JP5447414B2 - 空調装置 - Google Patents

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本発明は、空調装置に関するものである。
例えば、特開平10−217761号公報では、空気吸入口と空気吐出口とを備えた空調ケースを有し、この空調ケース内に空気中の臭気を除去する脱臭フィルタが使用された空調装置が提案されている。
このような構成において、空気吸入口から吸入された空気が脱臭フィルタにより臭気が除去され、空気吐出口から排出される。このようにして、空調ケース内中の空気を脱臭することができる。
特開平10−217761号公報
しかし、このような空調装置は、脱臭フィルタを設置するためのスペースが必要となり、空調装置の体格が大きくなってしまうという問題があった。
そこで本発明は、空調装置の体格を大きくすることなく臭気を除去することができる空調装置を提供しようとするものである。
請求項1に記載の発明は、空気の吸入口と吹出口とを有する空調ケースと、空調ケース内に設けられて空気流を発生する送風機と、空調ケースの内部に配置されて送風機により発生した空気を冷却する冷却用熱交換器と、冷却用熱交換器から発生する結露水を空調ケースの外部に排出するドレン配水管と、を有する空調装置において、冷却用熱交換器の上流側の空気の臭気量が所定値よりも高いか否かを判定する臭気量判定手段を有し、臭気量判定手段によって臭気量が所定値よりも高いと判定されたときは、冷却用熱交換器により発生する結露水を増加させる結露水増加制御手段を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、冷却用熱交換器の上流側における空気の臭気量が所定値よりも高い場合は、冷却用熱交換器により発生する結露水を増加させることができる。臭気は結露水に付着し、ドレン排水管から結露水と共に空調ケース外へ排出される。
これにより、脱臭フィルタを用いることなく臭気を除去することができるので、空調装置の体格を大きくすることなく臭気を除去することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空調装置において、結露水増加制御手段は、冷却用熱交換器の温度を露点よりも低い温度となるように制御することで結露水を増加させることを特徴とする。
このような構成によれば、冷却用熱交換器の温度を露点よりも低い温度に制御するという、簡素な方法により、冷却用熱交換器から発生する結露水を増加させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の空調装置において、結露水増加制御手段は、臭気量判定手段によって臭気量が所定値以下であると判定されたときに、冷却用熱交換器の温度が露点よりも低い温度(X)となるように制御し、臭気量判定手段によって臭気量が所定値よりも高いと判定されたときに、冷却用熱交換器の温度が温度(X)よりも低い温度(X−Y)となるように制御することで結露水を増加させることを特徴とする。
このような構成によれば、臭気量が所定値以下のときも冷却用熱交換器の温度が露点よりも低い温度(X)に制御されるので、結露水が発生する。そして、臭気量が所定値よりも高いと判定された場合には、冷却用熱交換器の温度はさらに低い温度(X−Y)に制御され、結露水の発生量が増加する。
これにより、臭気量に関わらず結露水により臭気を脱臭することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の空調装置において、前記吸入口は、内気吸入口と外気吸入口とを備え、更に内気吸入口から空気を吸い込んでいるか否かを判定する内外気判定手段を有し、結露水増加制御手段は、内外気判定手段によって内気吸入口から空気を吸い込んでいると判定されたときに結露水を増加させることを特徴とする。
このような構成によれば、内気吸入口から空気を吸い込んでいる場合にのみ、結露水を増加させ脱臭を行い、外気吸入口から空気を吸い込んでいる場合には、換気により脱臭を行う。
これにより、外気吸入口から空気を吸い込んでいる場合には、結露水増加制御手段を作動させずに、脱臭を行うため、エバポレータによるエネルギーの消費を抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の空調装置において、臭気量判定手段によって臭気量が所定値よりも高いと判定されたときに、送風機による送風量を増加させる送風量増加制御手段を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、臭気量が所定値よりも高いと判定されたときには、結露水の量を増加させると共に、送風機による送風量を増加させることができる。
