JP5455910B2 - 喉頭鏡挿入部および喉頭鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、気管内チューブを取外し可能に保持し、かつ保持した気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを含む、喉頭鏡挿入部の分野に関する。
喉頭鏡は挿入部を備えており、それは、挿管中に患者の口腔に向かってかつその中に延在する、喉頭鏡の細長い部分である。挿入部は、喉頭鏡本体に着脱可能に取付けが可能であるか、喉頭鏡の一体部品であるか、またはそれら自体が喉頭鏡として機能する場合もある。喉頭鏡は、一般に、挿入部とともに、通常細長いハンドルを備えており、それは、挿入部の近位端に対して角度をなして、または挿入部の近位端に対して略平行に、またはその間の任意の角度で配置され得る。
Miller挿入部またはWisconsin挿入部等、既知の喉頭鏡挿入部のいくつかは、実質的に偏平である。しかしながら、喉頭鏡の挿入部は、より一般的には、患者の中咽頭を通って患者の喉頭に向かって適切に入るように屈曲している。既知の挿入部によっては、第1直線状部および第2直線状部を有し、それらの間が屈曲しているか、または少なくとも部分的に湾曲している。本明細書および添付の特許請求の範囲内において、下面は、挿入部の、使用時に患者の舌に面する面である。反対側の面を、上面と呼ぶ。下の(下部の)、下方に、上の(上部の)および上方に等の語は、対応する意味で用いる。上下軸は、上方向および下方向に対して平行に延在する垂直軸である。
遠位のおよび遠位にという語は、使用時に患者の気管に向かって延在する挿入部の端部に向かうことを意味し、近位のおよび近位にという語は、使用時に挿管を行っている人に向かうことを意味する。
挿入部の長さに沿って延在するチューブガイドを含む喉頭鏡挿入部を提供することが知られている。たとえば、国際公開第04/073510号パンフレット(Gandarias)は、使用時に患者の喉頭の画像を提供する装置を収容する細長い部材から横方向に延在するチューブガイドを含む、喉頭鏡挿入部を開示している。チューブガイドは、その長さに沿って連続的に延在する下壁および上壁を有する。チューブガイド内に気管内チューブを嵌め込むことができ、使用者が、気管内チューブの患者の喉頭への挿入を見ることができる。そして、挿入部が患者内にある間に、気管内チューブを挿入部から取り外すことができ、気管内チューブを適所に残して、挿入部を取り除くことができる。
チューブガイドは、挿入部が適所に置かれ患者の喉頭が確認されると、気管内チューブがすでに、前方に押されかつ患者の喉頭内に挿入される正しい位置にあることを確実にすることにより、挿管を容易にすることができる。しかしながら、チューブガイドによって挿入部のかさが増大する、という欠点があり得る。したがって、本発明は、チューブガイドを備えた挿入部であって、そのかさを低減するように適合され、それにより、気管内チューブがチューブガイド内の適所にある状態で挿入部の患者内への導入を容易にする、挿入部を提供することを目的とする。
チューブガイドを備えた既知の挿入部の別の問題は、それらが一般に、ともに使用されるように設計されている気管内チューブのサイズの範囲が限られているということである。本発明のいくつかの態様は、チューブガイドを備えた既知の挿入部に対し、より広い有効使用範囲(operating range)のサイズの気管内チューブを案内するように適合された挿入部を提供することを目的とする。
さらに、国際公開第04/073510号パンフレットに開示されている喉頭鏡は、略J字型挿入部を有し、それは、気管内チューブを略J字型形状で保持する。これには2つの顕著な欠点がある。第1に、J字型挿入部を患者の口腔内に挿入することは困難である可能性がある。J字型挿入部を前後に傾けて、遠位端を挿入し、患者の生体構造を操作し、患者の喉頭が十分に見えるようにしなければならない。より容易に挿入することができる喉頭鏡を提供することが好ましい。第2に、この配置により、気管内チューブが前進するように前方に押される時、チューブガイドの上側に抵抗力が発生し、そこで気管内チューブが実質的に直線状から湾曲するように屈曲し、摩擦が増大する。本発明の実施形態によっては、患者内により容易に挿入することができ、かつ/または気管内チューブをより容易に前進させることができるチューブガイドを有する挿入部を提供することを目的とする。
本発明のいくつかの態様は、チューブガイドを備えた既知の挿入部より、たとえば必要な力が小さいため、より容易に操作することができるチューブガイドを有する挿入部を提供すること、または調整機能を向上させることを目的とする。
本発明の第1態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを備え、チューブガイドが、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する、複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材とを備え、当該挿入部が、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面に近位の第1領域を備え、当該挿入部の厚さが、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径の気管内チューブの外径に、下部チューブ案内部材の平均厚さと、第1上部チューブ案内部材の平均厚さとを足した合計より小さい、挿入部が提供される。
したがって、少なくとも第1領域において、挿入部は、使用時に保持されている気管内チューブの下方にかつ上方に延在する、挿入部の長さに沿って連続的に伸びるチューブ案内壁を有する場合より、幅が狭くなる。
挿入部の厚さは、本明細書では、上下軸に対して平行な、挿入部の長さに直交する所与の断面を通る、挿入部の下側の最下点から挿入部の上側の最上点までの変位を意味する。「厚い」、「より厚い」、「狭い」および「より狭い」等の語は、それに従って解釈されるべきである。
チューブ案内部材の平均厚さは、本明細書では、チューブ案内部材のチューブ案内面の長さに沿って、チューブ案内部材のチューブ案内面が必要に応じて最下であるかまたは最上である場所における、下側から上側までの平均距離を意味する。チューブ案内部材の平均厚さを評価する時、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触してそれによりそれを案内することがない、チューブ案内部材のいかなる部品の厚さも考慮するように意図しておらず、それは、こうした部分はいずれも、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内する部品と同じ強度要件は必要ではなく、通常、チューブ案内部材の最小厚さを確定するのは、これら強度要件であるためである。そのまたは各上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、そのまたは各上部チューブ案内部材の長さに沿って延在してもよく、またはその一部に沿って延在してもよい。下部チューブ案内部材のチューブ案内面は、下部チューブ案内部材の長さに沿って延在してもよく、またはその一部に沿って延在してもよい。
挿入部は、第1領域において、挿入部と、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径を有する保持されている気管内チューブとの厚さが、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径の気管内チューブの外径と、下部チューブ案内部材の平均厚さと、第1上部チューブ案内部材の平均厚さとを足した合計より小さいように構成されることが好ましい。
第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面の少なくとも一部、任意にすべては、下部チューブ案内部材のチューブ案内面の少なくとも一部と対向していてもよい。あるいは、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面と下部チューブ案内部材のチューブ案内面とは、互いに対向していなくてもよい。
厚さが、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径の気管内チューブの外径と、下部チューブ案内部材の平均厚さと、第1上部チューブ案内部材の平均厚さとを足した合計より小さい第1領域を有する、細長い喉頭鏡挿入部を提供することにより、挿入部は、下部チューブ案内部材および第1上部チューブ案内部材と同じ厚さのチューブ案内部材が第1領域に提供され、かつ気管内チューブの有効使用範囲における最大外径を有する気管内チューブを受け入れるために十分間隔が空けられている場合より、使用時の第1領域における幅が狭くなる。
気管内チューブサイズの有効使用範囲内における最大外径の気管内チューブの外径とは、挿入部と確実に使用することができる最大外径の気管内チューブの外径を意味する。これは、挿入部の用途によって決まる挿入部の規模によって決まる。たとえば、成人で使用する挿入部は、外径が最大12.3mmの気管内チューブと確実に使用可能であるように適合され得る。この外径のチューブを、本技術分野ではサイズ9.0と呼ぶ。最小外径はおよそ5.5mmであり得る。挿入部がプラスチック材料からなる場合、下部チューブ案内部材および第1上部チューブ案内部材の平均厚さは、通常、内部使用のために好適な機械強度を提供するために少なくとも0.75mm(好ましくはおよそ1.5mm)であることが必要である。したがって、気管内チューブを成人に挿入するための挿入部の場合、第1領域の厚さは、好ましくは15.3mm未満、より好ましくは14.6mm、13.8mm未満、より好ましくは13.1mm未満である。
新生児を含む乳幼児で使用する挿入部の寸法は、通常、成人で使用する挿入部の寸法から比例して拡大される。しかしながら、チューブ案内部材等、いくつかの特徴の比率は、比例して拡大・縮小しない場合もある。気管内チューブを、新生児を含む乳幼児に挿入する挿入部の場合、チューブ外径の有効使用範囲は1.0mm〜5.0mmであってもよく、第1領域の厚さは、好ましくは8.0mm未満、好ましくは7.0mm未満、より好ましくは6.0mm未満である。
第1領域における挿入部の厚さは、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大径の気管内チューブの外径より小さくてもよい。
