JP5446269B2 - 含フッ素乳化剤の含有量の減少した含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法 - Google Patents

含フッ素乳化剤の含有量の減少した含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いて含フッ素乳化剤の含有量が減少した含フッ素ポリマー水性分散液を製造する方法に関する。
乳化重合法を用いてポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという。)、溶融成形性フッ素樹脂、フルオロエラストマー等の含フッ素ポリマーを製造する場合には、水性媒体中で、連鎖移動によって含フッ素モノマーの重合反応を妨げることがないことから、含フッ素乳化剤が一般的に使用される。含フッ素乳化剤としては、パーフルオロオクタン酸アンモニウム(以下、APFOという。)が一般に用いられている。
テトラフルオロエチレン(以下、TFEという。)の乳化重合によりPTFE水性乳化重合液が得られる。該水性乳化重合液を凝集し、乾燥することにより、PTFEのファインパウダーが製造される。該ファインパウダーは、ペースト押出し成形等の方法で成形された後、種々の用途に用いられる。一方、該PTFE水性乳化重合液を、必要に応じて安定化処理したり、濃縮したりして得られるPTFE水性分散液が、各種配合剤を添加して、様々なコーティング用途、含浸用途等に用いられる。
しかし、含フッ素乳化剤は高価であり、その使用量は、含フッ素ポリマー製造コストに大きく影響する。また、含フッ素乳化剤は自然界で分解されない物であることから、近年、工場からの凝集排水だけでなく、得られた含フッ素ポリマー水性分散液に含まれる含フッ素乳化剤の含有量を減少させることが要望されている。
2005年に、アメリカ合衆国フッ素樹脂工業会が、含フッ素ポリマー水性分散液の製品中のAPFOの含有量を2000年に比べて90%減少させる提案をアメリカ合衆国環境保護庁へ提出した。減少方法としては、含フッ素ポリマー水性分散液と塩基性陰イオン交換樹脂を接触させ、APFOを吸着し除去する方法が提案されている。
例えば、含フッ素ポリマー水性乳化重合液に非イオン性界面活性剤を加えて、含フッ素ポリマーの水性分散液を製造する。ついで、含フッ素ポリマー水性分散液と塩基性陰イオン交換樹脂とを接触させることによって含フッ素乳化剤を吸着し除去する。ついで、この水性分散液を塩基性陰イオン交換樹脂から分離することによって、含フッ素乳化剤の含有量の少ない含フッ素ポリマー水性分散液を製造する方法(特許文献1、2、3、4、5、6参照)が提案されている。
上記従来技術では、主として強塩基性陰イオン交換樹脂が用いられる。強塩基性陰イオン交換樹脂は、弱塩基性陰イオン交換樹脂に比して含フッ素乳化剤を含フッ素ポリマー水性分散液より効率良く吸着除去できるといわれている。しかし、強塩基性陰イオン交換樹脂を使用した場合には、含フッ素ポリマー水性分散液が凝集し易く、安定性を向上するための非イオン性界面活性剤の濃度管理に注意を払う必要がある。
また、強塩基性陰イオン交換樹脂中の官能基の対イオンは塩素イオンであり、含フッ素ポリマー水性分散液中への塩素イオンの混入や配管の腐食が懸念される。強塩基性陰イオン交換樹脂を予めアルカリ水溶液で処理して対イオンを水酸イオン(OHイオン)へ置換できるが、新たな製造設備の導入が必要となり、コストの上昇を招く。また、吸着効率を上げるためにフッ化物やシュウ酸塩で対イオンを置き換える記述がある(特許文献1、2、4参照)が、コスト的に不利である。
さらに、強塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムに含フッ素ポリマー水性分散液を通液すると、一般的に通液後のpHが強アルカリ性となる。そのため、非イオン性界面活性剤の分解が誘発されて着色を起し易くなるので、通液前に十分にpHを下げることが提案されている(特許文献6参照)。また、強塩基性陰イオン交換樹脂は対イオンを水酸イオンへ変換するとアルカリ性が強いので樹脂自身が分解し易くなる。また、含フッ素乳化剤を強塩基性陰イオン交換樹脂より溶離回収する場合、弱塩基性陰イオン交換樹脂よりも回収効率が一般的に低い。
一方、弱塩基性陰イオン交換樹脂は、含フッ素乳化剤を回収する際に強塩基性陰イオン交換樹脂よりも使用量が多く必要であるという問題点がある。しかし、含フッ素ポリマー水性分散液と弱塩基性陰イオン交換樹脂とを接触させる際に、複数のカラムを繋ぎ、吸着破過した部分からカラムを順次交換する等の運転上の工夫により、除去効率が向上することがわかった。ただし、含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素ポリマーの分子量が高い場合や、含フッ素乳化剤の濃度が高い場合には含フッ素乳化剤の吸着除去の効率が低下する傾向となることがわかった。
そこで、含フッ素ポリマー水性分散液から含フッ素乳化剤を優れた効率で除去し、含フッ素乳化剤の含有量が減少した含フッ素ポリマー水性分散液を製造する方法が要望されている。
特表2002−532583号公報 特表2005−501956号公報 特表2006−515375号公報 国際公開WO2004/078836パンフレット 国際公開WO2006/086793パンフレット 国際公開WO2006/086795パンフレット
本発明は、弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いて、含フッ素ポリマー水性分散液から含フッ素乳化剤を優れた吸着効率で吸着させ、含フッ素乳化剤の含有量が減少した含フッ素ポリマー水性分散液を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、下記を要旨とするものである。
