JP2008071829A - 面発光型半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の波長のレーザ光を高精度に再現性よく発振することが可能な面発光型半導体素子を提供する。
【解決手段】半導体基板10と、半導体基板10の表面上に設けられた第1反射鏡12と、第1反射鏡12上に設けられ、発光領域19を有する活性層18と、活性層18上に設けられ、活性層18を挟んで第1反射鏡12の対向する面との間で発光領域19の発光の利得スペクトル幅において単一の共振モードでレーザ発振可能な第1共振器を規定する面を有する第2反射鏡24と、半導体基板10の裏面上に設けられ、半導体基板10を挟んで第1反射鏡12の対向する面との間で利得スペクトル幅において複数の共振モードでレーザ発振可能な第2共振器を規定する面を有する第3反射鏡38とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、面発光型半導体素子に関し、特に、複合共振器を有する面発光型半導体レーザに関する。
半導体レーザや半導体発光ダイオード等の半導体発光素子は、光通信分野をはじめとして、コンパクトディスク(CD)やデジタルバーサタイルディスク(DVD)等の光ディスクシステム、或いはバーコード・リーダ等において、広く使用されている。こうした光通信、光記録等の技術分野において、光源の2次元アレイ化が容易である垂直共振器型表面発光レーザ(VCSEL)の要求が高まっている。
歴史的には、初期の半導体レーザはいわゆる「端面発光型」と呼ばれ、半導体基板を切断した側面から発光するものである。一方、近年、半導体ウエハの表面から発光するVCSELが、2桁程度も低い電流で発振し、かつ低電圧や高速変調動作可能といった高性能な素子を低コストで実現できることから、革新的なレーザ光源として注目されている。VCSELの研究開発は、ガリウムヒ素(GaAs)を用いた近赤外域の波長0.85μmのレーザ光を発する素子が先行し、すでに実用化されている。近年、ギガビットイーサネット(登録商標)やファイバチャネル等の高速光データ通信用の光源としての強いニーズにより、国内外の多くの大手企業、ベンチャー企業から0.85μm帯VCSELの市販化が相次いでいる。
しかしながら、この波長帯の素子では、実用上の伝送距離が数百m程度に限られるため、1km以上の伝送を狙って、波長1μm以上の光通信波長、例えば1.3μm帯、又は1.55μm帯のVCSELの研究開発が国内外で活発に行われている。このような光通信波長帯のVCSELでは、構成要素である発光領域(活性層)などを既存の半導体材料系で実現することが困難であるため、技術的ブレークスルーを求めていろいろな材料や構造が提案されてきている。光通信に用いる光源は、素子それ自体が安価であると同時に、特別な光学系や駆動系を必要としないこと、小型・軽量であること等を満足する必要がある。このような特徴を兼ね備えたVCSELは、短距離のみならず、長距離光通信用の光源としても、有力な選択肢のひとつとなっている。
また、VCSEL以外にも表面発光型のレーザとして、複合共振器を有する表面発光型のレーザが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。提案された複合共振器型面発光レーザは、下部反射鏡と中間反射鏡で能動共振器、及び中間反射鏡と出力反射鏡で受動共振器を備える。複合共振器型面発光レーザはVCSELに比べて、素子作製は複雑で高価になるが、ビーム径を大きくでき、高出力の単一モードレーザを実現できるという利点を持つ。
近年、データを高速かつ大量に処理する、波長多重光通信(WDM)方式等の通信方式が長距離光通信において開発されてきた。WDM方式には異なる波長を有する複数のレーザ光が必要となる。このため、(イ)分布帰還型(DFB)半導体レーザ素子群から、所望の波長のレーザ光を発振する素子を選択抽出する方法、(ロ)外付けの回折格子のピッチを連続的又は段階的に変化させて、連続的又は段階的に変化した波長を有するレーザ群を作製した後、レーザ群を分断して作製した個別の素子から所望の波長のレーザ光を発振する素子を選択抽出する方法、(ハ)波長掃引レーザによって所望の波長のレーザ光を発振させる方法、(ニ)波長変換によって所望の波長を有するレーザ光を発振させる方法等により、複数の波長のレーザ光を発振するレーザ列の発光源を得ている。
高密度WDM方式においては、使用するレーザ光の波長の絶対値を特定する必要がある。しかしながら、上述したような方法においては、技術的な問題及びコスト的な問題から、要求される複数の波長のレーザ光を高精度に再現性よく得ることができず、レーザ光の波長の絶対値を正確に特定することができないという問題がある。例えば、上述した(イ)の方法においては、多数の素子群から所望の素子を手作業によって選択しなければならない。(ロ)の方法においても、ストライプレーザを密に配列したマイクロチャンネルレーザが報告されているが、現状では、分断して得た複数の素子から所望の素子を選択する方法が採られている。(ハ)の方法においては、外部共振器などの大型かつ高価な装置が必要となるため、レーザ装置が大型化するとともにコスト高となってしまう。この点に関し、マイクロメカニクスを用いる波長掃引型VCSELが報告されているが、構造が複雑であるとともに機械的強度も不十分であることから、実用的ではない。また、(ニ)の方法は未だ研究の段階であり、実用化にはさらにかなりの時間を要するのが現状である。
米国特許第6778582号明細書
本発明の目的は、複数の波長のレーザ光を高精度に再現性よく発振することが可能な面発光型半導体素子を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、(イ)第1反射鏡と、(ロ)第1反射鏡上に設けられた発光領域と、(ハ)発光領域を挟んで第1反射鏡との間で発光領域からの発光の利得スペクトル幅において単一の共振モードで発振可能な第1共振器をなす第2反射鏡と、(ニ)第1反射鏡の下方に設けられ、前記第1反射鏡との間で利得スペクトル幅において複数の共振モードで発振可能な第2共振器をなす第3反射鏡とを備える面発光型半導体素子が提供される。
本発明によれば、複数の波長のレーザ光を高精度に再現性よく発振することが可能な面発光型半導体素子を提供することが可能となる。
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態に係る面発光型半導体素子としての面発光型半導体レーザは、図1及び図2に示すように、半導体基板10、第1反射鏡12、活性層18、第2反射鏡24、第3反射鏡38等を備える。第1反射鏡12は、半導体基板10の表面上に設けられる。活性層18は、第1反射鏡12上に設けられ、発光領域19を有する。第2反射鏡24は、活性層18上に設けられる。活性層18を挟んで対向する第1及び第2反射鏡12、24により、発光領域19からの発光の利得スペクトル幅において単一の共振モードで発振可能な第1共振器が規定される。第3反射鏡38は、第1反射鏡12の下方の半導体基板10の裏面上に設けられる。半導体基板10を挟んで対向する第1及び第3反射鏡12、38により、発光領域19からの発光の利得スペクトル幅において複数の共振モードで発振可能な第2共振器が規定される。
