JP5450277B2 - 部材接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波接合法を用いた部材接合方法に関するものであり、特に、太陽電池で用いられる導電性部材の接合処理の際に利用される。
従来より、太陽電池として、薄膜太陽電池が利用されている。当該太陽電池は、一般的に複数の太陽電池セルが直列に接続されて構成されている。
また、当該構成において、各太陽電池セルで発電した電気は、基板の端辺部に形成された集電電極(バスバー)にて集電され、当該集電された電気は、引出線から取り出される。
当該集電電極と当該引出線との接合のように、導電体同士の接合には従来、半田など他の導電性部材を介してなされることが一般的であった。たとえば、太陽電池の分野において、裏面電極層とバスバー(集電電極)とを、他の導電性部材を介して接合する先行文献が存在する(特許文献1)。
特開2002−314104号公報
しかしながら、上記のような半田付けによる導電体同士の接合を採用した場合には、接合強度が低い、接合部における電気抵抗の上昇などの問題が発生する。また、加熱方式による半田付け工程では、半田ごてをほぼ常時加熱状態にしておく必要があり、省エネルギーに反する。さらに、半田ごてによる半田付け処理では比較的長い処理時間を要するので、接合処理の効率化が図れないという問題も存在する。
そこで、本発明は、高い接合力および接合部の低抵抗を図ることができ、さらには、省エネルギーおよび高効率処理である、部材接合方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る部材接合方法は、太陽電池における部材接合方法であって、(A)表面電極層、発電層、裏面電極層および保護膜が当該順に積層されている基板を用意する工程と、(B)前記積層状態にある前記保護膜の所定の位置に、集電電極を配置する工程と、(C)前記工程(B)の後、超音波接合により、前記集電電極を、前記発電層の上面から前記表面電極層の下面までの何れかの位置に到達させる工程とを、備えている。
本発明に係る部材接合方法は、(A)表面電極層、発電層、裏面電極層および保護膜が当該順に積層されている基板を用意する工程と、(B)前記積層状態にある前記保護膜の所定の位置に、集電電極を配置する工程と、(C)前記工程(B)の後、超音波接合により、前記集電電極を、前記発電層の上面から前記表面電極層の下面までの何れかの位置に到達させる工程とを、備えている。
したがって、当該超音波接合処理では、集電電極と発電層(または表面電極層)とは、原子レベルの拡散領域を有する金属間での接合となる。したがって、半田付け接合の場合よりも、接合力が増すことができ、集電電極の剥離を抑制することができる。つまり、集電電極の接合の信頼性を向上させることができる。
また、超音波接合処理では、半田のような介在部材が存在しない。したがって、接合部における低抵抗を実現することができる。
さらに、集電電極を発電層(または表面電極層)に接合するに際して、事前に、保護膜および裏面電極層の該当箇所をはつる必要も無いので、集電電極の接合処理が簡略化できる。
また、超音波接合処理では、非常に短い期間だけ超音波振動を印加するだけで済む。したがって、半田ごてを常時加熱しておくようなエネルギーの無駄を、本発明では防止できる。
また、半田付け接合処理と超音波接合処理とを比較した場合、超音波接合処理の方がより短時間の処理である。したがって、本発明では、接合処理の高効率化が実現できる。
実施の形態1に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、平面図である。 実施の形態1に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、断面図である。 実施の形態1に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、平面図である。 実施の形態1に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、断面図である。 実施の形態1に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、平面図である。 所定の接合ツールで使用されるチップの具体的構成を示す拡大断面図である。 所定の接合ツールで使用されるチップの他の具体的構成を示す拡大断面図である。 超音波接合処理により、集電電極6が発電層3内部に到達する様子を示す断面図である。 超音波接合処理により、集電電極6が発電層2内部に到達する様子を示す断面図である。 実施の形態2に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、平面図である。 