第1領域は、挿入部の近位端から、第1上部チューブ接触部材のチューブ案内面の近位端まで延在してもよい。第1領域は、挿入部の近位端から第1上部チューブ接触部材の近位端まで延在してもよい。第1領域は、挿入部の近位半分の部分を含んでもよいが、挿入部の近位端まで延在しなくてもよい。第1領域は、挿入部が患者内に完全に挿入された時に患者の歯に近い挿入部の領域を含むことが好ましく、それは、これによって患者の歯に対する損傷の危険を低減することができるためである。
挿入部は、通常、上面の少なくとも一部が外側に湾曲しており、下面の少なくとも一部が内側に湾曲しているように湾曲している。第1上部チューブ案内部材は、通常、挿入部の遠位端に向かって設けられている。第1上部チューブ案内部材は、挿入部の遠位端ではなくその近くに設けられることが好ましい。通常、第1上部チューブ案内部材は、保持されている気管内チューブを患者の咬頭に向かって案内する。通常、使用時、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面および下部チューブ案内部材のチューブ案内面は合わせて、保持されている気管内チューブを患者の気管に向かって案内する。
通常、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、挿入部が保持されている気管内チューブの上面に接触する最遠位位置である。通常、下部チューブ案内部材のチューブ案内面は、さまざまな外径(通常、気管内チューブの有効使用範囲の上限)の気管内チューブに対し、挿入部が保持されている気管内チューブの下面に接触する最遠位位置である。挿入部を、気管内チューブサイズの有効使用範囲の下限の気管内チューブは、第1上部チューブ案内部材と対向する下部チューブ案内部材と接触しないが、気管内チューブサイズの有効使用範囲の上限の気管内チューブは、第1上部チューブ案内部材と対向する下部チューブ案内部材に接触するように構成してもよい。
チューブガイドを、少なくとも第1領域において、かつ通常、挿入部が延在する場所から使用時の患者の歯と第1上部チューブ案内部材との間で、保持されている気管内チューブの下面が挿入部の上面より下方であり、保持されている気管内チューブの上面が少なくとも保持されている気管内チューブの下面より上方であるように、保持されている気管内チューブを案内するように配置されることが好ましい。この配置は、気管内チューブが、対応する領域における挿入部の完全に下方にまたは完全に上方に保持される装置より、口腔の一般的な形状によくフィットする。
挿入部は、通常、挿入部の下面が内側に湾曲し、挿入部の上面が外側に湾曲するような、湾曲部を備える(たとえば、挿入部は完全に湾曲していてもよい)。第1上部チューブ案内部材は、保持されているチューブが第1領域において案内される角度に対し少なくとも20°、好ましくは少なくとも30°の角度で、保持されているチューブを案内するために、第1領域から十分に遠位に配置される。第1上部チューブ案内部材は、使用時に挿入部が完全に挿入された時、気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するように配置されることが好ましい。
厚さが、気管内チューブサイズの有効使用範囲内における最大外径の気管内チューブの外径に、下部チューブ案内部材の平均厚さと、第1上部チューブ案内部材の平均厚さとを足した合計より小さい、挿入部の第1領域は、挿入部の長さの少なくとも1cmに沿って延在することが好ましい。より好ましくは、第1領域は、使用時に患者の歯に近い挿入部の長さの少なくとも1.5cm、より好ましくは少なくとも2.5cmに沿って延在することにより、使用者に、挿入部のかなりの長さに沿って比較的薄い挿入部を提供して、操作性を向上させかつ患者の歯に対する損傷の危険を低減する。
複数のチューブ案内部材は、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第2上部チューブ案内部材をさらに備えてもよく、第2上部チューブ案内部材は、第1上部チューブ案内部材より近位であり、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面と第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面とは、間隔を空けて配置される。したがって、保持されている気管内チューブの上面は、通常、第1上部チューブ案内部材と第2上部チューブ案内部材との間で露出する。
成人の挿管のための挿入部では、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面と第2チューブ案内部材のチューブ案内面とは、通常、少なくとも2cm、より好ましくは少なくとも4cm、最も好ましくは少なくとも6cm間隔が空けられる。挿入部が湾曲している場合、第1上部チューブ案内部材における挿入部の方向は、通常、第2上部チューブ案内部材における挿入部の方向から、少なくとも20°、好ましくは少なくとも30°異なっている。
第1上部チューブ案内部材は、挿入の遠位端ではなくそれに向かって配置されることが好ましい。
第2上部チューブ案内部材を、挿入部が完全に患者内に挿入された時、標準的なサイズの患者の歯の近くに位置するように配置してもよい。第1領域は、第2上部チューブ案内部材の一部またはすべてを含んでもよい。第2上部チューブ案内部材は、挿入部が患者内に完全に挿入された時、使用時に標準的なサイズの患者の口腔内に入らないように、標準的なサイズの患者の歯の近位に位置してもよい。
挿入部は、保持されている気管内チューブの下面を、第2上部チューブ案内部材の反対側で露出したままにするように配置されることが好ましい。通常、第2上部チューブ案内部材の反対側に下部チューブ案内部材は設けられない。
挿入部は、保持されている気管内チューブの上面を、下部チューブ案内部材の少なくとも近位端、任意にすべての反対側で露出させたままにするように配置される。下部チューブ案内部材の少なくとも近位端、任意にすべての反対側に、上部チューブ案内部材が設けられなくてもよい。
したがって、少なくとも、使用時に患者の歯に近い挿入部の領域は、下部チューブ案内部材が、第2上部チューブ案内部材に対向して設けられ、かつ、少なくとも気管内チューブの有効使用範囲内における最大気管内チューブの外径に等しい厚さの間隙を間に残すように、第2チューブ案内部材から間隔が空けられている場合より、幅が狭くなる。
好ましくは、第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位端と下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端とは、挿入部の長さに沿って、好ましくは少なくとも0.5cm、より好ましくは少なくとも1cm、最も好ましくは少なくとも2cm間隔が空けられている。また好ましくは、第2チューブ案内部材の遠位端と下部チューブ案内部材の近位端とは、挿入部の長さに沿って、好ましくは少なくとも0.5cm、好ましくは少なくとも1cm、最も好ましくは少なくとも2cm間隔が空けられている。
第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位端と下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端との間の変位の、上下軸に平行な成分は、気管内チューブサイズの有効使用範囲において最大外径の気管内チューブの外径より小さいことが好ましい。また、上下軸に平行な、第2チューブ案内部材の遠位端と下部チューブ案内部材との間の間隔は、気管内チューブサイズの有効使用範囲内における最大外径の気管内チューブの外径より小さいことが好ましい。
したがって、チューブガイドを、挿入部の長さに平行でなく気管内チューブを受け入れるように配置してもよく、たとえば、チューブガイドを、気管内チューブが、下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端と第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位端との間に遠位にかつ上方に延在するように、気管内チューブを受け入れるように配置してもよい。
第2上部チューブ案内部材と第1チューブ案内部材との間の挿入部の厚さは、第1上部チューブ案内部材および第2上部チューブ案内部材の一方および好ましくは両方における挿入部の厚さより小さいことが好ましい。
チューブガイドが、さまざまな外径の気管内チューブ(通常、気管内チューブサイズの有効使用範囲内における最大外径を有する気管内チューブを含む)に対し、保持されている気管内チューブが、挿入部の長さに対して平行に保持されないが、挿入部の少なくとも一部に沿って(通常、挿入部が保持されている気管内チューブの上面に接触する最近位位置から、挿入部が保持されている気管内チューブの上面に接触する最遠位位置まで)挿入部と曲率半径が異なるように配置されることが好ましい。チューブガイドを、気管内チューブサイズの有効使用範囲の上限の外径を有する気管内チューブが、挿入部の少なくとも一部に沿って(通常、挿入部が保持されている気管内チューブの上面に接触する最近位位置から、挿入部が保持されている気管内チューブの上面に接触する最遠位位置まで)、挿入部より小さい曲率半径で保持されるように配置してもよい。チューブガイドは、気管内チューブサイズの有効使用範囲の下限の外径を有する気管内チューブが、挿入部の少なくとも一部に沿って(通常、挿入部が保持されている気管内チューブの上面に接触する最近位位置から、挿入部が保持されている気管内チューブの上面に接触する最遠位位置まで)、挿入部より高い曲率半径で保持されるように配置してもよい。
特に、複数のチューブ案内部材は、チューブ案内面を有する第2上部チューブ案内部材を備えてもよく、そのチューブ案内面は、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面から間隔を空けて配置され、さまざまな外径の気管内チューブ(通常、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径を有する気管内チューブを含む)に対し、保持されている気管内チューブが、第1上部チューブ案内部材と第2上部チューブ案内部材との間で挿入部の長さに対して平行に保持されないように、配置される。
