JP5453130B2 - アタック角測定装置及び測定方法 - Google Patents
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Description
このようなアタック角測定装置の一例として、例えば下記特許文献1に記載されたものが提案されている。
即ち、特許文献1に記載されたアタック角測定装置では、図7に示すように、半導体レーザーなどの光源1からレンズを介してレール2の踏面2aにレーザー光を細長い線状ビーム6としてレール2を横切るように照射する。そして、レール2の踏面2aで乱反射する一部の反射光をレール2の真上に設けたラインセンサカメラ4で受光し、撮影する(図8参照)。検出ヘッド3は光源1とラインセンサカメラ4を収容しており、軸箱に支持されて車輪の前後方向に張り出した保持フレームにおける車輪の前後方向両側にそれぞれ設けられている。
図9で示す線状ビーム6の輝度分布に対して、しきい値を下回る位置をレール2の踏面2aの両側端面2b、2bとする。そして、しきい値を踏面2aの内側端面として、端面2bの各位置情報により内側端面からの距離Xa、Xbを測定し、次式により車輪に対するレール2の相対角度をアタック角として演算することができる。なお、Yはラインセンサカメラ4,4間の距離である。
アタック角=tan−1(Xa−Xb)/Y
また、軸箱に受光部を固定するために、受光部を支持する固定治具を軸箱から車輪前後方向に大きく張り出させる構成であるから、走行時における固定治具の振動によるブレや輪軸軸受と軸箱とのガタが測定精度低下の原因になっていた。
本発明によれば、レールに接触しない車輪の面と車輪に接触しないレールの面とに光ビームを照射してそれぞれの反射光によって、車輪との距離情報とレールとの距離情報を得て、これらの距離情報に基づいて演算手段によって車輪とレールのアタック角を演算することができる。特に、レールに接触しない車輪の面と車輪に接触しないレールの面とに光ビームを照射することで、走行によってレールが摩耗してもその影響を受けることなくアタック角を検出できる。
また、車輪との距離情報とレールとの距離情報をそれぞれ測定することで、走行中の振動によるアタック角測定装置自体のブレや輪軸軸受の軸箱への取付位置の遊びによるガタに対する影響をキャンセルした精度の良い測定が行える。
光ビームを車輪の側面とレールの側面に照射して反射光を第一及び第二測長センサーで検知することで、走行によって車輪とレールの踏面が摩耗してもその影響を受けることなく距離を精度良く測定できる。
第一及び第二測長センサーを支持部に固定して、車輪の側面に対向する位置に設けたから、支持部と第一及び第二測長センサーが車輪の前後方向に張り出さないので短く形成できてアタック角測定装置を車両限界に収めてコンパクトに形成でき、距離の測定に際して振動やガタによる影響を低減できる。
αa=tan−1{(A1−A2)/La} …(1)
αb=tan−1{(B1−B2)/Lb} …(2)
α=αa−αb …(3)
但し、La;2台の第一の測長センサー間の距離
Lb;2台の第二の測長センサー間の距離。
なお、アタック角測定装置では、第一及び第二の測長センサーは少なくとも各3台設けられていて、第一の測長センサーと第二の測長センサーで得られた距離情報から車輪とレールの反りを測定するようにしてもよい。
本発明では、車輪との距離情報とレールとの距離情報をそれぞれ測定して、第一及び第二の測長センサーに対する車輪とレールの傾き角をそれぞれ算出した上で、アタック角を算出するようにしたから、従来技術のように、走行中の車両の振動による車輪に設けたアタック角測定装置自体のブレや車輪への取付位置の遊びによるガタによって生じる測定誤差をキャンセルして、精度の良いアタック角の測定が行える。
W=(B1+B2)/2−(A1+A2)/2 …(4)
しかも、レールの端面を特定するために反射光のしきい値を設定する必要がなく、複雑な演算アルゴリズムを必要としないため、変動するアタック角の変化を高速なサンプリング周期で測定できる。
図1及び図2において、レール10に鉄道車両の車輪11が設置されている。車輪11の車軸12には軸受9を介して軸箱13が固定されている。軸箱13の下部にはステー14がボルト等で固定され、ステー14の下方には支柱15を介して支持台16が取り付けられている。ステー14と支持台16は車軸12に直交する方向に配設されている。
