JP5454365B2 - エレベータ保全装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータの乗場に設けられた乗場位置表示器のボックス内に取り付けられているコネクタに携帯端末を接続し、エレベータの保全作業を行うためのエレベータ保全装置に関するものである。
建物の各階床には乗場の位置表示器が設置され、位置表示器は、壁に埋設されたボックス、ボックス内部の側面に取り付けられたコネクタ、ボックスに収納される表示器、ボックスを覆うカバー等から構成されている。従来は、エレベータの保全作業を行う際、ボックスからカバーをいったん取り外しボックス内部の上下端にばね板をそれぞれ設け、この
ばね板に係止したボックス側保持具を形成する。さらに、カバーの裏面側に、厚みが徐々に減少したテーパー部をビスなどの固定手段で固定し、このテーパー部を受入れ機構を有するボックス側保持具に堅く挿入することによりカバーをボックスから所定長突出させた状態で保持している(例えば、特許文献1参照)。
また、エレベータの乗場に設置された位置表示器において、開口する位置表示器のボックスの内底に突起を設け、ボックスを覆うカバーの裏面に固定された案内片が突起と嵌合してカバーの位置を案内するとともに、カバーの裏面に固定された弾性体がボックス内底に突設された突起の略くの字の部分と係合して、これを押圧してカバーをボックスに収納した状態で保持する構成としている。もし仮に突起が弾性体の押圧部から外れても弾性体の受部に掛止めされるためカバーの落下を防止することができる。また、保守等によりカバーを外す必要がある場合には、突起が弾性体の受部に掛止めされる位置までカバーを引き出し、突起に掛止めしている弾性体をドライバー等で外側から押すことによりカバーの取り外しが可能となる(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−316048号広報(0011〜0016段落、第1図) 特開平2−276782号広報(第1、2頁、第1、2図)
しかしながら、従来の保全装置では、保全作業を行う際、位置表示器のカバーをいったんボックスから取り外し、ボックス側保持具及びテーパー部を取り付ける必要があるため、作業性が悪いという問題があった。また、乗場呼び装置のカバーをボックスから取り外して使用するため、誤ってカバーが落下してしまうことがあった。さらに、カバーの裏面に固定されたテーパー部とボックス側保持具との保持方法は、テーパー部分の先端をボックス側保持具の受入部に挿入するだけであるため、いたずら等により容易にカバーをボックスから取り外されてしまうといった問題があった。
また、従来の保全装置では、作業者が位置表示器のボックス内の点検作業を行うためにカバーをボックスから引き出した場合に、カバーをボックスから引き出す方向には保持されるが、カバーを収納する方向には保持されず乗場位置表示器の釦が押せないため、ボックス内の保守点検と同時に利用者がエレベータを利用できないといった問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、乗場位置表示器のボックスからカバーを突出させた状態で保持することができるため、ボックス内における保守作業中でもエレベータの利用者が引き続きエレベータを利用することができることを目的としたエレベータ保全装置を得るものである。
この発明に係るエレベータ保全装置においては、建物の各階のエレベータ乗場に設けられた表示器を収納するボックスの表面を覆い、上下釦若しくは行先階指定釦が設けられたカバーと、カバーの裏面に固定され、ボックスの内部表面から突設する突起に案内されカバーとともに引き出され収納される案内片と、案内片に設けられ、カバーをボックスから引き出した場合に、カバーをボックスに収納する方向へ弾性力を発生させ、突起と係合することでカバーの引き出しを止める第1の弾性体と、案内片に設けられ、カバーをボックスから引き出した場合に、案内片に設けられた穴を介して部分的にボックスの外部に突出させボックスの開口部と接触させることでカバーの収納方向への移動を止める第2の弾性体とを備え、第1の弾性体が突起と係合し弾性力を発生させた状態で第2の弾性体が突出することによりボックスからカバーを引き出した状態で保持できるものである。
この発明は、乗場位置表示器のカバーの裏面に案内片を設けるとともに、案内片にカバーをボックスから引きだす方向に対して規制をかける第1の弾性体とカバーをボックスから収納する方向に対して規制をかける第2の弾性体を設けることにより、ボックスからボックスを突出させた状態で保持することができる。このため、ボックス内における保守作業中でもエレベータの利用者が引き続きエレベータを利用することができる。
実施の形態1.