チューブガイドを、外径の有効使用範囲内の外径を有する少なくともいくつかの気管内チューブに対し、前記保持されている気管内チューブの上面が、挿入部の長さの少なくとも一部に沿って、挿入部の中央に向かって、挿入部の上面(通常、細長い部材(提供される場合)の上面)より上方に延在するように、配置してもよい。通常、チューブガイドは、外径の有効使用範囲内の外径を有する少なくともいくつかの気管内チューブに対し、保持されている前記気管内チューブの上面が、第1上部チューブ案内部材と第2上部チューブ案内部材(提供される場合)との間の少なくとも1つの位置において挿入部の上面より上方に延在するように配置される。
チューブ案内部材は、気管内チューブ外径の有効使用範囲内のさまざまな外径(通常、気管内チューブ外径の有効使用範囲の上限)を有する気管内チューブに対し、保持されている気管内チューブが、通常、保持されている気管内チューブがチューブガイド内で停止して保持される時、近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材のいずれか一方または好ましくは両方に、それぞれのチューブ案内部材の遠位端においてのみ接触するように配置されることが好ましい。気管内チューブ外径の有効使用範囲内のさまざまな外径(通常、気管内チューブ外径の有効使用範囲の上限)を有する気管内チューブは、保持されている気管内チューブがチューブガイド内で停止して保持される時、下部チューブ案内部材のチューブ案内面にその近位端においてのみ接触してもよい。この配置により、気管内チューブが患者の喉頭に向かって後に前進する時の摩擦が低減する。
チューブガイドは、保持されている気管内チューブの上面に接触する最近位位置から、保持されている気管内チューブの上面に接触する最遠位位置まで、気管内チューブを曲げ引張状態で保持するように配置されることが好ましい。これにより、チューブガイド内での気管内チューブの保持が容易になる。好ましくは、チューブガイドはまた、保持されている気管内チューブの上面と接触する最近位位置と最遠位位置との中間の、保持されている気管内チューブの下面とも接触し、それにより、保持されている気管内チューブは、チューブガイドに対し、チューブガイドが保持されている気管内チューブの上面に接触する最近位位置および最遠位位置において、上方の力を加え、チューブガイドが保持されている気管内チューブの下面に接触する前記位置において、下方の力を加える。少なくとも3つの接触点を用いることにより、把持が容易になる。曲げ引張状態で気管内チューブを保持することは、特に、曲げ引張が保持されている気管内チューブの横方向の移動に対抗する摩擦を増大させるため、チューブガイドが横方向に開放している場合に有利である。それにも関わらず、3つの接触点のみを用いることにより、保持されている気管内チューブがチューブガイドの実質的な部分に沿ってガイド壁と接触する配置に比較して、気管内チューブが長手方向に前進する場合の摩擦が低減する。
第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、挿入部に対して角度をなして遠位にかつ下方に(すなわち、遠位端に向かって下方に延在するように)延在してもよい。同様に、第2上部チューブ案内部材(存在する場合)は、遠位にかつ上方に(すなわち、遠位端に向かって上方に延在するように)延在してもよい。これにより、曲げ引張状態で、気管内チューブを湾曲構成で保持することが容易になる。
チューブガイドを、さまざまな外径の気管内チューブ(通常、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径を有する気管内チューブを含む)に対し、保持されている気管内チューブが、使用時に完全に挿入される時に患者の口内に延在する場所から、第1上部チューブ案内部材まで連続的に湾曲するように配置してもよい。第2上部チューブ案内部材が提供される場合、チューブガイドを、さまざまな外径の気管内チューブ(通常、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径を有する気管内チューブを含む)に対し、保持されている気管内チューブが、第2上部チューブ案内部材から第1上部チューブ案内部材まで連続的に湾曲するように配置してもよい。
曲率は一定であっても一定でなくてもよい。
第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面と第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面とが、保持されている気管内チューブの上面が第1上部チューブ案内部材と第2上部チューブ案内部材との間で露出するように間隔が空けられ、かつチューブガイドが、さまざまな外径の気管内チューブ(通常、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径を有する気管内チューブを含む)に対し、前記保持されている気管内チューブが、挿入部が使用時に完全に挿入される時に患者の口内に延在する場所から第1上部チューブ案内部材まで連続的に湾曲するように配置される場合、挿入部およびチューブガイドを、連続的な下部チューブ案内面および上部チューブ案内面によって画定されるチューブガイドの場合より、広範囲の径の気管内チューブと使用することができる。
挿入部は、挿入部が患者内に完全に挿入された時、保持されている気管内チューブの下面と接触しそれによりそれを患者の歯の遠位に案内するように延在する、1つまたは複数のチューブ案内面のみを有することが好ましい。したがって、チューブガイドは、挿入部が患者内に完全に挿入された時、患者の歯の遠位で保持されている気管内チューブの下面のみを覆うことが好ましい。
下部チューブ案内部材の前記チューブ案内面は、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面より近位に延在することが好ましい。したがって、保持されている気管内チューブの下面を、保持されている気管内チューブの上面が下部チューブ案内部材のチューブ案内面の全長に沿って案内されることなく、第1上部チューブ案内部材の近位に案内することができる。これにより、比較的短いチューブ案内面のみ有する第1上部チューブ案内部材と、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位に延在するチューブ案内面を有する下部チューブ案内部材とを用いて、保持されているチューブを適当に案内することができるため、挿入部のかさ全体が低減する。好ましくは、下部チューブ案内部材のチューブ案内面は、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面より少なくとも1cm、好ましくは少なくとも2cm、最も好ましくは4cm〜5cm近位に延在する。下部チューブ案内部材のチューブ案内面は、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面より完全に近位であってもよく、それによりかさがさらに低減する。
チューブガイドは、保持されている気管内チューブをチューブガイドから横方向に取り外すことができるように配置されることが好ましい。これにより、患者の体内で気管内チューブを取り除くことが容易になる。挿入部は、保持されている気管内チューブが、側面全体に沿って(たとえば、チューブの長さに沿って、チューブの最側方点全体に沿って)露出したままであるように配置されることが好ましい。保持されている気管内チューブの側面を覆わないようにすることにより、挿入部のかさ全体が低減する。
挿入部は、挿入部の長さの大部分に沿って延在する細長い部材を備え、チューブガイドが、細長い部材の横方向に気管内チューブを保持するように配置されることが好ましい。チューブガイド部材は、好ましくは、細長い部材の横方向に、かつ通常は細長い部材から延在する。細長い部材は、使用時に患者の喉頭領域を撮像する、撮像デバイス(たとえばカメラ)または画像伝導装置(1本または複数本の光ファイバケーブルあるいは1つまたは複数の反射面)等の撮像装置を備えていてもよい。細長い部材は、使用時に患者の咽頭喉頭部を照明する、電球あるいは光を伝導することができる1本または複数本の光ファイバケーブルを含む、光源等の照明装置を備えていてもよい。細長い部材は、内部に、撮像デバイスから信号を中継しかつ/または撮像デバイスおよび/または光源(存在する場合)に電力を提供する電線等、1本または複数本のケーブルを通していてもよい。
細長い部材は、内部に内腔を画定していてもよく、それは、通常、細長い部材の近位端から延在し、両端が開放した貫通内腔であってもよく、または内腔の遠位端において閉鎖されていてもよい。内腔を、撮像装置および/または照明装置を受け入れるように構成してもよい。内腔を、挿入部の撓曲に耐える細長い挿入部支持部材を受け入れるように構成してもよい。内腔を、撮像装置および/または照明装置を備えた細長い挿入部支持部材を受け入れるように構成してもよい。内腔が遠位端で閉鎖される場合、細長い部材は、内部に封入される撮像装置および/または照明装置の汚染を防止するように液密であることが好ましい。
挿入部が隣接するチューブガイドとともに前記細長い部材を含む少なくとも1つの位置において、細長い部材およびチューブガイドは、細長い部材の厚さが、隣接するチューブガイドの厚さに、気管内チューブサイズの有効使用範囲内の最大外径を有する保持されている気管内チューブの外径を足したものより小さいように構成されることが好ましい。前記位置は、第1上部チューブ案内部材に隣接していてもよい。前記位置は、下部チューブ案内部材に隣接していてもよい。前記位置は、第2上部チューブ案内部材(提供される場合)に隣接していてもよい。
したがって、隣接するチューブガイドより幅の狭い細長い部材を提供することにより、細長い部材がチューブガイドと同じ厚さである場合よりかさが小さい挿入部が提供される。
チューブガイドが、第1上部チューブ案内部材等の上部チューブ案内部材か、または提供される場合は第1上部チューブ案内部材の近位のさらなるチューブ案内部材を含む少なくとも1つの位置において、上部チューブ案内部材は、上部チューブ案内部材に隣接する細長い部材よりさらに上方向に延在することが好ましい。
チューブガイドが下部チューブ案内部材を含む少なくとも1つの位置において、下部チューブ案内部材は、下部チューブ案内部材に隣接する細長い部材よりさらに下方向に延在することが好ましい。
