JP2016033932A - 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有効セル領域の面積を減少させずに周縁の絶縁性を確保でき、さらには封止材の接着力も向上させることができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供する。【解決手段】絶縁領域が、透光性基板上に、透光性基板とは異なる材料からなる凸部を有する太陽電池モジュールとその製造方法である。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法に関する。
太陽光のエネルギを直接電気エネルギに変換する太陽電池モジュールの種類としては各種のものが実用化されている。なかでも、アモルファスシリコン薄膜または微結晶シリコン薄膜を用いた薄膜太陽電池モジュールは、低温プロセスおよび大面積化が容易であるという特徴から低コストで製造可能であるため開発が進められている。
図20に、特許文献1に記載の従来の薄膜太陽電池モジュールの周縁の模式的な断面図を示す。図20に示される薄膜太陽電池モジュールは、ソーダライムガラスからなるガラス基板101上に設けられたセル領域111と、セル領域111上に設置されたEVA(エチレンビニルアセテート)からなる封止材109と、封止材109上に設けられた保護フィルム108とを備えており、セル領域111は、ガラス基板101上の酸化錫膜からなる透明電極102、アモルファスシリコンからなる光電変換層104、および裏面電極106から構成されている。
また、透明電極102は、光電変換層104で埋められた透明電極スクライブ線103によって分離されており、光電変換層104は、半導体スクライブ線105によって分離されている。さらに、光電変換層104および裏面電極106は、裏面電極スクライブ線107によって分離されている。そして、光電変換層104が分離された部分である半導体スクライブ線105を介して、隣り合うセル同士が順次電気的に直列に接続されて、セル領域111が構成されている。
また、裏面電極スクライブ線107の長手方向に直交する方向の端部近傍においては、図20に示すように、透明電極102の表面上に電流取り出し用のバスバー電極112が設置されている。また、図20に示すように、セル領域111を取り囲むようにして、絶縁領域となる絶縁分離線113が形成されており、絶縁分離線113の外側に透明電極102が残されている。さらに、セル領域111上には封止材109が設置され、封止材109上には保護フィルム108が接着されている。
以下、図20に示される特許文献1に記載の従来の薄膜太陽電池モジュールの製造方法について説明する。まず、ガラス基板101上に透明電極102を積層する。次に、透明電極102の一部をレーザスクライブ法で除去し、透明電極102を分離する透明電極スクライブ線103を形成する。
次に、プラズマCVD法により、透明電極スクライブ線103で分離された透明電極102を覆うようにアモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層を順次積層して光電変換層104を形成する。その後、レーザスクライブ法で光電変換層104の一部を除去して、半導体スクライブ線105を形成する。
次に、光電変換層104を覆うようにして裏面電極106を積層する。これにより、半導体スクライブ線105が裏面電極106で埋められる。
次に、レーザスクライブ法によって、光電変換層104および裏面電極106を分離する裏面電極スクライブ線107を形成する。さらに、ガラス基板101の周縁を取り囲むようにして、透明電極102、光電変換層104および裏面電極106をレーザスクライブ法で除去することによって絶縁分離線113を形成し、絶縁分離線113からガラス基板101の表面を露出させる。
次に、絶縁分離線113よりも外側に位置する光電変換層104および裏面電極106を全周にわたって研磨により除去する。これにより、絶縁分離線113の外側に透明電極102のみを残すことができる。
そして、バスバー電極112を形成した後に、セル領域111、絶縁分離線113、および絶縁分離線113よりも外側の透明電極102上に封止材109を設置し、その後、封止材109で保護フィルム108を接着することによって、図20に示される特許文献1に記載の従来の薄膜太陽電池モジュールが作製される。
また、特許文献1には、たとえば図21に示すように、絶縁分離線113よりも外側の透明電極102、光電変換層104および裏面電極106を研磨によりすべて除去し、その後、ガラス基板101の表面も研磨により除去することによって、ガラス基板101の周縁の面取りをして、面取り部114を形成する方法も開示されている。
特開2000−349325号公報
図20に示される特許文献1に記載の従来の薄膜太陽電池モジュールにおいては、薄膜太陽電池モジュールの周縁における封止材109との接着部に酸化錫膜からなる透明電極102を用いることによって封止材109の接着力が高められるとされている。しかしながら、この場合には、絶縁分離線113の幅を広げて絶縁性を確保する必要があったことから、セル領域111のうち発電に寄与する有効セル領域の面積が小さくなるため、薄膜太陽電池モジュールの特性が低くなる。
また、図21に示すように、ガラス基板101の周縁を面取りして、面取り部114を形成する方法においては、面取りされたガラス基板101の周縁の強度が低下するとともに、洗浄工程も必要になる。また、近年の厳しい環境に対する耐久性の向上の要望から、ガラス基板101に対する封止材109のさらなる接着力の向上も求められている。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、有効セル領域の面積を減少させずに周縁の絶縁性を確保でき、さらには封止材の接着力も向上させることができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供することにある。