まず、本発明のエレベータ保全装置の構成について説明する。図1は建物の各階にあるエレベータ乗場を示す正面図である。15はエレベータのかご室、13は各階に設けられたかごを呼ぶための乗場位置表示器に保全作業を行うための機構を形成したエレベータ保全装置である。エレベータ保全装置13は、インジケータ及び上下釦の表示器、表示器を収納するボックス、ボックスの開口部を覆うためのカバー、カバーをボックスより引き出した状態で保持するための機構などから構成され、壁14の一部に形成されている開口部にボックスが埋め込まれている。通常時は図1に示すような状態でエレベータの利用者が乗場位置表示器を利用するが、ボックス内の保全作業を行う際は、エレベータ保全装置13のカバーをボックスから引き出した状態で行う。
図2は図1のエレベータ保全装置13の正面拡大図であり、本発明のエレベータ保全装置を示したものである。また、図3はエレベータ保全装置の断面図であって図2に示したエレベータ保全装置のA−A断面図である。さらに、図4はエレベータ保全装置下部の要部構成を示す断面図であって図3に示したエレベータ保全装置のB−B断面図である。また、図5はエレベータ保全装置の下部正面図であって図2に示したエレベータ保全装置下部の正面拡大図である。また、図6はエレベータ保全装置下部の要部断面図であって図5に示したエレベータ保全装置下部の正面拡大図のC−C断面図である。また、図7はエレベータ保全装置下部の別の要部断面図であって図5に示したエレベータ保全装置下部の正面拡大図のD−D断面図を表す。
図2及び図3において、1はエレベータ保全装置のカバー、2はカバーに挿嵌された行先階を表示するインジケータ、4及び5はカバーに挿嵌されたUP釦及びDOWN釦である。なお、これら上下釦の代わりに行先指定階釦が設けられていても良い。3はインジケータ2やUP釦4、DOWN釦5等を収納するボックスであり壁14に埋設されている。6はボックス内部側面の壁側付近に設けられるコネクタであり、エレベータの機械室等に設けられるとともにインジケータ2、UP釦4、DOWN釦5、コネクタ6等から接続される、ボックス3内に図示しない制御装置へと接続されている。そして、コネクタ6は制御装置に記憶された、例えば、運転性能診断、ブレーキ性能診断、戸開閉診断、非常用バッテリー診断、かご制御機器機能診断、外部連絡装置機能診断、積載質量検出センサー診断等の結果に基づくデータの読み出しやROMの書き込みを行う携帯端末装置12を接続するためのものである。また、8はカバー1の裏面の上下端にそれぞれ固定されたL字型の案内片であり、L字型の一片がカバー1の上下端に固定され、他片がボックス3内部の上下面と摺接する構造となっている。なお、案内片8をカバー1の裏面の上下端に固定する例を示したが、カバー1裏面の左右端に案内片8を固定し、ボックス3内部の側面の一部分に摺接するような構成としても良い。
カバー1の上下端にそれぞれ固定される案内片8は同様の構成であるためカバー1裏面の下端に設けられた案内片を例に以下説明する。図4乃至図6において、カバー1の裏面の下端から突設する2つのネジ1aが、L字状の案内片8の一片である案内片一片8aに空く2つの穴に挿嵌され、挿嵌されたネジ1aの先端にはそれぞれナット7が取り付けられている。L字状の案内片他片8bは、カバー1の高さ方向に対して垂直な方向に伸び、ボックスの内部下面3bと摺接するようになっており、保全作業を行わない場合にボックス3内に収納されている。保全作業を行う際には、ボックス3からカバー1を引き出し、それとともに案内片8もボックスより引き出される。図4において、案内片他片8bの中央部には、ボックス3の内部下面から突出する突起3aに嵌合し、案内片8を案内するための長尺穴8eが空いている。案内片他片8bの表面中央には長尺穴8eを一部覆うように長尺穴に沿うように第1の弾性体9が設けられている。第1の弾性体9の一端は、カバー1と案内片一片8aの間に配置されるとともに案内片一片8aとナット等により固定されており、他端は固定されないフリー端となっている。また、第1の弾性体9は、略くの字で曲げられた傾斜部9bと略Uの字で湾曲した湾曲部9aにより構成される。略くの字の傾斜部9bは突起3aを押圧する押圧部であり、略Uの字の湾曲部9aは突起3aの受部をなしている。第1の弾性体9は、カバー1を引き抜く際にカバー1がボックス3からはずれ、カバー1が壁から床面に落下しないようにカバー1に固定されて引き出される引き出し防止のための弾性体であり、カバー1をある程度引き抜いた位置でボックス3に設けた突起3aに引っかかり止まる構造である。もっとも、この第1の弾性体9は、湾曲部9aが突起3aに引っ掛かった後にさらに若干の引き出し量が可能なように、略くの字で曲げられた湾曲部9aと傾斜部9bが形成されているため、カバー1を引き出す方向と反対方向であるカバー1を収納する方向に弾性力を発生させる引き出し方向への伸び代が存在し、引き出し量である引き出し寸法は伸び代分だけ引き出し方向にさらに変化できる構造である。
