以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムでは、ユーザーの携帯する携帯端末装置1が無線通信で基地局2aを介してネットワーク2に接続する。そのネットワーク2には、機器管理サーバー装置3、およびジョブ管理サーバー装置4が接続されており、さらに、学校などの公共施設や店舗などに配置されている1または複数の複合機5A,5Bにそれぞれ接続されたセットトップボックス6A,6Bがネットワーク2に接続されている。なお、図1では、携帯端末装置1が1台のみ描かれているが、複数のユーザーが存在する場合、複数のユーザーがそれぞれ携帯端末装置1を携帯している。また、機器管理サーバー装置3およびジョブ管理サーバー装置4は、例えば、ネットワーク2における同一のLAN(Local Area Network)に配置される。
携帯端末装置1は、スマートフォンなどといった小型の携帯可能な端末装置であって、無線ネットワーク機能を有するとともに、ブルートゥースなどの近距離通信機能を有する。
ネットワーク2は、インターネットなどの広域ネットワークである。なお、ネットワーク2は、LANでもよいし、広域ネットワークとそれに接続されたLANとからなるネットワークでもよい。
機器管理サーバー装置3は、携帯端末装置1からネットワーク2を介して送信されてくるその携帯端末装置1に固有の機体識別子および文書データファイルを受信し、文書データファイルに対応する印刷データを、セットトップボックス6A,6Bからの要求に応じて送信する。この印刷データは、複合機5A,5Bで処理可能なデータ形式のものである。
この実施の形態1では、機器管理サーバー装置3は、携帯端末装置1の機体識別子に関連付けて印刷データをジョブ管理サーバー装置4に一時的に格納させておき、機体識別子を伴うデータ送信要求があると、その機体識別子に関連付けられている印刷データを要求元のセットトップボックス6A,6Bに送信させる。
なお、この実施の形態1では、機器管理サーバー装置3は、要求の受信前に、文書データファイルを印刷データへ変換するが、機体識別子に関連付けて文書データファイルをジョブ管理サーバー装置4に一時的に格納させておき、機体識別子を伴うデータ送信要求を受信してから、その文書データファイルをジョブ管理サーバー装置4から読み出し、文書データファイルを印刷データへ変換するようにしてもよい。
ジョブ管理サーバー装置4は、機器管理サーバー装置3からの要求に応じて、機体識別子に関連付けて印刷データ(あるいは文書データファイル)を保存する。なお、この実施の形態1では、機器管理サーバー装置3とは別の装置として、ジョブ管理サーバー装置4を設けているが、その代わりに、機器管理サーバー装置3内にジョブ管理サーバー装置4の構成要素を設け、1つのサーバー装置としてもよい。
複合機5Aは、プリンター機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備え、複合機5Aの操作パネル、セットトップボックス6Aなどからの指令に従って上述の機能で各種ジョブを実行する画像形成装置である。特に、この実施の形態1では、複合機5Aにはセットトップボックス6Aが接続されており、セットトップボックス6Aから複合機5Aへ印刷データが供給され、複合機5Aのプリンター機能により印刷が実行される。複合機5Bも同様の装置である。
セットトップボックス6Aは、周囲に存在する携帯端末装置1を検出すると、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得し、その機体識別子とともに機器管理サーバー装置3において受信された文書データファイルに対応する印刷データを、ネットワーク2を介して機器管理サーバー装置3へ要求して取得し、複合機5Aへ供給して印刷を実行させる。セットトップボックス6Bも同様の装置である。
この実施の形態1では、セットトップボックス6Aに、携帯端末装置1を携帯しているユーザーによる操作を検出するための検出装置が設けられており、セットトップボックス6Aは、周囲に存在する携帯端末装置1が近距離通信で検出された場合、その検出装置108によりユーザーによる操作がその検出装置108により検出されてから、検出された携帯端末装置1の機体識別子を取得する。
ここで、システム内の各装置の構成について説明する。
図2は、図1における携帯端末装置1の構成を示すブロック図である。
携帯端末装置1は、無線ネットワークインターフェース11、近距離通信インターフェース12、演算処理装置13、表示装置14、入力装置15、および記憶装置16を有する。
無線ネットワークインターフェース11は、無線LANおよび/または携帯電話回線でネットワーク2に接続する回路である。無線ネットワークインターフェース11は、無線ネットワークインターフェース11に固有のMAC(Media Access Control)アドレス11aを有する。
近距離通信インターフェース12は、比較的近距離(例えば約10メートル以内)に存在する同一通信方式のインターフェースと無線通信する回路である。この実施の形態1では、近距離通信インターフェース12として、ブルートゥースが使用される。
近距離通信インターフェース12は、近距離通信インターフェース12に固有のMACアドレス12aを有する。なお、MACアドレスは、インターフェースごとに割り当てられるため、MACアドレス11aとMACアドレス12aは互いに異なる値を有する。
演算処理装置13は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピューターとして構成される。演算処理装置13において、CPUが、ROMや記憶装置16に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することで各種処理部を実現する。この演算処理装置13では、ネットワーク通信処理部21、近距離通信処理部22、ファイル送信処理部23、機器指定部24などが実現される。
ネットワーク通信処理部21は、無線ネットワークインターフェース11または図示せぬ携帯電話のベースバンド回路を制御してネットワーク2に接続されている機器(機器管理サーバー装置3など)とのデータ通信を所定の通信プロトコル(HTTP(Hypertext Transfer Protocol)など)で実行する。
近距離通信処理部22は、近距離通信インターフェース12を制御して、通信可能範囲内にある他の機器の近距離通信インターフェースとの接続を確立し、その機器とのデータ通信を実行する。
ファイル送信処理部23は、近距離通信処理部22で近距離通信インターフェース12のMACアドレス12aを読み出し、そのMACアドレス12aをこの携帯端末装置1の機体識別子として、文書データファイルとともに、ネットワーク通信処理部21で機器管理サーバー装置3へ送信する。なお、文書データファイルは、例えばマイクロソフト社製のオフィスアプリケーションで生成されたファイル、テキストファイル、PDF(Portable Document Format)ファイル、JPEG(Joint Photographic Experts Group)などのイメージファイルなどである。
機器指定部24は、近距離通信インターフェース12で、近隣に存在する1または複数の近距離通信インターフェース(セットトップボックス6A,6Bの近距離通信インターフェース)が検出されたときに、印刷に使用するセットトップボックス(セットトップボックス6Aまたはセットトップボックス6B)を選択する。
例えば、機器指定部24は、表示装置14に、検出された近距離通信インターフェースのリストを表示し、入力装置15に対する操作によりそのリストから選択された近距離通信インターフェース(つまり、セットトップボックス6A,6B)を、印刷に使用するセットトップボックスを選択する。
あるいは、機器指定部24は、検出された近距離通信インターフェースのうちの1つを自動的に選択する。その場合、例えば、検出された近距離通信インターフェースが1つであるときには、その近距離通信インターフェースが選択され、検出された近距離通信インターフェースが複数であるときには、近距離通信インターフェース12で検出された無線信号の強度が最も高いものが選択される。
