JP3029857U - 二酸化塩素水希釈装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸化塩素発生機で得られる高濃度二酸化塩
素水を使用に好適な濃度に希釈する希釈装置の提供。 【解決手段】 混合器と希釈水流量計とを連結管で連結
して希釈水を給水し、該連結管に設けた枝管より高濃度
二酸化塩素水を供給し、両者を該混合器中で混合する。 【効果】 二酸化塩素発生機で直接低濃度の二酸化塩素
水を製造する必要がないので、該発生機の発生効率を高
く維持できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は殺菌・消毒、脱臭、脱色、防虫、異臭味改善等広範囲の用途に利用 される二酸化塩素水を二酸化塩素発生機にて連続発生させ、この発生機に連結し て実際に用いられる濃度に簡便な希釈が出来る装置に関する。さらに詳しくは食 品加工、プール、冷却塔のスライム防止等に適切な希釈された滅菌剤水溶液の提 供に係る。

【０００２】

【従来の技術】

二酸化塩素は化学式ＣｌＯ₂ で表される物質で、融点−５９℃、沸点１１℃の 常温ではガス状の物質であって、強い酸化力と殺菌性を有する。ガス濃度１０％ 以上で爆発性、常温常圧下では水に対して約３０００ｐｐｍ（ｍｇ／ｌ）の溶解 度を持つ。二酸化塩素の製造方法としては従来、パルプ漂白等の大規模な工業利 用では塩素酸塩に鉱酸単独あるいは過酸化水素、亜硫酸ガス、メタノール等の還 元性物質を加え製造されている。 塩素酸塩を原料とする方法では塩素と二酸化塩素の混合物が生成する。肌着や ワイシャツの漂白、飲料水の殺菌・消毒、異臭味改善、工業廃水等の脱臭、脱色 、農業ハウス内の防虫、冷却塔のスライム防止、油井賦活等の中規模利用や生活 関連用途では亜塩素酸塩水溶液と酸水溶液あるいは亜塩素酸塩水溶液と塩素ガス を反応させて使用されている。

【０００３】 亜塩素酸塩を原料とした中規模用途向けの二酸化塩素は発生機にて水溶液とし て製造、利用されている。これら発生機では１００ｍｇ／ｌ以下の低濃度は反応 物質濃度が低すぎる為に反応率が極度に低く、経済性に大きな問題が生じる。殺 菌等に必要とする１００ｍｇ／ｌ以下の低濃度を効率よく発生させるには、塩類 濃度を上げるとか触媒を添加する等の特別な配慮をしても大きな効果は期待でき ない。 また、発生機にて連続的に発生させた二酸化塩素水を貯留槽に受けてから希釈 するのでは余分な設備と労力がいるばかりでなく、希釈時の撹拌で二酸化塩素ガ スとしての揮散ロスを生じるので経済的でない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案者等は鋭意研究の結果、二酸化塩素発生機で製造困難な１００ｍｇ／ｌ 以下の殺菌等に適切な、例えば鶏卵殺菌やカット野菜の殺菌では１００〜４００ Ｌ水槽に５〜５０ｍｇ／ｌ濃度の二酸化塩素水を入れ、毎分数Ｌ〜数十Ｌを連続 注水することが求められる、実用的濃度の二酸化塩素水を連続的に得るための方 策として、高効率で発生させた高濃度二酸化塩素水を、発生機に連結できる希釈 ユニットで一旦容器に取り出すことなく低濃度とし、連続的に供給可能ならしめ る装置の考案に至った。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は以下の構成を有する。 （１）上下又は水平方向に混合器と流量計とを連結管で連結してなり、該流量 計の給水口には流量調節弁、出口には逆止弁が、前記連結管には、枝管を通じて 逆止弁と高濃度塩素水供給口が取付けられ、混合器の他端には希釈二酸化塩素出 口管が結合されてなる二酸化塩素水希釈装置。