また、第1反射鏡12及び活性層18の間に第1クラッド層16が設けられる。活性層18及び第2反射鏡24の間に第2クラッド層20が設けられる。第2反射鏡24上にコンタクト層26が設けられる。コンタクト層26表面上の保護膜28から第1反射鏡12に至る溝32にフィラーが充填された環状の分離領域34が設けられる。分離領域34で囲まれた領域により、半導体レーザの素子領域35が規定される。
第2クラッド層20及び第2反射鏡24の間に、半導体層22を環状に囲む電流狭窄部22aが設けられる。半導体層22に対応して、活性層18に発光領域19が規定される。素子領域35では、保護膜28上からコンタクト層26表面に接する環状の電極30が設けられる。電極30は、分離領域34及び保護膜28上に設けられた引き出し配線30aにより、素子領域35の外側に設けられたパッド30bに接続される。また、コンタクト層26の表面が露出するように電極30で囲まれた開口部40が、発光領域19の上方に設けられる。第1反射鏡12の一部及び第2反射鏡24と分離領域34との間に、酸化膜42及び44がそれぞれ設けられる。
例えば、半導体基板10は、面方位が(100)のn型砒化ガリウム(GaAs)である。第1反射鏡12は、図3に示すように、半導体基板10上に第1半導体層62a、62b、・・・、62n及び第1半導体層62a〜62nと異なる屈折率を有する第2半導体層64a、64b、・・・、64nを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となる厚さで交互に積層した半導体多層膜である。ここで、光学膜厚は、膜の屈折率と物理膜厚との積で定義される。例えば、第1半導体層62a〜62nは、屈折率が約3.6のn型GaAsである。第2半導体層64a〜64nは、GaAsより低屈折率のn型砒化アルミニウムガリウム(AlGa1−yAs)(0<y<1)、例えば、アルミニウム組成比yが0.9のAl0.9Ga0.1Asである。第1及び第2半導体層62a〜62n、64a〜64nのn型不純物として、シリコン(Si)を用い、不純物濃度は、約2×1018cm−3である。
第2反射鏡24は、図4に示すように、半導体層22上に第1半導体層66a、66b、・・・、66m及び第1半導体層66a〜66mと異なる屈折率を有する第2半導体層68a、68b、・・・、68mを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となる厚さで交互に積層した半導体多層膜である。例えば、第1半導体層66a〜66mは、p型GaAsである。第2半導体層68a〜68mは、GaAsより低屈折率のp型AlGa1−yAs(0<y<1)、例えば、アルミニウム組成比yが0.9のAl0.9Ga0.1Asである。第1及び第2半導体層66a〜66m、68a〜68mのp型不純物として、炭素(C)を用い、不純物濃度は、半導体層22側で約2×1018cm−3、コンタクト層26側で約1×1019cm−3となるように傾斜させてある。
第1クラッド層16は、n型燐化ガリウムインディウム(GaInP)である。第2クラッド層20は、p型GaInPである。発光領域19をなす活性層18は、図5に示すように、第1クラッド層16上のバリア層70、バリア層70上の量子井戸層72、及び量子井戸層72上のバリア層74を備える。量子井戸層72は、発光ピーク波長が約1μmとなるように調整された砒化ガリウムインディウム(GaIn1−xAs)(0≦x≦1)である。量子井戸層72は、In組成比(1−x)が約0.18〜約0.2の範囲で、厚さが約7nmである。
半導体層22には、第2反射鏡24の第2半導体層68a〜68mに用いられるAlGa1−yAsよりAl組成比zの大きいAlGa1−zAs(z≧0.98)が用いられる。例えば、第1の実施の形態では、半導体層22として、AlAs層を用いる。電流狭窄部22aは、アルミナ(Al)を主成分とする酸化膜である。また、酸化膜42、44も、Alを主成分とする酸化膜である。
コンタクト層26は、p型不純物としてCを用いたp型GaAsであり、不純物濃度は、約2×1019cm-3である。保護膜28は、窒化シリコン(Si)等の絶縁膜である。電極30(p側電極)、引き出し配線30a、及びパッド30bには、チタン(Ti)−白金(Pt)−金(Au)等の金属膜が用いられる。第3反射鏡38には、Au等の金属膜が用いられる。第3反射鏡38はn側電極としても用いられ、電極30と共に電流狭窄部22aにより狭窄された駆動電流を発光領域19に注入する。開口部40は、電流狭窄部22aの開口部及び発光領域19に比べて大きな直径を有する。発光領域19で発振したレーザ光は、開口部40から出力される。
第1の実施の形態に係る面発光型半導体レーザは、第3反射鏡38を適切に設けることにより、第1及び第2共振器を有する複合共振器型のレーザとして動作するようになる。図6に示すように、第1及び第2反射鏡12、24の対向する面で規定される第1共振器の共振器長をL1、第1及び第3反射鏡12、38の対向する面で規定される第2共振器の共振器長をL2とする。フォトルミネセンス等の測定で得られる活性層18の発光の利得スペクトル、並びに第1及び第2共振器の共振特性は、図7に示すように、駆動電流により変化する。利得スペクトルのピークと第1及び第2共振器の共振モード(縦モード)の重なりが大きいときに半導体レーザは発振する。利得スペクトルは、縦モードに比べて、駆動電流の変動に対して大きく変化し、また、第1共振器の縦モードに比べ、第2共振器の縦モードの変化は小さい。その結果、図8に示すように、駆動電流の増加に対して、離散的に複数の縦モードでレーザ発振を繰り返す電流対光出力特性が得られる。複数の縦モードのそれぞれのピーク波長の間隔は、第2共振器の縦モードで規定され、ほぼ等間隔となる。
図8には、比較例として第1共振器のみを有する通常のVCSELの電流対光出力特性が示されている。比較例では、レーザ発振は駆動電流に対して離散的にはならない。一方、第1の実施の形態に係る半導体レーザでは、各駆動電流値で発振しているそれぞれの発振波長は、第1及び第2共振器のそれぞれによって生じる縦モードの重なりで決定される。第2共振器の縦モードは、駆動電流に対する依存性が小さいため、レーザ発振の波長間隔がほぼ一定になる。したがって、複数の波長のレーザ光を高精度に再現性よく発振することが可能となる。
VCSEL等の共振器を有するレーザの発振条件は、レーザの活性層の利得gが共振器の損失を補償できるほど大きくなる以下の条件で記述される。

g>gth=α+α+α (1)

ここで、gthは、レーザ発振の閾値である。αは、活性層の構成材料の自由キャリア等による光吸収損失である。αは、反射鏡における等価的な回折損失であり、VCSELでは導波機構がないと無視できなくなる。αは、反射鏡における等価的な反射損失である。
反射率がそれぞれR及びRの対向する反射鏡で規定される共振器の反射損失αは、以下のように表せる。

α=(1/L)ln(1/R) (2)