[1]含フッ素乳化剤を含有する含フッ素ポリマー水性分散液に、下記の一般式(1)で表される有機カルボン酸を添加し、ついで、弱塩基性陰イオン交換樹脂と接触させて、含フッ素乳化剤を吸着除去することを特徴とする含フッ素乳化剤の含有量が減少した含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
Q(CH(CH(OH))COOH…(1)
(式中、Qは、H、CH又はCOOHであり、mおよびnは、それぞれ独立に0又は1〜4の整数であり、4≧n+m≧1である。)
[2]前記一般式(1)で表される有機カルボン酸が、HOCO(CHOOH(式中、pは、1〜4の整数である。)である、前記[1]に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
[3]前記一般式(1)で表される有機カルボン酸が、HOCOCHCH(OH)COOH又はCHCH(OH)COOHである、前記[1]に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
[4]前記含フッ素ポリマー水性分散液が、ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
[5]前記ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液中の、ポリテトラフルオロエチレンの標準比重が2.15〜2.20である、前記[4]に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
[6]弱塩基性陰イオン交換樹脂と接触させた後の含フッ素ポリマー水性分散液中の前記含フッ素乳化剤の含有量が、含フッ素ポリマーに対して1ppm〜200ppmである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
[7]弱塩基性陰イオン交換樹脂と接触させる前の含フッ素ポリマー水性分散液中の前記含フッ素乳化剤の含有量が、含フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンの場合、ポリテトラフルオロエチレンに対して750ppm〜20000ppmであり、含フッ素ポリマーが溶融成形性フッ素樹脂の場合、溶融成形性フッ素樹脂に対して250ppm〜250000ppmであり、含フッ素ポリマーがフッ素ゴムの場合、フッ素ゴムに対して1000ppm〜50000ppmである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
[8]前記含フッ素ポリマー水性分散液中の有機カルボン酸の含有量が、含フッ素ポリマー水性分散液に対して100ppm〜1000ppmである、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
本発明において、含フッ素乳化剤を弱塩基性陰イオン交換樹脂(以下、WBIERという。)と接触させる前に含フッ素ポリマー水性分散液に一般式(1)で表される有機カルボン酸を少量添加することにより、含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素乳化剤を効率良く吸着し除去できる。WBIERの表面への含フッ素ポリマーの凝集を生起しにくく、含フッ素乳化剤をWBIERより溶離回収する効率を高くすることができる。
得られた含フッ素ポリマー水性分散液は、ガラス繊維等に含浸焼付けしても着色を防ぐことができる。また、含フッ素ポリマー水性分散液には、種々の製品の生産ラインへ悪影響を及ぼす塩素イオンの混入がない。
本発明においては、一般式(1)で表される有機カルボン酸が、含フッ素ポリマー水性分散液に添加される。
Q(CH(CH(OH))COOH…(1)
(式中、Qは、H、CH又はCOOHであり、mおよびnは、それぞれ独立に0又は1〜4の整数であり、4≧n+m≧1である。)
有機カルボン酸としては、一般式(1)において、QがCOOHであり、nが0であるHOCO(CHCOOHが好ましい。該有機カルボン酸の具体例としては、HOCOCHCOOH(マロン酸)、HOCO(CHCOOH(コハク酸)、HOCO(CHCOOH(グルタル酸)、HOCO(CHCOOH(アジピン酸)が挙げられる。より好ましくは、HOCO(CHCOOHおよびHOCO(CH3COOHである。
また、有機カルボン酸のその他の好ましい具体例としては、HOCOCHCH(OH)COOH(リンゴ酸)、CHCH(OH)COOH(乳酸)、HOCO(CH(OH))COOH(酒石酸)、HOCO(CH(OH))4COOH(D−ガラクタル酸及びD−グルカル酸)が挙げられる。より好ましくは、HOCOCHCH(OH)COOHおよびCHCH(OH)COOHである。
また、CHCOOH(酢酸)、CHCHCOOH(プロピオン酸)、CH(CHCOOH(酪酸)、CH(CHCOOH(吉草酸)も挙げられるが、臭気が強い場合には、その対策が必要となる場合がある。
上記の有機カルボン酸は、25℃での1段目の酸解離定数が2.5〜5.0であることが好ましい。また、含フッ素ポリマー水性分散液が加工されて行く過程で分解や揮発するので、ガラス繊維への含浸焼付け等においても着色を防ぐことができる。僅かな含有量で効果を発現するので含フッ素ポリマー水性分散液のシェア安定性、粘度曲線等の物理的な特性を損なうことがない。酸解離定数が2.5未満の場合は、含フッ素乳化剤のWBIERへの吸着は妨げられる。酸解離定数が5を超える場合は、多官能カルボン酸の第二段解離以降の数値であり、多官能カルボン酸でもWBIERとの吸着性を決定する最初の解離定数は、一般的には5以下である。