本発明は、透光性基板と、透光性基板上に設けられたセル領域と、セル領域上に設けられた封止材と、封止材上に設けられた保護材とを備え、セル領域は、第1の電極層と、光電変換層と、第2の電極層とを有し、セル領域を取り囲むように透光性基板の周縁の表面が露出した領域である絶縁領域を有し、絶縁領域は、透光性基板上に、透光性基板とは異なる材料からなる凸部を有する太陽電池モジュールである。このような構成とすることにより、セル領域のうち有効セル領域の面積を減少させずに絶縁領域における絶縁性を確保できるとともに、封止材の接着力も向上させることができる。
また、本発明は、透光性基板上に第1の電極層と光電変換層と第2の電極層とを有するセル領域を形成する工程と、セル領域の周縁に光ビームを照射することによって、セル領域を取り囲むように透光性基板の周縁の表面を露出させて、透光性基板の周縁の表面が露出した領域である絶縁領域を形成する工程と、セル領域上および絶縁領域上に封止材を用いて保護材を接着する工程とを含み、絶縁領域を形成する工程においては、10W/cm2以上160W/cm2以下のパワー密度を有する第一の光ビームを照射した後、第一の光ビームの照射領域に第二の光ビームを照射することによって、透光性基板上に、透光性基板とは異なる材料からなる凸部を形成する太陽電池モジュールの製造方法である。このような構成とすることにより、絶縁領域における透光性基板の表面上に、透明電極層の残渣となる低導電率の凸部を好適に形成することができる。
本発明によれば、有効セル領域の面積を減少させずに周縁の絶縁性を確保でき、さらには封止材の接着力も向上させることができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
本発明の薄膜太陽電池モジュールの一例の模式的な平面図である。 (a)は図1のIIA−IIAに沿った模式的な断面図であり、(b)は図1のIIB−IIBに沿った模式的な断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について図解する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について図解する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について図解する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について図解する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について図解する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について図解する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について図解する模式的な断面図である。 (a)および(b)は、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について図解する模式的な断面図である。 実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの略網目状の凸部の一例の光学顕微鏡写真である。 (a)は実施例において形成された絶縁領域とセル領域との模式的な平面図であり、(b)および(c)は実施例において形成された略網目状の凸部の光学顕微鏡写真である。 実施例において形成された略網目状の凸部のEDX(Energy Dispersive X-ray spectroscopy)分析結果である。 (a)は実施例においてレーザ光の照射条件を変更して形成された凸部を有する絶縁領域の光学顕微鏡写真であり、(b)は(a)を90°回転させた後に100倍に拡大した光学顕微鏡写真であり、(c)は(b)の凸部の形成位置と、YAGレーザ光の基本波のパワー密度との関係を示す図であり、(d)は(a)を500倍に拡大した光学顕微鏡写真であり、(e)は(a)を3000倍に拡大した光学顕微鏡写真である。 実施例の薄膜太陽電池モジュールの絶縁試験結果である。 (a)は実施例の薄膜太陽電池モジュールの絶縁試験装置を図解する模式的な平面図であり、(b)は実施例の薄膜太陽電池モジュールの絶縁試験装置を図解する模式的な構成図である。 実施例の薄膜太陽電池モジュールと、比較例の薄膜太陽電池モジュールとについて、封止材を透光性基板の端部から剥離していき、透光性基板の周縁端部からの距離(mm)と剥離強度(N/cm)との関係について評価した結果である。 図17に示す実施例の薄膜太陽電池モジュールの透光性基板の周縁端部からの距離(mm)と剥離強度(N/cm)との関係を示す拡大図である。 実施例の薄膜太陽電池モジュールの図17に示す透光性基板の周縁端部からの距離(mm)部分の凸部の高さの測定結果を示す図である。 特許文献1に記載の従来の薄膜太陽電池モジュールの周縁の一例の模式的な断面図である。 特許文献1に記載の従来の薄膜太陽電池モジュールの周縁の他の一例の模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1に、本発明の太陽電池モジュールの一例である実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの模式的な平面図を示す。透光性基板1上にセル領域11が設けられており、セル領域11の周囲を取り囲むように透光性基板1の周縁の表面が露出した領域である絶縁領域10が設けられている。
図2(a)に図1のIIA−IIAに沿った模式的な断面図を示し、図2(b)に図1のIIB−IIBに沿った模式的な断面図を示す。図1に示す薄膜太陽電池モジュールは、図2(a)および図2(b)に示すように、透光性基板1上に、透明電極層2、半導体光電変換層4および裏面電極層6がこの順序で積層された構成を有している。
