(第1の実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図21にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視可能な状態で保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15を有する上皿ユニット15aが共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う発光装置としての装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ遊技機10の下部)には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行う音声出力装置としてのスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18を有する下皿ユニット18a及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作することにより、上球皿15に貯留されている遊技球が遊技盤13の遊技領域13aに発射されるようになっている。なお、遊技領域13aに向けて発射される遊技球は、発射装置19の操作量に応じて発射の強弱が設定される。
遊技盤13の前面には、発射装置19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aを形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤13には、該遊技盤13の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路21が形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域13aが形成される。そして、誘導路21の下方には、中枠12に装着されるとともに、発射ユニットの作動によって打球される遊技球を案内する図示しない発射レールが配置されている。また、遊技盤13の前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域13a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域13bとされている。
遊技盤13の遊技領域13aのほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)23が装着されている。表示枠体23の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口23aが形成されており、当該セット口23aに整合して表示枠体23には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置H2が装着されている。演出表示装置H2には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置H2の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置H2の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体23の下方には、発光型の表示装置としての特別図柄表示装置H1が配置されている。本実施形態の特別図柄表示装置H1は、7セグメントLED式の表示装置とされている。特別図柄表示装置H1には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置H1の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では2列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、特別図柄表示装置H1の図柄変動ゲームは、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄となる特別図柄を用いて行われる。
特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置H1では各列の特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置H2では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定的に停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定的に停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定的に停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示装置H1には、[00]〜[99]までの100種類の数字と、[−−]の符号が特別図柄として表示されるようになっている。特別図柄表示装置H1に確定停止表示された図柄が[00]〜[99]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特別図柄の大当り図柄となる。また、特別図柄表示装置H1に確定停止表示された図柄が[−−]の符号の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特別図柄のはずれ図柄となる。
その一方、本実施形態において演出表示装置H2には、各列毎に、[0]〜[9]までの数字図柄Nと、ブランク図柄Bが飾り図柄として表示されるようになっている。ブランク図柄Bは、図3(a)〜(c)に示すように、各数字図柄Nの間に配置される図柄であって、ブランク図柄Bを含んで構成される図柄組み合わせははずれとなる。そして、演出表示装置H2の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、各列に導出された飾り図柄の組み合わせによって構成される。大当り図柄は、全列が同一種類の飾り図柄からなる組み合わせで構成されるとともに、はずれ図柄は、全列の飾り図柄の種類が異なる組み合わせ及び1列の飾り図柄の種類が他の列とは異なる組み合わせで構成される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置H1の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置H2を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置H1よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置H2の表示内容に注目し、該演出表示装置H2の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
前記リーチ演出は、演出表示装置H2で行われる図柄変動ゲームにおいて予め定めた特定列の飾り図柄が同一種類の図柄で、かつ特定列以外の列が変動する組み合わせで構成されるリーチ図柄が停止表示されることによって行われる演出である。リーチ図柄は、本実施形態のパチンコ遊技機10のように3列の飾り図柄を表示させる場合であって図柄停止順序が左列→右列→中列の場合、左列の飾り図柄と右列の飾り図柄が同一種類となる組み合わせで構成される。予告演出は、1回の図柄変動ゲームにおいて該ゲームにおける大当りか否かの可能性(すなわち、大当りの期待度)を示唆する演出である。この予告演出は、内部抽選で大当りが決定されている場合の図柄変動ゲームで出現すると、その予告が該ゲームで現実化されて大当りとなる。その一方で、予告演出は、内部抽選ではずれが決定されている場合の図柄変動ゲームで出現すると、その予告が該ゲームで現実化されずにはずれとなる。
また、本実施形態の演出表示装置H2の画像表示部GHには、図2に示すように9つの図柄表示位置D1〜D9が定められているとともに、図3(a)〜(c)に示すように、左列(第1図柄列)R1と、中列(第2図柄列)R2と、右列(第3図柄列)R3の3つの図柄列が変動表示されるようになっている。これら9つの図柄表示位置D1〜D9は、縦方向に上段、中段、下段となるよう3行に配置されているとともに、横方向に右、中、左となるよう3列に配置されている。そして、遊技者側から見て最も左に位置する第1列用上図柄表示位置D1と、第1列用中図柄表示位置D2と、第1列用下図柄表示位置D3は、左列R1に対応する図柄表示位置とされ、左列R1の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て中央に位置する第2列用上図柄表示位置D4と、第2列用中図柄表示位置D5と、第2列用下図柄表示位置D6は、中列R2に対応する図柄表示位置とされ、中列R2の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て最も右に位置する第3列用上図柄表示位置D7と、第3列用中図柄表示位置D8と、第3列用下図柄表示位置D9は、右列R3に対応する図柄表示位置とされ、右列R3の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。この構成により、本実施形態の演出表示装置H2では、左列R1の右隣に中列R2が配置されるとともに、該中列R2の右隣に右列R3が配置され、これらの各列R1〜R3が縦方向にスクロール変動されるようになっている。なお、各列R1〜R3では、上段と下段の各図柄表示位置に数字図柄Nが停止表示されると中段にブランク図柄Bが停止表示され、中段の図柄表示位置に数字図柄Nが停止表示されると上段と下段にブランク図柄Bが停止表示される。
そして、演出表示装置H2では、第1列用中図柄表示位置D2、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用中図柄表示位置D8に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D2,D5,D8によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL1が形成される。また、演出表示装置H2では、第1列用上図柄表示位置D1、第2列用上図柄表示位置D4、及び第3列用上図柄表示位置D7に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D1,D4,D7によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL2が形成される。また、演出表示装置H2では、第1列用下図柄表示位置D3、第2列用下図柄表示位置D6、及び第3列用下図柄表示位置D9に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D3,D6,D9によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL3が形成される。
また、演出表示装置H2では、第1列用下図柄表示位置D3、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用上図柄表示位置D7に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D3,D5,D7によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL4が形成される。また、演出表示装置H2では、第1列用上図柄表示位置D1、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用下図柄表示位置D9に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D1,D5,D9によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL5が形成される。
有効ラインL1は演出表示装置H2の中段において横方向へ直線的に延びるよう形成されるとともに、有効ラインL2は演出表示装置H2の上段において横方向へ直線的に延びるよう形成され、さらに有効ラインL3は演出表示装置H2の下段において横方向へ直線的に延びるよう形成される。また、有効ラインL4は演出表示装置H2の右上がりの斜め方向(又は左下がりの斜め方向)へ直線的に延びるよう形成されるとともに、有効ラインL5は演出表示装置H2の左上がりの斜め方向(又は右下がりの斜め方向)へ直線的に延びるよう形成される。この構成により、本実施形態のパチンコ遊技機10は、5つの有効ラインL1〜L5を形成し得る演出表示装置H2を備えた5ライン機とされている。
そして、本実施形態において、左列R1→右列R3→中列R2の順に変動を停止させて図柄を停止表示させた場合、演出表示装置H2には、次のようなリーチ状態を表示することが可能である。有効ラインL1〜L3上には、同時にリーチ状態が表示されることなく、有効ラインL1、有効ラインL2又は有効ラインL3のうち何れか1本の有効ライン上に1つのリーチ状態(シングルリーチ)が表示可能とされている。また、有効ラインL4及び有効ラインL5上には、同時にリーチ状態を表示可能であって、2本の有効ラインL4,L5上に2つのリーチ状態(ダブルリーチ)が表示可能とされている。
図1及び図2の説明に戻り、表示枠体23の下方であって、図1及び図2において特別図柄表示装置H1の左横には、機内部で記憶した特別図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する特別図柄保留記憶表示装置24が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口26と下始動入賞口27)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
特別図柄保留記憶表示装置24は、第1保留ランプ24aと、第2保留ランプ24bと、第3保留ランプ24cと、第4保留ランプ24dからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、特別図柄保留記憶表示装置24は、保留ランプの点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプ24aのみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプ24a〜24dの全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプ24a〜24dの全てが消灯している。
表示枠体23の下方であって、図1及び図2において特別図柄表示装置H1の右横には、発光型の普通図柄表示装置H3が配置されている。本実施形態の普通図柄表示装置H3は、7セグメントLED式の表示装置とされている。普通図柄表示装置H3には、複数種類の図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態において普通図柄表示装置H3の普通図柄変動ゲームでは、1列の普通図柄を導出する。普通図柄変動ゲームは、前述した大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根28の開動作により下始動入賞口27を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。本実施形態においては、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄として[7]の数字からなる普通図柄が表示されるとともに、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄として[−(バー)]の符号からなる普通図柄が表示される。
また、表示枠体23の下方であって、図1及び図2において普通図柄表示装置H3の右横には、機内部で記憶した普通図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する普通図柄保留記憶表示装置25が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の左方に配置される普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート31に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
普通図柄保留記憶表示装置25は、第1保留ランプ25aと、第2保留ランプ25bと、第3保留ランプ25cと、第4保留ランプ25dからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、普通図柄保留記憶表示装置25は、保留ランプの点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプ25aのみが点灯している場合には1回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプ25a〜25dの全てが点灯している場合には4回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、普通図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプ25a〜25dの全てが消灯している。
また、表示枠体23の下方の遊技領域13aには、遊技球の入球口26aを有する上始動入賞口26と遊技球の入球口27aを有する下始動入賞口27が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口26は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口27は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根28を備えており、開閉羽根28が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口27aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口27は、開閉羽根28が開動作して入球口27aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口26と下始動入賞口27の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口センサSW1,SW2(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口26と下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口27は開閉羽根28が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根28が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、下始動入賞口27の下方の遊技領域13aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉29を備えた大入賞口(特別電動役物)30が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉29の開動作によって大入賞口30が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(例えば、15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されてから大入賞口扉29の閉動作により大入賞口30が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口30は、規定入球個数(例えば、9球)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(例えば、25秒)が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体23の左方の遊技領域13aには、普通図柄作動ゲート31が配設されている。普通図柄作動ゲート31の奥方には、該普通図柄作動ゲート31へ入球し通過した遊技球を検知するゲートセンサSW3(図3に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート31は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。
