JP5461087B2 - 燃料遮断弁 - Google Patents

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本願発明は、燃料遮断弁、例えば自動車等の燃料タンク内の燃料蒸発ガスをキャニスタへ流出させてキャニスタの吸着剤に吸着させたり、或いは燃料油面上昇時に燃料タンク内の燃料がキャニスタへ流出することを防止する燃料遮断弁に関する。
自動車等には、エンジンの燃焼室に供給するための燃料を貯留する燃料タンクが設けられる。この燃料タンクには、タンク内の燃料量の増減に見合う空気が出入り可能なように通気系が設けられる。この通気系は、燃料タンクの内部とキャニスタとを連通する系として形成されており、仮に燃料タンクが満タン以上になると溢れた燃料がキャニスタ側へ流出してキャニスタを濡らし、キャニスタを使用不能にする。そのため、燃料タンクの上部に満タン制御弁を設けて燃料が満タンになった時、通気系を遮断してエアー及び燃料がキャニスタ側へ流出しないようにしている。
また、燃料タンクには、上記満タン制御弁の他に常時大気に開放し燃料タンク内の圧力変動を調整し、且つ、自動車が傾斜乃至横転等した時に閉じる燃料漏れ防止弁が取り付けられる。上記満タン制御弁及び燃料漏れ防止弁は、それぞれ別々に設けられていたが、コストが高騰する等の理由により、両弁の機能を併せ持つ燃料遮断弁がすでに提案されている。
その燃料遮断弁を図14に示す。この燃料遮断弁1は、ケース2によって形成される内部空間3にアッパフロート4及びロアフロート5を収納してなるとともに、その上方には上部開口8aを、その下方には下部開口8bを、その上方の周壁面には横穴14を備え、ケース2の多くの部分は燃料タンク6内に挿入され、ケース2の上方外周壁に水平に形成されるフランジ7を燃料タンク6の上壁面に取り付ける形態で配置される。
ロアフロート5は、燃料タンク6内の燃料が下部開口8bから内部空間3に浸入すると上動する部材であり、その上面には棒状で且つ小径の第1弁部材9を有する。アッパフロート4の上面には、リング状で且つ大径の第2弁部材4aを有し、ロアフロート5の上方に上下動可能に取り付けられる。また、アッパフロート4は、その中央部に小径の上端開口12を有し、この小径の上端開口12の下端部には、ロアフロート5の小径の第1弁部材9が当接可能な第1弁座10が形成される。
大径の上部開口8aの下端部には第2弁座11が形成され、燃料タンク6内への給油時等、燃料が下部開口8bから内部空間3に浸入すると、ロアフロート5及びアッパフロート4は共に上動し、ロアフロート5の小径の第1弁部材9は、アッパフロート4の第1弁座10に当接して小径の上端開口12を閉鎖するとともに、アッパフロート4の第2弁部材4aは、上部開口8aの下端部に形成される第2弁座11に当接して大径の上部開口8aを閉鎖し、燃料が上部開口8aの上方の連通路13を介して図示しないキャニスタに流出するのを防止する。
第1弁部材9及び第2弁部材4aの閉弁時、燃料タンク6内の圧力により小径の第1弁部材9が第1弁座10に当接する力は、大径の第2弁部材4aが第2弁座11に当接する力よりかなり小さく、燃料タンク6内の圧力が僅かでも低下すると、ロアフロート5は自重で下動し、小径の第1弁部材9と第1弁座10との当接が外れ、小径の上端開口12及び横穴14を介して燃料タンク6内は大気に連通する。
その結果、燃料タンク6内の圧は下がり、大径の第2弁部材4aと第2弁座11との当接が直ちに外れ、大径の上部開口8aが大気に開放するため、燃料タンク6内の圧力は急激に低下する。また、燃料タンク6内の燃料が満タン時、例え、下部開口8bが燃料により塞がれていたとしても、ケース2の側壁面には横穴14が設けられているため、燃料タンク6内で発生する燃料蒸発ガスは横穴14より連通路13方向に流れるため、燃料タンク6内の圧力が過度に高くなることはない。
このように、従来の燃料遮断弁1は、満タン制御弁及び燃料漏れ防止弁のそれぞれの機能を併せ持ち、1つのバルブで済むため、コスト面及び利便性において優れている(特許文献1参照)。
