JP5449691B2 - 二酸化塩素ガス発生方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉空間で物体表面に付着した微生物を殺菌または滅菌するのに好適な二酸化塩素ガスの発生方法およびその装置に関する。
微生物の殺菌や滅菌に二酸化塩素ガスを用いることが知られている(例えば、特許文献1ないし4参照)。二酸化塩素ガスを用いた燻蒸は、他の塩素、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素などを用いた他の方法に比較して、優れた特性を示す。二酸化塩素燻蒸は、例えば、毒性が残留しないので安全に実施することができ、塩素のような強い臭いがしないので不快感を伴わない。また、単位重量当たりの殺菌力が高く、胞子、かび、バクテリアあるいはウイルス等に優れた滅菌および殺菌効果を示し、発がん性物質を生成しない等、である。
ところで、二酸化塩素ガスは、不安定であり、長期にわたって一定濃度で保管することに困難がある。そこで、燻蒸に使用する二酸化塩素ガスは、従来、例えば特許文献1に示されているように、処理対象物を収容する容器内で、亜塩素酸ナトリウム液および塩酸の両液を混合、気化することによって、生成されている。これによれば、処理対象物を前記容器に収容した状態で、亜塩素酸ナトリウムおよび塩酸の両液を混合、気化させることにより、前記容器内で二酸化塩素ガスを発生させることができ、この二酸化塩素ガスによる滅菌処理が可能となる。
しかしながら、二酸化塩素ガスは非引火性ではあるが、高濃度で引火を伴わない爆発を生じるおそれがあることから、前記容器は、強固な材料で形成する必要があり、また処理対象物を収容するために大型化する。そのため、処理現場で簡易的な設備で燻蒸処理を行うことはできない。また、燻蒸を受ける処理対象物は前記容器に収容し得る大きさの物に制限を受ける。
他方、二酸化塩素ガスは、水溶液として安定することから、二酸化塩素水溶液を作り、この二酸化塩素水溶液を燻蒸処理現場に搬送し、燻蒸処理現場で二酸化塩素ガスを発生させるために、その水溶液を気化させることが考えられる。このような二酸化塩素水溶液の製造方法および装置が特許文献2ないし4に開示されている。
しかしながら、二酸化塩素水溶液から二酸化塩素ガスを得る方法では、燻蒸に必要な所望の適正な濃度の二酸化塩素ガスを安定して得ることはできず、低濃度ガスしか得られないのが実情である。
特開2005−27753号公報 特開2004−224626号公報 特開平9−268002号公報 特開平9−156902号公報
そこで、本発明の目的は、燻蒸に必要な所望の濃度の二酸化塩素ガスを安定してかつ安全に現場で簡易的に供給するに好適な二酸化塩素ガスの発生方法および装置を提供することにある。
本発明は、二酸化塩素ガスの発生に従来よく知られた亜塩素酸ナトリウムと酸性液との化学反応を利用するが、亜塩素酸ナトリウムの取り扱いおよび保管を容易とするために、粉末の亜塩素酸ナトリウムを用い、また亜塩素酸ナトリウムと酸性液との反応容器として、該容器自体が破損を生じても、これによって人体や環境に損傷を与えないように、非透水性軟質材料で形成された容器を用いる、という基本構想に立脚する。
すなわち、本発明に係る二酸化塩素ガスの発生方法は、非透水性軟質材料から成る一端開放の容器に、所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末と、酸性液とを供給し、前記容器内での両者の化学反応によって、二酸化塩素ガスを発生させることを特徴とする。
亜塩素酸ナトリウム液は、液体であるので保管や運搬等で常に密封性を必要とすること、またアルカリ性であるので人体に付着すると肌を荒らす虞があること等から、その取り扱いが容易ではない。これに対し、本発明の方法で取り扱われる亜塩素酸ナトリウムは粉末であることから、該粉末自体はアルカリ性を示すことはなく、また搬送中にその容器から液体のような液漏れを生じることがないので、基本的にその保管や取り扱いが容易になる。また、非透水性軟質材料で形成された容器内で、たとえ亜塩素酸ナトリウムと酸性液との反応によって局部的に所定濃度を超える二酸化塩素ガスが発生し、それによる爆風でたとえ前記容器が破損を生じても、該容器の破損による人体あるいは環境への二次的な損傷が防止される。
したがって、二酸化塩素ガスを必要とする現場で、前記容器内に所定量の前記亜塩素酸ナトリウム粉末と前記酸性液とを供給して反応させることにより、簡易的にかつ安全に所定濃度の二酸化塩素ガスを安定して発生させることができる。
二酸化塩素ガスの発生を例えば燻蒸が必要とされる車輌のような対象物の室内で行うことができる。この場合、前記容器から発生する二酸化塩素ガスにより、前記車輌室内のような閉鎖空間に好適に燻蒸処理を施すことができる。
前記酸性液として、例えばリンゴ酸、クエン酸あるいは酢酸のような食用有機酸を用いることにより、人体に有毒な塩酸や硫酸のような酸を取り扱う場合に比較して、より安全かつ容易に二酸化塩素ガスを発生させることができる。