また、遊技盤13の遊技領域13aの最下方(大入賞口30よりも下方)には、遊技領域13aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト口32が形成されている。アウト口32を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。また、確変状態が付与されると、普通図柄ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート31の通過に基づく普通図柄ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、下始動入賞口27の開閉羽根28は、確変状態が付与されている場合と、通常状態(入球率向上状態が付与されていない状態)が付与されている場合とでは、普通図柄ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄ゲームに当選する場合には、開閉羽根28が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、確変状態時に普通図柄ゲームに当選する場合には、開閉羽根28が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根28は、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態のパチンコ遊技機10において演出表示装置H2には、飾り図柄の数字図柄Nとして[0]〜[9]までの10種類が表示されるようになっている。そして、飾り図柄の組み合わせによって構成される10種類の大当り図柄[000]〜[999]のうち、5種類の大当り図柄が確変大当りの場合に確定的に停止表示される確変大当り図柄とされている。具体的には、[111]、[333]、[555]、[777]及び[999]の5種類の大当り図柄が確変大当り図柄とされている。一方で、残りの5種類の大当り図柄が、確変大当りではない場合、すなわち大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当りの場合に確定的に停止表示される非確変大当り図柄とされている。具体的には、[000]、[222]、[444]、[666]及び[888]の5種類が非確変大当り図柄とされている。このような飾り図柄による大当り図柄の設定により、遊技者は、演出表示装置H2に確定的に停止表示された大当り図柄の種類から、確変大当りであるか、又は非確変大当りであるかを認識し得る。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄の大当り図柄として[00]〜[99]の100種類の数字が用意されているが、この特別図柄の大当り図柄についても確変大当り図柄と非確変大当り図柄に分類されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームにおいて再始動演出を実行可能に構成されている。再始動演出は、図柄変動ゲームにおいて図柄を仮停止状態で停止表示させてから、その図柄を再び変動させて変動前と同一の図柄又は異なる図柄を導出する演出である。なお、本実施形態において再始動演出は、再始動演出が行われた時点、すなわち本実施形態において中列R2が再始動した時点で大当りとなることを認識し得る大当り確定の演出となっている。図3(a)〜(c)は、再始動演出の一例を示す。図3(a)では、第1列用中図柄表示位置D2と、第2列用中図柄表示位置D5と、第3列用中図柄表示位置D8からなる有効ラインL1上にはずれを認識し得る図柄組み合わせ[878]が仮停止状態で停止表示されている。本実施形態において、図3(a)に示す図柄組み合わせ[878]は、第1列用中図柄表示位置D2の図柄[8]と第3列用中図柄表示位置D8の図柄[8]によってリーチが形成され、リーチ演出(後述するノーマルリーチ)を経て第2列用中図柄表示位置D5に左右2列の図柄[8]とは異なる図柄[7]が導出されてなる。そして、本実施形態において、図3(a)の状態、すなわちはずれの状態から再始動演出が行われる。本実施形態の再始動演出では、3列の図柄列のうち、中列R2を図に示す矢印方向(上から下に向かう方向)に再始動させて図柄を再び導出するようになっている。
図3(b)には、再始動演出の開始により、中列R2が再始動し、図3(a)の状態(再始動開始前)で第2列用中図柄表示位置D5に停止表示されていた図柄[7]が第2列用下図柄表示位置D6に移動した様子を示している。この中列R2の再始動により、第2列用中図柄表示位置D5にはブランク図柄が移動し、第2列用上図柄表示位置D4には中列R2の図柄配列において図柄[7]の次の図柄配列となる図柄[8]が移動する。そして、図3(c)に示すように、再始動がさらに進むと、図3(b)に示す第2列用下図柄表示位置D6の図柄[7]が画像表示部GH外に移動し、第2列用中図柄表示位置D5のブランク図柄Bが第2列用下図柄表示位置D6へ移動するとともに、第2列用上図柄表示位置D4の図柄[8]が第2列用中図柄表示位置D5へ移動する。図3(c)に示す状態において、有効ラインL1上には、同一図柄(図柄[8])が揃った状態、すなわち大当りを認識し得る図柄組み合わせ[888]が停止表示される。そして、図3(c)の状態で中列R2の再始動が終了し、画像表示部GH内に停止表示されている各図柄を確定停止表示させると、大当りになる。図3(c)で各図柄が確定停止表示した場合は、非確変大当りが生起されることになる。
なお、本明細書では、図3(a),(b)に示す図柄[7]のように、当該図柄が、その図柄表示位置を1つの図柄表示位置分だけ変化させるように変動方向に沿って移動する変動態様を「図柄が1コマ移動(変動)する」と表現する。そして、図3(a)のはずれを認識し得る状態(再始動開始前)から、中列R2の図柄を「2コマ移動」させると、図3(c)の大当りを認識し得る状態(再始動終了後)が形成される。図3(a)〜(c)に例示する再始動演出では、中列R2の図柄の移動コマ数が「2」となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームにおいて再抽選演出を実行可能に構成されている。再抽選演出は、図柄変動ゲームにおいて大当り図柄を仮停止状態で停止表示させてから、その大当り図柄を再び変動させて変動前と同一の大当り図柄又は異なる大当り図柄を導出する演出である。この再抽選演出は、本実施形態のパチンコ遊技機10のように確変機能を備えている場合に、仮停止状態の非確変大当り図柄が再抽選演出を経て確変大当り図柄に昇格する期待感を付与するために行われる演出である。本実施形態において再抽選演出は、仮停止状態の大当り図柄が非確変大当り図柄の場合に行われるように設定されているとともに、前述した再始動演出の行われた後に再抽選演出が行われた場合には必ず確変大当り図柄が導出されるように設定されている。換言すれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、内部的に確変大当りを決定し、かつ再抽選演出の実行を決定した場合、仮停止状態で停止表示させる大当り図柄を非確変大当り図柄に決定し、再抽選演出の実行前の演出(本実施形態では再始動演出)で非確変大当り図柄を導出し、その後に再抽選演出で確変大当り図柄を導出させるようになっている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、再始動演出後の仮停止状態の大当り図柄が確変大当り図柄の場合には再抽選演出が行われないとともに、再抽選演出で再び非確変大当り図柄が導出されることも無いようになっている。
図4(a)〜(c)は、再抽選演出の一例を示す。図4(a)では、第1列用中図柄表示位置D2と、第2列用中図柄表示位置D5と、第3列用中図柄表示位置D8からなる有効ラインL1上に大当りを認識し得る図柄組み合わせ[888]が仮停止状態で停止表示されている。そして、本実施形態において、図4(a)の状態、すなわち大当りを認識し得る状態から再抽選演出が行われる。本実施形態の再抽選演出では、図4(b)に示すように、全ての図柄列(左列R1、中列R2、右列R3)を図に示す矢印方向(上から下に向かう方向)に再始動させて行われる。そして、再抽選演出の開始後、所定時間の経過後に、各図柄列の変動が停止し、図4(c)に示すように、有効ラインL1上に同一図柄(図柄[9])が揃った状態、すなわち大当りを認識し得る図柄組み合わせ[999]が停止表示される。そして、画像表示部GH内に停止表示されている各図柄を確定停止表示させると、大当りになる。図4(c)の状態で各図柄が確定停止表示された場合は、確変大当りが生起されることになる。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図4〜図19にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御手段としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御手段としてのサブ統括制御基板(統括制御基板)36と、演出制御手段としての表示制御基板37と、演出制御手段としてのランプ制御基板38と、演出制御手段としての音声制御基板39が装着されている。本実施形態では、これらの各制御基板36〜39によって主制御基板35が出力した制御信号に基づき遊技演出に係る各種制御を専門的に制御する。そして、表示制御基板37と、ランプ制御基板38と、音声制御基板39が副制御基板となる。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39を統括的に制御する。表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板38は主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ(装飾ランプ16)の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板39は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及びランプ制御基板38について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aのメイン制御プログラムMPを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御基板35には、出力ポート35d及び出力バッファ35eが設けられており、出力ポート35d及び出力バッファ35eは主制御用CPU35aに接続されている。
また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口26に入球した遊技球を検知する始動口センサSW1と、下始動入賞口27に入球した遊技球を検知する始動口センサSW2と、普通図柄作動ゲート31を通過した遊技球を検知するゲートセンサSW3が接続されている。また、主制御用CPU35aには、特別図柄表示装置H1と、普通図柄表示装置H3と、特別図柄保留記憶表示装置24と、普通図柄保留記憶表示装置25が接続されている。
主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する。そして、主制御用CPU35aは、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えることにより、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りを付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当り判定で大当りを決定した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分乱数は、図柄変動ゲームの変動時間及び該ゲームが開始してから終了するまでの演出態様を特定し得る変動パターンを決定(選択)する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU35aは、時間を計測するタイマを更新する。主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムMPに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、変動パターンは、大当り演出、はずれリーチ演出及びはずれ演出からなる演出内容毎に分類されている。大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。
大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、大当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「1318」までの全1319通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として4つの値を設定した場合、大当り判定が肯定判定される割合、すなわち大当りの当選確率は1319分の4(329.75分の1)となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10には、239種類の変動パターンP1〜P239が用意されている。図6は、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された変動パターンP1〜P239のうち、一部の変動パターンを示す変動パターン表である。そして、図6に示すように、変動パターンP44〜P100までの57種類の変動パターンは、何れも大当り演出用の変動パターンであって、何れもノーマルリーチ変動を経由して再始動演出(図3)を行うパターンとされている。ノーマルリーチ変動は、リーチ演出の種類を示す。なお、図6の変動パターン表には図示していないが、本実施形態のパチンコ遊技機10には、ノーマルリーチ変動のリーチ演出を経由して行われるスーパーリーチ変動のリーチ演出を行う変動パターンも用意されている。スーパーリーチ変動のリーチ演出は、ノーマルリーチ変動からリーチ演出が発展する内容とされており、一般的にはノーマルリーチ変動からスーパーリーチ変動へリーチ演出が発展した場合の方が、大当りの期待度が高くなるように設定されている。これらの変動パターンP44〜P100は、図柄変動ゲームが開始してから大当りとなるまでの演出態様が同一とされており、演出態様が同一となる変動パターンとして1つのグループ(以下、このグループを「再始動グループ」と示す)を構成している。その一方で、再始動グループに属する変動パターンP44〜P100は、図柄変動ゲームの演出内容となる再始動演出の具体的な演出内容(移動コマ数や大当り図柄)が異なっている。
また、図6に示すように、変動パターンP116〜P170までの55種類の変動パターンは、何れも大当り演出用の変動パターンであって、何れもノーマルリーチ変動を経由して再始動演出(図3)を行い、その後に再抽選演出(図4)を行うパターンとされている。これらの変動パターンP116〜P170は、図柄変動ゲームが開始してから大当りとなるまでの演出態様が同一とされており、演出態様が同一となる変動パターンとして1つのグループ(以下、このグループを「再始動再抽選グループ」と示す)を構成している。その一方で、再始動再抽選グループに属する変動パターンP116〜P170は、図柄変動ゲームの演出内容となる再始動演出の具体的な演出内容(移動コマ数や大当り図柄)が異なっている。
そして、変動パターンP44〜P100、及びP116〜P170には、図9に示すように変動パターン毎に図柄変動ゲームの演出内容を特定し得る単数又は複数の演出パターンが振り分けられている。なお、図9には、演出パターンから特定される演出内容として再始動演出における図柄の移動コマ数を示している。変動パターンP44〜P100に振分けられる演出パターンについては、後述するサブ統括制御基板36の構成説明で詳細に説明する。
また、本実施形態において再始動グループの変動パターンP44〜P100と再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170は、変動パターンP44,P100を除く他の変動パターンが1対1の関係で対応付けられている。具体的には、図9に示すように、変動パターンP44と変動パターンP116、変動パターンP46と変動パターンP117、変動パターンP47と変動パターンP118、・・・というように対応付けられている。そして、本実施形態において再始動グループの1つの変動パターンと再始動再抽選グループの1つの変動パターンは、同一内容の共通演出を含むことを条件として対応付けられている。具体的に言えば、本実施形態において共通演出は図柄変動ゲームが開始してから再始動演出が終了するまでの演出とされており、対応付けられた再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンは再始動演出が終了するまでの間、同一内容の演出が行われるようになっている。なお、本実施形態において同一内容の演出とは、リーチ形成図柄が同一であること、ノーマルリーチ変動の演出内容が同一であること、再始動演出の演出内容が同一であることを意味する。このため、対応付けられた変動パターンに基づく図柄変動ゲームでは、再始動演出が終了するまでの間、演出内容が同一であることから、再始動グループの変動パターンによる図柄変動ゲームが行われているのか、又は再始動再抽選グループの変動パターンによる図柄変動ゲームが行われているのか、判別できないようになっている。