一方、図4及び図7において、カバー1をボックス3から引き出した後に、カバーあるいは押し釦を押しただけではカバーがボックスに収納する方向に動かないようにするための第2の弾性体10が案内片他片8bの表面に設けられている。この位置決め弾性体である第2の弾性体10は、弾性体先端片10a、弾性体先端片10aに対しおよそ直角方向に設けられた弾性体一片10b、弾性体一片10bとおよそ直角方向、つまり弾性体先端片10aと平行に設けられた弾性体他片10cからなる断面Z形状の弾性体である。また、弾性体他片10cは固定端となっており、弾性体他片10cに空けられた穴8cに、案内片他片8bからカバー1の高さ方向に突出するネジ8dが挿嵌されている。穴8cは、案内片8を切り欠いた穴でも良いし、切り抜いた穴でも良いし、部分的に切り落とした穴でも良い。そして、ネジ8dにナット11を取り付けることにより案内片他片8bと案内片8を固定している。図7に示す弾性体10がボックス3に収納されている場合の第2の弾性体10の形状は、弾性体他片10cの一部が固定されているため、断面Z形状の一部が変形した形状となっている。第2の弾性体10は、ボックス内部下面3bから押圧を受けて紙面のおよそ下向きに弾性力を有する。そして、ボックス内部下面がその弾性力を受けるため、断面Z形状の一部が変形した状態を保ちボックス内部に収まっている。このとき、弾性体先端片10aは案内片他片8bに設けられた穴8cを介してボックス内部下面3bと摺接している。ここで、第2の弾性体10の有する弾性力の大きさは主に弾性体他片10cの曲げ変形量及び材料に依存する。つまり、弾性力をあまり発生しない弾性体先端片10aや弾性体一片10bは例えば金属などの剛体でも構わない。さらに、弾性体一片10bがボックス外部に出て、カバー1がボックスを覆う開口部の端面または壁と接触し、カバー1がボックス3から引き出された状態で保持された後、カバー1をボックスへ収納する方向にカバー1を移動するために、弾性体先端片10aをカバー1の高さ方向に指で押し上げながらカバー1をボックス3の方向に押しあげる必要があるところ、指が弾性体先端片10aの先端へ接触することによる怪我を防止するために、その先端に被着物を設けても良い。
作業者が保守作業を行う際には、カバー1がボックス3から引き出された状態で手を離してもボックス3への収納方向に移動しない、つまり、保持されるまでカバー1をボックス3から引き出す。この保持される引き出し量はあらかじめ設定されており、上記第1の弾性体9の伸び代の範囲内、つまり弾性力がかかった状態でカバー1をボックス3から突出した位置で保持される引き出し量となる。このとき、弾性体10の一片である弾性体一片10bが壁またはカバー1とボックス3の接触面である開口部端面に引っかかり弾性体9の弾性力を受けているため、カバー1をボックス3から引き出し、突出させた状態で保持することが可能となる。カバー1をボックス3から引き出した状態で保持する引き出し量は、携帯端末とコネクタを接続するケーブルのソケットをボックスの内部側面コネクタがボックス内部側面の壁側端面近くに設けたコネクタ6にボックス3の外部からセットできる程度の隙間を設ければよい。この隙間は、携帯端末の信号線がフレキシブルなものであればソケットの高さの2倍程度あれば十分であるし、ソケットとコネクタ6との接続構造に抜け防止があるなどにより特殊構造のものであったとしても、人の手がこの隙間に入る程度の引き出し量があればコネクタとソケットの結合と分離が簡単になり保全工事に手間取ることも無い。なお、図8に示すようにカバー1の引き出し量は、カバーに固定される案内片8がカバーの上下端に設けられ、ボックス3と摺接する構造となっているため強度が高く、カバーの引き出し量は多くてもよい。
次に上述したエレベータ保全装置の動作について説明する。
