JP5453136B2 - 2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー - Google Patents

2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー Download PDF

Info

Publication number
JP5453136B2
JP5453136B2 JP2010041811A JP2010041811A JP5453136B2 JP 5453136 B2 JP5453136 B2 JP 5453136B2 JP 2010041811 A JP2010041811 A JP 2010041811A JP 2010041811 A JP2010041811 A JP 2010041811A JP 5453136 B2 JP5453136 B2 JP 5453136B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
diameter
gas
different
casing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010041811A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011179341A (ja
Inventor
公平 野首
Original Assignee
株式会社中央技研工業
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社中央技研工業 filed Critical 株式会社中央技研工業
Priority to JP2010041811A priority Critical patent/JP5453136B2/ja
Publication of JP2011179341A publication Critical patent/JP2011179341A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5453136B2 publication Critical patent/JP5453136B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

本発明は、例えば酸素、水素、塩素等の安全上の危険ガス又は窒素、ヘリウム、炭酸ガス等の特殊ガスをシール性良く、しかも高圧に加圧し得るレシプロ式の2段圧縮式ピストンコンプレッサーに関する。
従来より、空気等の送気ガス(作動気体)を加圧して目的機器に供給するため、例えば、特許文献1に記載の往復動ピストン機関が知られている。
この往復動ピストン機関は、ピストン/シリンダヘッドを独立して2段に併設したもので、二個のピストンがバランスよく回転し、送気ガスの脈動も比較的少ない状態で運転できるメリットがある。
しかしながら、この種の往復動式のピストンコンプレッサーは、気体を加圧するに際し、モータの回転駆動力をクランクシャフト及びコネクチングロッド(以下、「コンロッド」と略称する。)を介してシリンダ内のピストンの往復運動に変換して行なうため、ピストンがシリンダ内を往復する度にシリンダ内壁面にピストンの側圧がかかる問題がある。
シリンダ内壁面にピストン側圧がかかると、この側圧が原因でシリンダ/ピストン間にガス漏れ、ピストンリングの磨耗及び騒音発生等の問題を招来し、装置全体の耐久性も低下する問題があった。
このピストンの側圧問題は、モータ駆動軸の回転運動が、クランクシャフトとコンロッドとを介してピストンの往復運動に変換される原理上、避けられない問題である。
そこで、かかるシリンダ内壁面に加わるピストンからの側圧を少しでも軽減せんとして、本出願人は、以前に特許文献2に記載のエアポンプを提案した。
このエアポンプは、消音構造として、ピストン機関のシリンダの基台部分のコンロッドの側面に対向する部分であって、且つ、回転軸の少なくとも回転方向側に、コンロッドの側面が摺接し得る「コンロッドガイド」を設けたものである。
この消音構造に拠れば、コンロッドガイドにより、ピストンの側圧発生が緩和され、上記ピストン/シリンダ間のガス漏れ防止にも寄与することになる。
しかしながら、近年の送気ガスは、種々の特殊用途に用いる特殊ガス化と高圧化とが著しいため、ピストン/シリンダ間のより一層の送気ガス漏れ対策と高圧化対策が急務になってきた。
すなわち、昨今の送気ガスの種類は、例えば従来の空気、酸素、窒素の他、塩素(半導体産業用途)、ヘリウム(原子力産業用途)、炭酸ガス(空調産業用途)等の多岐に渡り、また、その吐出圧は用途にもよるが10MPaと高圧化しているのが現状である。この場合、高圧化に対しては、加圧装置を大型化すれば既存技術で対応可能であるが、これでは最近の省エネルギー指向に反することになる。
したがって、昨今の特殊ガス用途には、上述した種類の危険ガスも含まれていることから、往復動式ピストンコンプレッサーには、系外にガス漏れが生じないコンパクトなものが要求されてきている。
