図1は、正面から見た場合の複合機1の外観および複合機1を含むネットワークの構成の例を示す図である。図2は、複合機1の全体的なハードウェア構成の例を示す図である。図3は、正面から見た場合のエンジン部1fの内部の構成の例を概略化して表した断面図である。図4は、操作部1hの構成の例を示す図である。
図1に示す複合機1は、一般にMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる画像処理装置であって、コピー、PCプリント(ネットワークプリンティング)、ファックス、スキャナ、およびドキュメントサーバなどの機能を集約した装置である。複合機1は、パーソナルコンピュータなどの他の装置TRと通信回線NWを介してデータのやり取りを行うことができる。
複合機1は、会社または役所などのオフィスに設置され、複数のユーザによって共用される。また、後述の限定機能を使用する権限を有するユーザには、1人ずつ1組のユーザコードおよびパスワードが与えられている。ユーザコードおよびパスワードは、複合機1の大容量記憶装置1dなどに記憶されている。
複合機1は、図2に示すように、コントローラ1a、RAM(Random Access Memory)1b、ROM(Read Only Memory)1c、大容量記憶装置1d、スキャナ1e、エンジン部1f、ネットワークインタフェース1g、操作部1h、モデム1j、および音声出力部1kなどによって構成される。
スキャナ1eは、用紙に記されている写真、文字、絵、図表などの画像を読み取って画像データを生成する装置である。
エンジン部1fは、スキャナ1eによって読み取られた画像または他の装置から受信した画像データに示される画像を印刷する印刷ユニットである。エンジン部1fとして、例えば、タンデム方式の印刷ユニットが用いられる。この場合は、エンジン部1fは、図3に示すように構成される。
図3において、エンジン部1fは、画像形成ユニット1u、転写ベルト1t、一次転写装置1s、二次転写装置1v、定着装置1wなどによって構成される。画像形成ユニット1uおよび一次転写装置1sは、1つずつ、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)のそれぞれの色ごとに設けられている。
画像形成ユニット1uは、像担持体1ua、帯電装置1ub、像露光装置1uc、および現像装置1udなどによって構成され、各色の像を次のように形成する。
像担持体1uaは、感光体である。帯電装置1ubは、像担持体1uaの表面を一様な電位に帯電させる。像露光装置1ucは、表面が一様に帯電した像担持体1uaに、光を照射することによって静電潜像を形成する。現像装置1udは、像担持体1uaの、静電潜像が形成された部分に、トナーを静電吸着させる。
一次転写装置1sは、像担持体1uaの表面に吸着しているトナーを、転写ベルト1tに転写(1次転写)する。
二次転写装置1vは、転写ベルト1tに1次転写された各色のトナーを記録紙または樹脂フィルムなどの記録媒体MAに転写(二次転写)する。そして、定着装置1wは、二次転写されたトナーを記録媒体MAに定着させる。
図2に戻って、操作部1hは、図4に示すように、液晶ディスプレイ1h0、タッチパネル1h1、およびキーボード1h2などによって構成される。
液晶ディスプレイ1h0には、ユーザへメッセージを与えるための画面、処理の結果を示す画面、またはユーザが複合機1に対してジョブなどの指示を入力するための画面などが表示される。タッチパネル1h1は、液晶ディスプレイ1h0の表示面に設けられており、タッチされた(押された)位置を検知し、コントローラ1aにその位置を通知する。
キーボード1h2は、テンキー、スタートキー、ストップキー、およびファンクションキーなどのキーによって構成される入力装置である。
ユーザは、操作部1hを操作することによって、複合機1に対してコマンドを与えたりデータを入力したりすることができる。
図2に戻って、ネットワークインタフェース1gは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)によって他の装置と通信を行う。ネットワークインタフェース1gとして、例えばNIC(Network Interface Card)が用いられる。