これにより、結露水の増加と風量の増加が相俟って脱臭を行うため、より早く脱臭を行うことができる。
第1実施形態の空調装置の通風系の模式図である。 第1実施形態の制御系のブロック図である。 第1実施形態のエアコン制御装置が実施する制御フローを示すフローチャートである。 第2実施形態のエアコン制御装置が実施する制御フローを示すフローチャートである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図3を用いて説明する。図1は本実施形態の空調装置1の通風系の模式図、図2は本実施形態の制御系のブロック図、および図3は本実施形態のエアコン制御装置が実施する制御フローを示すフローチャートである。
まず、本実施形態の通風系の構成について説明する。
本実施形態の空調装置はブロワユニットとヒータユニットとを空気流れに順に接続して構成されている。
ブロワユニットは、空気通路2を形成するブロワユニットケース3と、ブロワユニットケース3内に設けられて後述するヒータユニットへ送風する送風機4とを有する。ブロワユニットケース3には空気吸入口(内気吸入口および外気吸入口)が形成されている。また、送風機4は、回転することで空気流を発生するファンと、このファンを回転駆動させるファンモータ104(図2)とを有する。
ヒータユニットは、空気通路2を形成するヒータユニットケース5と、このヒータユニットケース5に収納された冷却用熱交換器であるエバポレータ6と、ヒータユニットケース5に収納された加熱用熱交換器であるヒータコア7とを有する。
エバポレータ6は、図示しないコンプレッサ、コンデンサ、および膨張弁とともに周知の冷凍サイクルを構成し、当該冷凍サイクルを流れる冷媒の蒸発潜熱を利用して空気を冷却する熱交換器である。また、上記コンプレッサは、図示しない自動車のエンジンを動力源として駆動されるもので、エンジン動力のコンプレッサへの伝達/遮断は電磁クラッチ105(図2)のオン/オフによって行われる。また、ヒータコア7は上記エンジンの冷却水を熱源として空気を加熱する熱交換器である。
ヒータユニットケース5にはエバポレータ6から排出された結露水bをヒータユニットケース5外に排出するドレン配水管8が備えられている。
ヒータユニットケース5の空気下流側には、図示しない吹出モード切替機構が設けられ、当該吹出モード切替機構を切り替えることによって、エバポレータ6およびヒータコア7によって温度調節された空気を、車室内の所定箇所(窓ガラス内面、乗員上半身、乗員足元)に向けて吹き出す。
次に、本実施形態の制御系について説明する。
エアコン制御装置106(図2)は、空調装置1に関わる制御プログラムや各種演算式、各種判定手段等が記憶されたマイクロコンピュータ(図示しない)を内蔵するものであり、図2に示すように、各種センサ100、101、102やスイッチ103からの信号に基づいて、所定の演算、判定等を行い、当該演算、判定等の結果に基づいて制御機器104、105へ制御信号を出力する。
上記各種センサ100、101、102として、本実施形態では臭気量センサ100、温湿度センサ101およびエバポレータ温度センサ102を用い、上記スイッチとして脱臭スイッチ103を用いている。
臭気量センサ100はブロワユニットに設置され、具体的には空気吸入口の下流側で且つ送風機4の上流側に設置されている。本実施形態では、臭気量センサ100として、内気吸入口からの空気の臭気量を検出する内気用臭気量センサと、外気吸入口からの空気の臭気量を検出する外気用臭気量センサとを設けている。
温湿度センサ101はヒータユニットに設置され、具体的には送風機4の下流側で且つエバポレータ6の空気上流側に設置されている。より具体的には、内気吸入口からの空気の温湿度および外気吸入口からの空気の温湿度の何れも検出できる位置に設けられている。
エバポレータ温度センサ102は、ヒータユニットに設置され、具体的にはエバポレータ6のフィンに固定されている。これによって、エバポレータ温度センサ102はエバポレータ6の温度を検出する。
脱臭スイッチ103は、車室内乗員が車室内の臭いを感じたときに後述する脱臭モードを手動で設定するためのものであり、車室内のエアコン操作パネル上に設けられている。