このような用途に最も適したものは、医療、食品等の分野で多用されているダイヤフラム式ポンプであるが、ダイヤフラム式ポンプは、周知のように作動気体の高圧化及び高回転に適しておらず、耐久性に問題があった。
特開平11−343801号公報(請求項1、図1) 特開2008−31908号号公報(請求項1、図1の符号20)
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、種々の特殊送気ガスに対して、ダイヤフラム式ポンプと同等の優れた密封性を有しながらも、従来のコンプレッサーでは達成し得なかった高圧化が可能で、しかも耐久性にも優れたコンパクトなレシプロ式の2段圧縮式ガスコンプレッサーを提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーは、ケーシングと、該ケーシング上部に位置するシリンダと、該シリンダ内で往復動する大径部と小径部とが一体に連結されて成る異径ピストンとを備え、該異径ピストンを前記ケーシング内に設けられたコンロッドを介してクランクシャフト又は偏心カムの駆動により往復動させることにより、前記大径部の下方から吸込んだガスに第1段目と第2段目の圧縮とを加えて前記小径部から吐出させる2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーであって、
前記異径ピストンと、コンロッドとの間に、上端が前記異径ピストンに固定され、下端が前記ケーシング内部にまで垂下して前記コンロッドとピン結合されて成る所定長さのピストンシャフトを介設するとともに、該ピストンシャフトの前記ピン結合部分を、該ピン結合部分の両側から上下動可能に摺接支持するピストンシャフト案内ガイドを設けたことを特徴とする。
この場合、前記ピストンシャフトのピン結合部分を、該ピン結合部分の両側から上下動可能に摺接支持するピストンシャフト案内ガイドとしては、コンロッドピンを跨いでケーシング内面から所定間隔で垂下された2本のピストンシャフト案内棒と、該2本のピストンシャフト案内棒に上下動可能に装着され、前記コンロッドピンにより枢支されるコンロッドピン保持ブロックと、から成るものにしても良い。
また、ピストンシャフトのケーシング貫通部には、コンロッド側に位置するオイルシールと、ピストン側に位置するガスシールとで軸シールしてもよい。
さらに、シリンダには、異径ピストンの大径部下方のガス吸気室に連通するガス吸込口と、小径部上方に位置する圧縮室に連通するガス吐出口とが開口され、前記異径ピストンの大径部と、小径部との間には、前記ガス吸気室から漏れたガスを回収し、前記ガス吸込口に戻す漏出ガスのリサイクル流路を設けても良い。
本発明の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーによれば、以上の構成を有するので、種々の特殊送気ガスに対して、ダイヤフラム式ポンプと同等の優れた密封性を有しながらも、従来のコンプレッサーでは達成し得なかった高圧化が可能で、しかも耐久性にも優れたコンパクトなレシプロ式の2段圧縮ガスコンプレッサーを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーの全体正面図である。 図1のコンプレッサーの部分断面図であり、このうち図2(a)は駆動部及びシリンダヘッド部の縦断面図、図2(b)は図2(a)のコンプレッサーのA−A矢視の部分横断面図である。 図3(a)は、図2(a)の駆動部6及びシリンダヘッド部7の分解図、図3(b)は、そのピストンシャフト9周辺部分の分解図である。 図3に図示されている異径ピストン8の拡大図であり、このうち図4(a)はその平面図、図4(b)はその正面図である。 図1の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーの行程図であり、このうち図5(a)は、ピストンが下死点にあるときの縦断面図、図5(b)は、そのB−B矢視のコンロッド部分の横断面図、図5(c)は、ピストンが上死点にあるときの縦断面図、図5(d)は、そのC−C矢視のコンロッド部分の横断面図である。 本発明の第2実施形態に係る2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーの漏出ガスのリサイクル流路部分の模式図であり、このうち図6(a)は、ピストンが下死点にあるときの縦断面図、図6(b)は、ピストンが上死点にあるときの縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
実施形態1
図1は、本発明の第1実施形態に係る2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー100の全体正面図である。
図1において、本発明の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー100は、コモンベース1と、モータ2と、カップリング3と、コンプレッサー本体4とから成り、コンプレッサー本体4がモータ2によりカップリング3を介して駆動されるようになっている。
