以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態(以下、本実施形態とする)における遊技機1の一例を示す正面図である。遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成されたものである。この遊技機1は、透明ガラス板2aが嵌め込まれた窓部2を有する枠部材3と、その枠部材3の窓部2の背面側に着脱自在に取り付けられる遊技盤10とを備えている。
枠部材3は窓部2の下部右側に遊技者が操作する操作用ハンドル4を備えている。操作用ハンドル4は遊技球を発射させるための発射操作部であり、ハンドルレバー49を備えている。遊技者がこのハンドルレバー49を時計方向に回転操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10の盤面に所定の時間間隔で打ち出されるようになっている。また枠部材3は、窓部2の上部左右両側に設けられたスピーカ5と、窓部2の上部および下部のそれぞれ中央に設けられた枠ランプ6とを備えており、スピーカ5は楽曲や音声、効果音などを発することで各種の演出を行い、枠ランプ6は点灯点滅のパターンや発光色の違いなどで各種の演出を行うように構成されている。
図2は、本実施形態における遊技盤10の一例を示す正面図である。遊技盤10は、正面側に相当する遊技盤面10aに、外側レール11と内側レール12とで囲まれた略円形の遊技領域13を有しており、遊技者がハンドルレバー49を操作することによって打ち出される遊技球は外側レール11と内側レール12との間から遊技領域13の内側の左上の部分に打ち出される。
遊技領域13の内側には、遊技盤10の略中央に位置するように液晶表示デバイスなどで構成された画像表示器8が設けられており、さらにその画像表示器8の周縁にはセンター役物などとも呼ばれる飾り枠体14が設けられている。画像表示器8は、演出のための各種の画像を表示するためのものであり、遊技の進行に伴い、例えば大当たり抽選の抽選結果を、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄によって報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したり、或いは、リーチ演出として各種の動画像を表示したりする。また、飾り枠体14は画像表示器8の画面枠を規定している。
遊技領域13の内側において飾り枠体14の周囲には、多数の釘15、スルーゲート16、風車17、普通入賞口18、第1始動口19、電動チューリップ20、第2始動口21、大入賞口22、大入賞口22を開閉する役物23、アウト口24等の公知の部材が配置されている。遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部には、特別図柄の変動表示を行って大当たりの抽選結果に応じた特別図柄の表示を行ったり、第1始動口19および第2始動口21に遊技球が入球したことによる保留数に関する表示を行ったりするための表示器60が設けられている。
図2の例において、スルーゲート16は飾り枠体14の右下部に設けられている。このスルーゲート16は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると普通図柄抽選が開始される。ここで普通図柄抽選とは、電動チューリップ20を開放するか否かを決定する抽選である。また普通入賞口18は飾り枠体14の左下部に複数設けられている。普通入賞口18は、遊技球が入球した場合、所定球数の賞球を払い出すための入賞口である。
第1始動口19は飾り枠体14の中央下方に設けられており、電動チューリップ20および第2始動口21は第1始動口19の更に下方に設けられている。電動チューリップ20は左右に開閉する羽根部材を備えており、電動チューリップ20が左右に開放していれば遊技球が第2始動口21に入球し易い状態となる。これに対し、電動チューリップ20が左右に開放していない閉鎖状態は、遊技球が第2始動口21に入球し難い状態となる。この電動チューリップ20は、遊技球がスルーゲート16を通過したことに伴って行われる普通図柄抽選に当選すると、左右の羽根部材が遊技状態に応じて所定時間および所定回数開放するようになっている。
第1始動口19および第2始動口21のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において大当たり抽選(特別図柄抽選)が行われる条件となる入賞口である。つまり、これら始動口19,21に遊技球が入球すると、遊技機1において大当たり乱数を含む各種乱数が遊技データとして取得される。そして遊技機1では、その取得した遊技データに基づいて大当たり抽選が行われ、表示器60において特別図柄の変動表示が開始されると共に、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が開始される。また画像表示器8においては装飾図柄の変動表示と共に、さまざまなキャラクタの出現などによる各種の予告演出なども表示される。
大入賞口22および役物23は、飾り枠体14の右下であって、スルーゲート16の下方に設けられている。役物23は、大入賞口22を開閉する役物であり、通常は大入賞口22を閉鎖した状態となっている。そして遊技球が第1始動口19又は第2始動口21に入球したことを条件として行われる大当たり抽選(特別図柄抽選)において大当たり又は小当たりに当選すると、その当たりの種類に応じた大入賞口開放遊技において大入賞口22の下縁に沿って配置された略水平な回動軸周りに回動して大入賞口22を開放するように構成されている。
遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部に設けられる表示器60は、LED表示部や7セグメント表示器などで構成される。この表示器60は、遊技球がスルーゲート16を通過することによって行われる普通図柄の抽選結果を表示する普通図柄表示器61と、普通図柄抽選の保留数を表示する普通図柄保留表示器62と、遊技球が第1始動口19に入球したことによって行われる大当たり抽選(特別図柄抽選)の抽選結果を表示する第1特別図柄表示器63と、第1始動口19に入球した保留数を表示する第1特別図柄保留表示器64と、遊技球が第2始動口21に入球したことによって行われる大当たり抽選(特別図柄抽選)の抽選結果を表示する第2特別図柄表示器65と、第2始動口21に入球した保留数を表示する第2特別図柄保留表示器66とを備えている。尚、表示器60だけでなく、画像表示器8に対しても、第1始動口19に入球して保留された保留数と、第2始動口21に入球して保留された保留数とを互い区別して表示するようにしても良い。
ここで、遊技盤10の盤面上における遊技球の通過ルートおよびそれらの通過ルートとハンドルレバー49の操作態様との関係について説明する。遊技者により遊技領域13の左上の部分に打ち出された遊技球は、飾り枠体14の左右いずれか一方のルートを通る。すなわち、遊技球は、図2に示すように、ルートK1およびルートK2のいずれか一方のルートを通って、始動口や入賞口等の種々の公知部材が設けられた遊技領域13を下方に向かって転動していく。遊技球が飾り枠体14の右側に形成されたルートK1を通って遊技領域13を下方に向かって転動していくことを「右打ち」といい、ルートK1を通るように遊技者がハンドルレバー49を操作する(回転させる)ことを「右打操作」という。これに対し、球技球が飾り枠体14の左側に形成されたルートK2を通って遊技領域13を下方に転動していくことを「左打ち(非右打ち)」といい、ルートK2を通るように遊技者がハンドルレバー49を操作することを「左打操作」という。つまり、ハンドルレバー49の操作角度に応じた打球力で打ち出される遊技球が、遊技領域13の中央上部に設けられた釘15aを超える場合、その遊技球は遊技領域13の右側の領域に進入してルートK1を通って流下する。これに対し、遊技球が、遊技領域13の中央上部に設けられた釘15aを超えない場合、その遊技球は遊技領域13の左側の領域に留まり、ルートK2を通って流下する。
本実施形態においては、後述するようにハンドルレバー49の回転角度は所定角度範囲内に規制されており、その角度範囲内でハンドルレバー49を基台部50に対して時計回りに最大角度回転させた状態において「右打操作」状態となるように、発射ソレノイド等の発射機構の調整を行っている。また、本実施形態においては、ルートK2を通った遊技球がスルーゲート16または大入賞口22に至ることがないように、飾り枠体14、釘15、その他の様々な部材を遊技盤10の盤面上に配置している。すなわちルートK1を通過する遊技球は、スルーゲート16または大入賞口22に至る可能性が高くなり、ルートK2を通過する遊技球はスルーゲート16または大入賞口22に至る可能性が極めて低くなるような盤面構成となっている。そのため、スルーゲート16に遊技球を通過させたり、または、大入賞口22に遊技球を入球させるためには、遊技者は、ハンドルレバー49を最大角度回転させた右打操作状態とし、遊技球がルートK1を通過するように操作するようになる。
一方、ルートK2を通る遊技球は、第1始動口19に向かって転動していくように、多数の釘15や風車17などが配置されている。つまり、ルートK2を通過する遊技球は、第1始動口19に入球する可能性はあるが、ルートK1を通過する遊技球が第1始動口19に入球する可能性は極めて低くなるような盤面構成となっている。
尚、電動チューリップ20および第2始動口21は、遊技領域13の中央下部に設けられており、ルートK1およびルートK2のいずれを通る場合でも、電動チューリップ20の羽根部材が左右に開放していれば遊技球が第2始動口21に入球する可能性がある。
次に、本実施形態の遊技機1において大当たり抽選で当選する当たりの種類について説明する。本実施形態では、大当たり抽選において当選する当たりの種別として「大当たり」と「小当たり」の2つの当たりがあり、「大当たり」の場合には更に「長当たり」と「短当たり」の2つの当たりがある。これらうちのいずれの当たりに当選した場合でも、遊技機1は、大入賞口22を開放する大入賞口開放遊技(特別遊技状態)に移行する。ただし、当たりの種別によって大入賞口開放遊技で大入賞口22が開閉する回数(ラウンド数)や、大入賞口22の開放時間が異なっている。つまり、大入賞口開放遊技には、大当たりに当選した場合の大当たり遊技と、小当たりに当選した場合の小当たり遊技とがあり、大当たり遊技には更に「長当たり」の場合の第1の大当たり遊技と、「短当たり」の場合の第2の大当たり遊技とがある。そして大当たりに当選して「短当たり」となった場合の第2の大当たり遊技と、小当たりに当選した場合の小当たり遊技とがほぼ同じ動作の遊技となっている。そのため、大入賞口開放遊技には、大当たり抽選(特別図柄抽選)で「長当たり」となった場合の第1の大入賞口開放遊技と、「短当たり」又は「小当たり」となった場合の第2の大入賞口開放遊技との2つの遊技がある。以下、さらに詳しく説明する。
「大当たり」の場合に「長当たり」が設定されると、その大入賞口開放遊技では、役物23が大入賞口22を開放する1回当たりの開放時間が比較的長い時間(例えば30秒など)に設定される。そして「長当たり」の大入賞口開放遊技では、その1回当たりの開放設定時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば大入賞口22を閉鎖するラウンドが所定回数(例えば15ラウンド)繰り返される。そのため、この「長当たり」の大入賞口開放遊技では、役物23が大入賞口22を開放している間に遊技球が大入賞口22に入球する可能性が高くなり、遊技者にとって多くの賞球を獲得し得る遊技状態となる。そして大当たりの場合に「長当たり」が設定されると、その大入賞口開放遊技後の遊技状態として、その後の大当たり抽選での大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動する確変モード(確変遊技状態(高確率状態))と、大当たりの当選確率が通常確率のままである通常モード(通常遊技状態(通常確率状態))とのいずれか一方が設定される。また「長当たり」が設定された場合の大入賞口開放遊技後の遊技状態には、通常遊技状態と比較して普通図柄の変動表示時間が短縮された「時短遊技」が付与される。この時短遊技の場合は、非時短遊技の場合よりも電動チューリップ20が開放される時間が長くなり、第2始動口21に対して遊技球が入球しやすい状態となる。
これに対し、「大当たり」の場合で「短当たり」が設定されると、その大入賞口開放遊技では、役物23が大入賞口22を開放する1回当たりの開放時間が比較的短い時間(例えば0.1秒など)に設定される。そして「短当たり」の大入賞口開放遊技では、その1回当たりの開放設定時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば大入賞口22を閉鎖するラウンドが所定回数(例えば15ラウンド)繰り返される。この「短当たり」の大入賞口開放遊技では、役物23が大入賞口22を開放する開放時間が遊技球の入球しにくい短い時間に設定されるため、大入賞口22が開放している間に遊技球が大入賞口22に入球する可能性は低く、遊技者にとっては多くの賞球を獲得することが困難な遊技状態となる。また遊技機1は、大当たりとして「短当たり」を設定した場合、その大入賞口開放遊技後における遊技状態として、その後の大当たり抽選での大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動する確変モード(確変遊技状態(高確率状態))、同じくその後の大当たり抽選での大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動する潜伏確変モード(確変遊技状態(高確率状態))、および、大当たりの当選確率が通常確率のままである通常モード(通常遊技状態(通常確率状態))のうちのいずれか一つを設定する。また「短当たり」が設定された場合の大入賞口開放遊技後の遊技状態には、通常遊技状態と比較して普通図柄の変動表示時間が短縮された「時短遊技」と、普通図柄の変動表示時間が通常遊技状態と同様である「非時短遊技」とのいずれか一方が付与される。
以上のように、「大当たり」であれば、「長当たり」及び「短当たり」のいずれであっても、通常モードが設定されかつ時短遊技が付与される場合と、確変モードが設定されかつ時短遊技が付与される場合のいずれもが起こりうる。本実施形態においては、通常遊技状態かつ時短遊技状態である場合を「第1の時短遊技状態」と呼び、確変遊技状態かつ時短遊技状態である場合を「第2の時短遊技状態」と呼ぶことにし、この2つの遊技状態のうちいずれか一方の遊技状態であることを、本実施形態においては「時短遊技状態」と呼ぶことにする。ここで、大入賞口開放遊技後に遊技機1が第1の時短遊技状態に移行した場合、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで第1の時短遊技状態が継続し、所定回数の変動表示が終了した後、時短遊技が終了する。一方、大入賞口開放遊技後に遊技機1が第2の時短遊技状態に移行した場合、次回の「大当たり」に当選するまでその第2の時短遊技状態が継続する。
このような時短遊技状態においては、前述のように電動チューリップ20の開放時間が長くなり第2始動口21に遊技球が入球しやすくなる。第2始動口21に遊技球が入球すれば、所定の数の賞球が払い出され、かつ特別図柄の抽選が行われるのであるから、遊技球が第2始動口21に頻繁に入球することになる時短遊技状態では、遊技者は、持ち玉をあまり減らすことなく遊技を楽しむことができるというメリットがある。特に、第2の時短遊技状態であれば、第1の時短遊技状態に比して大当たり当選確率が上がり、かつ、第2の時短遊技状態は次回の大当たり当選まで継続するので、遊技者は、次回の大当たり当選まで持ち玉をあまり減らすことなく、遊技を楽しむことができる。ここで、電動チューリップ20の開放は、遊技球がスルーゲート16を通過した場合に行われる普通図柄抽選で当選する必要があるが、前述のようにルートK1を通過する右打ちされた遊技球の方が左打ちされた遊技球より遙かにスルーゲート16を通過しやすいため、このような時短遊技状態において持ち玉をあまり減らすことなく遊技を進めるには、遊技者は右打操作を行うことになる。
また、大当たりの場合に「長当たり」が設定されれば、大入賞口22の一回当たりの開放時間が比較的長い大入賞口開放遊技が行われるので、遊技者は大入賞口22を狙って遊技球を発射することになるが、前述のように、ルートK1を通る右打ちされた遊技球の方が左打ちされた遊技球より遙かに大入賞口22に入球する可能性が高いのであるから、長当たりの場合の大入賞口開放遊技で多くの賞球を得るために、遊技者は右打操作を行うことになる。
そこで、本実施形態においては、時短遊技状態、および「長当たり」の状態、すなわち長当たり設定時の大入賞口開放遊技状態、という2つの遊技状態を「右打遊技状態」と呼び、これらを右打操作が必要となる遊技状態として、他の遊技状態と区別することとする。
ここで確変モードと潜伏確変モードの違いについて説明する。遊技機1の遊技状態が確変モードに移行すると、その確変モードでは遊技機1において大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動したことを報知する演出が行われる。そのため、確変モードの場合は、遊技者が大当たり抽選における当選確率が高確率状態に移行したことを容易に把握することができる遊技状態となる。これに対し、遊技機1の遊技状態が潜伏確変モードに移行すると、その潜伏確変モードでは遊技機1において大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動したことは、通常、遊技者に対して報知されない。そのため、潜伏確変モードの場合は、遊技機1の遊技状態そのものは通常の遊技状態と変わるところがないので、遊技者が潜伏確変モードに移行したことを明確には把握することができない遊技状態となる。ただし、確変モード及び潜伏確変モードのいずれのモードであっても、高確率状態であることに変わりはないため、その後の大当たり抽選における当選確率は同じ確率(すなわち高確率)である。
