JP5460412B2 - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体レーザ素子およびその製造方法に関し、特に、垂直共振器型の面発光型半導体レーザ(VCSEL: Vertical Cavity Surface Emitting LASER)素子およびその製造方法に関する。
従来の面発光型半導体レーザ素子として、DBR(Distributed Bragg Reflector)ミラーである上部および下部多層膜反射鏡の間に活性層を含む複数の半導体層を積層した垂直共振器型の面発光型半導体レーザ素子が開示されている(特許文献1参照)。また、この米国特許に開示される面発光型半導体レーザ素子は、メサポスト構造を有するとともに、電流経路を制限して電流注入効率を上げるための電流狭窄層を備えている。この電流狭窄層は、外周に位置する電流狭窄部と、電流狭窄部の中心に位置する電流注入部とを有するものである。この電流注入部は、面発光型半導体レーザ素子に電流を注入した際の電流経路になる。
さらに、上記米国特許に開示される面発光型半導体レーザ素子は、p側円環電極からの電流注入を効率よく行なうために、複数の半導体層の最上層の所定位置に、p型ドーパント濃度を高めたp型高濃度半導体からなる低抵抗のコンタクト層を備えている。p側円環電極から注入された電流は、コンタクト層を電流経路として、電流狭窄層を経由して効率よく活性層まで注入される。その結果、面発光型半導体レーザ素子の発振しきい値電流は低減される。
米国特許第5245622号公報
面発光型半導体レーザ素子においては、光吸収をより少なくして、さらに高効率なものとすることが求められている。
本発明は、光吸収が少なく、高効率な半導体レーザ素子およびその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明によれば、
p側電極と、n側電極と、第1の反射鏡と、第2の反射鏡と、
前記第1の反射鏡および前記第2の反射鏡との間に設けられた共振器であって、活性層と、前記第p側電極と前記n側電極間に流れる電流の経路を制限する電流経路制限層であって、電流が流れる第1の領域と、電流の流れを制限する第2の領域と、を有する前記電流経路制限層と、を備える前記共振器と、
p側電極と前記電流経路制限層との間のp側半導体領域と、
前記p側半導体領域に設けられた少なくとも一つの高濃度ドーピング層と、を備え、
前記p側電極は、前記電流経路制限層の前記第2の領域の少なくとも一部と対向して設けられており、
前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層には、1×1019cm−3以上の炭素原子がドーピングされ、
前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層は、前記電流経路制限層の前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ対向する第1の領域および第2の領域を有し、
前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第1の領域の少なくとも一部の領域が、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の第2の領域の少なくとも一部の領域よりも高い水素原子濃度の領域である面発光型半導体レーザ素子が提供される。
好ましくは、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層には、1×1020cm−3以上の炭素原子がドーピングされている。
また、好ましくは、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第1の領域の前記少なくとも一部の領域では、水素原子の濃度と炭素原子の濃度の比が、0.10以上である。
また、好ましくは、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第1の領域の前記少なくとも一部の領域は、前記少なくとも一部の領域の中心部から前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第2の領域側の周辺部に向かうに従って水素原子濃度が減少するドーピング濃度分布を有し、前記中心部において、水素原子の濃度と炭素原子の濃度の比が、0.10以上である。
また、好ましくは、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の半導体は、炭素原子をドーピングすることによってp型の導電性となる半導体から構成されている。
また、好ましくは、半導体レーザ素子は、基板と、前記基板上に形成された凸部と、をさらに備え、前記凸部は、少なくとも、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層と、前記電流経路制限層と、を備え、前記電流経路制限層の前記第1の領域はAl含有化合物半導体からなり、前記電流経路制限層の前記第2の領域は前記Al含有化合物半導体を酸化した酸化絶縁物からなる。
また、好ましくは、前記電流経路制限層の前記第2の領域は前記電流経路制限層の前記第1の領域の周囲に設けられている。
また、好ましくは、前記第1の反射鏡、前記p側電極、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層、前記電流経路制限層、前記活性層および前記第2の反射鏡はこの順に設けられ、
前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第2の領域は、前記p側電極と接触して設けられている。
また、好ましくは、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層には、2層以上の高濃度ドーピング層が含まれ、
前記第1の反射鏡、前記p側電極、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層、前記電流経路制限層、前記活性層および前記第2の反射鏡はこの順に設けられ、
前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の一つの前記第2の領域は、前記p側電極と接触して設けられ、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記一つと、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の他の一つとの間には、5×1018cm−3以下のp型不純物濃度の層が設けられている。
また、好ましくは、前記p側電極、前記第1の反射鏡、前記電流経路制限層、前記活性層および前記第2の反射鏡はこの順に設けられ、
前記第1の反射鏡は、半導体DBRミラーであって、第1の半導体層、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層、第2の半導体層を有し、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層は、互いに組成およびバンドギャップが異なる第1半導体および第2の半導体からなり、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層は、前記第1の半導体の組成から前記第2の半導体の組成の間の組成を有し、前記第1の半導体から前記第2の半導体に向かうにつれて組成が連続的または階段的に変化する組成傾斜層である。
また、好ましくは、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第1の領域の前記水素原子濃度の高い領域を、前記半導体レーザ素子から射出するレーザ光が特定の偏波状態のものとなる所定の形状に設ける。