その一方で、再始動グループの変動パターンP45,P100は、再始動再抽選グループの何れの変動パターンとも対応付けられていない、すなわち同一内容で演出が行われない変動パターンであって、非対応変動パターンとされている。
そして、本実施形態において各変動パターンは、図7(a),(b)に示すように、主制御用ROM35bに記憶される変動パターン振分テーブルに振分けられている。変動パターン振分テーブルは、大当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用としてそれぞれに設定されている。図7(a),(b)は、複数の変動パターン振分テーブルのうち、大当り演出用の変動パターン振分テーブルDT1,DT2を示す。
図7(a)に示す変動パターン振分テーブルDT1は、非確変大当りを決定した場合に主制御用CPU35aが変動パターンを選択する際に用いるテーブルとされている。すなわち、変動パターン振分テーブルDT1には、非確変大当り用の変動パターンが振分けられている。そして、本実施形態において変動パターン振分テーブルDT1には、変動パターンP45,P100を除く再始動グループの変動パターンP44,P46〜P99が振分けられている。なお、変動パターン振分テーブルDT1には、変動パターンP44,P46〜P99の他にも複数の変動パターンを振分けているが、図7(a)には振分けられている変動パターンとして変動パターンP44,P46〜P99のみを図示している。
一方、図7(b)に示す変動パターン振分テーブルDT2は、確変大当りを決定した場合に主制御用CPU35aが変動パターンを選択する際に用いるテーブルとされている。すなわち、変動パターン振分テーブルDT2には、確変大当り用の変動パターンが振分けられている。そして、本実施形態において変動パターン振分テーブルDT2には、再始動グループの変動パターンP45,P100と、再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170が振分けられている。なお、変動パターン振分テーブルDT2には、変動パターンP45,P100,P116〜P170の他にも複数の変動パターンを振分けているが、図7(b)には振分けられている変動パターンとして変動パターンP45,P100,P116〜P170のみを図示している。
このように変動パターン振分テーブルDT1,DT2を構成することにより、再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170は確変大当りの場合に選択される変動パターンとなることから、図柄変動ゲームにおいて再始動演出を経て再抽選演出が行われる場合には確変大当りが確定することになる。また、再始動グループの変動パターンP44〜P100については、変動パターン振分テーブルDT1,DT2の両方に振分けられていることから、確変大当り及び非確変大当りの何れの場合でも選択される変動パターンとなる。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの統括制御プログラムTPを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。また、サブ統括制御基板36には、入力バッファ36dと、入力ポート36eと、出力ポート36fと、出力バッファ36gが設けられており、これらは統括制御用CPU36aに接続されている。そして、統括制御用CPU36aは、演出パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM36cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。演出パターン振分乱数は、演出パターンを決定する際に用いる乱数である。また、統括制御用CPU36aは、時間を計測するタイマを更新する。統括制御用RAM36cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
統括制御用ROM36bには、統括制御プログラムTPに加え、移動コマ数指定テーブルDT3が記憶されている。移動コマ数指定テーブルDT3は、統括制御用CPU36aが、図9に示すように、変動パターン毎に振分けられている演出パターンをもとに移動コマ数を指示するための移動コマ数指定コマンドを選択する際に参照するテーブルである。この移動コマ数は、本実施形態において図柄変動ゲームの演出内容を特定し得る演出パターンであって、再始動演出によって中列R2が移動するコマ数を示す。
そして、図9に示すように、変動パターンP44(P116)には、移動コマ数「1」を対応付けた1個の演出パターンが振分けられている。変動パターンP45には、移動コマ数「2」を対応付けた1個の演出パターンが振分けられている。変動パターンP46(P117)には、移動コマ数「3」を対応付けた演出パターンと、移動コマ数「1」を対応付けた演出パターンの2個の演出パターンが振分けられている。変動パターンP47(P118)には、移動コマ数「4」を対応付けた演出パターンと、移動コマ数「2」を対応付けた演出パターンの2個の演出パターンが振分けられている。
同様に、各変動パターンには、所定個数(1以上)の演出パターンが振分けられている。具体的に言えば、変動パターンP48(P119),P49(P120)には各3個の演出パターンが振分けられているとともに、変動パターンP50(P121),P51(P122)には各4個の演出パターンが振分けられている。また、変動パターンP52(P123),P53(P124)には各5個の演出パターンが振分けられているとともに、変動パターンP54(P125),P55(P126)には各6個の演出パターンが振分けられている。また、変動パターンP56(P127),P57(P128)には各7個の演出パターンが振分けられているとともに、変動パターンP58(P129),P59(P130)には各8個の演出パターンが振分けられている。また、変動パターンP60(P131),P61(P132)には各9個の演出パターンが振分けられているとともに、変動パターンP62(P133)には10個の演出パターンが振分けられており、さらに変動パターンP100には1個の演出パターンが振分けられている。
図9に示すように、各変動パターンには単数又は複数の演出パターンが振分けられており、複数種類の変動パターンの中には同じ数の演出パターンを振分けた変動パターンと異なる数の変動パターンが混在している。本実施形態では、移動コマ数の最大数を「19(コマ)」とし、変動パターンに対する演出パターンの振分け数の最大数は「10個(変動パターンP62(P133)」となっている。また、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンを振分けた場合、その複数の演出パターンは異なる演出パターンとなっている。すなわち、1つの変動パターンに対して振分けた演出パターンの中には同一の演出パターンが存在しない。
なお、図9の最上段欄に示す変動数は、該最上段欄よりも下段に示す移動コマ数に基づき再始動演出を行う場合に、対応するノーマルリーチ変動時の図柄の変動数を示す。ノーマルリーチ変動時の図柄の変動数は、左右2列に同一図柄(リーチ図柄)を停止表示させてリーチを形成してから、当該リーチの形成によって行われるノーマルリーチ時に中列R2が変動するコマ数を示す。例えば、変動数「1」は、リーチ形成後、ノーマルリーチ時に中列R2が1コマ分移動し、その変動を停止させることを示す。
図10は、移動コマ数に対応付けられる移動コマ数指定コマンドを示している。そして、移動コマ数指定テーブルDT3は、図10に示す移動コマ数に対する移動コマ数指定コマンドの対応付けをもとに、該コマンドを変動パターン及び演出パターンに対応付けて作成される。なお、図10の移動コマ数欄に記載した「0」〜「18」の数字は、制御プログラム上における移動コマ数を示す数字であり、これらの数字に括弧書きで併記したコマ数が再始動演出において見た目上に演出表現される中列R2の移動コマ数を示す。そして、各移動コマ数には、各1つの移動コマ数指定コマンドが対応付けられている。すなわち、図10に示すように、移動コマ数「0(1コマ)」には移動コマ数指定コマンド「8AH00H」が対応付けられているとともに、移動コマ数「1(2コマ)」には移動コマ数指定コマンド「8AH01H」が対応付けられており、さらに移動コマ数「2(3コマ)」には移動コマ数指定コマンド「8AH02H」が対応付けられている。同様に、移動コマ数「3(4コマ)〜18(19コマ)」には、それぞれに移動コマンド数指定コマンド「8AH03H〜8AH12H」が対応付けられている。
次に、ランプ制御基板38について説明する。
ランプ制御基板38には、制御動作を所定の手順で実行することができるランプ制御用CPU38aと、ランプ制御用CPU38aのランプ制御プログラムRPを格納するランプ制御用ROM38bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるランプ制御用RAM38cが設けられている。ランプ制御用CPU38aには、ランプ制御用ROM38bとランプ制御用RAM38cが接続されている。また、ランプ制御基板38には、入力バッファ38dと、入力ポート38eと、出力ポート38fと、出力バッファ38gが設けられており、これらはランプ制御用CPU38aに接続されている。また、ランプ制御用CPU38aは、時間を計測するタイマを更新する。ランプ制御用RAM38cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(タイマ値(カウンタ値)、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
そして、ランプ制御用ROM38bには、ランプ制御プログラムRPに加え、発光演出用の発光パターンPTと、演出データ特定テーブルとしてのデータブロック判定テーブルDT4と、通常変動時間判定テーブルDT5が記憶されている。また、ランプ制御用ROM38bには、リーチ時間判定テーブルDT6と、再始動時間判定テーブルDT7と、配置数特定テーブルとしてのデータ参照規則テーブルDT8と、オフセットテーブルDT9が記憶されている。本実施形態では、ランプ制御用ROM38bが、演出データ特定テーブル記憶部、配置数特定テーブル記憶部及びオフセットテーブル記憶部として機能する。
本実施形態において発光パターンPTのうち、再始動演出用の発光パターンPTは、中列R2を1コマ分移動させる再始動演出の再始動時間t3(図15に示す「168(ms)」)内に実行できる時間に設定された1パターンのみ用意されている。なお、中列R2を1コマ分移動させる再始動演出の再始動時間t3は、本実施形態において用意した全ての再始動時間t3(図15参照)の中の最小時間となっている。また、本実施形態において発光パターンPTのうち、再抽選演出用の発光パターンPTは、再抽選演出の再抽選時間t4(本実施形態では4000(ms))内に実行できる時間に設定された1パターンのみ用意されている。
データブロック判定テーブルDT4は、ランプ制御用CPU38aが、変動パターンに基づき決定された演出パターンの演出内容に応じて発光演出を実行させる場合に、その実行すべき発光演出を実行するまでの演出時間を特定するための演出内容データを取得する際に参照するテーブルである。通常変動時間判定テーブルDT5は、ランプ制御用CPU38aが、図柄変動ゲームにおける通常変動時間t1を判定する際に参照するテーブルである。通常変動時間t1は、図柄変動ゲームが開始してからリーチが形成される迄の時間を示す。本実施形態では、再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170に基づく図柄変動ゲームにおいて、通常変動時間は同一時間に設定されている。
リーチ時間判定テーブルDT6は、ランプ制御用CPU38aが、図柄変動ゲームにおけるリーチ演出の時間を判定する際に参照するテーブルである。リーチ時間t2(図14参照)は、リーチが形成されてリーチ演出が開始してから終了する迄の時間を示し、再始動演出を実行させる場合のリーチ時間はノーマルリーチ変動が開始してから終了する迄の時間となる。本実施形態では、再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170に基づく図柄変動ゲームにおいて、リーチ時間t2は演出パターンに応じて同一時間に設定されている場合や異なる時間に設定されている場合がある。再始動時間判定テーブルDT7は、ランプ制御用CPU38aが、再始動演出を実行させる図柄変動ゲームにおける再始動演出の時間を判定する際に参照するテーブルである。再始動時間t3(図15参照)は、再始動演出が開始してから終了する迄の時間を示す。本実施形態では、再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170に基づく図柄変動ゲームにおいて、再始動時間t3は演出パターンに応じて同一時間に設定されている場合や異なる時間に設定されている場合がある。
データ参照規則テーブルDT8は、ランプ制御用CPU38aが、データブロック判定テーブルDT4を参照して変動パターンに応じた演出内容データを取得する際に、当該変動パターンに対応付けられた演出内容データの数を特定するために参照するテーブルである。オフセットテーブルDT9は、ランプ制御用CPU38aが、データブロック判定テーブルDT4を参照して変動パターンに応じた演出内容データを取得する際に、参照すべき変動パターンに対応付けられた演出内容データの先頭オフセット値を取得する際に参照するテーブルである。
以下、各テーブルDT4〜DT9について詳しく説明する。
図12は、再始動演出を実行させる再始動グループの変動パターンP44〜P100と再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170に対応するデータブロック判定テーブルDT4を示す。本実施形態のデータブロック判定テーブルDT4は、対応する再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンにおいて同一演出内容となる共通演出を行うことから、対応する変動パターン同士が同じ演出制御データを取得するように共通化した単一のテーブルとして構成されている。
データブロック判定テーブルDT4は、演出パターンと該演出パターンに対応する演出内容データとからなるデータブロックを、複数種類の変動パターン毎に単数又は複数配置して構成される。本実施形態において1つのデータブロックは、演出パターンを示す移動コマ数(図中「コマ数」と示す)に係る1つ情報と演出内容データ(演出時間:再始動演出開始までの演出時間)を示すリーチ時間識別子に係る1つの情報からなる。本実施形態では、移動コマ数に係る情報とリーチ時間識別子に係る情報が、共通演出の演出制御データとなる。図12のデータブロック判定テーブルDT4において移動コマ数は、制御プログラム上における移動コマ数を示す数字で示しており、前述のように数字「0」は「1コマ」に、数字「1」は「2コマ」に対応している。また、リーチ時間識別子は、ランプ制御用CPU38aが、リーチ時間判定テーブルDT6からリーチ時間t2を特定する際に用いる情報である。
本実施形態のデータブロックは、演出パターンに係る情報と演出内容データに係る情報というように属性の異なる2つの情報を一組にして1つのデータブロックを構築し、そのデータブロックを変動パターン毎に配置することによりデータブロック判定テーブルDT4が構成されている。また、データブロック判定テーブルDT4は1行に1つの変動パターンに対応するデータブロックが配置され、その1行にデータブロックを構築する移動コマ数を示す数字とリーチ時間識別子を示す数字とがデータブロック単位で羅列して書き込まれることにより構成される。
そして、本実施形態において各変動パターンP1〜P57には、前述した変動パターンに対する演出パターンの振分け態様と同様に単数又は複数のデータブロックが配置されており、複数種類の変動パターンの中には同じ数のデータブロックを配置した変動パターンと異なる数のデータブロックを配置した変動パターンが混在している。なお、変動パターン毎に配置されるデータブロック数は、各変動パターンに振分けられる演出パターン数と同じ数となっている。
具体的に言えば、1個の演出パターンが振分けられた変動パターンP44(P116),P45,P100には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに1個のデータブロックが配置されている。また、2個の演出パターンが振分けられた変動パターンP46(P117),P47(P118)には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに2個のデータブロックが配置されている。また、3個の演出パターンが振分けられた変動パターンP48(P119),P49(P120)には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに3個のデータブロックが配置されている。また、4個の演出パターンが振分けられた変動パターンP50(P121),P51(P122)には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに4個のデータブロックが配置されている。また、5個の演出パターンが振分けられた変動パターンP52(P123),P53(P124)には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに5個のデータブロックが配置されている。
また、6個の演出パターンが振分けられた変動パターンP54(P125),P55(P126)には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに6個のデータブロックが配置されている。また、7個の演出パターンが振分けられた変動パターンP56(P127),P57(P128)には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに7個のデータブロックが配置されている。また、8個の演出パターンが振分けられた変動パターンP58(P129),P59(P130)には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに8個のデータブロックが配置されている。また、9個の演出パターンが振分けられた変動パターンP60(P131),P62(P132)には、データブロック判定テーブルDT4において、それぞれに9個のデータブロックが配置されている。また、10個の演出パターンが振分けられた変動パターンP62(P133)には、データブロック判定テーブルDT4において、10個のデータブロックが配置されている。