図2(b)に示すように、透明電極層2は、半導体光電変換層4で埋められた第1分離溝3によって分離されており、半導体光電変換層4および裏面電極層6は第2分離溝7によって分離されている。また、レーザスクライブ法によって半導体光電変換層4が除去された部分であるコンタクトライン5を介して、隣り合うセル同士が電気的に直列に接続されて、セル領域11が構成されている。
また、図2(b)に示すように、図1に示す第2分離溝7の長手方向に直交する方向の両端の裏面電極層6の表面上に電流取り出し用の電極12が形成されている。これらの電極12は、それぞれ、図1に示すように、第2分離溝7の長手方向と平行に延在している。
また、図2(a)および図2(b)に示すように、絶縁領域10における透光性基板1上には、透光性基板1とは異なる材料からなる凸部22が設けられている。さらに、絶縁領域10上およびセル領域11上には封止材9が設けられており、封止材9上には保護材8が設けられている。
以下、図3〜図10の模式的断面図を参照して、図1に示す実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの製造方法の一例について説明する。なお、図3〜図10において、(a)は図1に示すIIA−IIA方向(分離溝の長手方向)に沿った断面により図解しており、(b)は図1に示すIIB−IIB方向(分離溝の長手方向に直交する方向)に沿った断面により図解している。
まず、図3(a)および図3(b)に示すように、透光性基板1上に透明電極層2を積層する。
透光性基板1としては、たとえばガラス基板などを用いることができる。また、透明電極層2としては、たとえばSnO2(酸化スズ)、ITO(Indium Tin Oxide)またはZnO(酸化亜鉛)からなる層等を用いることができる。透明電極層2の形成方法は特に限定されず、たとえば従来から公知のスパッタリング法、蒸着法またはイオンプレーティング法などを用いることができる。
次に、透光性基板1側から分離溝の長手方向に光ビームを走査して光ビームを照射することによって、図4(b)に示すように、透明電極層2をストライプ状に除去して透明電極層2を分離する第1分離溝3を形成する。なお、分離溝の長手方向に直交する方向には光ビームが走査されないために、図4(a)に示すように、分離溝の長手方向に直交する方向については、第1分離溝3は形成されない。
ここで、第1分離溝3の形成に用いられる光ビームとしては、たとえば、YAGレーザ光の基本波(波長:1064nm)またはYVO4レーザ光の基本波(波長:1064nm)などを用いることができる。YAGレーザ光の基本波およびYVO4レーザ光の基本波はそれぞれ透光性基板1を透過し、透明電極層2に吸収される傾向にあるため、YAGレーザ光の基本波またはYVO4レーザ光の基本波を用いた場合には、レーザ光の照射領域における透明電極層2を選択的に加熱することによって、当該レーザ光の照射領域における透明電極層2を蒸散して除去することが可能になる。
なお、検査工程で、第1分離溝3が得られているかどうかを確認するための手段として分離抵抗の検査工程がある場合には、分離溝の長手方向に直交する方向にも左右各1本ずつ溝を形成することができる。また、以降の工程でアライメント用のマークにレーザ加工跡を使用する場合にも、分離溝の長手方向に直交する方向に左右各1本ずつ溝を形成することができる。以上のように、分離溝の長手方向に直交する方向に左右各1本ずつ溝を形成する場合には、その溝の形成部分は最終的に除去される領域に加工されることが好ましい。
次に、図5(a)および図5(b)に示すように、第1分離溝3で分離された透明電極層2を覆うようにして、半導体光電変換層4を積層する。
半導体光電変換層4としては、たとえばアモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造、アモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造と微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造とを組み合わせたタンデム構造、またはアモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造と微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層が順次積層された構造との間にZnO等からなる中間層が挿入された構造などを用いることができる。また、アモルファスシリコン薄膜からなるp層およびi層と微結晶シリコン薄膜からなるn層とを組み合わせた構造のように、p層、i層およびn層のうち少なくとも1層をアモルファスシリコン薄膜から構成し、残りの層を微結晶シリコン薄膜から構成して、p層、i層およびn層にアモルファスシリコン薄膜からなる層と微結晶シリコン薄膜からなる層とを混在させてもよい。
アモルファスシリコン薄膜としては、たとえば、シリコンの未結合手(ダングリングボンド)が水素で終端された水素化アモルファスシリコン系半導体(a−Si:H)からなる薄膜を用いることができる。また、微結晶シリコン薄膜としては、たとえば、シリコンの未結合手(ダングリングボンド)が水素で終端された水素化微結晶シリコン系半導体(μc−Si:H)からなる薄膜を用いることができる。
また、半導体光電変換層4の厚さは、たとえば、200nm以上5μm以下とすることができる。また、半導体光電変換層4は、たとえばプラズマCVD法により積層することができる。
その後、透光性基板1側から分離溝の長手方向に光ビームを走査して光ビームを照射することによって、半導体光電変換層4の一部をストライプ状に除去し、図6(b)に示すコンタクトライン5を形成する。なお、分離溝の長手方向に直交する方向には光ビームが走査されないために、図6(a)に示すように、分離溝の長手方向に直交する方向にはコンタクトライン5は形成されない。