モデム1jは、固定電話網を介してG3のプロトコルによって他のファックス端末と通信を行う装置である。
音声出力部1kは、サウンドボードおよびスピーカなどによって構成され、ビープ音などの音声を出力する。
コントローラ1aは、複合機1の全体的な制御を行うCPU(Central Processing Unit)である。
ROM1cまたは大容量記憶装置1dには、オペレーティングシステム、ファームウェア、およびアプリケーションなどのプログラムが記憶されている。
オペレーティングシステムまたはファームウェアには、液晶ディスプレイ1h0に画面を表示するプログラムが含まれている。特に、本実施形態では、後述するバッジ選択画面2(図5参照)を表示するためのバッジ選択画面表示プログラム10が含まれている。
大容量記憶装置1dとして、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、またはフラッシュメモリなどの不揮発性の記録装置が用いられる。これらのプログラムは、必要に応じてRAM1bへロードされ、コントローラ1aによって実行される。
上述の通り、複合機1には、コピー、PCプリント、ファックス、スキャナ、およびドキュメントサーバなど様々な機能が備わっている。これらの機能は、使用の要否または設定値をユーザが任意に選択できるオプション機能と組み合わされて実現される。
例えば、コピー機能は、いわゆる裏写りなどを除去する「下地調整機能」、スキャンした画像を自動的に回転させる「自動回転機能」、原稿の用紙を複数枚連続してスキャンする「連続読込み機能」、いわゆるブック仕上げを行う「ブック原稿機能」などのオプション機能が適宜、組み合わされる。
図5は、バッジ選択画面2の例を示す図である。図6は、複合機1の機能的構成の例を示す図である。図7は、機能バッジ列300とバッジ選択画面2との関係の例を示す図である。図8は、両端の機能バッジ3が一部分のみ表れている場合のバッジ選択画面2の例を示す図である。
次に、図5に示すバッジ選択画面2を、その表示方法および操作方法などとともに説明する。
ユーザが所定の操作を行うと、コントローラ1aは、バッジ選択画面表示プログラム10を起動させる。例えば、ユーザがキーボード1h2の中の、「copy」、「fax/scan」、および「box」の各ファンクションキーのうちのいずれかを押すと、バッジ選択画面表示プログラム10を起動させる。
バッジ選択画面表示プログラム10によると、図6に示すバッジ選択画面データ生成部101、バッジ選択画面表示制御部102、モーション種別等判別部103、スライドゲージ位置決定部104、バッジ位置決定部105、境界到達通知処理部106、進入通知処理部107、ユーザ認証処理部108、および画面データ記憶部109などが実現される。
以下、「copy」のファンクションキーが押された場合を例に、バッジ選択画面データ生成部101ないし画面データ記憶部109の処理内容およびバッジ選択画面2などについて説明する。
まず、バッジ選択画面2について説明する。バッジ選択画面2には、図5の通り、機能バッジエリア2A、スクロールトラック2B、およびスライドゲージ移動エリア2Cの3つのエリアがある。
機能バッジエリア2Aには、機能バッジ列300が表示される。機能バッジ列300は、横方向に一列に並んだ複数の機能バッジ3によって構成されるマップである。以下、26個の機能バッジ3が設けられている場合を例に説明する。また、各機能バッジ3を左から順に「機能バッジ3A」、「機能バッジ3B」、…、「機能バッジ3Z」、と区別して記載することがある。
図7に示すように、機能バッジ列300の高さ(縦方向の長さ)は、機能バッジエリア2Aの高さよりもずっと低い。しかし、機能バッジ列300の幅(横方向の長さ)は、機能バッジエリア2Aの幅よりもかなり長い。よって、機能バッジエリア2Aには、機能バッジ列300の一部分しか表れていない。
ただし、ユーザは、後述するように、機能バッジエリア2Aにおいて機能バッジ列300を横方向にスクロールさせることによって、機能バッジ列300の残りの部分を見ることができる。