ここで、Lは、共振器長である。Rは、第1及び第2反射鏡の平均反射率であり、通常のVCSELであれば、R=(R1/2である。活性層を挟んで対向する反射鏡が設けられるVCSELでは、(1)式の関係を満たす構造にすることができる。即ち、活性層の利得gが閾値gthより大きく、共振器の損失を補償できるほど大きい構造であり、レーザ発振が可能である。このとき、共振器の共振条件は、共振器長Lによって決定され、レーザ発振する可能性のある波長は離散的な値を取る。このようなレーザ発振を縦モードと呼ぶ。縦モードの波長間隔Δλは、次式で与えられる。

Δλ=λ/{2L[n−λ(dn/dλ)]} (3)

ここで、λは、発振レーザ光のピーク波長、nは、活性層の材料の屈折率である。
第1の実施の形態に係る半導体レーザでは、活性層18、並びに第1及び第2反射鏡12、24は通常のVCSELと同様の構造であり、(1)式の関係を満たすことができる。即ち、活性媒質の利得gが閾値gthより大きく、第1共振器の損失を補償できるほど大きい構造であり、第3反射鏡38なしでレーザ発振が可能である。また、第1共振器の共振器長L1は、λ/nに設定されるから、波長間隔Δλは、(3)式より約λ/2となる。したがって、数十nmの利得スペクトル幅の中には、第1共振器だけでは単一の縦モードしか立たないことになる。
第1の実施の形態に係る半導体レーザでは、基板を挟んで第3反射鏡38が形成されているため、共振器長がL2の第2共振器による縦モードの発振が可能となる。半導体基板10の厚さは、例えば、約100μm〜約250μmの範囲であり、共振器長L2は、半導体基板10の厚さとなる。例えば、半導体基板10の厚さを約150μmとすると、縦モードのピーク波長λが約1μm、1.3μm、及び1.55μmのそれぞれでは、波長間隔Δλは、約0.95nm、約1.6nm、及び約2.3nmとなる。このように、半導体基板10の厚さを約100μm〜約250μmの範囲にすることにより、利得スペクトル幅に比べて縦モードの波長間隔を小さくすることができる。したがって、第1の実施の形態に係る半導体レーザは、複合共振器構造を有するVCSELであり、図2に示すように、利得スペクトル幅の中で駆動電流に対して離散的にレーザ発振することが可能となる。
半導体基板上に二つの共振器を設けた構造の複合共振器型VCSELが提案されている(例えば、エム.ブルナー、他、アイ・イー・イー・イー・フォトン・テクノロジー・レター(IEEE Photon. Technol. Lett.)、2000年、第11巻、1316頁、参照。)。提案された複合共振器型VCSELでは、第3の反射鏡の設置位置が第1及び第2の反射鏡に近接しているため、二つの共振器の何れも縦モードの波長間隔は広くなる。したがって、2つの共振器長を持つ複合共振器と言っても、レーザ発振に寄与する縦モードは2本しかない。また、レーザ発振を離散的に繰り返す特性は得られず、対応する縦モードの各ピーク波長で独立に発振させることはできない素子構造である。
また、図9に示すように、特許文献1に開示された複合共振器型レーザは、半導体基板110上に積層された第1反射鏡112、活性層118、及び第2反射鏡124、並びに半導体基板110を挟んで第1反射鏡112と対向する第3反射鏡138等を備える。半導体基板110の表面及び裏面それぞれに設けられた電極130及び電極137により、電流狭窄部122を介して活性層118に電流が注入される。半導体基板110の裏面に、電極137に囲まれた反射防止膜139が設けられる。第1及び第2反射鏡112、124で能動共振器、第1及び第3反射鏡112、138で受動共振器を構成している。開示された複合共振器型レーザでは、第1反射鏡112は反射率が低く、(2)式で表される反射損失αは大きい。その結果、第1及び第2反射鏡112、124で構成される能動共振器は、(1)式の関係を満たすことはできず、レーザ発振は生じない。第3反射鏡138から反射されて能動共振器に入射する成分により、レーザ発振が可能となる。この場合、第1及び第2反射鏡112、124で構成された能動共振器の共振器長は略λ/nであることから、波長間隔Δλは、約λ/2となる。したがって、波長範囲が数十nmの利得スペクトル幅の中には、単一の縦モードしか立たないことになる。したがって、複数の縦モードの共振特性は得られず、ピーク波長の異なる複数の縦モードを独立に発振させることはできない。
第1の実施の形態では、第1及び第2反射鏡12、24の反射率のそれぞれの範囲は、約97%〜約99.9%、及び約97%以上である。第3反射鏡38の反射率は、約98〜約99%である。また、半導体基板10に用いるn型GaAsのレーザ光の吸収係数は、約3cm−1である。第1及び第2反射鏡12、24の反射率は(1)式の条件を満たし、第3反射鏡38からの反射成分を介さず、第1及び第2反射鏡12、24で構成される第1共振器だけでレーザ発振が可能となる。第3反射鏡38無しで半導体レーザの素子特性を検証し、レーザ発振することを実際に確認している。
ここで、第2反射鏡24の反射率を約99.7%に固定し、第1反射鏡12の反射率を変えて、レーザ特性が評価されている。第1反射鏡12は、図3に示したように、第1及び第2半導体層62a〜62n、64a〜64nを、それぞれの光学膜厚がレーザのピーク波長の1/4となるように交互に積層した半導体多層膜である。第1反射鏡12の積層数nを変えることにより反射率を制御することができる。積層数nが14ペア以下では、第1反射鏡12の反射率は約97%未満となる。この場合、反射損失αが大きくなり、(1)式を満たす条件が得られない。その結果、第3反射鏡38なしではレーザ発振に至らず、離散的な縦モードの室温連続発振は得られない。積層数nが15ペア以上では、第1反射鏡12の反射率は約97%以上となり、所望の離散的な縦モードの室温連続発振が得られる。積層数nが30ペアを超えると、第1反射鏡12の反射率は約99.9%を超える。この場合、駆動電流値に対して、光出力は変動するものの、離散的な縦モードのレーザ発振は得られず、常に発振しているレーザ特性となる。このように、第1反射鏡12の積層数を15ペア〜30ペアとして、反射率を、約97%以上、約99.9%以下とすることが望ましい。
また、第1反射鏡12の反射率を約98.5%に固定し、第2反射鏡24の反射率を変えて、レーザ特性が評価されている。第2反射鏡24は、図4に示したように、第1及び第2半導体層66a〜66m、68a〜68mを、それぞれの光学膜厚がレーザのピーク波長の1/4となるように交互に積層した半導体多層膜である。第2反射鏡24の積層数mを変えることにより反射率を制御することができる。積層数mが14ペア以下では、第2反射鏡24の反射率は約97%未満となる。この場合、反射損失αが大きくなり、(1)式を満たす条件が得られない。その結果、第3反射鏡38なしではレーザ発振に至らず、離散的な縦モードの室温連続発振は得られない。積層数mが15ペア以上では、第2反射鏡24の反射率は約97%以上となり、所望の離散的な縦モードの室温連続発振が得られる。積層数mが30ペア以上では、第2反射鏡24の反射率は約99.9%以上になる。この場合も、所望の離散的な縦モードの室温連続発振が得られる。このように、第2反射鏡24の積層数を15ペア以上として、反射率を、約97%以上とすることが望ましい。