また、表示装置14は、例えば、液晶ディスプレイ、各種インジケータなどである。入力装置15は、例えば、タッチパネル、キースイッチなどである。記憶装置16は、プログラムやデータなどを記憶する、フラッシュメモリー、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶装置である。
図3は、図1における機器管理サーバー装置3の構成を示すブロック図である。
機器管理サーバー装置3は、記憶装置31、ネットワークインターフェース32、および演算処理装置33を有する。
記憶装置31は、プログラムやデータを記憶する装置である。記憶装置31には、不揮発性半導体メモリー、ハードディスクドライブなどが使用される。記憶装置31には、登録機器データ31aが記憶されている。
図4は、図3に示す機器管理サーバー装置3の記憶装置31に記憶されている登録機器データ31aの構成を示す図である。
登録機器データ31aは、予め登録されている1または複数の携帯端末装置1に固有の機体識別子(この実施の形態1では、MACアドレス)を有する。そして、登録機器データ31aには、機体識別子に関連付けられた印刷設定データ、課金データ、印刷データリストなどが含まれている。
印刷設定データは、その機体識別子からの文書データファイルに対して適用される印刷設定を指定するデータである。印刷設定データには、例えば、印刷部数、用紙設定(用紙サイズ、用紙方向など)、カラー設定(カラーかモノクロか)、集約印刷設定、片面/両面印刷設定、解像度設定、エコノミー印刷設定などの設定項目の値が含まれている。例えば、ユーザーが携帯端末装置1を操作して機器管理サーバー装置3に印刷設定データを登録する。その際、携帯端末装置1は、機体識別子と印刷設定データとを機器管理サーバー装置3へ送信し、機器管理サーバー装置3では、登録機器データ31aにおいて、その機体識別子に関連付けてその印刷設定データが記憶される。なお、印刷設定データには、例えば、ネットワーク2に接続された管理者用端末装置を使用して登録された、機体識別子に関連付けられた認可情報設定(例えば、印刷上限枚数の制限設定、モノクロ印刷のみの制限設定、エコノミー印刷のみの制限設定、集約印刷のみの制限設定、両面印刷のみの制限設定など)の制限設定項目の値が含まれていてもよい。
課金データには、課金方法の情報、課金先の情報、合計課金額の情報(またはページカウンターなどといった課金額に対応する情報)などが含まれている。
印刷データリストは、印刷処理が完了していない印刷データ(つまり、ジョブ管理サーバー装置4にスプールされている印刷データ)のリストである。
ネットワークインターフェース32は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2に接続された他の機器(例えば携帯端末装置1、ジョブ管理サーバー装置4、セットトップボックス6A,6Bなど)とデータ通信を行う。
演算処理装置33は、例えばCPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターとして構成される。演算処理装置33において、CPUが、ROMや記憶装置31に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することで各種処理部を実現する。この演算処理装置33では、ネットワーク通信処理部41、ジョブ登録処理部42、データ変換部43、ジョブ送信処理部44、課金処理部45などが実現される。
ネットワーク通信処理部41は、ネットワークインターフェース32を使用して、ネットワーク2に接続されている他の機器とのデータ通信を所定の通信プロトコルで実行する。
ジョブ登録処理部42は、ネットワーク通信処理部41で、機体識別子が登録機器データ31aとして記憶装置31に記憶されている携帯端末装置1からネットワーク2を介して送信されてくる文書データファイルを受信する。なお、ジョブ登録処理部42は、送信されてきた機体識別子が登録機器データ31aに登録されていない場合、その機体識別子とともに受信された文書データファイルを破棄する。これにより、登録されていない携帯端末装置1からの印刷が禁止される。
データ変換部43は、文書データファイルを印刷データに変換する。複合機5A,5Bにより処理可能な印刷データがPDL(Page Description Language)データである場合には、データ変換部43は、文書データファイルをPDLデータに変換する。また、データ変換部43は、PDLデータの他にも例えばPDFデータに変換してもよい。さらに、データ変換部43は、その文書データファイルとともに受信された機体識別子に関連付けられている印刷設定データを登録機器データ31aから抽出し、その印刷設定データにより指定される印刷設定で印刷データを生成する。
ジョブ送信処理部44は、複合機5A,5Bで処理可能な、文書データファイルに対応する印刷データを、要求に応じて送信する。ジョブ送信処理部44は、印刷データの要求元(この実施の形態1ではセットトップボックス6A,6B)から、要求とともに携帯端末装置1の機体識別子を受信し、受信した機体識別子の携帯端末装置1からジョブ登録処理部42により受信された文書データファイルに対応する印刷データを要求元へ送信する。その印刷データは、例えば、登録機器データ31aにおける印刷データリストにより特定される。
課金処理部45は、ある機体識別子について送信された印刷データに基づく印刷についての課金データ(課金額、印刷ページ数など)を生成し、生成した課金データに基づいて、登録機器データ31a内のその機体識別子についての課金データ(つまり、累積値)を更新する。
図5は、図1におけるジョブ管理サーバー装置4の構成を示すブロック図である。
ジョブ管理サーバー装置4は、記憶装置51、ネットワークインターフェース52、および演算処理装置53を有する。
記憶装置51は、機器管理サーバー装置3からの印刷データなどを一時的に記憶する他、プログラム、他のデータなどを記憶する装置である。記憶装置51には、不揮発性半導体メモリー、ハードディスクドライブなどが使用される。
ネットワークインターフェース52は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2に接続された他の機器(例えば機器管理サーバー装置3など)とデータ通信を行う。
演算処理装置53は、例えばCPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターとして構成される。演算処理装置53において、CPUが、ROMや記憶装置51に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することで各種処理部を実現する。この演算処理装置53では、ネットワーク通信処理部61、スプール処理部62などが実現される。
ネットワーク通信処理部61は、ネットワークインターフェース52を使用して、ネットワーク2に接続されている他の機器とのデータ通信を所定の通信プロトコルで実行する。
スプール処理部62は、機器管理サーバー装置3からの指令に従って、印刷データなどを受信して記憶装置51に格納したり、記憶装置51から読み出して送信したりする。
図6は、図1における複合機5Aの構成を示すブロック図である。なお、複合機5Bも同様の構成を有する。
複合機5Aは、操作パネル81、ネットワークインターフェース82、周辺機器インターフェース83、プリンター84、および演算処理装置85を有する。
操作パネル81は、複合機5Aの筐体に設置され、ユーザーに各種情報を表示する表示装置81aおよびユーザー操作を受け付ける入力装置81bを有する。表示装置81aは、例えば、液晶ディスプレイ、各種インジケータなどである。入力装置81bは、例えば、タッチパネル、キースイッチなどである。
また、ネットワークインターフェース82は、ネットワーク2に接続可能であり、ネットワーク2に接続されている他の装置との間でデータ通信を行う装置である。