機能バッジ3は、オプション機能を表わすアイコンであり、複合機1に備わっているオプション機能ごとに1つずつ用意されている。本実施形態では、「copy」のファンクションキーが押されたので、機能バッジ列300には、コピーの機能とともに用いられるオプション機能の機能バッジ3が並べられる。
また、オプション機能には、特定のユーザしか使用することができないものと、誰でも使用することができるものとが、ある。以下、特定のユーザしか使用することができないオプション機能を「限定機能」と記載し、誰でも使用することができるオプション機能を「非限定機能」と記載する。機能バッジ列300の右半分は、限定機能のバッジ3が占めている。一方、左半分は、非限定機能の機能バッジ3が占めている。ユーザは、本人であることを複合機1に認証してもらわなければ、限定機能を使用することができない。
なお、オプション機能の設定の内容に応じて機能バッジ3の絵柄が変更されることがある。ただし、図7においては、機能バッジ3の絵柄を省略している。
スクロールトラック2Bには、複数のマーカ4が横方向に並べられている。マーカ4は、アイコンである。マーカ4の個数は機能バッジ3の個数と同じである。そして、左のマーカ4から順に機能バッジ3A、機能バッジ3B、…、機能バッジ3Zに対応している。以下、各マーカ4を左から順に「マーカ4A」、「マーカ4B」、…、「マーカ4Z」と区別して記載することがある。したがって、マーカ4A、マーカ4B、…、マーカ4Zは、それぞれ、機能バッジ3A、機能バッジ3B、…、機能バッジ3Zに対応している。
スクロールトラック2Bの幅は、バッジ選択画面2の幅とほぼ同じである。よって、ユーザは、スクロールトラック2Bのすべての部分を一度に見ることができる。
上述の通り、機能バッジ列300の右半分は限定機能の機能バッジ3によって構成され、左半分は非限定機能の機能バッジ3によって構成される。したがって、スクロールトラック2Bに並んでいるマーカ4も、右半分は限定機能のものであり、左半分は非限定機能のものである。以下、限定機能のマーカ4の並んだ領域を「限定機能領域6R」と記載し、非限定機能のマーカ4の並んだ領域を「非限定機能領域6L」と記載する。また、限定機能領域6Rと非限定機能領域6Lとの境界線を、「境界線6K」と記載する。
スライドゲージ移動エリア2Cは、スクロールトラック2Bの直ぐ下に設けられている。スクロールトラック2Bの幅と同様に、スライドゲージ移動エリア2Cの幅もバッジ選択画面2の幅とほぼ同じである。
スライドゲージ5は、スクロールバー51およびウィンドウ52によって構成される(図5参照)。スクロールバー51は、ユーザの操作に応じて、スライドゲージ移動エリア2Cの中を左右方向(横方向、幅方向)に移動するアイコンである。したがって、スクロールバー51は、ユーザの操作に応じて、スクロールトラック2Bの下辺に沿って平行に移動する。なお、説明の簡単のため、本実施形態では、スクロールバー51は上下方向には移動しないものとする。
ウィンドウ52は、機能バッジエリア2Aを縮小したものに相当する。ウィンドウ52は、スクロールバー51の真上に設けられている。ウィンドウ52の高さは、スクロールトラック2Bの高さよりも若干高い。また、ウィンドウ52の幅は、スクロールバー51の幅より若干、長い。よって、ウィンドウ52は、スクロールトラック2Bの中の、スクロールバー51の真上にある幾つかのマーカ4を囲うことができる。
また、ウィンドウ52は、スクロールバー51に固定されている。よって、ウィンドウ52は、スクロールバー51が移動すると、一緒に移動する。ユーザは、ウィンドウ52で囲われるマーカ4を、スクロールバー51を操作することによって変えることができる。
機能バッジエリア2Aには、上述の通り、機能バッジ列300の一部分のみ、つまり、26個の機能バッジ3のうちの一部のみが、表示される。図5および図7に示す通り、ウィンドウ52によって囲われているマーカ4に対応する機能バッジ3のみが、機能バッジエリア2Aに表示される。そして、スクロールバー51の移動に伴って、ウィンドウ52で囲うマーカ4が変わり、機能バッジエリア2Aに表示される機能バッジ3も変わる。
このように、スクロールバー51の移動に伴って、機能バッジ列300が機能バッジエリア2Aにおいてスクロールする。