コンプレッサー本体4は、コモンベース1上に固定された内部が空洞のケーシング5と、ケーシング5内に内蔵された駆動部6と、ケーシング5上部に固定されたシリンダヘッド部7とから成っている。
次に、コンプレッサー本体4の各部の構成を図2〜図4に基づいて、詳細に説明する。
図2は、図1のコンプレッサー本体4の部分断面図であり、このうち図2(a)は駆動部6及びシリンダヘッド部7の縦断面図、図2(b)は図2(a)のコンプレッサー本体4のA−A矢視の横断面図である。なお、図2(b)では、ピストン8以外の部分は図示を省略している。また、図1、図2とも、ピストン8が下死点状態にある場合を示している。
図3(a)は、図2(a)の駆動部6及びシリンダヘッド部7の分解図、図3(b)は、そのピストンピン案内ガイド28部分の分解図である。
図2(a)において、ケーシング5は、コンプレッサー本体4のベース的役割を成すもので、内部が空洞の強固な筐体となっている。そして、その側面には、図5(c)で後述する吸気室Pに連通する、図示しない目的機器からのガス吸込口5aと、吸気室Pに開口する給気孔5bとが設けられている。
また、ケーシング5の上面の吸気室P内(図5(c)参照)には、後述する異径ピストン8が上下運動をするごとに給気孔5bを開弁及び閉弁する開閉弁5cがビス5d(図6(a)参照)で固定されている。この開閉弁5cは、銅製の舌状片であり、他端部が給気孔5bを覆う片持ち梁となっている。
駆動部6は、後述するピストン8にクランク運動を起こさせる部分であり、クランク軸10の右端部には、カップリング3からの駆動力を受けるキー溝11が設けられ、ケーシング5に装着されたボールベアリング10aにより回転可能に水平に支持されている。
このクランク軸10は、図2(b)の横断面図に示すように、回転中心Oに対して変位中心Sまでの変位距離E(すなわちクランク長さE)だけ偏心している。
クランク軸10の長手方向には、所定間隔Lを隔ててボールベアリング22が装着され、また、このボールベアリング22の外輪には、変位中心Sを中心として遥動する二枚のプレート状のコンロッド13が嵌め込まれている。
そして、二枚のコンロッド13のさらに両側には、バランスウェイト14が固定されている。このバランスウェイト14の側面視形状は、図示は省略するが、コンロッド13のピストンピン15側に変位した変位質量及びクランク軸10の偏心距離Eによって発生する回転中心Oからの変位質量を打ち消す形状に形成されている。
そして、二枚のコンロッド13の上部には、ピストン8から垂下したピストンシャフト9とピン結合するためのピストンピン15が、円筒形の軸受けメタル15a(図3(a)参照)を介して回動可能に水平に挿入されている。
ピストンピン15の軸受け構造は、本実施形態では軸受けメタル15aを用いているが、高吐出圧タイプのコンプレッサーにはニードルベアリング(不図示)をピストンピン15とコンロッド13との間に装着してもよい。
ピストンピン15の軸方向の中央部には、ピストンピン15を上下動可能に案内するためのピストンピン保持ブロック16がピストンシャフト9の下端にボルト17で固定されている。
すなわち、図2(b)及び図3(b)に示すように、ピストンピン保持ブロック16は、その縦断面が横長形状をしたブロックであり、中央部にはピストンピン保持ブロック固定用のボルト貫通孔17aと、このボルト貫通孔17aの両側にピストンピン案内棒18を上下方向に摺動案内させるための2本のガイド孔19とが垂直に設けられている。
したがって、ピストンピン保持ブロック16の下方から差し入れたピストンピン保持ブロック固定用ボルト17がピストンシャフト9の下部に設けられた雌ネジ9aに捻じ込まれることにより、ピストンシャフト9の下端にピストンピン保持ブロック16が一体に固定できる。
また、図2(a)に示すように、ピストンピン保持ブロック16の両側面からは、ピストンピン15が水平方向に片持ち状に突出して形成され、軸受けメタル15aを介してコンロッド13とピン結合されている。
図2(b)及び図3(b)が示すように、ピストンシャフト案内棒18は、ケーシング5の裏面に中心線を跨いで支持間隔Wで穿設した2つの凹部23内に挿入される所定長さのパイプ18aと、このパイプ18a内に下方から挿通され、その先端部をケーシング5の凹部先端に螺設した雌螺子18cにねじ込んでパイプ18aを固定するためのパイプ固定用ボルト18bとで構成されている。
なお、ピストンシャフト案内棒18は、パイプ18aを省略した単なる案内ボルト(不図示)であってもよい。
また、ピストンシャフト9のケーシング5貫通部は、コンロッド13側に位置するオイルシール20と、ピストン8側に位置するガスシール21とで軸シールされている
したがって、以上に説明した駆動部6によれば、クランク軸10がモータ2により駆動されてクランク運動をすると、コンロッド13が図の上下方向に遥動運動をする。これにより2本のピストンピン15が上下運動をし、同時にピストンピン保持ブロック16も上下方向に往復駆動する。