一方、「小当たり」は上述した「大当たり」とは異なり、「小当たり」の前後で大当たり抽選における大当たりの当選確率は変動しないようになっている。またその他の遊技状態も変化することがない。この「小当たり」に当選した場合の大入賞口開放遊技では、「短当たり」の場合と同様に、役物23が大入賞口22を開放する1回当たりの開放時間が比較的短い時間(例えば0.1秒など)に設定される。そしてその1回当たりの開放設定時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば大入賞口22を閉鎖するラウンドが所定回数(例えば15ラウンド)繰り返される。したがって、「小当たり」の大入賞口開放遊技でも、「短当たり」の場合と同様に、大入賞口22の開放時間が遊技球の入球しにくい短い時間に設定されるので、大入賞口22の開放中に遊技球が大入賞口22に入球する可能性は低く、遊技者にとっては多くの賞球を獲得することが困難な遊技状態となる。そして役物23が大入賞口22を開閉する動作は、「小当たり」の場合と「短当たり」の場合でほぼ同じ動作になるので、遊技者は役物23による大入賞口22の開閉動作からいずれの当たりであるかを判別することが難しい動作態様となっている。
このように本実施形態の遊技機1は、遊技盤10に設けられた始動口19,21に遊技球が入球したことを条件として大当たり抽選を行い、当選した場合にはその当たり種別に応じて遊技盤10に設けられた大入賞口22を開放するように構成されている。
例えば、大当たり抽選における抽選結果が「大当たり」の「長当たり」である場合、画像表示器8で行われる装飾図柄の変動表示は、3列のうちの2列の装飾図柄が揃った状態で停止し、リーチ演出に移行する。この場合のリーチ演出では、リーチ演出用の動画像表示などが所定時間行われた後、最後の3列目の装飾図柄が他の2列の図柄と揃った状態で停止して、3列全ての装飾図柄が揃った状態となる。通常、遊技者はこの状態になってはじめて大当たりに当選したことを把握する。そして遊技機1は、その後、「大当たり」の「長当たり」に対応した大入賞口開放遊技へと移行する。尚、大当たり抽選における抽選結果が「短当たり」である場合や「小当たり」である場合は、必ずしもリーチ演出が行われるとは限らない。また大当たり抽選における抽選結果が「ハズレ」の場合であってもリーチ演出が行われることがある。
次に、遊技者が操作する操作用ハンドル4の詳細について説明する。図3は、操作用ハンドル4を拡大して示す図であり、その内側に設けられる一部の部品を破線で示している。操作用ハンドル4は、蓋40と、ハンドルカバー41と、ハンドルレバー49とによって正面側が覆われた状態となっている。ハンドルレバー49は、ハンドルカバー41に対して時計方向に回転操作することが可能である。また操作用ハンドル4の左側部には、遊技者がハンドルレバー49を回転操作している状態で遊技球の発射を停止させるために操作する発射停止ボタン51が設けられている。
ハンドルカバー41とハンドルレバー49との内側には、図3に示すように、発射停止ボタン51と連動して動作する発射停止スイッチ52と、遊技者がハンドルレバー49に触れていることを検知するタッチセンサ53と、ハンドルレバー49の回転角を検知する操作角度センサ54とが設けられている。
ハンドルレバー49は例えばその表裏全面にクロムメッキが施されており、導電性が確保されている。タッチセンサ53は例えば静電容量型のセンサであり、ハンドルレバー49の裏面側に導線を介して接続されている。遊技者がハンドルレバー49に触れると、遊技者自身がアースとなって作用し、静電容量が変化するので、タッチセンサ53がそれを検知する。
発射停止スイッチ52は、発射停止ボタン51の動作と連動してオンオフ切り替え動作を行うように構成されている。ハンドルレバー49が初期位置にある場合あるいは発射停止ボタン51がオンとなっている場合、発射停止スイッチ52はオン状態となり発射停止信号を出力し、ハンドルレバー49が初期位置にない場合あるいは発射停止ボタン51がオフとなっている場合にオフ状態となる。
図4はハンドルレバー49と操作角度センサ54の動作機構を示す図である。ハンドルレバー49は、操作用ハンドル4の内側に回転軸49aを備えており、この回転軸49aの周囲所定箇所に第1のギア49bが設けられている。操作角度センサ54は、例えばロータリーボリューム式のセンサで構成され、回転軸49aの近傍位置に設けられる。操作角度センサ54には第2のギア54bが設けられており、この第2のギア54bはハンドルレバー49の回転軸49aに設けられた第1のギア49bと歯合している。そのため、図4(a)に示すようにハンドルレバー49が時計方向に回転操作されると、操作角度センサ54がハンドルレバー49の回転軸49aに連動して回転し、ハンドルレバー49の回転角度を検知する。そして遊技盤10に打ち出される遊技球の打球力は、操作角度センサ54が検知する回転角度に基づいて調整される。尚、ハンドルレバー49の回転角度は所定角度範囲内に規制されており、遊技者はその所定角度範囲内でハンドルレバー49を回転操作することができる。
またハンドルレバー49の回転軸49aには、戻りバネ49cが取り付けられている。この戻りバネ49cは、ハンドルレバー49を元の初期位置に向けて付勢する付勢手段である。さらに操作角度センサ54にも戻りバネ54cが取り付けられている。この戻りバネ54cは、操作角度センサ54を元の初期位置に向けて付勢している。そのため、遊技者がハンドルレバー49を操作する手を離すと、戻りバネ49c,54cの付勢力によって、図4(b)に示すように、ハンドルレバー49と操作角度センサ54とのそれぞれが任意の回転位置から元の初期位置に戻る。
上記のように操作用ハンドル4には、発射停止スイッチ52と、タッチセンサ53と、操作角度センサ54とが設けられている。そして本実施形態の遊技機1は、発射停止スイッチ52から発射停止信号が出力されていない場合に、タッチセンサ53によって遊技者がハンドルレバー49に触れていることが検知されており、且つ、操作角度センサ54が所定角度以上の回転角度を検知していれば、遊技球が発射可能な状態となり、ハンドルレバー49の操作角度に応じた打球力で遊技球が所定の時間間隔で連続的に打ち出されるようになる。
また操作用ハンドル4は、例えばリーチ演出などの各演出が行われている途中で遊技者に大当たりであることを期待させるための特別な演出(大当たり確定演出)を行うために所定条件下で発光するハンドルランプ(発光手段)59を備え、またハンドルレバー49が最大角度回転操作された右打操作の状態でそのハンドルレバー49を保持するための保持手段を備えている。
図5は、本実施形態における操作用ハンドル4のハンドルランプ59およびハンドルレバー49の保持手段の構成を示した分解斜視図である。尚、図5では、上述した発射停止スイッチ52、タッチセンサ53および操作角度センサ54の図示を省略している。図5に示すように、操作用ハンドル4は、ハンドルレバー49を回転可能に支持する基台部50を備えている。基台部50はその正面側が拡径した略円筒状であり、枠部材3に対して挿入した状態で取り付けられる。基台部50には、固定板70を基台部50に固定するためのネジ部材76a、76b、および76cが取り付けられており、固定板70に設けられたこれら3つのネジ部材に対応する3つのネジ穴の各々に、これら3つのネジ部材の各々が螺入することで、固定板70が基台部50に対して回転しないように固定される。ハンドルレバー49は、基台部50の拡径部に対して突き当てた状態で取り付けられ、基台部50の軸心と同一軸心周りに、基台部50に対して相対的に回転可能とされている。
ハンドルカバー41は、ハンドルレバー49の内側に挿入した状態で取り付けられ、操作用ハンドル4の正面側を覆うことにより、ハンドルレバー49と共に、ハンドルランプ59およびハンドルレバー49の保持手段を収容する空間を形成する。この空間内には、バネ75、ハートカム74、停留部材73、突設部72、ホルダ71、固定板70、ハンドルモータ47、白色LED基板46、支持部材45、高輝度LED基板44、固定リフレクタ43、および回転リフレクタ42が設けられている。
固定板70は、中央にハンドルモータ47の駆動軸47aを挿通するための円形の孔が設けられた略円環状となっており、固定板70の同心円であって所定の半径を有する円弧状にガイド長孔70aが形成されている。
ハンドルモータ47は、固定板70の基台部50側の面に、駆動軸47aが固定板70の中央の孔を挿通するように押し当てられ、その上から図示しない固定用カバーを被せ、この固定用カバーを固定板70に固定することにより、固定板70に固定される。また、ハンドルモータ47は、基台部50の軸心と同一軸心周りに回転することによって正面側(前方方向)に延びる駆動軸(回転軸)47aを回転させる。このハンドルモータ47が回転駆動されると、操作用ハンドル4の内部に多少の振動が発生する。
白色LED基板46は、ハンドルモータ47の駆動軸47aを回避するような中空円板形状(ドーナツ状)を有している。白色LED基板46には、駆動軸47aの周囲にほぼ等間隔で複数配置されたLED46aが実装されている。白色LED基板46に実装されたLED46aは、例えば白色光を発光する。
高輝度LED基板44には、例えば赤色光を発光するLED44aが実装されている。高輝度LED基板44は、ハンドルモータ47の駆動軸47aに接触しないように、支持部材45によって、白色LED基板46に対して直角を成す状態に固定される。高輝度LED基板44は、LED44aが白色LED基板46よりもハンドルカバー41側に位置するように、固定リフレクタ43の中央部に設けられた孔部を貫通し、固定リフレクタ43からハンドルカバー41の内側に突出した状態で支持されている。LED44aは、常に駆動軸47aと略直交する一定の方向に向かって光を照射する。
固定リフレクタ43は、複数の反射面を、駆動軸47aを中心として放射線状に配置した多面形状の反射部材から成っており、入射した光をハンドルカバー41側に反射する。各反射面は、固定リフレクタ43の中央部側が遊技者から離間し、固定リフレクタ43の外周部側ほど遊技者側へせり出している。固定リフレクタ43は、白色LED基板46に設けられた複数のLED46aに対応する位置に、複数の孔43aを有しており、上記LED46aは、この孔43aを介して固定リフレクタ43よりもハンドルカバー41側に臨んだ状態で、白色光を発光する。
ハンドルモータ47の駆動軸47aは、固定板70、白色LED基板46、支持部材45、および固定リフレクタ43を介して、ハンドルカバー41側へ突出しており、その先端部に回転リフレクタ42が取り付けられる。回転リフレクタ42は、駆動軸47aの軸芯を中心として回転自在な状態で、駆動軸47aに連結されている。
回転リフレクタ42は、高輝度LED基板44に設けられたLED44aを覆うフード状の形状であり、その内側および外側の表面に鏡面加工が施され、LED44aが発光した光を駆動軸47aとほぼ直交する方向に向けて出射する開口部42aを備えている。そのため、LED44aが発光する光は、回転リフレクタ42の内部で反射し、開口部42aを介して回転リフレクタ42の外部に放出される。ハンドルモータ47が回転駆動され、駆動軸47aが回転すると、回転リフレクタ42の開口部42aが駆動軸47aの周りを回転するので、回転リフレクタ42から放出される光はハンドルカバー41の内部で駆動軸47aの周りを回転するようになる。
ハンドルカバー41は、少なくともその一部がハンドルカバー41の内部の光を透過させるレンズ部41aとなっている。そのため、白色LED基板46に設けたLED46aが発光すると、ハンドルカバー41は白色に発光しているように見える。また高輝度LED基板44に設けたLED44aが発光し、さらにハンドルモータ47が回転リフレクタ42を回転させると、ハンドルカバー41は例えば赤色の光が回転しているように見える。
蓋40は、ハンドルカバー内部の光を透過しない部材により形成されており、ハンドルカバー41の中央部に挿入装着されることによりハンドルカバー41に固定される。この蓋40は、ハンドルカバー41内部に備わる回転リフレクタ42等のハンドルランプ59を構成する部材を、遊技者から見えにくくしている。
本実施形態の遊技機1は、上記のように操作用ハンドル4に設けたハンドルランプ59を、例えば所定条件下で、リーチ演出の途中で点灯又は点滅させることにより、リーチ演出が終了するまでの通常よりも早い段階で遊技者に対して大当たりに当選したことを報知する特別な演出(大当たり確定演出)を行うように構成される。尚、図5に示した例では、ハンドルランプ59の発光する光源としてLEDを採用した場合を例示しているが、光源はLEDに限られず、一般的な電球などを光源として採用しても良い。
次に、ハンドルレバー49が略最大角度回転した状態でハンドルレバー49を保持する保持手段について説明する。ハンドルカバー41の内側の空間には、この保持手段として、ハンドルレバー49に対して固定される停留部材73(第1係止部材)と、固定板70の直角方向および平行方向に対して所定の範囲内で可動するハートカム74(第2係止部材)とが設けられている。停留部材73は、例えば所定長さの略円柱状の部材であり、その一端がハンドルレバー49に突設された略円筒状の突設部72に装着されることで、ハンドルレバー49に対して固定されている。そのため、この停留部材73は、ハンドルレバー49が回転操作されることに伴い、基台部50の軸心を中心とする円弧状の軌道を移動する。一方、ハートカム74は、固定板70に取り付けられるホルダ71によって保持される。そのため、ハートカム74は、ホルダ71および固定板70を介して基台部50に取り付けられる。このハートカム74は、ハンドルレバー49が回転操作されることに伴って円弧上の軌道を移動する停留部材73と係合することにより、ハンドルレバー49が略最大角度回転した状態で、そのハンドルレバー49を保持するように構成される。
停留部材73は、ハンドルレバー49に取り付けられた状態でその先端部が固定板70に設けられたガイド長孔70aを貫通している。ハンドルレバー49が回転することに伴い、停留部材73は、その先端部をガイド長孔70aから所定長さ突出された状態でガイド長孔70aに沿って移動する。つまり、ハンドルレバー49が回転操作されていないとき、停留部材73はガイド長孔70aの一方端に位置しており、ハンドルレバー49が回転操作されると、停留部材73がガイド長孔70aの他方端に向かって移動する。そしてガイド長孔70aの弧長は、ハンドルレバー49が回転する角度範囲を規定する。
ハートカム74を保持するホルダ71は、略コ字状に形成された部材であり、その両端脚部がガイド長孔70aを挟んで固定板70に固定される。そのため、ホルダ71の内側には固定板70との間に所定間隔の空隙が形成される。ハートカム74は、この空隙に設けられ、バネ75を介して、固定板70と対向するホルダ71の内面側に保持される。また、ガイド長孔70aに対するハートカム74の保持位置は、ハンドルレバー49が回転操作されることに伴って停留部材73が向かうガイド長孔70aの他方端に対応する位置となっている。さらにハートカム74は、バネ75の付勢力によって固定板70に向かう方向に押圧付勢された状態でホルダ71に保持される。したがって、ハンドルレバー49が略最大角度回転すると、停留部材73の先端部は、ハートカム74と摺接するようになる。
またハートカム74は、停留部材73が移動する軌道上に設けられた揺動軸周りに揺動可能なように保持されると共に、ハートカム74のガイド長孔70aと対向する面には、停留部材73の先端部と接触することにより、ハンドルレバー49の回転操作に伴って移動する停留部材73を一方向にのみ案内する経路が形成されている。したがって、停留部材73は、ハンドルレバー49の回転操作に伴って円弧状の軌道を移動していくとき、ハートカム74を揺動させながら、ハートカム74に形成された経路を一方向に移動していく。そして停留部材73は、ハンドルレバー49が略最大角度回転した状態で、ハートカム74の所定の位置に導かれ、その位置でハートカム74との係合状態となって停留する。この係合状態では、戻りバネ49cの付勢力に抗して停留部材73を停留させておくことができるようになっており、ハンドルレバー49が初期位置に戻ることを防止して略最大角度回転した状態で保持することが可能である。以下、さらに詳しく説明する。
図6、図7、および図8は、いずれもハートカム74の構造を説明する拡大図である。
図6は、ハートカム74のガイド長孔70aと対向する経路形成面を示す平面図である。ハートカム74は、上述の経路が形成された本体部74cと、ホルダ71によって支持される支持部74bとを備え、平面視略T字状を成している。支持部74bは、平板状に構成され、その中央に円形の孔74aが形成されている。この孔74aに後述するホルダ71の軸部71cが挿入され、ハートカム74は、その軸部71cを中心として左右方向に揺動可能となる。
停留部材73は、ハンドルレバー49の回転操作に伴い、本体部74cに形成された経路に進入し、その経路に沿って一方向に移動する。本体部74cは、左右両側部に沿って起立する側壁部741,742と、中央部に起立して設けられた突起部743とを有し、側壁部741,742の内側で、且つ、突起部743の周囲に停留部材73を移動させる経路が形成されている。また、本体部74cが支持部74bと接続している接続部の近傍位置は、ハンドルレバー49の回転操作に伴って移動する停留部材73を本体部74cの経路に導入したり、或いは、その経路から退出させたりするための入出部E1となっている。
ここで、ハートカム74の本体部74cに形成された経路について説明する。ハートカム74の本体部74cには、入出部E1を介して導入した停留部材73を案内する案内路Mと、その案内路Mの長手方向一方側部に隣接して設けられ、ハンドルレバー49が略最大角度回転位置にある状態において停留部材73を停留させる停留部Qと、案内路Mの反対側で、かつ停留部Qに隣接して設けられ、停留部材73を停留部Qから離脱させて入出部E1へと誘導する退出路Lとが設けられる。