前記酸性液の前記容器内への供給のために、水溶液が酸性を示す粉末と、該粉末を溶かす水とを前記容器内への供給することができる。これにより、本発明の方法の実施に、水以外の液体成分の取り扱いを不要にすることができる。また、前記容器内への前記水の供給に先立って、水溶液が酸性を示す粉末を予め前記容器内に配置しておくことができる。
前記非透水性軟質材料として、非透水性処理が施された紙、布または皮あるいは可撓性合成樹脂フィルム、発泡スチロール等を採用することができ、これらの材料によりカップ容器を形成することが望ましい。
前記容器内に供給される前記亜塩素酸ナトリウムの粉末の重量を、約10g以下とすることにより、爆風の原因となる前記容器内での局所的な濃度上昇を確実に防止できることが確かめられた。
また、亜塩素酸ナトリウムと反応する前記酸性液のpH値は、確実かつ迅速な反応を得る上で、3以下とすることが望ましい。
本発明に係る二酸化塩素ガス発生装置は、非透水性軟質材料から成る一端開放の容器と、該容器内に配置される所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末と大気中の水分との反応を抑制した状態で前記粉末を保持しかつ該保持が解除可能の第1の保持手段と、少なくとも前記容器内に配置される前記亜塩素酸ナトリウムとの反応によって二酸化塩素ガスを発生するに必要な所定量の酸性液を前記容器内に注入すべく前記酸性液を保持しかつ該保持が解除可能の第2の保持手段とを備える。
前記容器の開放端は燻蒸ガスの放出口として作用する。前記第1の保持手段は、二酸化塩素ガス発生装置を作用させる前の保管中に、亜塩素酸ナトリウムの粉末が大気中の水分との反応を抑制または防止することにより、亜塩素酸ナトリウムの粉末を確実に保持する。前記第2の保持手段は、少なくとも前記亜塩素酸ナトリウムとの反応に必要な所定量の酸性液を保持することから、該第2の保持手段内の前記酸性液を前記容器内に注入することにより、格別な計量操作を不要として、前記容器内で前記亜塩素酸ナトリウムと前記酸性液とを前記容器内で適正かつ確実に反応させることができる。
本発明に係る他の二酸化塩素ガス発生装置は、非透水性軟質材料から成る一端開放の容器と、所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末が収容された水溶性の第1の収容体と、水溶液が酸性を示す所定量の酸性粉末が収容された水溶性の第2の収容体とを備え、前記容器内に配置された前記両収容体を溶かすと共に、前記亜塩素酸ナトリウムとの化学反応のために前記酸性粉末を溶かして酸性液を作る水が前記容器内に注入される。
亜塩素酸ナトリウムの粉末を収容する水溶性の第1収容体および前記酸性粉末を収容する水溶性の第2の収容体は、適正量のそれぞれ粉末をその性質の劣化を招くことなく確実に保持する。したがって、現場で、前記両収容体を前記容器内に配置した後、該容器内に水を供給することにより、前記亜塩素酸ナトリウムや酸性粉末に直接触れることなく、しかもこれらの計量を不要として、前記容器内で亜塩素酸ナトリウムおよび酸性液の反応によって二酸化塩素ガスを適正に発生させることができる。
前記両二酸化塩素ガス発生装置では、予め爆風を生じない例えば約10g以下の亜塩素酸ナトリウムの粉末を非水溶性の第1の保持手段あるいは水溶性の第1の収容体に収容することができる。
また、本発明の前記方法で記載したように、亜塩素酸ナトリウムと反応する前記酸性液のpH値は、確実かつ迅速な反応を得る上で、3以下とすることが望ましい。
さらに、前記両二酸化塩素ガス発生装置では、前記容器内での二酸化塩素ガスの拡散を促進するための送風器を前記容器内へ向けてまたは該容器外へ向けて設けることができる。
前記第1の保持手段は、前記亜塩素酸ナトリウムの粉末が予め収容された前記該容器と、該容器内に前記粉末を封止すべく前記開放端に取り外し可能に設けられたシート状のシール部材とで構成することができる。これにより、前記シール部材を取り外すまでは、前記亜塩素酸ナトリウムの粉末は前記容器内で外気に触れることなく確実に保持されるので、長期の保管に有利である。
さらに、前記容器の底部に間隔を置きかつ前記容器内を横切って配置される非水溶性材料からなる網であって該網と前記底部との間に前記粉末の通過を阻止し得る大きさの目開きを有する網を用いることができる。これにより、前記二酸化塩素ガス発生装置を誤って転倒した場合にも前記粉末が外部に散乱することを防止することができる。この網では、前記したシール部材を用いた場合ほどの長期保存を期待することはできないが、保管環境を考慮することにより、ほぼ同等の保存が可能となる。また前記網は、前記容器内での亜塩素酸ナトリウムと酸性液との反応で発生する泡に連行されて未反応の亜塩素酸ナトリウム粉末が浮上することを防止する作用をなす。これにより、亜塩素酸ナトリウム粉末を前記容器内で確実に酸性液内に留められるので、亜塩素酸ナトリウム粉末と酸性液との確実な接触による確実な反応が促進される。