また、周辺機器インターフェース83は、USB(Universal Serial Bus)などの所定の方式の通信回路である。
また、プリンター84は、印刷データに基づいて用紙に印刷を行い印刷物を排出する内部装置である。電子写真方式の場合、プリンター84は、感光体ドラムを帯電させた後、印刷データに基づいて光源を発光させることにより、感光体ドラム表面に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像し、トナー画像を用紙に転写し定着し、その用紙を印刷物として排出する。
また、演算処理装置85は、複合機5Aにおける各部を制御するとともに、データ処理を行う装置である。演算処理装置85は、例えばCPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターとして構成される。演算処理装置85において、CPUが、ROMや他の記憶装置(フラッシュメモリーなど)に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することで各種処理部を実現する。この演算処理装置85では、ネットワーク通信処理部91、制御部92などが実現される。
ネットワーク通信部91は、ネットワークインターフェース82を使用して、所定の通信プロトコルでネットワーク2に接続されている装置との間でデータ通信を行うことができる。
制御部92は、ネットワークインターフェース82、周辺機器インターフェース83などを介して印刷データを受信すると、その印刷データに対して必要なデータ処理(ラスタライズ、ハーフトーニングなど)を施した後、その処理された印刷データに基づいてプリンター84を制御して印刷を実行する。
図7は、図1におけるセットトップボックス6Aの構成を示すブロック図である。なお、セットトップボックス6Bも同様の構成を有する。
セットトップボックス6Aは、ネットワークインターフェース101、近距離通信インターフェース102、周辺機器インターフェース103、表示装置104、入力装置105、記憶装置106、演算処理装置107、および検出装置108を有する。
ネットワークインターフェース101は、ネットワーク2に接続され、ネットワーク2に接続されている他の機器とのデータ通信を実行する回路である。
近距離通信インターフェース102は、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12と同一通信方式のものであって、近距離通信インターフェース12との間で接続を確立できるものである。
周辺機器インターフェース103は、複合機5Aの周辺機器インターフェース83と同一方式の周辺機器インターフェースであって、その周辺機器インターフェース83に接続されている。
表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイ、各種インジケータなどである。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キースイッチなどである。記憶装置106は、プログラムやデータなどを記憶する、フラッシュメモリー、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶装置である。
検出装置108は、携帯端末装置1を携帯しているユーザーによる操作を検出する装置である。この実施の形態1では、検出装置108は、ユーザーが携帯端末装置1を所定の位置に配置する操作を検出する。検出装置108は、所定の位置に携帯端末装置1が置かれたことを、接触型スイッチや、赤外線センサーなどの非接触型スイッチで検出する。
図8は、実施の形態1におけるセットトップボックス6Aの一例を示す斜視図である。例えば図8に示すように、セットトップボックス6Aの上面に、携帯端末装置1の配置エリア201を設け、その配置エリア201に携帯端末装置1が置かれたことを、検出装置108が検出する。
また、配置エリア201に近接させて(例えば、配置エリア201の直下に)近距離通信インターフェース102を設けるようにしてもよい。その場合、周囲に複数の携帯端末装置1が存在しても、配置エリア201に配置された携帯端末装置1から近距離通信インターフェース102により受信される無線信号の強度が、他の携帯端末装置からの無線信号の強度より大きくなるため、操作をしたユーザーの携帯端末装置1を正確に選択することができる。
演算処理装置107は、例えばCPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターとして構成される。演算処理装置107において、CPUが、ROMや記憶装置106に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することで各種処理部を実現する。この演算処理装置107では、ネットワーク通信処理部111、近距離通信処理部112、印刷データ取得部113などが実現される。
ネットワーク通信処理部111は、ネットワークインターフェース101を制御してネットワーク2に接続されている機器(機器管理サーバー装置3など)とのデータ通信を所定の通信プロトコル(HTTPなど)で実行する。
近距離通信処理部112は、近距離通信インターフェース102を制御して、通信可能範囲内にある他の機器の近距離通信インターフェースを検出し、その機器との接続を確立し、その機器とのデータ通信を実行する。
印刷データ取得部113は、近距離通信処理部112により、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12が検出されると、近距離通信処理部112を使用して、その携帯端末装置1の機体識別子(この実施の形態1では、MACアドレス12a)を取得し、近距離通信処理部112により携帯端末装置1の機体識別子が取得されると、ネットワーク通信処理部111を使用して、その機体識別子を付してデータ送信要求を機器管理サーバー装置3へ送信し、その要求の応答として、その機体識別子の印刷データを受信し、その印刷データを周辺機器インターフェース103で複合機5Aへ送信する。ただし、印刷データ取得部113は、周囲に存在する携帯端末装置を検出した場合、検出装置108により操作が検出されてから、近距離通信処理部112により検出された携帯端末装置1との接続を確立させ、その携帯端末装置1の機体識別子を取得する。
なお、近距離通信インターフェース102の通信方式がブルートゥースである場合、印刷データ取得部113は、周囲に存在する携帯端末装置を検出した場合、検出装置108により操作が検出されてから、近距離通信インターフェース102と近距離通信インターフェース12との間でパスコードによる認証およびペアリングを行い、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得する。なお、例えば、パスコードは当該システムによるサービスに登録された携帯端末装置に予め記憶されており、ユーザーによる入力なしに認証が行われる。
次に、上記システムにおいて携帯端末装置の有する文書データファイルに基づく印刷を実行する際の各装置の動作について説明する。図9は、図1に示すシステムにおいて携帯端末装置の有する文書データファイルに基づく印刷を実行する際の各装置の動作について説明するシーケンス図である。
携帯端末装置1を携帯しているユーザーは、このシステムを利用して印刷を行いたい場合、まず、携帯端末装置1を操作して、携帯端末装置1内に保存されている文書データファイルを機器管理サーバー装置3へアップロードする。このとき、携帯端末装置1では、入力装置15がユーザーによる所定の操作を検出すると、ファイル送信処理部23は、無線ネットワークインターフェース11およびネットワーク通信処理部21を使用して、ユーザーの操作により指定された文書データファイルを、携帯端末装置1の機体識別子(ここでは、MACアドレス12a)とともに、ネットワーク2を介して機器管理サーバー装置3へ送信する(ステップS1)。