案内路Mは、ハンドルレバー49の操作角度が大きくなるに従って、停留部材73を停留部Qに向けて一方向に移動させる経路である。案内路Mの両側部には、側壁部741に設けられた壁面W5や、側壁部742に設けられた壁面W6及び突起部743に設けられた壁面W2などが位置しており、停留部材73の移動方向をこれら壁面などで規制することによって停留部材73を一方向に案内する。この案内路Mは、第1案内路M1と、第2案内路M2とを有している。また、停留部Qは、入出部E1の反対側で突起部743に隣接するように設けられている。さらに退出路Lは、例えばハンドルレバー49が戻りバネ49cの付勢力で初期位置に戻るとき、停留部材73を入出部E1に向けて一方向に移動させる経路である。この退出部Lは、入出部E1の近傍で案内路Mと接続している。また退出路Lの両側部には、側壁部742に設けられた壁面W4や突起部743に設けられた壁面W3などが位置しており、停留部材73の移動方向をこれら壁面などで規制することによって停留部材73を入出部E1が位置する一方向に誘導する。この退出路Lは、第1退出路L1と第2退出路L2とを有している。これら案内路Mおよび退出路Lは、停留部材73の先端部が移動できる程度の道幅を有している。また停留部Qは、停留部材73の先端部の半径とほぼ同じ半径を有する略半円形をしている。
図7(a)は、ハートカム74の経路形成面側を本体部74c寄りの方向から見下ろした斜視図である。案内路Mは、第1案内路M1と第2案内路M2との間に所定高さの段差B2を有している。第1案内路M1は、入出部E1より導入される停留部材73を第2案内路M2に向けて案内する経路である。この段差B2は、案内路Mの底部を停留部Qに向かって斜め方向に横断しており、さらにその端部が停留部Qに接続している。第2案内路M2は、段差B2を超えて導入された停留部材73を停留部Qに向けて移動させる経路である。この第2案内路M2と停留部Qとの間には所定高さの段差B3が設けられている。また停留部Qと、第1退出路L1との間にも所定高さの段差B4が設けられている。また第2案内路M2と第1退出路L1との間には、第1退出路L1の側壁の1つとして壁面W7が設けられている。さらに、突起部743の停留部Q側は、停留部材73と係合可能な曲面状の壁面W1となっている。
図7(b)は、ハートカム74の経路形成面側を支持部74b寄りの方向から見下ろした斜視図である。第2退出路L2が第1案内路M1に接続される接続部には、所定高さの段差B1が設けられる。上述した段差B1、B2、B3、およびB4はいずれも、停留部材73がこれら段差部の段差壁面を超えて移動することができないように停留部材73の移動方向を規制する規制手段として設けられている。そして第1案内路M1と第2案内路M2との間に規制手段として機能する有効な段差B2を形成すべく、第1案内路M1は、第2案内路M2に向かう矢印T1方向にその床面が高くなるように傾斜している。また退出路Lでは、案内路Mと接続する部分に規制手段として機能する有効な段差B1を形成すべく、第1退出路L1及び第2退出路L2のそれぞれが矢印T2及び矢印T3の方向に向かってその床面が高くなるように傾斜している。
尚、本実施形態では、第1退出路L1と第2退出路L2の床面傾斜は異なるものとなっており、第1退出路L1と第2退出路L2とは滑らかに接続していない。ただし、必ずしもこのようなものに限られず、退出路Lを第1退出路L1と第2退出路L2とに区別することなく、滑らかに傾斜した一つの退出路として構成しても良い。
図8(a)は、ハートカム74の裏側を、本体部74c寄りの方向から見下ろした斜視図である。ハートカム74は、支持部74bの裏側にコイル状のバネ75が添設される。このバネ75は、ホルダ71に保持されたハートカム74を押圧付勢するための押圧手段である。このバネ75は、支持部74bの中央に形成された孔74aとほぼ同じ直径となっており、孔74aの位置に対応して設けられる。図8(b)は、ハートカム74の一方側面図である。本体部74cは、支持部74bに対し、相対的に僅かに傾いた状態で形成されている。例えば、図8(b)に示すように本体部74cを水平状態とした場合、支持部74bは、本体部74cの経路形成面側に若干傾斜した状態となっている。そのため、支持部74bがホルダ71に取り付けられると、本体部74cは、固定板70に向かって傾斜した状態となる。この傾斜角度は、例えば停留部材73がハートカム74に形成された経路を移動する際、バネ75の押圧付勢によって案内路M、停留部Qおよび退出路Lのそれぞれの床面が停留部材73の先端部に対して適当な押圧力で接触することができるように適宜調整される。
図9は、ホルダ71によるハートカム74の保持構造を示す図である。図9に示すように、固定板70と対向するホルダ71の内面71hには、ハートカム74の揺動軸となる軸部71cが立設されている。またホルダ71の両端脚部の内側には、抑止板77a,77bを装着するための取付溝71a,71bが設けられている。ハートカム74は、支持部74bに設けられた孔74aの裏側にバネ75を添設した状態で、その孔74aにホルダ71の軸部71cが挿入される。そしてハートカム74が軸部71cから離脱することを防止するため、ハートカム74を押圧してバネ75を若干圧縮させた状態にし、ホルダ71の両端脚部に設けられた取付溝71a,71bに抑止板77a,77bを装着して固定する。その結果、抑止板77a,77bは、ハートカム74の支持部74bの両端部と係合するので、ハートカム74が軸部71cから離脱することが防止される。また、これにより、ハートカム74は、バネ75の付勢力により固定板70に向かって押圧付勢された状態でホルダ71に保持される。
図10(a)および(b)はいずれも、ホルダ71によってハートカム74が保持された状態を示す図である。
図10(a)は、ハートカム74の本体部74cよりもやや支持部74b寄り方向からハートカム74の表側を見下ろした斜視図である。ハートカム74は、上述したようにバネ75によって押圧付勢されている。そのため、このハートカム74は、通常、バネ75の付勢力によって支持部74bが抑止板77a,77bと接触した状態となっている。このようなハートカム74に対し、バネ75の付勢力に抗した力が作用すると、ハートカム74は、軸部71cに沿った方向、すなわち矢印A1および矢印A2の方向に移動することができるようになっている。ここで、ハートカム74の矢印A1方向への移動は、支持部74bが抑止板77a,77bと接触する位置までに制限される。また、バネ75はホルダ71と支持部74bとに挟まれた状態であるので、ハートカム74が矢印A2方向に移動した場合、バネはさらに縮み、ハートカム74を矢印A1方向へ付勢する力が大きくなる。このようにしてハートカム74を保持するホルダ71は、両端脚部の端面71d,71eが固定板70の面上に接着されることにより、固定板70に対して固定される。
図10(b)は、ハートカム74の経路形成面側を見た平面図である。上述したように、ハートカム74の支持部74bの孔74aには、ホルダ71に立設した軸部71cが挿入されているため、ハートカム74は、この軸部71cを中心軸に、矢印A3および矢印A4方向に揺動することができるようになっている。このときハートカム74は、矢印A3方向には、ホルダ71の脚部71fとハートカム74の側壁部742とが互いに接触する位置まで揺動可能となっている。また矢印A4方向には、ホルダ71の脚部71gとハートカム74の側壁部741とが接触する位置まで揺動可能となっている。
図11は、ハートカム74を保持するホルダ71を固定した固定板70と、停留部材73と、ハンドルレバー49との位置関係を示す分解斜視図である。停留部材73は、上述したように、固定板70のガイド長孔70aを貫通するように配置され、ハンドルレバー49の回動に伴ってガイド長孔70aを、一方端から他方端にかけて、ガイド長孔70aの形成方向に沿って移動する。図11に示すように、ホルダ71は、固定板70に対し、ハートカム74の経路形成面がガイド長孔70aと向かい合うようにして固定される。このとき、ホルダ71の軸部71cは、ガイド長孔70aと対応する位置に固定されるので、ハートカム74の揺動軸は、停留部材73が移動する円弧状の軌道上に設けられることになる。またホルダ71の軸部71cは、固定板70の表面に対して直角となるように配置されるので、ハートカム74の摺動方向である矢印A1および矢印A2は、固定板70の表面に対して直角方向となる。またハートカム74の揺動方向である矢印A3および矢印A4は、固定板70の表面に対して平行方向となる。
また停留部材73がガイド長孔70aの他方端近傍で移動するとき、ハートカム74は、支持部74bを除き、バネ75の付勢力によって本体部74cに設けられた案内部M、停留部Q、および退出部Lの任意の位置において停留部材73の先端部と接触することができるように構成されている。
図12、図13、および図14は、ハンドルレバー49が略最大角度回転したとき、停留部材73が停留部Qに停留することによりハンドルレバー49を略最大角度回転させた状態で保持する方法、およびその保持を解除する方法を説明する概略図である。図12(a)、図13(a)、および図14は、操作用ハンドル4を正面側から見た図であり、遊技者側から見た操作用ハンドル4の操作状態を示している。また、図12(b)は図12(a)の操作状態における操作用ハンドル4の内部構造であり、操作用ハンドル4の背面側から見た図である。また図13(b)は図13(a)の操作状態における操作用ハンドル4の内部構造であり、操作用ハンドル4の背面側から見た図である。
図12(a)および(b)は、いずれもハンドルレバー49が初期位置にある状態の図である。図12(b)に示されているように、ハンドルレバー49が初期位置にある状態においては、ハートカム74の段差B1および入出部E1は、ガイド長孔70aと対応する位置、すなわち、停留部材73が移動する軌道上に位置している。またこのとき停留部材73は、ガイド長孔70a内において一方端に位置している。さらに、ハンドルレバー49が初期位置にある状態に限られないが、ハートカム74の揺動軸となるホルダ71の軸部71cは、ガイド長孔70aと対応する位置、すなわち、停留部材73が移動する軌道上に位置している。
図13(a)および(b)は、ハンドルレバー49が略最大角度回転した状態で保持されている状態、すなわち所定の回動操作を経てハンドルレバー49が右打操作状態で保持されている状態の図である。この状態では、停留部材73は、ガイド長孔70aの他方端近傍に位置し、またハートカム74は、図12(b)に示される状態から図13(b)に示される状態に至る。この状態に至るまでの過程で、ハートカム74は、軸部71cを中心に揺動する。そして図13(b)に示すように、停留部材73は、ハートカム74の停留部Qに位置する状態となり、ハンドルレバー49が保持される。
上述したように、ハンドルレバー49には戻りバネ49cが取り付けられており、遊技者がハンドルレバー49を初期位置から時計回りに回転させれば、初期位置に向けて戻りバネ49cによる付勢力が大きくなり、遊技者の手首や腕に負担がかかる。本実施形態では、遊技盤10の盤面上に配置された各種部材の配置態様等により、時短遊技状態および長当たり設定時の大入賞口開放遊技状態という2つの遊技状態(右打遊技状態)において右打操作が必要となるが、バネはその変位に比例して弾性力が大きくなるため、ハンドルレバー49を右打操作状態、つまり基台部50に対して時計回りに略最大角度回転させた位置で保持することは、特に遊技者の手首や腕に大きな負担をかけることになる。そこで、上記のような、遊技機1が右打操作状態でハンドルレバー49を保持する保持手段を備えれば、右打操作が必要となる遊技状態になったとしても、ハンドルレバー49は前記保持手段により右打操作状態で保持されるので、遊技者は力を入れずして右打操作を行うことが可能となり、遊技機1において遊技する際に遊技者の手や手首にかかる負担が軽減されることになる。
図14は、ハンドルレバー49が略最大角度回転位置で保持されている状態から、さらにハンドルレバー49を僅かにH1方向(時計回り)に回動させた状態の図である。後述するように、この回動操作によって、停留部材73は、停留部Qから離脱して、退出部L上に至る。そして、戻りバネ49c等の付勢力によって、停留部材73は退出部Lに沿って移動し、第1案内路M1を経てハートカム74から排出され、ハンドルレバー49の略最大角度回転状態での保持が解除される。すなわち、ハンドルレバー49の略最大角度回転位置での保持を解除するには、遊技者は、ハンドルレバー49が保持されている状態からハンドルレバー49を僅かに時計回りに回動させればよい。すると、その後ハンドルレバー49は、戻りバネ49c等の付勢力により自動的に反時計回りに初期位置まで回動し、ハンドルレバー49の保持が解除されることになる。
図15は、ハンドルレバー49が略最大角度回転位置で保持され、またその保持が解除される過程で、ハンドルレバー49の回動に伴って、停留部材73がハートカム74に進入し、停留部Qを経て、ハートカム74から退出するまでの移動経路および移動方向を、ハートカム74に対して固定された視点から表した平面図である。
図15に示す位置P1a、位置P2a、位置P3a、位置P4a、および位置P5aは、いずれもハートカム74上を移動する停留部材73の位置を示している。また、位置P0aは、ハートカム74に進入する直前の停留部材73の位置を示している。矢印D1a、矢印D2a、矢印D3a、矢印D4a、矢印D5a、および矢印D6aはいずれも、ハンドルレバー49が回動操作されることに伴って略最大角度回転位置で保持され、さらにハンドルレバー49の保持が解除されることに伴ってハンドルレバー49が反時計回りに回動することにより、停留部材73が通過する経路および移動方向を示す矢印である。以下においては、図15に加え、図16、図17、図18、図19、図20、および図21を参照しつつ、これら矢印D1aから矢印D6aまでの各経路における停留部材73とハートカム74との位置関係および相互作用について詳述する。尚、図15において、ガイド長孔70aは、位置P0aと位置P1aとの間に停留部材73がある場合のものを示した。また、図16、図17、図18、図19、図20、および図21のいずれにおいても、(a)および(b)は同一の状態を示す図であり、(a)がハートカム74に対して固定された視点からの平面図、そして(b)がガイド長孔70aおよびホルダ71に対して固定された視点、すなわち固定板70に対して固定された視点からの平面図となっている。
図16(a)および(b)は、図15において停留部材73がハートカム74外の位置P0aからハートカム74上の位置P1aへ移動する場合の、停留部材73とハートカム74との位置関係および相互作用について説明する平面図である。停留部材73が図16(a)において位置P0aにあるとき、図16(b)では位置P0bにあり、図16(a)において位置P1aにあるとき、図16(b)では位置P1bにある。また、停留部材73が図16(a)において矢印D1aに沿って移動するとき、図16(b)においては矢印D1bに沿って移動する。図16(b)において停留部材73が位置P0bにある状態からハンドルレバー49が時計回りに回動することで、停留部材73はガイド長孔70aを矢印D1bに沿って移動する。そして停留部材73は位置P1bに至り、段差B1と接触する。
以上の過程を、図16(a)を用いて説明すると、次のようになる。すなわち、ハンドルレバー49が所定の回転位置にある場合、停留部材73は位置P0aにあり、この状態からハンドルレバー49が時計回りに回動すれば、停留部材73はハートカム74上を矢印D1aに沿って移動する。その結果、停留部材73は位置P1aに至り、段差B1と接触する。尚、停留部材73が位置P0aから位置P1aへ至るまでは、停留部材73はハートカム74に対して固定板70の平行方向への力を加えないので、ハートカム74は軸部71cを中心とした揺動を行わない。従って、矢印D1aは、ガイド長孔70aと同じ円弧状をしている。
図17(a)および(b)は、図15において停留部材73がハートカム74上の位置P1aから位置P2aへ移動する場合の、停留部材73とハートカム74との位置関係および相互作用について説明する平面図である。停留部材73が図17(a)において位置P2aにあるとき、図17(b)では位置P2bにある。また、停留部材73が図17(a)において矢印D2aに沿って移動するとき、図17(b)においては矢印D2bに沿って移動する。図17(b)において停留部材73が位置P1bにあるとき、停留部材73は第1案内路M1上の位置P1bにおいて段差B1と接触している。またハートカム74はバネ75によって押圧付勢されているため、第1案内路M1の床面は停留部材73に対して押しつけられた状態となっている。そのため、停留部材73が位置P1bにある状態でハンドルレバー49を時計回り方向に回動させても、停留部材73はこの段差B1を乗り越えられず、第2退出路L2へ進入することはできない。つまり、この段差B1により、ハートカム74におけるひとつの一方通行経路が形成されている。また段差B1は、停留部材73が位置P1bから位置P2bへ移動する際に、ガイド長孔70a内の矢印D2bに沿った進路を遮る形で横断している。この状態で、ハンドルレバー49に時計回り方向に回動させる力が加えられると、停留部材73は段差B1に対して段差壁面に垂直な方向の力F1を加える。この力F1によってハートカム74は軸部71cを中心として矢印A3方向に揺動する。そして更にハンドルレバー49が時計回り方向へ回動すれば、ハートカム74の揺動角度は大きくなり、それに伴って段差B1は徐々にガイド長孔70aの外部へ追いやられる。その結果、停留部材73が移動するための矢印D2bに沿った進路が確保されるようになる。停留部材73はこの確保された進路を矢印D2bに沿って移動していく。その後、段差B1のほぼ全体がガイド長孔70aの外部へ追いやられれば、停留部材73と段差B1とは接触しなくなり、停留部材と段差B1とが力を及ぼしあわなくなる。そして更なるハンドルレバー49の時計回り方向への回動によって、停留部材73は矢印D2bに沿ってガイド長孔70a内を位置P2bに向けて移動する。このとき、ハートカム74の本体部74cは、図17(b)において破線で示す位置Z1にある。