そして、支持台16上には、アタック角測定装置18における複数台のレーザー変位計19、20が取り付けられている。図1に示す例では、4台のレーザー変位計19a、19b、20a、20bが所定間隔で支持台16に一列に取り付けられている。これら支持台16及びレーザー変位計19a、19b、20a、20bは車輪11の側面11aに対向する位置に設けられている。
そのため、距離情報A1,A2,B1.B2は、レーザー変位計19a,19b,20a,20bから車輪11やレール10へ向けて斜め下方に照射したレーザー光の照射距離と照射角度から演算した水平距離である。なお、レーザー変位計19a,19bから車輪11に水平方向にレーザー光を照射した場合には照射角度0°である。
各レーザー変位計19a,19b,20a,20bの設置領域は、例えば図5に示すように、水平線に対して11.6°〜29.8°の範囲であって一点鎖線で示す車両限界Sより上方の領域Mである。
また、レーザー変位計20a、20bによるレール10の照射領域は、レール10の頭部10aにおける外側の側面10bであり、側面10bを照射してその乱反射光を反射光として受光する。レーザー変位計20a、20bによるレール10へのレーザー光照射位置は、図3に示すようにレール10の上面である踏面10cや凸曲面状角部をなすその端部10dより下方側の車輪11が接触しない側面10bの領域であるから車輪11が走行しても摩耗されず、踏面10cやその端部10dの摩耗に影響を受けないで距離情報B1,B2の測定が行える。
レール10は、図6に示すように、頭部10aの頭頂部から端部10dを含む高低差L(例えば50NレールでL=約20mm)下側で外軌側の側面10bをレーザー光照射領域とする。図6に示す例では、側面10bは垂線に対して1:40の勾配が設けられている。
演算手段22は、測定された距離情報A1,A2、B1,B2からレール10と車輪11のレーザー変位計19a,19b,20a,20bに対する水平方向の傾き角を算出する第一演算部23と、レール10と車輪11の傾き角からアタック角を算出する第二演算部24と、レール10と車輪11の偏倚量(変位量)を演算する偏倚量演算手段25とが設けられている。
そして、演算手段22の第一演算手段23において、レーザー変位計19a、19bの配列方向に対する車輪11の傾き角αaは次式で求められる。
αa=tan−1{(A1−A2)/La} …(1)
また、レーザー変位計20a、20bの配列方向に対するレール10の傾き角αbは次式で求められる。
αb=tan−1{(B1−B2)/Lb} …(2)
そのため、第二演算手段24において、レール10と車輪11の相対角度であるアタック角αは次式で得られる。
α=αa−αb …(3)
偏奇量W=(B1+B2)/2−(A1+A2)/2 …(4)
鉄道車両の走行時に、図1及び図2に示すように、車輪11の側面11aに対向して設けたアタック角測定装置18において、2台のレーザー変位計19a、19bからレーザー光を車輪11の側面11aの異なる部位にそれぞれ照射する。すると、車輪11の側面11a上で反射する各反射光が各レーザー変位計19a、19bで受光されて距離情報A1,A2を出力する。
これと同時に、レーザー変位計20a、20bからレーザー光をレール10の頭部10aにおける側面10bの異なる部位にそれぞれ照射する。そして、レール10の側面10b上で反射した各反射光が各レーザー変位計20a、20bで受光されて距離情報B1,B2を出力する。
そして、車両の走行状態で、車輪11とレール10の各距離情報A1,A2、B1,B2を連続して測定することで車輪11とレール10のアタック角αを連続して測定できる。
しかも、レール10の端面10dを特定するために反射光の輝度分布に対してしきい値を設定する必要がなく、複雑な演算アルゴリズムを必要としないため、変動するアタック角αの変化を高速なサンプリング周期で測定できる。例えば、サンプリング周期を1msに設定した場合、100km/hの走行でも、30mm間隔以下でのアタック角変化が測定できる。そのため、本線上を通常の営業車両で走行させての計測も可能である。
更に、レーザー変位計19a、19b、20a、20bを、支持台16を介して軸箱13に連結して車輪11の側面11aに対向して設けたから、従来の装置のように、装置を車輪の前後まで伸ばす必要がなく、支持台16の長さが短くてアタック角測定装置18がコンパクトになる。