図8乃至図11は作業者がエレベータ保全装置の点検のためにカバー1をボックス3から引き出し、第1の弾性体と第2の弾性体によりカバー1とボックス3が引き出し保持された状態を示すものである。図8は図4と対応するエレベータ保全装置下部の要部構成を示す断面図であって、ボックス3からカバー1が真っ直ぐ引き出された状態のB−B断面図、図9は図6と対応するエレベータ保全装置下部の別の要部構成を示す断面図であってボックス3からカバー1が真っ直ぐ引き出された状態のC−C断面図、図10は図7と対応するエレベータ保全装置下部の別の要部構成を示す断面図であってボックス3からカバー1が真っ直ぐ引き出された状態のD−D断面図、図11はエレベータ保全装置の斜視図であってボックス3からカバー1が真っ直ぐ引き出された状態の全体構成を表す斜視図、図12は図11に示したエレベータ保全装置の斜視図の要部構成を示す斜視図であってボックス3からカバー1が真っ直ぐ引き出された状態の要部構成の斜視図である。
カバー1をボックス3から引き出すに従い、カバーに固定された案内片8は、ボックスの内部下面と摺接し、案内片の長尺穴8eに嵌合する突起3aに案内され引き出される。この動きの間、案内片8に固定された第2の弾性体10のフリー端に設けられた先端片10aは案内片に開口された穴8cを通してボックス3の内部下面3bに接触したまま動く。カバー1を少し引き出す場合には、突起3aと弾性体傾斜部9bが係合しカバーを引き出す方向に弾性力の分力がかかるため、係合している状態でカバーから手を離すと突起3aは元の位置に戻されカバー1はボックスへ収納する方向へ移動する。手をカバーから離すことなくさらに力を加えると、突起3aにより第1の弾性体9の傾斜部9bが図8の右方向に押圧され変形し、突起3aは傾斜部の屈折部分を通過する。一方、図8に示すように弾性体一片10bは自身がボックスの外部まで引き出されるまでは図7に示した断面Z形状の一部が変形した形状を保つ。
図13は図4に対応するエレベータ保全装置下部の要部構成を示す断面図であってボックス3からカバー1が左右に回動しながら引き出された状態を示すB−B断面図である。通常は作業者がカバー1をボックスからおおよそ真っ直ぐ引き出すことが想定されるが、案内片8は引き出し途中において位置決めされていないため、図13に示すように左右に回動させながらカバー及び案内片を引き出すことが可能である。したがって、右方向に回動させながらカバーを引き出した場合、コネクタ6がボックス内部側面の前方に配置され、かつカバーを右方向に回動させながら引き出すことでカバーをボックスから真っ直ぐ引き出した場合と比較してコネクタに携帯端末12から繋がるケーブルを入線する際に手を差し込むスペースが拡張されることにより、作業者がコネクタ6に配線用ケーブルを入線しやすくなり作業性が向上する。
図8、図9、図12において、カバーを一定位置まで引き出すと、第1の弾性体9の湾曲部9aと突起3aが係合し、おおよそカバーの引き出しは止まる。ここからさらに力を加えカバー1を第1の弾性体の伸び代分引き出し量を変化させた位置まで引き出すと、第1の弾性体9の形状が変化しカバー1の収納する方向に弾性力が発生する。また、第2の弾性体10について、ボックスの内部下面3bの影響で変形していた弾性体他片10cは弾性力により断面Z形状に戻ろうとし、弾性体のフリー端に設けられた先端片10aが図10、図12に示すようにボックス内部から出ると、弾性体10の弾性力により穴8cからボックス底面方向、つまりボックスの外部に突出し、ボックスの内部下面3bよりも低い位置に突出することになる。なお、ここでは先端片10aがボックス外部に突出する例を挙げたが、第2の弾性体10の中間部分など、弾性体10の一部であれば先端片でなくても当然良い。そして、先端片10aに対し垂直に設けられた弾性体一片10bとボックス開口部端面が接触する。このとき、弾性体10が有していた弾性力はなくなり、それとともに弾性体他片10cの表面とボックス3の内部下面はおよそ平行となる。すなわち、第2の弾性体10は断面Z形状となる。この弾性体他片10cが断面Z形状に戻り壁またはボックス開口部端面に接触するとともにカバー1をボックスから引き出した状態で保持される位置が、上記の第1の弾性体9の湾曲部9aと突起3aが係合してから伸び代だけカバーを引き出すまでの間となるよう設定してある。これにより、この先端片10aがボックス3の外側であって、弾性力によりボックスの内部下面3bよりも低い位置に突出した時点で、引き出しを続けていたカバーから手を離すと引き出し防止のための第1の弾性体9の弾性力によりカバー1が収納する方向に戻ろうとしても、あるいは、上下釦を押したとしても、あるいは、カバー1を押したとしても、位置決めのための第2の弾性体10の一片10bが壁またはボックス開口部端面に引っかかりカバーを収納する方向へは動かなくなり、カバー1とボックス3は保持される。