この場合、ピストンピン保持ブロック16は、ピストンピン案内棒18を案内ガイドとして、図の上下方向に摺動運動し、変位距離Eの2倍のストロークで上下動する。
ピストンピン保持ブロック16が上下動すると、ピストンシャフト9がピストン8の下部にピストン8と一体に固定されているので、同時にピストン8もストローク範囲内で上下動することになる。
この際、前述したケーシング5を密閉式のクランクケースとしておくと、その内部に給油溜め(不図示)を設けることができ、駆動部6の全体を跳ねかけ給油方式の潤滑構造にすることができる。
次に、前述した図3及び図4を参照して、シリンダへッド部7の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、本発明のコンプレッサーに用いられているシリンダヘッド部7は、異径ピストン8と、大径部8aを外周面から包囲する大径シリンダ24と、小径部8bを同様に外周面から包囲する小径シリンダ25と、小径部8bの上面に固定されている弁体26と、最上部のシリンダヘッド27とから成る。
このうち、異径ピストン8は、図4に示すように、外径が大きく形成されている大径部8aと、大径部8aよりも外径が小さく形成されている最上部の小径部8bと、両者を接続し、小径部8bよりも外径が小さく形成されている冷却接続部8cとから成り、大径部8aと大径部8aの外周面には、それぞれピストンシール溝8eが形成されている。すなわち、これら部位の外径関係により、異径ピストン8は、異径の二段ピストン8となっている。
また、大径部8aと小径部8bの外周には、ピストンリング8dの装着溝8eがそれぞれ複数条形成されており、内部の中心線上には、前述したピストンシャフト固定用ボルト29(図2(b)参照)の貫通孔8fと、その上部にそのボルト頭部の収容穴8gと、下部にピストンシャフト9の上部挿入穴8hとが穿設されている。
また、貫通孔8fから偏心した位置には、異径ピストン8が下降することで、大径部8a下方に形成される吸気室P(図5(c)参照)に形成されるガスに第一段圧縮を加え、その圧縮ガスを小径部8b上方に形成される圧縮室Qまで供給するための第一段圧縮ガスの供給孔8iとが穿設されている。
また、異径ピストン8の小径部8b上面には、異径ピストン8が上下運動をするごとに第一段圧縮ガスの供給孔8iを開弁及び閉弁する、前述の開閉弁5cと同様構成の開閉弁8m(図3(a)参照)が不図示のビスで固定されている。
弁体26には、圧縮室Qからシリンダヘッド27のガス溜め室27cに連通する圧縮ガス供給孔26bと開閉弁26aとが設けられ、その上面にも上記と同様構成の開閉弁26aが不図示のビスで固定されている。
小径シリンダ25の上部外周面には、冷却フィン25bが複数条形成され、下部には、冷却室Rのガスを外部に導くリサイクルガス吐出口25aが設けられている。
シリンダヘッド27は、弁体26を介して小径シリンダ25の開口部を閉塞する部材であり、内部には圧縮ガス溜め室27cと、圧縮ガスの吐出口27aとが設けられている。
図2(a)に示すように、以上の各部材がケーシング5上に積み上げられ、シリンダヘッド27、弁体ケーシング5上に26、小径シリンダ25及び大径シリンダ24を貫通する固定ボルト31で固定されている。なお、符号32は、放熱板であり、符号32a、32bは、それぞれ前述したガス吐出口25a、吐出口27aへの配管接続用孔である。
以上の構成により、異径ピストン8と、大径シリンダ24及び小径シリンダ25との間には、前述した吸気室Pと圧縮室Qの他、異径ピストン8の大径部8aから小径部8bに至る外周面と、大径シリンダ24及び小径シリンダ25の内周面とで画成される冷却室Rも形成される。
次に、図5の行程図を参照して、本発明の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーの動きを説明する。
図5(a)の状態においては、図5(b)に示すとおり、クランク軸10の変位中心Sが最下位にあるため、異径ピストン8は下死点位置にある。
ここで、クランク軸10が図の矢印方向に回転し、図5(d)に示すように、クランク軸10の変位中心Sが最上位に至ると、異径ピストン8は上死点に達する。
ここまでの行程においては、図5(c)に示すように、ピストン8の上昇運動により、図示しない目的機器から回収ガスが入口5aから吸気室P内に吸入されると同時に、圧縮室Q内のガスは、異径ピストン8上部の開閉弁8mが閉弁状態にあるから圧縮ガス供給孔26b(図3(a)参照)を経て、圧縮ガス溜め室27c内に給気され、この圧縮ガス溜め室27c内で加圧されて、吐出口27aから図示しない目的機器に送気される。
一方、冷却室R内のガスは、大径ピストン8aのストローク体積分の掃気作用があるから、ガス吐出口25a(図3(a)参照)を経て系外に排気される。
次に、クランク軸10の回転が進み、再び図5(a)の状態になると、図5(b)に示すように、クランク軸10の変位中心Sが最下位に至るため、異径ピストン8は図の下死点に達する。
