JP5448471B2 - 気相反応方法及び気相反応装置 - Google Patents
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Description
図1に通常の流動層反応装置の概略図を示す。流動層反応器1の空気(酸素)導入管2から空気(酸素)を導入し、空気(酸素)分散板3の吹出し孔を通して触媒層6に導入する。一方、原料導入管4より原料を導入し、原料分散管5の吹出し管を通して触媒層6に導入し、空気(酸素)と原料で触媒を流動させる。
触媒層6を出る生成ガスに同伴されて触媒層6から飛び出した触媒粒子の一部は、生成ガスに同伴、輸送されて流動層反応装置外に排出されるので、流動層反応器1の上部にサイクロン8a、8b、8cを設置して触媒粒子の流動層反応装置外への排出を防止する。触媒粒子の捕集効率を上げるために、通常3段のサイクロンを直列につないで用いる。ガス流れの順にNo.1サイクロン、No.2サイクロン、No.3サイクロンと言う。図1では、3段のサイクロンが1系列描かれているが、生成ガス量に応じて2系列以上設置される。生成ガスは生成ガス流出管11を通して流動層反応器1から排出される。サイクロン8a、8b、8cで捕集された触媒粒子は、それぞれディプレッグ9a、9b、9cを流下して触媒層6に戻される。No.1サイクロンのディプレッグ9aの下部には受け板10cが設けられ、No.2及びNo.3サイクロンのディプレッグの下部にはトリクルバルブ10b、10aがそれぞれ設置される。これらは、ディプレッグ下部からガスが流入するとサイクロン捕集効率が著しく低下するので、この触媒捕集効率低下を防ぐために設置されている。
非特許文献1に記載の方法の場合は、反応装置内では流動化されている触媒がトリクルバルブ内底部では一旦非流動性化されて堆積するために、触媒がトリクルバルブ内に詰まりを生じさせると考えられる。そして本発明者らは鋭意検討した結果、トリクルバルブ内で触媒を流動化させることが、サイクロンディプレッグの閉塞及び触媒劣化の課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
[1]
(1)触媒層を含む流動層反応器に原料ガスを供給する工程、
(2)前記原料ガスを前記触媒層に通過させて生成ガスを得る工程、
(3)前記生成ガスを前記触媒層から排出してサイクロンに導入したのち、前記生成ガスを前記流動層反応器から排出する工程、
(4)前記生成ガスが前記サイクロンに導入される際に同伴する触媒をサイクロンディプレッグ中に回収する工程、
(5)前記サイクロンディプレッグ中に回収した前記触媒をサイクロンディプレッグ下部に設けられたトリクルバルブを用いて前記触媒層に戻す工程、
を含む気相反応方法であって、
前記工程(5)において前記トリクルバルブ内で前記触媒を流動化させることを含む、気相反応方法。
[2]
前記トリクルバルブ内での前記触媒の流動化を、ガスを吹出させることによって行う上記[1]記載の方法。
[3]
前記ガスの吹出しを前記トリクルバルブ内の底部付近から行う上記[2]記載の方法。
[4]
前記ガスの吹出しを前記トリクルバルブ内の底部付近に設置されたノズルから行う上記[2]記載の方法。
[5]
前記ノズルが前記トリクルバルブ側面から挿入されている上記[4]記載の方法。
[6]
前記ガスの吹出し速度が10〜60m/secである上記[2]〜[5]のいずれか記載の方法。
[7]
前記原料ガスが炭素数2〜4のアルカン及び/又はアルケンを含む、上記[1]〜[6]のいずれか記載の方法。
[8]
前記アルカンはプロパン及び/又はイソブタンである、上記[7]記載の方法。
[9]
前記アルケンはプロピレン及び/又はイソブチレンである、上記[7]又は[8]記載の方法。
[10]
前記気相反応がアンモ酸化反応である、上記[1]〜[9]のいずれか記載の方法。
[11]
流動層触媒を含む流動層反応器、
前記流動層触媒を捕集するために前記流動層反応器内に設けられたサイクロン、
前記サイクロンに接続されたサイクロンディプレッグ、及び
前記サイクロンディプレッグ下部に設けられたトリクルバルブ、
を備える気相反応装置であって、
前記トリクルバルブ内にトリクルバルブ内部に堆積する触媒を流動化させる流動化装置を有する気相反応装置。
[12]
前記流動化装置はガスの吹出し穴を設けられたノズルである、上記[11]記載の気相反応装置。
[13]