以上の過程は、図17(a)においては次のようにして説明される。停留部材73は第1案内路M1上の位置P1aにあり、この状態からハンドルレバー49が時計回り方向へ回動すると、停留部材73は段差B1と接触しながら、矢印D2aに沿って第1案内路M1を位置P1aから位置P2aへ向けて移動する。停留部材73と段差B1とが接触している間、停留部材73は段差B1に対して上述した図17(b)における力F1を加え続ける。さらにハンドルレバー49が時計回り方向へ回動すると、やがて停留部材73と段差B1とは接触しなくなる。そして停留部材73は、壁面W2と接触しながら矢印D2aに沿って第1案内路M1を移動する。そして段差B2に至った停留部材73は、その段差B2を通過し、第1案内路M1から第2案内路M2へと進入して位置P2aに至る。
図18(a)および(b)は、図15において停留部材73がハートカム74上の位置P2aから位置P3aへ移動する場合の、停留部材73とハートカム74との位置関係および相互作用について説明する平面図である。停留部材73が図18(a)において位置P3aにあるとき、図18(b)では位置P3bにある。また、停留部材73が図18(a)において矢印D3aに沿って移動するとき、図18(b)においては矢印D3bに沿って移動する。図18(b)において停留部材73が位置P2bにあるとき、停留部材73は第2案内路M2において段差B2と接触している。またハートカム74はバネ75によって押圧付勢されているため、第2案内路M2の床面は停留部材73に対して押しつけられた状態となっている。そのため、停留部材73が位置P2bにある状態でハンドルレバー49に対して戻りバネ49cによる付勢力が作用しても、停留部材73はこの段差B2を乗り越えられず、第1案内路M1へ戻ることはできない。つまり、この段差B2により、ハートカム74におけるひとつの一方通行経路が形成されている。また段差B2は、停留部材73が位置P2bから位置P3bへ移動する際に、ガイド長孔70a内の矢印D3bに沿った進路を遮る形で横断している。そのため、戻りバネ49c等の付勢力によって、ハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動し始めると、停留部材73は段差B2に対して段差壁面に垂直な方向の力F2を加える。この力F2によってハートカム74は軸部71cを中心として矢印A4方向に揺動する。そして更に戻りバネ49c等の付勢力によってハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動すれば、ハートカム74の揺動角度は大きくなり、それに伴って段差B2はガイド長孔70aの外部へ追いやられる。その結果、停留部材73が移動するための矢印D3bに沿った進路が確保されるようになる。停留部材73はこの確保された進路を矢印D3bに沿って移動していく。その後、段差B2のほぼ半分がガイド長孔70aの外部へ追いやられると、停留部材73は第2案内路M2と停留部Qの間に設けられた段差B3を通過し、停留部Qに対応する位置P3bへ至る。停留部材73が位置P3bに至ると、停留部材73と段差B2とは接触しなくなる。そして停留部材73は、停留部Qにおいて、戻りバネ49c等の付勢力によりハートカム74の中央に起立する突起部743の壁面W1と係合する。その結果、ハンドルレバー49は略最大角度回転位置において保持される。このとき、ハートカム74の本体部74cは、図18(b)において破線で示す位置Z2にある。
以上の過程は、図18(a)においては次のようにして説明される。停留部材73が第2案内路M2上の位置P2aにある状態で、ハンドルレバー49が戻りバネ49c等の付勢力によって反時計回り方向へ回動すると、停留部材73は段差B2と接触しながら、矢印D3aに沿って第2案内路M2を位置P2aから位置P3aへ向けて移動する。停留部材73と段差B2とが接触している間、停留部材73は段差B2に対して上述した図18(b)における力F2を加え続ける。更にハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動すると、やがて停留部材73と段差B2とが接触しなくなる。そして停留部材73は段差B3を通過し、停留部Qに対応する位置P3aへ至る。そして、停留部Qにおいて、停留部材73は突起部743の壁面W1から戻りバネ49c等の付勢力と釣り合う抗力を受け、停留部Qに停留する。つまり、停留部材73の側面と突起部743の壁面W1とが面接触することによって互いに係合状態となるので、ハンドルレバー49に対して戻りバネ49cによる付勢力が作用しても、ハンドルレバー49はその付勢力に抗して停留部Qに留まる状態となる。したがって、遊技者がハンドルレバー49に対して力を加えなくとも、ハンドルレバー49は、基台部50に対して略最大角度回転位置で保持される。
図19(a)および(b)は、図15において停留部材73がハートカム74上の位置P3aから位置P4aへ移動する場合の、停留部材73とハートカム74との位置関係および相互作用について説明する平面図である。停留部材73が図19(a)において位置P4aにあるとき、図19(b)では位置P4bにある。また、停留部材73が図19(a)において矢印D4aに沿って移動するとき、図19(b)においては矢印D4bに沿って移動することになる。図19(b)において停留部材73が位置P3b、すなわち停留部Qにあるとき、上述したようにハンドルレバー49は略最大角度回転位置にある。このとき、停留部材73は、段差B3と接触している。またハートカム74はバネ75によって押圧付勢されているため、停留部Qの床面は停留部材73に対して押しつけられた状態となっている。そのため、停留部材73が位置P2bにある状態で遊技者がハンドルレバー49を時計回り方向に回動させても、停留部材73はこの段差B3を乗り越えられず、第2案内路M2へ戻ることはできない。つまり、この段差B3により、ハートカム74におけるひとつの一方通行経路が形成されている。また、第1退出路L1と第2案内路M2との間の壁面W7は、停留部材73が位置P3bから位置P4bへ移動する際のガイド長孔70a内の進路を遮る形で、矢印D4b方向に向かうに従って、ガイド長孔70aの長手方向一方側部から中心線へ寄るように設けられている。この状態でハンドルレバー49に、時計回り方向に回動させる力を加えると、停留部材73は、壁面W7に対して壁面W7に垂直な方向の力F3を加える。この力F3によってハートカム74は軸部71cを中心として矢印A4方向に揺動する。そして更にハンドルレバー49が時計回り方向へ回動すれば、ハートカム74はその揺動角度を大きくし、それに伴って壁面W7は徐々にガイド長孔70aの外側方向へ追いやられる。その結果、停留部材73が移動するための矢印D4bに沿った進路が確保されるようになる。そして停留部材73は、壁面W7と接しながら矢印D4bに沿ってガイド長孔70a内を移動して位置P4bに至る。このとき、ハートカム74の本体部74cは、図19(b)において破線で示す位置Z3にある。
以上の過程は、図19(a)においては次のようにして説明される。ハンドルレバー49が略最大角度回転位置で保持されているとき、停留部材73は位置P3aにある。この状態からハンドルレバー49が更に時計回り方向へ回動操作されると、停留部材73は、壁面W7と接触しながら、矢印D4aに沿って位置P3a、すなわち停留部Qから第1退出路L1における位置P4aに向かって移動する。そして停留部材73が壁面W7に接触して移動している間は、停留部材73が位置P4aに至るまで、停留部材73は壁面W7に対して上述した図19(b)における力F3を加え続ける。この移動によって、停留部材73は、第1退出路L1と停留部Qとの間に設けられた段差B4を通過し、第1退出路L1上の位置P4aへ至る。これにより、停留部材73は停留部Qから離脱するので、停留部材73と突起部743の壁面W1との係合状態が解除され、それに伴いハンドルレバー49の保持状態も解除される。そして位置P4aにおいて、停留部材73は段差B4と接触している。
図20(a)および(b)は、図15において停留部材73がハートカム74上の位置P4aから位置P5aへ移動する場合の、停留部材73とハートカム74との位置関係および相互作用について説明する平面図である。停留部材73が図20(a)において位置P5aにあるとき、図20(b)では位置P5bにある。また、停留部材73が図20(a)において矢印D5aに沿って移動するとき、図20(b)においては矢印D5bに沿って移動する。図20(b)において停留部材73が位置P4bにあるとき、停留部材73は第1退出路L1において段差B4と接触している。またハートカム74はバネ75によって押圧付勢されているため、第1退出路L1の床面は停留部材73に対して押しつけられた状態となっている。そのため、停留部材73が位置P4bにある状態でハンドルレバー49が戻りバネ49cの付勢力によって反時計回り方向に回動しても、停留部材73はその段差B4を乗り越えられず、停留部Qへ戻ることはできない。つまり、この段差B4により、ハートカム74におけるひとつの一方通行経路が形成されている。また段差B4は、停留部材73が位置P4bから位置P5bへ移動する際に、ガイド長孔70a内の矢印D5bに沿った進路を遮る形で横断している。そのため、ハンドルレバー49に戻りバネ49c等の付勢力が作用してハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動し始めると、停留部材73は段差B4に対して段差壁面に垂直な方向の力F4を加える。この力F4によってハートカム74は軸部71cを中心として矢印A4方向に揺動する。そして更に戻りバネ49c等の付勢力によってハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動すれば、ハートカム74の揺動角度は大きくなり、それに伴って段差B4はガイド長孔70aの外部へ追いやられる。その結果、停留部材73が移動するための矢印D5bに沿った進路が確保されるようになる。停留部材73はこの確保された進路を矢印D5bに沿って移動していく。その後、段差B4のほぼ全体がガイド長孔70aの外部へ追いやられれば、停留部材73と段差B4とは接触しなくなる。そして停留部材73は位置P5bへ至る。このとき、ハートカム74の本体部74cは、図20(b)において破線で示す位置Z4にある。
以上の過程は、図20(a)においては次のようにして説明される。停留部材73が位置P4aにある状態からハンドルレバー49が戻りバネ49c等の付勢力によって反時計回り方向へ回動すると、段差B4と接触しながら、矢印D5aに沿って第1退出路L1を位置P4aから位置P5aへ向けて移動する。停留部材73と段差B4とが接触している間、停留部材73は段差B4に対して上述した図20(b)における力F4を加え続ける。そして更にハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動すると、やがて停留部材73と段差B4とが接触しなくなり、停留部材73と壁面W3又はW4とが接触するようになって、停留部材73が位置P5aへ至る。
図21(a)および(b)は、図15において停留部材73がハートカム74上の位置P5aから位置P0aへ移動する場合の、停留部材73とハートカム74との位置関係および相互作用について説明する平面図である。停留部材73が図21(a)において矢印D6aに沿って移動するとき、図21(b)においては矢印D6bに沿って移動する。図21(b)において停留部材73が位置P5bにあるとき、停留部材73は、第2退出路L2上において、壁面W3又はW4と接触している。壁面W3は、停留部材73が位置P5bから位置P0bへ移動する際のガイド長孔70a内の進路を遮る形で、矢印D6b方向に向かうに従って、ガイド長孔70aの長手方向一方側部から中心線へ寄るように位置している。ハンドルレバー49が戻りバネ49c等の付勢力によって反時計回り方向へ回動し始めると、停留部材73は壁面W3に対して、壁面W3に垂直な方向の力F5を加える。この力F5によってハートカム74は軸部71cを中心として矢印A4方向に揺動する。そして更にハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動すれば、ハートカム74の揺動角度は大きくなり、それに伴って壁面W3はガイド長孔70aの長手方向一方側部側に追いやられる。その結果、停留部材73が移動するための矢印D6bに沿った進路が確保されるようになる。停留部材73は、この確保された進路を壁面W3と接しながら矢印D6bに沿って移動し、やがて段差B1を通過して第1案内路M1に至る。第1案内路M1に至った停留部材73は壁面W3と接触しなくなる。このときハートカム74の本体部74cは、図21(b)において破線で示す位置Z5に位置している。第1案内路M1に至った停留部材73は、そのままハートカム74上の壁面や段差と接触することなく、ハンドルレバー49の更なる反時計回り方向への回動に伴い、矢印D6bに沿って移動する。そして、停留部材73は入出部E1を通って本体部74cから退出し、ハートカム74から離れた位置P0bに至る。尚、この後、ハンドルレバー49は、戻りバネ49cの付勢力によって初期位置まで戻される。
以上の過程は、図21(a)においては次のようにして説明される。停留部材73は壁面W3又はW4と接しながら位置P5aにある。この状態から戻りバネ49c等の付勢力によりハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動すると、停留部材73は、壁面W3と接触しながら、矢印D6aに沿って第2退出路L2を位置P5aから段差B1に向けて移動する。停留部材73と壁面W3とが接触している間は、停留部材73は壁面W3に対して上述した図21(b)における力F5を加え続ける。そして更にハンドルレバー49が反時計回り方向へ回動すると、やがて停留部材73は段差B1を通過して第1案内路M1上に乗る。更なるハンドルレバー49の反時計回り方向への回動に伴って、停留部材73はハートカム74上を矢印D6aに沿って移動し、ハートカム74から離れる。尚、停留部材73が第1案内路M1に乗ってから位置P0aに至るまでは、停留部材73はハートカム74に対して固定板70の平行方向への力を加えないので、ハートカム74は位置Z5から移動しない。従って、矢印D6aのうち、第1案内路M1上に乗ってから位置P0aに至るまでの部分は、ガイド長孔70aと同じ円弧状をしている。
図22(a)および(b)は、停留部材73とハートカム74との位置関係を示す断面図である。ハートカム74は、その支持部74bがホルダ71の内面71hとほぼ平行となるように保持されている。また上述したように、ハートカム74の本体部74cは、支持部74bに対して若干傾斜した角度となっている。また図22(a)に示すように、本体部74cに設けられた第1案内路M1は、第2案内路M2に向かって上昇傾斜しており、段差B2を介して第2案内路M2に接続されている。また図22(b)に示すように、本体部74cに設けられた第1退出路L1および第2退出路L2は、支持部74bに向かってそれぞれ上昇傾斜している。
図22(a)は、図17(b)において、停留部材73が第1案内路M1上にある状態で、案内部M上を案内部Mの長手方向に沿って切断したものを、壁面W4およびW6方向から見た断面図である。このとき、停留部材73は、ハンドルレバー49の時計回り方向への回動操作に伴って第1案内路M1上を矢印D2a方向に進んでいる。停留部材73が第1案内路M1に進入すると、ハートカム74において第1案内路M1の床面が停留部材73の先端部と接触するようになる。そして停留部材73が更に第1案内路M1を矢印D2a方向に移動すると、第1案内路M1の床面が上昇傾斜しているため、停留部材73の移動量に応じてハートカム74が矢印A2方向へ押し下げられてバネ75を圧縮する。そして停留部材73が第1案内路M1から段差B2を通過して第2案内路M2に至ると、バネ75が復元してハートカム74を押し上げる。これにより、第2案内路M2の床面と停留部材73の先端部とが接触するようになる。このとき、停留部材73に対して第2案内路M2から第1案内路M1に戻そうとする力が作用した場合でも、段差部B2が停留部材73と係合するようになるので、停留部材73が第1案内路M1に戻ることを規制することができる。
図22(b)は、図21(b)において、停留部材73が第2退出路L2上にある状態で、退出部L上を退出部Lの長手方向に沿って切断したものを、壁面W5方向から見た断面図である。このとき、停留部材73はハンドルレバー49の反時計回り方向への回動に伴って第2退出路L2上を矢印D6a方向に進んでいる。停留部材73が第2退出路L2を矢印D6a方向に移動すると、第2退出路L2の床面が上昇傾斜しているため、停留部材73の移動量に応じてハートカム74が矢印A2方向へ押し下げられてバネ75を圧縮する。そして停留部材73が第2退出路L2から段差B1を通過して第1案内路M1に至ると、バネ75が復元してハートカム74を押し上げる。これにより、第1案内路M1の床面と停留部材73の先端部とが接触するようになる。このとき、停留部材73に対して第1案内路M1から第2退出路L2に進入させようとする力が作用した場合でも、段差部B1が停留部材73と係合するようになるので、停留部材73が第2退出路L2に戻ることを規制することができる。
また、この他にも、本体部74cの各経路に設けられた段差部は、バネ75による付勢力により、停留部材73と係合することができるようになっており、それにより、停留部材73が各経路を戻り方向へ移動することを規制する。
次に図23は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板100と、メイン制御基板100から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板200とが設けられている。サブ制御基板200は、払出制御基板120、演出制御基板130、画像制御基板140、ランプ制御基板150、発射制御基板160等で構成されている。
メイン制御基板100は、CPU101とROM102とRAM103とを備えている。このメイン制御基板100には、遊技球が第1始動口19に入球したことを検知する第1始動口スイッチ81、遊技球が第2始動口21に入球したことを検知する第2始動口スイッチ82、電動チューリップ20を開閉させる電チューソレノイド91、遊技球がスルーゲート16を通過したことを検知するゲートスイッチ92、遊技球が普通入賞口18に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ93、遊技球が大入賞口22に入球したことを検知する大入賞口スイッチ94、役物23を開閉駆動させる大入賞口ソレノイド95、普通図柄表示器61、普通図柄保留表示器62、第1特別図柄表示器63、第1特別図柄保留表示器64、第2特別図柄表示器65および第2特別図柄保留表示器66が接続されている。
