以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図12にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視可能な状態で保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15を有する上皿ユニット15aが共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う発光装置としての装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ遊技機10の下部)には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行う音声出力装置としてのスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18を有する下皿ユニット18a及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作することにより、上球皿15に貯留されている遊技球が遊技盤13の遊技領域13aに発射されるようになっている。なお、遊技領域13aに向けて発射される遊技球は、発射装置19の操作量に応じて発射の強弱が設定される。
遊技盤13の前面には、発射装置19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aを形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤13には、該遊技盤13の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路21が形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域13aが形成される。そして、誘導路21の下方には、中枠12に装着されるとともに、発射ユニットの作動によって打球される遊技球を案内する図示しない発射レールが配置されている。また、遊技盤13の前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域13a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域13bとされている。
遊技盤13の遊技領域13aのほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)23が装着されている。表示枠体23の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口23aが形成されており、当該セット口23aに整合して表示枠体23には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置H2が装着されている。演出表示装置H2には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置H2の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置H2の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体23の下方には、発光型の表示装置としての特別図柄表示装置H1が配置されている。本実施形態の特別図柄表示装置H1は、7セグメントLED式の表示装置とされている。特別図柄表示装置H1には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置H1の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では2列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、特別図柄表示装置H1の図柄変動ゲームは、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄となる特別図柄を用いて行われる。
特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置H1では各列の特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置H2では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示(確定的に停止表示)される。このとき、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定停止表示され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示装置H1には、[00]〜[99]までの100種類の数字と、[−−]の符号が特別図柄として表示されるようになっている。特別図柄表示装置H1に確定停止表示された図柄が[00]〜[99]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特別図柄の大当り図柄となる。また、特別図柄表示装置H1に確定停止表示された図柄が[−−]の符号の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特別図柄のはずれ図柄となる。
その一方、本実施形態において演出表示装置H2には、各列毎に、[0]〜[9]までの数字図柄が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、演出表示装置H2の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、各列に導出された飾り図柄の組み合わせによって構成される。大当り図柄は、全列が同一種類の飾り図柄からなる組み合わせで構成されるとともに、はずれ図柄は、全列の飾り図柄の種類が異なる組み合わせ及び1列の飾り図柄の種類が他の列とは異なる組み合わせで構成される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置H1の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置H2を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置H1よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置H2の表示内容に注目し、該演出表示装置H2の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
前記リーチ演出は、演出表示装置H2で行われる図柄変動ゲームにおいて予め定めた特定列の飾り図柄が同一種類の図柄で、かつ特定列以外の列が変動する組み合わせで構成されるリーチ図柄が停止表示(一旦停止表示)されることによって行われる演出である。リーチ図柄は、本実施形態のパチンコ遊技機10のように3列の飾り図柄を表示させる場合であって図柄停止順序が左列→右列→中列の場合、左列の飾り図柄と右列の飾り図柄が同一種類となる組み合わせで構成される。予告演出は、1回の図柄変動ゲームにおいて該ゲームにおける大当りか否かの可能性(すなわち、大当りの期待度)を示唆する演出である。この予告演出は、内部抽選で大当りが決定されている場合の図柄変動ゲームで出現すると、その予告が該ゲームで現実化されて大当りとなる。その一方で、予告演出は、内部抽選ではずれが決定されている場合の図柄変動ゲームで出現すると、その予告が該ゲームで現実化されずにはずれとなる。
また、表示枠体23の下方であって、図1において特別図柄表示装置H1の左横には、機内部で記憶した特別図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する特別図柄保留記憶表示装置24が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口26と下始動入賞口27)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
特別図柄保留記憶表示装置24は、第1保留ランプと、第2保留ランプと、第3保留ランプと、第4保留ランプからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、特別図柄保留記憶表示装置24は、保留ランプの点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプのみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプの全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプの全てが消灯している。
表示枠体23の下方であって、図1において特別図柄表示装置H1の右横には、発光型の普通図柄表示装置H3が配置されている。本実施形態の普通図柄表示装置H3は、7セグメントLED式の表示装置とされている。普通図柄表示装置H3には、複数種類の図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態において普通図柄表示装置H3の普通図柄変動ゲームでは、1列の普通図柄を導出する。普通図柄変動ゲームは、前述した大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根28の開動作により下始動入賞口27を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。本実施形態においては、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄として[7]の数字からなる普通図柄が表示されるとともに、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄として[−(バー)]の符号からなる普通図柄が表示される。
また、表示枠体23の下方であって、図1において普通図柄表示装置H3の右横には、機内部で記憶した普通図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する普通図柄保留記憶表示装置25が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の左方に配置される普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート31に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
普通図柄保留記憶表示装置25は、第1保留ランプと、第2保留ランプと、第3保留ランプと、第4保留ランプからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、普通図柄保留記憶表示装置25は、保留ランプの点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプのみが点灯している場合には1回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプの全てが点灯している場合には4回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、普通図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプの全てが消灯している。
また、表示枠体23の下方の遊技領域13aには、遊技球の入球口26aを有する上始動入賞口26と遊技球の入球口27aを有する下始動入賞口27が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口26は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口27は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根28を備えており、開閉羽根28が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口27aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口27は、開閉羽根28が開動作して入球口27aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口26と下始動入賞口27の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口センサSW1,SW2(図2に示す)が配設されている。上始動入賞口26と下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口27は開閉羽根28が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根28が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、下始動入賞口27の下方の遊技領域13aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉29を備えた大入賞口(特別電動役物)30が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉29の開動作によって大入賞口30が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(例えば、15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されてから大入賞口扉29の閉動作により大入賞口30が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口30は、規定入球個数(例えば、9球)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(例えば、25秒)が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体23の左方の遊技領域13aには、普通図柄作動ゲート31が配設されている。普通図柄作動ゲート31の奥方には、該普通図柄作動ゲート31へ入球し通過した遊技球を検知するゲートセンサSW3(図2に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート31は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。