また、本発明によれば、上記各半導体レーザ素子を複数備えるレーザアレイが提供される。
また、本発明によれば、上記各半導体レーザ素子を備える光学機器が提供される。
また、本発明によれば、上記各半導体レーザ素子を備える通信システムが提供される。
また、本発明によれば、1×1019cm−3以上の炭素原子がドーピングされたp型の半導体層であって、前記半導体層の一部の領域であって光の通過領域である前記一部の領域が、前記一部の領域以外の領域よりも高い水素原子濃度の領域であり、前記一部の領域では高濃度ドーパントが水素原子で失活されている光学素子が提供される。
好ましくは、前記半導体層の前記一部の領域では、水素原子の濃度と炭素原子の濃度の比が、0.1以上である。
また、本発明によれば、
1×1019cm−3以上の炭素原子がドーピングされた第1の半導体層の一部と、前記第1の半導体層に隣接し、5×1018cm−3以下の炭素原子がドーピングされた第2の半導体層の一部とに、水素原子を導入する工程と、
その後、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層を500℃以上700℃以下の温度でアニールして、前記第1の半導体層の前記一部の水素原子濃度を前記第2の半導体層の前記の一部の水素原子濃度よりも高くする工程と、を備える半導体レーザ素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、光吸収が少なく、高効率な半導体レーザ素子およびその製造方法が提供される。
炭素原子ドーピング濃度と、残留水素原子濃度との関係を説明するための図である。 水素原子注入した状態を説明するための概略縦断面図である。 水素原子注入後にアニールした状態を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい実施の形態の原理を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第1の実施の形態を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体レーザの特性を説明するための図である。 本発明の好ましい第2の実施の形態を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第3の実施の形態を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第4の実施の形態を説明するための概略平面図である。 本発明の好ましい第4の実施の形態を説明するための概略縦断面図であり、図9のX1−X1線概略縦断面図である。 本発明の好ましい第5の実施の形態を説明するための概略縦断面図である。 図11のA部の部分拡大概略縦断面図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を複数用いた面発光レーザアレイを説明するための概略斜視図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を複数用いた面発光レーザアレイチップを説明するための概略平面図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を用いた面発光レーザパッケージを説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を用いた光ディスク用ピックアップを説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を用いた光送受信モジュールを説明するための概略平面図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子と光導波路との光結合構造、または本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を複数用いた面発光レーザアレイと光導波路との光結合構造を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子と光導波路との光結合構造、または本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を複数用いた面発光レーザアレイと光導波路との光結合構造を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子と光導波路との光結合構造、または本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を複数用いた面発光レーザアレイと光導波路との光結合構造を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を用いた通信システム、または本発明の好ましい第1〜第5の実施の形態の面発光型半導体レーザ素子を複数用いた面発光レーザアレイを用いた通信システムを説明するための概略構成図である。
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子構造および製造方法を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
半導体レーザ素子を製造する際に、p型GaAsに水素原子を注入して、水素原子注入領域を高抵抗化し、高抵抗化した部分を電流狭窄領域として使用する方法がある(米国特許第5031187号明細書参照)。本発明者達はこの水素原子注入方法を鋭意研究した結果、次の知見を得た。
従来の水素原子注入領域を利用して電流狭窄領域を作成する方法では、水素原子注入後、400℃程度の温度でアニールしていた。これは、それ以上の高温でアニールすると、水素原子が離脱してしまうからと考えられていたからである。
しかしながら、本発明者達は、高濃度炭素(C)原子ドーピング層と低濃度炭素(C)原子ドーピング層に水素原子を導入し、500℃以上700℃以下の温度でアニールすると、低濃度炭素原子ドーピング層および高濃度炭素原子ドーピング層の両方で結晶性は回復し、低濃度炭素原子ドーピング層では水素原子は離脱するが、高濃度炭素原子ドーピング層では水素原子が残存し、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔を不活性化(パッシベーション)し、それによって、炭素原子を高濃度にドーピングすることによって増大した光吸収を減少させることができることを見出した。
このように、高濃度炭素原子ドーピング層に選択的に水素原子を導入し、500℃以上700℃以下の温度でアニールすることによって、高濃度炭素原子ドーピング層に選択的に水素原子を導入した部分のみの光吸収を減少させ、その部分のみの光の透過率を上げることができる。なお、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔を不活性化することになるので、その分電気抵抗は大きくなる。一方、水素原子が導入されていない高濃度炭素原子ドーピング層は、炭素原子をドーピングしたことによって、そのドーピング濃度に応じた本来の濃度の正孔を生じさせるため、電気抵抗を小さくすることができる。もっとも、生じる正孔の濃度が高いので、光吸収は大きくなる。また、低濃度炭素原子ドーピング層では500℃以上700℃以下の温度のアニールで水素原子は離脱するので、低濃度に炭素原子をドーピングした状態と同程度の状態となる。アニールする時間は、ドーパントの活性層への拡散による特性劣化、量子井戸活性層の混晶化による発光波長の短波長化等を防止を考慮しながら、1分から120分の間で適宜選択される。
次に、図1を参照して、このことをさらに詳細に説明する。図1は、炭素原子ドーピング濃度と、残留水素原子濃度との関係を説明するための図である。
