JP4125103B2 - 二酸化塩素ガス発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺菌や消臭に使用する二酸化塩素ガスを、塩酸と亜塩素酸ナトリウムを反応させて発生させる二酸化塩素ガス発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
二酸化塩素ガスは、食品の殺菌、脱臭、水処理などに広く使用されている。二酸化塩素ガスは、塩酸と亜塩素酸ナトリウムを一定の比率で混合すると発生し、水と塩化ナトリウムが残る(特許文献1参照)。二酸化塩素ガスは殺菌又は消臭効果があり、現在は水と混ぜ水溶液として使用し、プールの殺菌や、食品加工物の殺菌等に使用されている。また、ゲル状にして気化させ、室内の浮遊菌を殺菌したりする。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−220207号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
塩酸と亜塩素酸ナトリウムは混合した場合、二酸化塩素ガスが発生し、一定時間後には水と塩化ナトリウムが残る。したがって連続的に一定時間後に水と塩化ナトリウムを回収できれば、二酸化塩素ガスのみを取り出すことができる。しかし、水溶液として使用し、それを空気中に噴霧した場合、塩化ナトリウムを含んでいるので、問題がある所も多し、水分を嫌う場所では、使用できない。通常液体を気化するには、加熱したり、送風によって気化させることが多いが、塩が固まって気化を妨害するという問題がある。
【0005】
また、ゲル状にして使用している所は、ガスの濃度が薄く、使用に耐えない所もある。
【0006】
そこで、本発明は、塩酸と亜塩素酸ナトリウムを混合して二酸化塩素ガスを発生させ、不要な水と塩化ナトリウムを回収する二酸化塩素ガス発生装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の二酸化塩素ガス発生装置は、下部に反応容器を備えた密閉容器からなり、密閉容器には塩酸および亜塩素酸ナトリウムを供給する塩酸供給口および亜塩素酸ナトリウム供給口が設けられとともに、発生した二酸化塩素ガスを放出するための空気を導入する空気導入口および発生した二酸化塩素ガスを放出する二酸化塩素ガス放出口が設けられ、反応容器の底面には、塩酸および亜塩素酸ナトリウムが完全に反応して二酸化塩素ガスを生成させ、二酸化塩素ガスを含まない塩化ナトリウム+水を生成させる長さの反応溝が形成されるとともに、反応溝の始点は供給された塩酸および亜塩素酸ナトリウムを混合して貯めるための貯留溝が形成され、これに連続する反応溝内には繊維が充填され、反応溝の終点に生成した塩水を排出するための塩水排出口を設けてなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
二酸化塩素ガス(ClO2)は、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)と塩酸(HCl)を一定比率で混合することにより発生する。その際に塩化ナトリウムと水、つまり塩水が生成する。二酸化塩素ガスを取りだすために風等で気化させると、塩水が乾き、塩の結晶ができ、気化装置の目づまり等を起し、気化の能力が低下する。したがって、二酸化塩素ガスと塩水を分離し、塩水を回収することが必要となる。
【0009】
そこで、本発明は、亜塩素酸ナトリウムと塩酸の二液を混合してから完全にガスが放出する時間を取ることができる長さの溝を作り、その内部に毛細管を多数入れ、ガスを放出させながら毛管現象により、連続的に、一定時間後塩水を排水口へ導き、完全にガスが放出した塩水を排水口より収容する。
【0010】
その結果、気化器の内部の温度を一定とすることにより、安定したガスの放出を得ることができる。
【0011】
【実施例】
図1(a)は本発明の二酸化塩素ガス発生装置の概略を示す平面図、(b)は同側面図、(c)は溝部分の断面図である。
【0012】