したがって、隣接する細長い部材よりさらに上方向に延在する上部チューブ案内部材、および/または隣接する細長い部材よりさらに上方向に延在する下部チューブ案内部材を提供することにより、上部チューブ案内部材が隣接する細長い部材よりさらに上方向に延在せず、かつ/または下部チューブ案内部材が隣接する細長い部材よりさらに下方向に延在しない場合より、横方向チューブガイドを備えたよりかさの小さい挿入部が提供される。
挿入部が、細長い部材の横方向に気管内チューブを保持するように配置された隣接するチューブガイドとともに細長い部材を備える場合、第1上部チューブ案内部材の近位に、気管内チューブが、使用時に、その下側および上側が露出したままの状態で細長い部材の横方向に保持される、少なくとも1つの位置があることが好ましい。その位置にはチューブ案内部材が設けられていないことが好ましい。第1上部チューブ案内部材および第2上部チューブ案内部材が提供される場合、前記位置は、通常、第1上部チューブ案内部材と第2上部チューブ案内部材との中間である。
第1領域または第1領域の一部において、気管内チューブサイズの有効使用範囲の上限の保持されている気管内チューブは、使用時にその下面および上面がともに露出したままであってもよく、細長い部材の隣接部分の下方にかつ上方に延在してもよい。したがって、第1領域または第1領域の一部において、挿入部の厚さは、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径の気管内チューブの外径の3/4未満、好ましくは半分未満であり得る。
第1上部チューブ案内部材は、細長い部材から、細長い部材の上面から、または細長い部材の下面および上面の中間の細長い部材の側縁から、横方向にかつ上方に延在することが好ましい。第2上部チューブ案内部材が提供される場合、第2上部チューブ案内部材は、細長い部材から、細長い部材の上面から、または細長い部材の下面および上面の中間の細長い部材の側縁から延在することが好ましい。
第1上部チューブ案内部材および/または第2上部チューブ案内部材(存在する場合)は、通常、保持されている気管内チューブの中線を越えて遠位にかつ下方に延在するように配置される横方向部分を備えている。したがって、第1上部チューブ案内部材(および存在する場合は第2上部チューブ案内部材)のチューブ案内面は、通常内側に湾曲している。
下部チューブ案内部材は、細長い部材から横方向にかつ下方に延在することが好ましい。下部チューブ案内部材は、通常、保持されている気管内チューブの中線を越えて遠位にかつ上方に延在するように配置される横方向部分を備えている。したがって、下部チューブ案内部材のチューブ案内面は、通常内側に湾曲している。
好ましくは、チューブ案内部材の細長い部材からの横方向の広がりは、気管内チューブの中線を越えて延在しそれにより気管内チューブを案内するために、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大気管内チューブの径の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%を超える。たとえば、気管内チューブサイズの有効使用範囲が12.3mmまで広がる場合、チューブ案内部材は、細長い部材から横方向に少なくとも6.1mm(より好ましくは少なくとも7.3mm、最も好ましくは少なくとも8.5mm)延在することが好ましい。気管内チューブサイズの有効使用範囲が5.0mmまで広がる場合、チューブ案内部材は、細長い部材から横方向に少なくとも2.5mm延在することが好ましい。
下部チューブ案内部材は、連続していることが好ましいが、あるいは不連続であってもよい。細長い部材が存在する場合、下部チューブ案内部材は、通常、細長い部材の下側からまたはその近くから延在する。チューブ案内部材の下面は、チューブガイドの下側と同じ高さであってもよい。下部チューブ案内部材は、挿入部の遠位端まで延在してもよい。
第1上部チューブ案内部材は、2つ以上の別個の部分を含んでもよく、または連続していてもよい。存在する場合、第2上部チューブ案内部材は、2つ以上の別個の部分を含んでもよく、または連続していてもよい。
挿入部は、使用時、挿管者が、患者の口内でチューブガイドによって保持される気管内チューブと接触することができるように配置されることが好ましい。これにより、挿管者が利用することができる制御量が増大し、これは、患者の口内で気管内チューブを操作することに慣れている、従来の喉頭鏡を用いて挿管を行うように訓練されている挿管者に好まれ得る。挿入部が、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面から間隔が空けられているチューブ案内面を有する第2上部チューブ案内面を備える場合、挿入部を、挿管者が第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位で気管内チューブに接触することができるように配置してもよい。挿入部を、挿管者が、使用時に患者の口内のチューブガイド内に保持される気管内チューブの下面または上面の1つまたは複数と(たとえば、存在する場合に第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位で)接触することができるように、配置してもよい。挿入部を、挿管者が、使用時に患者の口内のチューブガイド内に保持される気管内チューブの側面と(たとえば、存在する場合に第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位で)接触することができるように、配置してもよい。挿入部を、挿管者が、使用時に患者の口内の気管内チューブの対向する下面および上面と(たとえば、存在する場合に第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位で)接触することができるように配置してもよく、それにより把持が容易になり、挿管者がチューブを無理な力を加えずにつまむことができる。
挿入部は剛性であることが好ましい。挿入部の少なくとも一部は透明であることが好ましい。挿入部を、プラスチック材料から作製してもよい。挿入部を、プラスチック材料から成形してもよい。挿入部は一体構造であってもよい。挿入部は、内腔を有する細長い部材を備えている場合、使用時に内腔内の光学装置を保護するように機能してもよい。したがって、挿入部は使い捨てであってもよい。
挿入部は、ハンドルを備えていてもよい喉頭鏡の一体部品であってもよい。挿入部は、ハンドルを備えていてもよい喉頭鏡本体に着脱可能に取付可能であってもよい。挿入部は、喉頭鏡として機能してもよい。
挿入部は、成人の挿管で使用されるのに好適なサイズであることが好ましい。気管内チューブサイズの有効使用範囲は、外径が12.3mmである気管内チューブを含むことが好ましい。このサイズが適切であるのは、これが、一般的な使用において最大サイズの1つである、業界において一般にサイズ9.0気管内チューブと呼ばれるものの外径であるためである。しかしながら、このサイズのチューブは、挿入部に、これらサイズのチューブと確実に作動することができ閉塞をもたらすことがない一体チューブガイドが提供される場合、技術的難題を提示するのに十分に幅が広い。
本発明の第2態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを備え、チューブガイドが、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、各々が、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する、第1上部チューブ案内部材および第2上部チューブ案内部材とを備え、第2上部チューブ案内部材が、第1上部チューブ案内部材より近位であり、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面と第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面とが間隔を空けて配置され、チューブガイドが、第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面と反対側である、保持されている気管内チューブの下面を、露出したままにするように配置される、細長い喉頭鏡挿入部が提供される。
本発明の第3態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを備え、チューブガイドが、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材とを備え、下部チューブ案内部材のチューブ案内面が、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面より近位に延在する、細長い喉頭鏡挿入部が提供される。
チューブガイドは、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第2上部チューブ案内部材をさらに備えてもよく、第2上部チューブ案内部材は、第1上部チューブ案内部材より近位であり、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面と第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面とは、間隔を空けて配置され、第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端から間隔を空けてかつ近位に配置され、それにより、気管内チューブを、チューブガイド内の下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端と、第2上部チューブ接触部材のチューブ案内面の遠位端との間に、下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端において挿入部の長さに対して角度をなして導入することができる。
本発明の第4態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを備え、チューブガイドが、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材とを備え、チューブガイドが、さまざまな外径の気管内チューブに対し、保持されている気管内チューブが、少なくとも、挿入部が患者内に完全に挿入された時に、保持されている気管内チューブが患者の歯を通して延在する場所から、第1上部チューブ案内部材まで連続的に湾曲するように配置される、細長い喉頭鏡挿入部が提供される。