GaAs基板上に、炭素原子濃度が順次高くなるようにGaAs層を複数層積層して試験用試料を作成した。最下層の最も炭素原子濃度が低いGaAs層の炭素原子濃度を約1×1018cm−3とし、最も炭素原子濃度の高いGaAs層の炭素原子濃度は約2×1020cm−3とした。水素原子濃度は、全てのGaAs層において、約1.5×1020cm−3とした。次に、このようにして作成した試料を、550℃の温度で60分間アニールした。その後、この試料を二次イオン分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)により分析し、炭素原子濃度と水素原子濃度を求めた。図中、炭素原子濃度はC(SIMS)と表記し、水素原子濃度はH(SIMS)と表記している。また、ECV(Electrochemical capacitance-voltage)法により、キャリア濃度を測定した。図中、キャリア濃度はCarrier Concと表記している。さらに、ドーピングした炭素原子のうち活性化された炭素原子の割合を示す活性化率も(ECVで測定したp型キャリア濃度)/(SIMSで求めた炭素原子濃度)によって求めた。図中、活性化率はactivationと表記している。
この図によれば、アニール後においては、炭素原子濃度が1×1019cm−3を境にして、それ以上の炭素原子濃度のGaAs層では、水素原子が有意の濃度で残存しており、10%以上のキャリアが失活していることがわかる。さらに、炭素原子濃度が1×1020cm−3以上の場合には、十分な量の水素原子(4x1019cm−3以上)が残存しており、50%以上のキャリアが失活していることがわかる。炭素原子濃度の好ましい上限は、4x1020cm−3である。これ以上ドーピングすると、p型として振舞う炭素原子が減少していく、あるいは結晶性に問題が生じるからである。炭素原子濃度5x1018cm−3以下であれば、活性化率95%以上となり、水素原子は抵抗上昇に寄与しない。この部分は、定在波の腹に近い部分なので、光吸収という観点で、キャリア濃度を抑制する必要が有る.従って、炭素原子濃度1x1018cm−3以下が望ましい。炭素原子濃度は1x1017cm−3が下限である。これ以下だと抵抗が急激に増加する。
また、この実験から、炭素原子濃度が1×1019cm−3の場合には、水素原子と炭素原子の濃度の比が0.10であり、炭素原子濃度が1×1020cm−3の場合には、水素原子と炭素原子の濃度の比が0.40であった。さらには、炭素原子濃度が5×1018cm−3の場合には、水素原子と炭素原子の濃度の比が0.05であり、炭素原子濃度が1×1018cm−3の場合には、水素原子と炭素原子の濃度の比が0.03であった。なお、水素原子と炭素原子の濃度の比の好ましい上限は0.50である。
アニール温度は500℃以上700℃以下であることが好ましい。500℃より低いと、5×1018以下の低濃度炭素原子ドーピング層においても水素原子が多く残留してしまい、所望の水素原子プロファイルが得られず、電流がうまく流れなくなる。700℃より高いとエピタキシャル成長した層全体の結晶性の劣化を招いてしまう。
なお、上記の結果は、GaAsについて効果がもっとも顕著であるが、GaAsに限られず、GaAs以外にも、AlGaAs、InGaAs、AlGaInAs等の炭素原子をドーピングすることによってp型の導電性となる半導体材料にも当てはまる。
また、上記の結果は、高濃度の炭素原子ドーピングp型半導体層を有する面発光型半導体レーザ素子に適用するのがもっとも好ましいが、面発光型のレーザ素子のみならず、高濃度の炭素原子ドーピングp型半導体層を有する他の光学素子、例えば、端面発光型半導体レーザあるいはLED等にも好適に適用できる。
次に、図2、図3を参照して、半導体レーザ素子を構成する半導体層への水素原子注入後の状態と、水素原子注入後にアニールした状態とを説明する。図2は、水素原子注入した状態を説明するための概略縦断面図であり、図3は、水素原子注入後にアニールした状態を説明するための概略縦断面図である。
図2に示すように、n型コンタクト層104上に形成された活性層105、p型クラッド層106、p型高濃度半導体層120およびp型クラッド層109を備える基板101に、ホトレジスト等をマスク138としてp型クラッド層109側からイオン注入法により水素原子を選択的に約1×1020〜1×1021cm−3の濃度になるように注入する。p型クラッド層106およびp型クラッド層109は、例えば、炭素原子が1×1018cm−3の濃度でドーピングされたGaAsであり、p型高濃度半導体層120は、例えば、炭素原子が1×1020cm−3の濃度でドーピングされたGaAsである。
その後、500℃〜700℃の温度でアニールした結果を図3に示した。500℃〜700℃の温度でアニールするので、活性層105、p型クラッド層106、p型高濃度半導体層120およびp型クラッド層109の結晶性はほぼ完全に回復しており、イオン注入によるダメージはほぼ完全に除去されている。また、p型高濃度半導体層120の水素原子が選択的に注入された領域121にのみ水素原子が炭素原子濃度に対して数十%程度の割合で残留している。この水素原子残留領域121では、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔が不活性化(パッシベーション)されるので、この水素原子残留領域121ではドーパントに起因する光吸収が減少する。なお、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔を不活性化することになるので、その分電気抵抗は大きくなる。また、水素原子残留領域121以外のp型高濃度半導体層120では、高濃度に炭素原子がドーピングされており、不活性化されていないので、電気抵抗は小さく、光吸収は大きい。低炭素原子ドーピング濃度のp型クラッド層106およびp型クラッド層109の水素原子注入領域近傍では、水素原子は離脱し、拡散されるので有意な水素原子は残存していない。
なお本実施例では、この水素原子残留領域121は、この水素原子残留領域121の中心部から周辺部に向かうに従って水素原子濃度が減少するドーピング濃度分布を有している。このような濃度プロファイルは、マスクを使用して水素原子残留領域121のみに選択的に水素原子をイオン注入することによって導入すると形成される。いま、p型高濃度半導体層120には炭素原子が1×1020cm−3の濃度でドーピングされているので、水素原子残留領域121には、水素原子が炭素原子濃度に対して数十%程度の割合で残留している。このときの水素原子の濃度プロファイルは、水素原子残留領域121の中心部において、炭素原子濃度に対して数十%程度の割合であり、外周部に向かうに従って水素原子濃度が減少している。また、p型高濃度半導体層120に炭素原子が1×1019cm−3の濃度でドーピングされているとすると、水素原子残留領域121には、水素原子が炭素原子濃度に対して10%程度の割合で残留することになり、このときの水素原子の濃度プロファイルは、水素原子残留領域121の中心部において、炭素原子濃度に対して10%程度の割合であり、外周部に向かうに従って水素原子濃度が減少している。
次に、図4を参照して、本発明の好ましい実施の形態の半導体レーザ素子の原理を説明する。図4に示すように、n型コンタクト層104上に形成された活性層105、p型クラッド層106、中央の電流注入部107bとその周囲の電流狭窄部107aとを有する電流狭窄層107、p型クラッド層108、p型高濃度半導体層120およびp型クラッド層109、p側円環電極113を備える基板101に、ホトレジスト等をマスク(図示せず)としてp型クラッド層109側からイオン注入法により水素原子を選択的に約1×1020〜1×1021cm−3の濃度になるように注入する。p型クラッド層106、p型クラッド層108およびp型クラッド層109は、例えば、炭素原子が1×1018cm−3の濃度でドーピングされたGaAsであり、電流注入部107bは、例えば、炭素原子が1x1018cm−3の濃度でドーピングされたAlAsであり、p型高濃度半導体層120は、例えば、炭素原子が1×1020cm−3の濃度でドーピングされたGaAsである。