このように、第1の実施の形態に係る面発光型半導体レーザでは、半導体基板10の表面側に活性層18を挟んで対向する第1及び第2反射鏡12、24が設けられる。また、半導体基板10の裏面に第3反射鏡38が設けられる。第1反射鏡12の反射率は、約97%〜約99.9%の範囲である。半導体基板10の厚さは、約100μm〜250μmである。その結果、利得スペクトルに比べて小さな波長間隔で離散的にレーザ発振する面発光型半導体レーザを実現することが可能となる。
次に、第1の実施の形態に係る面発光型半導体レーザの製造方法を、図10〜図13に示す工程断面図を用いて説明する。
(イ)図10に示すように、半導体基板10上に、有機金属化学気相成長(MOCVD)等により第1反射鏡12、第1クラッド層16、活性層18、第2クラッド層20、半導体層22、第2反射鏡24、及びコンタクト層26を順次成長する。半導体基板10は、厚さが約400μm、直径が約3インチ、面方位が(100)のn型GaAsである。第1反射鏡12は、反射率が約99%となるように、高屈折率層及び低屈折率層としてn型GaAs及びn型Al0.94Ga0.06Asを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長1.0μmの1/4となる厚さで交互に成長して積層した半導体多層膜である。第1反射鏡12には、n型不純物のSiを不純物濃度が約2×1018cm−3で添加する。第1クラッド層16は、n型GaInPである。活性層18は、発光ピーク波長が約1μmとなるように調整されたGaIn1−xAs等の量子井戸層と、GaAs等のバリア層を量子井戸層の上下に積層した量子井戸構造である。量子井戸層であるGaIn1−xAsのIn組成xは約0.18〜約0.2で、厚さは約7nmである。第2クラッド層20は、p型GaInPである。半導体層22は、AlAsである。第2反射鏡24は、反射率が約99.7%となるように、高屈折率層及び低屈折率層としてn型GaAs及びn型Al0.94Ga0.06Asを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となる厚さで交互に成長して積層した半導体多層膜である。第2反射鏡24には、p型不純物のCを不純物濃度が積層方向で約2×1018cm−3から約1×1019cm−3となるように傾斜させて添加する。コンタクト層26は、p型GaAsである。コンタクト層26には、p型不純物のCを不純物濃度が約2×1019cm-3となるように添加する。
(ロ)図11に示すように、CVD、フォトリソグラフィ、及びエッチング等によりコンタクト層26の表面に堆積したSi等の保護膜28の一部を選択的に除去する。フォトリソグラフィ、及び電子線蒸着(EBE)等により、保護膜28の表面の一部、及び露出したコンタクト層26の一部に開口部40を有するTi−Pt−Au等の電極30(p側電極)を形成する。なお、図1に示した引き出し配線30a及びパッド30bも、保護膜28上に同時に形成される。その後、半導体基板10をシンター等により熱処理する。
(ハ)図12に示すように、フォトリソグラフィ、エッチング工程により、フォトリソグラフィ、及び三塩化ボロン(BCl)と窒素(N)との混合ガスを用いる誘導結合プラズマ(ICP)ドライエッチング等により、保護膜28から第1反射鏡12に至る各層を選択的に除去して溝32で囲まれた素子領域35を形成する。素子領域35は、直径が約45μmで、ほぼ垂直な側壁を有する。その後、水蒸気雰囲気中で約400℃の熱処理により、半導体層22を溝32を介して素子領域35の側壁から横方向に約20μmの幅で選択酸化し、Alを主成分とする電流狭窄部22aを形成する。第1及び第2反射鏡12、24の一部も熱処理により選択酸化されてAlを主成分とする酸化膜42、44が形成される。電流狭窄部22aの間に残された半導体層22は、直径が約5μmである。
(ニ)図13に示すように、スピンコート等により、溝32を埋め込むように感光性ポリイミド樹脂等のフィラー材料を回転数約2000rpm、約30秒の条件で回転塗布する。塗布後、ホットプレートを用いてベーク処理を行い、膜厚約6μmの樹脂膜を形成する。フォトリソグラフィ等により、溝32に樹脂膜が充填されるようにパターニングして分離領域34を形成する。分離領域34の表面を平坦化する。その後、鏡面研磨により、半導体基板10の裏面を研磨して半導体基板10の厚さを約150μmとする。蒸着等により、半導体基板10の裏面にAu等の第3反射鏡38を形成する。なお、第3反射鏡38は、n側電極を兼ねる。
このようにして製造された面発光型半導体レーザでは、約1μmの波長における、第1及び第2反射鏡12、24の反射率はそれぞれ、約99%、及び約99.7%と設定されている。第3反射鏡38の反射率は98〜99%である。また、n型GaAsの半導体基板10のレーザ光の吸収係数は、約3cm-1である。その結果、製造された面発光型半導体レーザは、約1.01μm〜約1.02μmの波長で室温連続発振させることができる。
製造された面発光型半導体レーザの発振特性が評価されている。図14に示すように、駆動電流が約4mAから約19mAの範囲でピーク波長がλからλの9個の離散的なレーザ発振が実現されている。また、図15に示すように、レーザ発振が得られる駆動電流I〜Iのそれぞれでのピーク波長λ〜λは、約1013nm〜1022nmの間に約1nmの規則的な波長間隔で得られている。駆動電流I〜Iに対するピーク波長λ〜λの関係は、図16に示すように、ほぼ直線関係となる。このように、第1の実施の形態では、駆動電流を制御することにより、規則的な波長間隔で離散的なピーク波長のレーザ発振を得ることができる。したがって、単一の面発光型半導体レーザから、複数のピーク波長のレーザ光を高精度に再現性よく低コストで実現することが可能となる。
図17及び図18に示すように、第1の実施の形態に係る複数の面発光型半導体レーザ100a、100b、・・・、100iを用いて、例えば3×3の半導体レーザアレイを半導体基板10上に形成することができる。なお、図18に示すように、面発光型半導体レーザ100a〜100iのそれぞれを分離する分離領域のフィラー、第1及び第2反射鏡12、24に形成される酸化膜は省略している。面発光型半導体レーザ100a〜100iのそれぞれに異なる駆動電流I〜Iを注入する。その結果、図14〜図16に示したように、面発光型半導体レーザ100a〜100iのそれぞれから、規則的な波長間隔で離散的な異なるピーク波長λ〜λのレーザ発振が得られる。このように、第1の実施の形態に係る面発光型半導体レーザを複数個用いた半導体レーザアレイは、WDM用の半導体レーザとして好適である。
なお、第1の実施の形態では、電流狭窄部22aを用いて駆動電流を発光領域19に注入している。しかし、電流狭窄部は複数個あってもよい。例えば、図19に示すように、第1反射鏡12及び第1クラッド層16の間に、AlGa1−zAs(z≧0.98)等の半導体層14及びAlを主成分とする酸化膜等の電流狭窄部14aを更に設けてもよい。発光領域19に効率よく駆動電流を注入することができる。なお、電流狭窄部14aは、選択酸化により、電流狭窄部22aと同時に形成される。