チューブガイドが、気管内チューブを、少なくとも、保持されている気管内チューブが延在する場所から、挿入部が患者内に完全に挿入された時の患者の歯を通して、第1上部チューブ案内部材まで湾曲するように保持するように、配置されるため、気管内チューブが略J字型構成で保持された場合よりチューブの挿入が容易になり、挿入部は、略J字型構成で配置された場合より挿入が容易になる。
チューブガイドを、気管内チューブを一定の曲率半径で保持するように配置してもよい。
チューブガイドを、保持されている気管内チューブが、挿入部が患者内に完全に挿入された時に患者の歯を通して延在する場所と第1上部チューブ案内部材との間の挿入部の曲率より、挿入部が患者内に完全に挿入された時に患者の歯を通して延在する場所と第1上部チューブ案内部材との間の曲率が大きいように配置してもよい。
本発明の第5態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドと、細長い部材とを備え、チューブガイドが、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する、細長い部材の横方向に延在する複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材とを備え、挿入部の長さに沿った少なくとも1つの位置において、細長い部材の厚さが、隣接するチューブガイドの厚さより小さい、細長い喉頭鏡挿入部が提供される。
本発明の第6態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドと、細長い部材とを備え、チューブガイドが、細長い部材の横方向に延在し、かつ保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する、複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材とを備え、(i)下部チューブ案内部材が、下部チューブ案内部材に隣接する細長い部材よりさらに下方向に延在し、かつ/または(ii)上部チューブ案内部材が、上部チューブ案内部材に隣接する細長い部材よりさらに上方向に延在する、細長い喉頭鏡挿入部が提供される。
本発明の第7態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを備え、チューブガイドが、気管内チューブ外径の有効使用範囲内のさまざまな外径の気管内チューブを、曲げ引張状態で保持するように適合される、細長い喉頭鏡挿入部が提供される。
好ましくは、チューブガイドは、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材は、少なくとも、保持されている気管内チューブの下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材と、第1上部チューブ案内部材の近位に位置し、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第2上部チューブ案内部材とを備え、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面と第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面とは、間隔を空けて配置され、下部チューブ案内部材のチューブ案内面の少なくとも一部は、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端より近位であり、かつ第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位端より遠位であり、チューブ案内部材は、気管内チューブ外径の有効使用範囲内のさまざまな外径の気管内チューブを、保持されている気管内チューブが、下方向に力を加える第1上部チューブ案内部材および第2チューブ案内部材に対し上方向に力を加え、下部チューブ案内部材に対し下方向に力を加えるように、曲げ引張状態で保持するように配置される。
チューブガイドは、保持されている気管内チューブをチューブガイドから横方向に取り外すことができるように配置されることが好ましい。より好ましくは、挿入部は、細長い部材を備え、チューブ案内部材は、細長い部材から横方向に延在する。
本発明の第8態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドと、細長い部材とを備え、チューブガイドが、細長い部材の横方向に延在し、かつ保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する、複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材とを備え、気管内チューブが、使用時にその下側および上側が露出したままの状態で細長い部材の横方向に保持される、第1上部チューブ案内部材の近位の少なくとも1つの位置がある、細長い喉頭鏡挿入部が提供される。
本発明の第9態様によれば、使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを備え、挿入部およびチューブガイドが、保持されている気管内チューブの下面または上面を、挿入部の、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最近位位置と、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最遠位位置との間の長さの少なくとも25%、好ましくは50%、またはより好ましくは75%に沿って露出したままにするように配置される、細長い喉頭鏡挿入部が提供される。
好ましくは、保持されている気管内チューブの下面は、挿入部の、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最近位位置と、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最遠位位置との間の長さの少なくとも25%、好ましくは50%、またはより好ましくは75%に沿って露出したままである。
好ましくは、保持されている気管内チューブの上面は、挿入部の、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最近位位置と、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最遠位位置との間の長さの少なくとも25%、好ましくは50%、またはより好ましくは75%に沿って露出したままである。
好ましくは、保持されている気管内チューブの上面および下面の両方は、挿入部の、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最近位位置と、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最遠位位置との間の長さの少なくとも5%、または好ましくは少なくとも10%の連続領域に沿って露出したままである。連続領域は、使用時に挿入部が患者内に完全に挿入された時に、標準的なサイズの患者の歯の近くに位置することが好ましい。
好ましくは、チューブガイドは、保持されている気管内チューブをチューブガイドから横方向に取り外すことができるように配置され、保持されている気管内チューブは、その側面が挿入部の全長に沿って少なくとも部分的に露出して保持される。
好ましくは、挿入部は、細長い部材を備え、チューブガイドは、細長い部材の横方向に延在し、かつ保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する、複数のチューブ案内部材を備え、複数のチューブ案内部材は、少なくとも、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第2上部チューブ案内部材とを備え、第2上部チューブ案内部材は、第1上部チューブ案内部材の近位に位置し、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面と第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面とは、間隔を空けて配置され、第2上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最近位位置である。第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、挿入部が保持されている気管内チューブの上側に接触する最遠位位置であることが好ましく、第1上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、挿入部が保持されている気管内チューブに接触する最遠位位置であってもよい。
本発明の第1態様から第9態様のいずれかに関連して説明した任意の特徴は、本発明の第1態様から第9態様のすべての任意の特徴である。
本発明はまた、第10態様において、ハンドルと、本発明の最初の9つの態様のうちの任意の1つによる細長い挿入部とを備える喉頭鏡にも及ぶ。
挿入部を、ハンドルに固定して取り付けてもよい。あるいは、喉頭鏡は、ハンドルを備えた本体を備えていてもよく、細長い挿入部は、本体に取外し可能に保持可能であってもよい。挿入部は、内部に内腔を有する細長い部材を有していてもよく、本体は、挿入部内に延在しかつそれを支持する挿入部支持部材を備えていてもよい。挿入部支持部材、細長い部材および内腔のさらなる任意のかつ好ましい特徴は、本発明の最初の9つの態様に関連して上述したものに対応する。
ここで、以下の図面を参照して、本発明の実施形態例について説明する。
本発明による喉頭鏡挿入部の側方位置からの垂直図である。 図1の喉頭鏡挿入部の1つの向きからの斜視図である。 図1の喉頭鏡挿入部の1つの向きからの斜視図である。 図1の喉頭鏡挿入部の1つの向きからの斜視図である。 気管内チューブサイズの有効使用範囲の上限の径を有する気管内チューブを取外し可能に保持している、図1の喉頭鏡挿入部の側方位置からの垂直図である。 切断線A−A、B−B、C−CおよびD−Dに沿った図5の挿入部および保持されている気管内チューブの一連の断面図である。 図1のA−A、B−B、C−CおよびD−Dと等価の切断線に沿った別の挿入部および保持されている気管内チューブの一連の断面図である。 図1のA−A、B−B、C−CおよびD−Dと等価の切断線に沿った別の挿入部および保持されている気管内チューブの一連の断面図である。 図1のA−A、B−B、C−CおよびD−Dと等価の切断線に沿ったさらに別の挿入部および保持されている気管内チューブの一連の断面図である。 気管内チューブサイズの有効使用範囲の上限の径を有する気管内チューブを取外し可能に保持している、図1の喉頭鏡挿入部の側方位置からの垂直図である。 気管内チューブサイズの有効使用範囲の下限の径を有する気管内チューブを取外し可能に保持している、図1の喉頭鏡挿入部の側方位置からの垂直図である。 図10に対応し、保持されている気管内チューブおよび挿入部の中心線の指示を含む。