前記網の目開きの大きさは、約40μm以下とすることが望ましい。
第2の保持手段は、予め計量された所定量の前記酸性液を前記容器内に注入可能に保持する注入手段とすることができる。このような注入手段の典型は、注入口に開閉弁が設けられたシリンジであり、あるいは切除可能な先端を有し、該先端の切除によって注入口を形成可能な可撓性合成樹脂材料で形成された蛇腹構造の簡易手押しポンプである。
このような注入手段を用いることにより、例えば燻蒸を必要とする現場での計量作業を不要とし、前記容器内に必要かつ適正な量の酸性液を供給することができる。
前記第1および第2の収容体は、それぞれゼラチンまたはオブラートで形成することができる。
前記第2の収容体に関連して、前記容器内を横切って前記第1の保持手段におけると同様な非水溶性材料からなる網を配置することができる。この場合、前記容器の底部には、前記容器内への前記第1の収容体の挿入を許す開口と、該開口を解除可能に密閉するシール蓋のような密閉栓とが設けられる。
本発明の方法によれば、前記したように、非透水性軟質材料から成る容器を用いた簡易的な方法によって前記容器から所定濃度の二酸化塩素ガスを安定して発生することができる。したがって、例えば燻蒸が必要とされる車輌のような対象物の室内で二酸化塩素ガスを発生させることにより、前記車輌室内のような閉鎖空間に安全かつ好適な燻蒸処理を施すことができる。
また、本発明の装置によれば、例えば燻蒸を必要とする現場で、所定量の亜塩素酸ナトリウム粉末の計量作業を不要とし、簡易にかつ安全に本発明の方法を実施することができる。したがって、燻蒸に適正な濃度の二酸化塩素ガスを安全かつ安定して発生させることができるので、従来のような大型で堅牢な容器で燻蒸室を形成する必要はなく、またそのような容器に依る処理対象物の大きさに制限を受けることはない。それ故、建物の内壁や床、空調機のような建築設備機器、救急車や動物搬送車などの車輌、船舶のような大型のものや搬送が困難なもの(工場のような作業場に運んでクリーニングしてもらうことが容易でないもの)を処理対象物として、これに燻蒸処理を容易かつ適正に施すことが可能となる。
本発明に係る二酸化塩素ガス発生方法は、従来よく知られた亜塩素酸ナトリウムと酸性液との化学反応を利用するが、少なくとも一方の原材料である亜塩素酸ナトリウムは粉末が用いられる。図1には、本発明の前記方法を実施する二酸化塩素ガス発生装置10が示されている。前記装置10は、その一方の原材料である亜塩素酸ナトリウムの粉末12が配置される上端開放のカップ状容器14と、他方の原材料である酸性液16をカップ状容器14内に注入可能に保持するシリンジ18とを備える。
カップ状容器14は、例えば、非透水性処理を施された紙で形成された、いわゆる紙コップを用いることができる。このカップ状容器14内には、例えば約10gの亜塩素酸ナトリウムの粉末12が入れられる。この亜塩素酸ナトリウムの粉末12として、薬用瓶に保存されている市販の亜塩素酸ナトリウム粉末を用いることができる。亜塩素酸ナトリウムの粉末12は、二酸化塩素ガスを必要とする現場で、前記薬用瓶から、計量により所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末12をカップ状容器14に移すことができる。
また、カップ状容器14内には、シリンジ18に保持された酸性液16が注入される。シリンジ18の出口には、手動の開閉バルブ18aが設けられており、該開閉バルブを開放操作した後、酸性液16のための保持手段であるシリンジ18に押圧力20を作用させることにより、酸性液16をカップ状容器14内に注入することができる。図示の例では、シリンジ18の前記出口に例えば可撓性の案内チューブ22が接続されており、該案内チューブを経て、酸性液16がカップ状容器14の底部に注がれる。
この酸性液16は、例えば重量濃度が40%のリンゴ酸水溶液を用いることができる。リンゴ酸水溶液16は、カップ状容器14の底部で亜塩素酸ナトリウムの粉末12と化学反応を生じ、この反応によりカップ状容器14内で二酸化塩素ガス(ClO)が発生する。その反応式は次のとおりである。
4NaClO2+4HOOC-CH(OH)-CH2-COOH+O2 → 4NaOOC-CH(OH)-CH2-COOH+4ClO2+2H2O
したがって、シリンジ18内には、少なくとも亜塩素酸ナトリウムの粉末12のモル比に対応した量の酸性液16が保持され、これがカップ状容器14内に注入される。
二酸化塩素ガスの分子量は68であり、空気のそれは29であることから、カップ状容器14内で発生した二酸化塩素ガスは、該容器の底部に沈下する傾向がある。このため、容器の底部で二酸化塩素ガスの濃度が約10%を越えると、引火性を示さない爆発の虞が生じる。しかしながら、例えば、市販の紙コップ14では、後述するように、亜塩素酸ナトリウムの粉末12の重量が約10gを越えなければ、カップ状容器14内で二酸化塩素ガス濃度を局部的にも10%未満とすることができ、これにより爆発をほぼ確実に防止できることが実験の結果、確認できた。
