JP5460377B2 - パレット搬送装置及びパレット搬送方法 - Google Patents

パレット搬送装置及びパレット搬送方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワークを載せる複数のパレットを搬送するパレット搬送装置及びパレット搬送方法に関するものである。
従来、製造ラインにおいて、ワークをコンベアにて搬送し、搬送先の加工ステーションにおける工作機がワークに対して所定の加工を行う搬送装置がある。しかしながら、このような従来の搬送装置にあっては、例えばステータ等の重量の大きいワークを載せて搬送する場合、ワークを停止させた際にワークに働く慣性力が大きいため、搬送速度を高めることが難しく、ストッパーを介して正確に位置決めすることが難しいという不具合があった。
このような不具合を解消するために、本出願人は加工ステーションに対してワークを載せる複数のパレットを四角形の軌道で搬送するパレット搬送装置を提案した(例えば、特許文献1参照。)。この搬送装置では、互いに平行に延びる奥側パレットレールと手前側パレットレールと、奥側パレットレールと手前側パレットレールの各両端部に対峙する二位置間をそれぞれ移動してそれら各端部に対して接続可能とする左パレットレールと右パレットレールと、複数のパレットを奥側パレットレール又は手前側パレットレールに沿って進退させる左パレット送り機構と右パレット送り機構とを備える。そして、複数のパレットを左パレット送り機構と右パレット送り機構の間に挟持して搬送するようにしている。このように、複数のパレットを左パレット送り機構と右パレット送り機構の間に挟持して搬送することにより、ワークの搬送速度と位置決め精度を高めることが期待できるものである。
特開2007−21629号公報
しかし、上記パレット搬送装置では、複数のパレットを左パレット送り機構と右パレット送り機構の間に挟持して搬送するので、挟持される複数のパレットにおけるパレット間の間隔がそのパレットの搬送方向の全長に限定され、パレット間の間隔を変更したい場合には複数のパレットの全てをその全長が異なる別のパレット交換しなければならず、その間隔の変更に関して柔軟性に欠けるという未だ解決すべき課題が残存していた。
また、各加工ステーションの設置間隔はそこに設置される工作機の大きさ等により異なり、比較的大きな工作機が用いられている場合には加工ステーションの設置間隔は広がり、比較的小さな工作機が用いられる場合の加工ステーションの設置間隔は狭まる傾向にある。このように、加工ステーション間の間隔はそれぞれ異なるにもかかわらず、パレット間の間隔を変更することができないために、加工ステーション間の比較的大きな間隔にパレット搬送装置における複数のパレットの間隔を合わせようとすると、比較的小さな加工ステーション間における設置間隔が必要以上に大きくなり、その設置面積をいたずらに大きくする不具合もある。
本発明の目的は、パレットを変更することなくパレット間の間隔を変更させて、複数のパレットを互いの間隔が異なる別の加工ステーションにまで搬送し得るパレット搬送装置及びパレット搬送方法を提供することにある。
本発明のパレット搬送装置は、待機位置と点在して設置された複数の加工ステーションとを連結するパレットレールと、パレットレールに搭載され互いに連結された複数のパレットと、待機位置からパレットレール上を移動して加工ステーションでパレットの連結を解除して配置する1又は2以上の解除配置装置とを備える。
そして、その特徴ある構成は、待機位置から移動する複数のパレットの内の後方に位置するパレットの連結を順次解除して待機位置から順次通過する加工ステーションに複数のパレットを順次配置するように1又は2以上の解除配置装置が設けられたところにある。
また、本発明のパレット搬送方法は、待機位置と点在して設置された複数の加工ステーションとを連結するパレットレールに複数のパレットを互いに連結して搭載し、連結された複数のパレットを待機位置からパレットレール上を複数の加工ステーションに向けて移動させ、移動する複数のパレットの内の後方に位置するパレットの連結を順次解除して待機位置から順次通過する加工ステーションに連結が解除されたパレットを順次配置することを特徴とする。