ここまでの行程においては、ピストン8の下降運動により、吸気室P内の開閉弁5cが閉弁され、異径ピストン8上部の開閉弁8mが開弁されるので、吸気室Q内の吸気ガスは、異径ピストン8内の供給孔8iを経由して圧縮室Q内に供給されるが、このとき圧縮室Q内のガスは、吸気室Pと圧縮室Qの容積差分だけ圧縮されるので、これで第1段圧縮がされることとなる。
一方、小径シリンダ25のガス吐出口25aからは、異径ピストン8の下降運動により外気が冷却室R内に吸気され、前述行程のガス吐出口25aを経た掃気と、冷却フィン25bからの放熱とにより、大径シリンダ8a及び小径シリンダ8bに対する冷却作用が行なわれる。
この状態から再び図5(c)の上死点行程になると、異径ピストン8の小径ピストン8bによる上昇運作動により、圧縮室Qの圧縮ガスに対し、今度は第2断目の圧縮が加えられ、当該ガスが吐出口27aから目的機器に送気されることは前述したとおりである。
ところで、本実施形態の異径ピストン8の諸寸法は、加圧ガスの種類、加圧圧力、吐出速度等の設計条件により勿論異なるが、一例として次の通りである。
大径部8aの外径 63〜150mm
小径部8bの外径 40〜 63mm
ストローク 10〜 30mm
クランク回転数 1500〜1800回/毎分
本発明は、上記の構成としたので、以下に述べる多くの作用効果を奏することができる。
異径ピストン8は、従来の加圧ヘッドが分離された多段式ではなく、大径ピストン8aと小径ピストン8bとが一体に形成された異径ピストンを用いた二断圧縮式のコンプレッサーであるので、装置全体がコンパクト化する。
また、異径ピストン8と一体になったピストンシャフト9及びピストンシャフト9の前記ピストンピン15部分を、ピストンピン15部分の両側から上下動可能に案内するピストンピン案内ガイド28を設け、異径ピストン8の中心線上で上下動させるので、シリンダ内壁面に加わるピストン8の側圧を格段に減少させることができる。
したがって、シリンダ/ピストン8間のガス漏れ及び磨耗が著しく減少し、ダイヤフラムポンプと同等のシール性が良好で、且つ、高圧力で吐出が可能な耐久性の高いコンプレッサーが得られる。
実施形態2
次に、本発明に係る2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーの第2実施形態を図6に基づいて説明する。
図6(a)は、かかる第2実施形態の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー100Aのピストン8が下死点にあるときの縦断面図、図6(b)は、ピストン8が上死点にあるときの縦断面図である。
この第2実施形態は、前述した第1実施形態の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー100に、新たに後述する軸シール機構56及び漏出ガスのリサイクル流路50を増設したものである。
図6(a)において、ケーシング5上部に、前述した大径シリンダ24と、小径シリンダ25と、弁体26と、シリンダヘッド27とが貫通ボルト31によりこの順に固定され、その内部には異径ピストン8が位置している。
ケーシング5の上部には、第1実施形態のコンプレッサーと同様に、大径ピストン8aの下面と、大径シリンダ24の内周面とで画成される吸込室Pが形成され、小径ピストン8の上部には、小径ピストン8の上面と、弁体26の下面と、小径シリンダ25内周面とで画成される圧縮室Qが形成され、両室の間には冷却室Rが形成され、異径ピストン8がこれらの室間で交互に上下動できるようになっている。
一方、ピストンシャフト9の外周面には、ケーシング5との間に上から順にブッシュ、ガスシールリング、ブッシュ、ガスシールリング、オイルシールリング、ブッシュからなる軸受兼シール機構56が設けられ、吸込室P内のガスを駆動部6方向に漏らさない状態でピストンシャフト9が滑らかに上下動できるようになっている。
ケーシング5の右側面には、第1実施形態のコンプレッサー100のガス吸込口5aと給気孔5bとに代えて、吸気室Pに連通する新気ガス及び漏出ガスの入口52が設けられ、入口52が連通する開口54は、前述と同様構成の舌状の開閉弁5cで開弁と閉弁とができるようになっている。
また、小径シリンダ25の側面には、ガス吐出口55が設けられ、その出口は冷却室R内のガスを新気ガス及び漏出ガスの入口52にまでフィードバックするリサイクル管53が設けられ、これら漏出ガスの入口52と、開口54及び吐出口55と、リサイクル管53とで、漏出ガスのリサイクル流路50を構成している。
すなわち、本発明の第2実施形態に係る2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー100Aは、前述の第1実施形態で説明した構成を全て備える他、上記軸シール機構56と、漏出ガスのリサイクル流路50とを備えているのである。