このように各変動パターンP44(P116)〜P100(P170)にデータブロックを配置すると、各変動パターンに対応する行には、データブロック数に応じたデータ(移動コマ数を示す数字とリーチ時間識別子を示す数字)が書き込まれることになる。具体的に言えば、1個のデータブロックを配置する変動パターンP44(P116),P45,P100に対応する行には、それぞれに2個のデータが書き込まれるとともに、2個のデータブロックを配置する変動パターンP46(P117),P47(P118)に対応する行には、それぞれに4個のデータが書き込まれる。また、3個のデータブロックを配置する変動パターンP48(P119),P49(P120)に対応する行には、それぞれに6個のデータが書き込まれるとともに、4個のデータブロックを配置する変動パターンP50(P121),P51(P122)に対応する行には、それぞれに8個のデータが書き込まれる。また、5個のデータブロックを配置する変動パターンP52(P123),P53(P124)に対応する行には、それぞれに10個のデータが書き込まれるとともに、6個のデータブロックを配置する変動パターンP54(P125),P55(P126)に対応する行には、それぞれに12個のデータが書き込まれる。また、7個のデータブロックを配置する変動パターンP56(P127),P57(P128)に対応する行には、それぞれに14個のデータが書き込まれるとともに、8個のデータブロックを配置する変動パターンP58(P129),P59(P130)に対応する行には、それぞれに16個のデータが書き込まれる。また、9個のデータブロックを配置する変動パターンP60(P131),P61(132)に対応する行には、それぞれに18個のデータが書き込まれるとともに、10個のデータブロックを配置する変動パターンP62(P133)に対応する行には、20個のデータが書き込まれる。
本実施形態のデータブロック判定テーブルDT4は、変動パターン毎に配置されるデータブロック数が異なることにより、1つの変動パターンに対応する1行に移動コマ数を示す数字(データ)とリーチ時間識別子を示す数字(データ)を書き込むと、前述のようにデータブロック数に応じて1行に書き込まれるデータ数が異なることになる。しかし、本実施形態のデータブロック判定テーブルDT4は、変動パターンに対応する各行のデータ数を一致させるためのブランクデータを書き込むことなく構成されている。このため、例えば、データ数が最少となる変動パターンP44(P116)とデータ数が最多となる変動パターンP62(P133)を比較した場合、変動パターンP44(P116)に対応する行は、変動パターンP62(P133)に対応する行に対して18個分のデータが少なく設定されていることとなる。
図13は、再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170)に対応する通常変動時間判定テーブルDT5を示す。
本実施形態の変動時間判定テーブルDT5には、通常変動時間t1として「10400(ms)」が設定されている。
図14は、再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170に対応するリーチ時間判定テーブルDT6を示す。
本実施形態のリーチ時間判定テーブルDT6には、ノーマルリーチ変動の時間に相当するリーチ時間t2が、リーチ時間識別子毎に対応付けて設定されている。本実施形態では、「0」〜「19」までの20通りのリーチ時間識別子を設定しているので、これらの20通りのリーチ時間識別子に対応付けて20通りのリーチ時間t2がリーチ時間判定テーブルDT6に設定されている。
図15は、再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170に対応する再始動時間判定テーブルDT7を示す。
本実施形態の再始動時間判定テーブルDT7には、再始動時間t3が、移動コマ数指定コマンド毎に対応付けて設定されている。本実施形態では、「8AH00H」〜「8AH12H」までの19通りの移動コマ数指定コマンドを設定しているので、これらの19通りの移動コマ数指定コマンドに対応付けて19通りの再始動時間t3が再始動時間判定テーブルDT7に設定されている。
図16は、再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170に対応するデータ参照規則テーブルDT8を示す。
本実施形態のデータ参照規則テーブルDT8には、変動パターン毎にデータブロック判定テーブルDT4において配置したデータブロックの配置数が対応付けて設定されている。具体的に言えば、1個のデータブロックを配置する変動パターンP44(P116),P45,P100には、それぞれに配置数として「1」が設定されるとともに、2個のデータブロックを配置する変動パターンP46(P117),P47(P118)に対応する行には、それぞれに配置数として「2」が設定される。また、3個のデータブロックを配置する変動パターンP48(P119),P49(P120)には、それぞれに配置数として「3」が設定されるとともに、4個のデータブロックを配置する変動パターンP50(P121),P51(P122)には、それぞれに配置数として「4」が設定される。また、5個のデータブロックを配置する変動パターンP52(P123),P53(P124)には、それぞれに配置数として「5」が設定されるとともに、6個のデータブロックを配置する変動パターンP54(P125),P55(P126)には、それぞれに配置数として「6」が設定される。また、7個のデータブロックを配置する変動パターンP56(P127),P57(P128)には、それぞれに配置数として「7」が設定されるとともに、8個のデータブロックを配置する変動パターンP58(P129),P59(P130)には、それぞれに配置数として「8」が設定される。また、9個のデータブロックを配置する変動パターンP60(P131),P61(P132)には、それぞれに配置数として「9」が設定されるとともに、10個のデータブロックを配置する変動パターンP62(P133)には、配置数として「10」が設定される。
ランプ制御用CPU38aは、データ参照規則テーブルDT8の設定により、データブロック判定テーブルDT4を参照する際、各変動パターンP44〜P100,P116〜P170に対応する行において参照すべきデータブロックの数を把握し得る。すなわち、ランプ制御用CPU38aは、データ参照規則テーブルDT8から読み出した配置数を、各変動パターンP44〜P100,P116〜P170に対応する行におけるデータブロックの最大参照数として各行のデータの読み込みを行うことが可能となる。
図11は、再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170に対応するオフセットテーブルDT9を示す。
本実施形態のオフセットテーブルDT9には、変動パターン毎に先頭オフセット値が対応付けて設定されている。具体的に言えば、変動パターンP44(P116)には「0」が、変動パターンP45には「2」が、変動パターンP46(P117)には「4」が、変動パターンP47(P118)には「8」が、変動パターンP48(P119)には「12」が、変動パターンP49(P120)には「18」が、それぞれ先頭オフセット値として設定される。また、変動パターンP50(P121)には「24」が、変動パターンP51(P122)には「32」が、変動パターンP52(P123)には「40」が、変動パターンP53(P124)には「50」が、それぞれ先頭オフセット値として設定される。また、変動パターンP54(P125)には「60」が、変動パターンP55(P126)には「72」が、変動パターンP56(P127)には「84」が、変動パターンP57(P128)には「98」が、変動パターンP58(P129)には「112」が、それぞれ先頭オフセット値として設定される。また、変動パターンP59(P130)には「128」が、変動パターンP60(P131)には「144」が、変動パターンP61(P132)には「162」が、変動パターンP62(P133)には「180」が、変動パターンP100には「178」が、それぞれ先頭オフセット値として設定される。
この先頭オフセット値は、データブロック判定テーブルDT4において、変動パターンに対応する行に書き込まれる先頭のデータ位置を特定するものである。すなわち、図12のデータブロック判定テーブルDT4において、変動パターンP44(P116)の行に配置したデータブロックの移動コマ数のデータ書き込み位置を「0」とすれば、その位置から数えてリーチ識別子のデータ書き込み位置は数え順が「1」となるので「1」となる。そして、次の行である変動パターンP45の行において、先頭のデータブロックの移動コマ数のデータ書き込み位置は数え順が「2」となるので「2」となり、この値が変動パターンP45に対応する先頭オフセット値として設定される。このように先頭オフセット値には、データブロック判定テーブルDT4のデータを1行分数え、その1行のデータを数え終えたらならば次の行に移動し、当該行の先頭のデータから数えて行くときに、各行の先頭のデータの数え順が設定される。この先頭オフセット値により、ランプ制御用CPU38aは、特定の変動パターンに配置されたデータブロックを参照する際、そのデータブロックの参照開始位置を把握し得るようになる。
そして、オフセットテーブルDT9は、図11に示すように、例えば変動パターンP44,P116であればオフセット値が「0」という対応付けがなされているが、ランプ制御用ROM38bにおいてはオフセット値を示す数字が羅列して書き込まれている。すなわち、ランプ制御用ROM38bには、オフセット値を示す数字が、0,2,4,8,12,24,32,・・・・・178というように羅列して書き込まれている。このため、オフセットテーブルDT9から変動パターンに対応するオフセット値を読み出す場合には、変動パターン毎にオフセット値の読み出し位置(アドレス)を特定し、その特定した読み出し位置に書き込まれている数字(データ)をオフセット値として読み出すことになる。
なお、表示制御基板37には、何れも図示しない表示制御用CPUと、表示制御用ROMと、表示制御用RAMと、入力バッファと、入力ポートと、出力ポートと、出力バッファが設けられている。また、音声制御基板39には、何れも図示しない音声制御用CPUと、音声制御用ROMと、音声制御用RAMと、入力バッファと、入力ポートと、出力ポートと、出力バッファが設けられている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及びランプ制御基板38が実行する制御内容を説明する。なお、サブ統括制御基板36及びランプ制御基板38については、再始動演出を実行させる場合の制御内容を主に説明する。
最初に、主制御基板35について説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、上始動入賞口26又は下始動入賞口27へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。このとき、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数の値とともに取得した大当り図柄用乱数の値に対応する特別図柄の大当り図柄を決定する。
また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、該値に対応する変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。大当り演出用の変動パターンの選択時、主制御用CPU35aは、決定した大当り図柄が確変大当り図柄であるか、又は非確変大当り図柄であるかを判定し、今回決定した大当りが確変大当りであるか、又は非確変大当りであるかを判定する。そして、主制御用CPU35aは、非確変大当りの場合には変動パターン振分用乱数の値にしたがって、図7(a)に示す非確変大当り用の変動パターン振分テーブルDT1の中から1つの変動パターンを選択して決定する。一方、主制御用CPU35aは、確変大当りの場合には変動パターン振分用乱数の値にしたがって、図7(b)に示す確変大当り用の変動パターン振分テーブルDT2の中から1つの変動パターンを決定する。
このような制御を実行することにより主制御用CPU35aは、非確変大当りの場合には再始動演出を行う変動パターンとして変動パターンP44,P46〜P99を選択可能とされているとともに、確変大当りの場合には再始動演出を行う変動パターンとして変動パターンP45,P100,P116〜P170を選択可能とされている。その結果、非確変大当りの場合には図柄変動ゲームで再始動演出のみが行われて大当りとなり、確変大当りの場合には図柄変動ゲームで再始動演出のみが行われて大当りとなる場合と図柄変動ゲームで再始動演出が行われて、さらに再抽選演出が行われて大当りとなる場合とが存在することになる。
一方、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選で決定する。はずれリーチ演出の実行を決定した場合、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。一方、はずれリーチ演出の非実行を決定した場合、主制御用CPU35aは、前述同様にはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、特別図柄を決定した主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄指定コマンドを生成し、該特別図柄指定コマンドを前記変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを生成し、該全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
主制御用CPU35aが出力する制御コマンドは、上位バイトと下位バイトからなる2バイトの制御データで構成される。図6及び図7(a),(b)には、変動パターン指定コマンドの具体例を示している。図6及び図7(a),(b)に示す変動パターンの場合には、上位バイト(1バイト)目が各変動パターン指定コマンドで共通する「80H」又は「81H」によって構成されているとともに、下位バイト(2バイト)目が各変動パターン指定コマンドで異なる「××H(××には、変動パターン毎に定めた数値)」によって構成される。このため、主制御用CPU35aは、例えば、変動パターンとして変動パターンP44を選択した場合には変動パターン指定コマンドとして「80H2BH」を出力し、変動パターンP132を選択した場合には変動パターン指定コマンドとして「81H03H」を出力する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターンP1の変動パターン指定コマンドを「80H00H」とし、以降、変動パターンの順番にしたがって変動パターン指定コマンドを順番に割り当てている。そして、本実施形態では、再始動再抽選グループに属する変動パターンP129から、上位バイトが「81H」に変わっている。
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置H1の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
本実施形態では、メイン制御プログラムMPにしたがって複数種類の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択する主制御用CPU35aが、変動パターン選択部として機能する。また、本実施形態では、メイン制御プログラムMPにしたがって大当り判定を実行する主制御用CPU35aが、遊技者に有利となる大当りを付与するか否かを判定する大当り判定部として機能する。また、本実施形態では、メイン制御プログラムMPにしたがって特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる特別図柄を決定する主制御用CPU35aが、特別図柄決定部として機能する。また、本実施形態では、メイン制御プログラムMPにしたがって変動パターン指定コマンドを出力する主制御用CPU35aが、コマンド出力部として機能する。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37に出力する。また、統括制御用CPU36aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39に出力する。
以下、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが再始動演出を実行させる変動パターンP44〜P100,P116〜P170の場合における統括制御用CPU36aの実行する処理内容を説明する。
統括制御用CPU36aは、変動パターンP44〜P100,P116〜P170を指示する変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターンに対応付けられた演出パターンの中から1つの演出パターンを選択する。すなわち、統括制御用CPU36aは、演出パターンの選択により、再始動演出の具体的な演出内容を示す移動コマ数を選択することになる。そして、演出パターン(移動コマ数)を選択した統括制御用CPU36aは、移動コマ数指定テーブルDT3をもとに、前記移動コマ数を指示する移動コマ数指定コマンドを生成する。例えば、統括制御用CPU36aは、変動パターンP48が指示された時に、移動コマ数「3」を選択した場合、移動コマ数指定テーブルDT3をもとに移動コマ数指定コマンド「8AH02H」を生成する。この生成した移動コマ数指定コマンドは、統括制御用RAM36cにセットし、次周期以降の出力処理にて表示制御基板37及びランプ制御基板38に出力する。本実施形態では、統括制御プログラムTPにしたがい、変動パターンに基づき演出パターン(移動コマ数)を選択する統括制御用CPU36aが、演出パターン選択部(演出内容選択部)として機能する。
ここで、変動パターン指定コマンド、特別図柄指定コマンド及び移動コマ数指定コマンドを入力した表示制御基板37の制御内容を説明する。
表示制御基板37の表示制御用CPUは、これらのコマンドを入力すると、表示制御用ROMに記憶される表示制御プログラムにしたがって再始動演出を伴う図柄変動ゲームを演出表示装置H2に表示させるように制御を実行する。そして、表示制御用CPUは、前記制御の実行に際して入力したこれらのコマンドをもとに各種の制御情報を決定する。なお、表示制御用CPUは、対応する変動パターン同士において、同じ制御情報(仮停止図柄、確定停止図柄、仮停止用大当り図柄、リーチ形成ラインなど)を決定する。これにより、対応する変動パターン同士で再始動演出などの演出内容が同一となる。
表示制御CPUは、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンと移動コマ数指定コマンドで指示された移動コマ数をもとに、図9に示すように対応付けられている変動数を選択する。また、表示制御CPUは、リーチを形成する有効ライン(リーチライン)を決定する。
そして、表示制御CPUは、非確変大当り用の変動パターン振分テーブルDT1に振分けられている再始動グループの変動パターンP44,P46〜P99の場合、次のようにして飾り図柄の確定停止図柄と再始動演出時の仮停止図柄を決定する。仮停止図柄は、ノーマルリーチ変動によって仮停止状態で停止表示される中列R2の仮停止図柄、すなわち変動数分だけ中列R2を変動させ、その変動を停止させた時に中列R2に対応する第2列用上図柄表示位置D4と、第2列用中図柄表示位置D5と、第2列用下図柄表示位置D6にそれぞれ停止表示される図柄を示す。