ここで、コンタクトライン5の形成に用いられる光ビームとしては、たとえば、YAGレーザ光の第2高調波(波長:532nm)またはYVO4レーザ光の第2高調波(波長:532nm)などを用いることができる。YAGレーザ光の第2高調波およびYVO4レーザ光の第2高調波は、それぞれ、透光性基板1および透明電極層2を透過し、半導体光電変換層4に吸収される傾向にあるため、YAGレーザ光の第2高調波またはYVO4レーザ光の第2高調波を用いた場合には、レーザ光の照射領域における半導体光電変換層4を選択的に加熱することによって、当該レーザ光の照射領域における半導体光電変換層4を蒸散して除去することが可能になる。
そして、図7(a)および図7(b)に示すように、半導体光電変換層4を覆うようにして裏面電極層6を積層する。これにより、図7(b)に示すように、裏面電極層6でコンタクトライン5が埋められる。
裏面電極層6の構成も特に限定されないが、たとえば、銀またはアルミニウムからなる金属薄膜とZnO等の透明導電膜との積層体を用いることができる。ここで、金属薄膜の厚さはたとえば100nm以上1μm以下とすることができ、透明導電膜の厚みはたとえば20nm以上200nm以下とすることができる。
また、裏面電極層6として金属薄膜の単層または複数層のみを用いてもよい。このとき、単層または複数層の金属薄膜からなる裏面電極層6と半導体光電変換層4との間に透明導電膜を設置した場合には、金属薄膜からなる裏面電極層6から半導体光電変換層4に金属原子が拡散するのを防止することができ、さらに裏面電極層6による太陽光の反射率が向上する傾向にある点で好ましい。また、裏面電極層6の形成方法は特に限定されず、たとえばスパッタリング法などを用いることができる。
次に、透光性基板1側から分離溝の長手方向に光ビームを走査して光ビームを照射することによって、半導体光電変換層4および裏面電極層6をストライプ状に除去して、図8(b)に示す第2分離溝7を形成する。なお、分離溝の長手方向に直交する方向には光ビームが走査されないために、図8(a)に示すように、分離溝の長手方向に直交する方向には第2分離溝7は形成されない。
ここで、第2分離溝7の形成に用いられる光ビームとしては、たとえば、YAGレーザ光の第2高調波(波長:532nm)またはYVO4レーザ光の第2高調波(波長:532nm)を用いることができる。YAGレーザ光の第2高調波およびYVO4レーザ光の第2高調波は、それぞれ、透光性基板1および透明電極層2を透過し、半導体光電変換層4に吸収される傾向にあるため、YAGレーザ光の第2高調波またはYVO4レーザ光の第2高調波を用いた場合には、レーザ光の照射領域における半導体光電変換層4を選択的に加熱することによって、当該レーザ光の照射領域における半導体光電変換層4を選択的に蒸散して、裏面電極層6とともに除去することが可能になる。
なお、本明細書において、YAGレーザとはNd:YAGレーザのことであり、Nd:YAGレーザはネオジムイオン(Nd3+)を含むイットリウムアルミニウムガーネット(Y3Al512)結晶からなる。そして、YAGレーザからはYAGレーザ光の基本波(波長:1064nm)が発振するが、その波長を1/2に波長変換することによってYAGレーザ光の第2高調波(波長:532nm)を得ることができる。
また、本明細書において、YVO4レーザとは、Nd:YVO4レーザのことであり、Nd:YVO4レーザはネオジムイオン(Nd3+)を含むYVO4結晶からなる。そして、YVO4レーザからはYVO4レーザ光の基本波(波長:1064nm)が発振するが、その波長を1/2に波長変換することによってYVO4レーザ光の第2高調波(波長:532nm)を得ることができる。
以上により、透光性基板1上において、透明電極層2、半導体光電変換層4および裏面電極層6を有するセル領域11が形成される。
次に、図9(a)および図9(b)に示すように、セル領域11の周縁に光ビーム21を照射することによって、セル領域11を取り囲むように透光性基板1の周縁の表面を露出させて、透光性基板1の周縁の表面が露出した領域である絶縁領域10を形成する。
ここで、光ビーム21としては、YAGレーザ光の基本波(波長:1064nm)またはYVO4レーザ光の基本波(波長:1064nm)などを用いることができる。YAGレーザ光の基本波およびYVO4レーザ光の基本波はそれぞれ透光性基板1を透過し、透明電極層2に吸収される傾向にあるため、YAGレーザ光の基本波またはYVO4レーザ光の基本波を用いた場合には、レーザ光の照射領域における透明電極層2を選択的に加熱することによって、当該レーザ光の照射領域における透明電極層2を蒸散して、半導体光電変換層4および裏面電極層6とともに除去することが可能になる。
また、光ビーム21の照射は、10W/cm2以上160W/cm2以下のパワー密度を有する第一の光ビームを照射した後、第一の光ビームの照射領域に第二の光ビームを照射することにより行なわれることが好ましい。この場合には、絶縁領域10における透光性基板1の表面上に、透明電極層2の残渣となる低導電率の凸部22を好適に形成することができる。
たとえば、200W/cm2のパワー密度を有するYAGレーザ光の基本波を透光性基板1を通して透明電極層2に照射した場合には、透明電極層2の残渣となる凸部22を残すことができないことが多い。しかしながら、10W/cm2以上160W/cm2以下のパワー密度を有する第一の光ビームを照射することによって、絶縁領域10における透光性基板1の表面上に残った透明電極層2の残渣となる凸部22は、第二の光ビームの照射によっても除去されない。これは、第一の光ビームの照射によって、凸部22となる透明電極層2の残渣を構成する材質が変質したためと考えられる。そして、第二の光ビームの照射によって、凸部22となる透明電極層2の残渣の導電率が低下して高抵抗化し、絶縁領域10の絶縁性能が向上すると考えられる。凸部22の導電率が低下して高抵抗化する理由は明らかではないが、たとえば、凸部22を構成する透明電極層2の残渣からドーパントのフッ素が抜けている、または凸部22を構成する透明電極層2の残渣の酸素空孔が無くなっているなどの理由を挙げることができる。