そしてメイン制御基板100は、第1始動口スイッチ81、第2始動口スイッチ82、普通入賞口スイッチ93および大入賞口スイッチ94のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合、払出制御基板120に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板120は、CPU121とROM122とRAM123とを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モータ124を制御するように構成されており、メイン制御基板100から賞球コマンドを入力すると、入球した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
またメイン制御基板100は上述の大当たり抽選や普通図柄の抽選を行うように構成されている。例えば遊技球がスルーゲート16を通過した場合、電動チューリップ20を開閉するための普通図柄抽選を行い、当選すれば電チューソレノイド91を所定時間若しくは所定回数駆動させて電動チューリップ20を開放させる。また遊技球が第1始動口19や第2始動口21に入球したことを検知した場合には、大当たり抽選を行い、特別図柄の変動表示を開始すると共に、その抽選結果に応じた演出を行わせるべく、演出制御基板130に対して信号やコマンドを送出する。したがって、遊技機1では、第1特別図柄表示器63又は第2特別図柄表示器65での特別図柄の変動表示に伴って、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が開始され、予告演出やリーチ演出などの各種演出が実行される。また遊技球が第1始動口19や第2始動口21に入球したことを検知したとき、特別図柄の変動表示中である場合、メイン制御基板100はその入球に伴う特別図柄の変動表示を保留する。さらに大当たり抽選に当選した場合、メイン制御基板100は特別図柄の変動表示後にその当たり種別に対応した特別図柄を表示し、その当たり種別に応じてサブ制御基板200の各部を制御することにより、遊技機1をその当たり種別に対応した大入賞口開放遊技へと移行させる。
演出制御基板130は、CPU131とROM132とRAM133とリアルタイムクロック(RTC)134とを備えており、メイン制御基板100からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定し、画像制御基板140とランプ制御基板150のそれぞれを制御することにより、各種の演出を実行する。リアルタイムクロック(RTC)134は、電源投入の有無にかかわらず、リアルタイムに現在時刻をカウントする時計回路(計時手段)である。
また演出制御基板130は、所定の条件を満たすことによって、所定のタイミングで、ハンドルランプ59を点灯又は点滅させることにより、遊技者の大当たりへの期待感をより一層高揚させるような特別な演出を実行する。例えば、演出制御基板130が、装飾図柄の変動表示が「大当たり」となる場合にのみ所定条件下でハンドルランプ59を点灯又は点滅させることとすれば、ハンドルランプ59が点灯又は点滅する演出は大当たり確定演出となり、装飾図柄の変動表示中(又は、リーチ演出の途中)にハンドルランプ59が点灯又は点滅すると、リーチ演出の後に3列の装飾図柄が揃った状態で停止し、必ず大当たりが発生する。したがって、遊技者は、画像表示器8における装飾図柄の変動表示が開始されると、3列の装飾図柄が全て停止するまでの間に、ハンドルランプ59が点灯したり、又は点滅したりする大当たり確定演出が行われることを期待するようになる。
さらに演出制御基板130は、遊技機1が右打遊技状態である場合に所定の処理を行い、また遊技機1が右打遊技状態でない場合にも、別の所定の処理を行うが、これらの処理については後述する。
画像制御基板140は、CPU141とROM142とRAM143とVRAM144とを備えており、演出制御基板130からの指示に基づいて画像表示器8における装飾図柄の変動表示を行うと共に、演出制御基板130から指定された図柄でその変動表示を停止させるなど、画像表示器8での表示画像を制御する。また画像制御基板140は、演出制御基板130からの指定に基づいてリーチ演出や連続演出などにおいて画像表示器8にキャラクタを出現させるなどの各種の演出を行う。VRAM144は、画像表示器8に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU141はこのVRAM144に対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器8に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示することができる。また画像制御基板140は、スピーカ5から演出用の効果音などを発生させるように構成されている。
ランプ制御基板150は、CPU151とROM152とRAM153とを備えており、演出制御基板130からの指示に基づいて上述したハンドルランプ59などを含む各種ランプ97を個別に点灯又は点滅制御すると共に、演出用役物32などを駆動するための役物駆動部98を制御するように構成されている。
発射制御基板160は、遊技盤10の遊技領域13に対して遊技球を発射するためのモータやソレノイドなどで構成された発射部(発射手段)165を制御するものである。発射制御基板160は、払出制御基板120に接続されており、払出制御基板120から遊技球の発射に関する許可或いは不許可の信号を受信する。発射制御基板160は、払出制御基板120から遊技球の発射が許可されている状態で、操作用ハンドル4に対する遊技者のハンドル操作に基づいて発射部165を駆動し、遊技盤面10aに対して遊技球を所定の時間間隔で打ち出すように制御する。
図24は本実施形態における操作用ハンドル4と、発射制御基板160と、発射部165と、演出制御基板130と、メイン制御基板100と、画像制御基板140と、ランプ制御基板150との相互接続関係を示すブロック図である。図24に示すように、メイン制御基板100は遊技機1における動作全般を統括的に制御する遊技制御部110を備えている。演出制御基板130は、右打状態処理部135と、コマンド処理部138を備えており、右打状態処理部135はさらに、右打操作状態報知部139と、右打遊技状態報知部137とを備えている。発射制御基板160は、発射制御部161と、右打検知部162と、接触検知部163とを備えている。遊技制御部110、右打検知部162、および接触検知部163は右打状態処理部135に接続されている。また、操作用ハンドル4の上述したタッチセンサ53、操作角度センサ54および発射停止スイッチ52は、発射制御基板160の発射制御部161に接続されている。
遊技制御部110は、遊技機1が、時短遊技状態または長当たり設定時の大入賞口開放遊技状態の2つの状態のうちいずれか一方の状態、すなわち右打遊技状態であれば、右打状態処理部135へ遊技機1が右打遊技状態であることを示す右打遊技信号SG1を出力する。
タッチセンサ53は、遊技者の手などの人体がハンドルレバー49に触れている場合、それを示す信号を発射制御部161に出力する。操作角度センサ54は、ハンドルレバー49の操作角度を検知して、操作角度に応じた信号を発射制御部161に出力する。発射停止スイッチ52はオン状態となっている場合、発射制御部161に発射停止信号を出力する。
発射制御部161は、これらタッチセンサ53、操作角度センサ54および発射停止スイッチ52からの各出力信号に基づいて発射部165を制御する。すなわち、発射停止スイッチ52から発射停止信号を受信していないとき、タッチセンサ53によって遊技者がハンドルレバー49に触れていることが検知されており、かつ、操作角度センサ54によってハンドルレバー49が所定角度以上回転していることが検知されている発射操作状態である場合、発射部165をハンドルレバー49の操作角度に応じた駆動力で駆動することにより、遊技球を発射させる。
右打検知部162は、ハンドルレバー49を基台部50に対して時計回りに略最大角度回転させた状態、すなわち右打操作状態であることを検知するものであり、操作角度センサ54から、発射制御部161を経由してハンドルレバー49を基台部50に対して時計回りに略最大角度回転させた状態に対応する信号が送信されてくれば、右打状態処理部135に対して右打操作状態であることを示す右打操作信号SG2を出力するように構成されている。接触検知部163は、遊技者などの人体がハンドルレバー49に接触している状態であることを検知するものであり、タッチセンサ53から、発射制御部161を経由して遊技者がハンドルレバー49に接触している状態に対応する信号が送信されてくれば、右打状態処理部135に対して接触状態であることを示す接触信号SG3を出力するように構成されている。
右打操作状態報知部139は、右打遊技信号SG1、右打操作信号SG2および接触信号SG3が所定の入力状態にあれば、遊技機1が右打遊技状態でないにもかかわらず右打操作されていることの報知(以下、これを右打操作状態の報知という)を遊技者やホールの従業員等に対して行うためのコマンドをセットする。このコマンドに基づいて、画像制御基板140およびランプ制御基板150は、遊技者やホールの従業員等に対する右打操作状態報知を実行する。尚、右打操作状態報知は、例えば、遊技機1が右打遊技状態でないにもかかわらず右打操作されている旨を画像表示器8に表示したり、枠ランプ6を所定の態様で点灯消滅させたり、スピーカ5から所定の音声を流したりすることによって行われる。
右打遊技状態報知部137は、右打遊技信号SG1および右打操作信号SG2が所定の入力状態にあれば、遊技機1が右打遊技状態であるにもかかわらず右打操作がされていない事実の報知(以下、これを右打遊技状態の報知という)を遊技者に対して行うためのコマンドをセットする。このコマンドに基づいて、画像制御基板140又はランプ制御基板150が、遊技者に対する右打遊技状態報知を実行する。尚、右打遊技状態の報知は、例えば、遊技機1が右打遊技状態であるにもかかわらず右打操作がされていない旨を画像表示器8に表示したり、枠ランプ6を所定の態様で点灯消滅させたり、スピーカ5から所定の音声を流したりすることによって行われる。
次に、遊技機1の動作について更に詳しく説明する。まずメイン制御基板100における動作について説明する。図25は、遊技制御部110の主要動作を示すフローチャートである。遊技制御部110は、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除く通常の動作時において図25に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、遊技制御部110は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、普通図柄処理(ステップS108)、大入賞口処理(ステップS109)、電動チューリップ(電チュー)処理(ステップS110)、遊技状態判断処理(ステップS111)、および出力処理(ステップS112)を順次実行し、それらが終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS113)を繰り返し実行する。そして一定時間が経過し、タイマによる割込が発生すれば、再び乱数更新処理(ステップS101)以降の処理が実行され、以降これが繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、RAM103に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数などの各種乱数の値を更新する。また第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、遊技制御部110が第1始動口スイッチ81の状態を監視し、第1始動口スイッチ81がオンとなった場合に大当たり乱数などの各種乱数を取得するための処理を実行する。また第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、遊技制御部110が第2始動口スイッチ82の状態を監視し、第2始動口スイッチ82がオンとなった場合に大当たり乱数などの各種乱数を取得するための処理を実行する。またゲートスイッチ処理(ステップS104)では、遊技制御部110がゲートスイッチ92の状態を監視し、ゲートスイッチ92がオンとなった場合に普通図柄を抽選するための処理を実行する。また各種スイッチ処理(ステップS105)では、遊技制御部110がその他全てのスイッチ(例えば普通入賞口スイッチや大入賞口スイッチなど)からの入力処理を行う。また賞球処理(ステップS106)では、遊技制御部110が各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する。また特別図柄処理(ステップS107)では、遊技制御部110において特別図柄の変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。また普通図柄処理(ステップS108)では、遊技制御部110において普通図柄変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。また大入賞口処理(ステップS109)では、役物23が大入賞口22を開閉する動作が制御される。電動チューリップ処理(ステップS110)では、遊技制御部110が所定の条件に基づいて電動チューリップ20の開閉動作を制御する。遊技状態判断処理(ステップS111)では、遊技制御部110が遊技機1の遊技状態を判断し、所定の遊技状態であればその遊技状態を示す信号を生成する処理が行われる。また出力処理(ステップS112)では、遊技制御部110が払出制御基板120および演出制御基板130に対して制御用コマンドや信号などを出力する。各基板に出力するコマンドや信号は、ステップS102〜S111までの各処理において生成され、予めRAM103にセットされているので、この出力処理ではRAM103にセットされたコマンドや信号を読み出して出力する。そして初期値乱数更新処理(ステップS113)では、遊技制御部110により、RAM103に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数などの各種乱数の初期値が更新される。プログラム実行における残余時間は、この初期値乱数更新処理(ステップS113)を繰り返し実行することにより、各種乱数の初期値をその都度更新することができる。プログラムの残余時間は、遊技機1の状態によって毎回異なるので、各種乱数の初期値の更新は不規則なものとなる。そのため、大当たりを不正に発生させようとした場合でも大当たり乱数の初期値が不明なため、大当たり乱数が大当たりの当選値となるタイミングを知ることができず、ひいては不正を防止することができる。
図26は、第1始動口スイッチ処理(図25のステップS102)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、第1始動口19に遊技球が入球して第1始動口スイッチ81がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第1始動口スイッチ81がオンになっていない場合には第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ81がオンになっていれば、第1始動口19に入球したことによる保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして第1始動口19に入球したことによる大当たり抽選のための各種乱数を取得し、それら乱数値をRAM103に格納して第1始動口スイッチ処理を終了する。(ステップS204)。このとき取得した大当たり乱数の値によって、第1始動口19への入球に伴う大当たり抽選が「大当たり」又は「小当たり」のいずれかに当選しているか、或いは「ハズレ」であるかが確定する。また「大当たり」である場合、取得した図柄乱数の値によってその「大当たり」の種類が確定する。また「ハズレ」である場合、取得したリーチ乱数の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。
図27は、第2始動口スイッチ処理(図25のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、第2始動口21に遊技球が入球して第2始動口スイッチ82がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで第2始動口スイッチ82がオンになっていない場合には第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ82がオンになっていれば、第2始動口に入球したことによる保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして第2始動口21に入球したことによる大当たり抽選のための各種乱数を取得し、それら乱数値をRAM103に格納して第2始動口スイッチ処理を終了する。(ステップS304)。このとき読み出した大当たり乱数の値によって、第2始動口21への入球に伴う大当たり抽選が「大当たり」又は「小当たり」のいずれかに当選しているか、或いは「ハズレ」であるかが確定する。また「大当たり」である場合、読み出した図柄乱数の値によってその「大当たり」の種類が確定する。また「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。