本発明で用いる一般式(1)で表される有機カルボン酸の含有量は、含フッ素ポリマー水性分散液の質量に対して100ppm〜1000ppmが好ましい。より好ましくは150ppm〜900ppmであり、最も好ましくは200ppm〜700ppmである。100ppmより少ないと含フッ素乳化剤を効率良く吸着し除去する効果が十分でなく、1000ppmより多いと含フッ素ポリマーの水性分散液の特性が変化したり、後加工後も含フッ素ポリマー中に残存することがある。
含フッ素ポリマー水性分散液と一般式(1)で表される有機カルボン酸との混合方法には、特別な条件は必要なく、室温で含フッ素ポリマー水性分散液に一般式(1)で表される有機カルボン酸をそのままで、又は水溶液として添加し、混合すればよい。
含フッ素ポリマーの製造時に使用される開始剤として、ジコハク酸パーオキシド等の水溶性有機過酸化物を用いた場合には、その重合残渣として有機カルボン酸が、含フッ素ポリマー水性分散液に含有される場合がある。重合残渣の有機カルボン酸が一般式(1)で表される有機カルボン酸である場合には、水溶性有機過酸化物に由来するものと、後で添加される一般式(1)で表される有機カルボン酸との総和が、含フッ素ポリマー水性分散液の質量に対して100ppm〜1000ppmであることが好ましい。より好ましくは総和が200ppm〜1000ppmであり、さらに好ましくは総和が250ppm〜1000ppmであり、最も好ましくは総和が250ppm〜800ppmである。
本発明において、含フッ素ポリマー水性分散液における含フッ素ポリマーの分子量は、特に限定なく、種々の分子量が採用される。
含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素ポリマーがPTFEである場合には、該PTFEの標準比重は2.14〜2.25の範囲が好ましい。より好ましくは2.15〜2.20であり、最も好ましくは2.15〜2.19である。標準比重とは、PTFE水性分散液を凝集して得られるPTFEファインパウダーを、特定条件で圧縮成型し、次いで焼成して得られる成型品の標準比重を意味する。この値は平均分子量の目安となり、一般に標準比重が小さい程、分子量は高い。含フッ素ポリマーの数平均分子量は、3万〜3000万が好ましく、10万〜3000万がより好ましい。
本発明の製造方法は、開始剤として用いられる水溶性有機過酸化物に由来する重合残渣である有機カルボン酸が少ない、高分子量の含フッ素ポリマー水性分散液において、含フッ素乳化剤の吸着効率に優れる。
本発明における、一般式(1)で表される有機カルボン酸が、含フッ素乳化剤のWBIERへの吸着を促進する理由は、必ずしも明確でないが、以下のように考えられる。
一般的に、WBIERは、pHが酸性〜中性側の領域でのイオン吸着に用いられる。含フッ素乳化剤のアンモニウム塩を含む含フッ素ポリマー水性分散液は通常酸性である。そこで、WBIERでも十分なイオン交換能力を発揮して、含フッ素乳化剤を効率良く吸着除去することができる。しかし、含フッ素ポリマー水性分散液のpHは、当初酸性であっても、WBIERへ通液するに従って、アルカリ性側に変化してゆく。この理由は、含フッ素乳化剤がWBIERに吸着すると、WBIERの対イオンである水酸イオンが遊離するためである。含フッ素ポリマー水性分散液のpHがアルカリ性に変化すると、含フッ素乳化剤が吸着され難くなる。
一般式(1)で表される有機カルボン酸は、含フッ素乳化剤の吸着に伴い、WBIERから遊離する水酸基イオンと反応して、含フッ素ポリマー水性分散液のpHがアルカリ性に変化することを防ぐ役割を果たすものと考えられる。また、それ自体も塩基性陰イオン交換樹脂に吸着されるが、吸着された有機カルボン酸が含フッ素乳化剤と置換されるものと考えられる。
含フッ素ポリマー水性分散液のpHは、2〜4が好ましく、2.5〜3.5が特に好ましい。
一般式(1)で表される有機カルボン酸のWBIERに対するイオン選択性は、含フッ素乳化剤とほぼ同等またはそれ以下であることが好ましい。また、一般式(1)で表される有機カルボン酸は、沸点が比較的に低いので、含フッ素ポリマー水性分散液が塗布された後、通常行われる焼成条件では殆ど残留しないので大変に好ましい。
本発明における含フッ素ポリマー水性分散液としては、たとえば、含フッ素乳化剤を用い、水性媒体中で、安定化助剤及び重合開始剤等の存在下、含フッ素モノマーを単独重合又は共重合させる方法である、乳化重合法により得られる含フッ素ポリマー水性乳化重合液に、非イオン性界面活性剤等を添加し安定化して得られる含フッ素ポリマー水性分散液が使用できる。含フッ素モノマーの乳化重合条件は、一般的には、重合温度は10〜95℃が好ましく、重合圧力は0.5〜4.0MPaが好ましく、重合時間は70〜520分が好ましい。
本発明において、含フッ素乳化剤としては、含フッ素アルキルカルボン酸やその塩(アンモニウム塩及びアルカリ金属塩)、含フッ素アルカンスルホン酸やその塩(アンモニウム塩及びアルカリ金属塩)などが挙げられる。含フッ素アルキルカルボン酸や含フッ素アルカンスルホン酸の含フッ素アルキル基には、エーテル性の酸素原子を有してもよい。
含フッ素乳化剤の具体例としては、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸などが挙げられる。また、エーテル性の酸素原子を有する含フッ素カルボン酸としては、COCF(CF)CFOCF(CF)COOH、COCF(CF)CFOCF(CF)COOH、COCOCFCOOH、COCOCFCOOH、COCOCFCOOH、CFOCOCFCOOH、COCFCOOH、COCF(CF)COOHなどが挙げられる。さらに、水素原子を含有する含フッ素乳化剤としては、ω−ハイドロパーフルオロオクタン酸などが挙げられる。含フッ素アルカンスルホン酸としては、パーフルオロオクタンスルホン酸、C13CHCHSOHなどが挙げられる。特に、それらのアンモニウム塩がより好ましい。
