JP5460426B2 - 生産性評価装置、生産性評価方法およびプログラム - Google Patents
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Description
そこで、プロジェクトの工数の見積り精度を高めるために、幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、新規プロジェクトを開発完了済みのプロジェクトと比較して、開発完了済みのプロジェクトよりも劣っている項目を指摘する技術が示されている。具体的には、開発完了済みのプロジェクトを、プロジェクト種別等のグループ判別基準に基づいて予め分類しておき、まず、新規プロジェクトのプロジェクト種別等に基づいて、比較対象のプロジェクトのグループを選択する。次に、資産流用の有無等のグループ内評価基準に基づいて、新規プロジェクトの特性と選択されたグループの特性とが合致するか否かを判定し、合致しない場合は見積り作成見直しのポイントを指摘する。さらに、顧客参画率等の生産性特性項目に基づいて、グループの中から新規プロジェクトに類似するプロジェクトを選択し、選択したプロジェクトが新規プロジェクトよりも劣っている項目を指摘する。
また、実際のプロジェクトにおいては、対象とするシステムの分野や、顧客の特性、および使用している開発環境に応じて、投入した工数によって得られる成果であるところの生産性は大きく異なる。この生産性を考慮せずに、例えばプログラムステップ数などプロジェクトの規模感を示す指標のみを用いて工数見積りに対する評価を行うと、工数の実績と見積りとの間にぶれが発生する可能性がある。コストダウンの要請から、できる限り生産性の高い環境をそろえ、工数の少ない効率的なプロジェクトを計画するニーズがあり、工数見積りの精度は非常に重要である。
また、プロジェクトの生産性は使用する開発ツールなどの特性によっても大いに変わってくる。新規プロジェクトにおいて、既存のプロジェクトと同じ開発ツール等を使用することで同等の生産性を得られることを期待して、新規プロジェクトと類似の既存プロジェクト事例を検索する場合、相当の数の既存プロジェクト事例の蓄積が必要となってしまう。
また、本発明のもう1つの目的は、比較的少ない既存プロジェクト事例の蓄積に基づいて、開発ツール等の生産環境の評価を行える生産性評価装置、生産性評価方法およびプログラムを提供することにある。
前記プロジェクト生産性評価装置は、入力された検索条件に、前記ツールの情報が適合するプロジェクトを検索するプロジェクト検索部と、前記プロジェクト検索部が検索したプロジェクトの効率値を検索用端末に送信する送信部と、を具備することを特徴とする。
また、この発明によれば、比較的少ない既存プロジェクト事例の蓄積に基づいて、開発ツール等の生産環境の評価を行える。
プロジェクト全体の生産効率を客観的に評価できる。
図1は、本発明の一実施形態における生産性評価システムの概略構成を示す構成図である。
同図において、生産性評価システム500は、生産性評価装置1と、評価者用端末装置2と、検索者用端末装置3とを具備する。生産性評価装置1は、送受信部11と、記憶部12と、効率値テーブル生成部(生産性評価値算出部)13と、追加プロジェクト処理部14と、プロジェクト検索部15とを具備する。記憶部12は、プロジェクト情報記憶部121と、生産性評価記憶部122と、検索結果記憶部123とを具備する。効率値テーブル生成部13は、効率値算出部131と、はずれ値除去部132とを具備する。
ここで、プロジェクトで生成された成果物としては、例えば、プロジェクトで生産されるシステムが挙げられ、成果物の規模を示す成果物項目の値としては、例えば、当該システムが有する機能数や、画面数や、帳票数などを用いることができる。
また、生産性評価装置1が算出する効率値は、後述するように、重み付けされた成果物項目の値を、重み付けされたリソース項目の値で除して得られる値、すなわち、プロジェクトの出力をプロジェクトへの入力で除した値であり、プロジェクトの生産効率を示す値として用いることができる。