ところで、弁が弁座に当接する場合、弁座との芯ズレが少ない方が弁の密閉性は高まる。上記燃料遮断弁1であるが、上記燃料遮断弁1のロアフロート5は、ロアフロート5の外周とケース2の内周との間に若干の隙間を有し、その隙間分、左右方向に動くことができ、また、アッパフロート4は、ロアフロート5より小さく、且つロアフロート5に対し上下方向に所定距離移動可能に取り付けられるとともに、左右方向にも若干の隙間を有し、その隙間分、左右方向に動くことができる。
即ち、ロアフロート5は、ロアフロート5の外周とケース2の内周との間の隙間分だけ左右方向に動き得るとともに、アッパフロート4は、ロアフロート5よりも長い距離、具体的には、ロアフロート5の外周とケース2の内周との間の隙間分と、アッパフロート4とロアフロート5との間の隙間分とを合わした距離だけ左右方向に動き得るようになっている。
上記燃料遮断弁1のアッパフロート4は、上記したように、ロアフロート5の外周とケース2の内周との間の隙間分と、アッパフロート4とロアフロート5との間の隙間分とを合わした距離だけ左右方向に動き得るようになっているが、例え、それだけ左右方向に芯ズレしたとしても大径の第2弁部材4aは大径の第2弁座11に当接可能になっており格別問題は生じない。
しかしながら、例えばアッパフロートの左右方向の芯ズレがロアフロート5の外周とケース2の内周との間の隙間より大きい状態で、第2弁部材と第2弁座がシールした場合、小径の第1弁部材と第1弁座がシールするにはアッパフロートを調芯させてシールさせなければならなくなる。しかしその場合には、第2弁部材は第2弁座と当接しているため調芯させるのに大きな力が必要になり、上端開口12の閉鎖が十分に行われない恐れが生じる。
特開2004−257264
本願発明の目的は、小径シール部の調芯性を向上させた大小2つのシール部を有する燃料遮断弁を提供することである。
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。
請求項1に係る発明では、燃料タンク内に連通する第1開口とキャニスタに連通する第2開口を有するケースと、前記ケース内に上下動自在に設けられ、上方に第1弁部材を有するロアフロートと、前記ロアフロートの上部に上下動自在に設けられ、第2弁部材とキャニスタに連通する第3開口を有するアッパフロートと、前記第1弁部材が当接することにより前記第3開口が閉鎖される前記アッパフロートに設けられる第1弁座と、前記第2弁部材が当接することにより前記第2開口が閉鎖される前記ケースに設けられる第2弁座とを有し、前記アッパフロートは、前記第3開口を取り囲んで上方に延びる筒状体を有し、前記ケースは、前記アッパフロートの上下動時に前記筒状体をガイドするガイド部材を有し、前記ガイド部材は、前記筒状体の外周面に対向する内周面を有し、前記内周面は、前記第2弁座より径方向内側に位置し、前記ガイド部材は、前記第2弁座の径方向内側で前記筒状体をガイドし、前記アッパフロートの芯ズレ量を規制し、前記筒状体と前記ガイド部材の間のクリアランスは、前記ケースと前記ロアフロートの間のクリアランスより小さいことを特徴とする。
請求項に係る発明では、前記筒状体は、前記ロアフロートの最低位置と最高位置の間の全てにおいて前記ガイド部材にガイドされることを特徴とする。
請求項に係る発明では、前記筒状体の先端は、テーパー状であることを特徴とする。
請求項に係る発明では、前記ガイド部材の内周端は、断面半円状であることを特徴とする。
請求項に係る発明では、前記第1弁部材は、前記ロアフロートと別体であり、前記第1弁部材と前記第1弁座の芯ズレ時、前記第1弁座に追随して前記第3開口をシールすることを特徴とする。
請求項に係る発明では、前記第1弁部材は、前記ロアフロートにスナップフィット係合し、前記第1弁部材の開弁時、前記ロアフロートに追随して動くことを特徴とする。
請求項に係る発明では、前記第1弁部材の底部中央には断面逆U字状の凹嵌部を有し、前記ロアフロートの上部中央には断面逆U字状の突起部を有し、前記凹嵌部は前記突起部に嵌合し、前記第1弁部材は、前記ロアフロートに対し動き得ることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、アッパフロートに第3開口を取り囲んで上方に延びる筒状体を形成し、ケースにアッパフロートの上下動時に前記筒状体をガイドするガイド部材を形成し、ガイド部材により第2弁座の内側で筒状体をガイドしてアッパフロートの芯ズレ量を規制することにより、ロアフロートの小径の第1弁部材とアッパフロートの小径の第1弁座との調芯性を向上することができ、シール箇所でのシール性を向上させることができる。