図1〜図5を参照すると、全体的に1として示す、成人に使用される喉頭鏡挿入部は、細長い部材2を備えており、それは、挿入部の近位端4から延在しているが、挿入部の遠位端6までは延在していない。細長い部材は、その遠位端に光透過性観察ポート8を有している。喉頭鏡の挿入部保持突起を受け入れかつ保持し、使用時に挿入部保持突起を体液から保護するように覆うために、細長い部材の近位端から細長い部材に沿って、細長い内腔10が延在している。喉頭鏡の挿入部支持部材の対応する突起と係合する固定用開口部14を含む保持部12により、挿入部の喉頭鏡への着脱可能な取付けが容易になる。挿入部を、内部にビデオカメラおよび光源が組み込まれた挿入部保持部材を有する喉頭鏡と使用してもよく、それにより、光源からの光が患者の気管および周囲領域を照明することができ、ビデオカメラが、患者の気管および周囲領域の画像をディスプレイに中継することができる。細長い部材の端部から幅広の突起16が延在しており、それは、使用時に、遮られることなく喉頭に届くことができるように、患者の生体構造と接触し通常それを持ち上げるブレードとして機能する。
チューブガイドが細長い部材の横方向に延在している。チューブガイドは、挿入部の遠位端に向かって位置する遠位上部チューブ案内部材18を備えており、それは、細長い部材の上側から延在し、第1上部チューブ案内部材として機能する。遠位上部チューブ案内部材の下面はチューブ案内面20を有しており、それは、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されている。細長い部材の側縁22は、チューブ案内面として機能しない。それは、使用時に気管内チューブと接触する可能性はあるが、保持されている気管内チューブの上面と接触しそれによりそれを案内することがないためである。
チューブガイドは、挿入部の近位端に向かって位置する近位上部チューブ案内部材24もまた備えており、それは、細長い部材から横方向に延在し、第2上部チューブ案内部材として機能する。近位上部チューブ案内部材の下面もまたチューブ案内面を有しており、それは、保持されている気管内チューブの上面と接触しそれによりそれを案内するように配置されている。
近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、概して内側に湾曲している。近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材は、厚さが略均一であり、細長い部材から横方向にかつ上方に、すなわち細長い部材の側面の、細長い部材の上面25に近いが同じ高さではない位置から、延在している。それらは、細長い部材の上面より上方に延在し、使用時に保持されている気管内チューブにわたって湾曲し、横方向にかつ下方に湾曲して、保持されている気管内チューブの上面の上に延在しかつそれを案内する。近位上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、その遠位端に向かって挿入部に対して上方に延在している。遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、その遠位端に向かって挿入部に対して下方に延在している。この配置により、挿入部より曲率が大きい気管内チューブの保持が容易になる。
下部チューブ案内部材26が、近位上部チューブ案内部材の遠位である位置から挿入部の遠位端に向かって延在している。下部チューブ案内部材は、保持されている気管内チューブの下面と接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を備えている。下部チューブ案内部材は、近位端において先細りになっており、そのため、チューブ案内面として機能しない下面部28も備えている。それは、使用時に保持されている気管内チューブの下面と接触してそれによりそれを案内することがないためである。
下部チューブ案内部材のチューブ案内面もまた、概して内側に湾曲している。下部チューブ案内部材は、厚さが略均一であり、細長い部材から横方向にかつ下方向に、すなわち細長い部材の側縁の、細長い部材の下面25に近いが同じ高さではない位置から、延在している。下部チューブ案内部材は、細長い部材の下面まで下方に延在し、使用時に保持されている気管内チューブにわたって湾曲し、横方向にかつ上方に湾曲して、保持されている気管内チューブの下面の下に延在しかつそれを案内する。
チューブガイドは、保持されている気管内チューブの下面および上面を、気管内チューブが保持されている気管内チューブと接触する最近位位置と最遠位位置との間の挿入部の長さの大部分に沿って、露出したままにするように配置されている。成人で使用する挿入部では、近位上部チューブ案内部材のその最上方領域に沿った長さは、およそ22mmであってもよく、遠位上部チューブ案内部材のその最上方領域に沿った長さは、およそ15mmであってもよい。近位上部チューブ案内部材の最上方領域と遠位上部チューブ案内部材の最上方領域との間の、挿入部の湾曲に従う、近位上部チューブ案内部材の遠位端と遠位上部チューブ案内部材の近位端との間の距離は、一直線でおよそ68mmまたは65mmであってもよい。下部チューブ案内部材の近位端と近位上部チューブ案内部材の遠位端との間の距離は、およそ25mmであってもよく、下部チューブ案内部材は、遠位上部チューブ案内部材の近位端のおよそ45mm近位に延在していてもよい。
下部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材は、使用時に保持されている気管内チューブ29を患者の気管に向かって案内するように配置されている。近位上部チューブ案内部材と遠位上部チューブ案内部材とが間隔を空けて配置されているため、近位上部チューブ案内部材のチューブ案内面と遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面とは、間隔を空けて配置される。保持されている気管内チューブの上面は、近位上部チューブ案内部材のチューブ案内面と遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面との間で露出している。下部チューブ案内部材は、遠位上部チューブ案内部材の近位に延在しており、そのため、保持されている気管内チューブがその下位側では案内されるがその上位側では案内されない領域がある。下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端30は、12.3mm外径の気管内チューブ(気管内チューブサイズの有効使用範囲の上限である)を挿入部の中心線に対して角度をなして導入することができるようにするために十分な距離、近位上部チューブ案内部材の遠位端32から間隔を空けて配置されている。
図6は、図5の挿入部の切断線A−A、B−B、C−CおよびD−Dに沿った一連の断面図を含む。この配置では、近位上部チューブ案内部材の上面は、細長い部材の上面と実質的に同一直線上にあり(A−A)、気管内チューブ(径が12.3mm)は、隣接する細長い部材の上面より上方に延在する上面を有している(C−C)。遠位上部チューブ案内部材と同じ高さで(D−D)、下位チューブ案内部材の下面は、細長い部材の下面よりさらに下方向に延在している。さらに、遠位上部チューブ案内部材と同じ高さで、遠位上部チューブ案内部材の上面は、細長い部材の上面よりさらに上方向に延在している。
図7は、別の挿入部の、A−A、B−B、C−CおよびD−Dと等価である切断線に沿った一連の断面図を含む。この実施形態では、下部チューブ案内部材は内側に湾曲しておらず、細長い部材の下面と同じ高さである下面を有し、遠位上部チューブ案内部材の上面は、細長い部材の上面より上方に延在している。近位上部チューブ案内部材の上面は、細長い部材の上面よりさらに上方向に延在している(A−A)。下部チューブ案内部材の近位端において、12.3mm径の保持されている気管内チューブの下面は、細長い部材の下面よりさらに下方向に延在している。さらに下部チューブ案内部材に沿って、下部チューブ案内部材の下面は、細長い部材の下面の下方に延在している。
図8は、別の挿入部の、A−A、B−B、C−CおよびD−Dと等価である切断線に沿った一連の断面図を含む。この実施形態では、近位上部チューブ案内部材は設けられていない(A−A)。下部チューブ案内部材は、先の実施形態よりさらに下方に延在することにより、チューブが挿管者によってその長さに沿って押される時にそのチューブの平滑な挿入を容易にする(C−C)。細長い部材の側面は、チューブガイド内に気管内チューブをより適切に保持するようにわずかな細長い溝を備えている(B−B)。遠位上部チューブ案内部材の近位半分と同じ高さで(C−C)、下部チューブ案内部材の下面は、細長い部材の下面よりさらに下方向に延在している。さらに、遠位上部チューブ案内部材の近位半分と同じ高さで、遠位上部チューブ案内部材の上面は、細長い部材の上面よりさらに上方向に延在している。上部チューブ案内部材は、断面D−Dにおいて示すように、下部チューブ案内部材の遠位に延在している。
図6〜図8に示すさまざまな断面を任意の組合せで組み合せて、さまざまな挿入部を形成してもよい。
図9は、さらに別の挿入部の、A−A、B−B、C−CおよびD−Dと等価な切断線に沿った一連の断面を含む。この実施形態では、特にかさが低減しており、細長い部材はより幅が狭く、チューブ案内部材は、細長い部材の隣接する対応面より、必要に応じて、下方向または上方向にさらに大幅に延在している。断面B−Bにおいて、保持されている12.3mmの気管内チューブは、細長い部材の上面および下面それぞれの上方にかつ下方に延在している。したがって、近位遠位上部チューブ案内部材と下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端との間に、挿入部の厚さが隣接する12.3mm気管内チューブの厚さを下回る挿入部の領域がある。この位置で、かつ近位上部チューブ案内部材の近位では、細長い部材の厚さは、8mm未満であってもよく、3mmまたは4mm程度に薄い可能性もあり得る。