前記ノズルが、トリクルバルブ底部からの距離0〜30mmの範囲内に設置されている、上記[12]記載の気相反応装置。
[14]
前記ノズルのトリクルバルブ内への挿入長さが、トリクルバルブの側壁間長さの0.5〜0.9倍である、上記[12]又は[13]記載の気相反応装置。
[15]
前記ノズルに設けられたガスの吹出し穴が1〜20個である、上記[12]〜[14]のいずれか記載の気相反応装置。
(1)触媒層を含む流動層反応器に原料ガスを供給する工程、
(2)前記原料ガスを前記触媒層に通過させて生成ガスを得る工程、
(3)前記生成ガスを前記触媒層から排出してサイクロンに導入したのち、前記生成ガスを前記流動層反応器から排出する工程、
(4)前記生成ガスが前記サイクロンに導入される際に同伴する触媒をサイクロンディプレッグ中に回収する工程、
(5)前記サイクロンディプレッグ中に回収した前記触媒をサイクロンディプレッグ下部に設けられたトリクルバルブを用いて前記触媒層に戻す工程、
を含む気相反応方法であって、
前記工程(5)において前記トリクルバルブ内で前記触媒を流動化させることを含む、方法である。
流動層反応器1は公知のものと同様でよく、例えば、
該流動層反応器下部に接続された空気(酸素)導入管2、
該流動層反応器1の下部に設けられた反応原料である空気(酸素)分散板3及び空気(酸素)以外の原料分散管5、
該原料分散管5上部に接続された原料導入管4、
該原料分散管5上部に充填された触媒層6、
該流動層反応器1内の上部に備え付けられたサイクロン8a、8b及び/又は8c、
該サイクロン8cの入口7、
該サイクロン8a、8b及び/又は8cに接続されたディプレッグ9a、9b及び/又は9c、
該ディプレッグ9a、9b及び/又は9c下部に設けられたトリクルバルブ10a及び/又は10b、受け板10c、
該流動層反応器上部に設けられた生成ガス流出管11、
該ディプレッグ内の上部と下部の差圧を測定する差圧測定器13、
該測定器と該ディプレッグを接続するノズル15a及び15b、
該ノズルに接続されたパージガス導入管12、
を備えている。
[工程(1)]
工程(1)は、触媒層を含む流動層反応器に原料ガスを供給する工程である。
原料ガスは、原料導入管4等により流動層反応器1に供給される。原料ガスとしては気相反応の原料となるものであれば特に限定されず、例えば、アルカン、アルケン、アルコール、芳香族炭化水素等の炭化水素、必要に応じて、前記炭化水素に加えてアンモニア及び/又は空気(酸素)が使用される。具体的には、酸化反応の場合、前記炭化水素と酸素や空気等の酸化剤が用いられ、アンモ酸化反応の場合、前記炭化水素と、酸素や空気等の酸化剤と、アンモニアとが用いられ、アルキル化反応の場合、前記炭化水素から選ばれる2種類以上の物質が用いられる。
尚、図1には流動触媒層6の界面が記載されている。該界面は、原料ガス未導入時は静止している。原料ガス導入後は、触媒層の空隙率の増加及び大小のあわだちによって界面の突出が起こるため、層高は均一ではなくなる。従って、界面の位置はあくまで近似的・平均的に図示されたものにすぎない。
工程(2)は、原料ガスを触媒層に通過させて生成ガスを得る工程である。
原料ガスは触媒層を通過しながら反応して、生成ガスが得られる。得られる生成ガスとしては、例えば、プロパン及び/又はプロピレンを原料とするアンモ酸化反応の場合はアクリロニトリル等を含むガスであり、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、ベンゼンからなる群から選ばれる1種以上を原料とする酸化反応の場合は無水マレイン酸等を含むガスであり、i−ブテン及び/又はi−ブタンを原料とするアンモ酸化反応の場合はメタクリロニトリル等を含むガスであり、o−キシレン及び/又はナフタレンを原料とする酸化反応の場合は無水フタル酸等を含むガスであり、フェノール及びメタノールを原料とするアルキル化反応の場合は2,6−キシレノール及び/又はo−クレゾール等を含むガスであり、メタン及び/又はメタノールを原料とするアンモ酸化反応の場合は青酸(HCN)等を含むガスであり、エタン、エテン、エタノールからなる群から選ばれる1種以上を原料とするアンモ酸化反応の場合はアセトニトリル等を含むガスである。
工程(3)は、生成ガスを触媒層から排出してサイクロンに導入したのち、前記生成ガスを流動層反応器から排出する工程である。
工程(2)で得られた生成ガスは触媒層から排出されてサイクロン入り口7からサイクロン8c、8b及び/又は8aに導入されたのち、流動層反応器から排出される。