図28は、ゲートスイッチ処理(図25のステップS104)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート16を遊技球が通過してゲートスイッチ92がオンになったか否かを判断する(ステップS401)。ここでゲートスイッチ92がオンになっていない場合にはゲートスイッチ処理を終了する。ゲートスイッチ92がオンになっていれば、普通図柄抽選の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS402)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS402でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップS402でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS403)。そして遊技球がスルーゲート16を通過したことによる普通図柄の抽選のための乱数を読み出し、その乱数値を、RAM103に格納してゲートスイッチ処理を終了する(ステップS404)。尚、このとき読み出される乱数の値により、遊技球がスルーゲート16を通過したことによる普通図柄抽選の当否が確定する。
次に図29は、特別図柄処理(図25のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が「大当たり」や「小当たり」に当選した後の大入賞口開放遊技中であるか否かを判断する(ステップS501)。大入賞口開放遊技中であれば、既に何らかの「大当たり」や「小当たり」を表す特別図柄が選択されて停止している状態なので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップS501でYES)。これに対し、大入賞口開放遊技中でない場合(ステップS501でNO)、次に遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。ここで保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、図27のステップS304において取得・格納された各種乱数であって最先の保留に係る各種乱数をRAM103から読み出し、保留数U2の値を1減算する(ステップS504)。そしてRAM103における記憶領域であって第2始動口21への入球に基づく保留に係る記憶領域をシフトする(ステップS505)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、次に保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS506)。ここで保留数U1が1以上である場合(ステップS506でYES)、図26のステップS204において取得・格納された各種乱数であって最先の保留に係る各種乱数をRAM103から読み出し、保留数U1の値を1減算する(ステップS507)。そしてRAM103における記憶領域であって第1始動口19への入球に基づく保留に係る記憶領域をシフトする(ステップS508)。
また保留数U1が0である場合(ステップS506でNO)は、大当たり抽選(特別図柄抽選)の条件となる第1始動口19又は第2始動口21への入球が無いことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに処理を終了する。
ステップS504とステップS507のいずれか一方で各種乱数の読み出しが行われた場合、大当たり判定処理(ステップS509)と変動パターン選択処理(ステップS510)とを順に実行する。これらの大当たり判定処理および変動パターン選択処理により、演出制御基板130に出力するための変動開始コマンドに含まれる設定情報(図柄、遊技状態、変動パターンなど)が決定される。尚、これら大当たり判定処理および変動パターン選択処理の詳細については後述する。
そして遊技制御部110は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定情報を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM103にセットする(ステップS511)。そしてこの設定情報に基づき、第1特別図柄表示器63又は第2特別図柄表示器65における特別図柄の変動表示を開始する(ステップS512)。このとき第2始動口21への入球に基づく保留に係る変動表示の場合には、第2特別図柄表示器65における特別図柄の変動表示を開始する。また第1始動口19への入球に基づく保留に係る変動表示の場合には、第1特別図柄表示器63における特別図柄の変動表示を開始する。そして変動パターンで設定された変動時間分だけ特別図柄の変動表示を継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS513)。尚、ステップS511でRAM103にセットされた変動開始コマンドは、図25の出力処理(ステップS112)で演出制御基板130に出力される。
一方、ステップS502で特別図柄の変動表示中であると判断された場合(ステップS502でYES)、遊技制御部110は、変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS514)。ここでは特別図柄の変動表示開始に伴いステップS513で計測を開始した変動時間がステップS510の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していなければ(ステップS514でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。
これに対し、変動時間が終了した場合には(ステップS514でYES)、遊技制御部110は変動停止コマンドをRAM103にセットする(ステップS515)。尚、ここでセットされる変動停止コマンドは、図25の出力処理(ステップS112)で演出制御基板130に出力される。そして第1特別図柄表示器63又は第2特別図柄表示器65における特別図柄の変動表示を予めセットしておいた停止図柄で停止させ(ステップS516)、計測された変動時間をリセットする(ステップS517)。そして停止中処理(ステップS518)を実行する。尚、停止中処理の詳細については後述する。
図30は、RAM103に格納される各種乱数の一例を説明する図である。例えば、図30(a)に示すように大当たり乱数は大当たり抽選に用いられる乱数であり、0〜600の範囲内で逐次更新される乱数である。遊技機1が通常確率状態である場合、遊技制御部110が取得する大当たり乱数の値が「7」又は「317」の場合、大当たりとなり、大当たりに当選する確率は2/601となっている。これに対し、遊技機1が高確率状態である場合、20個の乱数値が大当たりを示す値に設定されており、遊技制御部110が取得する大当たり乱数の値がそれら20個の乱数値のうちのいずれかであれば大当たりとなり、大当たりに当選する確率は20/601となっている。また通常確率状態および高確率状態のいずれの場合であっても、「50」と「100」の2つの乱数値が小当たりを示す値に設定されており、遊技制御部110が取得する大当たり乱数の値が「50」又は「100」の場合は小当たりとなる。尚、大当たり抽選において小当たりに当選する確率は2/601である。
第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球したことに伴って、遊技制御部110が取得する大当たり乱数が大当たりを示す値である場合、その大当たりの種類は図柄乱数によって判定される。そして本実施形態では、遊技制御部110による遊技データの取得が、第1始動口19への入球によって行われたか、或いは第2始動口21への入球によって行われたかにより、図柄乱数を判定する際に参照するテーブルが異なっている。
図30(b−1)は、第1始動口19への入球による大当たり時の図柄乱数の判定を示している。図柄乱数は、例えば0〜250の範囲内で逐次更新される乱数である。第1始動口19への入球により大当たりに当選した場合、遊技制御部110が取得した図柄乱数の値が0〜150のいずれかであれば「長当たり」となる。より詳しくは、図柄乱数の値が0〜100であれば「高確率時短付き長当たり」となり、101〜150であれば「通常確率時短付き長当たり」となる。一方、遊技制御部110が取得した図柄乱数の値が151〜250のいずれかであれば「短当たり」となる。より詳しくは、図柄乱数の値が151〜175であれば「高確率時短付き短当たり」となり、176〜200であれば「通常確率時短付き短当たり」となり、201〜225であれば「高確率時短なし短当たり」となり、226〜250であれば「通常確率時短なし短当たり」となる。このように、遊技制御部110が取得した図柄乱数の値によって、大当たりの場合の当たり種別が「長当たり」と「短当たり」のいずれか一方に決定されると共に、大当たり遊技後における大当たり抽選での当選確率として高確率状態と通常確率状態とのいずれか一方が付与される。さらにまた、大当たり遊技後の遊技状態として、時短遊技と非時短遊技とのいずれか一方が付与される。
例えば、本実施形態の遊技機1では、図柄乱数の値が0〜100又は151〜175であった場合、大入賞口開放遊技後の遊技状態が確変モードとなる。また図柄乱数の値が201〜225であった場合、遊技機1における大入賞口開放遊技後の遊技状態が潜伏確変モードとなる。
図30(b−2)は、第2始動口21への入球による大当たり時の図柄乱数の判定を示している。第2始動口21への入球により大当たりに当選した場合、遊技制御部110が取得した図柄乱数の値が0〜150のいずれかであれば「高確率時短付き長当たり」となる。これに対し、遊技制御部110が取得した図柄乱数の値が151〜250のいずれかであれば「通常確率時短付き長当たり」となる。つまり、この例では、第2始動口21への入球によって大当たりに当選すると、必ず「長当たり」となるように設定されている。
また図30(b−3)は、小当たり時の図柄乱数の判定を示している。大当たり抽選で小当たりに当選すると、遊技制御部110が取得した図柄乱数の値によって「小当たり1」と「小当たり2」のいずれであるかが判定される。ただし、「小当たり1」と「小当たり2」の違いは、第1特別図柄表示器63又は第2特別図柄表示器65に停止表示される特別図柄のみである。
また図30(c)に示すようにリーチ乱数は、演出表示としてリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数であり、0〜250の範囲内で逐次更新される乱数である。第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球したことに伴って、遊技制御部110が取得したリーチ乱数の値が0〜24のいずれかであれば、大当たり抽選においてハズレとなった場合でも遊技機1においてリーチ演出が行われる。またリーチ乱数の値が25〜250のいずれかであれば、リーチ演出が行われずに変動表示が停止する。一方、大当たり抽選において大当たりに当選した場合、リーチ演出は必ず行われるのでこのリーチ乱数の値は無視される。また本実施形態では、小当たりに当選した場合にも、リーチ乱数の値は無視される。したがって、このリーチ乱数は、大当たり乱数がハズレであったときに参照される乱数である。
尚、図30(b−1)および図30(b−2)に示されている大当たりの種類のうち本実施形態において大入賞口開放遊技中の遊技状態が右打遊技状態となるものは、「長当たり」を含むものであり、図30(b−1)における(1)高確率時短付き長当たり、(2)通常確率時短付き長当たり、の2つと、図30(b−2)における(3)高確率時短付き長当たり、(4)通常確率時短付き長当たり、の2つの計4つである。また大入賞口開放遊技後の遊技状態が右打遊技状態となるものは、「時短遊技」が付与されるものであり、図30(b−1)における(1)高確率時短付き長当たり、(2)通常確率時短付き長当たり、(3)高確率時短付き短当たり、(4)通常確率時短付き短当たり、の4つと、図30(b−2)における(5)高確率時短付き長当たり、(6)通常確率時短付き長当たり、の2つの計6つである。
図31は、大当たり判定処理(図14のステップS509)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、RAM103から読み出した各種乱数に基づく大当たり抽選(特別図柄抽選)が行われる。この処理が開始されると、まず、遊技機1の遊技状態が高確率状態であるか否かを判断し(ステップS531)、高確率状態であれば、大当たり乱数を判定するためのテーブルとして高確率時の乱数判定テーブルを選択する(ステップS532)。すなわち、この場合、図30(a)に示したテーブルのうち高確率状態(確変遊技状態)におけるテーブルを選択する。一方、遊技機1の遊技状態が高確率状態でない場合は、通常確率時の乱数判定テーブルを選択する(ステップS533)。すなわち、この場合、図30(a)に示したテーブルのうち通常確率状態(通常遊技状態)におけるテーブルを選択する。
そして遊技制御部110は、選択したテーブルに基づいて、RAM103から読み出した大当たり乱数の判定を行い(ステップS534)、大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS535)。そして大当たりに当選していれば(ステップS535でYES)、続いて図柄乱数の判定を行う(ステップS536)。図柄乱数の判定を行う際、判定対象となる図柄乱数が第1始動口19への入球に基づく保留に係る乱数である場合と、第2始動口21への入球に基づく保留に係る乱数である場合とで参照するテーブルが異なっている。つまり、第1始動口19への入球に基づく保留に係る図柄乱数を判定する際には、図30(b−1)に示した判定テーブルを参照し、第2始動口21への入球に基づく保留に係る図柄乱数を判定する際には、図30(b−2)に示した判定テーブルを参照する。その結果、大当たりの種類が「長当たり」と「短当たり」のいずれであるかが決定されると共に、大入賞口開放遊技後の遊技状態が「高確率状態」と「通常確率状態」とのいずれか一方に決定され、更には「時短遊技」と「非時短遊技」とのいずれか一方が決定される。そして大当たりの種類およびその後の遊技状態が確定すると、遊技制御部110は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として大当たりに対応した特別図柄をセットする(ステップS537)。
これに対し、大当たりに当選していなかった場合(ステップS535でNO)、小当たりに当選したか否かを判断する(ステップS538)。そして小当たりに当選していれば(ステップS538でYES)、続いて図柄乱数の判定を行い(ステップS539)、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄として小当たりに対応した特別図柄をセットする(ステップS540)。また小当たりにも当選していなかった場合(ステップS538でNO)は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄としてハズレに対応したハズレ図柄をセットする(ステップS541)。
次に図32は、変動パターン選択処理(図29のステップS510)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、画像表示器8での装飾図柄の変動表示を含む各種演出のための変動パターンが決定される。そのためにまず、遊技制御部110は、変動パターンを決定するための乱数(図示を省略)を取得し、RAM103に格納する(ステップS561)。そして次に遊技制御部110は大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS562)。この判断では、大当たり判定処理(図31)におけるステップS535と同様の判定を行っても良いし、また大当たり判定処理(図31)における大当たりの判定結果を参照することで判断しても良い。そして大当たりであった場合(ステップS562でYES)、その大当たりの種類が長当たりであるか否かを判断する(ステップS563)。そして長当たりである場合(ステップS563でYES)、遊技制御部110は、長当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS564)。また長当たりでなかった場合には(ステップS563でNO)、短当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS565)。
一方、大当たりでなかった場合(ステップS562でNO)、更に小当たりに当選したか否かを判断する(ステップS566)。そして小当たりであった場合(ステップS566でYES)、遊技制御部110は、小当たり用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS567)。また小当たりでもなかった場合(ステップS566でNO)、遊技制御部110は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行う否かを決定するためのリーチ乱数の判定を行う(ステップS568)。リーチ演出を行うか否かは、RAM103から読み出したリーチ乱数の値が予め設定された値(図30(c)参照)と一致したか否かを判断することによって決定される。そしてリーチ乱数判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップS569でYES)、遊技制御部110は、リーチ演出用の変動パターンテーブルをROM102から読み出し、RAM103にセットする(ステップS570)。またリーチ演出を行わない場合(ステップS569でNO)、遊技制御部110は、ハズレ用の変動パターンテーブルをROM102から読み出してRAM103にセットする(ステップS571)。ここで変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