本発明のパレット搬送装置及びパレット搬送方法では、互いに連結されて移動する複数のパレットの連結を順次解除して順次通過する加工ステーションに順次配置するので、その複数のパレットが到達する距離を異ならせることができる。このため、例えば待機位置では複数のパレットが接近又は密着していたとしても、搬送後ではそれら複数のパレット間の間隔を拡げることができ、互いの間隔が異なる別の加工ステーションまでそれらのパレットを搬送することができる。
本発明実施形態のパレット搬送装置を示す正面図である。 図1のA部の拡大図である。 図2のB−B線断面図である。 その解除配置装置を示す図2の反対側からパレットレールを見た図である。 図2の連結されたパレットを上方から見た図である。 図1のC−C線断面図である。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明におけるパレット搬送装置10を示す。各図において、互いに直交するX,Y,Zの3軸を設定し、X軸が略水平横方向、Y軸が略水平前後方向、Z軸が鉛直方向に延びるものとし、パレット搬送装置10の構成について説明する。この実施の形態におけるパレット搬送装置10は、モータ等の電動機におけるステータを製造するラインに設けられるものを例示し、図1に示すように、この製造ラインは3台の加工ステーション1〜3がX軸方向に所定の間隔で一列に並ぶものを示す。各加工ステーション1〜3は箱形形状を成し、内部には図示しない工作機が設置される。そして、各加工ステーション1〜3における工作機は、パレット搬送装置10によって搬送される図示しないワークに対して絶縁部材の挿入、各相のコイルのリード線のカシメ、溶接等、各種加工を順に行い、図示しないステータを自動的に製造するものとする。
パレット搬送装置10は、待機位置と点在して設置された複数の加工ステーション1〜3とを連結するパレットレール16と、そのパレットレール16に搭載された複数のパレット11〜13とを備える。図1に示すように、複数の加工ステーション1〜3はX軸方向に直線的に配置され、そのX軸の延長線上に待機位置となる待機テーブル4が設置される。複数の加工ステーション1〜3にはパレットレール16が固定される架台1a〜3aがそれぞれ形成され、待機テーブル4にはパレットレール16が固定される天板4aが設けられる。この実施の形態では、待機位置となる待機テーブル4から最も遠い加工ステーション1から順に第1,第2及び第3加工ステーション1〜3とし、これらの加工ステーション1〜3の数に対応させて3台のパレット11〜13がパレットレール16に搭載される。そして、図1(a)に示すように、待機位置に搭載された状態で加工ステーション1〜3側のパレットを先頭のパレット11とし、それに続くパレットを中間のパレット12とし、最も待機位置側にあるパレットを後端のパレット13として説明する。なお、パレット11〜13の台数は3台に限らず、加工ステーション1〜3の数に応じて適宜に増減されるものである。
図3に示すように、この実施の形態におけるパレットレール16は、断面においてZ軸方向に長い方形を成す支持板18と、その支持板18の上縁にねじ止めにより固定された市販の直線運動ガイドレール19を備える。支持板の下端には取付板17が溶接され、その取付板17が各加工ステーション1〜3における架台1a〜3a及び待機テーブル4における天板4aに直接ネジ止めされる(図3では、第3加工ステーション3の架台3aに固定されたものを示す。)。図1に示すように、待機テーブル4における天板4aは、3台のパレット11〜13を接近又は密着させた状態で搭載可能な広さを有し、これらの架台1a〜3a及び天板4aにネジ止めされることにより、パレットレール16は待機テーブル4上における待機位置と複数の加工ステーション1〜3とを連結するように固定される。
パレットレール16に搭載される3台のパレット11〜13はそれぞれ同一構造であり、図2〜図6に示すように、これらのパレット11〜13は、パレットレール16を跨いでそのレール16上を移動可能に構成された直線運動ブロック11a〜13aと、そのブロック11a〜13aにねじ止めされた台座11b〜13bとを有する。この直線運動ブロック11a〜13aはパレットレール16における直線運動ガイドレール19(図3)と対に販売される市販のものであって、図5に示すように、各台座11b〜13bに対して直線運動ブロック11a〜13aがそれぞれ2個ずつX軸方向に離間して設けられる。この直線運動ブロック11a〜13aを用いることにより、その幅方向(Y軸方向)の移動を禁止しつつパレット11〜13がパレットレール16上を移動する抵抗を軽減するものである。これによりパレット11〜13はパレットレール16に移動可能に搭載される。そして、図示しないが、各パレット11〜13におけるそれぞれの台座11b〜13bには、図示しないワークを搭載するためのワーク支持具が更に搭載され、これら複数のパレット11〜13には、そのワーク支持具を介して図示しないワークを搭載可能に構成される。