含フッ素乳化剤の使用量は、PTFEの場合、最終的に生成するPTFE量(以下、最終PTFE収量という。)に対して750ppm〜20000ppmが好ましく、1000ppm〜20000ppmがより好ましく、1000ppm〜10000ppmが最も好ましい。一般的に使用量が多過ぎると、PTFE一次粒子の形態が棒状を呈するようになり、PTFE水性乳化重合液が不安定になる。
溶融成形性フッ素樹脂の場合には、最終的に生成する溶融成形性フッ素樹脂量に対して250ppm〜250000ppmが好ましく、2500ppm〜120000ppmがより好ましく、5000ppm〜70000ppmが最も好ましい。またフッ素ゴムの場合には、最終的に生成するフッ素ゴム量に対して1000ppm〜50000ppmが好ましく、2000ppm〜20000ppmがより好ましく、3000ppm〜10000ppmが最も好ましい。
安定化助剤としては、パラフィンワックス、フッ素系オイル、フッ素系溶剤、シリコーンオイル等が好ましい。安定化助剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤としては、水溶性ラジカル開始剤や水溶性酸化還元系触媒等が好ましく採用される。水溶性ラジカル開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、ジコハク酸パーオキシド、ビスグルタル酸パーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド等の水溶性有機過酸化物が好ましい。重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また油溶性開始剤も同様に使用できる。
含フッ素ポリマーの分子量を制御することや含フッ素ポリマー水性乳化重合液の安定性を高めるために炭化水素、ハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール等のアルコール類等の連鎖移動剤を使用できる。連鎖移動剤としては、メタン、エタンなどの炭化水素やCHCl、CHClなどのハロゲン化炭化水素が好ましい。
本発明における含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素ポリマーの濃度は、10〜50質量%が好ましい。含フッ素ポリマー濃度があまりに低いと、含フッ素ポリマー濃度を上げる際の濃縮効率が悪くなる。一方、含フッ素ポリマー濃度があまりに高いと、水性分散液としての安定性が保てず、取り扱い難い。含フッ素ポリマー濃度は、15〜45質量%がより好ましく、20〜40質量%が最も好ましい。
含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素ポリマーは、微粒子(一次粒子ともいう。)として分散している。その平均粒径、例えばPTFEの場合には0.10μm〜0.50μmが好ましく、0.15μm〜0.40μmがより好ましい。平均粒径が0.10μmより小さい場合は、一般的にPTFEの分子量が著しく低い場合が多く、十分な機械物性を発現できない。また、0.50μm大き過ぎる場合にはPTFE水性分散液としての安定性を保つことが難しい。
本発明において、含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素ポリマーとしては、フッ素樹脂、及び、含フッ素エラストマーが挙げられる。
フッ素樹脂としては、TFEの単独重合体であるPTFE、ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPという。)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PFAVEという。)、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEという。)、(パーフルオロアルキル)エチレン、フッ化ビニリデン(以下、VdFという。)およびパーフルオロ(アルケニルビニルエーテル)からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素コモノマーとTFEとの共重合体であって溶融成形性を有しない変性PTFE、溶融成形性フッ素樹脂等が挙げられる。
変性PTFEにおける含フッ素コモノマーに基づく構成単位の含有量は、好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以下である。また、PFAVEとしては、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)等が挙げられる。
溶融成形性フッ素樹脂としては、TFE/HFP共重合体(以下、FEPという。)、TFE/PFAVE共重合体(以下、PFAという。)、エチレン/TFE共重合体(以下、ETFEという。)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(以下、ECTFEという。)、ポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCTFEという。)、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという。)、ポリフッ化ビニル(以下、PVFという。)等が挙げられる。