なお、第二の光ビームのパワー密度は、10W/cm2以上160W/cm2以下とすることが好ましい。この場合には、透明電極層2の残渣となる高抵抗の凸部22をより好適に形成することができる。
また、凸部22は、錫、インジウムおよび亜鉛からなる群から選択された少なくとも1つと、酸素とを含有することが好ましい。この場合には、上述のように、凸部22に第一の光ビームを照射した後に凸部22を構成する材質を好適に変質させ、その後、第二の光ビームを照射することによって、凸部22を好適に高抵抗化することができる。
その後、図10(b)に示すように、第2分離溝7の長手方向に直交する方向の両端の裏面電極層6の表面上に電流取り出し用の電極12を形成する。
次に、図10(a)および図10(b)に示すように、セル領域11上および絶縁領域10上に封止材9を設置する。封止材9としては、たとえば、アイオノマー樹脂、またはEVA樹脂を含むものなどを用いることができる。
その後、図1(a)および図1(b)に示すように、封止材9の表面上に保護材8を設置して、保護材8の上方から封止材9に加圧しながら、封止材9を加熱した後に、封止材9を冷却する。これにより、封止材9が加熱により一旦軟化し、その後、冷却により硬化することによって、保護材8が封止材9により、セル領域11上および絶縁領域10上に接着される。
ここで、保護材8としては、たとえば、PET(ポリエステル)/Al(アルミニウム)/PETの3層積層フィルムなどを用いることができる。
また、上記の保護材8の接着工程において、封止材9は、100℃以上で60分以下加熱されることが好ましい。この場合には、封止材9に対する保護材8の接着工程をより効率的に行なうことができる。
以上のようにして作製された実施の形態の薄膜太陽電池モジュールにおいて、絶縁領域10に設けられている凸部22は高抵抗の透明電極層2の残渣であるため、周縁の絶縁性を確保するために絶縁領域10の幅を広げる必要がない。そのため、従来の特許文献1の場合と比べて、セル領域11のうち発電に寄与する有効セル領域の面積を大きくすることができることから、薄膜太陽電池モジュールの特性を高くすることができる。
また、実施の形態の薄膜太陽電池モジュールは、透光性基板1の周縁の面取りが必要でないことから、透光性基板1の強度の低下を抑えることができるとともに、透光性基板1の洗浄工程も必要がない。
また、実施の形態の薄膜太陽電池モジュールは、光ビームの照射によって絶縁領域10を形成することができることから、透光性基板1にキズを付けずに絶縁領域10を形成することも可能である。
さらに、実施の形態の薄膜太陽電池モジュールにおいては、絶縁領域10における透光性基板1上に透明電極層2の残渣となる凸部22が設けられており、凸部22と封止材9との間の接着力は、従来の特許文献1のガラス基板101と封止材109との間の接着力よりも高いため、絶縁領域10における透光性基板1と封止材9との間の接着力を向上することができる。これにより、従来の特許文献1の場合と比べて、薄膜太陽電池モジュールの耐侯性を向上させることができる。
以上の理由により、実施の形態の薄膜太陽電池モジュールにおいては、セル領域11のうち有効セル領域の面積を減少させずに絶縁領域10における絶縁性を確保できるとともに、封止材9の接着力も向上させることができる。
また、本明細書において、絶縁領域10は、太陽電池モジュールの表面の面積をX(m2)とし、透光性基板1の端部と半導体光電変換層4との間に6000(V)の電圧を印加したときのリーク電流が150×X(μA)未満である領域を意味している。
また、絶縁領域10における電気抵抗Rは、IEC規格(IEC 61646:2008)に基づくIECテスト基準において、太陽電池モジュールの表面の面積(たとえば、幅1m×長さ1.4m=1.4m2)×R(測定値)>40MΩcm2の関係を満たすことが好ましい。
なお、上記の実施の形態の薄膜太陽電池モジュールにおいて、凸部22は、略網目状に形成されていることが好ましい。この場合には、凸部22と封止材9との間の接着力を向上させることができる。
図11に、実施の形態の薄膜太陽電池モジュールの略網目状の凸部22の一例の光学顕微鏡写真を示す。図11に示すように、凸部22(図11の白色の部分)は、略網目状に形成されている。
ここで、略網目状に形成された凸部22は、少なくとも一方向に略直線状に延びている部分を有していることが好ましい。略網目状に形成された凸部22が少なくとも一方向に略直線状に延びている部分を有している場合には、略直線状に、凸部22と封止材9とを接着させることができるため、凸部22と封止材9との間の接着力をより向上させることができる。
また、略網目状に形成された凸部22は、セル領域11を囲むように繋がっていることが好ましい。この場合には、透光性基板1の周縁全体にわたって、凸部22と封止材9とを接着させることができるため、透光性基板1と封止材9との間の接着力をさらに向上させることができる。
なお、略網目状に形成された凸部22は、透光性基板1の周縁端部からセル領域11に向かう方向と垂直方向に分断されていてもよい。
また、図2(a)および図2(b)に示される凸部22の高さHは、透光性基板1の表面から100nm以上であることが好ましい。この場合には、凸部22の高さHが、封止材9と接着するのに十分な高さとなるため、凸部22と封止材9との間の接着力を向上させることができる。
また、図2(a)および図2(b)に示される絶縁領域10の透光性基板1の周縁端部からセル領域11までの距離Lは、6mm以上15mm以下であることが好ましい。絶縁領域10の透光性基板1の周縁端部からセル領域11までの距離Lが6mm以上である場合には、絶縁領域10における絶縁性をより確実に確保することができる。また、絶縁領域10の透光性基板1の周縁端部からセル領域11までの距離Lが15mm以下である場合にはセル領域11のうち有効セル領域の面積を減少させることがない。