これら複数のパレット11〜13は待機位置におけるパレットレール16に搭載された状態で互いに連結される。図2,図3及び図5に示すように、この連結のための連結具21は先行するパレット11〜13に設けられた係止ピン22と、そのパレット11,12より後方のパレット12,13に回転自在に設けられたフック23と、そのフック23を回転付勢する弾性体24とを備える。従って、3台のパレットを用いるこの実施の形態では、先頭のパレット11には係止ピン22のみが設けられ、後端のパレット13にはフック23と弾性体24が設けられ、中間のパレット12には係止ピン22、フック23及び弾性体24の全てが設けられる。係止ピン22は取付台22aを介してパレット11,12における台座11a,12aにそのY軸方向における側面後方にY軸方向に突出するように固定され、フック23は枢支台23aにおける枢支ピン23bに基端が枢支される。枢支台23aはパレット12,13における台座12a,13aにそのY軸方向における側面であって、その台座12a,13aの前方に取付けられる。そして、基端が枢支されたフック23の先端における係止爪23cは先行するパレット11,12における係止ピン22に上側から係止可能に構成される。
一方、弾性体24はコイルスプリングであり、このコイルスプリング24の一端がフック23に取付けられその他端が枢支台23aに取付けられた取付ピン23dに取付けられる。弾性体であるコイルスプリング24はそのフック23を係止ピン22に係止させる方向に回転付勢してその係止状態を維持するとともに、取付ピン23dは係止ピン22に係止しない状態のフック23に当接して取付ピン23dを越えてフック23が図2の下方に下がることを防止するように構成される。そして、フック23が設けられたパレット12,13が先行するパレット11,12と接触した状態で、それらのフック23が先行するパレット11,12に設けられた係止ピン22に係止可能に構成される。これにより、待機位置における複数のパレット11〜13はパレットレール16に搭載された状態で互いに連結するように構成される。なお、符号14は、先行するパレット11,12に接触する2台目以降のパレット12,13にそれぞれ設けられ、その接触時に搭載した図示しないワークに衝撃が加わることを回避するための緩衝材である。
図1に戻って、このパレット搬送装置10は、その複数のパレット11〜13が連結されて集合する待機テーブル4上の待機位置と、その待機位置から離間する複数の加工ステーション1〜3との間をパレットレール16に沿って搬送する搬送手段26を備える。この実施の形態におけるパレット搬送手段26は3台のパレット11〜13の内の先頭のパレット11を搬送するものであって、パレットレール16に沿って設けられ、待機位置とその待機位置から最も遠い第1加工ステーション1とを連結する循環ベルト27と、この循環ベルト27を循環させる循環機構31とを備える。この循環ベルト27の両端は、その第1加工ステーション1に設けられた駆動プーリ31aと、待機テーブル4に設けられた従動プーリ31bとの間に架設される。そして、この循環ベルト27が先頭のパレット11に固定される。図3及び図5に示すように、この固定は駆動プーリ31aと従動プーリ31bとの間に架設された図3の上側のベルト27の一部を挟持部材32により挟み、そのベルト27を挟んだ挟持部材32を先頭のパレット11にネジ止めすることにより行われる。よって、中間のパレット12と後端のパレット13に循環ベルト27は固定されない。
図1に示すように、循環ベルト27を循環させる循環機構31は、上記駆動プーリ31a及び上記従動プーリ31bを含み、更に上記駆動プーリ31aを回転可能なサーボモータ31cを備える。即ち、回転軸に駆動プーリ31aが取付けられたサーボモータ31cが第1加工ステーション1に取付けられる。このサーボモータ31cにおける制御は図示しないコントローラにより行われ、図示しないコントローラからの指令によりそのサーボモータ31cが駆動すると、その回転軸が駆動プーリ31aとともに回転し、駆動プーリ31aに掛け回された循環ベルト27が従動プーリ31bとの間で循環するように構成される。このように循環ベルト27が循環すると、そのベルト27に固定された先頭のパレット11はパレットレール16上を移動するように構成される。