二酸化塩素ガス発生装置1は、下部の反応容器2とこれを覆う上部のカバー3からなる密閉させた容器で構成されている。カバー3には塩酸および亜塩素酸ナトリウムを反応容器2に供給する塩酸供給口4および亜塩素酸ナトリウム供給口5が設けられている。また、二酸化塩素ガス発生装置1には空気導入口6および発生した二酸化塩素ガスを放出する二酸化塩素ガス放出口7が設けられ、空気吹き込み口6から空気を導入することにより二酸化塩素ガス放出口7から二酸化塩素ガスを放出する。
【0013】
反応容器2の底面には、反応溝8が形成され、反応溝8の始点は塩酸供給口4から供給された塩酸および、亜塩素酸ナトリウム供給口5から供給された亜塩素酸ナトリウムを混合して貯めるための貯留溝9が形成されている。貯留溝9は、反応溝8よりやや大きい溝に形成されている。
【0014】
貯留溝9に連続する反応溝8の長さは少なくとも、塩酸および亜塩素酸ナトリウムが完全に反応して二酸化塩素ガスを生成させ、二酸化塩素ガスを含まない塩水(塩化ナトリウム+水)を生成させる長さとする。また、反応溝8内には、図1(c)に示すように、ガラスファイバー等の耐化学性に優れた繊維10が充填される。反応溝8の終点には、反応により生成した塩水を排出するための塩水排出口11を設けて排出する。
【0015】
反応溝8内にガラスファイバー10を充填することにより、塩酸および亜塩素酸ナトリウムを毛管現象を利用して緩やかに流し、一定時間後に完全に反応させ、完全に二酸化塩素ガスが抜けた塩水を塩水排出口11から排出する。
【0016】
二酸化塩素ガス発生装置の内部は、安定した二酸化塩素ガスを放出させるために、温度を一定にすることが望ましい。
【0017】
図2は本発明の二酸化塩素ガス発生装置を組み込んだ二酸化塩素供給装置の一例を示す概略図である。
【0018】
本発明の二酸化塩素ガス発生装置1で発生した二酸化塩素ガスは、空気導入口6から空気を導入して二酸化塩素ガス放出口7から放出されて二酸化塩素供給装置12に供給される。二酸化塩素供給装置12にはダクト13の下部に送風用のファン14が設けられており、ファン14により二酸化塩素ガスをダクトから放散され、殺菌、脱臭に使用される。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、二酸化塩素ガスは塩水を含まない気化ができるので、水分も微量しか含まない。又高濃度のガスが発生でき、二液の量を変えることにより、濃度の調節も簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の二酸化塩素ガス発生装置の概略を示す平面図、(b)は同側面図、(c)は溝部分の断面図である。
【図2】 本発明の二酸化塩素ガス発生装置を組み込んだ二酸化塩素供給装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:二酸化塩素ガス発生装置 2:反応容器
3:カバー 4:塩酸供給口
5:亜塩素酸ナトリウム供給口 6:空気導入口
7:二酸化塩素ガス放出口 8:反応溝
9:貯留溝 10:繊維
11:塩水排出口 12:二酸化塩素ガス供給装置
13:ダクト 14:ファン
Claims (1)
- 下部に反応容器を備えた密閉容器からなり、
密閉容器には塩酸および亜塩素酸ナトリウムを供給する塩酸供給口および亜塩素酸ナトリウム供給口が設けられとともに、発生した二酸化塩素ガスを放出するための空気を導入する空気導入口および発生した二酸化塩素ガスを放出する二酸化塩素ガス放出口が設けられ、
反応容器の底面には、塩酸および亜塩素酸ナトリウムが完全に反応して二酸化塩素ガスを生成させ、二酸化塩素ガスを含まない塩化ナトリウム+水を生成させる長さの反応溝が形成されるとともに、反応溝の始点は供給された塩酸および亜塩素酸ナトリウムを混合して貯めるための貯留溝が形成され、これに連続する反応溝内には繊維が充填され、反応溝の終点に生成した塩水を排出するための塩水排出口を設けてなることを特徴とする二酸化塩素ガス発生装置。
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