評価者用端末装置2は、成果物項目の値やリソース項目の値を含むプロジェクトの特性を示すデータの入力を受け付け、受け付けたデータを生産性評価装置1に送信する。検索者用端末装置3は、プロジェクトの検索条件を受け付け、受け付けた検索条件を生産性評価装置1に送信する。
ここで、入出力テーブルは、プロジェクトの特性を示すデータ(以下では、「特性データ」という)のうち、リソース項目の値と成果物項目の値とを含むテーブルである。後述するように、入出力テーブルに含まれるデータは、効率値テーブル生成部13や追加プロジェクト処理部14が、プロジェクトの効率値を算出する際に用いられる。なお、以下では、リソース項目の値をプロジェクトの「入力」、成果物項目の値をプロジェクトの「出力」といい、プロジェクトの入力とプロジェクトの出力とを併せてプロジェクトの「入出力」という。
効率値テーブルは、各プロジェクトの効率値を含むテーブルである。また、検索結果テーブルは、プロジェクト検索部15が、検索者用端末装置3にて入力される検索条件に基づいて選択したプロジェクトの、効率値をはじめとする特性データを含むテーブルである。
追加プロジェクト処理部14は、追加されたプロジェクトの入出力を入出力テーブルから読み出して効率値を算出し、効率値テーブルを更新する。
プロジェクト検索部15は、効率値テーブルを検索して検索条件に適合するプロジェクトのデータを読み出し、検索結果テーブルを生成する。
図2は、プロジェクト情報記憶部121が記憶するプロファイルテーブルの例を示す図である。プロファイルテーブルには、プロジェクト検索部15が検索条件に合致するプロジェクトを選択する際のインデックスとして用いられる、各プロジェクトの特性データが含まれる。同図の例では、プロファイルテーブルには、プロジェクトID(Identifier)、規模、開発期間、開発種別、業種、セキュリティレベル、稼働率、データ量、通信量、ソフトウェア構成、利用ツール、利用手法、利用開発手順、利用ソフトの情報が含まれている。
なお、プロジェクト検索部15が検索条件に合致するプロジェクトを選択する際のインデックスとして、プロファイルテーブルの各データに加えて、またはプロファイルテーブルの各データに代えて、入出力テーブルのデータを用いてもよい。検索のインデックスとして用いるデータの種類が多いほど、プロジェクト検索部15は多様な検索条件に対応して検索を行える。
「セキュリティレベル」欄のデータは、プロジェクトにて生成するシステムのセキュリティレベルを示すデータであり、高・中・低のいずれかの値をとる。「稼働率」、「データ量」、「通信量」欄のデータは、それぞれ、プロジェクトにて生成されるシステムに要求される稼働率、当該システムが記憶するデータ量、当該システムの通信量を示すデータである。
同図の例では、入出力テーブルには、設計、製造、試験の工程毎に各プロジェクトの入出力が含まれており、各プロジェクトの入力として、工数、コスト、期間、人数の各情報が含まれ、各プロジェクトの出力として、ステップ数、画面数、帳票数、バッチジョブ数、テーブル数、機能数の各情報が含まれている。評価者用端末装置2は、これら入出力として、いずれも非負の数の入力を受け付け、入出力テーブルは、入出力として非負の数を記憶している。
同図の例では、出力の各項目は、いずれもプロジェクトで生成されるシステムの属性を示す項目であり、設計、製造、試験の各工程に共通の値となる。このように、各工程に共通の項目については、例えば、送受信部11が、評価者用端末装置2から送信されるデータを、入出力テーブルの各工程の該当欄に書き込むことにより、入出力テーブルを生成する。
また、入出力テーブルの項目も、同図に示すものに限らない。例えば、既存ソフトウェアの流用等により、プロジェクトによって生成されるシステムの規模とステップ数との間のばらつきが大きい場合は、出力としてステップ数以外の項目を用いることが考えられる。画面数や、帳票数や、バッチジョブ数や、テーブル数や、機能数は顧客仕様に基づいて客観的に定められるデータであり、これらのデータを用いることにより、システムの規模をより適切に把握できることが期待できる。あるいは、入力の項目として、プロジェクトに投入した要員の熟練度を5段階評価で示すデータ項目を含むなど、同図に示す以外の項目を含んでいてもよい。