確定停止図柄の決定に際して表示制御CPUは、変動パターンP44,P46〜P99の場合、再始動演出によって非確変大当り図柄を導出してその非確変大当り図柄を確定停止表示させるので、非確変大当り図柄を構成し得る図柄[0]、[2]、[4]、[6]及び[8]の中から1つの図柄を選択して決定する。すなわち、表示制御CPUは、変動パターンP44,P46〜P99の場合、確変大当り図柄を構成し得る図柄[1]、[3]、[5]、[7]及び[9]の中から確定停止図柄を選択しない。
また、仮停止図柄の決定に際して表示制御CPUは、前述のように決定した再始動演出の確定停止図柄がリーチ形成図柄になることに伴って、その確定停止図柄と、移動コマ数と、リーチ形成ラインをもとに仮停止図柄を決定する。例えば、再始動演出にて有効ラインL1に非確変大当り図柄[000(確定停止図柄)]を確定停止表示させる場合であって、移動コマ数が「3」の場合には、仮停止図柄として第2列用上図柄表示位置D4に図柄[9]を、第2列用中図柄表示位置D5に図柄[●(ブランク図柄)]を、第2列用下図柄表示位置D6に図柄[8]をそれぞれ決定する。
この例によれば、図柄変動ゲームの開始毎に第1列用中図柄表示位置D2と第3列用中図柄表示位置D8に図柄[0]が停止表示されてリーチが形成され、ノーマルリーチ変動において第2列用中図柄表示位置D5に図柄[●(ブランク図柄)]が停止表示され、有効ラインL1にはずれを認識し得る図柄組み合わせが導出される。このとき、第2列用上図柄表示位置D4には図柄[9]が停止表示されるとともに、第2列用下図柄表示位置D6には図柄[8]が停止表示されている。そして、再始動演出において中列R2が再始動し、3コマ移動すると、中列R2の図柄配列にしたがって第2列用中図柄表示位置D5に図柄[0]が停止表示される。すなわち、有効ラインL1には、非確変大当り図柄である[000]が停止表示される。
本実施形態のパチンコ遊技機10のように5ライン機の場合、何れか1つの有効ラインを図柄決定用の基準ラインとして定め、その基準ラインを形成する図柄表示位置に停止表示させる図柄を決定すれば、その他の図柄表示位置に停止表示される図柄の種類は、各列R1〜R3の図柄配列にしたがって必然的に決定されることになる。本実施形態において画像表示部GHには、各列R1〜R3の図柄が縦方向であって、上から下に向かって変動表示されるようになっている。そして、左列R1と中列R2の図柄配列(図柄が画像表示部GHに表示される順番)は、0→1→2→3→・・・→8→9→0というように数字図柄の数字が1つずつ大きくなっていく順番であり、[9]まで表示されたならば再び「0」に戻って表示されるようになっている。また、右列R3の図柄配列は、9→8→7→6→・・・→1→0→9というように数字図柄の数字が1つずつ小さくなっていく順番であり、[0]まで表示されたならば再び「9」に戻って表示されるようになっている。なお、本実施形態では、有効ラインL1(第1列用中図柄表示位置D2、第2列用中図柄表示位置D5、第3列用中図柄表示位置D8)を基準ラインと定め、図柄を決定する例を記載したが、基準ラインを他の有効ラインに変更しても良い。
また、表示制御CPUは、確変大当り用の変動パターン振分テーブルDT2に振分けられている再始動グループの変動パターンP45,P100の場合、次のようにして飾り図柄の確定停止図柄と再始動演出時の仮停止図柄を決定する。
確定停止図柄の決定に際して表示制御CPUは、変動パターンP45,P100の場合、再始動演出によって確変大当り図柄を導出してその確変大当り図柄を確定停止表示させるので、確変大当り図柄を構成し得る図柄[1]、[3]、[5]、[7]及び[9]の中から1つの図柄を選択して決定する。すなわち、表示制御CPUは、変動パターンP45,P100の場合、非確変大当り図柄を構成し得る図柄[0]、[2]、[4]、[6]及び[8]の中から確定停止図柄を選択しない。
また、仮停止図柄の決定に際して表示制御CPUは、前述のように決定した再始動演出の確定停止図柄がリーチ形成図柄になることに伴って、その確定停止図柄と、移動コマ数と、リーチ形成ラインをもとに仮停止図柄を決定する。例えば、再始動演出にて有効ラインL1に確変大当り図柄[111(確定停止図柄)]を確定停止表示させる場合であって、移動コマ数が「3」の場合には、仮停止図柄として第2列用上図柄表示位置D4に図柄[0]を、第2列用中図柄表示位置D5に図柄[●(ブランク図柄)]を、第2列用下図柄表示位置D6に図柄[9]をそれぞれ決定する。
この例によれば、図柄変動ゲームの開始毎に第1列用中図柄表示位置D2と第3列用中図柄表示位置D8に図柄[1]が停止表示されてリーチが形成され、ノーマルリーチ変動において第2列用中図柄表示位置D5に図柄[●(ブランク図柄)]が停止表示され、有効ラインL1にはずれを認識し得る図柄組み合わせが導出される。このとき、第2列用上図柄表示位置D4には図柄[0]が停止表示されるとともに、第2列用下図柄表示位置D6には図柄[9]が停止表示されている。そして、再始動演出において中列R2が再始動し、3コマ移動すると、中列R2の図柄配列にしたがって第2列用中図柄表示位置D5に図柄[1]が停止表示される。すなわち、有効ラインL1には、確変大当り図柄である[111]が停止表示される。
また、表示制御CPUは、確変大当り用の変動パターン振分テーブルDT2に振分けられている再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170の場合、飾り図柄の確定停止図柄と再始動演出時の仮停止図柄を決定するとともに、さらに再始動演出で導出する仮停止用大当り図柄を決定する。そして、表示制御CPUは、変動パターンP116〜P170の場合、次のようにして確定停止図柄と、仮停止図柄と、仮停止用大当り図柄を決定する。
確定停止図柄の決定に際して表示制御CPUは、変動パターンP116〜P170の場合、再抽選演出によって確変大当り図柄を導出してその確変大当り図柄を確定停止表示させるので、確変大当り図柄を構成し得る図柄[1]、[3]、[5]、[7]及び[9]の中から1つの図柄を選択して決定する。すなわち、表示制御CPUは、変動パターンP116〜P170の場合、非確変大当り図柄を構成し得る図柄[0]、[2]、[4]、[6]及び[8]の中から確定停止図柄を選択しない。
仮停止用大当り図柄の決定に際して表示制御CPUは、変動パターンP44,P46〜P99の場合に確定停止図柄を決定するときと同じ手法を用いて非確変大当り図柄を構成し得る図柄[0]、[2]、[4]、[6]及び[8]の中から1つの図柄を選択して決定する。すなわち、再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170の場合は、再始動演出において非確変大当り図柄を導出し、再抽選演出において確変大当り図柄を導出するようになっている。このため、仮停止用大当り図柄は、再始動演出において導出される大当りを認識し得る図柄組み合わせであることから、非確変大当り図柄を選択して決定し、確変大当り図柄を構成し得る図柄[1]、[3]、[5]、[7]及び[9]の中から確定停止図柄を選択しない。
また、仮停止図柄の決定に際して表示制御CPUは、前述のように決定した仮停止用大当り図柄がリーチ形成図柄になることに伴って、その仮停止用大当り図柄と、移動コマ数と、リーチ形成ラインをもとに仮停止図柄を決定する。表示制御CPUは、仮停止図柄を決定する際、変動パターンP44,P46〜P99の場合に仮停止図柄を決定するときと同じ手法を用いて決定する。例えば、再始動演出にて有効ラインL1に非確変大当り図柄[000(仮停止用大当り図柄)]を停止表示させる場合であって、移動コマ数が「3」の場合には、仮停止図柄として第2列用上図柄表示位置D4に図柄[9]を、第2列用中図柄表示位置D5に図柄[●(ブランク図柄)]を、第2列用下図柄表示位置D6に図柄[8]をそれぞれ決定する。
この例によれば、図柄変動ゲームの開始毎に第1列用中図柄表示位置D2と第3列用中図柄表示位置D8に図柄[0]が停止表示されてリーチが形成され、ノーマルリーチ変動において第2列用中図柄表示位置D5に図柄[●(ブランク図柄)]が停止表示され、有効ラインL1にはずれを認識し得る図柄組み合わせが導出される。このとき、第2列用上図柄表示位置D4には図柄[9]が停止表示されるとともに、第2列用下図柄表示位置D6には図柄[8]が停止表示されている。そして、再始動演出において中列R2が再始動し、3コマ移動すると、中列R2の図柄配列にしたがって第2列用中図柄表示位置D5に図柄[0]が停止表示される。すなわち、有効ラインL1には、非確変大当り図柄である[000]が停止表示される。そして、確定停止図柄として図柄[1]を決定していれば、再始動演出後に再抽選演出が行われ、その再抽選演出において確変大当り図柄である[111]が停止表示される。
次に、ランプ制御基板38について説明する。
ランプ制御基板38のランプ制御用CPU38aは、所定の制御周期(例えば、2ms)毎に図17の再始動演出制御処理を実行する。
再始動演出制御処理においてランプ制御用CPU38aは、第2演出フラグがランプ制御用RAM38cに有るか否か(設定されているか否か)を判定する(ステップS10)。第2演出フラグは、再始動演出中にランプ制御用RAM38cに設定されるフラグである。ステップS10の判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、第1演出フラグがランプ制御用RAM38cに有るか否か(設定されているか否か)を判定する(ステップS11)。第1演出フラグは、通常変動中及びリーチ演出中にランプ制御用RAM38cに設定されるフラグである。
ステップS11の判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、再始動演出制御処理を終了する。一方、ステップS12の判定結果が肯定の場合、ランプ制御用CPU38aは、移動コマ数指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、再始動演出制御処理を終了する。一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合、ランプ制御用CPU38aは、ステップS14に移行する。
ステップS14に移行したランプ制御用CPU38aは、図13の通常変動時間判定テーブルDT5から通常変動時間t1(本実施形態では「10400(ms)」に固定されている)を読み出す。次に、ランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンの種類をもとに、データ参照規則テーブルDT8からデータブロックの配置数を特定する(ステップS15)。
次に、ランプ制御用CPU38aは、変動パターンの種類と移動コマ数指定コマンドの種類に基づき、データブロックの配置数までの間で参照すべきデータブロックが何かを特定する(ステップS16)。ステップS16においてランプ制御用CPU38aは、変動パターンの種類と図11のオフセットテーブルDT9をもとに図18に示すオフセット値算出処理にて先頭オフセット値を読み出し、その読み出した先頭オフセット値に応じて図12のデータブロック判定テーブルDT4におけるデータブロックの参照開始位置を特定する。
ここで、図18に示すオフセット値算出処理について詳しく説明する。
オフセット値算出処理にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンが、変動パターンP1〜P128の何れかであるかを判定する(ステップS50)。ステップS50にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS50の処理により、まず変動パターン指定コマンドの上位バイトが「80H」であるか、又は「81H」であるかを分別している(図6の変動パターン表を参照)。
次に、ランプ制御用CPU38aは、ステップS50の判定結果が肯定の場合、その変動パターンが変動パターンP44〜P100の何れかであるかを判定する(ステップS51)。ステップS51にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS51の処理により、再始動グループの変動パターンであるか、再始動再抽選グループの変動パターンであるか、又はそれ以外の変動パターンであるかを分別している。
次に、ランプ制御用CPU38aは、ステップS51の判定結果が肯定の場合、変動パターン指定コマンドを構成する2バイトの制御データのうち、下位バイトから「2BH」を減算する(ステップS52)。例えば、変動パターンP44の場合であれば、変動パターン指定コマンド「80H2BH」の下位バイト「2BH」から「2BH」を減算し、変動パターンP45であれば、変動パターン指定コマンド「80H2CH」の下位バイト「2CH」から「2BH」を減算する。本実施形態においては、ステップS52の減算後の値が、オフセットテーブルDT9におけるオフセット値の読み出し位置(アドレス)と対応付けられている。
そして、ステップS52においてランプ制御用CPU38aは、ステップS52の演算結果をもとにオフセットテーブルDT9からオフセット値を読み出す。例えば、ランプ制御用CPU38aは、ステップS52の処理にて変動パターン指定コマンド「80H2BH」の下位バイト「2BH」から「2BH」を減算している場合、演算結果である「00H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、先頭アドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図11に示すように「0」を読み出す。また、ランプ制御用CPU38aは、ステップS52の処理にて変動パターン指定コマンド「80H2CH」の下位バイト「2CH」から「2BH」を減算している場合、演算結果である「01H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスから数えて2番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、2番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図11に示すように「2」を読み出す。
一方、ランプ制御用CPU38aは、ステップS51の判定結果が否定の場合、その変動パターンが変動パターンP116以上の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS53)。ステップS53にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS53の処理により、変動パターンが再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P128の何れかであるか否かを判定している。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、今回、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンは再始動演出を行わない変動パターンであることから、オフセット値算出処理を終了する。
ステップS53の判定結果が肯定の場合、ランプ制御用CPU38aは、その変動パターンが変動パターンP116であるか否かを判定する(ステップS54)。ステップS53にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS54の判定結果が肯定の場合、変動パターン指定コマンドを構成する2バイトの制御データのうち、下位バイトから「73H」を減算する(ステップS55)。すなわち、ランプ制御用CPU38aは、ステップS54において、変動パターンP116の変動パターン指定コマンド「80H73H」の下位バイト「73H」から「73H」を減算する。
そして、ステップS55にてランプ制御用CPU38aは、ステップS55の演算結果をもとにオフセットテーブルDT9からオフセット値を読み出す。すなわち、ランプ制御用CPU38aは、ステップS55の処理にて変動パターン指定コマンド「80H73H」の下位バイト「73H」から「73H」を減算している場合、演算結果である「00H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、先頭アドレスに格納されているオフセット値、すなわち図11に示すように「0」を読み出す。
一方、ランプ制御用CPU38aは、ステップS54の判定結果が否定の場合、変動パターン指定コマンドを構成する2バイトの制御データのうち、下位バイトから「72H」を減算する(ステップS56)。例えば、変動パターンP117の場合であれば、変動パターン指定コマンド「80H74H」の下位バイト「74H」から「72H」を減算し、変動パターンP118であれば、変動パターン指定コマンド「80H75H」の下位バイト「75H」から「72H」を減算する。
そして、ステップS56にてランプ制御用CPU38aは、ステップS56の演算結果をもとにオフセットテーブルDT9からオフセット値を読み出す。例えば、ランプ制御用CPU38aは、ステップS56の処理にて変動パターン指定コマンド「80H74H」の下位バイト「74H」から「72H」を減算している場合、演算結果である「02H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスから数えて2番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、2番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図11に示すように「2」を読み出す。また、ランプ制御用CPU38aは、ステップS56の処理にて変動パターン指定コマンド「80H75H」の下位バイト「75H」から「72H」を減算している場合、演算結果である「03H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスから数えて3番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、3番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図11に示すように「4」を読み出す。
一方、ステップS50の判定結果が否定の場合、その変動パターンが変動パターンP129〜P239の何れかであるかを判定する(ステップS57)。ステップS57にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、オフセット値算出処理を終了する。
ステップS57の判定結果が肯定の場合、ランプ制御用CPU38aは、その変動パターンが変動パターンP171以下の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS58)。ステップS58にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS58の処理により、再始動再抽選グループの変動パターンであるか、又は再始動グループの変動パターンを除くそれ以外の変動パターンであるかを分別している。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、今回、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンは再始動演出を行わない変動パターンであることから、オフセット値算出処理を終了する。