【０００６】 本考案では希釈装置の心臓部であるラインミキサーとしてスタティックミキサ ー、ラッシヒリング、多孔体、粒状体、網状体、繊維フィルター等を単体もしく は、２種類以上を組み合わせて内蔵した混合装置を使用する事でスムースな希釈 が可能である。希釈装置材質としては特に二酸化塩素水と接する部位には、硬質 塩化ビニール等のプラスチック類、硝子、チタン合金、ＳＵＳ３１６が好適であ り、その他部位も硬質塩化ビニール等のプラスチック類が望ましい。 設計上の留意点は希釈しようとする高濃度二酸化塩素水の供給口は充分な混合 が行えるようにラインミキサー入り口に可能な限り近づけることである。装置に 用いるパイプ径やラインミキサー径その他部品は希釈総量や流速により適宜決め られる。

【０００７】

【実施例】

図１に、この考案の１実施例のユニット装置を示す。図に示すように、この考 案の希釈装置は二酸化塩素発生機からの連続供給される高濃度二酸化塩素水を逆 止弁３（塩ビ製）を通して受入れ、下部より流量調節弁１（塩ビ製ボールバルブ ）、次いで流量計２（ＳＵＳ３０４フロートガラス流量計）−逆止弁３（塩ビ製 ）を通り発生機から高濃度二酸化塩素水より多量の希釈水と連結管８において合 流せしめられる。混合器（ＳＵＳ３１６製スタティクミキサー）４にて高濃度二 酸化塩素水は希釈される。なお配管材質は全て硬質塩化ビニール製を用いた。 表１には発生機よりの高濃度二酸化塩素水を本考案の希釈装置で希釈した場合 の稀釈率計算の１例を示した。二酸化塩素発生機より、二酸化塩素濃度９８ｍｇ ／ｌ、発生量毎分１６２０ｍｌで連続送液された液を本考案の希釈装置に連結し 、希釈水に水道水を用いて毎分２０Ｌと４０Ｌ希釈を行った。その結果、表１よ りの計算値濃度はそれぞれ７．３と３．８ｍｇ／ｌに対して実測値は７．２及び ３．８ｍｇ／ｌであった。同じく二酸化塩素濃度３８０ｍｇ／ｌ、２０００ｍｌ ／ｍｉｎ水溶液を１８Ｌと３２Ｌ水道水にて本希釈装置で希釈した所、理論値３ ８及び２２ｍｇ／ｌに対し、それぞれ３７及び２０ｍｇ／ｌといづれも計算値に 非常によく一致した。

【０００８】

【表１】

【０００９】 比較例 二酸化塩素発生機で亜塩素酸ソーダ、次亜塩素酸ソーダ及び塩酸を用いた３液 法にて連続的に二酸化塩素濃度９８ｍｇ／ｌ、発生量毎分１６２０ｍｌで製造し た場合の発生効率は９３％、また二酸化塩素濃度３８０ｍｇ／ｌ、２０００ｍｌ ／ｍｉｎの場合の発生効率は９６％と高効率であった。 一方、発生機にて４００００ｍｌ／ｍｉｎ流量中に理論量の原料フィードにて 理論値４０及び２０ｍｇ／ｌの二酸化塩素を発生させた場合、その効率はバラツ キを伴い４０〜６０％であった。また２２０００ｍｌ／ｍｉｎで５ｍｇ／ｌをタ ーゲットとして発生機を運転した場合には、二酸化塩素生成は遅く常温で２０〜 ３０分放置後に３６０ｎｍ分光光度法にての測定で、１以下〜１ｍｇ／ｌでとて も実用には向かないデーターであった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の二酸化塩素水希釈ユニット装置の例示

【符号の説明】

１ 流量調節弁 ２ 流量計 ３ 逆止弁 ４ 混合器 ５ 高濃度二酸化塩素水供給口 ６ 希釈水入口管 ７ 希釈二酸化塩素水出口管 ８ 連結管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下又は水平方向に混合器と流量計とを
   連結管で結合してなり、該流量計の給水口には流量調節
   弁、出口には逆止弁が、前記連結管には、枝管を通じて
   逆止弁と高濃度塩素水供給口が取付けられ、混合器の他
   端には希釈二酸化塩素出口管が結合されてなる二酸化塩
   素水希釈装置。