工程(4)は、生成ガスがサイクロンに導入される際に同伴する触媒をサイクロンディプレッグ中に回収する工程である。
生成ガスが触媒層から排出される際に、生成ガスに触媒が同伴されるため、触媒が飛散される。生成ガスと同伴して飛散された触媒を捕集して生成ガスと分離するために、サイクロン8a、8b及び/又は8cを用いる。触媒を同伴している生成ガスは図1のサイクロン入り口7に流入され、No.1サイクロン8c、No.2サイクロン8b、No.3サイクロン8aの順に通過して、生成ガスと触媒は分離される。生成ガスと分離された触媒は、それぞれのサイクロンに取り付けられたサイクロンディプレッグ9a、9b及び9c中に回収される。
工程(5)は、サイクロンディプレッグ中に回収した触媒をサイクロンディプレッグ下部に設けられたトリクルバルブを用いて触媒層に戻す工程である。
生成ガスと分離された触媒は、それぞれのサイクロンに取り付けられたディプレッグ9a、9b及び9cを介して流下し、それぞれ受け板10c及びトリクルバルブ10b、10aを経て反応器下部に戻される。実質的に触媒と分離された生成ガスは、流出管11により流動層反応器から排出される。
図2のa)に例示する受け板は、No.1ディプレッグ下端にとりつけられ、該受け板には触媒排出のための隙間が設けられている。図2のb)に例示するトリクルバルブは、No.2及びNo.3ディプレッグ下端に取り付けられ、該トリクルバルブの出口は普段は閉じられている。ディプレッグ内部に触媒が一定量溜まるとその質量で該トリクルバルブに設けられている板が開かれ、触媒が排出される。
図3a)は、トリクルバルブを正面から見た概略図である。ここで、ディプレッグ下端の開口部には、図2のb)に示すような板が取り付けられているが、図3a)においては、便宜上、省略して描いている。分散板17の上部に設けられたガスを吹き出させるためのトリクルバルブパージガス吹出し口16が示されている。ここで、図3a)において、ガス吹出し口16は8個設けられているが、これは便宜上示されている個数であるため、当然、この個数に限定されるものではない。
図3b)は、トリクルバルブを側面から見た概略図であり、分散板17、分散板上部に設けられたトリクルバルブパージガス吹出し口16、及びノズル14が示されている。ここで、ディプレッグ下端の開口部には、図2のb)に示すような板が取り付けられているが、図3a)と同様に、便宜上、省略して描いている。
本実施の形態の気相反応方法に好適な気相反応装置は、
流動層触媒を含む流動層反応器、
前記流動層触媒の一部を捕集するために前記流動層反応器内に設けられたサイクロン、
前記サイクロンに接続されたサイクロンディプレッグ、及び
前記サイクロンディプレッグ下部に設けられたトリクルバルブ
を備える気相反応器であって、
前記トリクルバルブ内にトリクルバルブ内部に堆積する触媒を流動化させる流動化装置を有する気相反応装置である。
なお、実施例で用いた流動層反応装置は、図1に示したものと同様であり、流動層反応器の下部には、反応原料であるガスの分散管及び分散板を有し、反応熱の除去のための除熱管が内装されていた。また、流動層反応器の上部には、反応器から流出する生成ガスに混入した触媒を捕集するサイクロンを有し、ディプレッグで触媒を下部に返送した。
ディプレッグの差圧測定ノズルパージ管の内径は0.020mで、図のようにディプレッグの上部及び下部に接続されていた。
計器、付属設備は通常使用されるものであり、通常の誤差範囲内のものであった。
反応生成物の収率及び未反応率は、生成ガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで測定した分析データから下式により計算した。
(反応生成物の収率(%))=(生成物中の炭素質量(g))/(供給した反応原料である有機化合物中の炭素質量(g))×100
(未反応率(%))=(未反応の反応原料である有機化合物中の炭素質量(g))/(供給した反応原料である有機化合物中の炭素質量(g))×100
触媒の粒径は、エスケイ・レーザー・ミクロン・サイザー・プロ−7000S(セイシンエンタープライズ社製)を用い、分散時間90秒として測定を行った。平均粒径は、体積平均で求めた。
反応の原料ガスであるプロピレン、アンモニア及び空気を図1に示すものと同様の流動層反応器1に供給し、プロピレンのアンモ酸化反応を下記のとおりに行った。