また、第1の実施の形態では、活性層18の量子井戸層72として、GaIn1−xAsを用いて説明したが、量子井戸層は限定されない。例えば、砒化窒化ガリウムインディウム(GaIn1−xAs1−y)(0≦x≦1、0≦y<1)、InGaAlP、AlGaAs、及びInGaAsP等、GaAs基板上に成長できる半導体材料を用いることができる。GaAs基板の透明波長域である1〜3μmが好適であることから、1.3〜1.55μm帯の高利得の発光が得られるGaIn1−xAs1−y(0≦x≦1、0≦y<1)、GaIn1−xAs1−y−zSb(0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1)等の半導体材料が好適である。
また、電流狭窄部22a及び開口部40の形状として、円形を用いている。しかし、電流狭窄部及び開口部の形状は、限定されない。例えば、正方形、長方形、楕円等の形状であってもよい。
また、本実施例では、電流狭窄部22a形成用の半導体層22として、AlAs層を用いたが、Al組成比の高いAlGa1−xAs(x≧0.95)を用いてもよい。Al組成比xが高い場合、水蒸気酸化において、酸化速度が速く、工程時間を短縮できる。また、酸化に伴う応力、歪の発生量も大きいので、半導体レーザ製造の量産性、あるいは偏波制御性を高める上で好適である。
また、第1の実施の形態では、フィラー材料として、ポリイミド樹脂を用いているが、半導体材料と熱膨張係数が大きく異なる他の高分子材料、例えばエポキシ樹脂等の材料を用いても同様の効果が得られることは明らかである。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体素子(半導体レーザ)は、図20及び図21に示すように、半導体基板10、第1反射鏡12、活性層18、第2反射鏡24、第3反射鏡38等を備える。第1反射鏡12及び活性層18の間に第1クラッド層16が設けられる。電流狭窄部22a及び半導体層22は、発光領域19を有する活性層18上に設けられる。第2クラッド層20が、電流狭窄部22a及び半導体層22上に設けられる。コンタクト層26が、第2クラッド層20及び第2反射鏡24の間に設けられる。
第1クラッド層16が表面に露出するように、メサ状の素子領域35が形成される。素子領域35において、第2反射鏡24を囲むように、電極30がコンタクト層26に設けられる。素子領域35を囲むように、電極37が第1クラッド層16に設けられる。半導体基板10の表面側に設けられた一対の電極30、37により、電流狭窄部22aで規定される活性層18の発光領域19に駆動電流が注入される。
半導体基板10として、ノンドープGaAs等の高抵抗基板が用いられる。第1及び第2反射鏡12、24は、高屈折率半導体層及び低屈折率半導体層を、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となるように交互に積層した半導体多層膜である。例えば、高屈折率半導体層は、GaAsである。低屈折率半導体層は、AlGa1−yAs(0<y<1)で、例えば、アルミニウム組成比yが0.94のAl0.94Ga0.06Asである。
第1クラッド層16は、n型GaInPである。第2クラッド層20は、p型GaInPである。活性層18は、バリア層及び量子井戸層を交互に積層した量子井戸構造である。量子井戸層は、発光ピーク波長が約1.3μmとなるように調整されたGaIn1−xAs1−y(0≦x≦1、0≦y<1)である。量子井戸層の厚さは、約7nmである。量子井戸層のIn組成比(1−x)及びN組成比(1−y)は、量子井戸層の格子定数が半導体基板10に用いられるGaAsよりも大きくなり圧縮歪が導入されるように制御される。In組成比(1−x)及びN組成比(1−y)は、量子井戸層に圧縮歪を導入するため、例えば、それぞれ約0.30〜約0.35、及び約0.005〜0.01%の範囲が好適である。
半導体層22には、第2反射鏡24の第2半導体層68a〜68mに用いられるAlGa1−yAsよりAl組成比zの大きいAlGa1−zAs(z≧0.98)が用いられる。例えば、第2の実施の形態では、半導体層22として、Al0.98Ga0.02As層を用いる。電流狭窄部22aは、Alを主成分とする酸化膜である。コンタクト層26は、p型不純物としてCを用いたp型GaAsであり、不純物濃度は、約2×1019cm-3である。
第2の実施の形態では、電極30、37のそれぞれが、第2クラッド層20に接するコンタクト層26、及び第1クラッド層16に配置されたイントラキャビティ構造になる点が第1の実施の形態と異なる。他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、重複する記載は省略する。
第2の実施の形態に係る面発光型半導体レーザでは、第1及び第2反射鏡12、24の反射率のそれぞれの範囲は、約97%〜約99.9%、及び約97%以上である。第3反射鏡38の反射率は、約98〜約99%である。第1及び第2反射鏡12、24の反射率は(1)式の条件を満たし、第3反射鏡38からの反射成分を介さず、第1及び第2反射鏡12、24で構成される第1共振器だけでレーザ発振が可能となる。また、半導体基板10の厚さは、約100μm〜約250μmである。したがって、波長間隔が約1nmの離散的な複数のレーザ発振を実現することが可能となる。
第2の実施の形態に係る面発光型半導体レーザでは、一対の電極30、37を半導体基板10の表面側に配置しているため、半導体基板10として、波長が約1μm以上のレーザ光に対して透過性の高いアンドープGaAs等の高抵抗基板を用いることができる。その結果、光吸収損失αを低減することができる。また、活性層18の量子井戸層に圧縮歪を導入した効果により、低閾値でのレーザ発振が可能となる。したがって、第2の実施の形態では、低駆動電流で、規則的な波長間隔で離散的なピーク波長のレーザ発振を効率よく得ることができる。
次に、第2の実施の形態に係る面発光型半導体レーザの製造方法を、図22〜図25に示す工程断面図を用いて説明する。
(イ)図22に示すように、半導体基板10上に、有機金属化学気相成長(MOCVD)等により第1反射鏡12、第1クラッド層16、活性層18、半導体層22、第2クラッド層20、コンタクト層26、及び第2反射鏡24を順次成長する。半導体基板10は、厚さが約400μm、直径が約3インチ、面方位が(100)のアンドープGaAsである。第1反射鏡12は、反射率が約99%となるように、高屈折率層及び低屈折率層としてGaAs及びAl0.94Ga0.06Asを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長約1.3μmの1/4となる厚さで交互に成長して積層した半導体多層膜である。第1クラッド層16は、n型GaInPである。活性層18は、発光ピーク波長が約1.3μmとなるように調整されたGaIn1−xAs1−y(0≦x≦1、0≦y<1)等の量子井戸層と、GaAs等のバリア層を量子井戸層の上下に積層した量子井戸構造である。量子井戸層は、厚さが約7nmで、約2.5%の圧縮歪量を内在するGa0.66In0.34As0.990.01である。量子井戸層を歪層とすることにより、活性層18の微分利得係数が増大し、無歪の場合に比べてレーザ発振の閾値を低減することができる。半導体層22は、Al0.98Ga0.02Asである。第2クラッド層20は、p型GaInPである。コンタクト層26には、p型不純物のCを不純物濃度が約2×1019cm-3となるように添加する。第2反射鏡24は、反射率が約99.7%となるように、高屈折率層及び低屈折率層としてGaAs及びAl0.94Ga0.06Asを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となる厚さで交互に成長して積層した半導体多層膜である。