一方、ランプ制御用CPU38aは、ステップS58の判定結果が肯定の場合、変動パターン指定コマンドを構成する2バイトの制御データのうち、下位バイトに「0EH」を加算する(ステップS59)。例えば、変動パターンP129の場合であれば、変動パターン指定コマンド「81H00H」の下位バイト「00H」に「0EH」を加算し、変動パターンP130であれば、変動パターン指定コマンド「81H01H」の下位バイト「01H」に「0EH」を加算する。
そして、ステップS59にてランプ制御用CPU38aは、ステップS59の演算結果をもとにオフセットテーブルDT9からオフセット値を読み出す。例えば、ランプ制御用CPU38aは、ステップS59の処理にて変動パターン指定コマンド「81H00H」の下位バイト「00H」に「0EH」を加算している場合、演算結果である「0EH」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスから数えて15番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、15番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図11に示すように「112」を読み出す。また、ランプ制御用CPU38aは、ステップS59の処理にて変動パターン指定コマンド「81H01H」の下位バイト「01H」に「0EH」を加算している場合、演算結果である「0FH」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスから数えて16番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、16番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図11に示すように「128」を読み出す。
このようなオフセット値算出処理によれば、予め対応付けた変動パターン、すなわち同一演出内容で再始動演出を行う再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンでは、同一のオフセット値の読み出しが可能となる。例えば、変動パターンP44の場合には、オフセット値算出処理のステップS52でオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスが特定されることにより、オフセット値「0」を読み出す。一方で、変動パターンP44と対応する変動パターンP116の場合には、オフセット値算出処理のステップS55でオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスが特定されることにより、オフセット値「0」を読み出す。つまり、変動パターンP44と変動パターンP116では、オフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の先頭アドレスが特定されるので、読み出すオフセット値は何れも「0」となる。
同様に、例えば変動パターンP61の場合には、オフセット値算出処理のステップS52でオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の18番目のアドレスが特定されることにより、オフセット値「162」を読み出す。一方で、変動パターンP61と対応する変動パターンP132の場合には、オフセット値算出処理のステップS59でオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の18番目のアドレスが特定されることにより、オフセット値「162」を読み出す。つまり、変動パターンP61と変動パターンP132では、オフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9の18番目のアドレスが特定されるので、読み出すオフセット値は何れも「162」となる。
そして、ランプ制御用CPU38aは、読み出したオフセット値をもとにデータブロックの参照開始位置から順に、変動パターンに配置されているデータブロックを参照し、移動コマ数指定コマンドの種類から特定される移動コマ数と配置数をもとにデータブロックを特定する。例えば、データブロックの参照開始位置が同一位置となる変動パターンP48又は変動パターンP119である場合の移動コマ数指定コマンドが「8AH02H(3コマ)」であると仮定する。この場合、ランプ制御用CPU38aは、データブロック判定テーブルDT4で変動パターンP48又は変動パターンP119に対応する3個のデータブロックのうち、2番目のデータブロック(移動コマ数「2」とリーチ識別子「1」のデータブロック)を特定する。つまり、対応する変動パターンにおいて同一のオフセット値を読み出すことにより、同じ移動コマ数の場合に特定するデータブロックが同一となることから、図柄変動ゲームの開始から再始動演出が終了するまでの演出内容が同一演出内容となる。本実施形態では、ランプ制御プログラムRPにしたがってデータブロック(演出制御データ)を特定するランプ制御用CPU38aが、データ特定部として機能する。
本実施形態においてランプ制御用CPU38aは、ステップS16にてデータブロックを特定する際、参照開始位置のデータブロックを最初に参照するデータブロックとし、以降、順に右隣に配置されているデータブロックを参照する。すなわち、ランプ制御用CPU38aは、参照開始位置のデータブロックを先頭とし、変動パターンに対応する行の行頭から行末に向う方向を参照順序としてデータブロックを参照する。
また、データブロックの参照時、ランプ制御用CPU38aは、ステップS15で特定した配置数を最大参照数とし、その最大参照数を上限数として変動パターンに対応する行を参照する。最大参照数とは、変動パターンに対応する行において参照するデータブロックの最大個数を示し、その最大個数は、換言すれば、前記行における参照回数に相当する。例えば、配置数が「3」の場合、参照するデータブロックの最大個数(又は参照回数)は「3」となるので、ランプ制御用CPU38aは、3個のデータブロック、すなわち変動パターンに対応する行に配置されているデータブロックしか参照しない。そして、本実施形態においてランプ制御用CPU38aは、最大参照数分のデータブロックを参照しても適合するデータブロックが存在しない場合、ステップS16においてリーチ時間識別子として「0」を選択(特定)する。リーチ時間識別子「0」は、本実施形態においてリーチ時間t2として最小時間を特定するものである。なお、適合するデータブロックが存在しない場合の発生要因としては、コマンド送信時のバグ発生により、コマンドを正しく受け取れなかった場合やコマンドの欠損などが考えられる。このように適合するデータブロックが存在しない場合に、リーチ時間t2として最小時間を強制的に選択することで、表示演出と発光演出は、殆どの場合にずれが生じることになる。このため、表示演出と発光演出とのずれを目視し得る可能性が高く、バグの発生を発見し易くできる。また、ランプ制御用CPU38aは、適合するデータブロックが存在しない場合、以降の処理(ステップS20)で再始動時間t3を選択する際、移動コマ数指定コマンドを「8AH00H(1コマ)」として再始動時間t3を選択する。
図17のフローチャートの説明に戻り、ステップS16でデータブロックを特定したランプ制御用CPU38aは、特定したデータブロックから、リーチ時間識別子を特定し、図14のリーチ時間判定テーブルDT6からリーチ時間t2を読み出す(ステップS17)。例えば、ランプ制御用CPU38aは、リーチ識別子が「1」の場合、リーチ時間t2として「7336(ms)」を読み出す。次に、ランプ制御用CPU38aは、ランプ制御用RAM38cに設定されるタイマカウンタT1に、ステップS14で読み出した通常変動時間t1とステップS17で読み出したリーチ時間t2の加算値をセットする(ステップS18)。例えば、ランプ制御用CPU38aは、ステップS17でリーチ時間t2として「7336(ms)」を読み出している場合、タイマカウンタT1に、通常変動時間t1としての「10400(ms)」+リーチ時間t2としての「7336(ms)」=「17736(ms)」をセットする。そして、ランプ制御用CPU38aは、第1演出フラグをセットする(ステップS19)。
次に、ランプ制御用CPU38aは、移動コマ数指定コマンドの種類に基づき、図15の再始動時間判定テーブルDT7から再始動時間t3を読み出す(ステップS20)。例えば、ランプ制御用CPU38aは、移動コマ数指定コマンドが「8AH02H(3コマ)」の場合、再始動時間t3として「502(ms)を読み出す。そして、ランプ制御用CPU38aは、ランプ制御用RAM38cに設定されるタイマカウンタT2に、ステップS20で読み出した再始動時間t3をセットし(ステップS21)、再始動演出制御処理を終了する。
一方、ステップS11の判定結果が肯定の場合、すなわち通常変動中又はノーマルリーチ変動中の場合、ランプ制御用CPU38aは、タイマカウンタT1のカウント値を制御周期分に相当する時間だけ減算する(ステップS22)。そして、ランプ制御用CPU38aは、減算後のタイマカウンタT1のカウント値が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、再始動演出の実行開始時に到達していないので、再始動演出制御処理を終了する。
ステップS23の判定結果が肯定の場合、ランプ制御用CPU38aは、再始動演出の実行開始時に到達し、再始動演出を実行させることから、第1演出フラグをクリアする(ステップS24)。そして、ランプ制御用CPU38aは、再始動演出の実行開始に伴って、第2演出フラグをセットする(ステップS25)。次に、ランプ制御用CPU38aは、図19に示す再始動演出処理を実行する(ステップS26)。また、ランプ制御用CPU38aは、ステップS10の判定結果が肯定の場合も、ステップS26に移行し、再始動演出処理を実行する。
図19に示す再始動演出処理にてランプ制御用CPU38aは、タイマカウンタT2のカウント値を制御周期分に相当する時間だけ減算する(ステップS30)。そして、ランプ制御用CPU38aは、減算後のタイマカウンタT2のカウント値が「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、全図柄停止コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS32)。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、再始動演出用の発光パターンPTに基づく発光制御を行う(ステップS33)。ステップS33にてランプ制御用CPU38aは、再始動演出用の発光パターンPTにしたがって装飾ランプ16に対してON信号及びOFF信号を出力し、装飾ランプ16を点灯及び消灯させるランプ制御を実行する。また、本実施形態の再始動演出用の発光パターンPTは、中列R2を1コマ分移動させる再始動演出の再始動時間t3内に実行できる時間に設定された1パターンのみ用意しているので、再始動時間t3が2コマ以上移動させる時間に設定される場合には再始動演出用の発光パターンPTを繰り返し実行させる。そして、ステップS33で一制御周期分の発光制御を実行したランプ制御用CPU38aは、図17の再始動演出制御処理に戻って当該処理を終了する。
一方、ステップS31又はステップS32の判定結果が肯定の場合、ランプ制御用CPU38aは、ステップS33で実行していた発光制御を停止する(ステップS34)。発光制御の停止契機を、ステップS31又はステップS32の何れかを肯定判定した時とすることにより、コマンドの送受信ミスが発生した場合や誤ったリーチ時間t2や再始動時間t3を取得したことによって他の制御基板との演出不整合が発生した場合でも発光演出を終了させることが可能となる。そして、発光制御を停止したランプ制御用CPU38aは、第2演出フラグをクリアし(ステップS35)、図17の再始動演出制御処理に戻って当該処理を終了する。
また、ランプ制御用CPU38aは、再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170を入力した場合、ランプ制御用RAM38cに再抽選演出の実行を示す第3演出フラグをセットする。そして、ランプ制御用CPU38aは、再始動時間t3の経過を契機に第3演出フラグの有無を確認し、第3演出フラグがセットされている場合には再抽選時間t4(本実施形態では4000ms)を再抽選用カウンタにセットし、再抽選時間t4の間、再抽選演出を実行させる。すなわち、ランプ制御用CPU38aは、再抽選演出用の発光パターンPTに基づく発光制御を行う。この発光制御においてランプ制御用CPU38aは、再抽選演出用の発光パターンPTにしたがって装飾ランプ16に対してON信号及びOFF信号を出力し、装飾ランプ16を点灯及び消灯させる。再抽選演出中、ランプ制御用CPU38aは、制御周期毎にその制御周期分に相当する時間だけ再抽選用カウンタのカウント値を減算する。そして、ランプ制御用CPU38aは、再抽選用カウンタのカウント値が「0(零)」になること、又は全図柄停止コマンドを入力したことの何れかの条件を満たした場合、発光制御を停止する。発光制御を停止したランプ制御用CPU38aは、第3演出フラグをクリアし、再抽選演出処理を終了する。
図20(a)〜(c)は、ランプ制御用CPU38aによる再始動演出時の制御態様を例示している。
図20(a)は、変動パターンP44に基づき1コマ変動する再始動演出が実行される場合の制御態様を示す。図20(a)に示すように、ランプ制御用CPU38aは、図17の再始動演出制御処理により、通常変動時間t1として「10400(ms)」を取得するともにリーチ時間t2として「7002(ms)」を取得し、さらに再始動時間t3として「168(ms)」を取得する。そして、ランプ制御用CPU38aは、図柄変動ゲームの開始後、通常変動時間t1とリーチ時間t2の加算値である「17402(ms)」の経過時に、再始動演出の開始に伴って再始動演出用の発光パターンPTに基づく発光演出を装飾ランプ16に実行させる。この場合、再始動演出として1コマ変動が選択されているので、再始動演出用の発光パターンPTに基づく発光演出が1回分だけ行われ、図柄変動ゲームが終了する。
図20(b)は、変動パターンP46に基づき1コマ変動する再始動演出が実行される場合の制御態様を示す。図20(b)に示すように、ランプ制御用CPU38aは、図17の再始動演出制御処理により、通常変動時間t1として「10400(ms)」を取得するともにリーチ時間t2として「7336(ms)」を取得し、さらに再始動時間t3として「168(ms)」を取得する。そして、ランプ制御用CPU38aは、図柄変動ゲームの開始後、通常変動時間t1とリーチ時間t2の加算値である「17736(ms)」の経過時に、再始動演出の開始に伴って再始動演出用の発光パターンPTに基づく発光演出を装飾ランプ16に実行させる。この場合、再始動演出として1コマ変動が選択されているので、再始動演出用の発光パターンPTに基づく発光演出が1回分だけ行われ、図柄変動ゲームが終了する。
図20(c)は、変動パターンP46に基づき3コマ変動する再始動演出が実行される場合の制御態様を示す。図20(c)に示すように、ランプ制御用CPU38aは、図17の再始動演出制御処理により、通常変動時間t1として「10400(ms)」を取得するともにリーチ時間t2として「7002(ms)」を取得し、さらに再始動時間t3として「502(ms)」を取得する。そして、ランプ制御用CPU38aは、図柄変動ゲームの開始後、通常変動時間t1とリーチ時間t2の加算値である「17402(ms)」の経過時に、再始動演出の開始に伴って再始動演出用の発光パターンPTに基づく発光演出を装飾ランプ16に実行させる。この場合、再始動演出として3コマ変動が選択されているので、再始動演出用の発光パターンPTに基づく発光演出が3回分行われ、図柄変動ゲームが終了する。
図21(a)〜(c)は、ランプ制御用CPU38aによる再始動演出及び再抽選演出時の制御態様を例示している。
図21(a)は、再始動グループの変動パターンP44に対応する再始動再抽選グループの変動パターンP116に基づき1コマ変動する再始動演出と再抽選演出が実行される場合の制御態様を示す。なお、変動パターンP116で行われる再始動演出の演出内容は、図20(a)に示す変動パターンP44で行われる再始動演出の演出内容と同一内容である。そして、ランプ制御用CPU38aは、図柄変動ゲームの開始後、通常変動時間t1と、リーチ時間t2と、再始動時間t3の加算値である「17570(ms)」の経過時に、再抽選演出の開始に伴って再抽選演出用の発光パターンPTに基づく発光演出を装飾ランプ16に実行させる。
図21(b)は、再始動グループの変動パターンP46に対応する再始動再抽選グループの変動パターンP117に基づき1コマ変動する再始動演出と再抽選演出が実行される場合の制御態様を示す。なお、変動パターンP117で行われる再始動演出の演出内容は、図20(b)に示す変動パターンP46で行われる再始動演出の演出内容と同一内容である。そして、ランプ制御用CPU38aは、図柄変動ゲームの開始後、通常変動時間t1と、リーチ時間t2と、再始動時間t3の加算値である「17904(ms)」の経過時に、再抽選演出の開始に伴って再抽選演出用の発光パターンPTに基づく発光演出を装飾ランプ16に実行させる。
図21(c)は、再始動グループの変動パターンP46に対応する再始動再抽選グループの変動パターンP117に基づき3コマ変動する再始動演出と再抽選演出が実行される場合の制御態様を示す。なお、変動パターンP117で行われる再始動演出の演出内容は、図20(c)に示す変動パターンP46で行われる再始動演出の演出内容と同一内容である。そして、ランプ制御用CPU38aは、図柄変動ゲームの開始後、通常変動時間t1と、リーチ時間t2と、再始動時間t3の加算値である「17904(ms)」の経過時に、再抽選演出の開始に伴って再抽選演出用の発光パターンPTに基づく発光演出を装飾ランプ16に実行させる。
本実施形態では、図18のオフセット値算出処理により、再始動演出の演出内容が同一内容となる再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンの場合に、同一のオフセット値を読み出すようにオフセットテーブルDT9の読み出し位置を演算している。このため、再始動演出の演出内容が同一内容となる変動パターンにおいて、再始動演出に係る演出制御データの共有化が図られる。そして、図18のオフセット値算出処理では、変動パターン指定コマンドをもとに所定の演算を行い、変動パターンに対するオフセット値の読み出し規則が構築される。
また、本実施形態では、データ参照規則テーブルDT8を構築し、図17の再始動演出制御処理のステップS15で特定したデータブロックの配置数をデータブロック参照時の規則とし、ステップS16でデータブロックを特定させている。この規則により、ランプ制御用CPU38aが、最大参照数に相当するデータブロックを参照しても、適合するデータブロック(移動コマ数指定コマンドの種類に相当するデータブロック)が存在しない場合、他の変動パターンから適合するデータブロックを探し出してしまうなどの不具合を解消し得る。