その後、500℃〜700℃の温度でアニールする。500℃〜700℃の温度でアニールするので、活性層105、p型クラッド層106、電流注入部107b、p型クラッド層108、p型高濃度半導体層120およびp型クラッド層109の結晶性はほぼ完全に回復しており、イオン注入によるダメージはほぼ完全に除去されている。また、p型高濃度半導体層120の水素原子が選択的に注入された領域121にのみ水素原子が炭素原子濃度に対して数十%程度の割合で残留している。この水素原子残留領域121では、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔が不活性化(パッシベーション)されるので、この水素原子残留領域121では、その分、p型高濃度半導体層120の不活性化されていない領域に比べて光吸収が減少する。なお、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔を不活性化することになるので、その分、p型高濃度半導体層120の不活性化されていない領域に比べて電気抵抗は大きくなる。低炭素原子ドーピング濃度のp型クラッド層106、p型クラッド層108、p型クラッド層109および電流注入部107bでは、水素原子は離脱し、拡散されるので有意な水素原子は残存していない。
この場合には、p型高濃度半導体層120の水素原子残留領域121は、電流注入部107bの直上に形成されているので、レーザ光133の通路となるが、上述したように、光吸収は少ないので、不活性化されていない場合に比べて、発光のロスが低減される。p型高濃度半導体層120の水素原子残留領域121以外の領域は、炭素原子が高濃度にドーピングされているので、電気抵抗は小さく、p側円環電極113からの有効な電流経路となる。電流は、電流狭窄層107の中央の電流注入部107bに流入するが、その場合に、p型高濃度半導体層120の水素原子残留領域121そのものを流れることは殆どなく、水素原子残留領域121の周囲のp型高濃度半導体層120から電流注入部107bに向かって大部分が流れることになる。従って、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔を不活性化することになって、その分水素原子残留領域121の電気抵抗は大きくなっても、半導体レーザ素子の素子抵抗には殆ど影響しない。
このように、p型高濃度半導体層120に水素原子残留領域121を形成することによって、電極間の電気抵抗を上昇させないで、光吸収を低減させることができる。その結果、半導体レーザ素子の発光効率を上昇することができるので、低消費電力化できる。また、効率が良いので、バイアス電流を下げられ、信頼性も高くすることができる。
(第1の実施の形態)
次に、図5を参照して、本発明の好ましい第1の実施の形態の半導体レーザ素子100を説明する。
図5は、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子100の模式的な断面図である。本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ素子は、レーザ発振波長が1100nm帯である。図1に示すように、この面発光型半導体レーザ素子100は、基板101と、基板101上に形成された下部半導体多層膜反射鏡である下部DBRミラー102と、バッファ層103と、n型コンタクト層104と、多重量子井戸構造を有する活性層105と、p型クラッド層106と、外周に位置する電流狭窄部107aと電流狭窄部107aの中心に位置する円形の電流注入部107bとを有する電流狭窄層107と、p型クラッド層108と、中央に円形の水素原子残留領域121を有するp型高濃度半導体層120と、p型クラッド層109と、中央に円形の水素原子残留領域112を有するp型コンタクト層111とが順次積層した構造を有する。水素原子残留領域121および水素原子残留領域112は電流注入部107bの直上に設けられている。本実施の形態においては、出射される光のモードに影響を与えないように、水素原子残留領域112および121の直径は、その水素原子濃度が炭素原子濃度の10%程度となる周縁部が後述する電流注入部の直径の10%程度大きくなるように設定されている。水素原子残留領域121、水素原子残留領域112および電流注入部107bの中心は平面視で一致している。活性層105からp型コンタクト層111までが円柱状のメサポスト130を構成している。
基板101は、アンドープのGaAsからなる。また、下部DBRミラー102は、GaAs/Al0.9Ga0.1As層の40ペアからなる。バッファ層103は、アンドープのGaAsからなる。また、n型コンタクト層104は、n型GaAsからなる。また、活性層105は、層数が3のInGaAs井戸層と層数が4のGaAs障壁層が交互に積層した構造を有しており、最下層のGaAs障壁層はn型クラッド層としても機能する。また、電流狭窄層107については、電流狭窄部107aはAlからなり、電流注入部107bは、直径が6〜7μmであり、炭素原子が1×1018cm−3の濃度でドーピングされたAlAsからなる。電流狭窄部107aによって、p側円環電極113とn側電極117との間に流れる電流の経路を制限して、電流注入部107bに電流の流れを集中させており、電流狭窄層107は、電流経路制限層として機能している。
p型クラッド層106と、p型クラッド層108およびp型クラッド層109は、炭素原子が1×1018cm−3の濃度でドーピングされたGaAsである。p型クラッド層106と、p型クラッド層108およびp型クラッド層109に存在する水素原子の濃度は3x1016cm−3程度である。
p型高濃度半導体層120は、炭素原子が1×1020cm−3の濃度でドーピングされたGaAsである。p型高濃度半導体層120の中央の水素原子残留領域121には水素原子が高濃度で存在している。水素原子残留領域121の水素原子の濃度プロファイルは、水素原子残留領域121の中心部において、炭素原子濃度に対して数十%程度の割合であり、外周部に向かうに従って水素原子濃度が減少している。水素原子濃度が炭素原子濃度に対して40%の割合となる箇所の直径は5μm程度である。水素原子残留領域121以外のp型高濃度半導体層120の水素原子濃度は約1×1016〜1×1017cm−3である。この水素原子濃度はアニール条件によって異なり、550℃でのアニールであれば、約4×1016cm−3である。
p型コンタクト層111は、炭素原子が1×1020cm−3の濃度でドーピングされたGaAsである。p型コンタクト層111の中央の水素原子残留領域112には水素原子が高濃度で存在している。水素原子残留領域112の水素原子の濃度プロファイルは、水素原子残留領域112の中心部において、炭素原子濃度に対して数十%程度の割合であり、外周部に向かうに従って水素原子濃度が減少している。水素原子濃度が炭素原子濃度に対して10%の割合となる箇所の直径は約6〜10μmである。水素原子残留領域112以外のp型コンタクト層111の水素原子濃度は約1×1016〜1×1019cm−3である。
n型コンタクト層104のドナー濃度(ドーパント濃度)はたとえば1×1018cm−3程度であり、バッファ層103のドナー濃度はたとえば1×1018cm−3程度である。なお、GaAsからなる各半導体層の屈折率は約3.45である。
p型コンタクト層111上には、リング状(環状)のp側円環電極113が設けられている。p側円環電極113の外径は、たとえば30μmであり、その開口部113aの内径は、たとえば11μm程度である。p側円環電極113は、例えば、下層のTi層と上層のPt層からなっている。p型コンタクト層111は、p側円環電極113とオーミックコンタクトをとると共に、電流経路としても機能する。