No.2及びNo.3サイクロンディプレッグ下端に取り付けられているトリクルバルブ10b及び10cには、図3に示すトリクルバルブパージ用配管14が設置されていた。ノズルの設置位置はl=0.25m、d=5mm、L=0.3mであった。
ガス吹出し口16は図3のように6ヶで、穴の径は3.0mm、θは65°であった。
ディプレッグまわりのパージガスは、圧力3.0kg/cm2Gの窒素を用いた。パージガス配管径は、内径20mmであった。サイクロン1系列あたりの各流量は、下表の通りであった。
トリクルバルブパージ用配管の吹出し口16のガス吹出流速は、36m/secであった。
ディプレッグ内下部でのガスの流速は5.68cm/sec、上部でのガスの流速は6.61cm/secであった。
触媒には、粒径10〜100μm、平均粒径55μm、粒径24μm以下の含有率が1.4wt.%であるモリブデン−ビスマス−鉄系担持触媒を用い、静止層高2.7mとなるよう充填した。空気分散板から空気を56000Nm3/h供給し、原料ガス分散管からプロピレンを6200Nm3/h及びアンモニアを6600Nm3/h供給した。反応温度は440℃、反応器上部の圧力は0.70kg/cm2G、反応器下部(原料分散管5付近)の圧力は0.73kg/cm2Gであった。
反応器運転開始直後、反応成績を分析したところ、アクリロニトリルの収率は81.5%、プロピレンの未反応率は1.1%であった。
2年間の運転期間中、ディプレッグの詰まりは生じなかった。アクリロニトリルの収率は、80.9〜81.7%、プロピレンの未反応率は、0.80〜1.3%で変動した。
反応開始から2年後、反応器を停止した。空気分散板3の上にのっていた触媒とトリクルバルブ内に残っている触媒を採取した。それぞれの触媒について、実験室において、内径0.020mの小型反応器でプロピレンのアンモ酸化反応を行うことで両者の触媒性能を比較した。その結果、両者の性能に差異はなかった。
実施例1と同様の装置を用いて、原料ガスのうちプロピレンをプロパンに変えて原料ガスを流動層反応器に供給し、プロパンのアンモ酸化反応を下記のとおりに行った。
触媒には、粒径10〜100μm、平均粒径55μm、粒子径24μm以下の含有率が1.3wt.%であるモリブデン−バナジウム系担持触媒を用い、静止層高2.2mとなるよう充填した。空気分散板から空気を64500Nm3/h供給し、原料ガス分散管からプロパンを4300Nm3/h及びアンモニアを4300Nm3/h供給した。反応温度は440℃、流動層反応器上部の圧力は0.75kg/cm2G、反応器下部(原料分散管5付近)の圧力は0.77kg/cm2Gであった。
ディプレッグまわりのガスは、圧力3.0kg/cm2Gの窒素を用いた。パージガス配管径は、内径20mmであった。各流量は、下表の通りであった。
トリクルバルブパージ用配管の吹出し口16のガス流速は、32m/secであった。
ディプレッグ内下部でのガスの流速は5.32cm/sec、上部でのガスの流速は6.34cm/secであった。
2年間の運転期間中、ディプレッグの詰まりは生じなかった。アクリロニトリルの収率は、51.7〜52.5%、プロパンの未反応率は、9.9〜11.3%で変動した。
反応開始から2年後、反応器を停止した。空気分散板3の上にのっていた触媒とトリクルバルブ内に残っている触媒を採取した。それぞれの触媒について、実験室において、内径0.02mの小型反応器でプロパンのアンモ酸化反応を行うことで触媒性能を比較した。その結果、両者の性能に差異はなかった。
トリクルバルブにパージ用配管を設置せずに、トリクルバルブ内の触媒を流動化させなかったこと以外は実施例1と同様の流動層反応装置で、実施例1と同様の触媒及び同流量のプロピレン、アンモニア及び空気で流動層反応装置を運転した。
反応器運転開始直後、反応成績を分析したところ、アクリロニトリルの収率は81.6%、プロピレンの未反応率は1.0%であった。
反応開始後4ヶ月目に1系列のNo.3ディプレッグの差圧が上昇し、詰まりを検知した。当該ディプレッグ各部のパージガス導入ノズルを通してパージガスを多量に流し、詰まりを除去した。
その後も1ヶ月に1〜3回の頻度で詰まりが発生し、前述の対応を行った。
2年間の運転期間中、アクリロニトリルの収率は、79.1〜81.6%、プロピレンの未反応率は、0.80〜2.1%で変動した。