この場合において、異径ピストン8がクランク運動により、図6(a)の下死点から図6(b)の上死点まで異径ピストン8が上昇をすると、吸込室P内の負圧により開閉弁5cが開弁し、開口54から漏出ガス及び目的機器からの新気ガスを吸気すると同時に、圧縮室Qから漏出してきた冷却室R内の漏出ガスが吐出口55及びリサイクル管53を経て、漏出ガスの入口52にフィードバックされ、ここでガス入口51からの目的機器からの新気ガスと合流して再び吸込室P内に吸入される。
したがって、圧縮室Q又は駆動部6から流入した漏出ガスは冷却室R内で大径ピストン8a上昇時の背圧にならず、しかも系外に漏れることがなくリサイクルされる。よって、圧縮機械効率も高くなり、省エネ運転が達成され、当初目的の高圧化も達成される。
本実施形態のコンプレッサーは、作動ガスが塩素ガス、酸素ガス等の系外に漏れると危険な場合に特に効果的である。
本発明に係る2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーは、前述した医療、食品等の分野の他、例えば半導体製造分野における高圧洗浄ポンプ、原子力分野におけるヘリウム回収ポンプ、ブースターポンプ等として好適に使用できる。
5 ケーシング
8 異径ピストン
8a 大径部
8b 小径部
9 ピストンシャフト
10 クランクシャフト
13 コンロッド
15 ピストンピン
18 ピストンピン案内棒
16 ピストンピン保持ブロック
24 シリンダ
28 ピストンピン案内ガイド
50 漏出ガスのリサイクル流路
100、100A 2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー(本発明)

Claims (4)

  1. ケーシングと、該ケーシング上部に位置するシリンダと、該シリンダ内で往復動する大径部と小径部とが一体に連結されて成る異径ピストンとを備え、該異径ピストンを前記ケーシング内に設けられたコンロッドを介してクランクシャフト又は偏心カムの駆動により往復動させることにより、前記大径部の下方から吸込んだガスに第1段目と第2段目の圧縮とを加えて前記小径部から吐出させる2段圧縮式異径ピストンコンプレッサーであって、
    前記異径ピストンと、コンロッドとの間に、
    上端が前記異径ピストンに固定され、下端が前記ケーシング内部にまで垂下して前記コンロッドとピストンピンでピン結合されて成る所定長さのピストンシャフトを介設するとともに、
    該ピストンシャフトの前記ピストンピン部分を、該ピストンピン部分の両側から上下動可能に案内するピストンピン案内ガイドを設けたことを特徴とする2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー。
  2. ピストンピン案内ガイドは、
    ピストンピンを跨いでケーシング内面から所定間隔で垂下された2本のピストンピン案内棒と、
    該2本のピストンシャフト案内棒に上下動可能に摺接支持されるとともに、前記ピストンピンにより枢支されるピストンピン保持ブロックと、から成ることを特徴とする請求項1記載の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー。
  3. ピストンシャフトのケーシング貫通部は、コンロッド側に位置するオイルシールと、ピストン側に位置するガスシールとで軸シールされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー。
  4. シリンダには、異径ピストンの大径部下方のガス吸気室に連通するガス吸込口と、小径部上方に位置する圧縮室に連通するガス吐出口とが開口されていると共に、
    前記異径ピストンの大径部から小径部に至る外周面と、前記シリンダの内周面とで画成された冷却室に開口し、前記圧縮室から該冷却室内に漏れたガスを回収して前記ガス吸込口に戻す、漏出ガスのリサイクル流路が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー。
JP2010041811A 2010-02-26 2010-02-26 2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー Active JP5453136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010041811A JP5453136B2 (ja) 2010-02-26 2010-02-26 2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010041811A JP5453136B2 (ja) 2010-02-26 2010-02-26 2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011179341A JP2011179341A (ja) 2011-09-15
JP5453136B2 true JP5453136B2 (ja) 2014-03-26

Family