機器管理サーバー装置3では、ジョブ登録処理部42が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その文書データファイルおよび機体識別子を受信する。
機体識別子と文書データファイルが受信されると、データ変換部43は、その機体識別子に関連付けられている印刷設定データを登録機器データ3 1aから抽出し、その印刷設定データにより指定される印刷設定で、その文書データファイルから印刷データを生成する(ステップS2)。
そして、ジョブ登録処理部42は、ネットワーク通信部41およびネットワークインターフェース32を使用して、その印刷データをジョブ管理サーバー装置4に格納する(ステップS3)。なお、文書データファイルが、複合機5A,5Bで処理可能なデータ形式を有している場合には、データ変換部43は、データ変換を行わずに、文書データファイルを印刷データとしてジョブ管理サーバー装置4に格納する。このとき、ジョブ管理サーバー装置4では、スプール処理部62が、ネットワーク通信処理部61およびネットワークインターフェース52を使用して、その印刷データを受信すると、記憶装置51に格納する。
次に、携帯端末装置1を携帯しているユーザーは、文書データファイルを機器管理サーバー装置3へアップロードした後、携帯端末装置1を携帯したまま、印刷に使用したい複合機およびセットトップボックス(複合機5Aとセットトップボックス6A、あるいは複合機5Bとセットトップボックス6B)の設置場所に行く。そして、ユーザーは、携帯端末装置1を、所定の位置(上述した配置エリア201)に配置する。
このユーザーの動作により、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12は、セットトップボックス6Aまたはセットトップボックス6Bの近距離通信インターフェース102の通信エリア内に進入する。したがって、そのセットトップボックスの近距離通信処理部112は、近距離通信インターフェース102で、その携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12を検出する。その後、検出装置108が、携帯端末装置1が所定の位置(上述した配置エリア201)に配置されたことを検出すると(ステップS101)、近距離通信処理部112は、近距離通信インターフェース102を制御して、その携帯端末装置1との接続を確立する(ステップS102)。その接続が確立すると、そのセットトップボックスの近距離通信インターフェース102は、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12から携帯端末装置1の機体識別子(ここでは、MACアドレス12a)を受信する(ステップS11)。その機体識別子は、近距離通信処理部112により印刷データ取得部113に供給される。
このように、検出装置108によりユーザーの操作が検出されたセットトップボックスのみが、携帯端末装置1との接続を確立する。したがって、携帯端末装置1と近距離通信で通信可能なセットトップボックスが複数存在しても、その中の、ユーザーの所望する1台のみが、携帯端末装置1との接続を確立する。
そして、そのセットトップボックスの印刷データ取得部113は、ネットワーク通信処理部111およびネットワークインターフェース101を使用して、その機体識別子とともに印刷データ送信要求を機器管理サーバー装置3へ送信する(ステップS12)。なお、機器管理サーバー装置3は、送信されてきた機体識別子が登録機器データ31aに登録されていない場合、その機体識別子とともに受信された印刷データ送信要求を破棄する。これにより、登録されていない携帯端末装置1からの印刷が禁止される。
機器管理サーバー装置3では、ジョブ送信処理部44が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その印刷データ送信要求および機体識別子を受信する。
ジョブ送信処理部44は、受信した機体識別子についての印刷データの送信要求をジョブ管理サーバー装置4へ送信する(ステップS13)。ジョブ管理サーバー装置4では、スプール処理部62が、ネットワーク通信処理部61およびネットワークインターフェース52を使用して、その送信要求を受信すると、その要求により指定された印刷データを記憶装置51から読み出し、機器管理サーバー装置3へ送信する(ステップS14)。
機器管理サーバー装置3では、ジョブ送信処理部44が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その印刷データを受信すると、印刷データの要求元であるセットトップボックスへその印刷データを送信する(ステップS15)。
そのセットトップボックスでは、印刷データ取得部113が、ネットワーク通信処理部111およびネットワークインターフェース101を使用して、その印刷データを受信し、周辺機器インターフェース103で、その印刷データを、そのセットトップボックスに接続されている複合機へ送信する(ステップS16)。
その複合機では、制御部92は、周辺機器インターフェース83でその印刷データを受信し、プリンター84でその印刷データに基づく印刷を実行する(ステップS17)。これにより、ユーザーは、自己の携帯する携帯端末装置1の文書データファイルに基づき印刷された印刷物を得ることができる。
印刷が完了すると、制御部92は、その印刷データについての印刷完了通知を、セットトップボックスを介して、またはセットトップボックスを介さずに直接ネットワーク2を介して機器管理サーバー装置3へ送信する(ステップS18)。
機器管理サーバー装置3では、課金処理部45が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その印刷完了通知を受信すると、その印刷完了通知に対応する印刷データについての課金処理を実行する(ステップS19)。
なお、図示せぬコインベンダーがセットトップボックス6A,6Bに接続されている場合、課金処理部45は、そのコインベンダーを制御して課金処理を行う。また、クレジット決済などの外部サーバーを使用する課金方式の場合には、課金処理部45は、その外部サーバーにアクセスして課金処理を行う。
なお、機器管理サーバー装置3における文書データファイルから印刷データへのデータ変換を、印刷データの送信要求を受けてから実行する場合には、文書データファイルの受信時にはデータ変換を行わずに、機器管理サーバー装置3のジョブ登録処理部42は、文書データファイルを、そのままジョブ管理サーバー装置4に格納し、印刷データの送信要求を受けたときにデータ変換部43が、上述のデータ変換を実行する。そして、データ変換により生成された印刷データが上述のようにしてセットトップボックスへ送信される。
以上のように、上記実施の形態1によれば、機器管理サーバー装置3は、携帯端末装置1から送信されてくるその携帯端末装置1に固有の機体識別子および文書データファイルを受信し、複合機5A,5Bで処理可能な、文書データファイルに対応する印刷データを、セットトップボックス6A,6Bからの要求に応じて送信する。セットトップボックス6A,6Bは、周囲に存在する携帯端末装置1を検出すると、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得し、その機体識別子とともに機器管理サーバー装置3において受信された文書データファイルに対応する印刷データを機器管理サーバー装置3へ要求して取得し、複合機5A,5Bへ供給して印刷を実行させる。
これにより、携帯端末装置ごとに個別的に異なるような、携帯端末装置1からの印刷に関する処理(課金処理、印刷設定など)が、機器管理サーバー装置3で一括して集中的に行われる。また、ユーザーIDではなく機体識別子を使用することにより、ユーザーが識別子を入力したりする必要がなく、識別子の漏洩などに起因するなりすましが防止される。加えて、画像形成装置とは別に印刷制御装置を備えることで、既存の画像形成装置を改造または変更することなく携帯端末装置の検出や機体識別子の取得、送信を行うことができる。