また、遊技盤13の遊技領域13aの最下方(大入賞口30よりも下方)には、遊技領域13aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト口32が形成されている。アウト口32を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。また、確変状態が付与されると、普通図柄ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート31の通過に基づく普通図柄ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、下始動入賞口27の開閉羽根28は、確変状態が付与されている場合と、通常状態(入球率向上状態が付与されていない状態)が付与されている場合とでは、普通図柄ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄ゲームに当選する場合には、開閉羽根28が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、確変状態時に普通図柄ゲームに当選する場合には、開閉羽根28が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根28は、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、入球率向上状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されると、大当りの抽選確率は低確率であるが、入球率向上状態が特典として付与されるようになっている。すなわち、開閉羽根28は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。そして、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する(抽選確率が高確率である状態が付与される)大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(抽選確率が低確率である非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、飾り図柄による大当り図柄の種類から、確変大当り又は非確変大当りの何れの大当りであるかを認識し得るように構成されている。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図2にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御手段としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御手段としてのサブ統括制御基板(統括制御基板)36と、演出制御手段としての表示制御基板37と、演出制御手段としてのランプ制御基板38と、演出制御手段としての音声制御基板39が装着されている。本実施形態では、これらの各制御基板36〜39によって主制御基板35が出力した制御信号に基づき遊技演出に係る各種制御を専門的に制御する。そして、サブ統括制御基板36と、表示制御基板37と、ランプ制御基板38と、音声制御基板39が副制御基板となる。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39を統括的に制御する。表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板38は主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ(装飾ランプ16)の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板39は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35の具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。
また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口26に入球した遊技球を検知する始動口センサSW1と、下始動入賞口27に入球した遊技球を検知する始動口センサSW2と、普通図柄作動ゲート31を通過した遊技球を検知するゲートセンサSW3が接続されている。また、主制御用CPU35aには、特別図柄表示装置H1と、普通図柄表示装置H3と、特別図柄保留記憶表示装置24と、普通図柄保留記憶表示装置25が接続されている。そして、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。
大当り判定用乱数は、大当りを付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、特別図柄の大当り図柄を選択(決定)するために用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択(決定)するために用いる乱数である。変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と図柄変動ゲームが開始してから終了するまでの演出態様(大当り演出、はずれリーチ演出、はずれ演出などの演出内容)を特定し得るパターンである。図柄変動ゲームは変動パターンにしたがって実行されることから、変動パターンは図柄変動ゲームにおける遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。そして、本実施形態では、3種類の変動パターン振分用乱数R1,R2,R3(以下、振分用乱数R1,R2,R3と示す)を用いて変動パターンを選択(決定)するようになっている。3種類の振分用乱数R1〜R3は、それぞれが取り得る数値範囲(乱数更新処理において乱数値が更新される範囲)が異なるとともに、変動パターンの選択に係る処理において用途が異なっている。本実施形態において振分用乱数R1の取り得る数値は、「0」〜「100」までの全101とおりに設定されており、はずれリーチ演出の区分(スーパーリーチ演出とノーマルリーチ演出)を選択する際に用いる。また、振分用乱数R2の取り得る数値は、「0」〜「250」までの全251とおりに設定されており、後述する判定用テーブルとしての振分テーブルT2(図9〜図11に示す)を選択する際に用いる判定値テーブル選択用乱数として機能する。また、振分用乱数R3の取り得る数値は、「0」〜「238」までの全239とおりに設定されており、選択した振分テーブルT2から変動パターンを選択する際に用いる変動パターン選択用乱数として機能する。
また、主制御用CPU35aは、時間を計測するタイマを更新する。主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、制御プログラムに加え、複数種類の変動パターン(図3〜図5に示す)と各種判定値(大当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、大当り演出、はずれリーチ演出及びはずれ演出からなる演出内容毎に分類されている。大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。また、大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、大当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「199」までの全200通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として2つの値を設定した場合、大当り判定が肯定判定される割合、すなわち大当りの当選確率は200分の2(100分の1)となる。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。また、統括制御用CPU36aは、時間を計測するタイマを更新する。統括制御用RAM36cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
次に、表示制御基板37、ランプ制御基板38、及び音声制御基板39について説明する。
各制御基板37,38,39には、制御動作を所定の手順で実行することができるCPUと、各CPUの制御プログラムを格納するROMと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAMが設けられている。そして、表示制御基板37のCPUには、演出表示装置H2(画像表示部GH)が接続されているとともに、表示制御基板37のROMには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、ランプ制御基板38のCPUには、装飾ランプ16が接続されているとともに、ランプ制御基板38のROMには、各種の発光データが記憶されている。また、音声制御基板39のCPUには、スピーカ17が接続されているとともに、音声制御基板39のROMには、各種の音声データが記憶されている。
以下、主制御基板35の主制御用CPU35aが実行する制御内容を説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、上始動入賞口26又は下始動入賞口27へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を大当り図柄用乱数にしたがって決定する。なお、特別図柄は、確変大当り用の特別図柄と非確変大当り用の特別図柄に分類されていることから、特別図柄の大当り図柄を決定することにより、確変大当りとするか又は非確変大当りとするか(大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否か)が決定される。
そして、大当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値(大当りの場合には、振分用乱数R2,R3の値)を主制御用RAM35cから取得し、その取得した乱数値をもとに大当り演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択する。変動パターンの選択に際して主制御用CPU35aは、先に決定した特別図柄の大当り図柄が、確変大当り用の特別図柄であるか、又は非確変大当り用の特別図柄であるかを判定し、その判定結果をもとに変動パターンを選択する。すなわち、主制御用CPU35aは、確変大当り用の特別図柄を決定している場合には確変大当りとなる図柄変動ゲームの変動パターンとして選択し得る複数種類の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択する。また、主制御用CPU35aは、非確変大当り用の特別図柄を決定している場合には非確変大当りとなる図柄変動ゲームの変動パターンとして選択し得る複数種類の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択する。
一方、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選(リーチ判定用乱数とリーチ判定値)で決定する。はずれリーチ演出の実行を決定した場合、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値(はずれリーチの場合には、振分用乱数R1〜R3の値)を主制御用RAM35cから取得し、その取得した乱数値をもとにはずれリーチ演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択する。