挿入部は、通常、透明プラスチック材料から一体成形され、密封パッケージ内に殺菌して供給される。
使用時、挿入部を、内腔にぴったりとフィットする細長い挿入部支持部材(図示せず)に取外し可能に取り付ける。細長い挿入部支持部材は、通常、喉頭鏡本体のハンドルに取り付けられる。撮像装置として機能するビデオカメラと光源として機能する発光ダイオードとが、使用時に窓に隣接するように、細長い挿入部支持部材の遠位先端に配置されている。ビデオカメラおよび光源に電力を供給する電線が、細長い挿入部支持部材の長さにわたって伸びている。
細長い補強部は、通常、鋼または別の剛性材料から製造される。細長い補強部は、ビデオカメラおよび光源を支持しビデオカメラおよび光源への電気接続を封入するとともに、挿入部を支持するように機能し、そのため、挿入部を本来よりも薄くすることができる。
挿入部を喉頭鏡本体に取り付けると、挿入部と確実に使用することができる、気管内チューブサイズの有効使用範囲内の気管内チューブを、チューブガイド内に挿入し、下部チューブ案内部材ならびに近位チューブ案内部材および遠位チューブ案内部材のチューブ案内面と接触させる。成人の挿管で用いられる挿入部の場合、チューブ外径の好適な有効使用範囲は8mm〜12.3mmである。
そして、挿入部とともに喉頭鏡を患者内に導入し、妨げなしに喉頭に届くことができるように、ブレードを用いて患者の生体構造に接触し、恐らくはそれを持ち上げる。発光ダイオードが患者の喉頭領域を照明する間に、ビデオカメラからの画像が、喉頭鏡の一体部品であってもよくまたは喉頭鏡と別個であってもよいディスプレイに中継される。喉頭鏡を患者内に完全に、すなわち、麻酔医が気管内チューブを導入するのに最適に位置合せされていると考える地点まで、挿入する。そして、気管内チューブを、挿入部内を前方に、患者の喉頭まで前進させる。正しく挿入されたチューブを、その場で挿入部から横方向に取り外して、挿入部から分離することができる。そして、挿入部を取り除くことができ、気管内チューブを適所に残すことができる。
気管内チューブが、チューブガイド内で曲げ引張状態で保持されることを留意されたい。気管内チューブは通常固有の曲率を有するが、保持されている気管内チューブは近位上部チューブ案内部材および遠位チューブ案内部材の両方において下方向の曲げ力と、下部チューブ案内部材の少なくとも一部において上方向の力とを受けることになる。気管内チューブは弾性的であり、そのため、少なくとも近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材の遠位端に上方向に力42を、少なくとも下部チューブ案内部材の領域に(通常近位端に向かってまたは近位端において)下方向にさらなる力44を加える。これにより、保持されている気管内チューブに対するチューブ案内部材の把持がより確実になり、チューブ案内部材をより薄型にすることができ、かつチューブ案内部材が保持されている気管内チューブの周囲に延在する距離を、本来の場合より短くすることができ、信頼性の高い横方向に開口しているチューブガイドを提供することが容易になる。
実際には、少なくともいくつかの径の保持されている気管内チューブ(通常、気管内チューブサイズの有効使用範囲の上限である)は、通常、保持されているチューブの経路が湾曲しているため、気管内チューブがガイド内で停止している間、近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面に、これらチューブ案内部材の遠位端においてのみ接触する。近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材の他のチューブ案内面は、気管内チューブをチューブガイド内に挿入する段階中には関連するが、それらを省略することができることは想像できる。同様に、こうした気管内チューブは、通常、同様にまた保持されている気管内チューブの経路が湾曲しているため、下部チューブ案内部材のチューブ案内面とチューブ案内面の近位端に向かってのみ接触する。気管内チューブがチューブ案内部材の一部またはすべての限られた領域にしか接触しないこの配置により、気管内チューブが患者の気管内に前進する時の摩擦が低減する。
挿入部は、設計の特徴からもたらされる多数の重要な利点を有している。まず、挿入部は、患者の歯を損傷する危険を最小限にし、患者の歯の領域において挿入部の操縦性を促進するように適合されている。それは、挿入部の厚さが、気管内チューブの有効使用範囲における気管内チューブの最大サイズの外径(この例では12.3mm)に、保持されている気管内チューブの下面と接触する場所における下部チューブ接触部材の厚さ(少なくとも0.75mm、通常は1.5mm)と、保持されている気管内チューブの上面と接触する場所における遠位上部チューブ接触部材の厚さ(少なくとも0.75mm、通常は1.5mm)とを足したものより小さい、第1領域として機能する実質的に幅狭の領域34があるためである。幅狭の領域は、この例では挿入部の長さの大部分に沿って延在しているが、挿入部が標準的なサイズの患者内に完全に挿入された時に患者の歯に近い、挿入部の2cm、1cmまたはさらには0.5cmの長さに沿う等、挿入部の短い部分に沿ってのみ延在した場合であっても、上述した厚さを下回る厚さの幅狭部分を提供することは有用である。
チューブガイドの厚さを、遠位上部チューブ接触部材の近位の上記厚さ(本例では15.3mm)未満に維持することができる1つの特徴は、近位上部チューブ接触部材および遠位上部チューブ接触部材のチューブ案内面が間隔を空けて配置されており、保持されている気管内チューブの上面が露出したままである、という配置である。下部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材があることで、チューブを案内するには十分である。しかしながら、下部チューブ案内部材が遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位に延在し、保持されているチューブの上面が下部チューブ案内部材のチューブ案内面の第1領域との反対側で露出したままである領域がある配置には、保持されているチューブを下部チューブ案内部材によって正確に案内することができ、下部チューブ案内部材の上記領域との反対側においてチューブ案内部材を省略することにより、挿入部のかさが低減する、という利点がある。
同様に、近位上部チューブ案内部材のチューブ案内面の反対側にチューブ案内面が設けられていないため、チューブガイドの厚さは、使用時、患者の歯の近くで上記厚さ(本例では15.3mm)を下回ったままである。
近位上部チューブ案内部材のチューブ案内面の遠位端と下部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端との間に、保持されている気管内チューブがその下面および上面の両方において露出する領域がある。これは、まず、この領域においてチューブ案内部材を省略することによって、挿入部のかさ全体が低減されているため、有利である。これにより、下部チューブ案内部材および上部チューブ案内部材の突出部を、チューブサイズの有効使用範囲の上限における気管内チューブの外径(本例では12.3mm外径)より小さい間隔で配置することができる。
さらに、この配置により、挿入部の長さに対し角度をなして、チューブサイズの有効使用範囲の上限の気管内チューブの導入が容易になる。これを、図12に最もよく示す。そこでは、保持されている12.3mmの気管内チューブの中心線36が、挿入部の中心線38より曲率半径が大きく、実際に、保持されている気管内チューブの最上位点が挿入部の上面より上方であることが分かる。したがって、気管内チューブは、上部チューブ案内部材が下部チューブ案内部材の近位端まで延在した場合に占有する容積内に延在する。したがって、挿入部は、近位上部チューブ案内部材から遠位上部チューブ案内部材まで、チューブガイドが保持されている気管内チューブの下面および上面両方をこの長さに沿って覆った場合より、薄くなる。一方、気管内チューブサイズの有効使用範囲の下限である気管内チューブは、曲率半径がより小さい可能性があり、下部チューブ案内部材と接触しない可能性もある。
チューブガイドの厚さが、隣接する細長い部材の厚さより遠位上部チューブ案内部材とより同じ高さにあることも注目すべきである。さらに、遠位上部チューブ案内部材の上面は、隣接する細長い部材の上面よりさらに上方向に延在し、下部チューブ案内部材の下面は、下部チューブ案内部材に隣接する細長い部材の下面よりさらに下方向に延在する。したがって、チューブ案内部材の下面および上面が、挿入部の全長に沿って、細長い部材の下面および上面それぞれと同じ高さで延在する場合より、挿入部のかさ全体が小さくなる。これにより、挿入部のかさ全体が低減し、迅速な挿管が容易になる。
保持されている気管内チューブを湾曲経路で維持することは、挿入部の中心線に対して角度をなすことにより遠位端に向かって下方に延在する下部チューブ案内面を有する遠位上部チューブ接触部材を提供することによって、容易になる。同様に、近位上部チューブ接触部材は、挿入部の中心線に対して角度をなすことにより遠位端に向かって上方に延在する下部チューブ案内面を有している。
図7に示す実施形態によっては、近位上部チューブ案内部材の上面は、近位上部チューブ案内部材に隣接する細長い部材の上面よりさらに上方向に延在し、それにより、挿入部が患者の口腔内に完全に挿入された時、患者の歯の領域における挿入部のかさが低減する。
図8に示す実施形態によっては、近位上部チューブ案内部材が完全に省略されている。下部チューブ案内部材のチューブ案内面は、挿入部の近位端まで延在していない。これによりかさがさらに低減し、これは、遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面の近位端の近位に延在するチューブ案内面を有する下部チューブ案内部材を提供することにより容易になる。実施形態によっては、遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面は、使用時に患者の舌根部の周囲に延在する挿入部の部分(通常最も湾曲している部分)の完全に遠位にある。しかしながら、図8に示す実施形態では、遠位上部チューブ接触部材のチューブ案内面は、使用時に患者の舌根部の周囲に延在する挿入部の部分まで延在している。