また、封止材9は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。この場合には、絶縁領域10における封止材9の接着力が向上する傾向にある。すなわち、シランカップリング剤に起因するシランカップリングによって形成される共有結合の結合エネルギーが、Zn−O>Sn−O>Si−Oの関係を満たすため、絶縁領域10がガラス基板などの透光性基板1のみから構成されるよりも、絶縁領域10に透明電極層2の残渣となる凸部22が残っていた方が封止材9の接着力が向上すると考えられる。また、封止材9がシランカップリング剤を含む場合には、封止材9の接着力が、シランカップリングによる接着にも起因することとなり、封止材9の加熱をそれほど行なわなくても、高い接着力を示すことから、タクトタイムの短縮が可能となる。なお、シランカップリング剤としては、たとえば従来から公知のシランカップリング剤を適宜用いることができる。
<実施例>
まず、図3(a)および図3(b)に示すように、SnO2からなる透明電極層2が形成された幅1m×長さ1.4mの矩形状の表面を有するガラス基板からなる透光性基板1を用意した。
次に、透光性基板1側から分離溝の長手方向にYAGレーザ光の基本波を走査して照射することによって、透明電極層2をストライプ状に除去して、図4(b)に示すように、透明電極層2を分離する第1分離溝3を形成した。ここで、第1分離溝3は、隣接する第1分離溝3間の距離が等間隔(有効セル領域のみ)となるように形成された。なお、図4(a)に示すように、分離溝の長手方向に直交する方向には、第1分離溝3は形成されなかった。
次に、プラズマCVD法により、ボロンがドープされた水素化アモルファスシリコン系半導体(a−Si:H)からなるp層、ノンドープの水素化アモルファスシリコン系半導体(a−Si:H)からなるi層およびリンがドープされた水素化微結晶シリコン系半導体(μc−Si:H)からなるn層ならびに水素化微結晶シリコン系半導体(μc−Si:H)からなるp層、水素化微結晶シリコン系半導体(μc−Si:H)からなるi層および水素化微結晶シリコン系半導体(μc−Si:H)からなるn層をこの順序で形成して、図5(a)および図5(b)に示すように半導体光電変換層4を形成した。
次に、透光性基板1側から、YAGレーザ光の第2高調波を分離溝の長手方向に走査しながら透明電極層2にダメージを与えない強度で照射することによって半導体光電変換層4の一部をストライプ状に除去し、図6(b)に示すように、コンタクトライン5を形成した。ここで、コンタクトライン5は、隣接するコンタクトライン5間の距離が等間隔となるように形成された。なお、図6(a)に示すように、分離溝の長手方向に直交する方向にはコンタクトライン5は形成されなかった。
次に、ZnOからなる透明導電膜および銀からなる金属薄膜をスパッタリング法により順次形成することによって、図7(a)および図7(b)に示すように、裏面電極層6を形成した。
次に、透光性基板1側からYAGレーザ光の第2高調波を分離溝の長手方向に走査して照射することによって、半導体光電変換層4および裏面電極層6の一部をストライプ状に除去し、図8(b)に示すように、第2分離溝7を形成した。これにより、透光性基板1上に、透明電極層2と、半導体光電変換層4と、裏面電極層6とを有するセル領域11が形成された。なお、第2分離溝7は、隣接する第2分離溝7間の距離が等間隔となるように形成された。また、図8(a)に示すように、分離溝の長手方向に直交する方向には第2分離溝7は形成されなかった。
次に、図9(a)および図9(b)に示すように、セル領域11の周縁に、光ビーム21を照射した。ここで、光ビーム21の照射は、後述のように、1ショット毎に照射領域を走査方向にずらして照射することにより行なわれた。
これにより、図12(a)の模式的平面図に示すように、セル領域11を取り囲むように透光性基板1の周縁の表面が露出した領域である絶縁領域10が形成された。また、図12(b)および図12(c)に示される光学顕微鏡写真に示すように、絶縁領域10における透光性基板1の表面上には、透明電極層2の残渣となる高抵抗の略網目状の凸部22が形成された。
ここで、略網目状の凸部22は、図12(b)および図12(c)に示すように、第1のYAGレーザ光の基本波および第2のYAGレーザ光の基本波の走査方向31に沿って一方向に略直線状に延びており、凸部22は、セル領域11を取り囲むように繋がっていた。また、凸部22は、透光性基板1の表面から100nm以上の高さを有していた。さらに、絶縁領域10は、透光性基板1の周縁端部からセル領域11までの距離が6mm以上15mm以下となるように形成された。
図13に、上記のようにして形成された絶縁領域10における凸部22のEDX分析結果を示す。図13に示すように、絶縁領域10における透光性基板1の表面上に形成された凸部22は、錫(Sn)を含むことが確認された(図13の円で囲まれている部分参照)。
また、図14(a)に、以下のように条件を変更したこと以外は上記と同様にして形成した凸部22を有する絶縁領域10の光学顕微鏡写真を示し、図14(b)に、図14(a)を90°回転させた後に100倍に拡大した光学顕微鏡写真を示し、図14(c)に図14(b)の凸部22の形成位置と、YAGレーザ光の基本波のパワー密度との関係を示す。また、図14(d)に、図14(a)を500倍に拡大した光学顕微鏡写真を示し、図14(e)に、図14(a)を3000倍に拡大した光学顕微鏡写真を示す。
すなわち、まず、1辺が0.53mmの正方形の照射領域を有する波長1.06μmのYAGレーザ光の基本波を最大パワー密度200W/cm2として、1ショット毎に照射領域を走査方向(図14(b)の縦方向)にずらして照射した。次に、図14(b)の縦方向の照射が終了した後、図14(b)の横方向に照射領域をずらして、再び、図14(b)の縦方向に1ショット毎に照射領域をずらしながら、同条件で、YAGレーザ光の基本波を照射した。