(ロ)図23に示すように、CVD、フォトリソグラフィ、及びBCl及びNの混合ガスを用いるICPドライエッチング等によりコンタクト層26の表面に形成したSi等の絶縁膜をマスクとして、第2反射鏡24、コンタクト層26、第2クラッド層20、半導体層22、活性層18、及び第1クラッド層16の一部を選択的に除去してメサ状の素子領域を形成する。素子領域は、直径が約45μmである。その後、水蒸気雰囲気中で約420℃の熱処理により、半導体層22を素子領域の側壁から横方向に約20μmの幅で選択酸化し、Alを主成分とする電流狭窄部22aを形成する。電流狭窄部22aの間に残された半導体層22は、直径が約5μmである。更に、フォトリソグラフィ、及びBCl及びNの混合ガスを用いるICPドライエッチング等により、第2反射鏡24を選択的に除去して素子領域の周辺部にコンタクト層26を露出させる。
(ハ)図24に示すように、フォトリソグラフィ、及び電子線蒸着(EBE)等により、コンタクト層26及び第1クラッド層16にTi−Pt−Au等の電極30(p側電極)及び電極37(n側電極)を形成する。その後、半導体基板10をシンター等により熱処理する。
(ニ)図25に示すように、鏡面研磨により、半導体基板10の裏面を研磨して半導体基板10の厚さを約200μmとする。蒸着等により、半導体基板10の裏面にAu等の第3反射鏡38を形成する。
このようにして製造された面発光型半導体レーザでは、約1.3μmの波長における、第1及び第2反射鏡12、24の反射率はそれぞれ、約99%、及び約99.7%と設定されている。第3反射鏡38の反射率は98〜99%である。その結果、製造された面発光型半導体レーザは、約1.3μmの波長で室温連続発振させることができる。
また、アンドープGaAsの半導体基板10のレーザ光の吸収係数は、約0.6cm-1である。その結果、半導体基板10による光吸収損失αを低減することができる。また、活性層18の量子井戸層に圧縮歪を導入した効果により、低閾値でのレーザ発振が可能となる。したがって、第2の実施の形態では、低駆動電流で、規則的な波長間隔で離散的なピーク波長のレーザ発振を効率よく得ることができる。
また、半導体基板10の厚さを約200μmとすることにより、第1及び第3反射鏡12、38で構成される共振器による縦モードの波長間隔は、約1nmとなる。したがって、離散的なレーザ発振の波長間隔を約1nmと制御することができる。
また、第2の実施の形態では、第2反射鏡24として半導体多層膜を用いている。しかし、第2反射鏡として、半導体多層膜の代わりに誘電体多層膜を用いてもよい。例えば、図26に示すように、第2反射鏡24aは、コンタクト層26上に第1誘電体層76a、76b、・・・、76k及び第1誘電体層76a〜76kと異なる屈折率を有する第2誘電体層78a、78b、・・・、78kを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となる厚さで交互に積層した誘電体多層膜である。第1及び第2誘電体層76a〜76k、78a〜78kとして、例えば、屈折率が約1.4の酸化シリコン(SiO)及び屈折率が約2.2の五酸化タンタル(Ta)等の組み合わせが用いられる。SiO及びTaの組み合わせの誘電体多層膜では、反射率を約99.5%と高くすることが可能である。また、屈折率が約2.7の二酸化チタン(TiO)等の誘電体を、屈折率が異なる誘電体と適宜組み合わせて用いてもよい。更に、屈折率が約3.4のアモルファスSi等の半導体材料を、屈折率が異なる誘電体と適宜組み合わせて用いてもよい。
また、上記説明では、素子領域35、第2反射鏡24、及び電極30、37の形状は、円形あるいは環形状を用いている。しかし、形状は、円形あるいは環形状に限定されず、正方形、長方形、楕円等の任意の形状であってもよい。例えば、図27及び図28に示すように、半導体基板10の表面側に矩形状の第2反射鏡24、電極30、及び電極37を配置してもよい。第2反射鏡24と並んで電極30が、矩形状の素子領域35の表面に露出したコンタクト層26上に配置される。電極37は、素子領域35の周辺に露出した第1クラッド層16上に配置される。なお、第2反射鏡24に代えて、図26に示した誘電体多層膜からなる第2反射鏡24aを用いてもよい。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体素子(半導体レーザ)は、図29及び図30に示すように、半導体基板10の裏面に設けた第3反射鏡38の開口部40aからレーザ光を出射する、アップサイドダウン型構造を有する。半導体基板10の上に、第1反射鏡12、第1クラッド層16、活性層18、第2クラッド層20、第2反射鏡24、コンタクト層26が順に設けられている。電流狭窄部22bが、第2反射鏡24の中に設けられる。電極30は、コンタクト層26の表面に設けられる。
第3の実施の形態では、半導体基板10の裏面に設けた第3反射鏡38の開口部40aからレーザ光を出力する構造を有する点が第1及び第2の実施の形態と異なる。他の構成は、第1及び第2の実施の形態と同様であるので、重複する記載は省略する。
半導体基板10として、n型GaAs等が用いられる。第1及び第2反射鏡12、24は、高屈折率半導体層及び低屈折率半導体層を、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となるように交互に積層した半導体多層膜である。例えば、高屈折率半導体層は、GaAsである。低屈折率半導体層は、AlGa1−yAs(0<y<1)で、例えば、アルミニウム組成比yが0.94のAl0.94Ga0.06Asである。
第1クラッド層16は、n型GaInPである。第2クラッド層20は、p型GaInPである。活性層18は、バリア層及び量子井戸層を交互に積層した量子井戸構造である。量子井戸層は、発光ピーク波長が約1.3μmとなるように調整されたGaIn1−xAs1−y(0≦x≦1、0≦y<1)である。量子井戸層の厚さは、約7nmである。量子井戸層のIn組成比(1−x)及びN組成比(1−y)は、量子井戸層の格子定数が半導体基板10に用いられるGaAsよりも大きくなり圧縮歪が導入されるように制御される。
電流狭窄部22bは、高抵抗層である。電極30及び第3反射鏡38からの駆動電流は、電流狭窄部22bで囲まれた第2反射鏡24の領域を通って活性層18に注入される。