2年後、反応器を停止した。空気分散板3の上にのっていた触媒とトリクルバルブ内に残っていた触媒を採取した。空気分散板3の上にのっていた触媒は、さらさらしており、茶褐色であった。一方、トリクルバルブ内に残っていた触媒の一部は固化し、黒色であった。それぞれの触媒について、実験室において、内径0.020mの小型反応器でプロピレンのアンモ酸化反応を行うことで両者の触媒性能を比較した。その結果、トリクルバルブ内に残っていた固化した触媒は、空気分散板3の上にのっていた触媒と比べて性能が低下していた。
トリクルバルブにパージ用配管を設置せずに、トリクルバルブ内の触媒を流動化させなかったこと以外は実施例2と同様の流動層反応装置で、実施例2と同様の触媒及び同流量のプロパン、アンモニア及び空気で流動層反応装置を運転した。
反応器運転開始直後、反応成績を分析したところ、アクリロニトリルの収率は52.0%、プロパンの未反応率は10.9%であった。
反応開始後3ヶ月目に1系列のNo.3ディプレッグの差圧が上昇し、詰まりを検知した。当該ディプレッグ各部のパージガス導入ノズルを通してパージガスを多量に流し、詰まりを除去した。
その後も1ヶ月に2〜5回の頻度で詰まりが発生し、前述の対応を行った。
1年8ヶ月後、ディプレッグの閉塞は改善されず触媒が多量に流失し始めたので、流動層反応装置の運転を停止した。
2 空気(酸素)導入管
3 空気(酸素)分散板
4 原料導入管
5 原料分散管
6 触媒層
7 第1段サイクロン入口
8c 第1段サイクロン
8b 第2段サイクロン
8a 第3段サイクロン
9a 第1段サイクロンディプレッグ
9b 第2段サイクロンディプレッグ
9c 第3段サイクロンディプレッグ
10c受け板
10bトリクルバルブ
10aトリクルバルブ
11 生成ガス流出管
12 差圧測定ノズル用パージガス導入管
13 差圧測定器
14 ノズル(トリクルバルブパージ用配管)
15aディプレッグ差圧測定用下部ノズル
15bディプレッグ差圧測定用上部ノズル
16 ノズル(トリクルバルブパージ用配管)ガス吹出し口
17 トリクルバルブパージガス分散板
Claims (12)
- (1)触媒層を含む流動層反応器に原料ガスを供給する工程、
(2)前記原料ガスを前記触媒層に通過させて生成ガスを得る工程、
(3)前記生成ガスを前記触媒層から排出してサイクロンに導入したのち、前記生成ガスを前記流動層反応器から排出する工程、
(4)前記生成ガスが前記サイクロンに導入される際に同伴する触媒をサイクロンディプレッグ中に回収する工程、
(5)前記サイクロンディプレッグ中に回収した前記触媒をサイクロンディプレッグ下部に設けられたトリクルバルブを用いて前記触媒層に戻す工程、
を含む気相反応方法であって、
前記工程(5)において前記トリクルバルブ内で吹出し速度が10〜60m/secでガスを吹出させることによって前記触媒を流動化させることを含む、気相反応方法。 - 前記ガスの吹出しを前記トリクルバルブ内の底部付近から行う請求項1記載の気相反応方法。
- 前記ガスの吹出しを前記トリクルバルブ内の底部付近に設置されたノズルから行う請求項1記載の気相反応方法。
- 前記ノズルが前記トリクルバルブ側面から挿入されている請求項3記載の気相反応方法。
- 前記原料ガスが炭素数2〜4のアルカン及び/又はアルケンを含む、請求項1〜4いずれか1項記載の気相反応方法。
- 前記アルカンはプロパン及び/又はイソブタンである、請求項5記載の気相反応方法。
- 前記アルケンはプロピレン及び/又はイソブチレンである、請求項5又は6記載の気相反応方法。
- 前記気相反応がアンモ酸化反応である、請求項1〜7のいずれか1項記載の気相反応方法。
- 流動層触媒を含む流動層反応器、
前記流動層触媒を捕集するために前記流動層反応器内に設けられたサイクロン、
前記サイクロンに接続されたサイクロンディプレッグ、及び
前記サイクロンディプレッグ下部に設けられたトリクルバルブ、
を備える気相反応装置であって、
前記トリクルバルブ内にトリクルバルブ内部に堆積する触媒を流動化させる流動化装置を有し、
前記流動化装置はガスの吹出し穴が分散板上に均一に設けられたノズルである、気相反応装置。 - 前記ノズルが、トリクルバルブ底部からの距離0〜30mmの範囲内に設置されている、請求項9記載の気相反応装置。
- 前記ノズルのトリクルバルブ内への挿入長さが、トリクルバルブの側壁間長さの0.5〜0.9倍である、請求項9又は10記載の気相反応装置。
- 前記ノズルに設けられたガスの吹出し穴が1〜20個である、請求項9〜11のいずれか1項記載の気相反応装置。
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