カバー1をボックス3に収納する際には、カバーがボックスから突出した状態から弾性体先端片を図10に示す矢印の方向に指で押し弾性体他片10cを変形させ、弾性体先端片10aをボックスの内部下面よりも高い位置まで指で押し上げた後に、カバー1を収納方向に押すことで位置決めのための第2の弾性体10をボックス内部に収めることができる。その結果、カバー1をボックス3に収納することができる。弾性体先端片10aがボックス3の外側であって、カバー1、すなわち、案内片8の引き出し量を引き出し防止のための第1の弾性体9の伸び代の範囲に設定しておくと、カバー1を引き出す際に引き出し力の変化により引き出し位置の目安になるし、また、カバーを収納させるためにボックス外部に突出した弾性体先端片10aに指で力を加えボックスの内部下面3bの高さまで押し上げるだけで、引き出し防止のための第1の弾性体9の伸び代分を戻そうとする弾性力によりカバー1は自動的に戻されるので、カバーを閉める際に突出した弾性体先端片10aに力を加えるだけでよくそれ以外の余計な手間は不要となる。
また、エレベータ保全装置の上下釦の交換等による保守作業の発生によりカバーをボックスから取り外す必要が生じた場合には、カバーをボックスから引き出した状態で、引き出し防止用の第1の弾性体9にドライバー等を挿入し、押圧させ突起3aと係合している第1の弾性体の湾曲部9aを突起3aから外すことにより、そのままカバー1をボックス3から取り外すことができる。
なお、上記では位置決めのための第2の弾性体10が案内片8に1つ設けられている場合について説明したが、第2の弾性体10が案内片に2つ設けられていても良い。例えば、長尺穴8eの左右両側にそれぞれ設けるとカバー1がボックスから引き出されたカバー1を収納する方向に強く押した場合に、第2の弾性体の一片10bと壁の接触部分を中心に右に回動してしまう可能性があるのを防ぐことができる。同様に、カバー1の引き出し途中も案内片8を位置決めするために、案内片の幅をボックス3の幅と近似させてもよい。これにより、カバー1を真っ直ぐ引き出すことができ案内片がカバー収納時、カバー引き出し途中、カバー引き出し後全てにおいて位置決めされるため、カバーがボックスから引き出された状態からボックスに収納する際に左右に回動する恐れがなくなる。
以上より、上記ボックス内保全作業を行うためにカバーを引き出すと、カバー1をボックス3から引き出す方向に対するストッパーとカバーをボックスに収納する方向に対するストッパーが同時に働くため引き出した状態のまま保持することができるため、エレベータ保全装置の釦が固定され容易に押すことができるため、保守作業中でもエレベータの利用者が通常時と同様に引き続きエレベータを利用することができる。
また、カバーをボックスから引き出した状態で保持することができるため、作業を行う際、カバーの取り外しの必要がなくなり作業性が向上する。
さらに、カバーが引き出された状態において、弾性体の湾曲部9aが突起3aと係合するため、カバーの落下による機器の破損や故障、さらには床等の意匠面の損傷を防止することができる。
カバー1がボックス3に収納されている状態からカバー1を軽く引き出すと、突起3aと第1の弾性体9bが係合し弾性力によりカバー1とボックス3は密着しカバーは収納されるためエレベータの振動等によってカバー1がボックス3から自然に引き出されることはない。
本発明のエレベータ保全装置は、2つの弾性体によってカバーの位置を決めることができるため、最小限の設計で装置を作ることができ、組み立てコストを低減できる。