一方、はずれリーチ演出の非実行を決定した場合、主制御用CPU35aは、前述同様にはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値(はずれの場合には、振分用乱数R2,R3の値)を主制御用RAM35cから取得し、その取得した乱数値をもとにはずれ演出用の変動パターンの中から一つの変動パターンを選択する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、特別図柄を決定した主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄指定コマンドを生成し、該特別図柄指定コマンドを前記変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを生成し、該全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置H1の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
本実施形態では、制御プログラムにしたがって複数種類の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択する主制御用CPU35aが、選択手段として機能する。また、本実施形態では、制御プログラムにしたがって大当り判定を実行する主制御用CPU35aが、遊技者に有利となる大当りを付与するか否かを判定する大当り判定手段として機能する。また、本実施形態では、制御プログラムにしたがって特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる特別図柄を決定する主制御用CPU35aが、特別図柄決定手段(図柄決定手段)として機能する。
次に、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aが実行する制御内容を説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置H2に確定停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾り図柄を決定する。また、統括制御用CPU36aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39に出力する。
飾り図柄の決定において統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、演出表示装置H2で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを構成する各列の図柄を決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、大当り演出用の変動パターンが指示され、かつ特別図柄の停止図柄指定が大当り図柄の場合、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当り図柄を決定する。また、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一図柄となるリーチ図柄を含めずに決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一図柄となるリーチ図柄を含めて決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU36aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを表示制御基板37に出力する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始から図柄の変動停止までを1回とする変動サイクルを複数回、連続して実行する連続予告演出(擬似連続予告)を実行可能に構成されている。なお、連続予告演出は、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置H2のみで演出として表現される。1回の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了する。この1回の図柄変動ゲームは、1球の始動保留球に対応して実行されるものである。すなわち、連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。そして、本実施形態の連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、当該ゲームを構成する変動サイクルの実行回数によって大当り表示結果(大当り図柄)が表示されるか否かの可能性が変化するように構成されている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選した場合には大当り抽選に当選していない場合に比して変動サイクルの実行回数が多い連続予告演出を伴って図柄変動ゲームが行われ易くなっている。
図柄の変動とは、特別図柄表示装置H1及び演出表示装置H2における表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。例えば、演出表示装置H2における図柄の変動は、画像表示部GHにおいて図柄列が予め定めた表示順序にしたがって図柄をスクロール表示させるように動作している状態を示す。スクロール表示には、全ての図柄列が画像表示部GHを上下方向に横切る縦スクロール表示と、全ての図柄列が画像表示部GHを左右方向に横切る横スクロール表示がある。また、図柄の変動停止とは、特別図柄表示装置H1及び演出表示装置H2において図柄が停止して表示されている状態を示す。そして、演出表示装置H2における図柄の停止には、一旦停止状態での表示(一旦停止表示)と確定停止状態での表示(確定停止表示)がある。一方、特別図柄表示装置H1における図柄の停止には、確定停止状態での表示(確定停止表示)のみがある。
次に、連続予告演出を伴わない図柄変動ゲームの態様と連続予告演出を伴う図柄変動ゲームの態様を説明する。
図柄変動ゲームの終了時の保留記憶数が、例えば「4」の状態において、次の図柄変動ゲームが連続予告演出を伴わない場合には、当該ゲームの開始時に保留記憶数が1減算されて「3」となり、画像表示部GHにおいて各列の図柄の変動が開始する。そして、開始した図柄変動ゲームは、各列の図柄の変動が停止し、変動開始から所定時間が経過することにより図柄が確定停止表示されて終了する。すなわち、連続予告演出を伴わない図柄変動ゲームは、1回の変動サイクルのみで構成されているとも言える。
次に、図柄変動ゲームの終了時の保留記憶数が、例えば「3」の状態において、次の図柄変動ゲームが2回の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う場合には、当該ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数が1減算されて「2」となり、画像表示部GHにおいて各列の図柄の変動が開始する。そして、開始した図柄変動ゲームは、各列の図柄の変動が停止して図柄が一旦停止表示され、その状態から2回目の変動サイクルの開始に伴って図柄が再び変動を開始する。その後、2回目の変動サイクルでは、リーチが形成され、リーチ演出が行われる。そして、図柄変動ゲームは、リーチ演出により最終停止列の図柄が導出されることにより各列の図柄の変動が停止した後、図柄が確定停止表示されて終了する。この図柄変動ゲームが行われている間、特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に新たな入球が無い場合、図柄変動ゲームの開始時の保留記憶数を維持し、変動サイクルの開始に伴って保留記憶数が減算されるようには変化しない。なお、始動入賞口に新たな入球があった場合には、保留記憶数が1加算されて増加する。このような連続予告演出を伴う図柄変動ゲームでは、最終回の変動サイクルにて最終的な表示結果(大当り図柄又ははずれ図柄)が導出され、最終回の変動サイクルよりも前の全ての回の変動サイクルにてはずれ図柄が導出される。また、連続予告演出を伴う図柄変動ゲームの各変動サイクルの開始時には、例えば、連続予告演出専用のキャラクタを登場させるなどの予告演出を出現させ、連続予告演出の開始を遊技者に示唆し得るようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、図3に示す変動パターンP46〜P65、及び図5に示す変動パターンP2〜P15を指示する変動パターン指定コマンドを入力した場合、連続予告演出の各変動サイクルで出現させる予告演出を出現させるか否かを決定する。そして、統括制御用CPU36aは、前記予告演出を出現させることを決定した場合、その旨を指示する制御コマンドを表示制御基板37に出力する。なお、変動パターンP2〜P15、及び変動パターンP46〜P65は、ノーマルリーチ(NR)演出を実行させるパターンとされており、図柄変動ゲームの開始に伴う図柄の変動開始後、リーチが形成されてリーチ演出が行われる。すなわち、変動パターンP2〜P15、及び変動パターンP46〜P65に基づく図柄変動ゲームは、1回の変動サイクルからなり、前記予告演出を実行させることにより、遊技者に連続予告演出の出現に対する期待感を煽るようになっている。
次に、表示制御基板37、ランプ制御基板38、及び音声制御基板39の各CPUが実行する制御内容を説明する。
表示制御基板37のCPUは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御基板37のCPUは、変動パターンに対応する演出内容をもとにROMに記憶されている画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御基板37のCPUは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎に切り替える。そして、表示制御基板37のCPUは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
ランプ制御基板38のCPUは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容で行われる図柄変動ゲームに見合った発光演出が行われるように各種ランプ(装飾ランプ16)の発光態様を制御する。このとき、ランプ制御基板38のCPUは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間とROMに記憶されている発光データをもとに各種ランプの発光態様を所定の制御周期毎に切り替える。そして、ランプ制御基板38のCPUは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了に伴って当該ゲームに見合った各種ランプの発光演出を終了させる。
音声制御基板39のCPUは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容で行われる図柄変動ゲームに見合った音声演出が行われるようにスピーカ17の音声出力態様を制御する。このとき、音声制御基板39のCPUは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間とROMに記憶されている音声データをもとにスピーカ17の音声出力態様を所定の制御周期毎に切り替える。そして、音声制御基板39のCPUは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの終了に伴って当該ゲームに見合ったスピーカ17の音声演出を終了させる。
以下、本実施形態において、主制御基板35の主制御用CPU35aによる変動パターンの決定に係る具体的な構成と処理内容を、図3〜図12にしたがってさらに詳しく説明する。
図3〜図5は、本実施形態のパチンコ遊技機10において用意された一部の変動パターンを示している。図3及び図4に示す変動パターンP46〜P104,P192〜P211は、何れも大当りのときに選択可能な変動パターンとされている。また、図5に示す変動パターンP1は、はずれ(リーチなし)のときに選択可能な変動パターンとされているとともに、変動パターンP2〜P25,P150〜P163は、はずれ(リーチあり)のときに選択可能な変動パターンとされている。
各変動パターンP1〜P25,P46〜P104,P150〜P163,P192〜P211には、各別に、変動時間と演出態様(図3〜図5に示す「動作」)が対応付けられている。なお、図3〜図5では、変動時間を示していない。また、演出態様として示す「動作」は、演出表示装置H2に画像表示される飾り図柄の動作である。
変動パターンP1は、図柄変動ゲームの開始後、各列の変動を図柄停止順序(本実施形態では、左列→右列→中列の順)にしたがって停止させる「通常変動」の演出であって、はずれ図柄を確定停止表示させるはずれ演出である。また、変動パターンP2〜P15,P150〜P163は、図柄変動ゲームの開始後にリーチを形成し、リーチ演出としてノーマルリーチ(「NR−n(n:1〜14)」)を行い、当該リーチを経てはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出である。なお、ノーマルリーチは、リーチ形成後に、最終図柄停止列を所定時間の間、変動させるなどの態様で行われる。