実施の形態2に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、平面図である。 引出線12の他方端部が立ち上がっている様子を示す、拡大斜視図である。 実施の形態2に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、平面図である。 実施の形態2に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、平面図である。 実施の形態2に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、平面図である。 実施の形態3に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、拡大平面図である。 実施の形態3に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、拡大平面図である。 実施の形態3に係る部材接合方法の一連の工程を説明するための、拡大平面図である。
本願発明では、太陽電池に配設される導電性部材の接合に、垂直方向に加圧しながら水平方向に超音波振動を印加する超音波接合法(超音波(振動)接合処理)を採用する。以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
本実施の形態では、薄膜シリコン太陽電池に配設される集電電極に対して、超音波振動接合を施す場合に言及する。
まず、透明性を有する基板1(以下では、ガラス基板1とする)を用意する。そして、当該ガラス基板1上に、表面電極層2、発電層3および裏面電極層4を各々、所定のパターン形状にて形成する。そして、ガラス基板1上に形成された各部材2,3,4を覆うように、保護膜5を成膜する。当該工程までにより、薄膜シリコン太陽電池の基本構成が作成される。
図1は、上記工程により作成された薄膜シリコン太陽電池の基本構成を示す平面図である。また、図2は、図1のA−A断面を示す断面図である。なお、図2の断面図では、図面簡略化のため、保護膜5の図示を省略している。
図1,2から分かるように、表面電極層2、発電層3および裏面電極層4は各々、ストライプ状に形成されている。また、図2に示すように、表面電極層2、発電層3および裏面電極層4が当該順に積層している積層構造により、単位太陽電池セルP1が構成されている。各単位太陽電池セルP1において、表面電極層2および裏面電極層4はそれぞれ、発電層3と電気的に接続されている。
また、図2に示すように、一方の単位太陽電池セルP1を構成する発電層3および裏面電極層4は各々、他方の単位太陽電池セルP1を構成する表面電極層2と電気的に接続している。ここで、他方の単位太陽電池セルP1とは、一方の単位太陽電池セルP1に隣接する単位太陽電池セルである。
当該構成から分かるように、図2に示すように、複数の単位太陽電池セルP1が、図2の左右方向に、直接に電気接続されている。なお、図2に示すように、保護膜5は、当該直列に接続された複数の単位太陽電池セルP1を、完全に覆っている。
ここで、ガラス基板1の厚さは、4mm程度以下の薄膜基板である。また、表面電極層2は、透明性を有する導電膜から成り、たとえばZnO、ITOあるいはSnO2が採用できる。当該表面電極層2の厚さは、たとえば数十nm程度である。
また、発電層3では、ガラス基板1および表面電極層2を介して入射された光を、電気に変換することができる光電変換層である。当該発電層3は、膜厚が数μm程度(たとえば、3μm以下)の薄膜層である。また、当該発電層3は、シリコンから構成されている。
また、発電層3は、アモルファスシリコン層の単一層のみで構成されている。或いは、当該発電層3は、アモルファスシリコン層と微結晶シリコン層とが、複数層に積層されている積層体であっても良い。
また、裏面電極層4は、たとえば銀を含む導電膜を採用できる。当該裏面電極層4の厚さは、たとえば、数十nm程度である。また、保護膜5は、たとえばTiを含む膜を採用できる。当該保護膜5は、ガラス基板1上に形成されている構成部材2,3,4を完全に覆うことができる程度の厚さである。なお、裏面電極層4上における保護膜5の膜厚は、数十nm程度でも良い。また、保護膜5は、ガラス基板1から入射した光の反射防止膜としても機能させても良い。
さて、上記積層構造の複数の単位太陽電池セルP1を形成した後、次に、当該積層状態にある保護膜5の所定の位置に、集電電極6を配置する。
図1,2に示すように、図面左右端辺部には各々、ガラス基板1上に、表面電極層2、発電層3、裏面電極層4および保護膜5の積層構造が存在する。当該積層構造の保護膜5の上面に、所定の幅を有する線状の集電電極6を配置する。当該集電電極6を配置した様子を、図3,4に示す。図3は、平面図であり、図4は、図3のB−B断面を示す断面図である。