その結果、図14(b)および図14(c)に示すように、YAGレーザ光の基本波の照射領域の重複部分に、透明電極層2の残渣となる高抵抗の凸部22が形成された。そして、凸部22の形成部分におけるYAGレーザ光の基本波のパワー密度は、10W/cm2以上160W/cm2以下の範囲内にあることが確認された。
次に、図10(b)に示すように、第2分離溝7の長手方向に直交する方向の両端の裏面電極層6の表面上に電流取り出し用の電極12を形成した。
次に、図10(a)および図10(b)に示すように、セル領域11上および絶縁領域10上にアイオノマー樹脂からなる封止材9を設置した。
その後、図1(a)および図1(b)に示すように、封止材9の表面上に、PET/Al/PETの3層積層フィルムからなる保護材8を設置して、保護材8の上方から封止材9に加圧しながら、封止材9を100℃以上で60分間以下加熱した後に冷却した。これによって、セル領域11上および絶縁領域10上に、保護材8を封止材9で接着し、実施例の薄膜太陽電池モジュールを作製した。
上記と同様にして、実施例の薄膜太陽電池モジュールを複数個(サンプルNo.1〜1300)作製した。そして、実施例の薄膜太陽電池モジュールの絶縁試験を行なった。その結果を図15に示す。
ここで、実施例の薄膜太陽電池モジュールの絶縁試験は、図16(a)の模式的平面図および図16(b)の模式的構成図に示すように、絶縁試験装置41を用いて行なわれた。すなわち、図16(b)に示すように、絶縁試験装置41の端子42を実施例の薄膜太陽電池モジュールのセル領域11の裏面電極層に接続するとともに、押さえ装置45で矢印46の方向に端子43を実施例の薄膜太陽電池モジュールの透光性基板1の周縁端部全周に接触させた状態で、セル領域11の裏面電極層と端子43との間に電圧を印加して、そのときに流れた電流の大きさを測定した。
絶縁領域10は、上述のように、実施例の薄膜太陽電池モジュールの表面の面積をX(m2)とし、透光性基板1の端部と半導体光電変換層4との間に6000(V)の電圧を印加したときのリーク電流が150×X(μA)未満の領域である。ここで、実施例の薄膜太陽電池モジュールの表面の面積Xは1m×1.4m=1.4m2であるため、当該リーク電流は150×1.4=210(μA)未満であればよい。
図15に示すように、実施例の薄膜太陽電池モジュールにおいては、透光性基板1の端部と半導体光電変換層4との間に6000(V)の電圧を印加したときのリーク電流はすべて210(μA)未満であった。そのため、実施例の薄膜太陽電池モジュールの絶縁領域10は、絶縁領域であることが確認された。
<比較例>
絶縁領域10の形成時において、200W/cm2のパワー密度を有する第1のYAGレーザ光の基本波を走査して照射した後に、第1のYAGレーザ光の基本波の照射領域に200W/cm2のパワー密度を有する第2のYAGレーザ光の基本波を走査して照射することによって、絶縁領域10に凸部22を全く形成しなかったこと以外は実施例と同様にして、比較例の薄膜太陽電池モジュールを作製した。
<評価>
上記のようにして作製した実施例の薄膜太陽電池モジュールと、比較例の薄膜太陽電池モジュールとについて、封止材9を透光性基板1の周縁端部から剥離していき、透光性基板1の周縁端部からの距離(mm)と剥離強度(N/cm)との関係について評価した。その結果を図17に示す。
図17に示すように、実施例の薄膜太陽電池モジュールは、比較例の薄膜太陽電池モジュールと比べて、透光性基板1の周縁の絶縁領域10における封止材9の剥離強度が大きくなり、接着力が向上することが確認された。
また、図18に、図17に示す実施例の薄膜太陽電池モジュールの透光性基板1の周縁端部からの距離(mm)と剥離強度(N/cm)との関係の拡大図を示し、図19に、実施例の薄膜太陽電池モジュールの図17に示す透光性基板1の周縁端部からの距離(mm)部分の凸部22の高さの測定結果を示す。なお、図19に示される実施例の薄膜太陽電池モジュールの凸部22の高さは、段差計を用いて測定された。
図18および図19に示されるように、実施例の薄膜太陽電池モジュールの凸部22の部分において、封止材9の剥離強度が大きくなり、この部分で封止材9の接着力が高くなることが確認された。
<まとめ>
本発明は、透光性基板と、透光性基板上に設けられたセル領域と、セル領域上に設けられた封止材と、封止材上に設けられた保護材とを備え、セル領域は、第1の電極層と、光電変換層と、第2の電極層とを有し、セル領域を取り囲むように透光性基板の周縁の表面が露出した領域である絶縁領域を有し、絶縁領域は、透光性基板上に、透光性基板とは異なる材料からなる凸部を有する太陽電池モジュールである。このような構成とすることにより、セル領域のうち有効セル領域の面積を減少させずに絶縁領域における絶縁性を確保できるとともに、封止材の接着力も向上させることができる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、凸部は、錫、インジウムおよび亜鉛からなる群から選択された少なくとも1つと、酸素とを含有することが好ましい。このような構成とすることにより、凸部に第一の光ビームを照射した後に凸部を構成する材質を好適に変質させ、その後、第二の光ビームを照射することによって、凸部を好適に高抵抗化することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、凸部は、略網目状に形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、凸部と封止材との間の接着力を向上させることができる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、凸部は、少なくとも一方向に略直線状に延びていることが好ましい。このような構成とすることにより、略直線状に、凸部と封止材とを接着させることができるため、凸部と封止材との間の接着力をより向上させることができる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、凸部は、セル領域を囲むように繋がっていることが好ましい。