変動パターンには、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間(ゲーム全体の時間)が対応付けられており、この変動時間をもとに主制御基板35の主制御用CPU35aは全図柄停止コマンドを出力する。そして、変動時間は、変動パターン毎に異なっている。このため、ランプ制御用CPU38aが、他の変動パターンのデータブロックを特定し、演出を実行させてしまうと、今回の図柄変動ゲームにおいて選択されている変動パターンの変動時間とずれが生じる可能性があり、演出の整合が図れなくなってしまう。例えば、図20(b),(c)に示す変動時間「17904(ms)」の変動パターンP46と移動コマ数「3」が指示されている場合に、変動パターンP49に配置されている移動コマ数「3」のデータブロックを特定すると、変動時間は、10400ms(通常変動時間t1)+7336ms(リーチ時間t2)+502ms(再始動時間t3)=18238msとなる。そして、この場合には、本来特定すべきデータブロックのリーチ時間識別子「1」に対応するリーチ時間t2(7002ms)に対して、ランプ制御用CPU38aが演出開始時期を制御する上で時間計測に用いるリーチ時間t2が長くなっている。したがって、演出表示装置H2の表示内容では既に図柄が仮停止状態で停止表示され、再始動演出が開始されているにも拘らず、装飾ランプ16ではノーマルリーチ変動用の発光演出が実行され、遅れて再始動演出用の発光演出が開始することになり、整合の図れていない演出が行われていることになる。なお、本実施形態においてデータブロック判定テーブルDT4、通常変動時間判定テーブルDT5、リーチ時間判定テーブルDT6及び再始動時間判定テーブルDT7は、変動パターンに対応付けられるデータブロックの全てにおいて変動時間が同じとなるように構築されている。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)同じ演出内容で再始動演出を行う再始動グループの変動パターンP44〜P100と再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170において、同一のオフセット値を読み出し得るようにオフセットテーブルDT9の読み出し規則を設定した。このため、同一演出内容の再始動演出を行う異なる変動パターンにおいて、個別に再始動演出に係る制御データをランプ制御用ROM38bに記憶する必要がなく、その制御データを共通して使用させることができる。したがって、ランプ制御基板38の記憶領域を圧迫することなく、図柄変動ゲームの演出内容を多様化することができる。
(2)各変動パターン指定コマンドの下位バイトに所定の数値を加算又は減算することにより、同じ演出内容で再始動演出を行う変動パターンにおけるオフセット値の読み出し位置が同一となるように演算する。このため、同じ演出内容で再始動演出を行う変動パターンにおいて、オフセットテーブルDT9から確実に同じオフセット値を読み出すことができる。
(3)また、オフセット値算出処理にてオフセット値の読み出し位置を演算することにより、再始動グループの変動パターンP44〜P100の場合にオフセット値を読み出すオフセットテーブルと、再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170の場合にオフセット値を読み出すオフセットテーブルを共通化することができる。すなわち、ランプ制御用ROM38bには、単一のオフセットテーブルDT9を記憶すれば良い。したがって、ランプ制御基板38の記憶領域の圧迫をさらに抑制することができる。
(4)また、オフセット値算出処理では、再始動グループの変動パターン数と再始動再抽選グループの変動パターン数が異なる場合であっても、対応する変動パターン同士でオフセット値の読み出し位置が同一となるように演算する。すなわち、非対応変動パターンのオフセット値を読み出さないように読み出し位置を演算する。したがって、同じ演出内容で再始動演出を行う変動パターンにおいて、オフセットテーブルDT9から確実に同じオフセット値を読み出すことができる。なお、本実施形態では、再始動演出で確変大当り図柄が導出されている場合には、改めて確変大当り図柄を導出する再抽選演出を行わない。このため、再始動再抽選グループの変動パターンにおいてオフセット値を読み出す際に、確変大当りとなる変動パターンP45,P100(非対応変動パターン)のオフセット値を読み出してしまうと、再始動演出で確変大当り図柄が導出された後に再抽選演出が行われることになる。このようなことから、オフセット値算出処理において変動パターンに応じた所定の数値を変動パターン指定コマンドの下位バイトに加算又は減算することにより、想定外の再抽選演出が行われないようになっている。
(5)また、オフセット値算出処理にて変動パターンに応じて所定の数値を変動パターン指定コマンドの下位バイトに加算又は減算する。これにより、対応する変動パターンの変動パターン指定コマンドの上位バイト及び下位バイトの整合が図られていない場合であっても、対応する変動パターン同士でオフセット値の読み出し位置が同一となるように演算できる。その結果、変動パターン指定コマンドを連続した番号で管理することができる。
(6)変動パターン毎のデータブロックの配置数を定めたデータ参照規則テーブルDT8を設けることにより、データブロックの配置数が異なる変動パターンを同じデータブロック判定テーブルDT4に設定する場合でも、従来のようにブランクデータを設定する必要がない。すなわち、従来の演出パターン振分テーブルでは、ブランクデータを設定することにより、全ての変動パターンに対して振分けた演出パターンの数を一致させ、データの参照範囲が同じとなるように設定していた。そして、従来は、ブランクデータの設定によってデータの参照範囲を同じにすることで、誤ったデータを参照しないように規制を掛けていた。これに対し、本実施形態では、データ参照規則テーブルDT8を別途テーブル化して記憶させておくので、データを参照する際にはデータ参照規則テーブルDT8に基づき参照範囲を特定できる。これにより、データブロックの配置数が異なる変動パターンを同じデータブロック判定テーブルDT4に設定する場合でも、ブランクデータを設定しないことで記憶領域を圧迫することなく、図柄変動ゲームの演出内容を多様化することができる。
(7)オフセットテーブルDT9を設け、データブロックの参照開始位置を特定し得るようにした。これにより、データブロック判定テーブルDT4上、ブランクデータの設定がなされておらず、1つの変動パターンに対するデータブロックの配置数が互いに異なっていたとしても、参照すべきデータブロックを確実に特定することができる。
(8)再始動演出の再始動時間t3として最も短い再始動時間t3内に実行できる時間に設定された再始動演出用の発光パターンPTを1パターンのみ用意し、再始動時間t3に応じて発光パターンPTを繰り返し実行させるようにした。このため、再始動時間t3の種類毎に発光パターンを設ける必要がなく、ランプ制御基板38の記憶領域の削減に貢献し得る。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図22〜図24にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態は、既に説明した実施形態と同一構成は同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態では、図22(a),(b)に示すように、再始動グループに対応する変動パターンの場合に専用使用されるデータ参照規則テーブルDT8aと、再始動再抽選グループに対応する変動パターンの場合に専用使用されるデータ参照規則テーブルDT8bが構築されている。また、本実施形態では、図23(a),(b)に示すように、再始動グループに対応する変動パターンの場合に専用使用されるオフセットテーブルDT9aと、再始動再抽選グループに対応する変動パターンの場合に専用使用されるオフセットテーブルDT9bが構築されている。
本実施形態において再始動グループに属する変動パターン数と再始動再抽選グループに属する変動パターン数は、第1の実施形態と同様に異なる数に設定されている。具体的には、再始動グループには57種類の変動パターンP44〜P100が属している一方で、再始動再抽選グループには55種類の変動パターンP116〜P170が属している。
そして、本実施形態において図22(a)のデータ参照規則テーブルDT8a及び図23(a)のオフセットテーブルDT9aは、再始動グループに属する変動パターン数に対応する数に一致する57個のデータによって構築されている。その一方で、本実施形態において図22(b)のデータ参照規則テーブルDT8b及び図23(a)のオフセットテーブルDT9bは、再始動再始動グループに属する変動パターン数に対応する数に一致する55個のデータによって構築されている。すなわち、再始動再抽選用のデータ参照規則テーブルDT8b及びオフセットテーブルDT9bのデータ数は、非対応変動パターンとなる変動パターンP45,P100に係るデータの分だけ、再始動用のデータ参照規則テーブルDT8a及びオフセットテーブルDT9aよりも少なくなっている。
次に、本実施形態において図17に示す再始動演出制御処理のステップS16で実行されるオフセット値算出処理について図24にしたがって説明する。なお、図17に示す再始動演出制御処理で行われる各処理は、ステップS16のオフセット値算出処理を除き、第1の実施形態と同一である。
オフセット値算出処理にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンが、変動パターンP1〜P128の何れかであるかを判定する(ステップS40)。ステップS40にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS40の処理により、まず変動パターン指定コマンドの上位バイトが「80H」であるか、又は「81H」であるかを分別している(図6の変動パターン表を参照)。
次に、ランプ制御用CPU38aは、ステップS40の判定結果が肯定の場合、その変動パターンが変動パターンP44〜P100の何れかであるかを判定する(ステップS41)。ステップS41にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS41の処理により、再始動グループの変動パターンであるか、再始動再抽選グループの変動パターンであるか、又はそれ以外の変動パターンであるかを分別している。
次に、ランプ制御用CPU38aは、ステップS41の判定結果が肯定の場合、変動パターン指定コマンドを構成する2バイトの制御データのうち、下位バイトから「2BH」を減算する(ステップS42)。例えば、変動パターンP44の場合であれば、変動パターン指定コマンド「80H2BH」の下位バイト「2BH」から「2BH」を減算し、変動パターンP45であれば、変動パターン指定コマンド「80H2CH」の下位バイト「2CH」から「2BH」を減算する。
そして、ステップS42においてランプ制御用CPU38aは、ステップS42の演算結果をもとに、再始動用のオフセットテーブルDT9aからオフセット値を読み出す。例えば、ランプ制御用CPU38aは、ステップS42の処理にて変動パターン指定コマンド「80H2BH」の下位バイト「2BH」から「2BH」を減算している場合、演算結果である「00H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9aの先頭アドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、先頭アドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図23(a)に示すように「0」を読み出す。また、ランプ制御用CPU38aは、ステップS42の処理にて変動パターン指定コマンド「80H2CH」の下位バイト「2CH」から「2BH」を減算している場合、演算結果である「01H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9aの先頭アドレスから数えて2番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、2番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図23(a)に示すように「2」を読み出す。
一方、ランプ制御用CPU38aは、ステップS41の判定結果が否定の場合、その変動パターンが変動パターンP116以上の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS43)。ステップS43にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS43の処理により、変動パターンが再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P128の何れかであるか否かを判定している。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、今回、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンは再始動演出を行わない変動パターンであることから、オフセット値算出処理を終了する。
ステップS43の判定結果が肯定の場合、ランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドを構成する2バイトの制御データのうち、下位バイトから「73H」を減算する(ステップS44)。例えば、変動パターンP116の場合であれば、変動パターン指定コマンド「80H73H」の下位バイト「73H」から「73H」を減算し、変動パターンP117であれば、変動パターン指定コマンド「80H74H」の下位バイト「74H」から「73H」を減算する。
そして、ステップS44においてランプ制御用CPU38aは、ステップS44の演算結果をもとに、再始動再抽選用のオフセットテーブルDT9bからオフセット値を読み出す。例えば、ランプ制御用CPU38aは、ステップS44の処理にて変動パターン指定コマンド「80H73H」の下位バイト「73H」から「73H」を減算している場合、演算結果である「00H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9bの先頭アドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、先頭アドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図23(b)に示すように「0」を読み出す。また、ランプ制御用CPU38aは、ステップS44の処理にて変動パターン指定コマンド「80H74H」の下位バイト「74H」から「73H」を減算している場合、演算結果である「01H」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9bの先頭アドレスから数えて2番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、2番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図23(b)に示すように「4」を読み出す。
一方、ステップS40の判定結果が否定の場合、その変動パターンが変動パターンP129〜P239の何れかであるかを判定する(ステップS45)。ステップS45にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、オフセット値算出処理を終了する。
ステップS45の判定結果が肯定の場合、ランプ制御用CPU38aは、その変動パターンが変動パターンP171以下の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS46)。ステップS46にてランプ制御用CPU38aは、変動パターン指定コマンドから、指示されている変動パターンの種類を特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、ステップS46の処理により、再始動再抽選グループの変動パターンであるか、又は再始動グループの変動パターンを除くそれ以外の変動パターンであるかを分別している。この判定結果が否定の場合、ランプ制御用CPU38aは、今回、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンは再始動演出を行わない変動パターンであることから、オフセット値算出処理を終了する。
一方、ランプ制御用CPU38aは、ステップS46の判定結果が肯定の場合、変動パターン指定コマンドを構成する2バイトの制御データのうち、下位バイトに「0DH」を加算する(ステップS47)。例えば、変動パターンP129の場合であれば、変動パターン指定コマンド「81H00H」の下位バイト「00H」に「0DH」を加算し、変動パターンP130であれば、変動パターン指定コマンド「81H01H」の下位バイト「01H」に「0DH」を加算する。
そして、ステップS47にてランプ制御用CPU38aは、ステップS47の演算結果をもとに再始動再抽選用のオフセットテーブルDT9bからオフセット値を読み出す。例えば、ランプ制御用CPU38aは、ステップS47の処理にて変動パターン指定コマンド「81H00H」の下位バイト「00H」に「0DH」を加算している場合、演算結果である「0DH」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9bの先頭アドレスから数えて14番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、14番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図23(b)に示すように「112」を読み出す。また、ランプ制御用CPU38aは、ステップS47の処理にて変動パターン指定コマンド「81H01H」の下位バイト「01H」に「0DH」を加算している場合、演算結果である「0EH」からオフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9bの先頭アドレスから数えて15番目のアドレスを特定する。そして、ランプ制御用CPU38aは、15番目のアドレスに格納されているオフセット値、すなわちこの例の場合は図23(b)に示すように「128」を読み出す。
このようなオフセット値算出処理によれば、予め対応付けた変動パターン、すなわち同一演出内容で再始動演出を行う再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンでは、同一のオフセット値の読み出しが可能となる。例えば、変動パターンP44の場合には、オフセット値算出処理のステップS42でオフセット値の読み出し位置として再始動用のオフセットテーブルDT9aの先頭アドレスが特定されることにより、オフセット値「0」を読み出す。一方で、変動パターンP44と対応する変動パターンP116の場合には、オフセット値算出処理のステップS44でオフセット値の読み出し位置として再始動再抽選用のオフセットテーブルDT9aの先頭アドレスが特定されることにより、オフセット値「0」を読み出す。つまり、変動パターンP44と変動パターンP116では、オフセット値の読み出し位置として各オフセットテーブルDT9a,DT9bの先頭アドレスが特定されるので、読み出すオフセット値は何れも「0」となる。