第3の実施の形態に係る面発光型半導体レーザでは、第1及び第2反射鏡12、24の反射率のそれぞれの範囲は、約97%〜約99.9%、及び約97%以上である。第3反射鏡38の反射率は、約98〜約99%である。第1及び第2反射鏡12、24の反射率は(1)式の条件を満たし、第3反射鏡38からの反射成分を介さず、第1及び第2反射鏡12、24で構成される第1共振器だけでレーザ発振が可能となる。また、半導体基板10の厚さは、約100μm〜約250μmである。したがって、波長間隔が約1nmの離散的な複数のレーザ発振を実現することが可能となる。
また、第3の実施の形態では、レーザ光が半導体基板10の裏面から出射されるため、面発光型半導体レーザをアップサイドダウンでヒートシンク等にマウントすることができる。発熱を伴う活性層18は半導体基板10の表面側に設けられるため、アップサイドダウンでマウントされた半導体レーザは効率よく冷却される。したがって、規則的な波長間隔で離散的なピーク波長のレーザ発振を安定して効率よく得ることができる。
次に、第3の実施の形態に係る面発光型半導体レーザの製造方法を、図31〜図34に示す工程断面図を用いて説明する。
(イ)図31に示すように、半導体基板10上に、有機金属化学気相成長(MOCVD)等により第1反射鏡12、第1クラッド層16、活性層18、第2クラッド層20、第2反射鏡24、及びコンタクト層26を順次成長する。半導体基板10は、厚さが約400μm、直径が約3インチ、面方位が(100)のn型GaAsである。第1反射鏡12は、反射率が約99%となるように、高屈折率層及び低屈折率層としてn型GaAs及びn型Al0.94Ga0.06Asを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長約1.3μmの1/4となる厚さで交互に成長して積層した半導体多層膜である。第1クラッド層16は、n型GaInPである。活性層18は、発光ピーク波長が約1.3μmとなるように調整されたGaIn1−xAs1−y(0≦x≦1、0≦y<1)等の量子井戸層と、GaAs等のバリア層を量子井戸層の上下に積層した量子井戸構造である。量子井戸層は、厚さが約7nmで、約2.5%の圧縮歪量を内在するGa0.66In0.34As0.990.01である。第2クラッド層20は、p型GaInPである。第2反射鏡24は、反射率が約99.7%となるように、高屈折率層及び低屈折率層としてp型GaAs及びp型Al0.94Ga0.06Asを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となる厚さで交互に成長して積層した半導体多層膜である。コンタクト層26には、p型不純物のCを不純物濃度が約2×1019cm-3となるように添加する。
(ロ)図32に示すように、フォトリソグラフィ、及びイオン注入等により、コンタクト層26の表面からプロトンを選択的に注入する。プロトン注入条件は、加速電圧が約250keV、ドーズ量が1×1015cm−2である。プロトンの注入深さは、第2反射鏡24の中になる。その結果、第2反射鏡24の中に高抵抗の電流狭窄部22bが形成される。
(ハ)図33に示すように、EBE等により、Ti−Pt−Au等の金属膜をコンタクト層26上に堆積してp側電極30を形成する。その後、半導体基板10をシンター処理する。
(ニ)図34に示すように、鏡面研磨により、半導体基板10の裏面を研磨して半導体基板10の厚さを約200μmとする。フォトリソグラフィ、及び蒸着等により、半導体基板10の裏面に開口部40aを有するAu等の第3反射鏡38を形成する。
このようにして製造された面発光型半導体レーザでは、約1.3μmの波長における、第1及び第2反射鏡12、24の反射率はそれぞれ、約99%、及び約99.7%と設定されている。第3反射鏡38の反射率は98〜99%である。その結果、製造された面発光型半導体レーザは、約1.3μmの波長で室温連続発振させることができる。
また、活性層18の量子井戸層に圧縮歪を導入した効果により、低閾値でのレーザ発振が可能となる。したがって、第3の実施の形態では、低駆動電流で、規則的な波長間隔で離散的なピーク波長のレーザ発振を効率よく得ることができる。
また、半導体基板10の厚さを約200μmとすることにより、第1及び第3反射鏡12、38で構成される共振器による縦モードの波長間隔は、約1nmとなる。したがって、離散的なレーザ発振の波長間隔を約1nmと制御することができる。
また、上記説明では、第3反射鏡38としてAu等の金属膜を用いている。しかし、第3反射鏡として、金属膜の代わりに誘電体多層膜を用いてもよい。例えば、図35及び図36に示すように、半導体基板10の裏面において、電極37で囲まれた領域に第3反射鏡38aを設ける。第3反射鏡38aは、図37に示すように、半導体基板10の裏面に第1誘電体層86a、86b、・・・、86h及び第1誘電体層86a〜86hと異なる屈折率を有する第2誘電体層88a、88b、・・・、88hを、それぞれの光学膜厚がレーザ波長の1/4となる厚さで交互に積層した誘電体多層膜である。第1及び第2誘電体層86a〜86h、88a〜88hとして、例えば、屈折率が約1.4の酸化シリコン(SiO)及び屈折率が約2.2の五酸化タンタル(Ta)等の組み合わせが用いられる。SiO及びTaの組み合わせの誘電体多層膜では、反射率を約99.5%と高くすることが可能である。また、屈折率が約2.7の二酸化チタン(TiO)等の誘電体を、屈折率が異なる誘電体と適宜組み合わせて用いてもよい。更に、屈折率が約3.4のアモルファスSi等の半導体材料を、屈折率が異なる誘電体と適宜組み合わせて用いてもよい。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の第1〜第3の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
第1〜第3の実施の形態においては、第1及び第2反射鏡12、24として、GaAs及びAlGaAsの半導体多層膜を用いている。しかし、半導体多層膜は限定されない。例えば、Alを含まない半導体を用いてもよい。高屈折率膜及び低屈折率膜の組み合わせとして、GaInP/GaAs、GaInPAs/GaAs、GaInP/GaInAs、GaInP/GaPAs、GaInP/GaInAs、GaP/GaInAsN等の組み合せを用いることができる。
また、第3反射鏡38として、Auを用いているが、Auを主成分とする材料、銀(Ag)、Al、銅(Cu)等の他の金属材料を用いても同様の効果が得られることは明らかである。例えば、Ag、Al、及びCuの反射率は、それぞれ約99%、約94%、及び約98〜99%である。
また、活性層18として、バリア層70、74、及びバリア層70、74に挟まれた量子井戸層72からなる3重量子井戸構造を用いている。しかし、量子井戸構造は限定されない。例えば、複数の量子井戸層を用いた量子井戸構造等を用いてもよい。
また、各種の半導体層をMOCVDにより成長している。しかし、半導体層の成長方法はMOCVDに限定されない。例えば、分子線エピタキシ(MBE)等を用いることもできる。