p側円環電極113の開口部113a内には、窒化珪素(SiN)からなる円板状の位相調整層114が形成され、この位相調整層114の上面からバッファ層103の底面までの部分が共振器110を構成している。位相調整層114は、共振器110の光学長を調整するために追加された層であり、また、p型の高濃度層などの光吸収の大きい層は、その層による光の吸収が最小限となるように、共振器内に形成される定在波の節の位置近傍に配置されている。
共振器110の上には、誘電体からなる上部多層膜反射鏡である上部DBRミラー116が形成されている。上部DBRミラー116は、たとえばSi/窒化珪素の4ペアからなる。
また、n型コンタクト層104は、メサポスト130の下部から半径方向にメサポスト130の外側まで延びており、その表面にたとえばAuGeNi/Auからなる半円環状のn側電極117が形成されている。n側電極117は、たとえば外径が80μm、内径が40μmである。
また、n側電極117に対して、Auからなるn側引き出し電極(図示せず)が形成されている。一方、p側円環電極113に対しても、Auからなるp側引き出し電極(図示せず)が形成されている。そして、n側電極117およびp側円環電極113は、それぞれn側引き出し電極(図示せず)およびp側引き出し電極(図示せず)によって、外部に設けた電流供給回路(図示せず)に電気的に接続されている。
つぎに、面発光型半導体レーザ素子100の製造方法について説明する。
はじめに、エピタキシャル成長法によって、基板101上に下部DBRミラー102、バッファ層103、n型コンタクト層104、活性層105、p型クラッド層106、AlAsからなる被酸化層、p型クラッド層108、p型高濃度半導体層120と、p型クラッド層109と、p型コンタクト層111を順次積層する.さらにプラズマCVD(化学気相成長:Chemical Vapor Deposition)法および適当なマスクを用いて、SiNからなる円板状の位相調整層114をp型コンタクト層111上に選択的に形成する。位相調整層114の厚さは所望の共振器長に応じて適宜設計され、例えば、光学厚さλ/4程度に設定される。
つぎに、リフトオフ法を用いて、位相調整層114の周囲のp型コンタクト層111上に、Pt/Ti層からなるp側円環電極113を形成する。
つぎに、p側円環電極とその内側を覆うマスクを作成し,これを介してn型コンタクト層104に到る深さまで半導体層をエッチングして円柱状のメサポスト130を形成し、さらに別のマスクを形成し、バッファ層103に到る深さまでn型コンタクト層104をエッチングする。
つぎに、水蒸気雰囲気中において熱酸化処理を行って、電流狭窄層107に相当する層をメサポスト130の外周側から酸化処理する事により、外周側を選択的に酸化され、電流狭窄部107aが形成される。上記選択酸化は電流狭窄層107に相当する層の外周側からほぼ均一に進行するので、中心にはAlAsからなる電流注入部107bが形成される。ここでは、熱処理時間等を調整して、電流注入部107bの直径が5〜7μm程度になるようにする。
つぎに、メサポスト130上に選択的に形成されたホトレジスト等をマスク(図示せず)としてp型コンタクト層111側からイオン注入法により水素原子を選択的に約1×1020〜1×1021cm−3の濃度になるように注入する。
その後、500℃〜700℃の温度でアニールする。500℃〜700℃の温度でアニールするので、活性層105、p型クラッド層106、電流注入部107b、p型クラッド層108、p型高濃度半導体層120、p型クラッド層109およびp型コンタクト層111の結晶性はほぼ完全に回復しており、イオン注入によるダメージはほぼ完全に除去されている。また、p型高濃度半導体層120の水素原子が選択的に注入された領域121にのみ水素原子が炭素原子濃度に対して数十%程度の割合で残留している。この水素原子残留領域112、121では、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔が不活性化(パッシベーション)されるので、この水素原子残留領域112、121では、その分、p型コンタクト層111およびp型高濃度半導体層120の不活性化されていない領域に比べて光吸収が減少する。なお、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔を不活性化することになるので、その分、p型コンタクト層111およびp型高濃度半導体層120の不活性化されていない領域に比べて電気抵抗は大きくなる。低炭素原子ドーピング濃度のp型クラッド層106、p型クラッド層108、p型クラッド層109および電流注入部107bでは、水素原子は離脱し、拡散されるので有意な水素原子は残存していない。
つぎに、メサポスト130の外周側のn型コンタクト層104の表面に、半円環状のn側電極117を形成する。
つぎに、プラズマCVD法を用いて上部DBRミラー116を形成した後に、基板101の裏面を研磨し、基板101の厚さをたとえば150μmに調整する。その後、素子分離を行い、図1に示す面発光型半導体レーザ素子100が完成する。
この面発光型半導体レーザ素子100は、外部に設けた電流供給回路(図示せず)からそれぞれn側引き出し電極(図示せず)およびp側引き出し電極(図示せず)を介してn側電極117およびp側円環電極113間に電圧を印加し、電流を注入すると、電流は主に低抵抗のp型高濃度半導体層120およびp型コンタクト層111を流れ、さらに電流経路が電流狭窄層107によって電流注入部107b内に狭窄されて、高い電流密度で活性層105に供給される。その結果、活性層105はキャリア注入されて自然放出光を発光する。自然放出光のうち、レーザ発振波長である波長λの光は、下部DBRミラー102と上部DBRミラー116との間の共振器110で定在波を形成し、活性層105によって増幅される。そして、注入電流がしきい値以上になると、定在波を形成する光がレーザ発振し、p側円環電極113の開口部113aから1100nm帯のレーザ光が出力する。
p型高濃度半導体層120の水素原子残留領域121およびp型コンタクト層111の水素原子残留領域112は、電流注入部107bの直上に形成されているので、レーザ光133の通路となるが、上述したように、光吸収は少ない。p型高濃度半導体層120の水素原子残留領域121以外の領域およびp型コンタクト層111の水素原子残留領域112以外の領域は、炭素原子が高濃度にドーピングされているので、電気抵抗は小さく、p側円環電極113からの電流経路となる。電流は、電流狭窄層107の中央の電流注入部107bに流入するが、その場合に、p型高濃度半導体層120の水素原子残留領域121やp型コンタクト層111の水素原子残留領域112そのものを流れることは殆どなく、水素原子残留領域121の周囲のp型高濃度半導体層120や水素原子残留領域112の周囲のp型コンタクト層111から電流注入部107bに向かって大部分が流れることになる。従って、炭素原子をドーピングすることによって生じた正孔を不活性化することになって、その分水素原子残留領域121や水素原子残留領域112の電気抵抗は大きくなっても、半導体レーザ素子の素子抵抗特性にはほとんど影響しない。
このように、p型高濃度半導体層120に水素原子残留領域121を形成し、p型コンタクト層111の水素原子残留領域112を形成することによって、電極間の電気抵抗を上昇させないで、光吸収を低減させることができる。その結果、半導体レーザ素子の発光効率を上昇することができるので、低消費電力化でき、効率が良いので、バイアス電流を下げられ、信頼性も高くできる。