この実験には、市販の180ccの容量の紙コップ14内に亜塩素酸ナトリウムの粉末12を配置し、該粉末の重量をパラメータにして、紙コップ14内に重量濃度が40%〜60%のリンゴ酸水溶液16を亜塩素酸ナトリウムの粉末12に対する比重比が2:5となるように注入し、爆発の有無を確認した。
この実験によれば、カップ状容器14内が無風状態では、亜塩素酸ナトリウムの粉末12の重量が10gを越えると、爆発を生じることがあり、20gを越えるとその頻度が高まることが判明した。すなわち、亜塩素酸ナトリウムの粉末12の重量が10gを大きく越えない所定量とすることにより、カップ状容器14内の底部での二酸化塩素ガス濃度がたとえ局部的であっても、10%以下に保持でき、カップ状容器14内での爆発の危険性を大きく低減することができることが判明した。また、亜塩素酸ナトリウムの粉末12の重量を10g以下とすることにより、爆発の危険を確実に防止できることが判明した。これは、カップ状容器14の底面積が極端に小さくならない限り、該カップ状容器の容量の如何に拘わらない。なぜならば、爆発は、主として局所的な濃度増大を起因とするからである。
また、本発明に用いられた紙コップ14は、万一、爆発が生じて破損し、その破片が周辺に飛び散ったとしても、柔らかく、その破片の角が周辺の人に当たったとしても、その破片で傷付くおそれは極めて低く、また周辺の機器への損傷をも生じることはない。したがって、爆発による二次被害を確実に防止することができる。
このようなカップ状容器14として、紙コップ以外に、例えば発泡スチロール、可撓性合成樹脂フィルムあるいは非透水性処理が施された布または皮のような非透水性軟質材料で形成されたカップ状容器を用いることができる。
また、本発明の方法で取り扱われる亜塩素酸ナトリウムは粉末であり、その保存や運搬で前記した薬用瓶からの液漏れを考慮する必要はない。また亜塩素酸ナトリウムの粉末12自体はアルカリ性を示すことはなく、薬用瓶から計量およびその後にカップ状容器14内に移す際に、前記粉末12が吸水しない限り人の皮膚を荒らすことはない。そのため、前記亜塩素酸ナトリウムの粉末12の取り扱いは、亜塩素酸ナトリウム水溶液に比較して、極めて容易になる。
したがって、本発明の前記方法によれば、簡易的にかつ安全に所定濃度の二酸化塩素ガスを安定して発生させることができる。
酸性液16として、リンゴ酸水溶液を用いた例を示したが、これに代えて食用の同様な酸性水溶液、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、フィチン酸、アスコルビン酸あるいはこれらの混合物などを用いることができる。さらに、塩酸や硫酸のような酸をも用いることができる。ただし、塩酸を用いると塩素ガスが、また硫酸を用いると硫化水素ガスが、極めて毒性の強い副産物ガスとして、二酸化塩素ガスと共に発生する。いずれにしてもpH値が3以下の酸性液を用いることにより、確実かつ迅速に二酸化塩素ガスを生成する反応を生じさせることができる。しかしながら、現場での作業の安全性の点から、前記したような食用酸性水溶液を用いることが望ましい。
現場で薬用瓶内の亜塩素酸ナトリウムの粉末12を計量してこれを前記したカップ状容器14に移すことに代えて、図1に仮想線で示すように、計量された所定量を例えば薬包紙のような材料からなる袋24のような第1の保持手段により気密的に分包しておくことができる。薬包紙からなる袋24は、その中の亜塩素酸ナトリウムの粉末12が大気中の水分および炭酸ガスと反応することを防止することにより、カップ状容器14に移すまで、亜塩素酸ナトリウムの粉末12を確実に保持する。この袋24を手で破ることにより、該袋内の亜塩素酸ナトリウムの粉末12をカップ状容器14内に移すことができる。このような袋24は、前記した薬包紙に代えて、人手で破ることのできる種々の気密性フィルムにより形成することができる。
前記した亜塩素酸ナトリウムの粉末12の保持手段として、袋24に代えてカップ状容器14を利用することができる。すなわち、予め計量された所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末12をカップ状容器14に配置した後、保存のために図2に示すように、カップ状容器14の前記上端開口をシート状のシール部材からなるシール蓋26により封止することができる。この場合、カップ状容器14およびシール蓋26が共同して亜塩素酸ナトリウムの粉末12のための保持手段を構成する。したがって、現場での使用時にシール蓋26をカップ状容器14から剥がし、該カップ状容器14内に酸性液16を注入することにより、二酸化塩素ガスを発生させることができる。