このように、本発明はここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の一例を示す平面図である。 図1に示した面発光型半導体素子のA−A断面を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子に用いられる第1反射鏡の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子に用いられる第2反射鏡の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子に用いられる活性層の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の第1及び第2共振器の説明に用いる断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の駆動電流に対する利得スペクトル、第1及び第2共振器の共振モードの一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の駆動電流に対する光出力特性の一例を示す図である。 比較例による面発光型半導体素子の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の駆動電流に対する光出力特性の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の発振スペクトルの一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の発振波長の駆動電流依存性の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子を用いた半導体レーザアレイの一例を示す平面概略図である。 図17に示した面発光型半導体素子のB−B断面を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る面発光型半導体素子の他の例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体素子の一例を示す平面図である。 図20に示した面発光型半導体素子のC−C断面を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体素子に用いられる第2反射鏡の他の例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る面発光型半導体素子の他の例を示す平面図である。 図27に示した面発光型半導体素子のD−D断面を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体素子の一例を示す平面図である。 図29に示した面発光型半導体素子のE−E断面を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体素子の製造方法の一例を示す工程断面図(その4)である。 本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体素子の他の例を示す平面図である。 図35に示した面発光型半導体素子のF−F断面を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係る面発光型半導体素子に用いられる第3反射鏡の他の例を示す断面図である。
符号の説明
10…半導体基板
12…第1反射鏡
16…第1クラッド層
18…活性層
19…発光領域
20…第2クラッド層
24…第2反射鏡
26…コンタクト層
30…電極
38…第3反射鏡

Claims (11)

  1. 第1反射鏡と、
    前記第1反射鏡上に設けられた発光領域と、
    前記発光領域を挟んで前記第1反射鏡との間で前記発光領域からの発光の利得スペクトル幅において単一の共振モードで発振可能な第1共振器をなす第2反射鏡と、
    前記第1反射鏡の下方に設けられ、前記第1反射鏡との間で前記利得スペクトル幅において複数の共振モードで発振可能な第2共振器をなす第3反射鏡
    とを備えることを特徴とする面発光型半導体素子。
  2. 前記第1反射鏡が、第1半導体層、及び前記第1半導体層と異なる屈折率を有する第2半導体層を交互に積層した半導体多層膜であることを特徴とする請求項1に記載の面発光型半導体素子。
  3. 前記の第1反射鏡が、前記第1共振器で規定される発振波長において、97%以上、99.9%未満の反射率を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光型半導体素子。
  4. 前記第3反射鏡が、金属膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の面発光型半導体素子。
  5. 前記第3反射鏡が、金を主成分とする金属材料膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の面発光型半導体素子。
  6. 前記第3反射鏡が、第1誘電体層、及び前記第1誘電体層と異なる屈折率を有する第2誘電体層を交互に積層した誘電体多層膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の面発光型半導体素子。
  7. 前記第1反射鏡及び前記発光領域の間に設けられた第1クラッド層と、
    前記発光領域及び前記第2反射鏡の間に設けられた第2クラッド層と、
    前記第2反射鏡上に設けられたコンタクト層と、
    前記第1クラッド層及び前記コンタクト層のそれぞれの表面に設けられ、前記発光領域に電流を注入する一対の電極
    とを、更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の面発光型半導体素子。
  8. 前記金属膜が、レーザ光を出射するための開口部を有することを特徴とする請求項4に記載の面発光型半導体素子。
  9. 前記第3反射鏡が、前記第1反射鏡の下方に配置された高抵抗基板に設けられることを特徴とする請求項8に記載の面発光型半導体素子。
  10. 前記高抵抗基板が、ガリウム砒素からなることを特徴とする請求項9に記載の面発光型半導体素子。
  11. 前記発光領域が、ガリウム、インディウム、砒素、及び窒素の中の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の面発光型半導体素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011205006A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Furukawa Electric Co Ltd:The 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2012019157A (ja) * 2010-07-09 2012-01-26 Furukawa Electric Co Ltd:The 光インターコネクションシステム
WO2023132139A1 (ja) * 2022-01-07 2023-07-13 ソニーグループ株式会社 面発光レーザ

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