同図の例では、効率値テーブルには、プロファイルテーブルの各データと、入出力テーブルの各データと、入出力テーブルの各データに基づいて効率値テーブル生成部13が算出する効率値とが含まれている。
例えば、評価者用端末装置2が、検索条件として「工程=設計」のユーザ入力を受け、表示項目として「利用ツール、工程、工数」のユーザ入力を受けて生産性評価装置1に送信すると、プロジェクト検索部15が、生産性評価記憶部122の効率値テーブルを検索して検索条件に合致するプロジェクトを選択し、選択したプロジェクトのデータを読み出して、検索結果記憶部123に、検索結果テーブルとして書き込む。
この際、プロジェクト検索部15は、表示項目の「利用ツール、工程、工数」と、予め定められた項目である「プロジェクトID、効率値」とのデータを読み出して、検索結果記憶部123に書き込む。
図6は、評価者用端末装置2からプロジェクトのデータが送信された際の、生産性評価装置1の処理手順を示すフローチャートである。
評価者用端末装置2からプロジェクトのデータが送信されると、生産性評価装置1の送受信部11は、送信されるデータをテーブル形式にまとめたプロファイルテーブルと入出力テーブルとを生成し、プロジェクト情報記憶部121に書き込む。その後、送受信部11は、効率値算出部131に、効率値テーブルの生成を指示する信号を出力する(以上、ステップS101)。
送受信部11から効率値テーブルの生成を指示する信号が出力されると、効率値算出部131は、効率値テーブルを生成して生産性評価記憶部122に書き込む。その後、効率値算出部131は、はずれ値除去部132にはずれ値の除去を指示する信号を出力する(以上、ステップS102)。
その後、生産性評価装置1は、同図の処理を終了する。
まず、効率値算出部131は、生産性評価記憶部122の記憶領域中に、効率値テーブル(の枠組み)を生成する。そして、効率値算出部131は、プロジェクト情報記憶部121からプロファイルテーブルの各データを読み出し、生産性評価記憶部122に生成した効率値テーブルに書き込む(以上、ステップS121)。次に、効率値算出部131は、プロジェクト情報記憶部121から入出力テーブルの各データを読み出し、生産性評価記憶部122の効率値テーブルに書き込む(ステップS122)。
より詳細には、リソース項目ごとの非負の重み係数(第二重み係数)vi(iは、1≦i≦mの正整数。mは、リソース項目数)と、成果物項目ごとの非負の重み係数(第一重み係数)ur(rは、1≦r≦sの正整数。sは、成果物項目数)とを生成する。この時点では、これらの重み係数の値は未確定であり、効率値算出部131は、これらの重み係数を変数として扱う。そして、効率値算出部131は、入出力テーブルから読み出した、プロジェクトPj(jは、1≦j≦qの正整数。qは、入出力テーブルに記憶されるプロジェクトの個数)の入力xij(iは、1≦i≦mの正整数。mは、リソース項目数)、および、出力yrj(rは、1≦r≦sの正整数。sは、成果物項目数)と、重み係数とを用いて、j=1,2,・・・,qの各々についての、式(1)に示す不等式q個からなる制約条件を生成する。
(v1x1j+v2x2j+・・・+vmxmj)/(u1y1j+u2y2j+・・・+usysj)≦1 ・・・ 式(1)
効率値算出部131は、生成した制約条件を、記憶部12のワーキングメモリ領域に書き込む(以上、ステップS123)。
