上述のような互いに極性の異なる直流電圧を出力できる電源装置では、小型化が要請されていた。
上述の課題を鑑み、本発明は、互いに極性の異なる直流電圧を出力できる電源装置の小型化を実現することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1)本発明は、直流電源と、前記直流電源の正極または負極と基準電位源とを接続する第1の接続部と、前記直流電源の正極または負極と電源出力端子とを接続する第2の接続部と、を備えることを特徴とする電源装置を提案している。
この発明によれば、直流電源と、直流電源の正極または負極と基準電位源とを接続する第1の接続部と、直流電源の正極または負極と電源出力端子とを接続する第2の接続部と、を設けた。
このため、第2の接続部により、直流電源の正極と電源出力端子とを接続すると、電源出力端子からは、直流電源の正極と同電位の電圧が出力される。一方、第1の接続部により、直流電源の負極と基準電位源とを接続すると、直流電源の負極の電位は、基準電位源の電位である基準電位と等しくなるので、直流電源の正極の電位は、基準電位に対して直流電源の電源電圧分だけ高くなる。
以上より、第1の接続部により直流電源の負極と基準電位源とを接続するとともに、第2の接続部により直流電源の正極と電源出力端子とを接続することで、基準電位に対して直流電源の電源電圧分だけ電位の高い正電圧を電源出力端子から出力できる。
また、第2の接続部により、直流電源の負極と電源出力端子とを接続すると、電源出力端子からは、直流電源の負極と同電位の電圧が出力される。一方、第1の接続部により、直流電源の正極と基準電位源とを接続すると、直流電源の正極の電位は、基準電位源の電位である基準電位と等しくなるので、直流電源の負極の電位は、基準電位に対して直流電源の電源電圧分だけ低くなる。
以上より、第1の接続部により直流電源の正極と基準電位源とを接続するとともに、第2の接続部により直流電源の負極と電源出力端子とを接続することで、基準電位に対して直流電源の電源電圧分だけ電位の低い負電圧を電源出力端子から出力できる。
以上によれば、1つの直流電源と、第1の接続部および第2の接続部と、を備える電源装置により、互いに極性の異なる直流電圧を出力できる。このため、従来の電源装置と比べて、必要な直流電源の数を減少させることができるので、電源装置の小型化を実現できる。
(2)本発明は、(1)の電源装置について、前記第1の接続部は、入力端子が前記基準電位源に接続された第1の一方向性素子と、出力端子が前記直流電源の負極に接続され、入力端子が前記第1の一方向性素子の出力端子に接続された第1のスイッチ素子と、出力端子が前記基準電位源に接続され、入力端子が前記直流電源の正極に接続され、制御端子が前記直流電源の正極と前記第1のスイッチ素子の入力端子とに接続された第2のスイッチ素子と、を備え、前記第2の接続部は、入力端子が前記電源出力端子に接続された第2の一方向性素子と、出力端子が前記直流電源の負極に接続され、入力端子が前記第2の一方向性素子の出力端子に接続された第3のスイッチ素子と、出力端子が前記電源出力端子に接続され、入力端子が前記直流電源の正極に接続され、制御端子が前記直流電源の正極と前記第3のスイッチ素子の入力端子とに接続された第4のスイッチ素子と、を備えることを特徴とする電源装置を提案している。
この発明によれば、第1の接続部に、第1の一方向性素子、第1のスイッチ素子、および第2のスイッチ素子を設けた。そして、第1の一方向性素子の入力端子には、基準電位源に接続し、第1の一方向性素子の出力端子には、第1のスイッチ素子の入力端子を接続した。第1のスイッチ素子の出力端子には、直流電源の負極を接続し、第1のスイッチ素子の入力端子には、上述の第1の一方向性素子の出力端子に加えて、第2のスイッチ素子の制御端子を接続した。第2のスイッチ素子の出力端子には、基準電位源を接続し、第2のスイッチ素子の入力端子には、直流電源の正極を接続し、第2のスイッチ素子の制御端子には、上述の第1のスイッチ素子の入力端子に加えて、直流電源の正極を接続した。
また、第2の接続部に、第2の一方向性素子、第3のスイッチ素子、および第4のスイッチ素子を設けた。そして、第2の一方向性素子の入力端子には、電源出力端子を接続し、第2の一方向性素子の出力端子には、第3のスイッチ素子の入力端子を接続した。第3のスイッチ素子の出力端子には、直流電源の負極を接続し、第3のスイッチ素子の入力端子には、上述の第2の一方向性素子の出力端子に加えて、第4のスイッチ素子の制御端子を接続した。第4のスイッチ素子の出力端子には、電源出力端子を接続し、第4のスイッチ素子の入力端子には、直流電源の正極を接続し、第4のスイッチ素子の制御端子には、上述の第3のスイッチ素子の入力端子に加えて、直流電源の正極を接続した。
このため、第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第3のスイッチ素子をオフ状態にすると、電源出力端子と直流電源の負極とが絶縁される。
また、第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第3のスイッチ素子をオフ状態にすると、第4のスイッチ素子の制御端子に直流電源の正極から電流が流れ、第4のスイッチ素子はチャージされてオン状態となる。このため、オン状態の第4のスイッチ素子を介して、電源出力端子と直流電源の正極とが電気的に接続され、電源出力端子の電位は、直流電源の正極の電位と等しくなる。