そして遊技制御部110は、ステップS564,S565,S567,S570又はS571でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行う(ステップS572)。ここでは、RAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照し、ステップS561で取得した変動パターン乱数の値に応じた変動パターンを選択する。したがって、変動パターン乱数の値が同じ値であっても、大当たりに当選したか否か、大当たりに当選した場合には長当たりであるか否か、小当たりに当選したか否か、大当たり又は小当たりに当選していない場合にはリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なることがある。そしてその後、遊技制御部110はステップS572で選択した変動パターンを設定情報としてRAM103にセットする(ステップS573)。尚、ここでセットされた変動パターンの設定情報は、特別図柄処理(図29)のステップS511でセットされる変動開始コマンドに含まれる。
次に図33は、停止中処理(図29のステップS518)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止した後に大当たり抽選の結果に応じて遊技機1の遊技状態を大当たり遊技に移行させたり、小当たり遊技に移行させたりする処理を行う。また時短遊技を通常遊技状態(非時短遊技)に戻す処理も行う。停止中処理が開始すると、遊技制御部110は、大当たりに当選したか否かを判断する(ステップS581)。そして大当たりであった場合(ステップS581でYES)、その大当たりの種類に対応した遊技状態をセットする(ステップS582)。このとき大入賞口開放遊技として「長当たり」と「短当たり」のいずれか一方がセットされると共に、大入賞口開放遊技が終了した後の遊技状態(例えば高確率状態と通常確率状態とのいずれか一方や、時短遊技有りと無しとのいずれか一方など)もセットされる。そして時短遊技の有無を判断し(ステップS583)、時短遊技がセットされていれば、時短遊技による特別図柄の変動表示回数をカウントするための時短変動回数Jに100をセットする(ステップS584)。ただし、この処理は、「通常確率時短付き長当たり」又は「通常確率時短付き短当たり」の場合に行われる処理であり、「高確率時短付き長当たり」又は「高確率時短付き短当たり」の場合には、次回の大当たりに当選するまで時短遊技が継続するので、時間変動回数のセットは行わずにスキップする。尚、この例では、時短変動回数を100回に設定しているが、これに限られるものではない。また、時短遊技がセットされていない場合にも、時短変動回数のセットは行わずに、スキップする。
そして遊技制御部110が、大当たり開始コマンドをRAM103にセットして(ステップS585)、大当たりの動作制御を開始する(ステップS586)。これにより、遊技機1は大当たり中となって大入賞口開放遊技に移行し、所定のオープニングが行われた後、役物23がRAM103にセットされた大当たりに種類に対応した開放パターンに基づいて大入賞口22を所定ラウンド数だけ開閉するようになる。
一方、大当たりでなかった場合(ステップS581でNO)、遊技制御部110は、小当たりに当選したか否かを判断する(ステップS587)。そして小当たりであった場合(ステップS587でYES)、小当たり開始コマンドをRAM103にセットして(ステップS588)、小当たりの動作制御を開始する(ステップS589)。これにより、遊技機1は小当たり中となって大入賞口開放遊技に移行し、所定のオープニングが行われた後、役物23がRAM103にセットされた小当たりに対応した開放パターンに基づいて大入賞口22を所定ラウンド数だけ開閉するようになる。
また小当たりでもなかった場合(ステップS587でNO)、遊技制御部110は、時短変動回数Jが0か否かを調べる(ステップS590)。そして時短変動回数Jが0であれば(ステップS590でYES)、停止中処理を終了する。また時短変動回数Jが0でない場合(ステップS590でNO)、遊技制御部110は時短変動回数Jの値を1減算し(ステップS591)、再度時短変動回数Jが0か否かを調べる(ステップS592)。そして時短変動回数Jが0でない場合(ステップS592でNO)、時短遊技が継続するので、停止中処理を終了する。また時短変動回数Jが0であれば(ステップS592でYES)、時短遊技が終了するので、遊技制御部110は、遊技機1を通常遊技(非時短遊技)に移行させるべく通常遊技状態をRAM103にセットする(ステップS593)。
次に図34は、普通図柄処理(図25のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS601)。補助遊技中とは、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ20の開放動作中であることを意味している。補助遊技中であれば(ステップS601でYES)、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する。また補助遊技中でない場合(ステップS601でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS602)。そして普通図柄が変動表示中でない場合(ステップS602でNO)、遊技制御部110は普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS603)。保留数Gが0である場合には(ステップS603でNO)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始せずに普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上であれば(ステップS603でYES)、遊技制御部110は、保留数Gの値を1減算し(ステップS604)、今回の普通図柄抽選における乱数の判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS605)。ここでの判断は、ゲートスイッチ処理(図28)のステップS404で取得した乱数の値が予め設定された当選値と一致したか否かを判断することによって行われる。普通図柄抽選に当選すると(ステップS605でYES)、遊技制御部110は、当選したことを示す図柄(当たり図柄)をRAM103にセットする(ステップS606)。また普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS605でNO)、遊技制御部110は、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM103にセットする(ステップS607)。
そして遊技制御部110は、遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判断する(ステップS608)。この判断では、遊技機1の遊技状態が確変モード或いは時短遊技中であればNOとなり、潜伏確変モード或いは通常モードであればYESとなる。つまり、潜伏確変モードでは大当たりの当選確率は高くなるが、その他の遊技状態は通常モードと同じであるので、ここでは潜伏確変モードは通常モードと同様に通常遊技状態として判断される。そして通常遊技状態と判断した場合(ステップS608でYES)、普通図柄の変動時間を長時間(図例の場合は29秒)に設定する(ステップS609)。また通常遊技状態でないと判断した場合(ステップS608でNO)、普通図柄の変動時間を短時間(図例の場合は3秒)に設定する(ステップS610)。そして遊技制御部110は、ステップS606又はS607でセットされた内容に基づき、普通図柄表示器61の変動表示を開始し(ステップS611)、ステップS609又はS610でセットされた時間だけ普通図柄の変動表示を行うために変動時間の計測を開始する(ステップS612)。
また普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS602でYES)、遊技制御部110は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS613)。つまり、ステップS612で計測開始された変動時間が、ステップS609又はS610でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していない場合(ステップS613でNO)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また変動時間が終了した場合(ステップS613でYES)、遊技制御部110は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS606又はS607でセットされた図柄を表示する(ステップS614)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS615)。そして普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS616)、当選していれば(ステップS616でYES)、電動チューリップ20を開放するなどの補助遊技の動作制御を開始する(ステップS617)。これにより、遊技状態は、補助遊技中となる。一方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS616でNO)、遊技機1の現在の状態を保持したまま普通図柄処理を終了する。
次に図35および図36は、大入賞口処理(図25のステップS109)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、大当たり又は小当たりとなった場合の大入賞口開放遊技が制御される。遊技制御部110は、遊技機1の現在の状態が大当たり中或いは小当たり中であるかを判断する(ステップS701)。大当たり中又は小当たり中でない場合(ステップS701でNO)、大入賞口22の開閉動作は行わないため、大入賞口処理を終了する。これに対し、大当たり中又は小当たり中である場合(ステップS701でYES)、遊技制御部110は、遊技機1が停止中処理(図33)で開始した大当たり時又は小当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中であるか否かを判断する(ステップS702)。
遊技機1がオープニング中である場合(ステップS702でYES)、遊技制御部110は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS703)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS703でNO)、オープニング動作が継続されるので大入賞口処理を終了する。またオープニング時間を経過している場合(ステップS703でYES)、遊技制御部110は、大入賞口22を開放するラウンド数Rの現在の値に対して1加算する(ステップS704)。そして役物23を駆動して大入賞口22を開放する(ステップS705)。尚、大入賞口22の開放パターンは当たりの種類に応じて予めRAM103にセットされている。
そして役物23による大入賞口22の開放時間がRAM103にセットされた開放パターンによって予め設定された時間(開放時間)を経過したか否かを判断する(ステップS706)。開放時間が経過していない場合(ステップS706でNO)、遊技制御部110は、開放された大入賞口22への入賞個数Cが9個以上であるか否かを判断する(ステップS707)。開放時間が経過しておらず、かつ、入賞個数Cが9個未満である場合(ステップS707でNO)、大入賞口22を開放した状態が継続されるので、大入賞口処理を終了する。これに対し、役物23による大入賞口22の開放時間が予め設定された時間を経過した場合(ステップS706でYES)、又は入賞個数Cが9個に達した場合(ステップS707でYES)、遊技制御部110は、役物23を駆動して大入賞口22を閉鎖する(ステップS708)。
次に遊技制御部110は、大入賞口22を開放するラウンド数Rが予め設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップS709)。尚、本実施形態では、ラウンド数Rの最大値は15ラウンドとして設定されている。そして最大値に達していないならば(ステップS709でNO)、大当たり時の動作制御が継続するので、大入賞口処理を終了する。これに対し、ラウンド数Rが最大値に達した場合(ステップS709でYES)、遊技制御部110は、ラウンド数Rを0にリセットし(ステップS710)、大当たり時又は小当たり時の動作制御におけるエンディング動作を開始する(ステップS711)。
そして予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS712)。エンディング時間を経過していない場合(ステップS712でNO)、エンディング動作が継続されるので大入賞口処理を終了する。またエンディング時間を経過した場合(ステップS712でYES)、遊技制御部110は、大当たり又は小当たりに伴う大入賞口開放遊技を終了させるべく、大当たりの動作制御或いは小当たりの動作制御を終了して大入賞口処理を終了する(ステップS713)。
一方、ステップS702の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS702でNO)、図36のフローチャートに進み、遊技制御部110は、大入賞口22が開放中であるか否かを判断する(ステップS721)。そして開放中である場合は(ステップS721でYES)、上述のステップS706以降の処理を実行する。また開放中でない場合は(ステップS721でNO)、遊技機1がエンディング中であるか否かを判断する(ステップS722)。そしてエンディング中である場合は(ステップS722でYES)、上述のステップS712以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS722でNO)、役物23が大入賞口22を閉鎖した後の経過時間が開放パターンによって予め設定された開放ラウンドの実施間隔(インターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS723)。そしてインターバル時間を経過していない場合は(ステップS723でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、大入賞口処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS723でYES)、次のラウンドを実施して大入賞口22を開放させるべく、上述のステップS704以降の処理を実行する。
上記のような大入賞口処理により、遊技機1において大当たり又は小当たりが開始された大入賞口開放遊技において役物23が大入賞口22を開放するラウンドが合計15ラウンド行われる。
次に図37は、電動チューリップ処理(図25のステップS110(電チュー処理))の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS801)。補助遊技中でない場合(ステップS801でNO)、電動チューリップ20は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する。一方、補助遊技中である場合(ステップS801でYES)、補助遊技時の動作制御におけるオープニング動作の最中であるか否かを判断する(ステップS802)。遊技機1がオープニング中である場合(ステップS802でYES)、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS803)。オープニング時間が経過していない場合(ステップS803でNO)、オープニング動作が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する。これに対し、オープニング時間が経過している場合は(ステップS803でYES)、現在の遊技機1の動作状態が通常遊技状態であるか否かを判断する(ステップS804)。ここでの判断は、普通図柄処理(図34)のステップS608と同様であり、遊技機1の遊技状態が確変モード或いは時短モードであればNOとなり、潜伏確変モード或いは通常モードであればYESとなる。そして通常遊技状態と判断した場合(ステップS804でYES)、遊技制御部110は、電動チューリップ20の開放時間を短時間(図例の場合は0.2秒)に設定する(ステップS805)。また通常遊技状態でないと判断した場合(ステップS804でNO)、遊技制御部110は、電動チューリップ20の開放時間を長時間(図例の場合は3.5秒)に設定する(ステップS806)。そして遊技制御部110は、電動チューリップ20を開放し(ステップS807)、開放後の経過時間の計測を開始する(ステップS808)。そしてステップS805又はS806でセットされた開放時間を経過したか否かを判断する(ステップS809)。開放時間を経過していない場合(ステップS809でNO)、電動チューリップ20の開放が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する。また開放時間を経過した場合(ステップS809でYES)、遊技制御部110は、電動チューリップ20を閉鎖し(ステップS810)、補助遊技時の動作制御を終了して電動チューリップ処理を終了する(ステップS811)。
図38は、遊技状態判断処理(図25のステップS111)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が長当たり中であるか否かを判断する(ステップS901)。ここでいう長当たり中とは、遊技機1が長当たり設定時の大入賞口開放遊技状態であることをいうものとする。長当たり中であれば(ステップS901でYES)、遊技機1の現在の状態は右打遊技状態であるので、右打遊技信号SG1をセットする(ステップS902)。一方、長当たり中でない場合は(ステップS901でNO)、次に遊技機1の現在の状態が時短遊技中であるか否かを判断する(ステップS903)。ここでいう時短遊技中とは、遊技機1が時短遊技状態(第1の時短遊技状態および第2の時短遊技状態のうちのいずれか一方の遊技状態)であることをいうものとする。時短遊技中であれば(ステップS903でYES)、遊技機1の現在の遊技状態は右打遊技状態であるので、右打遊技信号SG1をセットする(ステップS902)。一方、時短遊技中でない場合は(ステップS903でNO)、右打遊技信号SG1をセットすることなく遊技状態判断処理を終了する。