ここで、図1及び図2における符号33は、図の循環ベルト27の下側を支持してその循環ベルト27の弛みを抑制するベルトレール33であって、図2における符号34は、そのベルトレール33にその長手方向に所定の間隔を空けて設けられて、そのベルトレール33をパレットレール16に取付ける支持部材34である。なお、図1ではサーボモータ31cを用いた循環機構31を示し、その駆動プーリ26bと従動プーリ26cを第1加工ステーション1と待機テーブル4に設ける例を示すけれども、駆動プーリ26bと従動プーリ26cをパレットレール16の両端部に設けても良く、駆動プーリ31aを回転可能である限りサーボモータ31cに代えてエア又は油圧シリンダ等を用いて循環ベルト27を循環させるようにしても良い。
図1に戻って、第2及び第3加工ステーション2,3に対向する部位には、待機位置からパレットレール16上を移動して、それらの加工ステーション2,3でパレット12,13の連結を解除して配置する解除配置装置35が設けられる。図2に示すように、この実施の形態における解除配置装置35は、解除シリンダ36と、配置シリンダ37の双方から成り、待機位置から最も遠い第1加工ステーション11を除く他の第2及び第3加工ステーション12,13に対峙する位置にそれぞれ設けられる。ここで、待機位置から加工ステーション1〜3に向かうパレット11〜13の移動を前進とし、加工ステーション1〜3から待機位置に向かうパレット11〜13の移動を後退として説明する。
第3加工ステーション3に対峙して設けられた解除配置装置35を説明すると、図2及び図3に示すように、互いに連結されて待機位置から前進する複数のパレット11〜13の内で後端のパレット13がその加工ステーション3に対峙した状態で、そのパレット13を先行するパレット12と連結するフック23の下方に解除シリンダ36が設けられる。その解除シリンダ36は、出没軸36aがそのフック23に臨むZ軸方向にして加工ステーション3の架台3aに取付ブラケット36bを介して取付けられる。この解除シリンダ36は、その出没軸36aが突出した状態でその上方にあるフック23を図2の一点鎖線で示すように押し上げ、その先端における係止爪23cを先行するパレット12における係止ピン22から離脱させてパレット13の連結を解除し、その出没軸36aが没入した状態でフック23の先端における係止爪23cを先行するパレット12における係止ピン22に上側から係止可能に構成される。
一方、図3及び図4に示すように、待機位置から互いに連結された複数のパレット11〜13が加工ステーション1〜3に向かって前進して、最も後方に位置する後端のパレット13がその第3加工ステーション3に対峙した状態で、そのパレット13に取付けられた突起13cに当接して、そのパレット13のそれ以上の前進を禁止する第1ストッパ部材38がパレットレール16にブラケット38aを介して取付けられる。配置シリンダ37は、その第1ストッパ部材38とともにブラケット37bを介してパレットレール16に取付けられる。図4に示すように、この配置シリンダ37は、その出没軸37aが突出した状態で第1ストッパ部材38に当接した突起13cをそのストッパ部材38とともに挟み、そのパレット13の前進及び後退の双方を禁止し、その出没軸37aが没入した状態でそのパレット13の後退を許容するように構成される。
次に、第2加工ステーション2に対峙して設けられた解除配置装置35を説明すると、その解除シリンダ36は、図1(c)及び図6に示すように、第3加工ステーション3を通過して前進する複数のパレット11,12の内で後方に位置する中間のパレット12が第2加工ステーション2に対峙した状態で、そのパレット12を先行するパレット11と連結するフック23の下方に設けられる。そして、第3加工ステーション3に対峙して設けられた解除配置装置35と同様に、その解除シリンダ36は、上述したように、その出没軸36aが突出した状態で中間のパレット12の連結を解除し、その出没軸36aが没入した状態でその中間のパレット12を先頭のパレット11に係止可能に構成される。