一方、図3の入出力テーブルでは出力の欄も複数の工程それぞれに示されているが、同一のデータを各工程にコピーしただけの場合は、効率値算出部131が、いずれか1つの工程のデータのみを出力として扱うように、予め設定しておく。例えば、効率値算出部131は、図3の入出力テーブルから読み出した出力のうち、設計工程の出力のみを出力として扱い、その各項目(ステップ数と画面数と・・・と機能数)に対応する6個の重み係数を生成し、各データおよび各重み係数を含む制約条件を生成するが、製造工程および試験工程の出力については、重み係数を生成せず、制約条件にも含めない。
θj=(v1x1j+v2x2j+・・・+vmxmj)/(u1y1j+u2y2j+・・・+usysj) ・・・ 式(2)
次に、効率値算出部131は、ステップS123で生成した制約条件の下で、ステップS125で生成した目的関数の値を最大にする線形計画問題を解き、処理対象のプロジェクトの効率値を算出する。すなわち、制約条件の下で目的関数を最大にする重み係数の値を算出し、当該重み係数の値における効率値θjを算出する。効率値算出部131は、例えば、単体法(シンプレックス法、Simplex Method)を用いて線形計画問題を解く(以上、ステップS126)。
そして、効率値算出部131は、算出した効率値を生産性評価記憶部122の効率値テーブルに書き込む(ステップS127)。
同図の処理において、はずれ値除去部132は、まず、生産性評価記憶部122の効率値テーブルに含まれる全プロジェクトを未選択に設定する。例えば、はずれ値除去部132は、生産性評価記憶部122の効率値テーブルから全プロジェクトのプロジェクトIDを読み出し、読み出したプロジェクトIDの各々と、選択済み又は未選択を示す選択状況フラグとを対応付けた選択状況テーブルを生成し、全プロジェクトの選択状況フラグを未選択に設定して、記憶部12のワーキングメモリ領域に書き込む(以上、ステップS141)。
そして、はずれ値除去部132は、生産性評価記憶部122の効率値テーブルから、プロジェクトPiを除く各プロジェクトの入出力を読み出し、読み出した入出力に基づいて、プロジェクトの効率値を算出するためのデータ包絡分析法における制約条件を生成する。
より詳細には、効率値テーブルに記憶されるプロジェクトの個数をtとして、j=1,2,・・・,i−1,i+1,・・・,tの各々についての、式(3)に示す不等式t−1個からなる制約条件を生成する。
(v1x1j+v2x2j+・・・+vmxmj)/(u1y1j+u2y2j+・・・+usysj)≦1 ・・・ 式(3)
ここで、上述のとおり、プロジェクトPjの入力をxijとし、出力をyrjとし、また、リソース項目ごとの非負の重み係数をviとし、成果物項目ごとの非負の重み係数をurとする(以上、ステップS144)。
θi=(v1x1i+v2x2i+・・・+vmxmi)/(u1y1i+u2y2i+・・・+usysi) ・・・ 式(4)
そして、はずれ値除去部132は、ステップS144で生成した制約条件の下で、ステップS145で生成した目的関数の値を最大にする線形計画問題を解き、プロジェクトPiの効率値を算出する(ステップS146)。
そして、はずれ値除去部132は、残りの各プロジェクトの効率値を算出して、生産性評価記憶部122の効率値テーブルに書き込む。より詳細には、はずれ値除去部132は、残りのプロジェクトの各々について、図7のステップS124〜S128のループと同様に、データ包絡分析法における目的関数として、処理対象のプロジェクトの効率値の関数を生成し、ステップS144で生成した制約条件の下で、目的関数の値を最大にする線形計画問題を解いて処理対象のプロジェクトの効率値を算出し、算出した効率値を生産性評価記憶部122の効率値テーブルに書き込む(以上ステップS149)。その後、ステップS141に戻る。
一方、ステップS147で、算出した効率値が予め定められた閾値以下であると判定した場合(ステップS147:NO)は、記憶部12のプロジェクト選択状況テーブル中の、プロジェクトPiのプロジェクト選択状況フラグの値として選択済みを書込み(ステップS161)、その後、ステップS142に戻る。
また、ステップS142において、効率値が1かつ選択状況フラグが未選択のプロジェクト無しと判定した場合(ステップS147:NO)は、同図の処理を終了する。