含フッ素エラストマーとしては、TFE/プロピレン共重合体、TFE/プロピレン/VdF共重合体、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、TFE/PFAVE共重合体(以下、FFKMという。)等が挙げられる。FFKMにおけるPFAVEは、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)が好ましい。
含フッ素ポリマーとしては、PTFE、変性PTFE、TFE/HFP共重合体、TFE/PFAVE共重合体、ETFE、ECTFE、PCTFE、PVdF、PVF、TFE/プロピレン共重合体、TFE/プロピレン/VdF共重合体、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
含フッ素ポリマーとしては、PTFE、変性PTFE、溶融成形性フッ素樹脂がより好ましい。
本発明における含フッ素ポリマー水性分散液は、含フッ素ポリマー水性乳化重合液を非イオン性界面活性剤で安定化した含フッ素ポリマー水性分散液であることが好ましい。非イオン性界面活性剤は、一般式(A)で示される界面活性剤、一般式(B)で示される界面活性剤及び一般式(C)で示される界面活性剤からなる群から選らばれる1種以上であることが好ましい。
一般式(A): R−O−A−X (式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Aはオキシエチレン基数5〜20およびオキシプロピレン基数0〜2より構成されるポリオキシアルキレン鎖であり、Xは水素原子またはメチル基である。)
一般式(B): R−C−O−B−Y (式中、Rは炭素数4〜12のアルキル基であり、−C−はフェニレン基であり、Bはオキシエチレン基数5〜20より構成されるポリオキシエチレン鎖であり、Yは水素原子またはメチル基である。)
一般式(C): R−O−C−Z (式中、Rは炭素数6〜18のアルキル基であり、Cはオキシエチレン基数5〜20およびオキシブチレン基数0.1〜3より構成されるポリオキシアルキレン鎖であり、Zは水素原子またはメチル基である。)
一般式(A)の非イオン性界面活性剤の具体例としては、たとえば、C1327O(CO)10H、C1225O(CO)10H、C1021CH(CH)CHO(CO)H、C1327O(CO)CH(CH)CHOH、C1633O(CO)10H、HC(C11)(C15)O(CO)H、などの分子構造をもつ非イオン性界面活性剤が挙げられる。市販品としては、ダウ社製タージトール(登録商標)15Sシリーズ、日本乳化剤社製ニューコール(登録商標)シリーズ、ライオン社製ライオノール(登録商標)TDシリーズなどが挙げられる。
一般式(B)の非イオン性界面活性剤の具体例としては、たとえば、C17-CO(CO)10H、C19-CO(CO)10H、などの分子構造をもつ非イオン性界面活性剤が挙げられる。市販品としては、ダウ社製トライトン(登録商標)Xシリーズ、日光ケミカル社製ニッコール(登録商標)OPシリーズまたはNPシリーズなどが挙げられる。
一般式(C)の非イオン性界面活性剤の具体例としては、たとえば、C1327OCHCH(C)O(CO)H、C1021CH(CH)CHOCHCH(C)O(CO)H、C1021CH(CH)CHOCH(C)CHO(CO)H、C1225OCHCH(C)O(CO)H、C17OCHCH(C)O(CO)10H、C1225OCH2CH(C)O(CO)10H、C1327OCHCH(C)O(CO)11H、C1327OCHCHOCHCH(C)O(CO)H、C1225O(CHCH(C)O)(CO)H、C1021CH(CH)CHO(CO)CHCH(C)OH、C1633OCOCH(C)CHO(CO)H、C1225OCHCH(C)O(CO)CHCH(C)OH、C1327OCH(CH)CH(CH)O(CO)H、C1021CH(CH)CHOCH(CH)CH(CH)O(CO)H、C1021CH(CH)CHOCH(CH)CH(CH)O(CO)H、C1225OCH(CH)CH(CH)O(CO)H、C17OCH(CH)CH(CH)O(CO)10H、C1225OCH(CH)CH(CH)O(CO)10H、C1327OCH(CH)CH(CH)O(CO)11H、C1327O(CHO(CO)H、C1225O(CHO(CO)H、C17O(CHO(CO)10H、C1225O(CHO(CO)10H、C1327O(CHO(CO)11H、C1327O(CHCH(CH)O(CO)H、C1225O(CHCH(CH)O(CO)H、C17O(CHCH(CH)O(CO)10H、C1225O(CHCH(CH)O(CO)10H、C1327O(CHCH(CH)O(CO)11Hなどが挙げられる。
一般式(A)、(B)及び(C)で示される非イオン性界面活性剤の含有量は、合計でPTFE等の含フッ素ポリマーの質量に対して1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜8質量%が特に好ましい。
本発明において、WBIERと接触させる前の含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素乳化剤の含有量は、含フッ素ポリマーがPTFEの場合、最終的に生成する収量の質量に対して750ppm〜20000ppmが好ましく、1000ppm〜20000ppmがより好ましく、1000ppm〜10000ppmが最も好ましい。
含フッ素ポリマーが溶融成形性フッ素樹脂の場合には、最終的に生成する溶融成形性フッ素樹脂質量に対して250ppm〜250000ppmが好ましく、2500ppm〜120000ppmがより好ましく、5000ppm〜70000ppmが最も好ましい。