また、ガイド部材によるガイド箇所を第2弁座の内側にすることにより、アッパフロート上下動時、ガイド箇所が第2弁座の外側のものに比べガイド箇所の摺動抵抗が少なくなり、アッパフロートの上下動をより滑らかにすることができ、ひいてはロアフロートの小径の第1弁部材とアッパフロートの小径の第1弁座との調芯性をより向上してシール箇所でのシール性をより向上させることができる。また、筒状体とガイド部材の間のクリアランスをケースとロアフロートの間のクリアランスより小さくすることにより、ロアフロートの小径の第1弁部材とアッパフロートの小径の第1弁座との調芯性をより向上することができ、その結果、シール箇所でのシール性をより向上させることができる。
請求項に係る発明では、筒状体を、ロアフロートの最低位置と最高位置の間の全てにおいてガイド部材にガイドさせることにより、請求項1に係る発明の効果に加え、アッパフロートの偏心量を確実に少なくすることができる。
請求項に係る発明では、筒状体の先端をテーパー状にすることにより、請求項1または2の効果に加え、ガイド部材と筒状体との組付性を向上することができる。
請求項に係る発明では、ガイド部材の内周端を断面半円状にすることにより、請求項1乃至に係る発明の効果に加え、ガイド部材に対する筒状体の上下動をより滑らかにすることができる。
請求項に係る発明では、第1弁部材を、ロアフロートと別体に形成し、第1弁部材と第1弁座の芯ズレ時、第1弁座に追随して第3開口をシール可能にすることにより、請求項1乃至に係る発明の効果に加え、第1弁部材(中間フロートが相当)とアッパフロートの第1弁座との調芯性をロアフロートの動きに関係なく向上することができるようになり、その結果、シール性をより向上させることができる。
請求項に係る発明では、第1弁部材をロアフロートにスナップフィット係合し、第1弁部材の開弁時、前記ロアフロートに追随して動くようにすることにより、請求項に係る発明の効果に加え、第1弁部材のロアフロートへの取付けを容易に行うことができる。
請求項に係る発明では、第1弁部材の底部中央に断面逆U字状の凹嵌部を形成し、ロアフロートの上部中央に断面逆U字状の突起部を形成し、凹嵌部を突起部に嵌合して第1弁部材をロアフロートに対し動き得るようにすることにより、請求項5または6に係る発明の効果に加え、第1弁部材の動きを滑らかにすることができ、ひいては第1弁部材とアッパフロートの第1弁座との調芯性をより向上することができる。
アッパフロートが閉でロアフロートが閉状態時の燃料遮断弁の全体断面図 アッパフロートが閉でロアフロートが開状態時の燃料遮断弁の全体断面図 アッパフロートが開でロアフロートが開状態時の燃料遮断弁の全体断面図 ケースの平面図 図4のA−A線断面図 ロアフロートの平面図 図6のB−B線断面図 中間フロート(ロアフロートと別体の第1弁部材)の平面図 図8のC−C線断面図 アッパフロートの平面図 図10のD−D線断面図 アッパフロートの底面図 中間フロートとロアフロートとの取付図 従来の燃料遮断弁の全体断面図
燃料遮断弁20は、ケース30、ケース30内に配置されるロアフロート50、アッパフロート60、第1弁部材としての中間フロート57及び第2弁部材64等を有する。
ケース30は、下方が開放された円筒状の樹脂製部材であり、内部空間31を有する。ケース30の上壁32の中央には、内部空間31に連通する上部開口である大径の第2開口33を有する。また、前記第2開口33の下端部には、後記の第2弁部材64が当接する円形の第2弁座34が垂下する形態で形成される。
ケース30内には、内壁面に沿って垂直方向に複数の縦リブ35が等間隔に設けられており、該縦リブ35は、ケース30の内壁面とロアフロート50の外周面との間に空間を確保して燃料蒸発ガス等の通路を形成するとともに、その内周端でロアフロート50の上下動をガイドする。
ケース30の底部には、熱溶着等の手段により底部材36が取り付けられる。この底部材36には、燃料等が内部空間31に浸入するための複数の下部開口である第1開口37が穿設される。この第1開口37は、給油時或いは自動車が傾斜状態にあったり横転した時等に内部空間31に燃料を浸入させるためのもので、給油時等に内部空間31に浸入する燃料によりロアフロート50及びアッパフロート60を上動させ、アッパフロート60の上部に設けられる第2弁部材64により第2開口33及び第1弁部材により第3開口を閉鎖し、燃料がキャニスタに流出するのを防止する。なお、底部材36をケース30の一部に含めてもよい。