そして、本実施形態において変動パターンP2〜P15は、図柄変動ゲームが1回の変動サイクルからなり、当該変動サイクルにて連続予告演出用の予告演出が実行される可能性がある変動パターンとなっている。一方、本実施形態において、変動パターンP150〜P163は、図柄変動ゲームが2回の変動サイクルからなり、各変動サイクルにて連続予告演出用の予告演出が実行される連続予告演出(擬似連続予告)を伴う変動パターンとされている。
また、変動パターンP16〜P21,P22〜P25は、図柄変動ゲームの開始後にリーチを形成し、リーチ演出としてスーパーリーチ(「SP−An(n:1〜6)又は−Bn(n:1〜4)」)を行い、当該リーチを経てはずれ図柄を確定停止表示させるはずれリーチ演出である。なお、スーパーリーチは、リーチ形成後に、ノーマルリーチを経由し、リーチ演出を発展させて行われる演出であって、例えば、キャラクタなどを登場させ、当該キャラクタの動作によって最終図柄停止列の図柄を導出するなどの態様で行われる。通常、パチンコ遊技機では、ノーマルリーチの大当り信頼度よりもスーパーリーチの大当り信頼度の方が高く設定されており、大当り抽選に当選した場合にはスーパーリーチを実行する変動パターンの選択率が高められている。
変動パターンP46〜P65,P192〜P211は、図柄変動ゲームの開始後にリーチを形成し、リーチ演出としてノーマルリーチ(「NR−n(n:1〜20)」)を行い、当該リーチを経て大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出である。そして、本実施形態において変動パターンP46〜P65は、図柄変動ゲームが1回の変動サイクルからなり、当該変動サイクルにて連続予告演出用の予告演出が実行される可能性がある変動パターンとなっている。一方、本実施形態において、変動パターンP192〜P211は、図柄変動ゲームが2回の変動サイクルからなり、各変動サイクルにて連続予告演出用の予告演出が実行される連続予告演出(擬似連続予告)を伴う変動パターンとされている。
また、変動パターンP66〜P104は、図柄変動ゲームの開始後にリーチを形成し、リーチ演出としてスーパーリーチ(「SP−An(n:1〜19)、−Bn(n:1〜14)又はーCn(n:1〜6)」)を行い、当該リーチを経て大当り図柄を確定停止表示させる大当り演出である。
また、各変動パターンP1〜P25,P46〜P104,P150〜P163,P192〜P211には、これらの変動パターンを指示するための変動パターン指定コマンドが各別に対応付けられている。変動パターン指定コマンドは、上位バイト(1バイト目)と下位バイト(2バイト目)からなる2バイトの制御データで構成されている。変動パターンP1〜P25は、上位バイト(1バイト目)が「80H」で構成されているとともに、下位バイト(2バイト目)が「00H」〜「18H」の範囲で順に構成されている。また、変動パターンP46〜P104は、上位バイト(1バイト目)が「81H」で構成されているとともに、下位バイト(2バイト目)が「2AH」〜「64H」の範囲で順に構成されている。また、変動パターンP150〜P163は、上位バイト(1バイト目)が「83H」で構成されているとともに、下位バイト(2バイト目)が「00H」〜「0DH」の範囲で順に構成されている。また、変動パターンP192〜P211は、上位バイト(1バイト目)が「83H」で構成されているとともに、下位バイト(2バイト目)が「2AH」〜「3DH」の範囲で順に構成されている。
また、各変動パターンP1〜P25,P46〜P104,P150〜P163,P192〜P211には、振分用乱数R2の値(0〜250までの251個)と振分用乱数R3の値(0〜238までの239個)とが、所定個数ずつ振分けられている。振分用乱数R2の値は、確変大当り、非確変大当り、ノーマルリーチを伴うはずれリーチ(リーチ有)、スーパーリーチを伴うはずれリーチ(リーチ有)、及びはずれ(リーチ無)の区分毎に、予め定めた変動パターンのグループ単位(ブロック単位)で振分けられている。すなわち、本実施形態において振分用乱数R2の取り得る数値は、「0」〜「250」までの全251とおりの整数に設定されていることから、各区分において、グループ単位で振分けた振分用乱数R2の個数を加算すると、251個になる。なお、グループは、変動パターン指定コマンドの上位バイトが同一の値となる変動パターンによって構成される。
図3及び図4において確変大当りの区分には、変動パターンP46〜P65、変動パターンP66〜P84、変動パターンP85〜P98、変動パターンP99〜P104、及び変動パターンP192〜P211からなる5グループが属している。そして、変動パターンP46〜P65からなるグループには「2個」の振分用乱数R2の値が、変動パターンP66〜P84からなるグループには「16個」の振分用乱数R2の値が、それぞれ振分けられている。以下、順に、変動パターンP85〜P98からなるグループには「8個」、変動パターンP99〜P104からなるグループには「33個」、変動パターンP192〜P211からなるグループには「2個」というように振分用乱数R2の値が振分けられている。なお、図3及び図4は抽出した一部の変動パターンを示したものであるため、図中において振分けられている振分用乱数R2の合計値は「251」となっていない。
また、図3及び図4において非確変大当りの区分には、変動パターンP46〜P60、変動パターンP66〜P84、変動パターンP85〜P98、変動パターンP99〜P101、及び変動パターンP192〜P211からなる5グループが属している。そして、変動パターンP46〜P60からなるグループには「2個」の振分用乱数R2の値が、変動パターンP66〜P84からなるグループには「18個」の振分用乱数R2の値が、それぞれ振分けられている。以下、順に、変動パターンP85〜P98からなるグループには「9個」、変動パターンP99〜P101からなるグループには「36個」、変動パターンP192〜P206からなるグループには「2個」というように振分用乱数R2の値が振分けられている。なお、図3及び図4は抽出した一部の変動パターンを示したものであるため、図中において振分けられている振分用乱数R2の合計値は「251」となっていない。
また、図5においてはずれ(リーチ無)の区分には、変動パターンP1の1グループが属している。そして、変動パターンP1からなるグループには「251個」の振分用乱数R2の値が振分けられている。
また、図5においてノーマルリーチを伴うはずれリーチ(リーチ有)の区分には、変動パターンP2〜P15、及びP150〜P163からなる2グループが属している。そして、変動パターンP2〜P15からなるグループには「225個」の振分用乱数R2の値が、P150〜P163からなるグループには「26個」の振分用乱数R2の値が、それぞれ振分けられている。また、図5においてスーパーリーチを伴うはずれリーチ(リーチ有)の区分には、変動パターンP16〜P21、及び変動パターンP22〜P25からなる2グループが属している。そして、変動パターンP16〜P21からなるグループには「34個」の振分用乱数R2の値が、P22〜P25からなるグループには「33個」の振分用乱数R2の値が、それぞれ振分けられている。なお、図5は抽出した一部の変動パターンを示したものであるため、図中において振分けられている振分用乱数R2の合計値は「251」となっていない。
図3〜図5に示す変動パターン表から分かるように、振分用乱数R2は、各区分において選択可能な変動パターンに対して振分けられている。換言すれば、振分用乱数R2の値が振分けられていないグループに属する変動パターンは、各区分において選択されない変動パターンとなっている。例えば、変動パターンP1は、リーチ無しのはずれの場合に選択可能である一方で、リーチ有のはずれ、確変大当り、及び非確変大当りの場合には選択されない。
一方、振分用乱数R3の値は、前述した各区分において選択可能な各変動パターンに対し、各グループ単位で振分けられている。すなわち、振分用乱数R3の値は、各グループに属する変動パターン毎に所定個数ずつ振分けられている。例えば、確変大当りの区分において変動パターンP46〜P65からなるグループでは、振分用乱数R3の値が、変動パターンP46から順に「12個」、「4個」、「12個」、「12個」、「4個」、「12個」、「12個」、・・・・「20個」、「20個」というように振分けられている。そして、本実施形態において振分用乱数R3の取り得る数値は、「0」〜「238」までの全239とおりの整数に設定されていることから、グループに属する各変動パターンに振分けた振分用乱数R3の個数を加算すると、239個になる。すなわち、振分用乱数R3は、グループ毎に239個が振分けられている。
そして、振分用乱数R3の値は、選択可能な変動パターンに対して振分けられていることから、振分用乱数R3の値が振分られていない変動パターンは選択されない変動パターンとなっている。例えば、変動パターンP46〜P65は確変大当りの区分において振分用乱数R3の値が全ての変動パターンに振分けられていることから、確変大当り時には変動パターンP46〜P65の何れかが選択される可能性がある。一方で、変動パターンP46〜P65は非確変大当りの区分において変動パターンP46〜P60に対して振分用乱数R3の値が振分けられているので、変動パターンP61〜P65は非確変大当り時に選択されない変動パターンとなっている。
本実施形態では、振分用乱数R2の値を振分けたグループ単位(ブロック単位)で、図6(a),(b)に示す選択用テーブルとしての振分テーブルT1と判定値テーブルとしての振分テーブルT2が構築され、テーブル記憶手段としての主制御用ROM35bに格納されている。振分テーブルT1は変動パターンを選択するグループを特定するために用いるテーブルであり、振分テーブルT2は特定されたグループから変動パターンを選択するために用いるテーブルである。なお、図3〜図5の変動パターン表は、前述したように変動パターンの一部を示したものであり、確変大当り、非確変大当り、及びスーパーリーチを伴うはずれリーチ(リーチ有)の各区分には、図示していない変動パターンが属するグループが存在している。
以下、主制御用ROM35bに格納された振分テーブルT1と振分テーブルT2について、図6〜図11にしたがって詳しく説明する。なお、以下に説明する振分テーブルT1及び振分テーブルT2は、主制御用CPU35aが変動パターンを選択する時の遊技状態が低確率状態で、かつ非時短状態である場合のテーブルである。すなわち、主制御用ROM35bには、その他の遊技状態(高確率状態で、かつ時短状態など)を含め、遊技状態毎の振分テーブルT1及び振分テーブルT2が格納されている。
本実施形態の振分テーブルT1は、図6(a)に示すように、前述したグループ単位で、振分データDAと、パターンデータB2と、パターンデータB1と、振分テーブルT2のアドレスデータとから構成されている。
振分データDAは、主制御用CPU35aが、振分テーブルT2を選択する際に、取得した振分用乱数R2の値と比較するためのデータであって、判定値テーブル選択用の判定値となる。パターンデータB2は、振分データDAを振分けた振分テーブルT1から特定される振分テーブルT2に格納されている変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドの上位バイトを示すデータである。パターンデータB1は、振分データDAを振分けた振分テーブルT1から特定される振分テーブルT2に格納されている変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドの下位バイトを示すデータである。そして、本実施形態において振分テーブルT1には、当該振分テーブルT1から特定される振分テーブルT2の先頭に格納されている変動パターンに対応する下位バイトを示すデータのみが格納されている。このパターンデータB1が、パターン特定用のデータ値となる。また、振分テーブルT2のアドレスは、振分テーブルT1から特定される振分テーブルT2の読み出しアドレスを示すデータであり、テーブル特定用のデータとなる。そして、主制御用ROM35bには、振分テーブルT1が、グループの数だけ格納されている。
一方、本実施形態の振分テーブルT2は、図6(b)に示すように、振分データDBのみによって構成されている。
振分データDBは、主制御用CPU35aが、振分テーブルT2から変動パターンを選択する際に、取得した振分用乱数R3の値と比較するためのデータであって、変動パターン選択用の判定値となる。振分テーブルT2には、主制御用CPU35aが、取得した振分用乱数R3の値と比較する順に、振分データDBが格納されている。そして、主制御用ROM35bには、振分テーブルT2が、振分テーブルT1に示された数だけ格納されている。なお、振分テーブルT1に格納されているパターンデータB1は、振分テーブルT2の先頭に格納されている振分データDBに対応する変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドの下位バイトを示す。
図6(c),(d)は、本実施形態の振分テーブルT1,T2と比較するための比較例を示し、振分テーブルT2に振分データDBと当該振分データDBに対応する変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドの下位バイトを格納した場合の振分テーブルT1と振分テーブルT2である。図6(c)に示す比較例の振分テーブルT1は、振分データDAと、パターンデータB2と、振分テーブルT2のアドレスデータから構築される。また、図6(d)に示す比較例の振分テーブルT2では、パターンデータB1として、振分データDBに対応する変動パターン毎に変動パターン指定コマンドの下位バイトが格納されている。これらの比較例に示す振分テーブルT1,T2は、本明細書の[背景技術]欄及び[課題]欄に記載した手法をもとに構築されるものである。