さらに、上記実施の形態1によれば、検出装置108が、セットトップボックス6A,6Bに設けられ、携帯端末装置1を携帯しているユーザーによる操作を検出する。そして、セットトップボックス6A,6Bは、周囲に存在する携帯端末装置を検出した場合、検出装置108によりユーザーによる操作が検出されてから、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得する。これにより、携帯端末装置1を携帯しているユーザーが操作をしたセットトップボックスに接続されている複合機で印刷が実行されるため、複数の複合機5A,5B(およびセットトップボックス6A,6B)が隣接して設置されていても、携帯端末装置1を携帯しているユーザーが希望する複合機で印刷を行わせることができる。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態2に係るモバイルプリンティングシステムでは、複合機5C,5Dが、複合機5A,5Bの機能に加え、実施の形態1のセットトップボックス6A,6Bの機能を有している。
実施の形態2では、機器管理サーバー装置3は、携帯端末装置1からネットワーク2を介して送信されてくるその携帯端末装置1に固有の機体識別子および文書データファイルを受信し、複合機5C,5Dで処理可能な、文書データファイルに対応する印刷データを、複合機5C,5Dからの要求に応じて送信する。
実施の形態2では、複合機5C,5Dは、ネットワーク2に接続されており、携帯端末装置1との接続が確立すると、上述のセットトップボックス6A,6Bと同様の方法で、機器管理サーバー装置3から印刷データを取得して印刷を実行する。
図11は、図10における複合機5Cの構成を示すブロック図である。なお、複合機5Dも同様の構成を有する。
複合機5Cは、複合機5Aと同様の構成要素の他、近距離通信インターフェース121および検出装置122を有し、さらに、演算処理装置85において実現される近距離通信処理部131と印刷データ取得部132を有する。近距離通信インターフェース121、検出装置122、近距離通信処理部131、および印刷データ取得部132は、上述の近距離通信インターフェース102、検出装置108、近距離通信処理部112と印刷データ取得部113と同様のものである。さらに、複合機5Cには、上述した配置エリア201と同様の配置エリアが設けられている。
なお、実施の形態2における携帯端末装置1、機器管理サーバー装置3、およびジョブ管理サーバー装置4の構成は、実施の形態1のものと同様であるので、その説明を省略する。
次に、上記システムにおいて携帯端末装置の有する文書データファイルに基づく印刷を実行する際の各装置の動作について説明する。図12は、図10に示すシステムにおいて携帯端末装置1の有する文書データファイルに基づく印刷を実行する際の各装置の動作について説明するシーケンス図である。
実施の形態2では、携帯端末装置1を携帯しているユーザーは、文書データファイルを機器管理サーバー装置3へアップロードした後、携帯端末装置1を携帯したまま、印刷に使用したい複合機(複合機5C、あるいは複合機5D)の設置場所に行く。そして、ユーザーは、携帯端末装置1を、所定の位置(上述の配置エリア)に配置する。
このユーザーの動作により、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12は、複合機5Cまたは複合機5Dの近距離通信インターフェース121の通信エリア内に進入する。したがって、その複合機の近距離通信処理部131は、近距離通信インターフェース121で、その携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12を検出する。その後、検出装置122が、携帯端末装置1が所定の位置(上述の配置エリア)に配置されたことを検出すると(ステップS121)、近距離通信処理部131は、近距離通信インターフェース121を制御して、その携帯端末装置1との接続を確立する(ステップS122)。その接続が確立すると、その複合機の近距離通信インターフェース121は、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12から携帯端末装置1の機体識別子(ここでは、MACアドレス12a)を受信する(ステップS21)。その機体識別子は、近距離通信処理部131により印刷データ取得部132に供給される。
このように、検出装置122によりユーザーの操作が検出された複合機のみが、携帯端末装置1との接続を確立する。したがって、携帯端末装置1と近距離通信で通信可能な複合機が複数存在しても、その中の、ユーザーの所望する1台のみが、携帯端末装置1との接続を確立する。
そして、その複合機の印刷データ取得部132は、ネットワーク通信処理部91およびネットワークインターフェース82を使用して、その機体識別子とともに印刷データ送信要求を機器管理サーバー装置3へ送信する(ステップS22)。
機器管理サーバー装置3では、ジョブ送信処理部44が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その印刷データ送信要求および機体識別子を受信する。
ジョブ送信処理部44は、受信した機体識別子についての印刷データの送信要求をジョブ管理サーバー装置4へ送信する(ステップS13)。ジョブ管理サーバー装置4では、スプール処理部62が、ネットワーク通信処理部61およびネットワークインターフェース52を使用して、その送信要求を受信すると、その要求により指定された印刷データを記憶装置51から読み出し、機器管理サーバー装置3へ送信する(ステップS14)。
機器管理サーバー装置3では、ジョブ送信処理部44が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その印刷データを受信すると、印刷データの要求元である複合機へその印刷データを送信する(ステップS23)。
その複合機では、印刷データ取得部132が、ネットワーク通信処理部91およびネットワークインターフェース82を使用してその印刷データを受信すると、制御部92は、プリンター84でその印刷データに基づく印刷を実行する(ステップS24)。
なお、各装置のその他の動作については、実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、上記実施の形態2によれば、機器管理サーバー装置3は、携帯端末装置1から送信されてくるその携帯端末装置1に固有の機体識別子および文書データファイルを受信し、複合機5C,5Dで処理可能な、文書データファイルに対応する印刷データを、複合機5C,5Dからの要求に応じて送信する。複合機5C,5Dは、周囲に存在する携帯端末装置1を検出すると、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得し、その機体識別子とともに機器管理サーバー装置3において受信された文書データファイルに対応する印刷データを機器管理サーバー装置3へ要求して取得し印刷データに基づく印刷を実行する。
これにより、携帯端末装置ごとに個別的に異なるような、携帯端末装置1からの印刷に関する処理(課金処理、印刷設定など)が、機器管理サーバー装置3で一括して集中的に行われる。また、ユーザーIDではなく機体識別子を使用することにより、ユーザーが識別子を入力したりする必要がなく、識別子の漏洩などに起因するなりすましが防止される。
さらに、上記実施の形態2によれば、検出装置122が、複合機5C,5Dに設けられ、携帯端末装置1を携帯しているユーザーによる操作を検出する。そして、複合機5C,5Dは、周囲に存在する携帯端末装置を検出した場合、検出装置122によりユーザーによる操作が検出されてから、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得する。これにより、携帯端末装置1を携帯しているユーザーが操作をした複合機で印刷が実行されるため、複数の複合機5C,5Dが隣接して設置されていても、携帯端末装置1を携帯しているユーザーが希望する複合機で印刷を行わせることができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る画像形成システムでは、文書データファイルが、携帯端末装置からクラウドサービスを経由して機器管理サーバー装置へ伝送される。ユーザーが、文書データファイルをクラウドサービスにアップロードし、機器管理サーバー装置がクラウドサービスからその文書データファイルをダウンロードする。