また、上記制御機器として、本実施形態ではファンモータ104と電磁クラッチ105を用いている。
次に、本実施形態におけるエアコン制御装置106が実施する制御フローについて、図3のフローチャートに基づき説明する。
まず、ステップS10では各種カウンタやフラグ等の初期化および定数の設定を行う。
次に、ステップS20で、上記各種センサ100、101、102および脱臭スイッチ103からの信号を読み込む。
次に、ステップS30で、ステップS20で入力した温湿度センサ101の信号に基づいて露点を演算する。この露点とは、空気中の水分が結露するときの温度のことである。
次に、ステップS40では、エバポレータ6の冷却温度Teが、Te=X(X=露点−α)となるように、所定のヒステリシスをもって電磁クラッチ105をオン/オフ制御する。本実施形態において、上記Xとして、露点−αとしたのは、エバポレータ6の温度を露点よりも低い温度とすることで、エバポレータ6に結露水bが発生するようにするためである。
次に、ステップS50では、臭気量センサ100が検出した空気中の臭気aの量(以下臭気量)が所定値よりも高いか否かを判定するとともに、車室内乗員が脱臭スイッチ103をオンしたか否かを判定する。そして、何れかでYESと判定されたときはステップS60に進み、両方でNOと判定されたときはステップS20へ戻る。
ステップS60では、エバポレータ6の冷却温度Teを低下させる。具体的には、Te=X−Y(Yは正の定数)となるように、所定のヒステリシスをもって電磁クラッチ105をオン/オフ制御する。但し、エバポレータ6で発生した結露水が凍結しないように、Teの下限値は凝固点+β(βは正の定数)とする。
そして、次のステップS70では、臭気量センサ100が検出した臭気量が上記所定値以下か否かを判定するとともに、車室内乗員が脱臭スイッチ103をオンしてからの経過時間が所定時間以上か否かを判定する。そして、何れかでYESと判定されたときはステップS20に戻り、両方でNOと判定されたときはステップS70を繰り返す。
次に、本実施形態の作動を説明する。
はじめに臭気量センサ100が検出した臭気量が所定値以下の状態から所定値よりも高い状態に変化したときについて説明する。
臭気量センサ100が検出した臭気量が所定値以下のときは、エバポレータ冷却温度Teは露点よりも低い温度(Te=X)で制御される。その状態から、所定値よりも高い状態に変化すると、エバポレータ冷却温度Teは、それよりも低い温度(Te=X−Y)に制御されるので、Yに相当する量の結露水bが増加する。
このように、エバポレータ6に発生する結露水bが増加するので、結露水bに付着する空気中の臭気量も多くなる。そして、臭気aが付着した結露水cはドレン配水管8から車外に排出される。
次に、脱臭スイッチ103がオフからオンに切り替わったときについて説明する。
脱臭スイッチ103がオフのときは、エバポレータ冷却温度Teは露点よりも低い温度(Te=X)で制御される。その状態から、脱臭スイッチ103がオンに切り替わると、エバポレータ冷却温度Teは、それよりも低い温度(Te=X−Y)に制御されるので、Yに相当する量の結露水bが増加する。
このように、エバポレータ6に発生する結露水bが増加するので、結露水bに付着する空気中の臭気量も多くなる。そして、臭気aが付着した結露水cはドレン配水管8から車外に排出される。
以上説明したように、本実施形態によれば、脱臭フィルタを用いることなく臭気aを除去することができるので、空調装置1の体格を大きくすることなく臭気aを除去することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる点について説明することとし、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。図4は本実施形態の空調装置1における脱臭の手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、図4に示すように、ステップS50とステップS60との間にステップS51を追加している。このステップS51は、上記内気吸入口から空気を吸い込んでいるか否かを判定し、YESのときはステップS60に進み、NOのときはステップS60の制御は行わずステップS20に戻る。