含フッ素ポリマーがフッ素ゴムの場合には、最終的に生成するフッ素ゴム質量に対して1000ppm〜50000ppmが好ましく、2000ppm〜20000ppmがより好ましく、3000ppm〜10000ppmが最も好ましい。
本発明におけるWBIERとしては、イオン交換基としてアミノ基を有する樹脂が好ましい。該樹脂としては、スチレン/ジビニルベンゼン架橋樹脂、アクリル/ジビニルベンゼン架橋樹脂、セルロース樹脂等からなる粒状樹脂が挙げられる。なかでも、イオン交換基としてアミノ基を有するスチレン−ジビニルベンゼン架橋樹脂からなる粒状樹脂が好ましい。
WBIERのイオン交換基としては、1〜3級のアミノ基が好ましく、2〜3級のアミノ基がより好ましく、3級のアミノ基が最も好ましい。
WBIERの粒子の平均粒径は、0.1〜2mmが好ましく、0.2〜1.3mmがより好ましく、0.3〜0.8mmが最も好ましい。該粒子の平均粒径が、0.1〜2mmの範囲あると、含フッ素ポリマー水性分散液の通液時に、閉塞しにくい。また、WBIERは、多孔質であるものが好ましく、架橋度の高いポーラス型またはマクロポーラス型がより好ましい。WBIERのイオン交換容量は、1.0〜2.5(eq/l−R)が好ましく、1.3〜1.7(eq/l−R)がより好ましい。好ましいWBIERの市販品としては、ランクセス社製Lewatit(登録商標)MP−62WS、ピュロライト社製A−100、ダウ社製ダウエックスマラソン(登録商標)WBA、三菱化学社製ダイアイオン(登録商標)WA−30等が挙げられる。
WBIERに含フッ素乳化剤を接触させて吸着する方法としては、特に限定されない。具体例としては、含フッ素乳化剤を含む含フッ素ポリマー水性分散液にWBIERを投入する方法、WBIERをカラムに充填してその中へ含フッ素乳化剤を含む含フッ素ポリマー水性分散液を通液する方法等が挙げられる。含フッ素ポリマー水性分散液中に、凝固物等の浮遊する固体が含有される場合には、該固体をフィルターで除去することが好ましい。
1段で又は複数段を重ねた、100μmの孔径を有するフィルターで、含フッ素ポリマー水性分散液を濾過し、そのような浮遊固体を除去する。
WBIERに含フッ素乳化剤を接触させて吸着させる際の接触温度は、適宜選定すればよいが、通常10〜40℃の室温付近が好ましい。また、接触時間は、適宜選定すればよいが、撹拌方式で接触させる場合には、通常10分〜200時間の範囲が好ましい。接触させる際の圧力は、通常は大気圧が好ましいが、減圧状態であってもよいし、加圧状態であってもよい。この際、WBIERを濾過することで取り除き、新たなWBIERを投入する作業を繰り返すと、含フッ素乳化剤を所定の濃度まで低下させる時間が短縮できる。
WBIERを充填したカラムを用いて、含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素乳化剤を低減させる場合には、該カラムに通液させる速度は、空間速度で0.25〜5.0(1/hr)が好ましく、0.5〜4.0(1/hr)が特に好ましい。また、線速で0.36〜7.2m/hrが好ましく、0.72〜5.4m/hrが特に好ましい。ここで、空間速度とは1時間にWBIERの容積の何倍の容量を流すかを意味し、線速とは1時間当りの流量をカラム断面積で割った数値をいう。
通液速度が、0.25(1/hr)の空間速度、又は、0.36m/hrの線速よりも小さい場合、カラム内で含フッ素ポリマー粒子が凝集しやすく、含フッ素乳化剤の吸着、除去が不充分となることがある。また、通液速度が、5.0(1/hr)の空間速度、又は、7.2m/hrの線速よりも大きい場合にも、含フッ素乳化剤の除去が行なわれにくい。後者の場合には、WBIERの表面に吸着された含フッ素乳化剤がWBIER粒子内部への拡散が遅いためと推定される。
WBIERを充填したカラムは、1本単独で使用してもよいが、複数本のカラムを直列接続して連結カラムとして使用することも好ましい。複数本のカラムを直列接続した場合、直列接続したカラムの本数は、2〜10本が好ましく、2〜6本がより好ましく、2〜4本が最も好ましい。カラムの本数が少なすぎると、含フッ素乳化剤の吸収効率が向上しにくく、カラムの本数が多過ぎると、カラムの交換が煩雑となる。カラムの直列接続方法は、入口側の最初のカラムの上部出口と2本目のカラムの下部入口を菅などで接続し、それ以降のカラムも同様に接続する方法が挙げられる。また、複数本のカラムを直列接続したカラム列を複数列用意し、並列に接続して通液してもよい。
WBIERへの含フッ素乳化剤の吸着量は、通常、WBIERの理論イオン交換容量の5〜70モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましい。吸着量が多いほど、溶離効率は上がるが、再生使用時の含フッ素乳化剤の吸着効率が低下する。含フッ素乳化剤が吸着したWBIERは、60〜105℃のアルカリ水溶液に接触させて、含フッ素乳化剤を溶離させ、WBIERを再生することが好ましい。
アルカリ水溶液は、アルカリ金属の水酸化物の水溶液であり、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化ルビジウム水溶液、水酸化セシウム水溶液が挙げられ、少なくとも1種類の水溶液が用いられる。これらのうち、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液が好ましい。
アルカリ水溶液の濃度は、一般的にアルカリ濃度が高い程、溶離する含フッ素乳化剤の量が減る傾向にあるので、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1.0〜5.0質量%であり、特に好ましくは1.0〜4.0質量%である。