また、酸性液16の注入により、図2に示すように、二酸化塩素ガスの気泡28が発生する。この気泡28は、酸性液16のカップ状容器14の前記開放端へ向けて液面16aより上昇しようとする。このとき、酸性液16と未反応の亜塩素酸ナトリウムの粉末12が気泡28に連行されると、連行された前記粉末が酸性液16との接触を断たれることから、反応せずに残存する虞が生じる。そこで、この気泡28の上昇を阻止するために、カップ状容器14内の酸性液16の液面16aよりも僅かに上方の位置でカップ状容器14を横切る網30を設けることが望ましい。
この網30は、非水溶性材料からなり、例えばナイロンやビニロンのような合成樹脂材料で形成することが望ましい。その目開きの大きさは40μm以下である。網30は、カップ状容器14の底部へ向けての酸性液16の通過を許すが、上昇しようとする気泡28が網30に当たると、気泡28を破裂させる。その結果、気泡28の上昇が防止されることから、カップ状容器14の底部にある亜塩素酸ナトリウムの粉末12が、網30を越えて上昇することはなく、確実に酸性液16と反応する。したがって、より確実に二酸化塩素ガスを適正な濃度で持続的に発生させる上で、網30を設けることが好ましい。
図3には、本発明に係る他の二酸化塩素ガス発生装置110が示されており、図1に示したと同一機能部分には同一の参照符号が付されている、二酸化塩素ガス発生装置110では、所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末12が水溶性の収容体であるカプセル32に収容された状態で、カップ状容器14の底部と網30との間に予め配置されている。このカップ状容器14内に前記したと同様なシリンジ18に保持された酸性液16を注入することにより、カプセル32を溶かし、その中の亜塩素酸ナトリウムの粉末12と酸性液16との反応によって二酸化塩素ガスを発生させることができる。カプセル32は、例えばゼラチンやオブラートで形成することができる。
図3に示す例では、シリンジ18に接続された案内チューブ22は、カップ状容器14の側部から該容器内に貫通して示されている。これに代えて、図1に示したと同様に、案内チューブ22の先端をカップ状容器14の上端開口から該容器内に挿入することにより、酸性液16をカップ状容器14内に注入することができる。
また、図3に示す二酸化塩素ガス発生装置110では、カップ状容器14内の網30よりも上方の空間に送風器34が配置されている。送風器34は、ファン34aと、該ファンを駆動するための本体部34bとを備える。本体部34bには、図示しないが、ボタン電池のような電源と、開閉スイッチを経て前記電源からの電力を受ける電動モータが収容されており、該電動モータの駆動軸にファン34aが固定されている。本体部34bは、梁状の支持部材36により、ファン34aをカップ状容器14の前記上端開口へ向けて、カップ状容器14内に支持されている。
送風器34は、前記電動モータの駆動により、カップ状容器14に空気の撹拌流を作り出す。この撹拌流は、カップ状容器14内での二酸化塩素ガスの発生時に局部的にガス濃度が上昇することを防止し、カップ状容器14内でのガス濃度の均等化を図る。その結果、送風器34を設けた二酸化塩素ガス発生装置110によれば、カプセル32内に収容される亜塩素酸ナトリウムの粉末12の量が20gであっても、爆発が生じることはなかった。
したがって、送風器34を配置した場合、カップ状容器14に供給される亜塩素酸ナトリウムの粉末12を20gに増やすことができる。
ところで、亜塩素酸ナトリウムの粉末12の1g当たり、標準状態で250ccの二酸化塩素ガスが発生する。これによれば、送風器34を設けない二酸化塩素ガス発生装置10では、10gの亜塩素酸ナトリウムの粉末12を用いることができるので、1個当たり2500ccの二酸化塩素ガスを発生させることができる。他方、送風器34を設けた二酸化塩素ガス発生装置110では、20gの亜塩素酸ナトリウムの粉末12を用いることができるので、1個当たり5000ccの二酸化塩素ガスを発生させることができる。
したがって、本発明に係る二酸化塩素ガス発生装置を用いる場合、除菌、消毒および滅菌の処理程度に応じて、および処理を必要とする空間容量に応じて、その処理に必要な二酸化塩素ガスの量を満たすように、必要な二酸化塩素ガス発生装置10または110およびその個数が選択される。
図4および図5は、本発明に係る二酸化塩素ガス発生装置110の使用例を示す。処理対象物は、図4に示す例では、空調機から取り外された空調機用のフィルタ38である。