図13は、本発明の実施の形態3に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。図13に示すシステムでは、ユーザーの携帯する携帯端末装置1が無線通信で基地局2aを介してネットワーク2に接続する。そのネットワーク2には、機器管理サーバー装置301およびクラウドサーバー装置302が接続されており、さらに、学校などの公共施設や店舗などに配置されている1または複数の複合機5A,5Bにそれぞれ接続されたセットトップボックス6A,6Bがネットワーク2に接続されている。なお、図13では、携帯端末装置1が1台のみ描かれているが、複数のユーザーが存在する場合、複数のユーザーがそれぞれ携帯端末装置1を携帯している。
携帯端末装置1、複合機5A,5B、およびセットトップボックス6A,6Bは実施の形態1と同様のものである。また、ネットワーク2は、インターネットなどの広域ネットワークである。なお、ネットワーク2の一部は、LANでもよい。
機器管理サーバー装置301は、所定の携帯端末装置1に固有の機体識別子に関連付けられている文書データファイルをクラウドサーバー装置302からダウンロードし、その文書データファイルに対応する印刷データを、セットトップボックス6A,6Bからの要求に応じて送信する。この印刷データは、複合機5A,5Bで処理可能なデータ形式のものである。
この実施の形態3では、機器管理サーバー装置301は、携帯端末装置1の機体識別子に関連付けて印刷データを内部の記憶装置、外部のデータベースサーバーなどに保存しておき、機体識別子を伴うデータ送信要求があると、その機体識別子に関連付けられている印刷データを要求元のセットトップボックス6A,6Bに送信する。
なお、この実施の形態3では、機器管理サーバー装置301は、セットトップボックス6A,6Bからの要求の受信前に、文書データファイルを印刷データへ変換しておく。
クラウドサーバー装置302は、Evernote、Dropbox、Googleドキュメント、Picasaウェブアルバムなどといったストレージ機能を有するクラウドサービスのサーバーである。このクラウドサービスでは、ユーザーごとにアカウントが設定され、ユーザーが携帯端末装置1などを操作して文書データファイルをクラウドサーバー装置302にアップロードすると、その文書データファイルは、そのアカウントに関連付けられてクラウドサービスで保存される。また、このクラウドサービスでは、機器管理サーバー装置301がこのクラウドサービス内の文書データファイルにアクセスできるように、機器管理サーバー装置301のためのアカウントが設定されており、機器管理サーバー装置301は、そのアカウントのユーザー権限で、クラウドサーバー装置302から、携帯端末装置1のユーザーの文書データファイルを読み出すことができる。クラウドサーバー装置302は、クラウドサービスに保存されている文書データファイルのうち、ユーザーにより指定された文書データファイルを、そのユーザーの携帯端末装置1の機体識別子に関連付けて保存する(以下、この処理を「印刷予約」という)。ユーザーによる文書ファイルの指定は、携帯端末装置1などで行われる。例えば、携帯端末装置1が、クラウドサーバー装置302から、クラウドサービスに保存されている文書データファイルのリストを取得して表示し、ユーザーによりそのリストから選択された文書データファイルをクラウドサーバー装置302に通知して、そのユーザーの携帯端末装置1の機体識別子に関連付けて保存させる。
ここで、実施の形態3における機器管理サーバー装置301の構成について説明する。図14は、図13における機器管理サーバー装置301の構成を示すブロック図である。
機器管理サーバー装置301は、記憶装置31、ネットワークインターフェース32、および演算処理装置311を有する。
記憶装置31およびネットワークインターフェース32は、実施の形態1のものと同様である。なお、実施の形態3では、登録機器データ31a内の印刷設定データはデフォルトの印刷設定データであって、クラウドサーバー装置302において印刷設定データが登録されている場合には、その印刷設定データが使用される。例えば、ユーザーが携帯端末装置1を操作してクラウドサーバー装置302に対する印刷設定データの編集および/または登録を行う。
演算処理装置311は、例えばCPU、ROM、RAMなどを有するコンピューターとして構成される。演算処理装置311において、CPUが、ROMや記憶装置31に記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することで各種処理部を実現する。この演算処理装置311では、ネットワーク通信処理部41、ジョブ登録処理部321、データ変換部43、ジョブ送信処理部44、課金処理部45、スプール処理部322などが実現される。
ネットワーク通信処理部41、データ変換部43、ジョブ送信処理部44、および課金処理部45は、実施の形態1のものと同様である。
ジョブ登録処理部321は、所定のタイミングで繰り返し(例えば定期的に)、ネットワーク通信処理部41を使用してネットワーク2を介してクラウドサーバー装置302にログインし、記憶装置31に登録機器データ31aとして記憶されている機体識別子に関連付けられている文書データファイルがクラウドサーバー装置302により保存されているか否かを確認し、そのような文書データファイルがクラウドサーバー装置302により保存されている場合には、その文書データファイルをダウンロードする。また、ジョブ登録処理部321は、ダウンロードした文書データファイルに対応する印刷データをスプール処理部322に登録する。
スプール処理部322は、上述のスプール処理部62と同様のものであり、印刷データを記憶装置31に格納したり、記憶装置31から読み出したりする。
次に、上記システムにおいて携帯端末装置の有する文書データファイルに基づく印刷を実行する際の各装置の動作について説明する。図15は、図13に示すシステムにおいて携帯端末装置の有する文書データファイルに基づく印刷を実行する際の各装置の動作について説明するシーケンス図である。
携帯端末装置1を携帯しているユーザーは、まず、携帯端末装置1を操作して、携帯端末装置1内に保存されている文書データファイルをクラウドサーバー装置302へアップロードする。このとき、携帯端末装置1では、入力装置15がユーザーによる所定の操作を検出すると、ファイル送信処理部23は、無線ネットワークインターフェース11およびネットワーク通信処理部21を使用して、ユーザーの操作により指定された文書データファイルを、ネットワーク2を介してクラウドサーバー装置302へ送信する(ステップS201)。
クラウドサーバー装置302は、その文書データファイルを受信すると、そのユーザーのアカウントに関連付けて保存する(ステップS202)。その後、このシステムを利用して印刷を行いたいときに、ユーザーは、携帯端末装置1を操作して、クラウドサービスに保存している文書データファイルのうち、ユーザーが印刷したい文書データファイルの「印刷予約」を行う(ステップS203)。例えば、この「印刷予約」の際に、ユーザーは、携帯端末装置1を操作してクラウドサーバー装置302にアクセスし、印刷設定データを携帯端末装置1の機体識別子に関連付けて登録したり、既に登録されている印刷設定データを編集したりする。
他方、機器管理サーバー装置301のジョブ登録処理部321は、クラウドサーバー装置302に、登録機器データ31aに登録されている機体識別子に関連付けられている文書データファイルが保存されているか否かを監視しており、登録されている機体識別子に関連付けられている文書データファイルが保存されていると、その文書データファイルを、クラウドサーバー装置302からダウンロードする(ステップS204)。このとき、その文書データファイル、そのユーザー、またはその機体識別子に関連付けられている印刷設定データがクラウドサーバー装置302により保存されている場合には、ジョブ登録処理部321は、その印刷設定データをその文書データファイルとともにダウンロードする。