ステップS51を追加したことにより、第1実施形態では臭気量センサ100として内気用臭気量センサと外気用臭気量センサの2つを設けていたところを、本実施形態ではそのうちの外気用臭気量センサを廃止することができる。なお、外気用臭気量センサを廃止すると、外気導入モード(外気吸入口から空気を吸い込むモード)のときに、外気の臭気aを、結露水bを増加させて取り除くことができないが、外気導入モード時は、換気により臭気aは車外に排出されるので、それほど問題にはならない。
(他の実施形態)
第1実施形態では、臭気量センサ100として内気用臭気量センサと外気用臭気量センサとの2つを設けた例で説明したが、内気の臭気aと外気の臭気aとの両方を検出できるセンサであれば、当該センサ1つのみで実施しても良い。
第1実施形態では、臭気量センサ100が検出した臭気量が所定値より大きいとき、または脱臭スイッチ103がオンのときは、エバポレータ冷却温度TeをTe=露点−αとし、エバポレータ6に結露水bが発生するようにしたが、臭気量センサ100が検出した臭気量が所定値以下のとき、または脱臭スイッチ103がオフのときに、エバポレータ冷却温度TeをTe=露点+γ(γは正の定数)としても良い。その場合、臭気量センサ100が検出した臭気量が所定値よりも高くなったとき、または脱臭スイッチ103がオンとなったときは、エバポレータ冷却温度Teを、エバポレータに結露が発生する温度、すなわち露点−δ(δは正の定数)とする。
また、第1実施形態では、臭気量センサ100により検出された臭気量が所定値より高い場合には、エバポレータ6から排出される結露水bの量を増加させるようにしたが、それに加えて送風機4による風量を増加させることにより脱臭効果を高めてもよい。そして、臭気量が所定値以下になったときに結露水の量と送風機による風量を元に戻すようにしてもよい。
3 ブロワユニットケース(空調ケース)
4 送風機
5 ヒータユニットケース(空調ケース)
6 エバポレータ(冷却用熱交換機)
8 ドレン配水管

Claims (5)

  1. 空気の吸入口と吹出口とを有する空調ケース(3、5)と、
    前記空調ケース(3、5)内に設けられて空気流を発生する送風機(4)と、
    前記空調ケース(3、5)の内部に配置されて前記送風機(4)により発生した空気を冷却する冷却用熱交換器(6)と、
    前記冷却用熱交換器(6)から発生する結露水を前記空調ケース(3、5)の外部に排出するドレン配水管(8)と、を有する空調装置において、
    前記冷却用熱交換器(6)の上流側の空気の臭気量が所定値よりも高いか否かを判定する臭気量判定手段を有し、
    前記臭気量判定手段によって前記臭気量が前記所定値よりも高いと判定されたときは、前記冷却用熱交換器(6)により発生する結露水を増加させる結露水増加制御手段を備えることを特徴とする空調装置。
  2. 前記結露水増加制御手段は、前記冷却用熱交換器(6)の温度を露点よりも低い温度となるように制御することで前記結露水を増加させることを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
  3. 前記結露水増加制御手段は、前記臭気量判定手段によって前記臭気量が前記所定値以下であると判定されたときに、前記冷却用熱交換器(6)の温度が露点よりも低い温度(X)となるように制御し、前記臭気量判定手段によって前記臭気量が前記所定値よりも高いと判定されたときに、前記冷却用熱交換器(6)の温度が前記温度(X)よりも低い温度(X−Y)となるように制御することで前記結露水を増加させることを特徴とする請求項2に記載の空調装置。
  4. 前記吸入口は、内気吸入口と外気吸入口とを備え、
    更に前記内気吸入口から空気を吸い込んでいるか否かを判定する内外気判定手段を有し、
    前記結露水増加制御手段は、前記内外気判定手段によって前記内気吸入口から空気を吸い込んでいると判定されたときに前記結露水を増加させることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1つに記載の空調装置。
  5. 前記臭気量判定手段によって前記臭気量が前記所定値よりも高いと判定されたときに、前記送風機(4)による送風量を増加させる送風量増加制御手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1つに記載の空調装置。
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