二酸化塩素ガス発生装置110は、送風器34のファン34aがフィルタ38に対向するように、そのカップ状容器14の上端開口をフィルタ38の空気取入口38aに向けて配置されている。カップ状容器14の前記上端開口とフィルタ38の空気取入口38aとの間には、前記上端開口から放出される二酸化塩素ガスを空気取入口38aに案内するための両端開放の全体に筒状のフード40が用いられている。フード40は、例えばビニールのような合成樹脂材料からなる。フード40の小径開口端は、カップ状容器14の前記状態開口の縁部を覆ってこれに封止されている。また、フード40の大径開口端は、空気取入口38aの縁部を覆ってこれに封止されている。図4に示す例では、フィルタ38内に案内された二酸化塩素ガスを該フィルタ内に封じ込めるための板状の蓋部材42がフィルタ38の出口38bに取り付けられている。
二酸化塩素ガス発生装置110は、図4に示したようにフード40を介してフィルタ38に取り付けられ、送風器34が作動された状態で、シリンジ18から酸性液16がカップ状容器14内に注入される。カップ状容器14内への酸性液16の注入により、前記したようにカップ状容器14内で発生する二酸化塩素ガスは、フード40を経てフィルタ38内に案内され、該フィルタの内部を燻蒸する。
図5には、フィルタ38は、室44の天井46に設けられた空調機用の空気吸込口に取り付けられた状態で、前記した二酸化塩素ガス発生装置110により燻蒸を受ける状態が示されている。この例によれば、二酸化塩素ガス発生装置110から発生した二酸化塩素ガスは、フード40を経てフィルタ38に案内された後、該フィルタの出口38bから天井ふところ46aを経て、天井46に設けられた給気口48から室44内に導かれる。
したがって、この場合、前記空調機のフィルタ38に加えて、天井ふところ46aおよび室44内の一括的な燻蒸が可能となる。
図6および図7は、本発明に係る二酸化塩素ガス発生装置110の滅菌効果を確認するための実験の一例を示す。図6に示すように、処理対象物は、ラットの飼育ケージ50である。飼育ケージ50は、1.0mの室内容積を有し、その床には、糞尿で汚染された厚さが5〜10cmの床敷52が配置されていた。この飼育ケージ50の内壁面および床敷52内には、それぞれ枯草菌を用いた市販の生物学的インジケータ54がそれぞれ配置された。
二酸化塩素ガス発生装置110のカップ状容器14として、前記したような網30および送風器34が配置された180ccの紙コップが用いられた。このカップ状容器14内に配置される亜塩素酸ナトリウムの粉末12の量は、5g、10g、15gおよび20gの4事例である。また、注入される酸性液16として、40%の重量濃度のリンゴ酸が用いられ、亜塩素酸ナトリウムの粉末12のそれぞれの量に対応して、12.5cc、25cc、37.5ccおよび50ccのリンゴ酸がカップ状容器14内にそれぞれ注入された。
生物学的インジケータ54として、3M社製の枯草菌インジケータ(Bacillus atrophaeus、菌体数4.3×10CFU)が用いられた。また、飼育ケージ50の二酸化塩素ガス濃度の測定のために、飼育ケージ50内には気体採取器56(GASTEC GV-100)および検知管58(GASTEC 23M, 8H)の組合せが配置された。飼育ケージ50内の温度および湿度は、計測器60(CLIMOMASTER6511(KANOMAX))により計測され、温度が22−26℃、相対湿度が50−91%に維持された。また、飼育ケージ50内には、二酸化塩素ガス発生装置110のカップ状容器14から放出される二酸化塩素ガスを飼育ケージ50内で均一に拡散するための撹拌流を生成する撹拌ファン装置62が配置された。
図7は、二酸化塩素ガス発生装置110による二酸化塩素ガスの発生後の時間経過(時間)と二酸化塩素濃度(ppm)とをそれぞれX軸およびY軸で表すグラフである。特性線64aから64dは、亜塩素酸ナトリウムの粉末12の使用量が5g、10g、15gおよび20gの場合での時間経過に伴うそれぞれの二酸化塩素濃度の変化を示す。
この実験では、5g以上の亜塩素酸ナトリウムの粉末12を用いることにより、2時間以内で両生物学的インジケータ54の完全な死滅が確認された。
二酸化塩素ガスを用いたインフルエンザウイルスの消毒では、数ppmの二酸化塩素濃度で有効であることから、図7に示されたグラフから、本発明に係る二酸化塩素ガス発生装置10および110は、例えばこのようなインフルエンザウイルスに汚染された救急車の室内の消毒あるいは滅菌に極めて有効であることが理解できよう。
本願に係る二酸化塩素ガスの発生に、図8に示すように、亜塩素酸ナトリウムの粉末および酸性粉末をそれぞれ収容する水溶性カプセルのような収容体112および116を用いることができる。酸性粉末は、水に溶けることにより酸性を示す粉末であり、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、フィチン酸、アスコルビン酸あるいはこれらの混合物などの食用酸の粉末を用いることが望ましい。