当該集電電極6として、アルミニウムを含む線材を採用できる。また、当該集電電極6の線幅(図3,4の左右方向の寸法)は、たとえば4mm程度であり、当該集電電極6の厚さは、たとえば0.1mm程度である。さらに、図3,4から分かるように、集電電極6の延設方向は、裏面電極層4、発電層3および表面電極層2の延設方向と、平行である。
図3,4に示すように集電電極6を保護膜5の所定位置に配置させた後に、当該集電電極6の上面に対して、スポット的に、超音波接合法を施す。超音波振動接合は、所定の形状のチップを有する接合ツールを用いて、実施される。
具体的に、前記チップを集電電極6の上面に当接し、当該当接方向に所定の圧力を印加する。そして、当該圧力印加状態で、水平方向(圧力印加方向に垂直な方向)に、当該チップを超音波振動させる。これにより、集電電極6を、発電層3の上面から表面電極層2の下面までの何れかの位置に到達(つまり、集電電極6は、保護膜5および裏面電極層4を貫通し、ガラス基板1の上面には接触していない)させることができ、集電電極6は、電極層3または表面電極層2と接合する。
当該超音波接合処理後の様子を、図5の平面図に示す。図5において、符号7は、超音波振動処理が施された圧痕7である。図5に示すように、集電電極6の線方向に沿って、複数の圧痕7が、スポット的に存在する。
ここで、図6に示すように、前記チップ1cの集電電極6と当接する面では、複数の平面部10が、複数の凹部11により、互いに分離形成される。ここで、当該平面部10の平面度が高精度に形成される。また、凹部11間の間隔は1.0mm以下程度、凹部11の最深部までの深さは0.15mm以下程度に設定される。当該形状のチップ1cを採用し超音波接合法を実施することにより、薄厚であるガラス基板1に対してダメージを与えることを防止できる。
または、図7に示すように、当該チップ1cの当接側面には、上記複数の平面部10および凹部11に、微細な凹凸形状が形成されていても良い。図7に示す構成の当該チップ1cを採用することにより、より低エネルギーの超音波振動印加によって、超音波振動接合を支障なく実現することができる。
上記超音波振動処理によって集電電極6が上記積層体と結合することにより、太陽電池モジュールにおいて、当該集電電極6は、発電した電気の「集電用電極」であるバスバー電極として機能する。つまり、直列に接続された各単位太陽電池セルP1で発電した電気を、当該バスバー電極として機能する集電電極6に集約される。ここで、図5において、一方の集電電極6は、カソード電極として機能し、他方の集電電極6はアノード電極として機能する。
また、上記のように、超音波接合処理により、集電電極6は、発電層3の上面から表面電極層2の下面までの何れかの位置に到達する。図8,9は、超音波接合処理後における、集電電極6の最終到達位置を示す拡大断面図である。図8,9は共に、ガラス基板1の端辺部に存する積層構造2,3,4,5の部分の拡大断面図である。
図8では、超音波接合により、集電電極6が発電層3に食い込んでおり、集電電極6の下面が発電層3内部に位置している。これに対して、図9では、超音波接合により、集電電極6が表面電極層2に食い込んでおり、集電電極6の下面が表面電極層2内部に位置している。
なお、どの程度の超音波振動を印加すると、集電電極6がどの位置まで食い込むかは、積層体2,3,4,5の厚さや素材により異なる。したがって、集電電極6の食い込ませる位置を特定し、これに応じて印加する超音波振動の条件は、事前の経験則等に従って決定しておく。一般的には、積層体2,3,4,5の条件が同じであるなら、図8の構成を実現するときと比較して、図9の構成を実現する場合の方が、より大きな超音波振動エネルギーを印加する必要がある。
超音波接合処理を含む以上までの工程により、ガラス基板1の両端辺部において、バスバー電極として機能する集電電極6を接合することができる。
上記のように、本実施の形態では、表面電極層2、発電層3、裏面電極層4および保護膜5から成る積層体の所定の位置に、集電電極6を配置する。そして、超音波接合により、集電電極6を、発電層3の上面から表面電極層2の下面までの何れかの位置に到達させる。
当該超音波接合処理では、集電電極6と発電層3(または表面電極層2)とは、原子レベルの拡散領域を有する金属間での接合となる。したがって、半田付け接合の場合よりも、接合力が増すことができ、集電電極6の剥離を抑制することができる。つまり、集電電極6の接合の信頼性が向上する。また、超音波接合処理では、半田のような介在部材が存在しない。したがって、接合部における低抵抗を実現することができる。
さらに、集電電極6を発電層3(または表面電極層2)に接合するに際して、事前に、保護膜5および裏面電極層4の該当箇所をはつる必要も無いので、集電電極6の接合処理が簡略化できる。