一方、図6に示すように、第3加工ステーション3を通過して前進して、後方に位置することになる中間のパレット12が第2加工ステーション2に対峙した状態で、そのパレット12に取付けられた突起12cに当接して、そのパレット12のそれ以上の前進を禁止する第2ストッパ部材39がパレットレール16に取付けられる。配置シリンダ37は、その第2ストッパ部材39とともにパレットレール16に取付けられ、この配置シリンダ37は、その出没軸37aが突出した状態で第2ストッパ部材38とともに中間のパレット12に設けられた突起12cを挟み、その中間のパレット12の前進及び後退の双方を禁止し、その出没軸37aが没入した状態でそのパレット12の後退を許容するように構成される。
図3、図5及び図6に示すように、第2及び第3加工ステーション2,3に対峙して設けられた第1及び第2ストッパ部材38,39はY軸方向にずれて設けられ、この第1及び第2ストッパ部材38,39に当接するように、突起12c,13cもY軸方向にずれてパレット12,13に設けられる。このように第1及び第2ストッパ部材38,39を突起12c,13cとともにY軸方向にずれて設けることにより、待機位置から連結されて移動する複数のパレット11〜13の内の後方に位置するパレット12,13を順次通過する加工ステーションでそれ以上の前進を禁止するように構成される。そして、第1及び第2ストッパ部材38,39により前進が禁止されたパレット12,13の連結を解除シリンダ36により解除し、同時に配置シリンダ37により突起12c,13cを挟持してパレット12,13の前進及び後退を禁止する。このように、解除配置装置35は、待機位置から連結されて移動する複数のパレット11〜13の内の後方に位置するパレット12,13の連結を順次解除し、その待機位置から順次通過する加工ステーション2,3に順次配置するように、パレットレール16に沿ってそれぞれ設けられる。
次に、上記パレット搬送装置を用いた本発明におけるパレット搬送方法を説明する。
本発明におけるパレット搬送方法は、待機位置と点在して設置された複数の加工ステーション1〜3とを連結するパレットレール16に複数のパレット11〜13を互いに連結して搭載し、連結された複数のパレット11〜13を待機位置からパレットレール16上を複数の加工ステーション1〜3に向けて移動させ、移動する複数のパレット11〜13の内の後方に位置するパレットの連結を順次解除して待機位置から順次通過する加工ステーション1〜3に連結が解除されたパレットを順次配置することを特徴とする。この複数のパレット11〜13には既に加工用の図示しないワークが搭載されているものとし、その搭載はパレットレール16に複数のパレット11〜13を搭載した状態で行われ、又は予めワークが搭載された複数のパレット11〜13をパレットレール16に搭載することにより行われる。なお、図1(a)に示すように、待機位置では、複数のパレット11〜13を接近又は密着させて、互いの間の隙間が生じないか又は極めて少ないような状態で連結されるものとする。
待機位置にあって連結された複数のパレット11〜13をパレットレール16に沿って加工ステーション1〜3に向けて前進させる。このパレット11〜13の前進は、循環ベルト27を循環させることにより行われる。循環ベルト27の循環は循環機構31により行われ、そのサーボモータ31cを図示しないコントローラからの指令により駆動させると、駆動プーリ31aが回転し、それらに掛け回された循環ベルト27を循環させる。すると、循環ベルト27に固定された先頭のパレット11は循環ベルト27の循環とともに前進し、これにより、その先頭のパレット11とともにそれに連結された全てのパレット11〜13を前進させることができる。
複数のパレット11〜13が連結された状態で前進すると、図1(b)に示すように、最初に第3加工ステーション3に対峙する。すると、図2〜図4に示すように、連結された複数のパレット11〜13の内で最も後方に位置する後端のパレット13の突起13cがその加工ステーション3に対峙して設けられた第1ストッパ部材38に当接しそれ以上の移動が禁止される(図4)。パレット13の突起13cが第1ストッパ部材38に当接したことを図示しないセンサが検出したならば、図示しないコントローラは第3加工ステーション3に対峙して設けられた解除シリンダ36と配置シリンダ37のそれぞれの出没軸36a,37aを突出させる。すると、解除シリンダ36の突出する出没軸36aはその上方に位置するフック23を押し上げ、その先端における係止爪23cを先行する中間のパレット12における係止ピン22から離脱させ、その後端のパレット13における連結を解除する(図2)。そして、配置シリンダ37の出没軸37aが突出すると、第1ストッパ部材38に当接した突起13cをその第1ストッパ部材38とともに挟み、後端のパレット13の前進及び後退の双方を禁止し、その後端のパレット13を第3加工ステーション3に対峙して配置する(図4)。