次に、図6に示すバッジ選択画面データ生成部101ないし画面データ記憶部109について説明する。バッジ選択画面2を液晶ディスプレイ1h0に表示する処理は、バッジ選択画面データ生成部101ないし画面データ記憶部109によって実現される。
画面データ記憶部109には、バッジ選択画面2を構成する各オブジェクトを表示するための画像データが記憶されている。これらの画像データは、バッジ選択画面データ生成部101によって用いられる。
バッジ選択画面データ生成部101は、ユーザによる操作に応じた状態のバッジ選択画面2のビットマップのデータを生成する。
ファンクションキーが押された場合は、このファンクションキーに係る機能に応じたバッジ選択画面2のビットマップのデータを生成する。ただし、この場合は、スライドゲージ5をデフォルトの位置に配置しておく。したがって、バッジ選択画面2に配置される機能バッジ3も自ずと決まる。
また、ユーザがスクロールバー51を移動させる操作を行うと、バッジ選択画面データ生成部101は、その操作に応じて変化したバッジ選択画面2のビットマップのデータを修正する。これについては、後述する。
バッジ選択画面表示制御部102は、バッジ選択画面データ生成部101によって生成されまたは修正されたビットマップのデータに基づいて、液晶ディスプレイ1h0にバッジ選択画面2を表示させる。
ユーザは、機能バッジ列300をスクロールさせるために、バッジ選択画面2を見ながら、タッチパネル1h1の上の、スクロールバー51が表示されている位置を指またはペンなどで触って右または左へスライドさせる。「スライド」という操作は、マウスでオブジェクトをドラッグする操作に相当する。
または、ユーザは、オプション機能を選択する場合は、そのオプション機能に対応する機能バッジ3をタップする。「タップ」という操作は、マウスでオブジェクトをクリックする操作に相当する。
ユーザは、スクロールバー51を操作しながら、自分が使用しまたは設定したいオプション機能の機能バッジ3を見つける。そして、その機能バッジ3をタップする。
すると、複合機1は、そのオプション機能の設定値の変更を行う。例えば、その機能バッジ3が、そのオプション機能を使用するか否かつまり「オン」および「オフ」を切り換えるためのものであれば、機能バッジ3がタップされるごとに、複合機1は、そのオプション機能を使用するか否かを示す設定値を変更する。
または、複合機1は、そのオプション機能に関する幾つかの項目の設定値を入力するためのダイアログボックスをバッジ選択画面2の上に表示する。ここで、ユーザは、各項目の値を入力する。すると、複合機1は、ダイアログボックスを閉じるとともに、各項目の設定値を、入力された値に変更する。
ただし、ユーザは、認証を受けていなければ、限定機能の機能バッジ3をタップしても、その限定機能を使用したりその限定機能の設定を行ったりすることは、できない。
タッチパネル1h1は、各時刻における触れられた位置を検知する。そして、タッチパネル1h1は、各時刻における検知した位置をコントローラ1aへ通知する。以下、触れられた位置を「接触位置」と記載する。
モーション種類等判別部103は、タッチパネル1h1から通知された検知の結果に基づいて、ユーザが行った操作(モーション)の種類および対象を次のように判別する。
触れられている間の、最初の接触位置とその後の任意の接触位置との距離(以下、「接触変位距離」と記載する。)が所定の距離以上である場合は、モーション種類等判別部103は、その操作が「スライド」であると判別する。そして、最初の接触位置に配置されているオブジェクト(例えば、スクロールバー51)を、操作の対象であると判別する。
したがって、モーション種類等判別部103は、最初の接触位置から所定の距離以上離れた別の接触位置が検知された時点で、その操作が「スライド」であると、判別する。
一方、接触変位距離が所定の値未満である場合は、モーション種類等判別部103は、その操作が「タップ」であると判別する。そして、最初の接触位置に配置されているオブジェクト(例えば、いずれかの機能バッジ3)を、操作の対象であると判別する。
したがって、モーション種類等判別部103は、最初の接触位置から所定の距離以上離れた別の接触位置が検知されることなく指などがタッチパネル1h1から離れたら、その操作が「タップ」であると、判別する。