文書データファイルがダウンロードされると、データ変換部43は、ダウンロードした印刷設定データ(または登録機器データ31a内の印刷設定データ)により指定される印刷設定で、その文書データファイルから印刷データを生成する(ステップS205)。
そして、ジョブ登録処理部321は、その印刷データをスプール処理部322に保存させる(ステップS206)。なお、文書データファイルが、複合機5A,5Bで処理可能なデータ形式を有している場合には、データ変換部43によるデータ変換を行わずに、文書データファイルを印刷データとしてスプール処理部322に保存させる。
次に、携帯端末装置1を携帯しているユーザーは、文書データファイルをクラウドサーバー装置302へアップロードし、「印刷予約」を行った後、携帯端末装置1を携帯したまま、印刷に使用したい複合機およびセットトップボックス(複合機5Aとセットトップボックス6A、あるいは複合機5Bとセットトップボックス6B)の設置場所に行く。そして、ユーザーは、携帯端末装置1を、所定の位置(上述した配置エリア201)に配置する。
このユーザーの動作により、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12は、セットトップボックス6Aまたはセットトップボックス6Bの近距離通信インターフェース102の通信エリア内に進入する。したがって、そのセットトップボックスの近距離通信処理部112は、近距離通信インターフェース102で、その携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12を検出する。その後、検出装置108が、携帯端末装置1が所定の位置(上述した配置エリア201)に配置されたことを検出すると(ステップS101)、近距離通信処理部112は、近距離通信インターフェース102を制御して、その携帯端末装置1との接続を確立する(ステップS102)。その接続が確立すると、そのセットトップボックスの近距離通信インターフェース102は、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12から携帯端末装置1の機体識別子(ここでは、MACアドレス12a)を受信する(ステップS11)。その機体識別子は、近距離通信処理部112により印刷データ取得部113に供給される。
このように、検出装置108によりユーザーの操作が検出されたセットトップボックスのみが、携帯端末装置1との接続を確立する。したがって、携帯端末装置1と近距離通信で通信可能なセットトップボックスが複数存在しても、その中の、ユーザーの所望する1台のみが、携帯端末装置1との接続を確立する。
そして、そのセットトップボックスの印刷データ取得部113は、ネットワーク通信処理部111およびネットワークインターフェース101を使用して、その機体識別子とともに印刷データ送信要求を機器管理サーバー装置301へ送信する(ステップS12)。なお、機器管理サーバー装置301は、送信されてきた機体識別子が登録機器データ31aに登録されていない場合、その機体識別子とともに受信された印刷データ送信要求を破棄する。これにより、登録されていない携帯端末装置1からの印刷が禁止される。
機器管理サーバー装置301では、ジョブ送信処理部44が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その印刷データ送信要求および機体識別子を受信し、受信した機体識別子についての印刷データをスプール処理部322から読み出し、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、印刷データの要求元であるセットトップボックスへ送信する(ステップS211)。
そのセットトップボックスでは、印刷データ取得部113が、ネットワーク通信処理部111およびネットワークインターフェース101を使用して、その印刷データを受信し、周辺機器インターフェース103で、その印刷データを、そのセットトップボックスに接続されている複合機へ送信する(ステップS16)。
その複合機では、制御部92は、周辺機器インターフェース83でその印刷データを受信し、プリンター84でその印刷データに基づく印刷を実行する(ステップS17)。これにより、ユーザーは、自己の携帯する携帯端末装置1の文書データファイルに基づき印刷された印刷物を得ることができる。
印刷が完了すると、制御部92は、その印刷データについての印刷完了通知を、セットトップボックスを介して、またはセットトップボックスを介さずに直接ネットワーク2を介して機器管理サーバー装置301へ送信する(ステップS18)。
機器管理サーバー装置301では、課金処理部45が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その印刷完了通知を受信すると、その印刷完了通知に対応する印刷データについての課金処理を実行する(ステップS19)。
なお、図示せぬコインベンダーがセットトップボックス6A,6Bに接続されている場合、課金処理部45は、そのコインベンダーを制御して課金処理を行う。また、クレジット決済などの外部サーバーを使用する課金方式の場合には、課金処理部45は、その外部サーバーにアクセスして課金処理を行う。
以上のように、上記実施の形態3によれば、機器管理サーバー装置301は、クラウドサーバー装置302から、所定の携帯端末装置に固有の機体識別子に関連付けられている文書データファイルをダウンロードし、複合機5A,5Bで処理可能な、その文書データファイルに対応する印刷データを、セットトップボックス6A,6Bからの要求に応じて送信する。セットトップボックス6A,6Bは、周囲に存在する携帯端末装置1を検出すると、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得し、その機体識別子に関連付けられている文書データファイルに対応する印刷データを機器管理サーバー装置301へ要求して取得し、複合機5A,5Bへ供給して印刷を実行させる。
これにより、携帯端末装置ごとに個別的に異なるような、携帯端末装置1からの印刷に関する処理(課金処理、印刷設定など)が、機器管理サーバー装置301で一括して集中的に行われる。また、ユーザーIDではなく機体識別子を使用することにより、ユーザーが識別子を入力したりする必要がなく、識別子の漏洩などに起因するなりすましが防止される。加えて、画像形成装置(複合機5A,5B)とは別に印刷制御装置(セットトップボックス6A,6B)を備えることで、既存の画像形成装置を改造または変更することなく携帯端末装置1の検出や機体識別子の取得、送信を行うことができる。さらに、機器管理サーバー装置301がクラウドサービスを経由して文書データファイルを取得するため、携帯端末装置1が、ウェブブラウザーなどといった、そのクラウドサービスを使用可能なソフトウェアを有していれば、ユーザーは、このシステムによる印刷サービスを享受することができる。
さらに、上記実施の形態3によれば、検出装置108が、セットトップボックス6A,6Bに設けられ、携帯端末装置1を携帯しているユーザーによる操作を検出する。そして、セットトップボックス6A,6Bは、周囲に存在する携帯端末装置を検出した場合、検出装置108によりユーザーによる操作が検出されてから、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得する。これにより、携帯端末装置1を携帯しているユーザーが操作をしたセットトップボックスに接続されている複合機で印刷が実行されるため、複数の複合機5A,5B(およびセットトップボックス6A,6B)が隣接して設置されていても、携帯端末装置1を携帯しているユーザーが希望する複合機で印刷を行わせることができる。
実施の形態4.