また、ケース30の上方の側壁面には、複数個、例えば2個の円形の横穴38がほぼ対向して設けられ、燃料タンク43内の燃料蒸発ガスは、この横穴38より、内部空間31に浸入し、第2開口33及び連通路41を介し図示しないキャニスタに排出される。
ケース30の上方には、樹脂製のキャップ部材39がシール部材40を介して取り付けられる。このキャップ部材39には、キャニスタに連通する連通路41及び燃料タンク43に取り付けられるフランジ42が一体に形成される。前記連通路41は、図示しないキャニスタに連通されており、燃料タンク43内の燃料蒸発ガスをキャニスタに排出したり、大気を燃料タンク43内に導入する。なお、キャップ部材39はケース30と一体に形成され、全体でケース30を形成していてもよい。
燃料タンク43の上壁面には取付孔44が設けられ、この取付孔44内にケース30を挿入し、キャップ部材39のフランジ42を燃料タンク43の上壁面に取り付ける。その結果、燃料遮断弁20は、図1に示すように燃料タンク43内に挿入される形態で取り付けられる。
ところで、ケース30の第2開口33の上方には、後記の筒状体65をガイドするガイド部材46が形成される。ガイド部材46は、図4及び図5に示すようにリング部46a及び脚部46bよりなる。リング部46aは、第2開口33の中央且つ直上或いは若干上方に設けられる前記第2開口33より小径で厚みの小さいリング状の部材であり、その内周端46aaは断面半円状或いは円弧状に形成されており、後記の筒状体65のガイドを円滑にする。
前記脚部46bは、前記リング部46aの外周から外方に向かって延びる平板状の部材で、リング部46aの外周に複数個、例えば3個等間隔に設けられ、リング部46a側と反対側の外方端は上壁32上まで延びるとともに、外方端の下端部は上壁32に連結される。即ち、リング部46a及び脚部46bは上壁32に一体成形される。なお、ガイド部材46は上壁32と別体に形成され、熱溶着等の固定手段により上壁32に固定するようにしてもよい。ガイド部材46をこのような形態にすることにより、ガイド部材46の形成を容易にすることができるとともにガイド機能を良好にすることができる。
ケース30内に挿入される部材について説明する。ロアフロート50は、樹脂製で下方開放の概略中空円筒形状の部材で、図6にその平面図を示し、図7にその断面図を示す。ロアフロート50は、下方に大径円筒部51を有し上方に小径円筒部52を有する。大径円筒部51の外周部は、ケース30の内側面に設けられる垂直な縦リブ35にガイドされる。
小径円筒部52は、大径円筒部51の上壁から上方に延び、その上部外周面には、径方向且つ外方に張り出した複数個、例えば4個の係止片53がほぼ等間隔に設けられ、それぞれの係止片53の下方には、図6に示すように係止片53の幅より広い幅を有する断面口状で、後記中間フロート57の爪58aが係止される係止溝54が形成される。更に小径円筒部52内であって、大径円筒部51の上面中央部には、柱状でその先端が円弧状の断面逆U字状の突起部55が立設される。
ロアフロート50と底部材36との間には、スプリング56が介在される。スプリング56はそれ自体ではロアフロート50を上動する力はないが、ケース30内に燃料が浸入したとき燃料による浮力とともにロアフロート50を素早く上動する力として作用する。
符号57は中間フロートである。中間フロート57は、本願発明の第1弁部材に相当し、小径のシール部を形成する樹脂製の部材であり、図8にその平面図を示し、図9にその断面図を示す。中間フロート57は、本体部58及び柱状体59を有する。
本体部58は、その外周部に複数個、例えば4個の爪58aがその先端が外方に広がる形態で等間隔に設けられている。これら4個の爪58aの先端で描かれる円の直径はロアフロート50の小径円筒部52の内径より大きく、且つ小径円筒部52の外形より小さくされており、中間フロート57がロアフロート50の小径円筒部52内に嵌合されると爪58aが小径円筒部52の係止溝54内に係合し抜けなくなる。