また、超音波接合処理では、非常に短い期間だけ超音波振動を印加するだけで済む。したがって、半田ごてを常時加熱しておくようなエネルギーの無駄を、本実施の形態に係る発明では防止できる。また、半田付け接合処理と超音波接合処理とを比較した場合、超音波接合処理の方がより短時間の処理である。したがって、本実施の形態に係る発明では、接合処理の高効率化が実現できる。
また、図8に示すように、集電電極6を電極層3まで食い込ませても良いが、集電電極6を表面電極層2内部まで食い込ませる(図9参照)ことにより、接合部における抵抗を図8に示す場合よりも、より低減できる。したがって、高発電効率の太陽電池を提供することが、可能となる。
また、アルミニウムは、超音波振動印加処理による結合が容易な物質である。したがって、集電電極6として、アルミニウムを採用することにより、超音波接合が容易となり、また安定した接合を提供できる。
また、上記接合ツール(図6,7参照)を用いた超音波振動印加では、下地に対するダメージ付与を防止することができる。よって、上記した超音波接合は、非常に薄膜な下地(たとえば、厚さ4mm以下の下地)に対する導電体の接合において、非常に有益なものとなる。
<実施の形態2>
実施の形態1で説明した集電電極6は、バスバー電極として機能する。当該集電電極6で集電された電気は、外部に存するジャンクションボックス(ターミナルボックス)などに供給する必要がある。したがって、集電電極6とジャンクションボックスなどに配設された外部端子とを電気的に接続する、引出線の配設が必要となる。当該引出線は、集電電極6から電力を引き出し、外部端子へと当該引き出した電気を供給する。
本実施の形態では、当該引出線の配設方法、具体的に集電電極6と引出線との接合について説明する。なお、引出線としては、アルミニウム、銅または半田ディップ銅線などが採用できる。また、以下の説明では、引出線は、銅を含む線材を採用する場合について説明する。
まず、図1,2で示した構造を有するガラス基板1を用意する。そして、図10に示すように、後述する引出線12が配設されることとなる保護膜5上の位置に、絶縁テープ11を接着する。当該絶縁テープ11は、保護膜5と引出線12との電気的絶縁の目的で使用される。図10に示すように、絶縁テープ11は、保護膜5上のX軸の略中央部において、図示したY方向に沿って、2箇所に配設される。
次に、図11に示すように、絶縁テープ11上に各々、引出線12を配置させ、絶縁テープ11に引出線12を接着させる。ここで、引出線12の線幅は、絶縁テープ11の線幅より小さく、図示したX方向において引出線12は、絶縁テープ11内に納まっている。また、図11に示すように、引出線12は、絶縁テープ11と同様、図示したY方向に配設されるが、ガラス基板1の両端辺部E1,E2側において、引出線12の一方端部の集電電極6と接合する部分が、(若干)、絶縁テープ11からはみ出している。
また、図11に示すように、引出線12の他方端部12Pは、絶縁テープ11内に納まっている。さらに、当該他方端部12Pは、図12に示すように、保護膜5の主面に対して垂直方向に、立ち上げられる。当該立ち上がっている部分の他方端部12Pが、外部端子と接続される。
なお、引出線12の線幅は、たとえば2〜4mm程度であり、当該引出線12の厚みは、たとえば0.1〜0.2mm程度である。
次に、図13に示すように、引出線12のはみ出している一方端部を覆うように、上記端辺部E1,E2において、実施の形態1で説明した線状の集電電極6を配置させる。図13に示すように、集電電極6は、図示したX方向に沿って延設される。ここで、当該集電電極6の配置位置は、実施の形態1と同様に、ガラス基板1の両端辺部に形成されている積層構造2,3,4,5上であり、表面電極層2、発電層3および裏面電極層4の延設方向と平行である。
次に、引出線12を覆っている部分の集電電極6に対して、実施の形態1で説明した超音波振動を印加する。これにより、引出線12と集電電極6とは、スポット的に超音波接合される。具体的に、当該超音波振動印加により、集電電極6が塑性変形し、当該集電電極6が引出線12と接合する。
さらに、実施の形態1で説明したように、集電電極6のその他の箇所(複数個所)に対しても、超音波接合処理を施す。当該超音波接合処理により、実施の形態1で説明したように、集電電極6は、保護膜5および裏面電極層4を貫通し、発電層3または表面電極層2と接合する。
上記のように、実施の形態1で説明した超音波接合処理と、引出線12と集電電極6との超音波接合処理とを、同じ接合ツールを用いて、連続的に実施する。たとえば、集電電極6の延設方向に沿って、途中に集電電極6と引出線12との接合処理も行いつつ順次、スポット的に超音波接合処理を実施する。