この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置が埋設されているエレベータ乗場の正面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置の正面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置の断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置の要部構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置の要部正面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置の別の要部断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置の別の要部断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置のカバーをボックスから真っ直ぐ引き出したときの要部断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置のカバーをボックスから真っ直ぐ引き出したときの別の要部断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置のカバーをボックスから真っ直ぐ引き出したときの別の要部断面図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置のカバーをボックスから真っ直ぐ引き出したときの斜視図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置のカバーをボックスから真っ直ぐ引き出したときの要部拡大図である。 この発明の実施の形態1を示すエレベータ保全装置のカバーをボックスから右に回動させながら引き出したときの要部断面図である。
1 カバー
1a ネジ
2 インジケータ
3 ボックス
3a 突起
3b ボックス内部下面
4 UP釦
5 DOWN釦
6 コネクタ
7 ナット
8 案内片
8a 案内片一片
8b 案内片他片
8c 穴
8d ネジ
8e 長尺穴
9 第1の弾性体
9a 弾性体湾曲部
9b 弾性体傾斜部
10 第2の弾性体
10a 弾性体先端片
10b 弾性体一片
10c 弾性体他片
11 ナット
12 携帯端末装置
13 エレベータ保全装置
14 壁
15 かご室

Claims (5)

  1. 建物の各階のエレベータ乗場に設けられた表示器を収納するボックスの表面を覆い、上下釦若しくは行先階指定釦が設けられたカバーと、
    前記カバーの裏面に固定され、前記ボックスの内部表面から突設する突起に案内され前記カバーとともに引き出され収納される案内片と、
    前記案内片に設けられ、前記カバーを前記ボックスから引き出した場合に、前記カバーを前記ボックスに収納する方向へ弾性力を発生させ、前記突起と係合することで前記カバーの引き出し方向への移動を止める第1の弾性体と、
    前記案内片に設けられ、前記カバーを前記ボックスから引き出した場合に、前記案内片に設けられた穴を介して部分的に前記ボックスの外部に突出し前記ボックスの開口部と接触することで前記カバーの収納方向への移動を止める第2の弾性体と、
    を備え、
    前記第1の弾性体が前記突起と係合し前記弾性力を発生させた状態で前記第2の弾性体が突出することにより前記ボックスから前記カバーを引き出した状態で保持できることを特徴とするエレベータ保全装置。
  2. 前記第1の弾性体は、前記第1の弾性体に形成された湾曲部及び傾斜部の有する前記ボックスの引き出し方向の伸び代により前記カバーを前記ボックスに収納する方向に働く前記弾性力を発生させ、
    前記第2の弾性体の前記ボックスの外部に部分的に突出した一部は、前記ボックスの開口部と接触し、前記弾性力を受けて停止することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ保全装置。
  3. 前記第1の弾性体の両側にそれぞれ前記第2の弾性体を前記案内片に設けることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ保全装置。
  4. 前記ボックス内部表面の開口部付近に設置されるコネクタにソケットが外部から着脱可能な隙間を有することを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ保全装置。
  5. 請求項1乃至3に記載のエレベータ保全装置が建物の各階のエレベータ乗場に設けられたことを特徴とするエレベータ装置。
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