後端のパレット13の連結が解除されても、その後端のパレット13を除く他のパレット11,12は連結された状態で更に前進する。そして、図1(c)及び図6に示すように、次の第2加工ステーション2に対峙すると、その後方に位置する中間のパレット12の突起12cがその加工ステーション2に対峙して設けられた第2ストッパ部材39に当接しそれ以上の前進が禁止される。パレット12の突起12cが第2ストッパ部材39に当接したことを図示しないセンサが検出すると、図示しないコントローラはその第2加工ステーション2に対峙して設けられた解除シリンダ36と配置シリンダ37のそれぞれの出没軸36a,37aを突出させる。そして、解除シリンダ36の突出する出没軸36aはその上方に位置するフック23を押し上げ、中間のパレット12の連結を解除する。そして、配置シリンダ37の出没軸37aが突出して、第2ストッパ部材39に当接した突起12cをその第2ストッパ部材39とともに挟み、中間のパレット12の前進及び後退の双方を禁止し、そのパレット12を第2加工ステーション2に配置する。
このようなことを繰り返すことにより、待機位置から移動する複数のパレットの内の後方に位置するパレット12,13の連結を順次解除して待機位置から順次通過する加工ステーション2,3に複数のパレット12,13を順次配置する。すると、図1(d)に示すように、最終的に先頭のパレット11のみになり、この先頭のパレット11が待機位置から最も離れた第1加工ステーション1に対峙した段階でサーボモータ31cは停止され、循環ベルト27の循環を停止することにより、その循環ベルト27に取付けられた先頭のパレット11を待機位置から最も遠い第1加工ステーション1に対峙して配置する。これにより、複数のパレット11〜13は各加工ステーション1〜3に対峙した状態で維持される。このため、待機位置では複数のパレット11〜13は接近していたけれども、搬送後ではそれらの間の間隔は拡がり、パレット11〜13を変更することなく、それらの間隔を広げることができる。そして、複数のパレット11〜13間の間隔は解除配置装置36の設置位置により自在に調整することができる。
なお、複数のパレット11〜13が各加工ステーション1〜3に対峙した状態で、各加工ステーション1〜3における図示しない工作機を作動させ、各パレット11〜13に載った図示しない各ワークに対して絶縁部材の挿入、各相のコイルのリード線のカシメ、溶接等、各種加工が並行して行われる。
一方、各加工ステーション1〜3における図示しないワークに対する加工が終了した後は、各加工ステーション1〜3に対峙した複数のパレット11〜13を逆方向に移動させて待機位置に戻す。このパレット11〜13の後退は循環ベルト27を逆方向に循環させることにより行われる。循環ベルト27の逆方向への循環はサーボモータ31cにより行われ、その回転方向を逆にして駆動プーリ31aを逆方向に回転させる。これにより、循環ベルト27も逆方向に循環し、その循環ベルト27が取付けられた先頭のパレット11は逆方向に移動する。
先頭のパレット11が逆方向に移動、即ち後退して、第1加工ステーション1に隣接する第2加工ステーション2に達すると、解除配置装置35によりその加工ステーション2に対峙して配置された中間のパレット12に接触する。先頭のパレット11が接触したことを図示しないセンサが検出すると、図示しないコントローラはその第2加工ステーション2における解除シリンダ36と配置シリンダ37のそれぞれの出没軸36a,37aをそれぞれ没入させる。すると、解除シリンダ36の出没軸36aの没入とともにその上方に位置するフック23はスプリング24の付勢力により下降し、その先端における係止爪23cが先頭のパレット11における係止ピン22に係止し、先頭のパレット11にこの中間のパレット12が連結する。そして、配置シリンダ37の出没軸37aが没入することによりその中間のパレット12の後退が許容され、その中間のパレット12は先頭のパレット11に連結された状態でその先頭のパレット11とともに更に後退する。