一方、例えば変動パターンP61の場合には、オフセット値算出処理のステップS42でオフセット値の読み出し位置として再始動用のオフセットテーブルDT9aの18番目のアドレスが特定されることにより、オフセット値「162」を読み出す。一方で、変動パターンP61と対応する変動パターンP132の場合には、オフセット値算出処理のステップS47でオフセット値の読み出し位置として再始動再抽選用のオフセットテーブルDT9bの17番目のアドレスが特定されることにより、オフセット値「162」を読み出す。つまり、変動パターンP61と変動パターンP132では、オフセット値の読み出し位置としてオフセットテーブルDT9aの18番目のアドレスとオフセットテーブルDT9bの17番目のアドレスがそれぞれ特定されるので、読み出すオフセット値は何れも「162」となる。
また、本実施形態において図17に示す再始動演出制御処理のステップS15の処理は、前述したオフセット値算出処理と同様に、変動パターンに応じて各別に構築したデータ参照規則テーブルDT8a,DT8bをもとにデータブロックの配置数が特定される。すなわち、再始動グループの変動パターンP44〜P100の場合には、図22(a)のデータ参照規則テーブルDT8aからデータブロックの配置数が特定される。また、再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170の場合には、図22(b)のデータ参照規則テーブルDT8aからデータブロックの配置数が特定される。
なお、本実施形態において、ランプ制御用CPU38aによる再始動演出時の制御態様、及び再始動演出及び再抽選演出時の制御態様は、何れも第1の実施形態と同様である。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1),(2),(3)〜(8)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(9)再始動グループの変動パターンP44〜P100の場合にオフセット値を読み出す専用のオフセットテーブルDT9aと、再始動再抽選グループの変動パターンP116〜P170の場合にオフセット値を読み出す専用のオフセットテーブルDT9bを設けた。そして、オフセット値算出処理において、同じ演出内容で再始動演出を行う変動パターンにおいて同一のオフセット値を読み出し得るように、各オフセットテーブルDT9a,DT9bの読み出し位置を演算する。このため、同じ演出内容で再始動演出を行う変動パターンにおいて、別々のオフセットテーブルDT9a,DT9bから確実に同じオフセット値を読み出すことができる。また、オフセット値算出処理に係る制御プログラムを簡素化できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図25〜図29にしたがって説明する。
本実施形態では、再始動グループの変動パターンを変動パターンP44〜P100の57種類とし、再始動再抽選グループの変動パターンを変動パターンP116〜P172の57種類としている。すなわち、再始動グループの変動パターン数と再始動再抽選グループの変動パターン数を同数とし、再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンを全て1対1の関係となるように対応付けている。
そして、主制御用ROM35bには、大当り演出用の変動パターン振分テーブルとして、図25に示す非確変大当りの場合と確変大当りの場合とで共通の変動パターン振分テーブルDT1aが記憶されている。このため、主制御用CPU35aは、大当り判定で大当りを決定した際に変動パターンを決定する時には大当り図柄が確変大当り図柄であるか又は非確変大当り図柄であるかに関係なく大当り演出用の変動パターン振分テーブルDT1aの中から1つの変動パターンを決定する。
このように再始動グループの変動パターン数と再始動再抽選グループの変動パターン数を同数とし、各グループの変動パターンを全て1対1の関係とすることにより、各変動パターンに対する演出パターン(移動コマ数)の対応付けは図26に示すようになる。すなわち、第1の実施形態及び第2の実施形態の対応付け(図9)とは異なり、対応付けられた再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンに対し、単数又は複数の演出パターン(移動コマ数)が対応付けられることになる。
また、ランプ制御用ROM38bには、図27に示すデータブロック特定テーブルDT4aと、図28に示すデータ参照規則テーブルDT8cと、図29に示すオフセットテーブルDT9cが記憶される。これらのデータブロック特定テーブルDT4aと、データ参照規則テーブルDT8cと、オフセットテーブルDT9cは、再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンとで共有化される単一のテーブルとして構築されている。
また、ランプ制御用CPU38aは、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に図17の再始動演出制御処理と図19に示す再始動演出処理を実行する。そして、本実施形態においてランプ制御用CPU38aは、図17の再始動演出制御処理のステップS16においてオフセット値を算出する場合、第2の実施形態で説明した図24に示すオフセット値算出処理を実行する。これにより、本実施形態においてもランプ制御用CPU38aは、対応付けられた再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンにおいて同じオフセット値を取得することが可能となる。すなわち、ランプ制御用CPU38aは、対応付けられた再始動グループの変動パターンと再始動再抽選グループの変動パターンにおいて、同一演出内容の再始動演出を実行させることが可能となる。本実施形態において図24のオフセット値算出処理を行う場合は、ステップS46の処理で「変動パターンP173以下か否か」を判定することになる。
なお、本実施形態において、ランプ制御用CPU38aによる再始動演出時の制御態様、及び再始動演出及び再抽選演出時の制御態様は、何れも第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(3),(5)〜(8)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(10)再始動グループの変動パターン数と再始動再抽選グループの変動パターン数を同一に設定することにより、オフセットテーブルDT9cの構成を簡素化できる。また、第2の実施形態と同様のオフセット値算出処理を実行することにより、対応する変動パターンにおいて同一のオフセット値を読み出すことができるので、オフセット値算出処理に係る制御プログラムを簡素化できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
○ 各実施形態において、再始動グループの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの下位バイトを「00H」から始まるように設定しても良い。そして、再始動再抽選グループの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの上位バイトを再始動グループの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの上位バイトと異なる値に設定した上で、下位バイトを「00H」から始まるように設定しても良い。すなわち、図18及び図24のオフセット値算出処理のように下位バイトに対して所定の数値を加減算することなく、予め対応する変動パターンの変動パターン指定コマンドの下位バイトを同値に設定しておいても良い。
○ 各実施形態において、変動パターン指定コマンドをもとにオフセット値を直接読み出すようにオフセットテーブルの読み出し規則を定めても良い。例えば、第1の実施形態において、変動パターン指定コマンド「80H2BH」の変動パターンP44であれば、オフセットテーブルDT9の先頭アドレスを読み出すというように規則を定めておいても良い。
○ 各実施形態は、ランプ制御基板38に具体化したが、表示制御基板37や音声制御基板39で具体化しても良い。すなわち、表示制御基板37や音声制御基板39に、表示演出や音声演出を制御するためのデータブロック判定テーブル、データ参照規則テーブル、オフセットテーブルなどの各テーブルを記憶し、演出の制御を行うようにしても良い。
○ 各実施形態において、データブロック判定テーブルを複数に分割して構築しても良い。
○ 各実施形態において、1つのデータブロックは移動コマ数とリーチ識別子の2つのデータで構築したが、3以上のデータで1つのデータブロックを構築しても良い。
○ 各実施形態において、データブロック判定テーブルは変動パターンに対応する演出パターン(演出内容)毎に単一の演出制御データのみで構築しても良い。
○ 各実施形態において、データブロックは、時間を示すデータに代えて又は加えて、演出の種類を示す演出態様のデータを含めて構築しても良い。また、演出を制御する制御データ自体を設定しても良い。また、実施形態では、再始動演出に具体化したが、その他の演出に係るデータでデータブロックを構築しても良い。また、データブロックには、リーチ時間t2などの時間そのものを設定しても良い。さらに、実施形態において、通常変動時間t1とリーチ時間t2をまとめて一つの時間として設定しても良い。
○ 各実施形態において、ランプ制御用ROM38bに記憶したデータブロック判定テーブルなどの各テーブルを統括制御用ROM36bに記憶し、統括制御用CPU36aからランプ制御用CPU38aに指示コマンドを出力するようにしても良い。
○ 各実施形態において、全ての変動パターンに対して複数のデータブロックを配置しても良い。
○ 各実施形態において、再始動グループに属する変動パターン数、及び再始動再抽選グループに属する変動パターン数を変更しても良い。
○ 各実施形態において、主制御用CPU35aが選択対象とする変動パターン数、統括制御用CPU36aが選択対象とする演出パターン数及び各時間を変更しても良い。また、通常変動時間t1を2種類以上に設定しても良い。
○ 各実施形態において、確変状態の付与条件を変更しても良い。例えば、確変突入率を2分の1や、3分の2に設定しても良い。また、確変状態の付与期間(図柄変動ゲームの回数)を、例えば10000回の図柄変動ゲームが終了するまでというようにゲームの回数を変更しても良い。
○ 各実施形態において、適合するデータブロックが存在しない場合には、リーチ時間t2が最大時間となるリーチ時間識別子「19」を選択しても良い。このように適合するデータブロックが存在しない場合は、リーチ時間t2が最小時間となるリーチ時間識別子「0」、又は最大時間となるリーチ時間識別子「19」を選択すれば、表示演出と発光演出がずれ易くなり、バグの発生を発見し易くなる。
○ 各実施形態において、ランプ制御用CPU38aは、コマンドを正しく受け取れなかった場合やコマンドの欠損が生じ、ステップS16で適合するデータブロックが存在せずにステップS20で再始動時間t3を選択する際、移動コマ数指定コマンドが再始動時間判定テーブルDT7に含まれる値であれば当該コマンドをそのまま適用し、再始動時間t3を選択しても良い。そして、ランプ制御用CPU38aは、前記移動コマ数指定コマンドが再始動時間判定テーブルDT7に含まれない値の場合に移動コマ数指定コマンドを「8AH00H(1コマ)」として再始動時間t3を選択しても良い。なお、実施形態及び本別例にて移動コマ数指定コマンドを強制的に選択する場合、そのコマンドとしては、再始動時間t3が最小時間となる「8AH00H(1コマ)」又は最大時間となる「8AH12H(19コマ)」が好ましく、その他のコマンドでも良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)図柄変動ゲームの変動時間及び該ゲームが開始してから終了するまでの演出態様を特定し得る変動パターンを複数種類の変動パターンの中から選択する変動パターン選択部と、前記変動パターン選択部が選択した変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを出力するコマンド出力部とを有する主制御手段と、前記図柄変動ゲームで実行される具体的な演出内容を特定し得る演出パターンを前記変動パターン選択部が選択した変動パターンに基づき、複数種類の演出パターンの中から選択する演出パターン選択部と、前記変動パターン選択部が選択した前記変動パターンと前記演出パターン選択部が選択した演出パターンとに基づいて、実行すべき演出内容データを特定するデータ特定部とを有する演出制御手段と、を備えた遊技機において、前記複数種類の変動パターンは、前記演出態様が同一となる複数のグループに分類可能であって、前記複数のグループのうち、1つのグループに属する変動パターンの演出態様は他のグループに属する変動パターンの演出態様の一部と共通する共通演出により構成され、グループ間において同一内容の共通演出を含む変動パターン同士が予め対応付けられており、前記演出制御手段は、前記演出パターン選択部が選択し得る前記演出パターンと該演出パターンに対応する前記演出内容データとからなるデータブロックを変動パターン毎に単数又は複数配置して構成される演出データ特定テーブルを記憶する演出データ特定テーブル記憶部と、前記演出データ特定テーブルにおいて前記変動パターン毎に配置した前記データブロックのうち、先頭に配置したデータブロックを特定するための先頭オフセット値を、前記変動パターン毎に設定して構成されるオフセットテーブルを記憶するオフセットテーブル記憶部と、を有し、前記データ特定部は、前記変動パターン選択部が選択した変動パターンに対応する先頭オフセット値を前記オフセットテーブルから読み出し、その読み出した先頭オフセット値に応じて前記演出データ特定テーブルにおけるデータブロックの参照開始位置を特定し、その参照開始位置から予め定めた参照順序にしたがって前記演出データ特定テーブルに配置されたデータブロックを参照し、前記演出パターン選択部が選択した演出パターンが含まれるデータブロックを判定することで該データブロックに含まれる演出内容データを特定し、前記先頭オフセット値を読み出す際には、同一内容の共通演出を含む変動パターンにおいて同一の先頭オフセット値を読み出すように、前記オフセットテーブルの読み出し位置を演算することを特徴とする遊技機。
(ロ)前記変動パターン選択部が選択対象とする前記複数種類の変動パターンには、前記演出パターン選択部の選択対象となる演出パターン数が相違するものが含まれており、前記演出制御手段は、前記演出データ特定テーブルにおける変動パターン毎の前記データブロックの配置数を定めた配置数特定テーブルを記憶する配置数特定テーブル記憶部をさらに有し、前記データ特定部は、前記変動パターン選択部が選択した変動パターンに基づいて前記配置数特定テーブルから前記データブロックの配置数を判定して最大参照数を特定し、その最大参照数を上限数として前記先頭オフセット値をもとに特定した参照開始位置から前記演出データ特定テーブルに配置されたデータブロックを参照することを特徴とする前記技術的思想(イ)に記載の遊技機。
(ハ)前記変動パターンの演出態様が共通演出により構成される変動パターンが属する前記1つのグループには、他のグループよりも多い数の変動パターンが属しているとともに、前記他のグループに属する変動パターンと対応付けられていない非対応変動パターンが属しており、前記オフセットテーブル記憶部には、前記データ特定部が前記先頭オフセット値を読み出す際に共通使用し、かつ前記非対応変動パターンに対応する先頭オフセット値を設定した単一のオフセットテーブルが記憶されており、前記データ特定部は、前記他のグループに属する変動パターンの前記先頭オフセット値を読み出す際には前記非対応変動パターンの前記先頭オフセット値を読み出さないように前記オフセットテーブルの読み出し位置を演算することを特徴とする前記技術的思想(イ)又は(ロ)に記載の遊技機。
(ニ)前記変動パターンの演出態様が共通演出により構成される変動パターンが属する前記1つのグループには、他のグループよりも多い数の変動パターンが属しているとともに、前記他のグループに属する変動パターンと対応付けられていない非対応変動パターンが属しており、前記オフセットテーブル記憶部には、前記1つのグループに属する変動パターンの場合に前記データ特定部が前記先頭オフセット値を読み出す際に使用する第1のオフセットテーブルと、前記他のグループに属する変動パターンの場合に前記データ特定部が前記先頭オフセット値を読み出す際に使用する第2のオフセットテーブルとが記憶されており、前記非対応変動パターンに対応する先頭オフセット値は、前記第2のオフセットテーブルに設定されておらず、前記第1のオフセットテーブルのみに設定されていることを特徴とする前記技術的思想(イ)又は(ロ)に記載の遊技機。
(ホ)前記演出内容データには、前記図柄変動ゲームで実行される特定の演出に係る演出態様及び演出時間のうち少なくともいずれか一方が定められていることを特徴とする前記技術的思想(イ)〜(ニ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ヘ)前記演出内容データは、前記演出パターン選択部が選択した演出パターンに基づく演出内容を実行するまでの演出時間を規定する情報であり、前記演出制御手段は、前記データ特定部が特定した前記演出時間に基づき、前記演出内容の開始を制御することを特徴とする前記技術的思想(ホ)に記載の遊技機。
(ト)前記主制御手段は、遊技機全体を制御する主制御基板であり、前記演出制御手段は、前記図柄変動ゲームを表示する表示装置の表示制御、発光装置の発光制御、及び音声出力装置の音声制御を実行する複数の副制御基板と、前記主制御基板と前記副制御基板の間に接続されるとともに各副制御基板を統括して制御する統括制御基板であって、前記演出パターン選択部は前記統括制御基板に設けられている一方で、前記演出データ特定テーブル記憶部、前記データ特定部及び前記配置数特定テーブル記憶部は前記副制御基板に設けられていることを特徴とする前記技術的思想(イ)〜(ヘ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
P1〜P293…変動パターン、DT4,DT4a…データブロック判定テーブル、DT8,DT8a,DT8b,DT8c…データ参照規則テーブル、DT9,DT9a,DT9b,DT9c…オフセットテーブル、35…主制御基板、35a…主制御用CPU、35b…主制御用ROM、35c…主制御用RAM、36…サブ統括制御基板、36a…統括制御用CPU、36b…統括制御用ROM、36c…統括制御用RAM、37…表示制御基板、38…ランプ制御基板、38a…ランプ制御用CPU、38b…ランプ制御用ROM、38c…ランプ制御用RAM、39…音声制御基板。