評価者用端末装置2から、プロジェクトPkのデータが送信されると、生産性評価装置1の送受信部11は、送信されるデータを追加プロジェクト処理部14に出力する。
追加プロジェクト処理部14は、送受信部11から出力されるプロジェクトPkのデータを、プロジェクト情報記憶部121のプロファイルテーブルと入出力テーブルとに書き込む(以上、ステップS201)。さらに、追加プロジェクト処理部14は、効率値テーブルにプロジェクトPkのデータを追加する(ステップS202)。
また、追加プロジェクト処理部14は、プロジェクトPkの入出力に基づいて、データ包絡分析法における目的関数として、プロジェクトPkの効率値θkの関数(式(5))を生成する(ステップS204)。
θk=(v1x1k+v2x2k+・・・+vmxmk)/(u1y1k+u2y2k+・・・+usysk) ・・・ 式(5)
そして、追加プロジェクト処理部14は、ステップS203で読み出した制約条件の下で、ステップS204で生成した目的関数の値を最大にする線形計画問題を解き、プロジェクトPkの効率値を算出する(ステップS205)。
追加プロジェクト処理部14は、算出した効率値を生産性評価記憶部122の効率値テーブルに書込み(ステップS206)、その後、同図の処理を終了する。
検索者用端末装置3から検索条件が送信されると、送受信部11は、送信された検索条件をプロジェクト検索部15に出力する。後述するように、検索条件としては、評価対象の新規プロジェクトの特性データに基づく条件、あるいは、比較したいツール名などを用いる(以上、ステップS301)。
プロジェクト検索部15は、送受信部11から出力された検索条件に合致するプロジェクトのデータを、生産性評価記憶部122の効率値テーブルから読み出し(ステップS302)、読み出したデータを効率値の大きいプロジェクトから順に並べて検索結果テーブルを生成し、検索結果記憶部123に書き込む。書き込みが完了すると、プロジェクト検索部15は、送受信部11に検索終了を示す信号を出力し、送受信部11は、検索結果記憶部123から検索結果テーブルのデータを読み出して検索者用端末装置3に送信する(以上、ステップS303)。その後、同図の処理を終了する。
検索者用端末装置3が、検索結果テーブルのデータを表示することにより、検索結果がユーザに提示される。
図11は、1入力2出力の場合のプロジェクトの効率値の例を示す図である。同図においては、プロジェクトPjの入力をxjで表し、出力1および出力2を、それぞれy1jおよびy2jで表す。
同図の各点は、プロジェクト毎に、出力1を入力で除した値y1j/xjを横軸にとり、出力2を入力で除した値y2j/xjを縦軸にとって得られる点を示す。
ここで、プロジェクトの各々が、データ包絡分析における意思決定主体(Decision Making Unit; DMU)に該当する。また、同図の各点のうち外側に位置する点a、b、cが効率的フロンティアに該当し、これらの点a、b、cを頂点とし、縦軸および横軸に直交する折れ線ENVが包絡線に該当する。
図12は、プロジェクト検索部15が選択するプロジェクトの例を示す図である。同図の各点は、図11の各点と同様である。
集合G1は、評価対象のプロジェクトに類似したプロジェクトに対応する点の集合である。例えば、検索者用端末装置3が、「開発種別=新規、業種=製造業、セキュリティレベル=中、・・・」など、評価対象の新規プロジェクトの特性に基づく検索条件の入力を受けて、生産性評価装置1に送信すると、送受信部11を介して検索条件を受信したプロジェクト検索部15が、生産性評価記憶部122の効率値テーブルを検索して、検索条件に合致するプロジェクト(例えば、評価対象のプロジェクトと同様の特性データを持つプロジェクト)として、集合G1に対応する各プロジェクトを選択する。
あるいは、プロジェクト検索部15が、効率値が所定の値(例えば、「0.7」)以上のプロジェクトのみを選択するようにしてもよい。この場合も、効率値の最も大きいプロジェクトのみを選択する場合と同様に、検索の負荷を低減し、また、通信量を低減できる。