スライドゲージ位置決定部104は、タッチパネル1h1によって検知された結果に基づいて、触れられている間の各時刻におけるスライドゲージ5の位置を決定する。
例えば、ユーザがスクロールバー51の中心を触りながらスライドを行い、ある時刻Tcの接触位置のX座標の値としてXcが検知された場合は、スクロールバー51の中心が座標(Xc,Yo)になる位置を、スライドゲージ5の時刻Tcにおける位置に決定する。なお、上述の通り、スライドゲージ5は上下方向には移動しないので、「Yo」は、所定の値である。または、指の移動の量および向きに基づいてスクロールバー51の位置を決定してもよい。
ただし、ウィンドウ52の右辺と境界線6Kとが重なった後、スライドゲージ位置決定部104は、上述の方法とは異なる方法でスライドゲージ5の位置を決定することがある。また、限定機能領域6Rとウィンドウ52とが重なっている場合も、上述の方法とは異なる方法でスライドゲージ5の位置を決定することがある。これについては、後述する。
バッジ位置決定部105は、スライドゲージ位置決定部104が決定したスライドゲージ5の位置に基づいて、機能バッジエリア2Aに表示させる機能バッジ3およびそれらの位置を次のように決定する。
スライドゲージ5の位置が決まると、ウィンドウ52の位置も自ずと決まる。バッジ位置決定部105は、機能バッジ列300の、ウィンドウ52に囲われている部分を特定する。特定した部分には、マーカ4が複数個、横一列に並んでいる。
ウィンドウ52は、上述の通り、機能バッジエリア2Aを縮小した領域に相当する。そこで、バッジ位置決定部105は、特定した部分に並んでいる各マーカ4に対応する機能バッジ3を、機能バッジエリア2Aに表示させる機能バッジ3に決定する。さらに、バッジ位置決定部105は、特定した部分を所定の倍率に(機能バッジエリア2Aと同じサイズになるように)拡大して機能バッジエリア2Aに配置したときの、特定した部分に含まれる各マーカ4の位置を算出する。そして、各マーカ4の算出した位置を、各マーカ4に対応する各機能バッジ3の位置に決定する。
例えば、図5のようにマーカ4D、4E、…、および4Hの全部分がウィンドウ52に囲われている場合は、バッジ位置決定部105は、左から順に機能バッジ3D、3E、…、および3Hの全部分を表示させると、決定する。
または、図8のように、マーカ4Cの右半分と、マーカ4D、4E、4F、および4Gの全部分と、マーカ4Hの左半分とが、ウィンドウ52に囲われている場合は、バッジ位置決定部105は、左から順に機能バッジ3Cの右半分と、機能バッジ3D、3E、3F、および3Gの全部分と、機能バッジ3Hの左半分を表示させると、決定する。
バッジ選択画面データ生成部101は、スライドゲージ位置決定部104およびバッジ位置決定部105が決定した通りにスライドゲージ5および機能バッジ3が配置されるようにバッジ選択画面2のビットマップのデータを修正する。
そして、バッジ選択画面表示制御部102は、バッジ選択画面データ生成部101によって修正されたビットマップのデータに基づいて、バッジ選択画面2を液晶ディスプレイ1h0に表示し直す。
〔ウィンドウ52の右辺と境界線6Kとが重なった場合の処理〕
図9は、右方向へスクロールバー51をスライドさせる際のバッジ選択画面2の例を示す図である。図10は、スクロールバー51を停止させた際のバッジ選択画面2の例を示す図である。図11は、接触位置へスクロールバー51を移動させた際のバッジ選択画面2の例を示す図である。図12は、メッセージのポップアップウィンドウの例を示す図である。
ユーザが、スクロールバー51をスクロールトラック2Bの左端から右へ向かってスライドさせると、複合機1の各部は、上述の処理を行うことによって、ウィンドウ52に囲われるマーカ4に対応する機能バッジ3を代わる代わる表示する。つまり、機能バッジ列300をスクロールさせる。ユーザがスライドを続けると、やがて、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kに重なる。
すると、境界到達通知処理部106は、そのままスクロールが続けば限定機能の機能バッジ3が表れ認証を受ける必要がある旨をユーザに通知する処理を、例えば、次のように行う。