本発明の実施例として、上記の製造方法によって、図5に示す構造を有する面発光レーザ素子100を製造した。また、比較例として、上記の面発光レーザ素子100とほぼ同様であるが、p型高濃度半導体層120には水素原子残留領域121を形成せず、p型コンタクト層111には水素原子残留領域112を形成しない構造の面発光型半導体レーザ素子を製造した。
これらの面発光型半導体レーザ素子の特性は、図6に示すように、比較例:Ith(閾値)=0.5mA,Se(スロープ効率)=0.3W/A、本発明の実施例:Ith(閾値)=0.43mA,Se(スロープ効率)=0.6W/A)であった。図6によれば、本実施の形態の面発光レーザ素子100は、閾値が減少し(比較例の0.85倍)、効率が上昇(スロープ効率が比較例の2倍)していることがわかる。
(第2の実施の形態)
次に、図7を参照して、本発明の好ましい第2の実施の形態の半導体レーザ素子100を説明する。上述の第1の実施の形態では、中央に水素原子残留領域112を有するp型コンタクト層111を設けていたが、本実施の形態では、p型コンタクト層111を設けていない点が第1の実施の形態と異なるが、他の点は同様であり、製造方法も同様である。
(第3の実施の形態)
次に、図8を参照して、本発明の好ましい第3の実施の形態の半導体レーザ素子100を説明する。上述の第2の実施の形態の半導体レーザ素子のp型高濃度半導体層120には水素原子残留領域121の領域を光束よりも狭くし、高次モードの光136は射出させず、主モードの光135のみを射出させるようにした点が第2の実施の形態と異なるが、他の点は同様であり、製造方法も同様である。なお、水素原子残留領域121の形状を適宜変更すれば、特定の高次モードの光のみを選択的に射出させるようにすることもできる。
(第4の実施の形態)
次に、図9、図10を参照して、本発明の好ましい第4の実施の形態の半導体レーザ素子100を説明する。上述の第2の実施の形態の半導体レーザ素子のp型高濃度半導体層120には水素原子残留領域121の領域の平面視での形状を、円形から、一方向は大きく、それと直交する方向では小さい形状として、射出するレーザ光の偏波を制御できるようにした点が第2の実施の形態と異なるが、他の点は同様であり、製造方法も同様である。
(第5の実施の形態)
次に、図11、図12を参照して、本発明の好ましい第5の実施の形態の半導体レーザ素子100を説明する。上述の第1の実施の形態の半導体レーザ素子では、上部多層膜反射鏡として、誘電体多層膜からなる上部DBRミラー116を使用したが、本実施の形態では、上部多層膜反射鏡として、AlGaAs/GaAs層の35.5ペアからなる上部DBRミラー122を使用している。
基板101上に、下部DBRミラー102、バッファ層103、活性層105、p型クラッド層106、外周に位置する電流狭窄部107aと電流狭窄部107aの中心に位置する円形の電流注入部107bとを有する電流狭窄層107、p型クラッド層108、上部DBRミラー122、中央に円形の水素原子残留領域129を有するp型コンタクト層128が順次積層されている。p型コンタクト層128上にはp側円環電極119が設けられている。基板101下にはn側電極118が設けられている。
図12に示すように、上部DBRミラー122は、GaAs層123とAlGaAs層124とを交互に複数層積層したものであるが、GaAs層123とAlGaAs層124とではバンドギャプが異なるので、GaAs層123からAlGaAs層124に向かうにつれて組成が連続的または段階的に変化する組成傾斜層125を設けている。また、バンドの不連続部に生じるスパイクノイズを減少させるために、組成傾斜層125には炭素原子を1×1019cm−3の濃度で導入している。
本実施の形態では、この組成傾斜層125の中央部(電流注入部107bの直上)に水素原子をp型コンタクト層128側からイオン注入法により選択的に約1x1020〜1x1021cm−3の濃度になるように注入する。その後、500℃〜700℃の温度でアニールして、中央の円形の水素原子残留領域126を形成している。このとき、p型コンタクト層128にも中央に円形の水素原子残留領域129が形成される。
上部DBRミラー122の中央の円形の水素原子残留領域126およびp型コンタクト層128にも中央に円形の水素原子残留領域129は、電流注入部107bの直上に形成されているので、レーザ光の通路となるが、光吸収は少なく、半導体レーザ素子の効率を高めることができる。
なお、上記各実施の形態では、電流をより流れやすくするために、中央に円形の水素原子残留領域を有するp型高濃度半導体層であって、p型クラッド層中にp型高濃度半導体層をさら1層または2層以上追加することもできる。この場合も、追加したp型高濃度半導体層は共振の節の位置近傍に設けることが好ましい。
上記実施の形態では、被酸化層はAlAsからなるものであったが、Al1−xGaAs(0.8<x<1)からなるものでもよい。
また、上記した本発明の好ましい実施の形態は、酸化物によって電流経路を狭窄する酸化物電流狭窄構造のみならず、水素原子注入によって水素原子注入領域を高抵抗化し、高抵抗化した部分を電流狭窄領域として使用する構造や、埋め込みヘテロ(BH)構造の半導体レーザ素子にも、好適に適用できる。
次に、上記本発明の好ましい実施の形態の面発光型半導体レーザ素子100を複数用いた面発光レーザアレイの例を図13、14を参照して説明する。一例として、図13に示したように、面発光レーザアレイチップ700がCLCC(Ceramic Leaded chip carrier)と呼ばれる周知のフラットパッケージ710に実装されたものを用いている。図では煩雑さを避けるために、金属キャスター(電極)714と面発光レーザアレイチップ700との接続は省略してある。面発光レーザアレイチップ700は図9に示したように、中央部に設けられた複数の面発光型半導体レーザ素子100からなる素子部702、及び周囲に設けられ、素子部702の複数の発光部と接続(図示せず)された複数の電極パッド706を有している。さらに、各電極パッド706はフラットパッケージ712の金属キャスター714と接続(図示せず)されている。各発光部は、フラットパッケージ712と接続された(図示しない)外部制御回路によって発光制御され、所定の波長のレーザ光を射出する。
次に、上記本発明の好ましい実施の形態の面発光型半導体レーザ素子100を光学機器に適用した例について図面を参照して説明する。図15は、上記本発明の好ましい実施の形態の面発光型半導体レーザ素子100を発光素子のパッケージに適応したときの構成を示す概略縦断面図である。面発光レーザパッケージ300は、面発光型半導体レーザ素子100、基板304および電極306からなる面発光レーザモジュール、レンズ316、ハウジング310、光ファイバマウント312、光ファイバ314とからなる。電極306は、外部の制御回路(図示せず)に電気的に接続され、面発光レーザパッケージの発光が制御されている。面発光型半導体レーザ素子100から出射したレーザ光はレンズ316で集光され光ファイバ314に結合される。
図16は、上記本発明の好ましい実施の形態の面発光型半導体レーザ素子100を光記憶媒体への書き込み/読み出し装置のピックアップに適応したときの構成を示す概略縦断面図である。ピックアップ350は、面発光型半導体レーザ素子100、基板354、電極356、駆動IC358、およびこれらの要素を封止する樹脂360からなる面発光レーザモジュールと、レンズ376、ハーフミラー370、回折格子374、光センサー380、光記憶媒体372とからなる。樹脂360の出射面は凸状に加工されレンズ362を構成している。電極354は、外部の制御回路(図示せず)に電気的に接続され、レーザピックアップの発光が制御されている。面発光型半導体レーザ素子100から出射したレーザ光は、レンズ362で平行光とされ、ハーフミラー370で反射された後、レンズ376によって集光され光記憶媒体372の所定の箇所に集光される。また、光媒体で反射された光は光センサー380に入射される。ここでは、上記本発明の好ましい実施の形態の面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光型半導体レーザ素子100を複数有する面発光レーザ素子アレイを通信用の発光素子パッケージ、あるいは光ディスク用ピックアップに適用した例を示したがこれに限られず、測量機器、レーザーポインター、光学マウス、あるいは、プリンタ、フォトレジストの走査露光用光源、レーザポンピング用光源や、加工用ファイバレーザの光源等の光学機器として用いることもできる。