例えば、検索者用端末装置3が、「利用ツール=ツールA」との検索条件の入力を受けて、生産性評価装置1に送信すると、送受信部11を介して検索条件を受信したプロジェクト検索部15が、生産性評価記憶部122の効率値テーブルを検索して、検索条件に合致するプロジェクトとして、集合G2に対応する各プロジェクトを選択する。同様に、検索者用端末装置3が、「利用ツール=ツールB」との検索条件の入力を受けると、プロジェクト検索部15が、集合G3に対応する各プロジェクトを選択する。
例えば、検索者用端末装置3が、「開発種別=新規、業種=製造業、セキュリティレベル=中、・・・」など、評価対象のプロジェクトに基づく検索条件と、「利用ツール=ツールA」や「利用ツール=ツールB」など、特定の特性を持つプロジェクトを比較する検索条件とを受け付ける。プロジェクト検索部15は、生産性評価記憶部122を検索して、「開発種別=新規、業種=製造業、セキュリティレベル=中、・・・」に合致し、かつツールAを利用するプロジェクトを選択する。図12の例の場合、プロジェクト検索部15は、集合G1と集合G2との両方に含まれる、点aと点bとに対応するプロジェクトを選択する。
また、プロジェクト検索部15は、「開発種別=新規、業種=製造業、セキュリティレベル=中、・・・」に合致し、かつツールBを利用するプロジェクトを選択する。図12の例の場合、プロジェクト検索部15は、集合G1と集合G3との両方に含まれる、点fと点gと点hとに対応するプロジェクトを選択する。
このように、単一の指標である効率値に基づいてプロジェクトの生産効率の評価できるので、あるツールを用いることによる生産効率向上の検討など、システム開発環境や部品等が生産効率に及ぼす影響を検討できる。この際、評価に用いるプロジェクトは必ずしも互いに類似する必要はない。これにより、評価に用いるプロジェクト数が比較的少ない場合にも、開発環境や部品についての評価・検討を行える。
これにより、例えば、各プロジェクトの効率値が小さい値(例えば0.3以下)に集中し、生産性評価装置1の検索結果として得られるプロジェクトが全て生産効率の低いプロジェクトであるかのような誤解や混乱をユーザに与えることを防止できる。
この場合、検索者用端末装置3が入出力のユーザ入力を受けて生産性評価装置1に送信すると、生産性評価装置1は、図9で説明した、新たに追加されたプロジェクトを処理する場合と同様に、効率値を算出する。より詳細には、効率値算出部131が、まず、記憶部12のワーキングメモリ領域に記憶された制約条件を読み出す。この制約条件は、効率値テーブル生成部13が処理したプロジェクトに関する不等式のみを含み、評価対象のプロジェクトに関する不等式を含まない制約条件である。
効率値算出部131は、検索者用端末装置3から送信される入出力に基づいて、評価対象のプロジェクトの効率値の関数を生成する。そして、効率値算出部131は、読み出した制約条件の下で、生成した目的関数の値を最大にする線形計画問題を解き、評価対象のプロジェクトの効率値を算出する。
一方、評価値が小さい場合は、生産効率の低いプロジェクトであると評価でき、プロジェクトに利用するツールの見直しなど、プロジェクトおよび工程見積りを見直して生産効率を改善する余地があると考えられる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
2 評価者用端末装置
3 検索者用端末装置
11 送受信部
12 記憶部
13 効率値テーブル生成部
14 追加プロジェクト処理部
15 プロジェクト検索部
121 プロジェクト情報記憶部
122 生産性評価記憶部
123 検索結果記憶部
131 効率値算出部
132 はずれ値除去部
500 生産性評価システム
Claims (8)