中間のパレット12が先頭のパレット11とともに後退し、その次の第3加工ステーション3に対峙すると、解除配置装置35によりその第3加工ステーション3に対峙して配置された後端のパレット13に接触する。中間のパレット12が接触したことを図示しないセンサが検出すると、図示しないコントローラはその第3加工ステーション3における解除シリンダ36と配置シリンダ37のそれぞれの出没軸36a,37aをそれぞれ没入させ、中間のパレット12にこの後端のパレット13を連結するとともに、その後端のパレット12の後退を許容する。これにより、その後端のパレット12は中間のパレット12に連結され、3台のパレット11〜13は互いに連結された状態で更に後退する。
このようにして、複数のパレット11〜13を順次連結しつつ後退させ、最終的に複数のパレット11〜13が待機位置に戻った段階でサーボモータ31cは停止され、循環ベルト27の循環を停止することにより、その循環ベルト27に取付けられた先頭のパレット11及びそのパレット11に連結された他のパレット12,13をパレットレール16の待機位置に配置する。
パレットレール16の待機位置では、複数のパレット11〜13に搭載された図示しないワークを順次移動させる。そして、その後前進させて各パレットを各加工ステーションにまで搬送することが繰り返される。これにより、例えば、先頭のパレット11に搭載されて第1加工ステーション1における加工が成されたワークは、繰り返される次の工程において中間のパレット12に搭載され、第2加工ステーション2における加工がなされることになる。
以上のような構成のパレット搬送装置及びパレット搬送方法では、各パレット11〜13は、パレットレール16に搭載された状態で移動するため、重量の大きいワークであっても、高速で搬送し、解除配置装置35により所定位置に配置することが可能であり、生産性を高められる。
また、このようなパレット搬送装置10及びパレット搬送方法では、パレットレール16に沿ってそのパレット11〜13を移動させ、解除配置装置35によりパレット11〜13の連結を解除して配置するので、その解除配置装置35の取付け位置を加工ステーション2,3に対峙させることにより、複数のパレット11〜13が到達する移動距離を待機位置から各加工ステーション1〜3までとすることができる。よって、待機位置のパレットレール16に搭載された状態で接近又は密着していた複数のパレット11〜13を搬送後にはそれらの間隔を広げて、異なる間隔を空けて設けられた複数の加工ステーション1〜3に別々に対峙させることができる。また、加工ステーション1〜3に対峙した複数のパレット11〜13の間隔を減少させて連結し、その複数のパレット11〜13を互いに接近又は密着させた状態で待機位置にまで戻すこともできる。よって、各加工ステーション1〜3の変更又は加工対象物の変更等が成されて、ワークを搬送する距離が変更されても、パレット11〜13自体を変更することなく速やかにその間隔の変更に対応させることが可能となる。
具体的に、本発明では、第1〜第3加工ステーション1〜3の設置間隔が異なっていても、それぞれの各加工ステーション1〜3に各パレット11〜13を対峙させることができるので、比較的大きな間隔を空けて比較的大きな加工ステーションが用いられていたとしても、比較的小さな加工ステーション間における設置間隔をその大きな加工ステーションにおける設置間隔に合わせることはなく、それらの加工ステーション1〜3を設置する設置面積をいたずらに大きくするようなことはない。これは、待機位置の複数のパレット11〜13に搭載された図示しないワークを順次移動させて順次別の加工ステーション1〜3においてワークにおける加工を行う場合に有効であり、この場合、複数のパレット11〜13に搭載された図示しないワークは、繰り返される次の工程において次の加工ステーションにおける加工が順次なされることになる。