また、近年のセンサ技術向上により、走行中に刻々と変化するレール状況にリアルタイムで感度調整することが可能なレーザー変位計19a、19b、20a、20bを用いることが可能となり、安定性の高い測定ができる。
レール10との距離を測定するレーザー変位計20a、20bとをそれぞれ2台づつ設置したが、それぞれまたはいずれかのレーザー変位計19,20を3台以上設けてもよい。車輪11との距離を測定するレーザー変位計19を3台以上設ければアタック角αだけでなく車輪11のそりを検出でき、レール10との距離を測定するレーザー変位計20を3台以上設ければアタック角αだけでなくレール10のそりを検出できる。
また、上述の実施形態では、レール10の頭部10aの側面10bにレーザー光を照射するようにしたが、車輪11と接触しない位置であればレール10の他の領域でもよい。
また、アタック角測定装置18の各レーザー変位計19a、19b、20a、20bの配列方向は車軸12に直交する方向に限定されることはなく、支持台16上で任意の角度に設定できる。
10a 頭部
10b 側面
10c 踏面
10d 端部
11 車輪
11a 側面
12 車軸
13 軸箱
16 支持台(支持部)
18 アタック角測定装置
19,19a,19b、20,20a、20b レーザー変位計
22 演算手段
23 第一演算部
24 第二演算部
Claims (6)
- レールに接触しない車輪の面に光ビームを照射して車輪との距離情報を測定する、少なくとも2台の第一の測長センサーと、
車輪に接触しないレールの面に光ビームを照射してレールとの距離情報を測定する、少なくとも2台の第二の測長センサーと、
前記第一の測長センサーと第二の測長センサーで得られた車輪までの距離情報とレールまでの距離情報から車輪とレールのアタック角度を演算する演算手段と
を備えたことを特徴とするアタック角測定装置。 - 前記第一の測長センサーから照射される光ビームは車輪の側面に照射され、前記第二の測長センサーから照射される光ビームはレールの頭部の側面に照射されるようにした請求項1に記載されたアタック角測定装置。
- 前記少なくとも2台の第一の測長センサーと前記少なくとも2台の第二の測長センサーとを設けた支持部を、車輪の側面に対向する位置で軸箱に取り付けてなる請求項1または2に記載されたアタック角測定装置。
- 2台の前記第一の測長センサーによってそれぞれ測定した前記車輪の面との距離情報をA1、A2とし、2台の第二の測長センサーによってそれぞれ測定した前記レールの面との距離情報をB1、B2として、
前記演算手段は、下記(1)式と(2)式によって車輪とレールの傾き角αa、αbを算出する第一演算部と、
該第一演算部で得られた車輪とレールの傾き角αa、αbの差から下記(3)式によってアタック角を算出する第二演算手段とを
備えている請求項1乃至3のいずれかに記載されたアタック角測定装置。
αa=tan−1{(A1−A2)/La} …(1)
αb=tan−1{(B1−B2)/Lb} …(2)
但し、La;2台の第一の測長センサー間の距離
Lb;2台の第二の測長センサー間の距離。 - 第一の測長センサーによって光ビームをレールに接触しない車輪の面に照射して車輪との距離情報を複数箇所測定して、第一の測長センサーに対する車輪の傾き角を演算すると共に、
第二の測長センサーによって光ビームを車輪に接触しないレールの面に照射してレールとの距離情報を複数箇所測定して、第二の測長センサーに対するレールの傾き角を演算し、
その後、前記車輪の傾き角とレールの傾き角の差からアタック角を演算するようにしたことを特徴とするアタック角測定方法。 - レールに接触しない車輪の面に光ビームを照射して車輪との距離情報を測定する複数の第一の測長センサーと、
車輪に接触しないレールの面に光ビームを照射してレールとの距離情報を測定する複数の第二の測長センサーと、
前記第一の測長センサーと第二の測長センサーで得られた車輪までの距離情報とレールまでの距離情報から下記(4)式により車輪のレールに対する偏倚量Wを演算する演算手段と
を備えたことを特徴とする偏倚量測定装置。
W=(B1+B2)/2−(A1+A2)/2 …(4)
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