図7(a)は、本実施形態の振分テーブルT1のうち、確変大当りのグループ毎に構築した振分テーブルT1を示す。
振分テーブルT1に格納した振分データDAは、図7(b)に示すように、グループ毎に振分けた振分用乱数R2の値に対応付けられている。すなわち、振分データDAとしての「2」は、振分用乱数R2の値として「0,1」を示し、「0,1」からなる2個の値を振分けたグループは、図3に示すように変動パターンP46〜P65からなる。また、振分データDAとしての「18」は、振分用乱数R2の値として「2〜17」を示し、「2〜17」を振分けたグループは、図3に示すように変動パターンP66〜P84からなる。また、振分データDAとしての「26」は、振分用乱数R2の値として「18〜25」を示し、「18〜25」を振分けたグループは、図3に示すように変動パターンP85〜P98からなる。また、振分データDAとしての「59」は、振分用乱数R2の値として「26〜58」を示し、「26〜58」を振分けたグループは、図3に示すように変動パターンP99〜P104からなる。また、振分データDAとしての「143」は、振分用乱数R2の値として「141,142」を示し、「141,142」を振分けたグループは、図3に示すように変動パターンP192〜P211からなる。
なお、振分データDAは、各グループに振分けた振分用乱数R2の個数の累積値となっている。このため、図7(a)に示す例では、最初の振分テーブルT1に格納した振分データDAが振分用乱数R2の個数「2」に対応して「2」となり、次の振分テーブルT1に格納した振分データDAが振分用乱数R2の個数「16」に「2」を加算して「18」となる。本実施形態における各振分テーブルT1は、前述したように、振分データDAと、パターンデータB2と、パターンデータB1と、振分テーブルT2のアドレスデータの4つのデータから構成されている。図7(a)では、振分データDAとしての「2」を含む振分テーブルT1と、振分データDAとしての「18」を含む振分テーブルT1と、振分データDAとしての「26」を含む振分テーブルT1と、振分データDAとしての「59」を含む振分テーブルT1と、振分データDAとしての「143」を含む振分テーブルT1の5つを図示している。
振分データDAとしての「2」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2として、変動パターンP46〜P65を指示する変動パターン指定コマンドの上位バイト「81H」を示すデータが格納されている。また、当該振分テーブルT1には、パターンデータB1として、変動パターンP46〜P65のグループにおいて先頭の変動パターンP46を指示する変動パターン指定コマンドの下位バイト「2AH」を示すデータが格納されている。さらに、当該振分テーブルT1には、変動パターンP46〜P65から変動パターンを選択するための振分テーブルT2のアドレスデータ(図中の「SP01」)が格納されている。
同様に、振分データDAとしての「18」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「81H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「3EH(変動パターンP66(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP02」)が格納されている。また、振分データDAとしての「26」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「81H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「51H(変動パターンP85(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP03」)が格納されている。また、振分データDAとしての「59」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「81H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「5FH(変動パターンP99(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP04」)が格納されている。また、振分データDAとしての「143」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「83H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「2AH(変動パターンP192(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP01」)が格納されている。
図7(c)は、本実施形態の振分テーブルT1と比較するための比較例を示す。比較例における各振分テーブルT1には、振分データDAと、パターンデータB2と、振分テーブルT2のアドレスデータの3つのデータが格納されている。すなわち、図7(a)に示す本実施形態の振分テーブルT1と、図7(c)に示す比較例の振分テーブルT1を比較すると、各振分テーブルT1に対してパターンデータB1が格納されているか(本実施形態)、及び格納されていないか(比較例)という点で相違している。
図8(a)は、本実施形態の振分テーブルT1のうち、非確変大当りのグループ毎に構築した振分テーブルT1を示したものである。
非確変大当りの振分テーブルT1は、図7(a)に示す確変大当りの振分テーブルT1と同様に、振分データDAと、パターンデータB2と、パターンデータB1と、振分テーブルT2のアドレスデータから構成されている。
すなわち、振分データDAとしての「2」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「81H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「2AH(変動パターンP46(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP0X」)が格納されている。振分データDAとしての「2」は、図8(b)に示すように、振分用乱数R2の値として「0,1」を示し、「0,1」の2個の値を振分けたグループは変動パターンP46〜P60からなる。
振分データDAとしての「20」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「81H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「3EH(変動パターンP66(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP02」)が格納されている。振分データDAとしての「20」は、図8(b)に示すように、振分用乱数R2の値として「2〜19」を示し、「2〜19」の18個の値を振分けたグループは変動パターンP66〜P84からなる。
振分データDAとしての「29」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「81H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「51H(変動パターンP85(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP03」)が格納されている。振分データDAとしての「29」は、図8(b)に示すように、振分用乱数R2の値として「20〜28」を示し、「20〜28」の9個の値を振分けたグループは変動パターンP85〜P98からなる。
振分データDAとしての「65」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「81H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「5FH(変動パターンP99(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP0Y」)が格納されている。振分データDAとしての「65」は、図8(b)に示すように、振分用乱数R2の値として「29〜64」を示し、「29〜64」の36個の値を振分けたグループは変動パターンP99〜P101からなる。
振分データDAとしての「149」を含む振分テーブルT1には、パターンデータB2としての「83H(上位バイト)」を示すデータと、パターンデータB1としての「2AH(変動パターンP192(先頭)の下位バイト)」を示すデータと、アドレスデータ(図中の「SP0X」)が格納されている。振分データDAとしての「149」は、図8(b)に示すように、振分用乱数R2の値として「147,148」を示し、「147,148」の2個の値を振分けたグループは変動パターンP192〜P206からなる。
次に、振分テーブルT2の構成を、図9〜図11にしたがって説明する。
図9(a)は、本実施形態の振分テーブルT2のうち、アドレスデータSP01で特定される振分テーブルT2を示す。振分テーブルT2には振分データDBのみが格納されており、当該振分データDBは、図9(c)に示すように、振分テーブルT2から選択し得る変動パターン毎に振分けられた振分用乱数R3の値を示している。そして、振分データDBは、振分テーブルT2から選択し得る変動パターンに振分けた振分用乱数R3の個数の累積値となっている。このため、図9(a)に示す例では、振分テーブルT2の先頭に格納した振分データDBが振分用乱数R3の個数「12」に対応して「12」となり、次に格納した振分データDBが振分用乱数R3の個数「4」に対応して「16」となる。
図9(a)の振分テーブルT2において、振分データDBとしての「12」は12個の振分用乱数R3の値「0〜11」に、振分データDBとしての「16」は4個の振分用乱数R3の値「12〜15」に、振分データDBとしての「28」は12個の振分用乱数R3の値「16〜27」に、それぞれ対応する。また、振分データDBとしての「40」は12個の振分用乱数R3の値「28〜39」に、振分データDBとしての「44」は4個の振分用乱数R3の値「40〜43」に、振分データDBとしての「56」は12個の振分用乱数R3の値「44〜55」に、それぞれ対応する。また、振分データDBとしての「68」は12個の振分用乱数R3の値「56〜67」に、振分データDBとしての「72」は4個の振分用乱数R3の値「68〜71」に、振分データDBとしての「84」は12個の振分用乱数R3の値「72〜83」に、それぞれ対応する。
また、振分データDBとしての「96」は12個の振分用乱数R3の値「84〜95」に、振分データDBとしての「100」は4個の振分用乱数R3の値「96〜99」に、振分データDBとしての「112」は12個の振分用乱数R3の値「100〜111」に、それぞれ対応する。また、振分データDBとしての「124」は12個の振分用乱数R3の値「112〜123」に、振分データDBとしての「128」は4個の振分用乱数R3の値「124〜127」に、振分データDBとしての「140」は12個の振分用乱数R3の値「128〜139」に、それぞれ対応する。また、振分データDBとしての「160」は20個の振分用乱数R3の値「140〜159」に、振分データDBとしての「180」は20個の振分用乱数R3の値「160〜179」に、振分データDBとしての「199」は19個の振分用乱数R3の値「180〜198」に、それぞれ対応する。また、振分データDBとしての「219」は20個の振分用乱数R3の値「199〜218」に、振分データDBとしての「239」は20個の振分用乱数R3の値「219〜238」に、それぞれ対応する。
そして、本実施形態において振分テーブルT2には、振分データDBに対応するパターンデータB1が規則的に変化し得るように、振分データDBの比較順を定めて格納してある。具体的に言えば、振分データDBに対応するパターンデータB1の値が、+01Hずつ変化するように比較順を定めて格納してある。例えば、図9(a)の振分テーブルT2では、振分データDBを、「12」→「16」→「28」→「40」→「44」→・・・→「199」→「219」→「239」という比較順で格納してある。これらの振分データDBに対応するパターンデータB1は、「2AH(12)」→「2BH(16)」→「2CH(28)」→「2DH(40)」→「2EH(44)」→・・・→「3BH(199)」→「3CH(219)」→「3DH(239)」というように、+01Hずつ変化する。なお、その他の振分テーブルT2においても同様に、振分データDBは、パターンデータB1が規則的に変化し得るように比較順を定めて格納してある。振分データDBとパターンデータB1の関係は、図3〜図5の変動パターン表に図示されている。