ID=44691121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010041811A Active JP5453136B2 (ja) 2010-02-26 2010-02-26 2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5453136B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106438300A (zh) * 2016-09-30 2017-02-22 佛山市顺德区美的饮水机制造有限公司 隔膜增压泵及净水器

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102705199B (zh) * 2012-06-30 2014-09-17 柳州市金螺机械有限责任公司 压缩机
KR101288473B1 (ko) 2013-04-29 2013-07-26 노주태 가이드 캠을 이용한 압축펌프
JP6130776B2 (ja) * 2013-12-12 2017-05-17 株式会社日立産機システム 空気圧縮機
CN104196699B (zh) * 2014-08-21 2017-06-16 吉林省三和电气系统工程有限公司 一种气体增压泵
CN105240242A (zh) * 2015-08-21 2016-01-13 成都汉普耐特油气设备有限公司 天然气v型引擎压缩机的组合式缸头
CN105971851A (zh) * 2016-07-04 2016-09-28 无锡欧洛普科技有限公司 天然气压缩缸
JP6951146B2 (ja) * 2017-07-31 2021-10-20 株式会社日立産機システム 無給油式往復動圧縮機
JP6954182B2 (ja) * 2018-02-28 2021-10-27 工機ホールディングス株式会社 気体圧縮機
CN110242534B (zh) * 2019-07-08 2024-01-26 耐力股份有限公司 一种新能源有油二级活塞式空压机
JP7470956B2 (ja) 2019-09-27 2024-04-19 株式会社中央技研工業 コンプレッサ
CN115681073B (zh) * 2022-10-14 2023-11-14 西安交通大学 一种t型楔式离子液体压缩机及其液驱控制方式

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106438300A (zh) * 2016-09-30 2017-02-22 佛山市顺德区美的饮水机制造有限公司 隔膜增压泵及净水器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011179341A (ja) 2011-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5453136B2 (ja) 2段圧縮式異径ピストンコンプレッサー
CN1270084C (zh) 用于带直线电动机的往复式压缩机的活塞润滑系统
US11053932B2 (en) Linear compressor
CN100458154C (zh) 往复式压缩机
KR100714594B1 (ko) 리니어 압축기의 오일 공급 유닛
KR101559807B1 (ko) 공기압축기의 밸브장치
KR200147723Y1 (ko) 왕복동형 압축기
KR100504905B1 (ko) 왕복동식 압축기의 토출장치
KR100746425B1 (ko) 리니어 압축기의 오일 공급 유닛
JP2019027356A (ja) 無給油式往復動圧縮機
CN114718876B (zh) 供油系统和压缩机
JP2005330926A (ja) 往復圧縮機
KR20060086674A (ko) 리니어 압축기의 오일공급장치
RU191806U1 (ru) Поршневой компрессор высокого давления
KR100548444B1 (ko) 왕복동식 압축기의 윤활유 공급장치
KR20090041715A (ko) 리니어 압축기
KR200326254Y1 (ko) 왕복동 압축기의 피스톤 센터유지장치
KR101336436B1 (ko) 사판식 압축기용 피스톤
KR20050017250A (ko) 왕복동식 압축기의 윤활유 안내 장치
JP6654388B2 (ja) 圧縮機
KR100469454B1 (ko) 대향형 왕복동식 압축기의 윤활유 공급 장치
KR100292515B1 (ko) 압축기의가스역류방지장치
JP2011058395A (ja) 密閉型圧縮機
KR20100016912A (ko) 사판식 압축기
KR20050029417A (ko) 왕복동식 압축기의 윤활유 공급장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5453136

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250