したがって、第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第3のスイッチ素子をオフ状態にすることで、直流電源の正極と同電位の電圧を電源出力端子から出力できる。
一方、第1のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子をオン状態にすると、オン状態の第1のスイッチ素子を介して、第2のスイッチ素子の制御端子と直流電源の負極とが電気的に接続され、第2のスイッチ素子の制御端子の電流が引き抜かれることとなる。その結果、第2のスイッチ素子はオフ状態となり、基準電位源と直流電源の正極とが絶縁される。
また、第1のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子をオン状態にすると、オン状態の第1のスイッチ素子および第1の一方向性素子を介して、基準電位源と直流電源の負極とが電気的に接続され、直流電源の負極の電位は、接地電位と等しくなる。
したがって、第1のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子をオン状態にすることで、直流電源の正極の電位を、接地電位に対して直流電源の電源電圧分だけ高くすることができる。
以上より、第1のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子をオン状態にするとともに、第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第3のスイッチ素子をオフ状態にすることで、接地電位に対して直流電源の電源電圧分だけ電位の高い正電圧を電源出力端子から出力できる。
一方、第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第3のスイッチ素子をオン状態にすると、オン状態の第3のスイッチ素子を介して、第4のスイッチ素子の制御端子と直流電源の負極とが電気的に接続され、第4のスイッチ素子の制御端子の電流が引き抜かれることとなる。その結果、第4のスイッチ素子は、オフ状態となり、電源出力端子と直流電源の正極とが絶縁される。
また、第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第3のスイッチ素子をオン状態にすると、オン状態の第3のスイッチ素子および第2の一方向性素子を介して、電源出力端子と直流電源の負極とが電気的に接続され、電源出力端子の電位は、直流電源の負極の電位と等しくなる。
したがって、第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第3のスイッチ素子をオン状態にすることで、直流電源の負極と同電位の電圧を電源出力端子から出力できる。
一方、第1のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子をオフ状態にすると、基準電位源と直流電源の負極とが絶縁される。
また、第1のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子をオフ状態にすると、第2のスイッチ素子の制御端子に直流電源の正極から電流が流れ、第2のスイッチ素子はチャージされてオン状態となる。このため、オン状態の第2のスイッチ素子を介して、基準電位源と直流電源の正極とが電気的に接続され、直流電源の正極の電位は、接地電位と等しくなる。
したがって、第1のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子をオフ状態にすることで、直流電源の負極の電位を、接地電位に対して直流電源の電源電圧分だけ低くすることができる。
以上より、第1のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子をオフ状態にするとともに、第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第3のスイッチ素子をオン状態にすることで、接地電位に対して直流電源の電源電圧分だけ電位の低い負電圧を電源出力端子から出力できる。
以上のように、第1のスイッチ素子の制御端子および第3のスイッチ素子の制御端子に制御信号を送信して、第1のスイッチ素子および第3のスイッチ素子を制御することで、正電圧および負電圧を電源出力端子から出力できる。このため、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
本発明によれば、従来の電源装置と比べて必要な直流電源の数を減少させることができるので、電源装置の小型化を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<第1実施形態>
図1、2、3は、本発明の第1実施形態に係る電源装置1の回路図である。より詳細には、図1は、出力端子OUTから正電圧を出力する場合の電源装置1の回路図であり、図2は、出力端子OUTから負電圧を出力する場合の電源装置1の回路図であり、図3は、出力端子OUTから接地電位と同電位の電圧を出力する場合の電源装置1の回路図である。