また、本実施形態においてアドレスデータSP01で特定される振分テーブルT2は、図7(a)に示すように、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1と、振分データDAとして「143」を含む振分テーブルT1のそれぞれで特定されるようになっている。すなわち、本実施形態において、前述した両振分テーブルT1のアドレスデータは同一のデータとされ、何れの振分テーブルT1を選択した場合であっても、変動パターンは同じ振分テーブルT2(SP01)から選択されるようになっており、アドレスデータ(振分テーブルT2)の共通化(共有化)が図られている。
振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1は、図7(b)に示すように、ノーマルリーチ(NR−n(n:1〜20)」を行う変動パターンP46〜P65に対応する。一方、振分データDAとして「143」を含む振分テーブルT1は、図7(b)に示すように、ノーマルリーチ(NR−n(n:1〜20))」を行う変動パターンP192〜P211に対応する。変動パターンP46〜P65と変動パターンP192〜P211は、何れも連続予告演出の対象となる変動パターンである。そして、変動パターンP46〜P65に基づく図柄変動ゲームと変動パターンP192〜P211に基づく図柄変動ゲームは、リーチ形成前において連続予告演出に係る演出部分(変動サイクルの回数(1回(第1回数)と2回(第2回数)))が相違し、その相違に伴って図柄変動ゲームの変動時間が異なるだけである。本実施形態では、変動パターンP46〜P65,P192〜P211が、予告変動パターンとなる。
このようなことから、変動パターンの選択に際しては、それぞれの変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを抽出することができれば、変動パターンを選択するための振分テーブルT2自体はグループに属する変動パターン数が同一数であることを前提として共通化しても良い。そして、本実施形態では、振分テーブルT1に、グループ単位で、当該グループに属する変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドに係るパターンデータB2とパターンデータB1を格納している。したがって、前述のように共通化した振分テーブルT2を用いて変動パターンを選択する場合であっても、振分テーブルT1に格納するパターンデータB2とパターンデータB1を変動パターンに応じて格納しておけば、それぞれの変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを抽出し得る。
以上により、本実施形態において共通化されたアドレスデータSP01で特定される振分テーブルT2は、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1から読み出された場合と、振分データDAとして「143」を含む振分テーブルT1から読み出された場合とで、異なる変動パターンと対応付けられる。具体的に言えば、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1から読み出された場合には、パターンデータB2が「81H」で、かつ先頭の振分データDBに対応するパターンデータB1が「2AH」となる。このため、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1から読み出された場合に選択し得る変動パターンは、図9(c)に示すように、変動パターンP46〜P65となる。その一方で、振分データDAとして「143」を含む振分テーブルT1から読み出された場合には、パターンデータB2が「83H」で、かつ先頭の振分データDBに対応するパターンデータB1が「2AH」となる。このため、振分データDAとして「143」を含む振分テーブルT1から読み出された場合に選択し得る変動パターンは、図9(c)に示すように、変動パターンP192〜P211となる。
図9(b)は、本実施形態の振分テーブルT2と比較するための比較例を示す。比較例における振分テーブルT2には、振分データDBと、パターンデータB1の2つのデータが格納されている。すなわち、図9(a)に示す本実施形態の振分テーブルT2と、図9(b)に示す比較例の振分テーブルT2を比較すると、両振分テーブルT2に対してパターンデータB1が格納されているか(比較例)、及び格納されていないか(本実施形態)という点で相違している。
図10(a),(b)は、アドレスデータSP02で特定される本実施形態の振分テーブルT2と、比較例としての振分テーブルT2を示す。また、図10(c),(d)は、アドレスデータSP03で特定される本実施形態の振分テーブルT2と、比較例としての振分テーブルT2を示す。また、図10(e),(f)は、アドレスデータSP04で特定される本実施形態の振分テーブルT2と、比較例としての振分テーブルT2を示す。
図10(a),(c),(e)に示す本実施形態の振分テーブルT2は、図9(a)に示す本実施形態の振分テーブルT2と同様に、振分データDBのみが格納されている。そして、各振分テーブルT2に格納された振分データDBは、振分テーブルT2から選択し得る変動パターン毎に振分けられた振分用乱数R3の値を示している。これらの本実施形態の振分テーブルT2は、図10(b),(d),(f)に示す比較例の振分テーブルT2と比較して、パターンデータB1が格納されているか(比較例)、及び格納されていないか(本実施形態)という点で相違している。
図11(a),(b)は、図8(a)に示す非確変大当り時の振分データとして「2」を含む振分テーブルT1のアドレスデータSP0Xで特定される本実施形態の振分テーブルT2と、比較例としての振分テーブルT2を示す。また、図11(c),(d)は、図8(a)に示す非確変大当り時の振分データとして「65」を含む振分テーブルT1のアドレスデータSP0Yで特定される本実施形態の振分テーブルT2と、比較例としての振分テーブルT2を示す。
図11(a),(c)に示す本実施形態の振分テーブルT2は、図9(a)及び図10(a),(c),(e)に示す本実施形態の振分テーブルT2と同様に、振分データDBのみが格納されている。そして、各振分テーブルT2に格納された振分データDBは、振分テーブルT2から選択し得る変動パターン毎に振分けられた振分用乱数R3の値を示している。これらの本実施形態の振分テーブルT2は、図11(b),(d)に示す比較例の振分テーブルT2と比較して、パターンデータB1が格納されているか(比較例)、及び格納されていないか(本実施形態)という点で相違している。
また、アドレスデータSP0Xで特定される図11(a)に示す振分テーブルT2は、図8(a)に示すように、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1と、振分データDAとして「149」を含む振分テーブルT1のそれぞれで特定されるようになっている。すなわち、本実施形態において、前述した両振分テーブルT1のアドレスデータは同一のデータとされ、何れの振分テーブルT1を選択した場合であっても、変動パターンは同じ振分テーブルT2(SP0X)から選択されるようになっており、アドレスデータ(振分テーブルT2)の共通化が図られている。
そして、本実施形態において共通化されたアドレスデータSP0Xで特定される振分テーブルT2は、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1から読み出された場合と、振分データDAとして「149」を含む振分テーブルT1から読み出された場合とで、異なる変動パターンと対応付けられる。具体的に言えば、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1から読み出された場合には、パターンデータB2が「81H」で、かつ先頭の振分データDBに対応するパターンデータB1が「2AH」となる。このため、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1から読み出された場合に選択し得る変動パターンは、変動パターンP46〜P60となる。その一方で、振分データDAとして「149」を含む振分テーブルT1から読み出された場合には、パターンデータB2が「83H」で、かつ先頭の振分データDBに対応するパターンデータB1が「2AH」となる。このため、振分データDAとして「149」を含む振分テーブルT1から読み出された場合に選択し得る変動パターンは、変動パターンP192〜P206となる。
また、図7(a)に示す振分データ「2」,「143」を含む振分テーブルT1と、図8(a)に示す振分データ「2」,「149」を含む振分テーブルT1は、パターンデータB2とパターンデータB1がそれぞれ同一のデータとされている。このため、振分テーブルT1から読み出される振分テーブルT2の先頭に格納した振分データDBに対応する変動パターンは、同一の変動パターンP46,P192となっている。しかし、振分テーブルT1からそれぞれに読み出される振分テーブルT2(SP01とSPOX)は、格納されている振分データDBの数が相違している。したがって、アドレスデータSP0Xから特定される図11(a)に示す振分テーブルT2は、アドレスデータSP01から特定される図9(a)に示す振分テーブルT2で選択し得る一部の変動パターンの選択が可能となっている。
同様に、図7(a)に示す振分データ「59」を含む振分テーブルT1と、図8(a)に示す振分データ「65」を含む振分テーブルT1は、パターンデータB2とパターンデータB1がそれぞれ同一のデータとされている。このため、振分テーブルT1から読み出される振分テーブルT2の先頭に格納した振分データDBに対応する変動パターンは、同一の変動パターンP99となっている。しかし、振分テーブルT1からそれぞれに読み出される振分テーブルT2(SP04とSP0Y)は、格納されている振分データDBの数が相違している。したがって、アドレスデータSP0Yから特定される図11(c)に示す振分テーブルT2は、アドレスデータSP04から特定される図10(e)に示す振分テーブルT2で選択し得る一部の変動パターンの選択が可能となっている。
そして、アドレスデータSP01から特定される振分テーブルT2とアドレスデータSP0Xから特定される振分テーブルT2には、同一の演出態様(動作)となる変動パターンに対応する振分データDBが、同一順で格納されている。この順序は、振分テーブルT2から変動パターンを選択する際に主制御用CPU35aが、取得した振分用乱数R3の値と振分データDBを比較する順となる。同様に、アドレスデータSP04から特定される振分テーブルT2とアドレスデータSP0Yから特定される振分テーブルT2には、同一の演出態様(動作)となる変動パターンに対応する振分データDBが、同一順で格納されている。
また、アドレスデータSP0X,SP0Yから特定される振分テーブルT2には、当該振分テーブルT2において選択可能な変動パターンに対応する振分データDBから順に格納されている。すなわち、前記振分テーブルT2においては、振分データDBの格納領域間にブランク領域(何も格納されていない領域)が存在し得ないように振分データDBが格納されている。なお、アドレスデータSP01,SP04から特定される振分テーブルT2においても、当該振分テーブルT2において選択可能な変動パターンに対応する振分データDBから順に格納されている。本実施形態では、アドレスデータSP01,SP04から特定される振分テーブルT2が第1判定値テーブルとなり、アドレスデータSP0X,SP0Yから特定される振分テーブルT2が第2判定値テーブルとなる。
また、図8(a)に示す非確変大当り時の振分テーブルT1のうち、振分データとして「20」を含む振分テーブルT1にはアドレスデータとして「SP02」が格納されているとともに、振分データとして「29」を含む振分テーブルT1にはアドレスデータとして「SP03」が格納されている。これらの振分テーブルT1から読み出される振分テーブルT2は、図7(a)に示す確変大当り時の振分テーブルT1において振分データDBとして「18」を含む振分テーブルT1、及び振分データDBとして「26」を含む振分テーブルT2と共通化されている。
以下、本実施形態において主制御用CPU35aが、振分テーブルT1及び振分テーブルT2を用いて変動パターンを選択する変動パターン選択処理について、図12に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、図12に示す変動パターン選択処理は、主制御用CPU35aが、内部抽選により、確変大当り、非確変大当り及びはずれを決定している場合には、その決定後に実行する処理となる。その一方で、図12に示す変動パターン選択処理は、主制御用CPU35aが、内部抽選により、はずれリーチ演出の実行を決定している場合には、振分用乱数R1による乱数抽選を行って、はずれリーチ演出の変動パターンを選択する区分の決定後に実行する処理となる。本実施形態において、はずれリーチ演出の変動パターンを選択する区分には、ノーマルリーチを伴うはずれリーチの区分とスーパーリーチを伴うはずれリーチの区分がある。そして、主制御用CPU35aは、振分用乱数R1による乱数抽選において、101分の70の確率でノーマルリーチを伴うはずれリーチの区分を選択し、101分の31の確率でスーパーリーチを伴うはずれリーチの区分を選択する(図5参照)。