本発明において、WBIERと接触させた後の含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素乳化剤の含有量は、含フッ素ポリマーに対して、200ppm以下が好ましく、1ppm〜200ppmがより好ましく、1ppm〜150ppmがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素乳化剤の含有量の減少率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましく、97%以上が特に好ましい。
本発明の製造方法により得られた、含フッ素乳化剤の含有量が減少した含フッ素ポリマー水性分散液は、公知の濃縮方法、例えば遠心沈降法、電気泳動法、相分離法等で濃縮できる。
次に、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中に記載される物性値の測定方法は下記のとおりである。
(A)PTFEの平均一次粒子径(単位:μm):レーザー散乱法粒子径分布分析計(堀場製作所製、商品名「LA−920」)を用いてメジアン径を測定した。
(B)標準比重(以下、SSGともいう):ASTM D1457−91a、D4895−91aに準拠して測定した。12.0gのPTFEを計量して内径28.6mmの円筒金型で34.5MPaで2分間保持する。これを290℃のオーブンへ入れて120℃/hrで昇温する。380℃で30分間保持した後、60℃/hrで降温して294℃で24分間保持する。23℃のデシケーター中で12時間保持した後、23℃での成形物と水との比重値を測定し、これを標準比重とする。
(C)WBIERへ通液前のPTFE水性分散液中のAPFO含有量(単位:ppm):試験管にメチレンブルー溶液(水の約500mLに硫酸の12gを徐々に加え、冷却後これにメチレンブルーの0.03g、無水硫酸ナトリウムの50gを溶解し、水を加えて1Lとして調整した)の4mL、クロロホルムの5mLを入れ、試料の0.1gを加えて激しく振り混ぜ、静置後、下層のクロロホルム相を採取し孔径0.2μmのフィルターで濾過し、分光光度計で630nmの吸光度を測定した。APFOの含有量に応じてクロロホルム相が青色を呈する。あらかじめ濃度既知のAPFO水溶液の0.1gを使用して同様の方法で吸光度を測定し、作成した検量線を用いて、PTFE水性分散液試料中のAPFO濃度を求めた。そして、APFO濃度をPTFE固形分含有率で割った値をAPFO含有量とした。
(D)WBIERへ通液後のPTFE水性分散液中のAPFO含有量(単位:ppm):LC−MS(質量分析装置付き高速液体クロマトグラフィー)を用い、あらかじめ濃度既知のAPFO水溶液を使用して得られたピーク面積から検量線を作成し、試料液の測定ピーク面積から含有量を算出した。PTFE水性分散液中のAPFOの場合、PTFE水性分散液の50gを70℃で16時間乾燥後、APFOをエタノールで抽出し、LC−MSでのピーク面積を測定し、検量線を用いて、PTFE水性分散液試料中のAPFO濃度を求めた。そして、APFO濃度をPTFE固形分含有率で割った値をAPFO含有量とした。
(実施例1)
邪魔板、撹拌機を備えた、100Lのステンレス鋼製オートクレーブに、APFOの3.5g、パラフィンワックスの797g、脱イオン水の56リットルを仕込んだ。オートクレーブを窒素置換した後減圧にした。次にTFEで加圧し、撹拌しながら70℃に昇温した。次いでTFEで1.96MPaまで昇圧し、約70℃の温水に溶解したジコハク酸過酸化物(以下、DSAPという。)の4.5gを注入した。1分半ほどで内圧が1.94MPaまで降下した。
オートクレーブ内圧を1.96MPaに保つようにTFEを添加しながら途中APFOの45gを添加して重合を進行させた。TFEの添加量が22.5kgになったところで反応を終了させ、オートクレーブ中のTFEを大気放出した。重合時間は190分であった。重合で使われたDSAP量は、全系に対して54ppmであった。得られたPTFE水性乳化重合液を冷却し、上澄みのパラフィンワックスを除去した。水性乳化重合液の固形分濃度は約27質量%であった。使用したAPFOは、最終PTFE収量の質量に対して2160ppmであった。また平均一次粒径は約0.3μmであった。反応器中の凝固物は痕跡程度であった。
このPTFE水性乳化重合液を純水で濃度10質量%に希釈し20℃に調整して撹拌して、ファインパウダーを取得した。次いでこのファインパウダーを120℃で乾燥した。SSGは2.16であった。
該PTFE水性乳化重合液に、非イオン性界面活性剤C1327OCHCH(C)O(CO)H(日本乳化剤社製、以下、非イオン性界面活性剤1という。)を、PTFE質量に対して3質量%の割合で溶解させPTFE水性分散液を得た。ついで、PTFE水性分散液の全質量に対して185ppmのコハク酸(pKa4.21)を溶解させ、試験用PTFE水性分散液を作成した。試験用PTFE水性分散液中のAPFO含有量は、PTFE水性分散液の質量に対して2100ppmであった。
内径9mmの透明アクリルパイプに、WBIERとしてLewatit(登録商標)MP62WS(Lanxess社製、マクロポーラス型、OH型、イオン交換基3級アミン、平均粒径0.55mm、総イオン交換容量1.7eq/l−R)を樹脂槽高82cmになるように充填して、チューブポンプにより130cc/hrで試験用PTFE水性分散液を通液した。所定の通液量の間隔で流出するPTFE水性分散液の採取を行い、APFOの濃度を測定した。通液速度は、空間速度で2.5(1/hr)、線速で2.1(m/hr)であった。試験用PTFE水性分散液の通液量がWBIERの体積の175倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は100ppmであり、通液量がWBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は110ppmであり、十分な吸着効率を示した。