図16は、本発明の実施の形態4に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態4に係るシステムでは、複合機5C,5Dが、複合機5A,5Bの機能に加え、実施の形態3のセットトップボックス6A,6Bの機能を有している。
実施の形態4では、機器管理サーバー装置301は、実施の形態3のものと同様の構成を有し、携帯端末装置1に固有の機体識別子に関連付けられている文書データファイルをダウンロードし、複合機5C,5Dで処理可能な、文書データファイルに対応する印刷データを、複合機5C,5Dからの要求に応じて送信する。
実施の形態4では、複合機5C,5Dは、ネットワーク2に接続されており、携帯端末装置1との接続が確立すると、上述のセットトップボックス6A,6Bと同様の方法で、機器管理サーバー装置301から印刷データを取得して印刷を実行する。
なお、複合機5C,5Dの構成は、実施の形態2のものと同様である。また、実施の形態4における携帯端末装置1、機器管理サーバー装置301、およびクラウドサーバー装置302は、実施の形態3のものと同様であるので、その説明を省略する。
次に、上記システムにおいて携帯端末装置の有する文書データファイルに基づく印刷を実行する際の各装置の動作について説明する。図17は、図16に示すシステムにおいて携帯端末装置1の有する文書データファイルに基づく印刷を実行する際の各装置の動作について説明するシーケンス図である。
実施の形態4では、携帯端末装置1を携帯しているユーザーは、文書データファイルをクラウドサーバー装置302へアップロードし、「印刷予約」を行った後、携帯端末装置1を携帯したまま、印刷に使用したい複合機(複合機5C、あるいは複合機5D)の設置場所に行く。そして、ユーザーは、携帯端末装置1を、所定の位置(上述の配置エリア)に配置する。
このユーザーの動作により、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12は、複合機5Cまたは複合機5Dの近距離通信インターフェース121の通信エリア内に進入する。したがって、その複合機の近距離通信処理部131は、近距離通信インターフェース121で、その携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12を検出する。その後、検出装置122が、携帯端末装置1が所定の位置(上述の配置エリア)に配置されたことを検出すると(ステップS121)、近距離通信処理部131は、近距離通信インターフェース121を制御して、その携帯端末装置1との接続を確立する(ステップS122)。その接続が確立すると、その複合機の近距離通信インターフェース121は、携帯端末装置1の近距離通信インターフェース12から携帯端末装置1の機体識別子(ここでは、MACアドレス12a)を受信する(ステップS21)。その機体識別子は、近距離通信処理部131により印刷データ取得部132に供給される。
このように、検出装置122によりユーザーの操作が検出された複合機のみが、携帯端末装置1との接続を確立する。したがって、携帯端末装置1と近距離通信で通信可能な複合機が複数存在しても、その中の、ユーザーの所望する1台のみが、携帯端末装置1との接続を確立する。
そして、その複合機の印刷データ取得部132は、ネットワーク通信処理部91およびネットワークインターフェース82を使用して、その機体識別子とともに印刷データ送信要求を機器管理サーバー装置301へ送信する(ステップS22)。
機器管理サーバー装置301では、ジョブ送信処理部44が、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、その印刷データ送信要求および機体識別子を受信し、受信した機体識別子についての印刷データをスプール処理部322から読み出し、ネットワークインターフェース32およびネットワーク通信部41を使用して、印刷データの要求元である複合機へ送信する(ステップS211)。
その複合機では、印刷データ取得部132が、ネットワーク通信処理部91およびネットワークインターフェース82を使用してその印刷データを受信すると、制御部92は、プリンター84でその印刷データに基づく印刷を実行する(ステップS24)。
なお、各装置のその他の動作については、実施の形態3の場合と同様であるので、その説明を省略する。
以上のように、上記実施の形態4によれば、機器管理サーバー装置301は、クラウドサーバー装置302から、所定の携帯端末装置に固有の機体識別子に関連付けられている文書データファイルをダウンロードし、複合機5C,5Dで処理可能な、その文書データファイルに対応する印刷データを、要求に応じて送信する。複合機5C,5Dは、周囲に存在する携帯端末装置1を検出すると、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得し、その機体識別子に関連付けられている文書データファイルに対応する印刷データを機器管理サーバー装置301へ要求して取得し印刷データに基づく印刷を実行する。
これにより、携帯端末装置1ごとに個別的に異なるような、携帯端末装置1からの印刷に関する処理(課金処理、印刷設定など)が、機器管理サーバー装置301で一括して集中的に行われる。また、ユーザーIDではなく機体識別子を使用することにより、ユーザーが識別子を入力したりする必要がなく、識別子の漏洩などに起因するなりすましが防止される。さらに、機器管理サーバー装置301がクラウドサービスを経由して文書データファイルを取得するため、携帯端末装置1が、ウェブブラウザーなどといった、そのクラウドサービスを使用可能なソフトウェアを有していれば、ユーザーは、このシステムによる印刷サービスを享受することができる。
さらに、上記実施の形態4によれば、検出装置122が、複合機5C,5Dに設けられ、携帯端末装置1を携帯しているユーザーによる操作を検出する。そして、複合機5C,5Dは、周囲に存在する携帯端末装置を検出した場合、検出装置122によりユーザーによる操作が検出されてから、検出した携帯端末装置1の機体識別子を取得する。これにより、携帯端末装置1を携帯しているユーザーが操作をした複合機で印刷が実行されるため、複数の複合機5C,5Dが隣接して設置されていても、携帯端末装置1を携帯しているユーザーが希望する複合機で印刷を行わせることができる。
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施の形態1〜4において、機器管理サーバー装置3,301および/またはジョブ管理サーバー装置4により保存された文書データファイルおよび/または印刷データを、送信要求に基づいて送信された後、ただちに消去するようにしてもよいし、印刷完了通知があったときに消去するようにしてもよいし、データ送信後または印刷完了通知後から再印刷可能に一定期間保持した後に消去するようにしてもよい。
また、上記実施の形態1,3において、セットトップボックス6A,6Bは、データ送信要求とともに、セットトップボックス6A,6Bに接続されている複合機5A,5Bの機種情報を機器管理サーバー装置3,301に送信し、機器管理サーバー装置3,301は、その機種情報により示される機種に対応した印刷データを文書データファイルから生成し送信するようにしてもよい。同様に、実施の形態2,4において、複合機5C,5Dは、データ送信要求とともに、自己の機種情報を機器管理サーバー装置3,301に送信し、機器管理サーバー装置3,301は、その機種情報により示される機種に対応した印刷データを文書データファイルから生成し送信するようにしてもよい。さらに、これらの機種情報には、フィニッシャーなどのオプション機能が装備済みであるか否かを示すオプション情報を含めるようにしてもよい。
また、上記実施の形態1,3において、セットトップボックス6Aと複合機5Aとは周辺機器インターフェース83,103で接続されているが、その代わりに、ネットワークインターフェース82,101で接続され、ネットワーク2を介して印刷データを送受するようにしてもよい。
また、上記実施の形態1〜4において、複合機5A,5B,5C,5Dの代わりに、プリンターなどといった印刷機能を有する他の画像形成装置を使用してもよい。
また、実施の形態1,3において、検出装置108は、複合機5A,5Bに設けられていてもよい。その場合、複合機5A,5Bからセットトップボックス6A,6Bへ、検出したことを示す通知が供給される。また、その場合、検出装置108として、複合機5A,5Bの操作パネルを使用し、ユーザーによるボタン押下などの操作を検出するようにしてもよい。
また、上記実施の形態3,4では、機器管理サーバー装置301が、ジョブ管理サーバー装置4の機能を有しているが、実施の形態1,2と同様に、機器管理サーバー装置とは別に、ジョブ管理サーバー装置4を設け、ジョブ管理サーバー装置4に印刷データをスプールするようにしてもよい。
また、上記実施の形態1〜4において、ユーザーが携帯端末装置1にコード(例えば4ケタの英数字)を入力し、携帯端末装置1が機体識別子とともにそのコードをセットトップボックス6A,6Bまたは複合機5C,5Dへ送信し、ユーザーがコードをセットトップボックス6A,6Bまたは複合機5C,5Dに入力し、セットトップボックス6A,6Bおよび複合機5C,5Dは、携帯端末装置1から受信したコードと、ユーザーにより直接入力されたコードとが一致した場合のみ、印刷データ送信要求を送信し、そうでない場合には、印刷データ送信要求を送信しないようにしてもよい。
また、上記実施の形態1〜4において、セットトップボックス6A,6Bおよび複合機5C,5Dは、検出した携帯端末装置1の機体識別子に関連付けられている印刷データのリストを機器管理サーバー装置3,301から取得し、そのリストを、近距離通信インターフェースで携帯端末装置1へ送信して表示させ、ユーザーによりそのリストから選択された印刷データを機器管理サーバー装置3,301から取得するようにしてもよい。
また、上記実施の形態1,3において、機器管理サーバー装置3,301の機能をすべてセットトップボックス6Aまたはセットトップボックス6Bに内蔵させ、機器管理サーバー装置3,301を省略するようにしてもよい。