電源装置1は、直流電源10と、基準電位源40と、直流電源10の正極または負極と基準電位源40とを接続するリレー20と、直流電源10の正極または負極と出力端子OUTとを接続するリレー30と、リレー20およびリレー30を制御する制御部(図示省略)と、を備える。この電源装置1は、制御部によりリレー20を制御することで、直流電源10の正極または負極と基準電位源40とを接続するとともに、制御部によりリレー30を制御することで、直流電源10の正極または負極と出力端子OUTとを接続する。
図1では、電源装置1は、制御部によりリレー20を制御して、直流電源10の負極と基準電位源40とを接続するとともに、制御部によりリレー30を制御して、直流電源10の正極と出力端子OUTとを接続している。
直流電源10の正極と出力端子OUTとを接続すると、出力端子OUTの電位は、直流電源10の正極の電位と等しくなり、出力端子OUTからは、直流電源10の正極と同電位の電圧が出力される。
一方、直流電源10の負極と基準電位源40とを接続すると、直流電源10の負極は接地されることとなるため、直流電源10の負極の電位は、接地電位と等しくなる。このため、直流電源10の正極の電位は、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ高くなる。
以上より、電源装置1は、図1の状態では、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ電位の高い正電圧を出力端子OUTから出力する。
図2では、電源装置1は、制御部によりリレー20を制御して、直流電源10の正極と基準電位源40とを接続するとともに、制御部によりリレー30を制御して、直流電源10の負極と出力端子OUTとを接続している。
直流電源10の負極と出力端子OUTとを接続すると、出力端子OUTの電位は、直流電源10の負極の電位と等しくなり、出力端子OUTからは、直流電源10の負極と同電位の電圧が出力される。
一方、直流電源10の正極と基準電位源40とを接続すると、直流電源10の正極は接地されることとなるため、直流電源10の正極の電位は、接地電位と等しくなる。このため、直流電源10の負極の電位は、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ低くなる。
以上より、電源装置1は、図2の状態では、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ電位の低い負電圧を出力端子OUTから出力する。
図3では、電源装置1は、制御部によりリレー20を制御して、直流電源10の正極と基準電位源40とを接続するとともに、制御部によりリレー30を制御して、直流電源10の正極と出力端子OUTとを接続している。
直流電源10の正極と出力端子OUTとを接続すると、出力端子OUTの電位は、直流電源10の正極の電位と等しくなり、出力端子OUTからは、直流電源10の正極と同電位の電圧が出力される。
一方、直流電源10の正極と基準電位源40とを接続すると、直流電源10の正極は接地されることとなるため、直流電源10の正極の電位は、接地電位と等しくなる。
以上より、電源装置1は、図3の状態では、接地電位と同電位の電圧を出力端子OUTから出力する。
以上の電源装置1によれば、制御部によりリレー20、30を制御することで、出力端子OUTから、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ電位の高い正電圧と、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ電位の低い負電圧と、接地電位と同電位の電圧と、を出力できる。すなわち、電源装置1は、互いに極性の異なる直流電圧を出力できる。
また、電源装置1によれば、互いに極性の異なる直流電圧を出力するために、1つの直流電源10を備える。このため、従来の電源装置と比べて、必要な直流電源の数を減少させることができるので、電源装置1の小型化を実現できる。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る電源装置1Aの回路図である。電源装置1Aは、本発明の第1実施形態に係る電源装置1と比べて、リレー20の代わりにスイッチング部20Aを備える点と、リレー30の代わりにスイッチング部30Aを備える点と、が異なる。
スイッチング部20Aは、NチャネルMOSFETで構成されるスイッチ素子21、22と、抵抗24と、ダイオード25と、光を出射する光出射部(図示省略)と、光出射部から出射された光に応じた制御信号をスイッチ素子21のゲートに送信することでこのスイッチ素子21を制御するフォトカプラ23と、を備える。
スイッチ素子21のゲートには、フォトカプラ23が接続され、スイッチ素子21のソースには、直流電源10の負極が接続される。また、スイッチ素子21のドレインには、ダイオード25のカソードと、スイッチ素子22のゲートと、が接続される。ダイオード25のアノードには、基準電位源40が接続される。スイッチ素子22のゲートには、上述のスイッチ素子21のドレインに加えて、抵抗24を介して直流電源10の正極が接続され、スイッチ素子22のドレインには、直流電源10の正極が接続され、スイッチ素子22のソースには、基準電位源40が接続される。
スイッチング部30Aは、NチャネルMOSFETで構成されるスイッチ素子31、32と、抵抗34と、ダイオード35と、光を出射する光出射部(図示省略)と、光出射部から出射された光に応じた制御信号をスイッチ素子31のゲートに送信することでこのスイッチ素子31を制御するフォトカプラ33と、を備える。