このような構成とすることにより、透光性基板の周縁全体にわたって、凸部と封止材とを接着させることができるため、透光性基板と封止材との間の接着力をさらに向上させることができる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、絶縁領域は、透光性基板の周縁端部からセル領域までの距離が6mm以上15mm以下となるように設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、絶縁領域における絶縁性をより確実に確保することができるとともに、セル領域のうち有効セル領域の面積を減少させることがない。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、封止材は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。このような構成とすることにより、絶縁領域における封止材の接着力が向上する傾向にある。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、凸部は、透光性基板から100nm以上の高さを有することが好ましい。このような構成とすることにより、凸部の高さが、封止材と接着するのに十分な高さとなるため、凸部と封止材との間の接着力を向上させることができる。
さらに、本発明は、透光性基板上に第1の電極層と光電変換層と第2の電極層とを有するセル領域を形成する工程と、セル領域の周縁に光ビームを照射することによって、セル領域を取り囲むように透光性基板の周縁の表面を露出させて、透光性基板の周縁の表面が露出した領域である絶縁領域を形成する工程と、セル領域上および絶縁領域上に封止材を用いて保護材を接着する工程と、を含み、絶縁領域を形成する工程においては、10W/cm2以上160W/cm2以下のパワー密度を有する第一の光ビームを照射した後、第一の光ビームの照射領域に第二の光ビームを照射することによって、透光性基板上に、透光性基板とは異なる材料からなる凸部を形成する太陽電池モジュールの製造方法である。このような構成とすることにより、絶縁領域における透光性基板の表面上に、透明電極層の残渣となる低導電率の凸部を好適に形成することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、第二の光ビームのパワー密度は、10W/cm2以上160W/cm2以下とすることが好ましい。このような構成とすることにより、透明電極層の残渣となる高抵抗の凸部をより好適に形成することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法においては、保護材を接着する工程において、封止材は100℃以上で60分以下加熱されることが好ましい。このような構成とすることにより、封止材に対する保護材の接着工程をより効率的に行なうことができる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法に利用することができる。
1 透光性基板、2 透明電極層、3 第1分離溝、4 半導体光電変換層、5 コンタクトライン、6 裏面電極層、7 第2分離溝、8 保護材、9 封止材、10 絶縁領域、11 セル領域、12 電流取り出し用の電極、21 光ビーム、22 凸部、31 走査方向、41 絶縁試験装置、42 端子、43 端子、45 押さえ装置、101 ガラス基板、102 透明電極、103 透明電極スクライブ線、104 光電変換層、105 半導体スクライブ線、106 裏面電極、107 裏面電極スクライブ線、108 保護フィルム、109 封止材、111 セル領域、112 バスバー電極、113 絶縁分離線、114 面取り部。

Claims (5)

  1. 透光性基板と、
    前記透光性基板上に設けられたセル領域と、
    前記セル領域上に設けられた封止材と、
    前記封止材上に設けられた保護材とを備え、
    前記セル領域は、第1の電極層と、光電変換層と、第2の電極層とを有し、
    前記セル領域を取り囲むように前記透光性基板の周縁の表面が露出した領域である絶縁領域を有し、
    前記絶縁領域は、前記透光性基板上に、前記透光性基板とは異なる材料からなる凸部を有する、太陽電池モジュール。
  2. 前記凸部は、錫、インジウムおよび亜鉛からなる群から選択された少なくとも1つと、酸素とを含有する、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記凸部は、略網目状に形成されている、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記凸部は、前記透光性基板から100nm以上の高さを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 透光性基板上に第1の電極層と光電変換層と第2の電極層とを有するセル領域を形成する工程と、
    前記セル領域の周縁に光ビームを照射することによって、前記セル領域を取り囲むように前記透光性基板の周縁の表面を露出させて、前記透光性基板の前記周縁の表面が露出した領域である絶縁領域を形成する工程と、
    前記セル領域上および前記絶縁領域上に封止材を用いて保護材を接着する工程と、を含み、
    前記絶縁領域を形成する工程においては、10W/cm2以上160W/cm2以下のパワー密度を有する第一の光ビームを照射した後、前記第一の光ビームの照射領域に第二の光ビームを照射することによって、前記透光性基板上に、前記透光性基板とは異なる材料からなる凸部を形成する、太陽電池モジュールの製造方法。
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