変動パターン選択処理において主制御用CPU35aは、振分用乱数R2をロードする(ステップS10)。すなわち、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの設定領域から振分用乱数R2の値を読み出し、取得する。次に、主制御用CPU35aは、ステップS10で取得した振分用乱数R2と振分テーブルT1の内容を比較するとともに(ステップS11)、テーブルアドレスを+0001H(1加算)する(ステップS12)。このステップS11の処理により、主制御用CPU35aは、まず、主制御用ROM35bにおける振分テーブルT1の格納領域の先頭(+0000H)に格納されている振分テーブルT1の振分データDAを読み出し、その振分データDAと振分用乱数R2の値を比較する。この比較は、振分データDAのデータ値(例えば「2」など)を上限とし、そのデータ値よりも取得した振分用乱数R2の値を示すデータ値が小さいか否かによって行われる。そして、主制御用CPU35aは、比較の結果、振分データDAのデータ値よりも振分用乱数R2の値を示すデータ値の方が小さい場合には、Cフラグ(キャリーフラグ)を「1」とする。一方、主制御用CPU35aは、比較の結果、振分データDAのデータ値よりも振分用乱数R2の値を示すデータ値の方が小さくない場合(すなわち、大きい場合)には、Cフラグを「0」とする。本実施形態においてステップS11の処理でCフラグを「1」とする場合は、変動パターンを選択する振分テーブルT2のアドレスデータが格納されている振分テーブルT1を確定した場合である。一方、本実施形態においてステップS11の処理でCフラグを「0」とする場合は、変動パターンを選択する振分テーブルT2のアドレスデータが格納されている振分テーブルT1を確定していない場合である。
次に、主制御用CPU35aは、Cフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、ステップS14〜S17の処理を実行し、テーブルアドレスを順に+0001H(1加算)するとともに、ステップS17の処理の終了後にステップS11に戻る。このステップS14〜S17の処理により、主制御用CPU35aは、振分テーブルT1の格納領域に格納されている次の振分テーブルT1の振分データDAとステップS10で取得した振分用乱数R2の値とを比較する準備を行う。すなわち、ステップS14〜S17の処理後、テーブルアドレスは次の振分テーブルT1における振分データDAの格納領域を示すことになる。そして、主制御用CPU35aは、ステップS17の処理の終了後にステップS11の処理に戻ったならば、ステップS11の処理により、次の振分テーブルT1の振分データDAと振分用乱数R2の値とを比較し、その比較結果に応じてCフラグを「0」又は「1」とする。主制御用CPU35aは、ステップS13の判定結果が肯定になる迄、すなわちCフラグを「1」とし、変動パターンを選択する振分テーブルT2のアドレスデータが格納されている振分テーブルT1を確定できる迄、ステップS11〜ステップS17の処理を繰り返す。
そして、主制御用CPU35aは、ステップS13の判定結果を肯定とした場合、ステップS18に移行する。ステップS18にて主制御用CPU35aは、ステップS12によりテーブルアドレスを+0001Hしていることにより、その+0001H後のテーブルアドレスの内容をロードし、その内容をパターンデータB2とする。図6(a)を参照して詳述すると、変動パターン選択処理の開始時のテーブルアドレスは+0000Hとなっていることから、ステップS12によりテーブルアドレスは+0001Hに書き換えられる。このため、この時点においてステップS13の判定結果が肯定となったならば、テーブルアドレスとしての+0001Hには図6(a)及び図7(a)に示すように、変動パターン指定コマンドの上位バイトを示すデータ値が格納されているので、その内容をパターンデータB2とする。
次に、主制御用CPU35aは、テーブルアドレスを+0001H(1加算)するとともに(ステップS19)、加算後のテーブルアドレスの内容をロードし、その内容をパターンデータB1とする(ステップS20)。すなわち、図6(a)及び図7(a)に示すように、振分テーブルT1には、パターンデータB2の次にパターンデータB1が格納されているので、ステップS19によりテーブルアドレスを+0001Hすれば、その加算後のテーブルアドレスの内容はパターンデータB1となる。ステップS20において主制御用CPU35aは、パターンデータB1を主制御用RAM35cのワークエリアに格納する。
次に、主制御用CPU35aは、テーブルアドレスを+0001H(1加算)するとともに(ステップS21)、加算後のテーブルアドレスの内容をロードし、その内容を振分テーブルT2のアドレス(下位)とする(ステップS22)。また、主制御用CPU35aは、テーブルアドレスを+0001H(1加算)するとともに(ステップS23)、加算後のテーブルアドレスの内容をロードし、その内容を振分テーブルT2のアドレス(上位)とし、セットする(ステップS24)。すなわち、図6(a)及び図7(a)に示すように、振分テーブルT1には、パターンデータB1の次に振分テーブルT2のアドレスデータが格納されているので、ステップS21,S23によりテーブルアドレスをそれぞれ+0001Hすれば、その加算後のテーブルアドレスの内容は振分テーブルT2のアドレス(上位と下位)となる。
次に、主制御用CPU35aは、ステップS22で読み出した振分テーブルT2のアドレス(下位)をセットし(ステップS25)、振分用乱数R3をロードする(ステップS26)。ステップS24の処理とステップS25の処理により、変動パターンを選択する振分テーブルT2のアドレスが特定される。また、ステップS26において主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの設定領域から振分用乱数R3の値を読み出し、取得する。次に、主制御用CPU35aは、ステップS26で取得した振分用乱数R3とステップS25で特定される振分テーブルT2の内容を比較するとともに(ステップS27)、テーブルアドレスを+0001H(1加算)する(ステップS28)。このステップS27の処理により、主制御用CPU35aは、まず、主制御用ROM35bにおける振分テーブルT2の格納領域の先頭に格納されている振分データDBを読み出し、その振分データDBと振分用乱数R3の値を比較する。この比較は、振分データDBのデータ値(例えば「12」など)を上限とし、そのデータ値よりも取得した振分用乱数R3の値を示すデータ値が小さいか否かによって行われる。そして、主制御用CPU35aは、比較の結果、振分データDBのデータ値よりも振分用乱数R3の値を示すデータ値の方が小さい場合には、Cフラグを「1」とする。一方、主制御用CPU35aは、比較の結果、振分データDBのデータ値よりも振分用乱数R3の値を示すデータ値の方が小さくない場合(すなわち、大きい場合)には、Cフラグを「0」とする。本実施形態においてステップS27の処理でCフラグを「1」とする場合は、振分テーブルT2から選択する変動パターンを確定した場合である。一方、本実施形態においてステップS27の処理でCフラグを「0」とする場合は、振分テーブルT2から選択する変動パターンを確定していない場合である。
次に、主制御用CPU35aは、Cフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS29)。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、ステップS20で取得したパターンデータB1を+01H(1加算)し(ステップS30)し、ステップS30の終了後にステップS27に戻る。このステップS30の処理により、主制御用CPU35aは、振分テーブルT2の格納領域に格納されている次の振分データDBとステップS26で取得した振分用乱数R3の値とを比較する準備を行う。すなわち、ステップS30の処理後、パターンデータB1は、+01Hによって更新され、次の振分データDBに対応するパターンデータB1を示すことになる。例えば、図9(a)に示す、アドレスデータSP01の振分テーブルT2から変動パターンを選択する場合、ステップS27で比較した振分データDBが「12」であって、その比較結果が否定のときにはパターンデータB2(2AHを示すデータ)は、ステップS30の処理によって+01Hされることで「2BH」を示すデータに書き換えられる。本実施形態では、主制御用RAM35cが、パターンデータB1を書き換え可能な記憶領域を有する記憶手段となる。
そして、主制御用CPU35aは、ステップS30の処理の終了後にステップS27の処理に戻ったならば、ステップS27の処理により、次の振分データDBと振分用乱数R3の値とを比較し、その比較結果に応じてCフラグを「0」又は「1」とする。なお、ステップS28の処理後、テーブルアドレスは次の振分データDBの格納領域を示すことになるので、主制御用CPU35aは、ステップS30からステップS27に戻った場合、次の振分データDBと振分用乱数R3の値とを比較することができる。そして、主制御用CPU35aは、ステップS29の判定結果が肯定になる迄、すなわちCフラグを「1」とし、選択する変動パターンを確定できる迄、ステップS27〜ステップS30の処理を繰り返す。
本実施形態において主制御用CPU35aは、ステップS29の判定結果が否定になると、変動パターン指定コマンドの下位バイトを示すパターンデータB1の更新処理(ステップS30)を実行する。これにより、本実施形態において振分テーブルT2には、振分データDBのみを格納しておけば良く、図9〜図11に比較例として示した振分テーブルT2のように振分データDBとパターンデータB1を1対1の関係で対応付けて格納しておく必要がない。そして、本実施形態においてパターンデータB1の更新処理(ステップS30)を実行するに際しては、振分テーブルT1に、振分テーブルT2の先頭に格納した振分データDBに対応する変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドの下位バイトを示すデータ(パターンデータB1)のみを格納すれば良い。
図12のフローチャートの説明に戻り、主制御用CPU35aは、ステップS29の判定結果が肯定となった場合、主制御用RAM35cのワークエリアに格納されているパターンデータB1をレジスタにセットする(ステップS31)。そして、主制御用CPU35aは、ステップS31でレジスタにセットしたパターンデータB1を変動パターン番号1にセーブする(ステップS32)。次に、主制御用CPU35aは、ステップS18におけるパターンデータB2をレジスタにセットし(ステップS33)、そのセットしたパターンデータB2を変動パターン番号2にセーブする(ステップS34)。このステップS34の処理の終了により、主制御用CPU35aは、変動パターンを選択したことになり、変動パターン選択処理を終了する。
その後、主制御用CPU35aは、変動パターン選択処理の終了後、次周期以降の出力処理において、ステップS32,S34で変動パターン番号1,2にセーブしたパターンデータB1,B2に対応する変動パターン指定コマンドをサブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aに出力する。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において、変動パターンが選択される態様を、具体例を挙げて説明する。なお、以下の説明は、確変大当りを決定している場合を例とする。
主制御用CPU35aは、振分用乱数R2として「1」を取得した場合、その乱数値「1」と振分データDAとしての「2」との比較により、振分データDAとして「2」を含む振分テーブルT1から、変動パターンを選択する振分テーブルT2としてアドレスデータSP01の振分テーブルT2を確定する。そして、主制御用CPU35aは、振分用乱数R3として「35」を取得した場合、その乱数値と振分テーブルT2の振分データDBを順次比較し、選択する変動パターンを確定する。すなわち、主制御用CPU35aは、最初に振分テーブルT2に格納されている先頭の振分データDBとしての「12」と乱数値「35」を比較する。この比較結果は否定されるので、主制御用CPU35aは、パターンデータB1を「2AH」に+01H(1加算)して「2BH」に更新する。次に、主制御用CPU35aは、振分テーブルT2に格納されている2番目の振分データDBとしての「16」と乱数値「35」を比較する。この比較結果も否定されるので、主制御用CPU35aは、パターンデータB1を「2BH」に+01H(1加算)して「2CH」に更新する。次に、主制御用CPU35aは、振分テーブルT2に格納されている3番目の振分データDBとしての「28」と乱数値「35」を比較する。この比較結果も否定されるので、主制御用CPU35aは、パターンデータB1を「2CH」に+01H(1加算)して「2DH」に更新する。
次に、主制御用CPU35aは、振分テーブルT2に格納されている4番目の振分データDBとしての「40」と乱数値「35」を比較する。この比較結果は肯定されることになるので、主制御用CPU35aは、パターンデータB1である「2DH」を変動パターン番号1にセーブするとともに、パターンデータB2である「81H」を変動パターン番号2にセーブする。これにより、主制御用CPU35aは、変動パターンP49を選択し、当該変動パターンP49を指示する変動パターン指定コマンド(81H2DH)を統括制御用CPU36aに出力する。
