請求項13記載のアモルファス金属複合体。
  19. 該延性を有する金属粒子は、0.1〜20μmの範囲の間隔で離散しており、複合体の変形領域全体にわたる剪断変形帯が、歪み下での破断までに該複合体の4体積%以上となり且つ該アモルファス金属相および該第2相の両方を横切っている請求項13記載のアモルファス金属複合体。
  20. 該第2相は溶融合金からその場生成により形成されている請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  21. 該第2相が複合体の5〜50体積%を構成する請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  22. 該第2相が複合体の15〜35体積%を構成する請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  23. 該アモルファス金属合金が形成されるのに伴って、同じ溶融合金から化学的分配によって該マトリクス中に延性を有する金属の該第2相が形成される請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  24. 該第2相が、該アモルファス金属合金と該第2相合金から成る金属中に分布している核発生サイトからその場生成により析出した粒子を含む請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  25. 延性を有する結晶質金属の該第2相が該マトリクス中に埋め込まれており、該結晶質相の元素が該マトリクスの元素と共通であり、該マトリクスの元素が該結晶質相の元素と共通である請求項1記載のアモルファス金属複合体。
  26. 該第2相が、該アモルファス金属合金と該第2相合金とへ変化する溶融金属中に分布している核発生サイトからその場生成により析出した粒子を含む請求項25記載のアモルファス金属複合体。
  27. 該第2相がデンドライトを含む請求項25記載のアモルファス金属複合体。
  28. 延性を有する金属の該第2相が、該マトリクス中に埋め込まれたデンドライトを含んで成り、アモルファス金属の体積割合が50%未満である請求項25記載のアモルファス金属複合体。
  29. 下記の工程:
    合金を融点より高温に加熱する工程、
    該合金を液相線と固相線との間に十分な時間冷却して液相中に分散した粒径0.1〜15μmの延性を有する結晶質相を生成させる工程、および
    該合金を該液相のガラス転移点より低温に冷却して該結晶質相を取り巻くアモルファス金属マトリクスを形成する工程
    を含んで成り、
    該合金の組成が(Zr100−xTix−z100−y((Ni45Cu5550Be50であり、Mはニオブ、タンタル、タングステン、モリブデン、クロムおよびバナジウムから成る群から選択され、x=5〜95、y=10〜30、z=3〜20である、どの方向の寸法も1mmより大きいアモルファス金属複合体の製造方法。
  30. 該合金を、該ガラス転移点より低温に冷却する前に、液相線と固相線との間に保持する請求項29記載の方法。
  31. 該合金の組成は、1000K/secより遅い低速での冷却時にアモルファス金属を生成する範囲外の組成であり、かつ、該液相の組成は、1000K/secより遅い低速での冷却時にアモルファス金属を生成する範囲内の組成である請求項29記載の方法。
  32. 延性を有する結晶質相を形成する工程が、下記の工程:
    該溶融合金から、二次アーム間隔が0.1〜20μmであるデンドライトを生成させる工程、および
    該デンドライトの生成後に残留している溶融合金を冷却して該デンドライトを取り巻くアモルファス金属マトリクスを形成する工程
    を含んで成る請求項29記載の方法。
  33. 該合金を液相線と固相線との間の温度に冷却し、そして該合金を該液相線と該固相線との間に保持して液相中に分散した結晶質のデンドライト相を形成する請求項32記載の方法。
  34. 該デンドライトの組成が、Zr:67〜74原子%、Ti:15〜17原子%、Cu:1〜3原子%、Ni:0〜2原子%、およびNb:8〜12原子%であり、該液相の組成が、Zr:35〜43原子%、Ti:9〜12原子%、Cu:7〜11原子%、Ni:6〜9原子%、Be:28〜38原子%およびNb:2〜4原子%である請求項29記載の方法。
  35. 該結晶質相の組成が該液相とは異なる請求項29記載の方法。
  36. 該合金の組成が、1000K/sec未満の速度で冷却された場合にアモルファス相を生成しない組成である請求項29記載の方法。
  37. 該合金を液相線と固相線との間に冷却して、残留液相中で核発生による部分的な結晶化とその後の延性を有する結晶質相の成長を起こさせ、該結晶質相の組成は該液相とは異なる請求項29記載の方法。
  38. 該デンドライトを熱処理して、デンドライト粒径の分布を均一にする請求項32記載の方法。
  39. 該デンドライトのミクロ組織が該熱処理中に粗大化する請求項38記載の方法。
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