本体部58の底部中央には、断面逆U字状の凹嵌部58bが形成される。この凹嵌部58bには、ロアフロート50の突起部55が若干の隙間を有して嵌合され、凹嵌部58bの天面と突起部55の先端との曲面係合により、中間フロート57はロアフロート50に傾動自在に支持される。
前記柱状体59は、本体部58の中央に立設するテーパー状で且つ先端が円弧状の部分であり、本願発明の第1弁部材に相当し、後記第3開口68を開閉する。
ロアフロート50の小径円筒部52と中間フロート57との取り付けを図13により説明する。図13(A)に取付前の状態を示し、図13(B)に取付後の状態を示す。まず、図13(A)に示すように、ロアフロート50の小径円筒部52の上に中間フロート57を置き、中間フロート57を上方から矢印で示すように押し下げる。すると、中間フロート57の4個の爪58aの先端が小径円筒部52の内面に引っかかる。構わず中間フロート57を押し下げると、爪58aは内方に彎曲し、中間フロート57は小径円筒部52内に入り込む。更に中間フロート57を押し下げると、凹嵌部58bはロアフロート50の突起部55に嵌合するとともに、爪58aは小径円筒部52の係止溝54に至り、その先端は係止溝54内に入り込み元の形状に戻る。
図13(B)は取付後の状態である。即ち、中間フロート57はロアフロート50の小径円筒部52に対しスナップフィット係合され、係合後は爪58aが小径円筒部52の係止溝54の上端に係合し抜けなくなるとともに、中間フロート57はロアフロート50に追随して動くことができるように突起部55に支持される。
そして、中間フロート57はロアフロート50に対し傾動自在にされ、中間フロート57の柱状体59(第1弁部材に相当)と後記アッパフロート60の第1弁座67との調芯性を向上させる。即ち、第1弁部材をロアフロート50とは別体の中間フロート57にすることにより、第1弁部材と第1弁座67の芯ズレ時、第1弁座67に追随して第3開口68をシールすることができるようになる。
なお、この例では第1弁部材に相当する中間フロート57(実際には柱状体59)をロアフロート50と別体のものとして説明したが、両部材は一体のもの、即ち、中間フロート57がなく、ロアフロート50の突起部55が柱状体59の作用を行うようなものであってもよい。
ロアフロート50の小径円筒部52の上方には、アッパフロート60が取り付けられる。図10にその平面図を示し、図11にその断面図を示し、図12にその底面図を示す。アッパフロート60は、樹脂製で、円板状部材61及び脚部材62を有する。脚部材62は、円板状部材61の外周底面に複数個、例えば4個ほぼ等間隔に垂下する断面円弧状の部材で、その下端部近傍には、ロアフロート50の小径円筒部52の上部外周面に形成される4個の係止片53が係合する縦長で矩形状の係合溝63が設けられる。
円板状部材61は、上方の小径円板部61aと、下方の大径円板部61bと、小径円板部61aと大径円板部61bとをつなぐ柱状部61cを有する。そして、柱状部61cにはドーナツ状で且つゴム製の第2弁部材64が嵌合される。この第2弁部材64は、ロアフロート50が上動した時にケース30の上部に形成される第2弁座34に当接し、燃料等の第2開口33側への流出を防止する。この場合、第2弁部材64は前後左右方向にゆとりをもって嵌合されており、アッパフロート60が傾斜した状態であっても第2弁部材64と第2弁座34との密着を良好に行う。
アッパフロート60の小径円板部61aの上壁中央には、筒状体65が立設される。この筒状体65は中空の環状部材であり、その先端はテーパー状のテーパー部65aにされ、ガイド部材46のリング部46a内に挿入させる際の組立性を良好にする。
また、円板状部材61の下部中央部には、小径円板部61aにかけて第2凹嵌部66が形成される。この第2凹嵌部66は中間フロート57上の小径の柱状体59が嵌入可能の大きさを有し、その上方は絞られており、その絞られた箇所に中間フロート57の柱状体59が当接する第1弁座67が形成される(図11参照)。この第2凹嵌部66の上方は絞られるとともに、筒状体65の中空部に連通し全体として第3開口68が形成される。即ち、この第3開口68は筒状体65に取り囲まれることになる。
そして、この第2凹嵌部66内に第1弁部材である中間フロート57の柱状体59が嵌入し、第1弁座67に当接することによりアッパフロート60はロアフロート50の上部にピボット状に支持される。