スイッチ素子31のゲートには、フォトカプラ33が接続され、スイッチ素子31のソースには、直流電源10の負極が接続される。また、スイッチ素子31のドレインには、ダイオード35のカソードと、スイッチ素子32のゲートと、が接続される。ダイオード35のアノードには、出力端子OUTが接続される。スイッチ素子32のゲートには、上述のスイッチ素子31のドレインに加えて、抵抗34を介して直流電源10の正極が接続され、スイッチ素子32のドレインには、直流電源10の正極が接続され、スイッチ素子32のソースには、出力端子OUTが接続される。
以上の構成を備える電源装置1Aの動作について、図5、6、7を用いて以下に説明する。
まず、図5を用いて、出力端子OUTから正電圧を出力する場合の電源装置1Aの動作について説明する。図5では、電源装置1Aは、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオン状態にするとともに、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオフ状態にしている。
フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオフ状態にすると、出力端子OUTと直流電源10の負極とが絶縁される。
また、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオフ状態にすると、スイッチ素子32のゲートに直流電源10の正極から抵抗34を介して電流が流れ、スイッチ素子32はチャージされてオン状態となる。このため、オン状態のスイッチ素子32を介して、出力端子OUTと直流電源10の正極とが電気的に接続され、出力端子OUTの電位は、直流電源10の正極の電位と等しくなる。
したがって、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオフ状態にすると、出力端子OUTからは、直流電源10の正極と同電位の電圧が出力される。
一方、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオン状態にすると、オン状態のスイッチ素子21を介して、スイッチ素子22のゲートと直流電源10の負極とが電気的に接続され、スイッチ素子22のゲート電流が引き抜かれることとなる。その結果、スイッチ素子22はオフ状態となり、オフ状態のスイッチ素子22を介して基準電位源40と直流電源10の正極とが絶縁される。
また、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオン状態にすると、オン状態のスイッチ素子21およびダイオード25を介して、基準電位源40と直流電源10の負極とが電気的に接続され、直流電源10の負極の電位は、接地電位と等しくなる。
したがって、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオン状態にすると、直流電源10の正極の電位は、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ高くなる。
以上より、電源装置1Aは、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオン状態にするとともに、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオフ状態にすることで、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ電位の高い正電圧を出力端子OUTから出力する。
次に、図6を用いて、出力端子OUTから負電圧を出力する場合の電源装置1Aの動作について説明する。図6では、電源装置1Aは、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオフ状態にするとともに、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオン状態にしている。
フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオン状態にすると、オン状態のスイッチ素子31を介して、スイッチ素子32のゲートと直流電源10の負極とが電気的に接続され、スイッチ素子32のゲート電流が引き抜かれることとなる。その結果、スイッチ素子32はオフ状態となり、オフ状態のスイッチ素子32を介して出力端子OUTと直流電源10の正極とが絶縁される。
また、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオン状態にすると、オン状態のスイッチ素子31およびダイオード35を介して、出力端子OUTと直流電源10の負極とが電気的に接続され、出力端子OUTの電位は、直流電源10の負極の電位と等しくなる。
したがって、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオン状態にすると、出力端子OUTからは、直流電源10の負極と同電位の電圧が出力される。
一方、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオフ状態にすると、基準電位源40と直流電源10の負極とが絶縁される。