なお、上述した実施の形態では、ワークに対して絶縁部材の挿入、各相のコイルのリード線のカシメ、溶接等、各種加工を順に行う加工ステーション1〜3を用い、待機位置において複数のパレット11〜13に搭載された図示しないワークを順次移動させる場合を説明したが、各加工ステーション1〜3として同一の加工を行うものを用い、待機位置において、全てのパレット11〜13をワークが搭載された新たなパレット11〜13に入れ替えるか或いはパレット11〜13を残存させて全てのワークを新たなワークに入れ替えるようにしても良い。この場合、パレットの渋滞を解消することができる。
即ち、各加工ステーション1〜3は同一の加工を行うものであるので、待機位置において、全てのパレット11〜13をワークが搭載された新たなパレット11〜13に入れ替えるか或いはパレット11〜13を残存させて全てのワークを新たなワークに入れ替えるようにすれば、複数のパレット11〜13に搭載された複数のワークに対して同時に同一の加工を施すことができる。このため、この加工ステーション1〜3における加工時間が比較的長いものであっても、前工程の比較的短時間で加工が終了して渋滞している複数のパレットにおけるワークに対して複数の加工ステーション1〜3が同時に同一の加工を施すことができる。よって、その加工工程に至る前段階において、その前工程の比較的短時間で加工が終了したパレットの渋滞を解消し、単一の加工ステーションが加工していた場合に比較してその作業時間を短縮させることができる。
また、上述した実施の形態では、複数のパレット11〜13を連結する連結具21として、先行するパレット11〜13に設けられた係止ピン22と、後方のパレット12,13に回転自在に設けられたフック23と、そのフック23を回転付勢する弾性体24とを備えるものを例示したけれども、この連結具21は、複数のパレット11〜13を連結し得る限り、先行するパレット11〜13にフック23を設け、後方のパレット12,13に係止ピン22を設けても良く、このようなフック23を用いることなく複数のパレット11〜13を連結するような他の構造のものであっても良い。
更に、上述した実施の形態では、循環ベルト27を先頭のパレット11に固定して、その先頭のパレット11が対峙する第1加工ステーション1に解除配置装置35を設けていないけれども、図示しないが、その先頭のパレット11に先行して先導部材をパレットレール16に搭載し、循環ベルト27を先頭のパレット11に固定することなくその先導部材に固定し、先頭のパレット11をその先導部材に連結させても良い。この場合であっても、第1加工ステーション1でその先頭のパレット11の図示しない先導部材に対する連結を解除して配置する解除配置装置35を設けることにより、第1加工ステーション1にその先頭のパレット11を配置することが可能になる。
1〜3 加工ステーション
4 待機テーブル(待機位置)
10 パレット搬送装置
11〜13 パレット
16 パレットレール
35 解除配置装置

Claims (2)

  1. 待機位置(4)と点在して設置された複数の加工ステーション(1〜3)とを連結するパレットレール(16)と、
    前記パレットレール(16)に搭載され互いに連結された複数のパレット(11〜13)と、
    前記待機位置(4)から前記パレットレール(16)上を移動して前記加工ステーション(1〜3)で前記パレット(11〜13)の連結を解除して配置する1又は2以上の解除配置装置(35)と
    を備え、
    前記待機位置(4)から移動する複数の前記パレット(11〜13)の内の後方に位置するパレットの連結を順次解除して前記待機位置(4)から順次通過する前記加工ステーション(2,3)に前記複数のパレット(12,13)を順次配置するように前記1又は2以上の解除配置装置(35)が設けられた
    ことを特徴とするパレット搬送装置。
  2. 待機位置(4)と点在して設置された複数の加工ステーション(1〜3)とを連結するパレットレール(16)に複数のパレット(11〜13)を互いに連結して搭載し、
    連結された前記複数のパレット(11〜13)を前記待機位置(4)から前記パレットレール(16)上を前記複数の加工ステーション(1〜3)に向けて移動させ、
    移動する前記複数のパレット(11〜13)の内の後方に位置するパレットの連結を順次解除して前記待機位置(4)から順次通過する加工ステーション(2,3)に連結が解除された前記パレット(12,13)を順次配置する
    ことを特徴とするパレット搬送方法。
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