図17は、上記本発明の好ましい実施の形態の面発光型半導体レーザ素子100を適用した光送受信モジュールの概略構成図である。図17に示すように、光送受信モジュール400は、保持部材402、光導波路(光ファイバ)412と、保持部材402上で光導波路(光ファイバ)412の位置決め用のスペーサ410、光導波路(光ファイバ)412を介して光信号を送信する面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光型半導体レーザ素子100を複数有する面発光レーザ素子アレイ及び光信号を受信する受光素子404、面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイの発光状態を制御する駆動回路406、受光素子404で受信された信号を増幅する増幅回路408とで構成されている。面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイは外部の制御部(図示せず)からの制御信号によって駆動回路406を介して発光制御され、受光素子404で受信された信号が増幅回路408を介して制御部へ送信される。煩雑さを避けるために、駆動回路406と面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイおよび増幅回路408と受光素子404のワイヤボンディングは省略している。
図18〜図20は図17における面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイと、光導波路412との光結合部分の概略構成図であり、基板500、面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイ、光導波路412は図18〜図20で共通している。図18では、導波路412の端面が光軸に対してほぼ45度に傾斜するように加工されており、さらにこの傾斜面が反射面504として、反射膜のコーティング等による鏡面加工が施され、面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイから出射した光は、導波路412の下面から導波路に入射され、傾斜面504で反射されて光導波路412内を伝播する。図19では、面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイ上、光導波路412の端面側方に内部に反射面504の設けられたミラーアセンブリ506が設置されて、面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイから出射した光は、ミラーアセンブリ506の下面から入射され、反射面504で反射され、ミラーアセンブリ506から出射された光が光導波路412に結合されて光導波路412内を伝播する。ミラーアセンブリ506の入射面あるいは/および出射面にはマイクロレンズ(アレイ)が設けられてもよい。図20は、コネクタハウジング512内に光ファイバ412が配置され、さらに光ファイバ心線の曲部514の端部が面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイに対向するように配置され、面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイから出射した光が光ファイバ412に結合される。
次に、上記本発明の好ましい実施の形態の面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光型半導体レーザ素子100を複数有する面発光レーザ素子アレイを通信システムに適用した例を示す。図21には、面発光型半導体レーザ素子100あるいは面発光レーザ素子アレイを用いた波長多重伝送システムの構成例が示されている。図21の波長多重伝送システムはコンピュータ、ボードあるいはチップ602、通信制御回路(CPU,MPU、光―電気変換回路、電気―光変換回路、波長制御回路)604、面発光型半導体レーザ素子100を複数有する面発光レーザ素子アレイ606、受光素子集積部608、合波器610、分波器612、電気配線616、光ファイバ617、618、通信対象のネットワーク、PC、ボード、チップなど614からなる。図21の波長多重伝送システムでは、発振波長の異なる複数の面発光レーザ素子を配列して面発光レーザアレイ606を構成し、面発光レーザアレイ606の各面発光レーザ素子からの各発振光を合波器を通して1本の光ファイバに結合させるように構成されている。このような構成では、1本のファイバで、高スループットに大容量の信号伝送ができる。このように、本発明の好ましい実施の形態の面発光レーザアレイは、モードが安定しており、且つ、各発振波長が安定しているので、高い信頼性で高密度大容量の波長多重伝送が可能になる。なお、本実施形態では各面発光レーザアレイ606あるいは受光素子集積部608からの出力用光ファイバあるいは入力用光ファイバは合波器610あるいは分波器612を用いて1本の光ファイバに結合されているが、用途に応じては出力用光ファイバあるいは入力用光ファイバをそのまま通信対象のネットワーク、PC、ボード、チップなど614に接続して並列伝送システムとすることもできる。この場合、本発明の好ましい実施の形態の面発光レーザアレイは、発光効率が良く、且つ、低消費電力での駆動ができるので、複数の光源をもつ信頼性の高い並列伝送システムの構築が容易になる。
以上、本発明の種々の典型的な実施の形態を説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態に限定されない。従って、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
100 面発光型半導体レーザ素子
101 基板
102 下部DBRミラー
103 バッファ層
104 n型コンタクト層
105 活性層
106 p型クラッド層
107 電流狭窄層
107a 電流狭窄部
107b 電流注入部
108 p型クラッド層
109 p型クラッド層
110 共振器
111 p型コンタクト層
112 水素原子残留領域
113 p側円環電極
113a 開口部
114 位相調整層
116 上部DBRミラー
117 n側電極
118 n側電極
119 p側円環電極
120 p型高濃度半導体層
121 水素原子残留領域
122 上部DBRミラー
123 GaAs層
124 AlGaAs層
125 組成傾斜層
126 水素原子残留領域
128 p型コンタクト層
129 水素原子残留領域
130 メサポスト
131 電流経路
133 レーザ光
135 主モード
136 高次モード
138 マスク

Claims (17)

  1. p側電極と、n側電極と、第1の反射鏡と、第2の反射鏡と、
    前記第1の反射鏡および前記第2の反射鏡との間に設けられた共振器であって、活性層と、前記第p側電極と前記n側電極間に流れる電流の経路を制限する電流経路制限層であって、電流が流れる第1の領域と、電流の流れを制限する第2の領域と、を有する前記電流経路制限層と、を備える前記共振器と、
    p側電極と前記電流経路制限層との間のp側半導体領域と、
    前記p側半導体領域に設けられた少なくとも一つの高濃度ドーピング層と、を備え、