なお、絶縁テープ11を接着させ、その後に、引出線12を配置し、引出線12の端部12pを立ち上がらせ、その後、上記一連の超音波接合処理を施す工程は、一連の装置内において、流れ作業的に実施できる。
当該超音波接合後の様子を、図14に示す。図14に示すように、集電電極6上には、超音波振動印加の際に発生する圧痕7が、スポット的に残る。
ここで、集電電極6と引出線12との超音波接合処理中に引出線12が移動しないように、引出線12を保護膜5に対して固定すべく、当該引出線12を保護膜5に対して仮止めされていることが望ましい。
また、上記のように、同じ接合ツールを用いて連続的に、実施の形態1で説明した超音波接合処理と、引出線12と集電電極6との超音波接合処理とを、実施する。ここで、集電電極6に潜り込む様に配置されている引出線12の一方端部は、当該超音波接合により、少なくとも発電層3には到達させない。
他方、実施の形態1で説明したように、引出線12が存在する箇所以外では、超音波接合により、集電電極6は、保護膜5および裏面電極層4を貫通し、電極層3または表面電極層2と接合する。したがって、一連の超音波接合処理において、接合点に依存して(集電電極6の下に引出線12が存するか否かに依存して)、超音波振動の印加エネルギー(特に、集電電極6を押圧する圧力)を変化させる必要がある。
以上のように、本実施の形態では、超音波接合により、集電電極6と引出線12とを接合する工程も、備えている。これにより、集電電極6と引出線12との接合強度が増すと共に、当該接合における電気抵抗も小さくできる。
なお、引出線12としてアルミニウムを含む線材など、超音波接合に優れている部材を採用する場合には、引出線12を集電電極6の下に潜り込ませる必要はない。つまり、集電電極6上に引出線12の一方端を配置させ、引出線12上から超音波振動を印加すれば良い。
また、上記説明では、引出線12(絶縁テープ11も同様)が、ガラス基板1の略中央部において、Y軸方向に沿って配設する場合に言及した。これに対して、図15に示すような引出線12(絶縁テープ11も同様)の配置を、採用しても良い。図15の例では、集電電極6の端部付近において、図示したY軸方向に延設された引出線12の一方端部が、当該集電電極6と接合される。
<実施の形態3>
本実施の形態では、集電電極6と引出線12との他の接合方法について説明する。ここで、本実施の形態において、集電電極6はアルミニウムを含む構成であり、引出線12は、銅を含む構成(銅または半田ディップ銅など)であるとする。
本実施の形態では、実施の形態1で説明した集電電極6と発電層3(または表面電極層2)との超音波接合処理の前段階において、予め用意した短冊形状の補助部材15と、引出線12の一方端部とを接続する工程を実施する。図16は、引出線12の一方端部と補助部材15との接続の様子を示す拡大平面図である。
ここで、補助部材15は、アルミニウムを含む構成である。また、図16に示すように、補助部材15の略中央部に、引出線12の一方端部が接続される。また、図16の例では、補助部材15上に、引出線12が配置される。当該引出線12と補助部材15との接続は、たとえば半田付け接合である。引出線12と補助部材15との接続部Seは、図面では点線で図示している。
なお、上記では、補助部材15と引出線12との接続は、半田付け接合であると言及したが、これに限らず、他の接合方法(たとえば超音波接合など)を採用しても良い。また、補助部材15上に、引出線12を配置させる積層順に言及したが、これとは逆の積層順を採用しても良い。
一方、実施の形態1でも説明したように、線状の集電電極6を保護膜5上の所定位置(積層構造2,3,4,5上であり、部材2,3,4の延設方向と平行)に配置させ、その後、図17に示すように、引出線12が接続された補助部材15を、当該集電電極6の所定位置に配置させる。
その後、引出線12と接続されていない補助部材15に対して、実施の形態1で説明した超音波振動を印加する。これにより、補助部材15と集電電極6とが、スポット的に超音波接合される。図18は、補助部材15と集電電極6との超音波接合後の様子を示す、拡大平面図である。図18において、補助部材15には、超音波振動印加の圧痕7が残る。
ここで、また、補助部材15と集電電極6とは、複数個所で、スポット的に接合されていることが望ましい。また、引出線12を挟んで、補助部材15と集電電極6との接合部が均等に存することが望ましい。図18の例では、引出線12の右側の補助部材15上および引出線12の左側の補助部材15上に対して、各々1箇所に、超音波振動が印加されている。
また、補助部材15と集電電極6との超音波接合処理と、実施の形態1で説明した集電電極6と発電層3(または表面電極層2)との超音波接合処理とを、同じ接合ツールを用いた、一連の接合処理として実施する。つまり、実施の形態2でも説明したように、保持部材15と集電電極6との接合処理も途中で踏まえつつ、集電電極6の延設方向に沿って、順次、スポット的に各超音波接合処理を実施していく。