次に図39は、出力処理(図25のステップS112)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、メイン制御基板100からサブ制御基板200に対して各種データやコマンドなどが出力される。まず遊技制御部110は、変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、画像表示器8における装飾図柄の変動表示を開始させると共に、特別図柄の変動表示に伴う各種演出動作の開始を指示する(ステップS1001)。尚、変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS1001の送信処理は行われない。次に変動停止コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、画像表示器8における装飾図柄の変動表示を停止させ、遊技者に対して大当たり抽選の結果を報知させる指示を行う(ステップS1002)。尚、変動停止コマンドがセットされていなければ、ステップS1002の送信処理は行われない。次に大当たり開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、大当たり時の大入賞口開放遊技における演出動作の開始を指示する(ステップS1003)。尚、大当たり開始コマンドがセットされていなければ、ステップS1003の送信処理は行われない。次に大当たり終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、大当たり時の大入賞口開放遊技の演出動作を終了させる(ステップS1004)。尚、大当たり終了コマンドがセットされていなければ、ステップS1004の送信処理は行われない。次に小当たり開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、小当たり時の大入賞口開放遊技における演出動作の開始を指示する(ステップS1005)。尚、小当たり開始コマンドがセットされていなければ、ステップS1005の送信処理は行われない。次に小当たり終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130に送信し、小当たり時の大入賞口開放遊技の演出動作を終了させる(ステップS1006)。尚、小当たり終了コマンドがセットされていなければ、ステップS1006の送信処理は行われない。次に右打遊技信号SG1がセットされていれば、それを演出制御基板130に送信する(ステップS1007)。尚、右打遊技信号SG1がセットされていなければ、ステップS1007の送信処理は行われない。そして最後にその他各種コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板130や払出制御基板120に送信することで、各部を制御する(ステップS1008)。遊技球が各種入賞口に入球したことに伴う賞球コマンドはこのとき払出制御基板120に対して送信される。以上で出力処理が終了する。
このように本実施形態の遊技機1は、大当たり抽選において「長当たり」に当選した場合、その大入賞口開放遊技は、遊技盤面の右側に形成されたルートK1に遊技球を打ち出させる右打遊技状態となるため、メイン制御基板100から演出制御基板130に対して右打遊技信号SG1が出力される。また大入賞口開放遊技後に遊技機1が時短遊技に移行した場合にも、その時短遊技は、遊技盤面の右側に形成されたルートK1に遊技球を打ち出させる右打遊技状態となるため、メイン制御基板100から演出制御基板130に対して右打遊技信号SG1が出力される。
次に演出制御基板130における詳細な動作の一例について説明する。図40は、本実施形態における演出制御基板130のCPU131による主要動作を示すフローチャートである。CPU131は、例えば図40に示すフローチャートに基づく処理を一定時間毎に繰り返し実行する。この処理が開始されると、CPU131は、メイン制御基板100に備わる遊技制御部110から何らかのコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1101)。遊技制御部110から何らかのコマンドを受信していれば(ステップS1101でYES)、CPU131はコマンド処理部138として機能し、コマンド受信処理(ステップS1102)を実行してステップS1103に進む。一方、遊技制御部110から何らのコマンドも受信していなければ(ステップS1101でNO)、コマンド受信処理をスキップしてステップS1103に進む。次にCPU131は、遊技制御部110から右打遊技信号SG1を受信したか否かを判断する(ステップS1103)。右打遊技信号SG1を受信していない場合(ステップS1103でNO)、CPU131は右打操作状態報知部139として機能し、右打操作状態報知処理(ステップS1104)を実行する。一方、遊技制御部110から右打遊技信号SG1を受信している場合(ステップS1103でYES)、CPU131は右打遊技状態報知部137として機能し、右打遊技状態報知処理(ステップS1105)を実行する。以上で演出制御基板130における主要動作が終了する。
図41は、右打操作状態報知処理(図40のステップS1104)の詳細を示すフローチャートである。右打操作状態報知部139は、遊技制御部110から右打遊技信号SG1を受信していない場合、右打検知部162から右打操作信号SG2を受信したか否かの判断を行う(ステップS1141)。右打操作信号SG2を受信した場合には(ステップS1141でYES)、次に接触検知部163から接触信号SG3を受信したか否かの判断を行う(ステップS1142)。接触信号SG3を受信していない場合には(ステップS1142でNO)、右打操作状態報知カウントNの値を1加算し(ステップS1143)、その後に右打操作状態報知カウントNが予め設定されている最大値Nmaxを上回っているか否かを判断する(ステップS1144)。ここで右打操作状態報知カウントNが最大値Nmaxに満たない場合には(ステップS1144でNO)、右打操作状態報知コマンドをセットせず右打操作状態報知処理を終える。一方、右打操作状態報知カウントNが最大値Nmaxを上回っている場合には(ステップS1144でYES)、次に右打操作状態報知を実行中であるか否かを判断する(ステップS1145)。右打操作状態報知を実行中である場合には(ステップS1145でYES)、右打操作状態報知コマンドをセットせず右打操作状態報知処理を終える。右打操作状態報知を実行中ではない場合には(ステップS1145でNO)、右打操作状態報知コマンドをセットして(ステップS1146)、右打操作状態報知処理を終える。
上記ステップS1141〜S1146は、右打遊技状態でないとき、ハンドルレバー49が略最大角度回転位置まで回転した状態にあり、かつ、遊技者がハンドルレバー49を操作していない状態であれば、右打操作状態報知カウントNが最大値Nmaxに達するまで複数回繰り返し実行され、右打操作状態報知カウントNが最大値Nmaxに達した時点で、右打操作状態報知コマンドがセットされるようになる。そのため、右打遊技状態でないときに、ハンドルレバー49が略最大角度回転位置まで回転した状態にあり、かつ、遊技者がハンドルレバー49に接触していない状態であったとしても、直ちにその旨の報知が行われるのではなく、その状態が所定時間継続した場合に報知が行われるようになっている。尚、このような処理に限られるものではなく、例えば、右打遊技状態でないときに、ハンドルレバー49が略最大角度回転位置まで回転した状態にあり、かつ、遊技者がハンドルレバー49に接触していない状態であれば、直ちにその旨の報知を行うようにしても良い。
そしてステップS1146でセットされたコマンドは、所定のタイミングで、画像制御基板140などに出力され、遊技者や従業員等に対して右打操作状態のままでハンドルレバー49が保持されていることが報知される。これにより、遊技者や従業員は、ハンドルレバー49が右打操作状態のまま保持されていることを把握することができ、ハンドルレバー49を元の初期位置へ戻す操作を行うようになる。
一方、右打操作信号SG2を受信していない場合(ステップS1141でNO)、或いは右打操作信号SG2を受信しておりかつ接触信号SG3を受信している場合(ステップS1142でYES)には、右打操作状態の報知は行われず、右打操作状態報知カウントNが0か否かの判断が行われる(ステップS1147)。右打操作状態報知カウントNが0でなければ(ステップS1147でNO)、右打操作状態報知カウントNをリセットして(ステップS1148)、右打操作状態報知処理を終える。一方、右打操作状態報知カウントNが0であれば(ステップS1147でYES)、右打操作状態報知カウントNをリセットすることなく右打操作状態報知処理を終える。
つまり、右打遊技状態でないとき、ハンドルレバー49が略最大角度回転位置まで回動した状態になければ、右打操作状態ではなく、右打操作状態であることを報知する必要がないため、右打操作状態報知カウントNがリセットされる。一方、ハンドルレバー49が略最大角度回転位置まで回動した状態にあるとき、ハンドルレバー49は、遊技機1に備わる保持手段によって保持されているか、または遊技者によってハンドルレバー49に力を加えられて保持されているか、のいずれかである。ハンドルレバー49が遊技機1の保持手段によって保持されている場合に、遊技者がハンドルレバー49に接触していれば、それは遊技者の意志により、右打遊技状態ではないにもかかわらずハンドルレバー49の右打操作状態での保持が行われていることになる。この場合は、遊技者の手や腕にかかる負担を軽減すべく右打操作状態でハンドルレバー49の保持状態を継続させる必要があるため、右打操作状態報知コマンドをセットすることなく、右打操作状態報知カウントNがリセットされる。また、遊技者によってハンドルレバー49が略最大角度回転位置とは異なる位置で保持されている場合には、右打操作状態を報知する必要はないので、右打操作状態報知コマンドをセットすることなく右打操作状態報知カウントNがリセットされる。
図41におけるステップS1142でNOとなるような状況、つまり、右打遊技状態ではないにもかかわらず右打操作状態となっており、かつハンドルレバー49に遊技者が接触していない状況としては、例えばある遊技者がハンドルレバー49を右打操作状態で保持させたまま、遊技機による遊技を終える場合などが考えられる。このような場合に、別の遊技者がその遊技機で遊技を始めれば、右打遊技状態でないにもかかわらず遊技球は右打ちされてしまうことになり、遊技球を無駄に消費してしまうことになる。そこで、このような右打操作状態報知処理を行って、例えば画像表示器8に右打操作状態のままハンドルレバー49が保持されていることを報知するようにすれば、別の遊技者がその遊技機で遊技を始める時点でハンドルレバー49が右打操作状態のまま保持されていることに気付き、ハンドルレバー49を初期位置に戻すので、遊技者が遊技球を無駄に消費するということがなくなる。また従業員が気づいた場合には、別の遊技者がその遊技機で遊技を始める前に、ハンドルレバー49を初期位置に戻しておくことができる。
図42は、右打遊技状態報知処理(図40のステップS1105)の詳細を示すフローチャートである。右打遊技状態報知部137は、遊技制御部110から右打遊技信号SG1を受信している場合、右打検知部162から右打操作信号SG2を受信しているか否かの判断を行う(ステップS1151)。右打操作信号SG2を受信している場合には(ステップS1151でYES)、右打遊技状態報知コマンドをセットせず、右打遊技状態報知処理を終える。右打操作信号SG2を受信していない場合には(ステップS1151でNO)、次に現在右打遊技状態報知を実行中であるか否かの判断を行う(ステップS1152)。右打遊技状態報知を実行中である場合には(ステップS1152でYES)、右打遊技状態報知を実行するためのコマンドをセットせず、右打遊技状態報知処理を終える。右打遊技状態報知を実行中でない場合には(ステップS1152でNO)、右打遊技状態報知を実行するためのコマンドをセットし(ステップS1153)、右打遊技状態報知処理を終える。ステップS1153でセットされたコマンドは所定のタイミングで、画像制御基板140などに出力され、遊技者に対して右打遊技状態であることが報知される。これにより、遊技者は、右打遊技状態であることを把握することができ、ハンドルレバー49を略最大角度回転させる操作を行うようになる。
例えば、遊技者が、本実施形態のように右打遊技状態となる場合がある遊技機1で遊技を行う場合、右打遊技状態となっているにもかかわらず、そのことを認識することができないという事態が生じうる。それゆえ、遊技者によっては、賞球を得るために右打操作が必要な場面で右打操作を行えず、得られるはずの賞球を十分に得られないという遊技者にとって望ましくないことが起こりうる。そこで、このような右打遊技状態報知処理を行えば、右打遊技状態となった場合に、右打操作が必要となっている遊技状態であるということが遊技者に報知されるため、遊技者は右打操作が必要な状態であることを認識でき、従って得られるはずの賞球を十分に得ることができるようになる。
そして右打遊技状態においてハンドルレバー49を略最大角度まで回転させると、上述したように停留部材73がハートカム74の停留部Qに停留し、ハンドルレバー49は略最大角度回転させた状態で保持されるので、遊技者の手や腕に対して、戻りバネ49cなどによる大きな付勢力が作用することはなく、遊技者にかかる負担を軽減することができる。それ故、右打遊技状態が長時間継続する場合でも、遊技者は手首や腕の疲労感を増大させることがなく、快適に遊技を楽しむことができるようになる。
特に、本実施形態では、「高確率時短付き長当たり」に当選した場合、大入賞口開放遊技中だけでなく、大入賞口開放遊技後も右打遊技状態が継続することになり、しかもその右打遊技状態は次回の大当たり当選まで継続するので、右打遊技状態が長期化する可能性があり、遊技者の疲労感を抑制する点においては絶大な効果を期待することができる。
尚、本実施形態では、ハートカム74を、基台部50に固定される固定板70に設け、停留部材73をハンドルレバー49に設けた構成例について説明したが、これとは逆に、ハートカム74をハンドルレバー49に設け、停留部材73を固定板70に設けた構成としてもよい。
また本実施形態では、主として、ホルダ71に保持されたハートカム74がバネ75の付勢力に抗して軸部71cに沿った方向(矢印A2方向)に直線移動する場合を例示したが、必ずしもこのような態様に限られない。例えば、ハートカム74の本体部74cが支持部74bを支点として俯仰方向に揺動するものであっても構わない。
(変形例)
以上、本発明に関するいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。以下でいくつかの変形例を挙げる。
本実施形態では、特に図24において示されるように、操作角度センサ54からの信号を右打検知部162が受信して演出制御基板130に右打操作信号SG2を出力し、またタッチセンサ53からの信号を接触検知部163が受信して演出制御基板130に接触信号SG3を出力し、演出制御基板130は、これら右打操作信号SG2および接触信号SG3に基づいて右打操作状態および接触状態を検知する、という構成になっている。しかしながら、必ずしもこのような構成には限られず、例えばタッチセンサ53および操作角度センサ54から、右打検知部162および接触検知部163を介さずに演出制御基板130へ直接に信号を出力して右打操作状態および接触状態を検知するようにしてもよい。また、操作角度センサ54に代えて、操作用ハンドル4にハンドルレバー49を基台部50に対して時計回りに略最大角度回転させた状態においてオン状態となるようなマイクロスイッチを設け、このオン信号およびタッチセンサ53からの信号を直接演出制御基板130に出力してもよい。
本実施形態では、図24において例示したように、右打状態処理部135を演出制御基板130に設けた構成例を説明したが、これに限られず、例えば、これがメイン制御基板100に備わっていてもよい。この場合、例えば右打操作信号SG2がメイン制御基板100に出力され、接触信号SG3がメイン制御基板100に出力され、メイン制御基板100が右打操作信号SG2および接触信号SG3に基づいて右打操作状態および接触状態を検知する。そのような構成とすれば、ホールのコンピュータに対しても右打操作状態や右打遊技状態の報知が可能となり、ホール側で各遊技機の遊技状態や操作状態の把握が可能となる。
本実施形態では、図42において示されるように、右打遊技状態報知処理の際、右打遊技状態を報知するか否かを右打操作信号SG2のみに基づいて判断したが、これに限られず、右打操作信号SG2と、さらに例えば接触検知部163からの接触信号SG3とに基づいて判断してもよい。つまり、右打操作信号SG2を受信していない状態で、且つ、接触信号SG3を受信している状態のときに右打遊技状態の報知を行うようにしてもよい。
本実施形態では、遊技盤の盤面構成が図2において示されるものである場合を例示したが、これに限られず、例えば大入賞口が遊技盤面上の右側と中央の二カ所に1つずつ設けられた盤面構成であっても良い。またスルーゲートのみを遊技盤の右側に設けた盤面構成とし、時短遊技中にのみ、右打遊技状態となる遊技機であっても構わない。
本実施形態では、図38において示されるように、長当たり中であるか否かの判断と、時短遊技中であるか否かの判断とを行い、それらの判断結果に基づいて右打遊技信号をセットする処理を行う場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えば図33の停止中処理においてこれらの判断および処理を行ってもよい。この場合、停止中処理において、大当たりの種類に対応する遊技状態のセットを行った後に、そのセットされた遊技状態の種類について判断を行い、その後、右打遊技信号をセットする処理を行うことになる。