    前記p側電極は、前記電流経路制限層の前記第2の領域の少なくとも一部と対向して設けられており、
    前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層には、1×1019cm−3以上の炭素原子がドーピングされ、
    前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層は、前記電流経路制限層の前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ対向する第1の領域および第2の領域を有し、
    前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第1の領域の少なくとも一部の領域が、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の第2の領域の少なくとも一部の領域よりも高い水素原子濃度の領域である面発光型半導体レーザ素子。
  2. 前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層には、1×1020cm−3以上の炭素原子がドーピングされている請求項1記載の面発光型半導体レーザ素子。
  3. 前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第1の領域の前記少なくとも一部の領域では、水素原子の濃度と炭素原子の濃度の比が、0.10以上である請求項1または2に記載の面発光型半導体レーザ素子。
  4. 前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第1の領域の前記少なくとも一部の領域は、前記少なくとも一部の領域の中心部から前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第2の領域側の周辺部に向かうに従って水素原子濃度が減少するドーピング濃度分布を有し、前記中心部において、水素原子の濃度と炭素原子の濃度の比が、0.10以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の面発光型半導体レーザ素子。
  5. 前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の半導体は、炭素原子をドーピングすることによってp型の導電性となる半導体から構成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の面発光型半導体レーザ素子。
  6. 基板と、前記基板上に形成された凸部と、をさらに備え、
    前記凸部は、少なくとも、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層と、前記電流経路制限層と、を備え、
    前記電流経路制限層の前記第1の領域はAl含有化合物半導体からなり、前記電流経路制限層の前記第2の領域は前記Al含有化合物半導体を酸化した酸化絶縁物からなる請求項1ないし5のいずれかに記載の面発光型半導体レーザ素子。
  7. 前記電流経路制限層の前記第2の領域は前記電流経路制限層の前記第1の領域の周囲に設けられている請求項1乃至6のいずれかに記載の面発光型半導体レーザ素子。
  8. 前記第1の反射鏡、前記p側電極、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層、前記電流経路制限層、前記活性層および前記第2の反射鏡はこの順に設けられ、
    前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第2の領域は、前記p側電極と接触して設けられている請求項1乃至7のいずれかに記載の面発光型半導体レーザ素子。
  9. 前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層には、2層以上の高濃度ドーピング層が含まれ、
    前記第1の反射鏡、前記p側電極、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層、前記電流経路制限層、前記活性層および前記第2の反射鏡はこの順に設けられ、
    前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の一つの前記第2の領域は、前記p側電極と接触して設けられ、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記一つと、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の他の一つとの間には、5×1018cm−3以下のp型不純物濃度の層が設けられている請求項1乃至7のいずれかに記載の面発光型半導体レーザ素子。
  10. 前記p側電極、前記第1の反射鏡、前記電流経路制限層、前記活性層および前記第2の反射鏡はこの順に設けられ、
    前記第1の反射鏡は、半導体DBRミラーであって、第1の半導体層、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層、第2の半導体層を有し、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層は、互いに組成およびバンドギャップが異なる第1半導体および第2の半導体からなり、前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層は、前記第1の半導体の組成から前記第2の半導体の組成の間の組成を有し、前記第1の半導体から前記第2の半導体に向かうにつれて組成が連続的または階段的に変化する組成傾斜層である請求項1乃至7のいずれかに記載の面発光型半導体レーザ素子。
  11. 前記少なくとも一つの高濃度ドーピング層の前記第1の領域の前記水素原子濃度の高い領域を、前記半導体レーザ素子から射出するレーザ光が特定の偏波状態のものとなる所定の形状に設けた請求項1乃至10のいずれかに記載の面発光型半導体レーザ素子。
  12. 1×1019cm−3以上の炭素原子がドーピングされたp型の半導体層であって、前記半導体層の一部の領域であって光の通過領域である前記一部の領域が、前記一部の領域以外の領域よりも高い水素原子濃度の領域であり、前記一部の領域では高濃度ドーパントが水素原子で失活されている光学素子。
  13. 前記半導体層の前記一部の領域では、水素原子の濃度と炭素原子の濃度の比が、0.1以上である請求項12記載の光学素子。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の半導体レーザ素子を複数備えるレーザアレイ。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の半導体レーザ素子を備える光学機器。
  16. 請求項1乃至14のいずれかに記載の半導体レーザ素子を備える通信システム。
  17. 1×1019cm−3以上の炭素原子がドーピングされた第1の半導体層の一部と、前記第1の半導体層に隣接し、5×1018cm−3以下の炭素原子がドーピングされた第2の半導体層の一部とに、水素原子を導入する工程と、
    その後、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層を500℃以上700℃以下の温度でアニールして、前記第1の半導体層の前記一部の水素原子濃度を前記第2の半導体層の前記の一部の水素原子濃度よりも高くする工程と、を備える半導体レーザ素子の製造方法。
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