境界到達通知処理部106は、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kに重なったタイミングで、スライドゲージ5を停止させる処理を行う。例えば、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kに重なった時点でバッジ選択画面2の変化が停止されるように、バッジ選択画面データ生成部101またはバッジ選択画面表示制御部102を制御すればよい。
したがって、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kに重なるまでは、スライドゲージ5は、図9に示すように、ユーザの指の動きに合わせて左から右へ移動する。そして、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kに重なった後は、図10に示すように、ユーザの指がそのまま右へ移動しても、スライドゲージ5は移動せず停止する。
ユーザは、スライドを続けているにも関わらずスライドゲージ5が停止することによって、そのままスクロールが続けば限定機能の機能バッジ3が表れ認証を受ける必要があることを、知ることができる。
そして、スライドゲージ5の停止後、一定の時間(例えば、数秒間)が経過したら、境界到達通知処理部106は、スライドゲージ5の停止が解除されるようにバッジ選択画面データ生成部101およびバッジ選択画面表示制御部102を制御する。これにより、図11のように、ユーザの指の位置に基づいてスライドゲージ位置決定部104およびバッジ位置決定部105によって決定された位置に、スライドゲージ5および機能バッジ3が表示される。
または、境界到達通知処理部106は、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kに重なったタイミングでビープ音などが報知音として出力されるように音声出力部1kを制御してもよい。
または、境界到達通知処理部106は、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kに重なったタイミングで、そのままスクロールが続けば限定機能の機能バッジ3が表れ認証を受ける必要がある旨を知らせるメッセージが表示されるように、バッジ選択画面データ生成部101を制御してもよい。すると、バッジ選択画面データ生成部101は、図12のように、メッセージのポップアップウィンドウをバッジ選択画面2に重ねて表示する。
そのほか、境界到達通知処理部106は、スライドゲージ5が一定の時間、振動するように、バッジ選択画面データ生成部101を制御してもよい。すると、バッジ選択画面データ生成部101は、スライドゲージ位置決定部104によって決定された位置よりも上下または左右にずらしてスライドゲージ5を配置したバッジ選択画面2のデータを生成する。この際に、スライドゲージ5のずれは、時刻ごとに変化するようにする。そして、バッジ選択画面表示制御部102は、生成されたデータに基づいてバッジ選択画面2を液晶ディスプレイ1h0に表示させる。
または、境界到達通知処理部106は、バッジ選択画面2全体が一定の時間、振動するように、バッジ選択画面表示制御部102を制御してもよい。すると、バッジ選択画面表示制御部102は、時刻ごとにずれの位置が上下または左右に変化するように、バッジ選択画面2を液晶ディスプレイ1h0に表示させる。
〔ウィンドウ52が限定機能領域6Rに進入した後の処理〕
図13は、ウィンドウ52を着色したバッジ選択画面2の例を示す図である。図14は、限定機能領域6Rを着色したバッジ選択画面2の例を示す図である。図15は、メッセージのポップアップウィンドウの例を示す図である。図16は、ユーザコード等入力画面2Nの例を示す図である。
スライドゲージ5が左から右へ移動し、ウィンドウ52が境界線6Kを越えて限定機能領域6Rと重なると、進入通知処理部107は、機能バッジエリア2Aに表れている機能バッジ3が限定機能つまり認証を要するオプション機能のものである旨を通知する処理を行う。また、ユーザ認証処理部108は、限定機能をユーザに使用させるための、ユーザの認証の処理を行う。以下、これらの処理について説明する。