収容体112に収容される亜塩素酸ナトリウムの粉末は、例えば10gであり、収容体116に収容される前記酸製粉末は、前記したと同様に水に溶けたときにpH3以下となりかつ亜塩素酸ナトリウムの粉末に対応した必要が計量される。カップ状容器14内に亜塩素酸ナトリウムの粉末を収容する収容体112と、前記酸性粉末を収容する収容体116とが配置され、これらの反応のために例えばシリンジ18を用いて水66がカップ状容器14内に注入される。カップ状容器14内に配置する順序は、水66、収容体112および収容体116のいずれが先であっても良く、収容体112および収容体116をカップ状容器14内に配置する間に該容器内に水66を注入しても良い。
前記したように、予め計量された亜塩素酸ナトリウムの粉末を収容体112のようにカプセル化すると共に、予め計量された酸性粉末を収容体116のようにカプセル化することにより、酸性液の取り扱いが不要となる。また、カップ状容器14内に前記両カプセル(112および116)を配置すれば、カップ状容器14内に現場で単に水を注ぐだけで二酸化塩素ガスを簡易的に発生することができる。したがって、二酸化塩素ガスの発生を一層簡易的かつ容易におこなうことができる。
図9および図10に示された二酸化塩素ガス発生装置150では、そのカップ状容器14が上部14aおよび下部14bの組合せで構成されている。上部14aには、前記したと同様な送風器34が支持部材36を介して支持されている。上部14aの下縁は、下部14bの網30が設けられた上縁を覆ってこれに嵌合可能である。下部14bの底には、亜塩素酸ナトリウムの粉末が収容された収容体112の挿入を許す開口68が設けられ、該開口には、これを密閉するためのシール底蓋70が装着されている。
網30上の外縁部には、前記した酸性液16を収容する保持手段として、シリンジ18に代えて、可撓性を有する合成樹脂材料から成る蛇腹構造の注入器118が用いられており、該注入器は、その案内チューブ122の先端がシール底蓋70上に達するように、網30上に保持されている。
二酸化塩素ガス発生装置150の使用に際し、先ず、カップ状容器14の下部14bからシール底蓋70が取り外される。下部14bの開口68から収容体112が下部14b内に挿入されると、シール底蓋70が開口68に装着される。このシール底蓋70の取付けによって開口68が気密的に封止された状態で、図9に示すように、注入器118に人手による押圧力120が作用すると、注入器118の案内管122を経て、注入器118内の酸性液16がカップ状容器14の下部14b内に注入される。この酸性液16の下部14b内への注入後に、図10に示すように、下部14bに上部14aが装着され、送風器34が前記スイッチの操作により作動される。
二酸化塩素ガス発生装置150では、注入器118から下部14b内に注入された酸性液16が収容体112を溶かし、該収容体の内部の亜塩素酸ナトリウムの粉末と酸性液16とが反応すると、前記したと同様に、その反応によって二酸化塩素ガスが発生する。したがって、例えば燻蒸を必要とする救急車の室内で、前記した二酸化塩素ガス発生装置150を使用することにより、比較的簡単な操作で、車輌室内を燻蒸することができる。
また、二酸化塩素ガス発生装置150には、カップ状容器14内に送風器34が設けられていることから、燻蒸対象の容積に応じて、1個のカップ状容器14について、10gの亜塩素酸ナトリウムの粉末12を収容した2個のカプセル112を配置し、あるいは20gの亜塩素酸ナトリウムの粉末12を収容した1個のカプセル112を用い、それに見合う量の酸性液16を収容した注入器118を用いることができる。さらに大容量の燻蒸対象に対し、複数個の二酸化塩素ガス発生装置150を用いることができる。
また、前記したような注入器118を一体としたカップ状容器14と収容体112とをセットにして梱包することにより、二酸化塩素ガス発生装置150の搬送中での取り扱いや現場での取り扱いが一層容易に行える。
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々に変更することができる。亜塩素酸ナトリウムの粉末を保持する第1の保持手段をカップ状容器14およびシール蓋26で構成した例、袋24で構成した例を示し、水溶性の第1の収容体としてカプセルの例を示した。また第2の保持手段として、シリンジ18および注入器118を示し、第2の水溶性の収容体としてカプセルの例を示した。しかしながら、これらは一例に過ぎず、亜塩素酸ナトリウムの粉末12、酸性液あるいはその粉末の収容および保存に適した種々の材料および構成を採用することができる。
また、本発明に係る二酸化塩素ガス発生方法および装置は、消毒、殺菌、滅菌または燻蒸のために使用することができ、さらにその他の目的にも使用することができる。また、カップ状容器の容量として180ccに限定されることはなく、これを越える容量の容器を用いることができる。