図9の実施形態では、細長い部材の厚さは、気管内チューブの有効使用範囲における最大気管内チューブの外径を下回る大きさまで大幅に低減し、挿入部のかさ全体がさらに低減する。
チューブガイドを、保持されている気管内チューブが、挿入部の近位端と遠位上部チューブ案内部材との間で湾曲したままであるように配置するさらなる利点は、チューブガイドを含むJ字型挿入部とは対照的に、挿入部を湾曲経路に沿って患者の口腔内により自然に導入することができる、ということである。対照的に、J字型挿入部は、多段プロセスで挿入される際に前後に傾ける必要がある。さらに、直線状部分が湾曲し始める場所においてチューブガイドに著しい力が加わるJ字型チューブガイドより、保持されているチューブを患者の気管内に前進させるために必要な力が小さくなる。気管内チューブは通常わずかに湾曲しており、この配置により、わずかに湾曲した気管内チューブの都合のよい使用が促進される。
挿入部のかさ全体が低減する設計特徴の結果として、挿入部を、より径の大きい気管内チューブと作用するようなサイズにすることができる。たとえば、径が最大12.3mmの気管内チューブと用いることができる、困難な挿管状況においてチューブを迅速に挿入するために容易に使用することができる挿入部を提供することができる。
乳幼児、または馬等の所定の動物または動物群で使用する別の挿入部を提供してもよい。この場合、挿入部は、比例して規模が拡大または縮小してもよい。全体としての挿入部の長さ、幅および厚さは、通常、比例して拡大・縮小する。しかしながら、チューブ案内部材の厚さ等、いくつかの寸法は、比例して拡大・縮小しない場合もある。
チューブガイドが、気管内チューブを細長い部材の横方向に保持するように配置されており、気管内チューブを挿入部の下方にまたは上方に保持するチューブガイドより、患者の口腔の一般的な形状によりフィットすることが分かる。
例示した実施形態は、近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材のチューブ案内面が、各上部チューブ案内部材の近位端および遠位端で終端するように、急峻に終端する近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材を示すが、代りに、近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材の一方または両方が、先細りになり、保持されている気管内チューブの上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面として機能しない部分を含むことができる。たとえば、細長い部材から延在するリップが、近位上部チューブ案内部材および遠位上部チューブ案内部材と接触してもよいが、本発明の意味においてでチューブ案内面を構成しないため、本発明の機能に影響を与えることはない。
本発明を、取外し可能に保持可能な挿入部部分を用いて説明したが、挿入部は、あるいは、喉頭鏡の一体部品であってもよい。
さらなる変形および変更を、本明細書で開示した本発明の範囲内で行うことができる。

Claims (15)

  1. 使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、
    気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドと、細長い部材とを備え、前記チューブガイドが、前記細長い部材の横方向に延在し、かつ保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する、複数のチューブ案内部材を備え、前記複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの前記下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの前記上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材とを備え、当該挿入部の長さに沿った少なくとも1つの位置において、前記細長い部材の厚さが、隣接する前記チューブガイドの厚さより小さい、細長い喉頭鏡挿入部。
  2. 前記少なくとも1つの位置において、前記細長い部材の厚さが、前記隣接するチューブガイドの厚さに、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径を有する保持されている気管内チューブの外径を足したものより小さいように構成される、請求項1に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  3. 前記チューブガイドが上部チューブ案内部材を含む少なくとも1つの位置において、前記上部チューブ案内部材が、前記上部チューブ案内部材に隣接する前記細長い部材よりさらに上方向に延在する、請求項1または2に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  4. 前記第1上部チューブ案内部材の前記チューブ案内面より近位の少なくとも1つの位置において、当該挿入部の厚さが、気管内チューブサイズの有効使用範囲における最大外径の気管内チューブの径の3/4より小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  5. 前記チューブガイドが、保持されている気管内チューブを前記チューブガイドから横方向に取り除くことができるように配置される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  6. 前記第1上部チューブ案内部材の前記チューブ案内面の少なくとも一部が、前記下部チューブ案内部材の前記チューブ案内面の少なくとも一部と対向している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  7. 使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、
    気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを備え、前記チューブガイドが、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する複数のチューブ案内部材を備え、前記複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの前記下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの前記上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する第1上部チューブ案内部材とを備え、前記下部チューブ案内部材の前記チューブ案内面の少なくとも一部が、前記第1上部チューブ案内部材の前記チューブ案内面より近位である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  8. 使用時に患者の口腔内に挿入する、近位端および遠位端を有する細長い喉頭鏡挿入部であって、
    気管内チューブを着脱可能に保持しかつ保持されている気管内チューブを患者の喉頭に向かって案内するチューブガイドを備え、前記チューブガイドが、保持されている気管内チューブの下面または上面に接触しそれによりそれを案内するように配置されているチューブ案内面を有する複数のチューブ案内部材を備え、前記複数のチューブ案内部材が、少なくとも、保持されている気管内チューブの前記下面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を上側に有する下部チューブ案内部材と、保持されている気管内チューブの前記上面に接触しそれによりそれを案内するチューブ案内面を下側に有する、前記チューブガイドの遠位端における第1上部チューブ案内部材とを備え、前記チューブガイドが、さまざまな外径の気管内チューブに対し、保持されている気管内チューブが、少なくとも、当該挿入部が患者内に完全に挿入された時に、保持されている気管内チューブが患者の歯を通する部分から、前記第1上部チューブ案内部材まで連続的に湾曲するように配置される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  9. 前記チューブガイドが、前記気管内チューブを実質的に一定の曲率半径で保持するように配置される、請求項8に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  10. 前記チューブガイドが、前記気管内チューブを、前記チューブガイドが保持されている気管内チューブの上面に接触する最近位位置から、前記チューブガイドが保持されている気管内チューブの前記上面に接触する最遠位位置まで、曲げ引張状態で保持するように配置される、請求項8または9に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  11. 前記チューブガイドは、保持されている気管内チューブの前記上面に最近位位置および最遠位位置において接触し、前記チューブガイドが、前記チューブガイドが保持されている気管内チューブの前記上面に接触する前記最近位位置と最遠位位置との中間の、保持されている気管内チューブの前記下面とも接触し、それにより、保持されている気管内チューブが前記チューブガイドに対し、前記チューブガイドが保持されている気管内チューブの前記上面に接触する前記最近位位置および最遠位位置において、上方の力を加え、前記チューブガイドが保持されている気管内チューブの前記下面に接触する前記位置において、下方の力を加える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  12. 前記細長い部材が、撮像装置および/または照明装置を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  13. 直径が最大12.3mmの気管内チューブとの使用に適した、請求項1〜12に記載の細長い喉頭鏡挿入部。
  14. ハンドルと請求項1〜13のいずれか一項に記載の挿入部とを備える喉頭鏡。
  15. 前記挿入部が前記ハンドルに固定して取り付けられる、請求項14に記載の喉頭鏡。
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