ロアフロート50とアッパフロート60との組立は次のように行われる。まず、アッパフロート60の溝部である柱状部61c内に第2弁部材64を嵌合する。次いで、図13のようにして中間フロート57を組み付けたロアフロート50の上部にアッパフロート60を置き、そのままの状態でアッパフロート60の上部から力を加え、アッパフロート60を下動させる。すると脚部材62は係止片53により外方へ広げられ、アッパフロート60はロアフロート50の小径円筒部52の外周上に沿って押し込まれ、ついには4個の脚部材62のそれぞれの係合溝63内に、小径円筒部52の上部外周上に設けられる4個の係止片53が入り込み、両部材はスナップフィット係合される。その時同時に第2凹嵌部66内に第1弁部材である中間フロート57の柱状体59が嵌合する。その結果、アッパフロート60は、ロアフロート50から切り離されることなく、上下動自在に連結される。
前記係合溝63は、長さSを有し(図11参照)、アッパフロート60が第2弁座34に当接する第2開口33の閉鎖時、ロアフロート50は長さSだけ下降することができ、その際ロアフロート50の第1弁部材である中間フロート57の柱状体59はアッパフロート60の中央部の第3開口68を開口する。その状態を図2に示す。
燃料遮断弁20の組立は概略次のように行われる。まず、ロアフロート50の上部に中間フロート57を嵌合し、更にその上部にアッパフロート60を嵌合したフロートユニットを用意しておき、次いでケース30を逆さにしてケース30内にフロートユニットを逆さにして挿入し、ケース30の上部に設けられるガイド部材46にアッパフロート60の筒状体65を挿入する。この場合、筒状体65の先端にテーパー部65aが形成され、更にガイド部材46の内周端が半円状になっているため、その挿入は容易になる。
次いで、ケース30内にスプリング56を挿入して、その後底部材36を組付け固定する。その後、ケース30を正立させ、その上部にキャップ部材39を組付けて完成させる。組付け後の状態を図3に示す。なお、筒状体65は、ロアフロート50の最低位置(図3の位置)と最高位置(図1の位置)の間の全てにおいてガイド部材46内にある。
そして、筒状体65とガイド部材46の間のクリアランスは、ケース30(縦リブ35がある場合には縦リブ35)とロアフロート50の外周との間のクリアランスより小さくされており、アッパフロート60の第2弁部材64とケース30の第2弁座34との芯ズレはその範囲内になり、従来のものに比べ格段に小さくなる。その結果、中間フロート57の柱状体59とアッパフロート60の第1弁座67との芯ズレも小さくなる。また、例え、アッパフロート60とロアフロート50とが芯ズレしたとしても、中間フロート57が傾動してその芯ズレを低減する状態にするため第3開口68の密閉度が向上する。また、ガイド部材46の内周端46aaは第2弁座34より内側の第2開口33内にあり、アッパフロート60の筒状体65は、その内周端46aaにガイドされるため、アッパフロート60が上下動時に多少揺動したとしてもアッパフロート60の上下動はこじることなく滑らかに行われる。
燃料遮断弁20の給油満タン時からその後にかけての作用について簡単に説明する。給油満タン直前等に、燃料が第1開口37から内部空間31に浸入すると、浸入した燃料は、ケース30の内壁面とロアフロート50の側壁面との間の内部空間31を通り、第2開口33を経て連通路41に流れようとする。しかしながら、内部空間31に浸入する燃料は、アッパフロート60及びロアフロート50を共に上方位置に押し上げ、第2開口33を閉鎖して燃料が連通路41に流出するのを防止する。その状態を図1に示す。
その場合、アッパフロート60の筒状体65はガイド部材46にガイドされて上動するため、上記したように、特にアッパフロート60の第2弁部材64とケース30の第2弁座34との芯ズレは小さくなるとともに、中間フロート57の柱状体59とアッパフロート60の第1弁座67との芯ズレも小さくなる。
満タン直後、燃料タンク43内の圧力は高くなっており、第2弁部材64は高い圧力を下方から受け第2弁座34に強い力で当接され、燃料タンク43内の圧力が多少下がったくらいではその当接が外れないが、ロアフロート50はアッパフロート60に対し、第1弁部材である中間フロート57の柱状体59と第2凹嵌部66との小さな面積での当接であり、燃料タンク43内の燃料液面が僅かに下がるだけで柱状体59と第2凹嵌部66との当接が外れ、ロアフロート50は自重で落下しアッパフロート60は上方位置でロアフロート50は長さSだけ下方位置に位置する。その状態を図2に示す。