- プロジェクトで生成される成果物の出力物の規模を示す値または当該成果物の機能の規模を示す値の少なくともいずれか1つを含む成果物項目の値と、前記プロジェクトに投入されたリソース項目の値とをプロジェクト毎に対応付けて記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記成果物項目の値と前記リソース項目の値とに基づいて、前記プロジェクトの生産効率を示す値として、データ包絡分析法による効率値をプロジェクト毎に算出する生産性評価値算出部と、
を具備することを特徴とする、プロジェクト生産性評価装置。 - 前記成果物項目の値として、画面数、帳票数、バッチジョブ数、テーブル数、機能数の少なくともいずれか1つを用いる
ことを特徴とする、請求項1に記載のプロジェクト生産性評価装置。 - 前記記憶部は、プロジェクトで使用するツールの情報をプロジェクト毎に対応付けて記憶し、
前記プロジェクト生産性評価装置は、
入力された検索条件に、前記ツールの情報が適合するプロジェクトを検索するプロジェクト検索部と、
前記プロジェクト検索部が検索したプロジェクトの効率値を検索用端末に送信する送信部と、
を具備することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のプロジェクト生産性評価装置。 - 前記記憶部は、前記プロジェクトの成果物が満たすべき条件をプロジェクト毎に対応付けて記憶し、
前記プロジェクト生産性評価装置は、
入力された検索条件に、前記プロジェクトの成果物が満たすべき条件が適合するプロジェクトを検索するプロジェクト検索部と、
前記プロジェクト検索部が検索したプロジェクトの効率値を検索用端末に送信する送信部と、
を具備することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のプロジェクト生産性評価装置。 - プロジェクトで生成される成果物の出力物の規模を示す値または当該成果物の機能の規模を示す値の少なくともいずれか1つを含む成果物項目の値と、前記プロジェクトに投入されたリソース項目の値とをプロジェクト毎に対応付けて記憶する記憶部を具備し、プロジェクトの生産効率を示す効率値を算出するプロジェクト生産性評価装置に用いられるプロジェクト生産性評価方法であって、
生産性評価値算出部が、前記記憶部に記憶された前記成果物項目の値と前記リソース項目の値とに基づいて、前記プロジェクトの生産効率を示す値として、データ包絡分析法による効率値をプロジェクト毎に算出する生産性評価値算出ステップを実行することを特徴とする、プロジェクト生産性評価方法。 - 前記記憶部は、プロジェクトで使用するツールの情報をプロジェクト毎に対応付けて記憶し、
プロジェクト検索部が、入力された検索条件に、前記ツールの情報が適合するプロジェクトを検索するプロジェクト検索ステップと、
送信部が、前記プロジェクト検索部が検索したプロジェクトの効率値を検索用端末に送信する送信ステップと、
を具備することを特徴とする、請求項5に記載のプロジェクト生産性評価方法。 - プロジェクトで生成される成果物の出力物の規模を示す値または当該成果物の機能の規模を示す値の少なくともいずれか1つを含む成果物項目の値と、前記プロジェクトに投入されたリソース項目の値とをプロジェクト毎に対応付けて記憶する記憶部を具備するプロジェクト生産性評価装置としてのコンピュータに、前記記憶部に記憶された前記成果物項目の値と前記リソース項目の値とに基づいて、前記プロジェクトの生産効率を示す値として、データ包絡分析法による効率値をプロジェクト毎に算出する生産性評価値算出ステップを実行させるためのプログラム。
- 前記記憶部が、プロジェクトで使用するツールの情報をプロジェクト毎に対応付けて記憶する前記コンピュータに、
プロジェクト検索部が、入力された検索条件に、前記ツールの情報が適合するプロジェクトを検索するプロジェクト検索ステップと、
送信部が、前記プロジェクト検索部が検索したプロジェクトの効率値を検索用端末に送信する送信ステップと、
を実行させるための、請求項7に記載のプログラム。
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