進入通知処理部107は、ウィンドウ52が境界線6Kを越えて限定機能領域6Rと重なると、ウィンドウ52の色を変更するようにバッジ選択画面データ生成部101に対して指令する。
すると、バッジ選択画面データ生成部101は、ウィンドウ52が着色されるように、バッジ選択画面2のデータを修正する。そして、バッジ選択画面表示制御部102は、修正されたデータに基づいてバッジ選択画面2を表示させる。この際に、透過GIF(Graphics Interchange Format)などで用いられる、いわゆる透明色がウィンドウ52の色として用いられる。これにより、図13に示すように、ウィンドウ52に囲われるマーカ4が透けて見える。ウィンドウ52の着色は、ウィンドウ52が限定機能領域6Rと重なっている間、継続する。
または、ウィンドウ52が限定機能領域6Rと重なっている間、進入通知処理部107は、次のようにバッジ選択画面2が表示されるようにバッジ選択画面データ生成部101およびバッジ選択画面表示制御部102を制御してもよい。ウィンドウ52の代わりに、図14に示すように、限定機能領域6Rに配置されているマーカ4の周囲を着色させてもよい。または、図15に示すように、認証を要するオプション機能の機能バッジ3が表示されている旨を知らせるメッセージのポップアップウィンドウをバッジ選択画面2に重ねてもよい。または、スライドゲージ5またはバッジ選択画面2全体を振動させてもよい。
または、進入通知処理部107は、ウィンドウ52が限定機能領域6Rと重なっている間、常時、継続的に報知音が鳴るように、音声出力部1kを制御してもよい。
ユーザがスライドを止めると、スライドゲージ5も停止する。すると、止まった位置に応じて、ユーザ認証処理部108およびスライドゲージ位置決定部104などは、次の処理を行う。
スライドゲージ5が停止した際に、ウィンドウ52の右辺が限定機能領域6Rの中の所定の位置6S(図5参照)よりも右側にある場合は、ユーザ認証処理部108は、ユーザを認証するための処理を次のように行う。
ユーザ認証処理部108は、図16のように、ユーザコード等入力画面2Nをバッジ選択画面2に重ねて液晶ディスプレイ1h0に表示させる。ここで、ユーザは、自分のユーザコードおよびパスワードを入力する。
すると、ユーザ認証処理部108は、大容量記憶装置1dに記憶されている各組のユーザコードおよびパスワードと、入力されたユーザコードおよびパスワードとを照合することによって、入力を行ったユーザが本人であるか否かを判別する。すなわち、ユーザ認証を行う。
そして、入力を行ったユーザは、本人であるとユーザ認証処理部108によって判別された場合は、限定機能の使用が許可される。これにより、限定機能の機能バッジ3をタップして限定機能の設定を行い、限定機能を使用することができる。
一方、入力を行ったユーザが本人であると判別されなかった場合は、スライドゲージ位置決定部104は、スライドゲージ5の位置を、ウィンドウ52の右辺と境界線6Kとが重なる位置に変更する。
すると、バッジ位置決定部105は、位置が変更された後の、ウィンドウ52に囲まれるマーカ4に基づいて、機能バッジエリア2Aに配置する機能バッジ3およびその位置を決定する。
そして、バッジ選択画面データ生成部101は、新たな位置にスライドゲージ5および各機能バッジ3が配置されるようにバッジ選択画面2のデータを生成し直す。バッジ選択画面表示制御部102は、それに基づいてバッジ選択画面2を表示し直す。これにより、バッジ選択画面2は、図9に示した状態に戻る。
または、スライドゲージ5が停止した際に、ウィンドウ52の右辺が限定機能領域6Rの所定の位置6Sよりも左側にある場合は、ユーザ認証処理部108によるユーザ認証を行うことなく、スライドゲージ位置決定部104などは、上述の、スライドゲージ5を、ウィンドウ52の右辺と境界線6Kとが重なる位置に戻す処理を行う。これにより、バッジ選択画面2は、図9に示した状態に戻る。
図17は、複合機1における表示に関する全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