満タン直後しばらくすると、アッパフロート60の第3開口68が開放するため、ケース30の内外の圧力差が低下し、アッパフロート60及びロアフロート50は下方位置になり、燃料タンク43内で発生した燃料蒸発ガスは、横穴38より内部空間31に入り、第2開口33及び連通路41を介してキャニスタに送られるというように、燃料タンク43の通気が行われる。その状態を図3に示す。
なお、前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
20…燃料遮断弁 30…ケース
31…内部空間 32…上壁
33…第2開口 34…第2弁座
35…縦リブ 36…底部材
37…第1開口 38…横穴
39…キャップ部材 40…シール部材
41…連通路 42…フランジ
43…燃料タンク 44…取付孔
46…ガイド部材 46a…リング部
46aa…内周端 46b…脚部
50…ロアフロート 51…大径円筒部
52…小径円筒部 53…係止片
54…係止溝 55…突起部
56…スプリング 57…中間フロート
58…本体部 58a…爪
58b…凹嵌部 59…柱状体
60…アッパフロート 61…円板状部材
61a…小径円板部 61b…大径円板部
61c…柱状部 62…脚部材
63…係合溝 64…第2弁部材
65…筒状体 65a…テーパー部
66…第2凹嵌部 67…第1弁座
68…第3開口

Claims (7)

  1. 燃料タンク内に連通する第1開口とキャニスタに連通する第2開口を有するケースと、
    前記ケース内に上下動自在に設けられ、上方に第1弁部材を有するロアフロートと、
    前記ロアフロートの上部に上下動自在に設けられ、第2弁部材とキャニスタに連通する第3開口を有するアッパフロートと、
    前記第1弁部材が当接することにより前記第3開口が閉鎖される前記アッパフロートに設けられる第1弁座と、
    前記第2弁部材が当接することにより前記第2開口が閉鎖される前記ケースに設けられる第2弁座とを有し、
    前記アッパフロートは、前記第3開口を取り囲んで上方に延びる筒状体を有し、
    前記ケースは、前記アッパフロートの上下動時に前記筒状体をガイドするガイド部材を有し、
    前記ガイド部材は、前記筒状体の外周面に対向する内周面を有し、
    前記内周面は、前記第2弁座より径方向内側に位置し、
    前記ガイド部材は、前記第2弁座の径方向内側で前記筒状体をガイドし、前記アッパフロートの芯ズレ量を規制し、
    前記筒状体と前記ガイド部材の間のクリアランスは、前記ケースと前記ロアフロートの間のクリアランスより小さいことを特徴とする燃料遮断弁。
  2. 前記筒状体は、前記ロアフロートの最低位置と最高位置の間の全てにおいて前記ガイド部材にガイドされることを特徴とする請求項1に記載の燃料遮断弁。
  3. 前記筒状体の先端は、テーパー状であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料遮断弁。
  4. 前記ガイド部材の内周端は、断面半円状であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料遮断弁。
  5. 前記第1弁部材は、前記ロアフロートと別体であり、前記第1弁部材と前記第1弁座の芯ズレ時、前記第1弁座に追随して前記第3開口をシールすることを特徴とする請求項1乃至に記載の燃料遮断弁。
  6. 前記第1弁部材は、前記ロアフロートにスナップフィット係合し、前記第1弁部材の開弁時、前記ロアフロートに追随して動くことを特徴とする請求項に記載の燃料遮断弁。
  7. 前記第1弁部材の底部中央には断面逆U字状の凹嵌部を有し、前記ロアフロートの上部中央には断面逆U字状の突起部を有し、前記凹嵌部は前記突起部に嵌合し、前記第1弁部材は、前記ロアフロートに対し動き得ることを特徴とする請求項またはに記載の燃料遮断弁。
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