本発明に係る方法を実施する装置を概略的に示す説明図である。 本発明に係る方法の反応工程に関連して、本発明に係る前記装置の変形例を示す図1と同様な図面である。 本発明に係る前記装置のさらに他の変形例を示す説明図である。 図3に示した装置を用いた燻蒸例を示す説明図である。 図3に示した装置を用いたさらに他の燻蒸例を示す説明図である。 図3に示した装置を用いた燻蒸実験の環境を示す説明図である。 図6に示した燻蒸実験の結果を示すグラフであり、横軸は経過時間(時間)を示し、縦軸は二酸化塩素濃度(ppm)をそれぞれ示す。 本発明に係る方法を実施するさらに他の装置を概略的に示す図1と同様な説明図である。 本発明に係る方法を実施するさらに他の装置を分解して示す説明図である。 図9に示した装置の組み立て図である。
符号の説明
10、110、150 二酸化塩素ガス発生装置
12 亜塩素酸ナトリウムの粉末
14(14a、14b) カップ状容器
16 酸性液
18、118 第2の保持手段
24 第1の保持手段
26 シール蓋
30 網
32、112 第1の収容体
34 送風器
116 第2の収容体

Claims (12)

  1. 非透水性処理が施された紙、布、発泡スチロールまたは皮あるいは可撓性合成樹脂フィルムで形成された非透水性軟質材料から成る一端開放の容器に、所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末と、酸性液とを供給し、前記容器内での両者の化学反応によって、二酸化塩素ガスを発生させ、前記容器の底部に間隔を置きかつ前記容器内を横切って非水溶性材料からなる網であって該網と前記底部との間に前記粉末の通過を阻止し得る大きさの目開きを有する網を配置する、二酸化塩素ガス発生方法。
  2. 前記酸性液の供給は、水溶液が酸性を示す粉末と、該粉末を溶かす水との前記容器内への供給によりなされる、請求項1に記載の二酸化塩素ガスの発生方法。
  3. 前記容器内に供給される前記亜塩素酸ナトリウムの粉末の重量は、10g以下である、請求項1に記載の二酸化塩素ガス発生方法。
  4. 前記酸性液のpH値は3以下である、請求項1に記載の二酸化塩素ガス発生方法。
  5. 非透水性処理が施された紙、布、発泡スチロールまたは皮あるいは可撓性合成樹脂フィルムで形成された非透水性軟質材料から成る一端開放の容器と、
    該容器内に配置される所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末と大気中の水分との反応を抑制した状態で前記粉末を保持しかつ該保持が解除可能の第1の保持手段と、
    少なくとも前記容器内に配置される前記亜塩素酸ナトリウムとの化学反応によって二酸化塩素ガスを発生するに必要な所定量の酸性液を前記容器内に注入すべく前記酸性液を保持しかつ該保持が解除可能な第2の保持手段とを備え
    さらに、前記容器の底部に間隔を置きかつ前記容器内を横切って配置される非水溶性材料からなる網であって該網と前記底部との間に前記粉末の通過を阻止し得る大きさの目開きを有する網を含む、二酸化塩素ガス発生装置。
  6. 非透水性処理が施された紙、布、発泡スチロールまたは皮あるいは可撓性合成樹脂フィルムで形成された非透水性軟質材料から成る一端開放の容器と、所定量の亜塩素酸ナトリウムの粉末が収容された水溶性の第1の収容体と、水溶液が酸性を示す所定量の酸性粉末が収容された水溶性の第2の収容体と、前記容器の底部に間隔を置きかつ前記容器内を横
    切って配置される非水溶性材料からなる網であって該網と前記底部との間に前記粉末の通過を阻止し得る大きさの目開きを有する網とを備え、前記容器内に配置された前記両収容体を溶かすと共に、前記亜塩素酸ナトリウムとの化学反応のために前記酸性粉末を溶かして酸性液を作る水が前記容器内に注入される、二酸化塩素ガス発生装置。
  7. 前記酸性液は食用有機酸である、請求項に記載の二酸化塩素ガス発生装置。
  8. 前記1の保持手段は、前記亜塩素酸ナトリウムの粉末が予め収容された前記該容器と、該容器内に前記粉末を封止すべく前記開放端に取り外し可能に設けられたシート状のシール部材とで構成される、請求項に記載の二酸化塩素ガス発生装置。
  9. 前記網の目開きの大きさは、40μm以下である、請求項5または請求項6に記載の二酸化塩素ガス発生装置。
  10. 第2の保持手段は、予め計量された所定量の前記酸性液を前記容器内に注入可能に保持する注入手段である、請求項に記載の二酸化塩素ガス発生装置
  11. 前記第1および第2の収容体は、それぞれゼラチンまたはオブラートで形成されている、請求項に記載の二酸化塩素ガス発生装置。
  12. 前記容器内には、該容器の底部に間隔を置きかつ前記容器内を横切って配置される非水溶性材料からなる網が配置されており、また前記容器の底部には、前記容器内への前記第1の収容体の挿入を許す開口と、該開口を解除可能に密閉する栓とが設けられており、前記網の目開きの大きさは、前記第1の収容体内の前記亜塩素酸ナトリウムの粉末の前記容器の開口へ向けての浮遊を拘束すべく、40μm以下である、請求項に記載の二酸化塩素ガス発生装置。
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