また、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオフ状態にすると、スイッチ素子22のゲートに直流電源10の正極から抵抗24を介して電流が流れ、スイッチ素子22はチャージされてオン状態となる。このため、オン状態のスイッチ素子22を介して、基準電位源40と直流電源10の正極とが電気的に接続され、直流電源10の正極の電位は、接地電位と等しくなる。
したがって、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオフ状態にすると、直流電源10の負極の電位は、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ低くなる。
以上より、電源装置1Aは、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオフ状態にするとともに、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオン状態にすることで、接地電位に対して直流電源10の電源電圧分だけ電位の低い負電圧を出力端子OUTから出力する。
次に、図7を用いて、出力端子OUTから接地電位と同電位の電圧を出力する場合の電源装置1Aの動作について説明する。図7では、電源装置1Aは、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオフ状態にするとともに、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオフ状態にしている。
フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオフ状態にすると、図5を用いて上述したように、出力端子OUTからは、直流電源10の正極と同電位の電圧が出力される。
一方、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオフ状態にすると、図6を用いて上述したように、直流電源10の正極の電位は、接地電位と等しくなる。
以上より、電源装置1Aは、フォトカプラ23によりスイッチ素子21をオフ状態にするとともに、フォトカプラ33によりスイッチ素子31をオフ状態にすることで、接地電位と同電位の電圧を出力端子OUTから出力する。
図8は、電源装置1Aのタイミングチャートである。VG21は、スイッチ素子21のゲートの電位を示し、電位VG21がVGHの場合にスイッチ素子21がオン状態となり、電位VG21がVGLの場合にスイッチ素子21がオフ状態となることとする。また、VG31は、スイッチ素子31のゲートの電位を示し、電位VG31がVGHの場合にスイッチ素子31がオン状態となり、電位VG31がVGLの場合にスイッチ素子31がオフ状態となることとする。また、VOUTは、出力端子OUTから出力される電圧の電位を示す。また、直流電源10の電源電圧をVDDとし、接地電位をGNDとする。
ここで、時刻t1の直前では、スイッチ素子21のゲートの電位VG21と、スイッチ素子31のゲートの電位VG31とは、VGLであり、スイッチ素子21、31はオフ状態とする。また、出力端子OUTから出力される電圧の電位VOUTは、GNDとする。
時刻t1において、フォトカプラ23によりスイッチ素子21のゲートの電位VG21をVGHにする。すると、スイッチ素子31はオフ状態のままであるが、スイッチ素子21はオフ状態からオン状態になる。このため、図5を用いて上述したように、出力端子OUTの電位は、接地電位GNDに対して直流電源10の電源電圧VDDの分だけ高くなり、出力端子OUTから出力される電圧の電位VOUTは、VDDとなる。
時刻t2において、フォトカプラ23によりスイッチ素子21のゲートの電位VG21をVGLにする。すると、スイッチ素子31はオフ状態のままであるが、スイッチ素子21はオン状態からオフ状態になる。このため、図7を用いて上述したように、出力端子OUTの電位は、接地電位GNDと等しくなり、出力端子OUTから出力される電圧の電位VOUTは、GNDとなる。
時刻t3において、フォトカプラ33によりスイッチ素子31のゲートの電位VG31をVGHにする。すると、スイッチ素子21はオフ状態のままであるが、スイッチ素子31はオフ状態からオン状態になる。このため、図6を用いて上述したように、出力端子OUTの電位は、接地電位GNDに対して直流電源10の電源電圧VDDの分だけ低くなり、出力端子OUTから出力される電圧の電位VOUTは、VSSとなる。
時刻t4において、フォトカプラ33によりスイッチ素子31のゲートの電位VG31をVGLにする。すると、スイッチ素子21はオフ状態のままであるが、スイッチ素子31はオン状態からオフ状態になる。このため、図7を用いて上述したように、出力端子OUTの電位は、接地電位GNDと等しくなり、出力端子OUTから出力される電圧の電位VOUTは、GNDとなる。
以上の電源装置1Aによれば、本発明の第1実施形態に係る電源装置1が奏することができる効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
電源装置1Aは、電源装置1のリレー20に代えて、NチャネルMOSFETで構成されるスイッチ素子21、22を有するスイッチング部20Aを備えるとともに、電源装置1のリレー30に代えて、NチャネルMOSFETで構成されるスイッチ素子31、32を有するスイッチング部30Aを備える。このため、リレー20、30を備える電源装置1と比べて、電源装置1Aの小型化、長寿命化、および高安定化を実現できる。