また、上記と異なり、次のような工程を採用しても良い。つまり、実施の形態1で説明した集電電極6と発電層3(または表面電極層2)との超音波接合処理が全て終了した後に、引出線12が接続された補助部材15を、当該集電電極6の所定位置に配置させる。そして、その後、補助部材15と集電電極6との超音波接合処理のみを実施する。
以上のように、本実施の形態では、事前に、引出線12と補助部材15とを接続する工程を実施しておき、その後に、超音波接合により、引出線12が接続された補助部材15と集電電極6とを、接合する。
したがって、補助部材15をアルミニウムなどのように、超音波接合に優れている材質を選択することにより、補助部材15と集電電極6との接合が、強固で安定したものとなる。これにより、結果として、引出線12と集電電極6との間において、安定した電気的接続を実現することができる。
また、少なくとも2箇所以上により、補助部材15と集電電極6とを超音波接合することにより、補助部材15と集電電極6との接合が、さらに強固で安定したものとなる。これにより、結果として、引出線12と集電電極6との間において、さらに安定した電気的接続を実現することができる。
1 (ガラス)基板
2 表面電極層
3 発電層
4 裏面電極層
5 保護膜
6 集電電極
7 圧痕
11 絶縁テープ
12 引出線
12p (引出線)の他方端部
15 補助部材
E1,E2 (ガラス基板)の端辺部
P1 単位太陽電池セル
Se (補助部材と引出線との)接続部

Claims (10)

  1. 太陽電池における部材接合方法であって、
    (A)表面電極層、発電層、裏面電極層および保護膜が当該順に積層されている基板を用意する工程と、
    (B)前記積層状態にある前記保護膜の所定の位置に、集電電極を配置する工程と、
    (C)前記工程(B)の後、超音波接合処理により、前記集電電極を、前記発電層の上面から前記表面電極層の下面までの何れかの位置に到達させる工程とを、
    備えている、
    ことを特徴とする部材接合方法。
  2. 前記基板および前記表面電極層は、
    透明性を有する部材である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の部材接合方法。
  3. 前記基板は、
    厚さ4mm以下であり、ガラス基板である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の部材接合方法。
  4. 前記工程(C)は、
    前記超音波接合処理により、前記集電電極を前記発電層に食い込ませ、前記集電電極の下面を前記発電層内部に位置させる工程である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の部材接合方法。
  5. 前記工程(C)は、
    前記超音波接合処理により、前記集電電極を前記表面電極層に食い込ませ、前記集電電極の下面を前記表面電極層内部に位置させる工程である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の部材接合方法。
  6. (D)超音波接合処理により、前記集電電極と、当該集電電極と外部端子とを電気的に接続することとなる引出線とを、接合する工程を、
    さらに備えている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の部材接合方法。
  7. (E)前記集電電極と外部端子とを電気的に接続することとなる引出線と、補助部材とを接続する工程と、
    (F)前記工程(E)の後に、超音波接合処理により、前記補助部材と前記集電電極とを、接合する工程とを、
    さらに備えている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の部材接合方法。
  8. 前記工程(F)は、
    少なくとも2箇所において、前記補助部材と前記集電電極とを接合する工程である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の部材接合方法。
  9. 前記集電電極および前記補助部材は、
    アルミニウムを含む構成であり、
    前記引出線は、
    銅を含む構成である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の部材接合方法。
  10. 前記引出線は、
    半田ディップ銅線である、
    ことを特徴とする請求項9に記載の部材接合方法。
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