次に、タッチパネル1h1が操作される際の複合機1における全体的な処理の流れを、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
複合機1は、スクロールバー51のスライド以外の操作が行われると(図17の#11でNo)、その操作に応じた処理を実行する(#12)。
一方、ユーザがスクロールバー51をスライドさせている間(#11でYes)、複合機1は、時刻ごとに、接触位置に応じてスライドゲージ5および機能バッジ3の位置を決定する。
スクロールバー51が左から右へとスライドされているが、未だウィンドウ52の右辺が境界線6Kと重なっていない場合は(#13でNo、#14でNo)、複合機1は、接触位置に応じて決定した位置にスライドゲージ5および機能バッジ3を配置してバッジ選択画面2を表示する(#15)。
その後、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kと重なると(#13でYes)、複合機1は、スライドゲージ5を停止させ、報知音を鳴らし、またはポップアップウィンドウを表示するなどして、そのまま機能バッジ列300のスクロールが続けば限定機能の機能バッジ3が表れ認証を受ける必要がある旨を、ユーザに対して通知する(#16)。
その後、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kを越えて限定機能領域6Rに進入すると(#13でNo、#14でYes)、複合機1は、ウィンドウ52の色を変え、報知音を鳴らし、またはポップアップウィンドウを表示するなどして、機能バッジエリア2Aに表れている機能バッジ3が限定機能のものである旨をユーザに対して通知する(#17)。そして、ユーザによるスライドが終わるまで、接触位置に応じてスライドゲージ5を移動させ機能バッジ列300をスクロールさせる(#18でNo、#19)。
スライドが止まると(#18でYes)、複合機1は、ウィンドウ52の右辺が所定の位置6Sよりも右へ進入していれば(#20でYes)、ユーザコード等入力画面2Nを表示する。そして、ユーザが入力したユーザコードおよびパスワードが正しければ(#22でYes)、スライドが止まったときの接触位置のまま、スライドゲージ5の位置を確定する(#23)。また、このユーザによる限定機能の使用が可能になる。
一方、ウィンドウ52の右辺が所定の位置6Sよりも右へ進入していない場合(#20でNo)または認証に失敗した場合は(#22でNo)、複合機1は、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kと重なる位置まで、スライドゲージ5をバックさせる(#24)。
本実施形態によると、限定機能の機能バッジ3および非限定機能の機能バッジ3を、従来よりも操作性よく表示することができる。
本実施形態では、機能バッジ列300を構成する機能バッジ3は1列に並んでいたが、2列に並んでいる場合であっても、本発明を適用することができる。
本実施形態では、機能バッジ3およびマーカ4を左右方向に並べ、機能バッジ列300およびスライドゲージ5を左右方向に移動させたが、上下方向に並べ上下方向に移動させる場合にも、本発明を適用することができる。
本実施形態では、ウィンドウ52の右辺が所定の位置6Sを越えたか否かを、ユーザによるスライドが停止した際に判別しユーザコード等入力画面2Nを表示したが、ウィンドウ52の右辺が所定の位置6Sを越えたら直ちにユーザコード等入力画面2Nを表示してもよい。
本実施形態では、ウィンドウ52の右辺の位置に基づいて境界線6Kおよび所定の位置6Sを越えたか否かを判別したが、接触位置に基づいて判別してもよい。
本実施形態では、ウィンドウ52の右辺が境界線6Kに重なったタイミングで通知を行ったが、重なる直前に通知を行ってもよい。
本実施形態では、ユーザ認証を、ユーザコードおよびパスワードに基づいて行ったが、指紋認証などの生体認証の技術を用いて行ってもよい。
その他、複合機1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データの構成、画面の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。