本実施形態によれば、変動パターン選択処理により、パターンデータB1(変動パターン指定コマンドの下位バイト)を更新しているので、振分テーブルT2に対して振分データDBのみを格納することができ、振分テーブルT2のデータ容量を削減し得る。パターンデータB1は、2バイトのデータで構成される。このため、本実施形態の振分テーブルT2では、振分データDB毎(変動パターン毎)にパターンデータB1(変動パターン指定コマンドの下位バイト)を対応付けて格納する比較例の振分テーブルT2に比して、パターンデータB2が格納されていない分だけ、振分テーブルT2のデータ容量が削減される。例えば、図3〜図5には、124の変動パターンを例示しているが、この124の変動パターンに対する振分テーブルT2におけるデータ容量の削減分だけを計算したとしても、124×2=248バイトとなる。すなわち、本実施形態のように振分テーブルT2を構築した場合、変動パターン数が増加すればするほど、データ容量が削減されることになる。
しかも、比較例のような振分データDBとパターンデータB1の1対1の対応付けの場合には、本実施形態のように振分テーブルT2の共通化を図ることができない。したがって、振分テーブルT2の共通化を加味すると、本実施形態の振分テーブルT2によるデータ容量の削減分は、比較例に比べてさらに大きくなる。
その一方で、本実施形態においては、振分テーブルT1にパターンデータB1を新たに格納している。しかし、振分テーブルT1に格納するパターンデータB1は、振分テーブルT2における先頭の振分データDBに対応するパターンデータB1(2バイト)のみである。このため、振分テーブルT1については、比較例の振分テーブルT1よりもデータ容量が増加することになるが、その増加分は振分テーブルT2のデータ容量の削減分に比して極めて小さい。したがって、振分テーブルT1と振分テーブルT2のデータ容量の増減をトータル的に勘案しても、本実施形態の構成によればデータ容量の削減を達成し得る。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)主制御用CPU35aは、変動パターンを選択する迄の間、変動パターンを特定するパターンデータB1(変動パターン指定コマンドの下位バイト)を書き換えて更新する処理を行うので、パターンデータB1を振分データDBとともに振分テーブルT2に格納しておく必要がない。その結果、振分テーブルT2のデータ容量を増大させることなく、変動パターン数を増加し得る。すなわち、変動パターンを増加させて、その増加に伴って振分テーブルT2のデータ容量が大幅に増加することがない。
(2)また、振分テーブルT2に格納した振分データDBは、他の変動パターンを対応付けることによって流用することが可能であって、汎用性を持たせることができる。したがって、振分データDBに対して一義的に変動パターンを対応付ける場合に比して、主制御用ROM35bのデータ容量の削減に寄与し得る。
(3)振分テーブルT1に格納するパターンデータB1,B2を変更することで、同じ振分テーブルT2を用いて異なる変動パターンを選択することができる。すなわち、振分テーブルT2を共通化することができる。また、振分テーブルT2を共通化したとしても、振分データDAを異ならせることにより、同じ振分テーブルT2を用いて選択される変動パターンの選択率を異なる選択率に設定することができる。
(4)振分テーブルT2は、主制御用CPU35aが変動パターンを選択する時の遊技状態(低確率状態、高確率状態など)毎に設けている。したがって、本実施形態における振分テーブルT2の構成を採用すれば、遊技状態毎に振分テーブルT1,T2を設けても、データ容量の増大を抑制することができる。
(5)変動パターンP46〜P65と、変動パターンP192〜P211は、変動サイクルの回数の相違によって変動時間が異なるだけの変動パターンであることから、これらの変動パターンを選択するための振分テーブルT2を共通化でき、主制御用ROM35bのデータ容量の削減に寄与し得る。そして、変動サイクルの回数が異なる図柄変動ゲームを実行させるグループ内での各変動パターンの選択率を保持したまま別のグループに適用したい場合であっても、同じ振分テーブルT2を用いて選択することができる。
(6)振分テーブルT2における比較順が同一順となるように振分データDBを格納していることから、同じ変動パターンを異なる振分テーブルT2から選択させる場合において、変動パターンを特定するパターンデータB1を抽出する処理を共通化することができる。すなわち、振分テーブルT2毎にパターンデータB1を抽出する処理を設定する必要がなく、制御プログラムの簡素化、及びデータ容量の削減に寄与できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、振分テーブルT2には、変動パターン選択処理(図12)においてパターンデータB1を更新する際に、パターンデータB1を規則的に変化させることができれば、格納する振分データDBの種類を変更しても良い。例えば、振分テーブルT2に、パターンデータB1を+02Hずつ変化させるように振分データDBを格納しても良い。
○ 実施形態では、各振分テーブルT2に対してパターンデータB1が+01Hずつ変更する規則のもとで振分データDBを格納しているが、その規則を異ならせて振分データDBを格納した振分テーブルT2を構築し、主制御用ROM35bに格納しても良い。この場合、変動パターン選択処理(図12)には、振分テーブルT2の種類に応じてパターンデータB1を更新する態様が異なる複数の処理を設定し、主制御用CPU35aは選択した振分テーブルT2に応じて更新する処理を選択して実行する。
○ 実施形態において、振分テーブルT1及び振分テーブルT2は、特別図柄用の保留記憶数に応じて設けても良い。例えば、保留記憶数が「0,1」の時に選択する振分テーブルT1及び振分テーブルT2と、保留記憶数が「2,3」の時に選択する振分テーブルT1及び振分テーブルT2を設けても良い。また、遊技状態と特別図柄用の保留記憶数を組み合わせて振分テーブルT1及び振分テーブルT2を設けても良い。例えば、低確率状態、非時短状態及び保留記憶数「0,1」の時の振分テーブルT1及び振分テーブルT2や、低確率状態、非時短状態及び保留記憶数「2,3」の時の振分テーブルT1及び振分テーブルT2を設けても良い。なお、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10の遊技状態としては、低確率状態+非時短状態、低確率状態+時短状態、高確率状態+非時短状態、高確率状態+時短状態が考えられる。
○ 実施形態において、変動パターン指定コマンドの上位バイトが1種類のみの場合は、振分テーブルT1に格納するデータを、振分データDAと、パターンデータB1と、振分テーブルT2のアドレスデータの3つとしても良い。
○ 実施形態において、各振分テーブルT1,T2に対する振分データDA,DBの値を変更しても良い。すなわち、振分テーブルT1,T2に対する振分データDA,DBの値を変更することにより、変動パターンの選択率が代わることになる。
○ 実施形態において、はずれリーチの場合の区分を1つに変更し、振分テーブルT1,T2を格納しても良い。すなわち、振分用乱数R1によってノーマルリーチ及びスーパーリーチの何れかを選択する処理を省略し、リーチ判定用乱数とリーチ判定値からはずれリーチ演出の実行を決定した場合、振分用乱数R2,R3をもとに変動パターンを決定するようにしても良い。
○ 実施形態において、再抽選演出を実行する変動パターンと再抽選演出を実行しない変動パターンとで振分テーブルT2を共通化しても良い。再抽選演出は、図柄組み合わせゲームにおいて、大当り図柄(大当りを認識できる図柄組み合わせ)を一旦停止表示させた後、その大当り図柄を再変動させて最終的に確定停止表示させる大当り図柄を導出する演出である。この再抽選演出は、非確変大当りを認識し得る大当り図柄が、確変大当りを認識し得る大当り図柄に昇格するか否かを遊技者に期待させる演出として行われる。そして、再抽選演出を実行する変動パターンと再抽選演出を実行しない変動パターンでは、図柄変動ゲームの開始から大当り図柄を一旦停止表示させる迄の演出内容が同一である場合、その時点までの変動時間も同じになる。したがって、両変動パターンは、再抽選演出の有無によってゲーム全体の変動時間(大当り図柄が確定停止表示される迄の時間)のみが相違する変動パターンとなる。
○ 実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
○ 実施形態において、サブ統括制御基板36を省略し、サブ統括制御基板36で実行する処理を表示制御基板37で実行するようにしても良い。また、サブ統括制御基板36と、ランプ制御基板38と、音声制御基板39とを単一の基板で構成しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)図柄変動ゲームの変動時間及び前記図柄変動ゲームが開始してから終了するまでの演出態様を特定し得る変動パターンを複数種類の変動パターンの中から選択し、その選択した変動パターンにしたがって表示装置に前記図柄変動ゲームを表示させる遊技機において、変動パターンを選択する際に用いる変動パターン選択用の判定値のみを格納した判定値テーブルを記憶するテーブル記憶手段と、前記変動パターンを特定するパターン特定用のデータ値を書き換え可能な記憶領域を有する記憶手段と、変動パターン選択用乱数の値と前記変動パターン選択用の判定値を比較し、その比較結果をもとに変動パターンを選択する選択手段と、を備え、前記判定値テーブルには、前記変動パターン選択用の判定値が、前記選択手段によって前記変動パターン選択用乱数の値と比較される比較順に格納されており、前記選択手段は、前記変動パターン選択用乱数の値と前記変動パターン選択用の判定値を比較した結果、当該判定値に対応する変動パターンが選択すべき変動パターンではないと判断した場合には前記記憶手段に記憶する前記パターン特定用のデータ値を、前記比較順において次の変動パターン選択用の判定値に対応する変動パターンを特定するデータ値に書き換えた後、前記次の変動パターン選択用の判定値と前記変動パターン選択用乱数の値とを比較する処理へ移行し、前記変動パターン選択用乱数の値と前記変動パターン選択用の判定値を比較した結果、当該判定値に対応する変動パターンが選択すべき変動パターンであると判断した場合には前記記憶手段に記憶されている前記パターン特定用のデータ値を抽出し、当該データ値から特定される変動パターンを選択することを特徴とする遊技機。
(ロ)前記テーブル記憶手段には複数種類の判定値テーブルが記憶されているとともに、前記選択手段が、前記変動パターンの選択時に前記複数種類の判定値テーブルの中から一の判定値テーブルを選択する際に用いる選択用テーブルが記憶されており、前記選択用テーブルには、前記選択手段が前記判定値テーブルを選択する際に判定値テーブル選択用乱数の値と比較する判定値テーブル選択用の判定値と、前記選択手段が前記判定値テーブルから前記変動パターンを選択する際に前記変動パターン選択用乱数の値と最初に比較する変動パターン選択用の判定値に対応する変動パターンを特定可能な前記パターン特定用のデータ値と、前記判定値テーブルを特定するテーブル特定用のデータ値とが格納されていることを特徴とする技術的思想(イ)に記載の遊技機。
(ハ)前記テーブル記憶手段には、複数種類の選択用テーブルが記憶されており、前記選択用テーブルは、前記選択手段が、前記変動パターンを選択する時の遊技状態、及び始動保留球の記憶数のうち少なくともいずれか一つ毎に設けられていることを特徴とする技術的思想(ロ)に記載の遊技機。
(ニ)前記変動パターンには、図柄を変動させてから図柄を確定停止表示するまでを1回とする図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始から図柄の変動停止までを1回とする変動サイクルの実行毎に大当り表示結果が表示されるか否かの可能性を示唆する予告演出を実行させる予告変動パターンを含み、前記テーブル記憶手段には、予告変動パターン選択用の判定値を格納した判定値テーブルが記憶されており、前記図柄変動ゲームにおいて第1回数の変動サイクルを実行させる予告変動パターンを選択可能な判定値テーブルと、前記第1回数とは異なる第2回数の変動サイクルを実行させる予告変動パターンを選択可能な判定値テーブルとは共通化されていることを特徴とする技術的思想(イ)〜技術的思想(ハ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ホ)前記テーブル記憶手段には、複数種類の変動パターンに対応する前記変動パターン選択用の判定値を格納した第1判定値テーブルと、前記第1判定値テーブルから選択可能な前記複数種類の変動パターンのうち、一部の変動パターンに対応する前記変動パターン選択用の判定値を格納した第2判定値テーブルが記憶されており、前記第1判定値テーブルから選択可能な変動パターンに対応する前記パターン特定用のデータ値と、前記第2判定値テーブルから選択可能な変動パターンに対応する前記パターン特定用のデータ値は共通化されており、前記第1判定値テーブルと前記第2判定値テーブルには、同一の演出態様となる変動パターンに対応する変動パターン選択用の判定値が、前記選択手段による比較順が同一順となるように格納されており、前記比較順は前記第1判定値テーブル及び前記第2判定値テーブルの何れのテーブルにおいても選択可能な変動パターンに対応する変動パターン選択用の判定値から順に付されていることを特徴とする技術的思想(イ)〜技術的思想(ニ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。