試験用PTFE水性分散液中のAPFOの減少割合は、95%であった。表1中に、それぞれAPFO(ppm/PTFE) at 175BV及びAPFO(ppm/PTFE) at 200BVと表記する。また、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が100ppmを超えるまでの通液量は、WBIERの体積の100倍であった。表1中に、BV at APFO 100ppm/PTFEと表記する。WBIERへ通液する前のPTFE水性分散液のpHは3.3であった。通液開始後、通液量がWBIERの体積の25倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは9.0であり、WBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは8.2であった。表1中に、それぞれpH at 25BV及びpH at 200BVと表記する。なお、BVとは、WBIERと接触したPTFE水性分散液の体積を、WBIERの体積で除した値であり、通液量を意味する。
(実施例2)
PTFE水性分散液全質量に対して370ppmのコハク酸を溶解させた以外は、実施例1と同様にして通液試験を実施した。試験用PTFE水性分散液中のAPFO含有量は、2100ppmであった。
試験用PTFE水性分散液の通液量がWBIERの体積の175倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は30ppmであり、通液量がWBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は40ppmであった。
また、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が100ppmを超えるまでの通液量は、WBIERの体積の370倍であった。
この後、通液を継続し、PTFE水性分散液中のAPFOの濃度が通液前のほぼ90%まで削減されたことに相当する含有量である200ppmを超えるまでの通液量はWBIERの体積の450倍であった。WBIERへ通液する前のPTFE水性分散液のpHは3.2であった。通液開始後、通液量がWBIERの体積の25倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは9.0であり、WBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは3.9であった。
次に、通液開始から換算した通液量が、WBIERの体積の200倍に相当するまでの時点で採取したPTFE水性分散液を、2塔目のカラムに相当する、Lewatit(登録商標)MP62WSを樹脂槽高82cmになるように充填した内径9mmの透明アクリルパイプに、チューブポンプにより130cc/hrで更に通液を行った。これは、WBIERカラムを直列に2本つなげた事を意味しており、空間速度で1.3(1/hr)、線速で2.1(m/hr)である。その結果、APFO含有量は10ppmまで減少した。試験用PTFE水性分散液中のAPFOの減少割合は、99.5%以上であった。
(実施例3)
185ppmのコハク酸に変えて、285ppmの乳酸(pKa3.86)を用いる以外は、実施例1と同様にして通液試験を実施した。使用した乳酸のモル数は、実施例2で使用したコハク酸のモル数と同じであった。試験用PTFE水性分散液中のAPFO含有量は、2100ppmであった。
試験用PTFE水性分散液の通液量がWBIERの体積の175倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は12ppmであり、通液量がWBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は20ppmであった。
また、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が100ppmを超えるまでの通液量は、WBIERの体積の310倍であった。この後、通液を継続し、PTFE水性分散液中のAPFOの濃度が通液前の90%まで削減されたことに相当する含有量である200ppmを超えるまでの通液量はWBIERの体積の380倍であった。WBIERへ通液する前のPTFE水性分散液のpHは3.0であり、通液開始後、通液量がWBIERの体積の25倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは8.5であり、WBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは7.0であった。
(実施例4)
185ppmのコハク酸に変えて、415ppmのグルタル酸(pKa4.34)を用いる以外は、実施例1と同様にして通液試験を実施した。使用したグルタル酸のモル数は、実施例2で使用したコハク酸のモル数と同じであった。PTFE水性分散液中のAPFO含有量は、2100ppmであった。試験用PTFE水性分散液の通液量がWBIERの体積の175倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は50ppmであり、通液量がWBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は70ppmであり、十分な吸着効率を示した。試験用PTFE水性分散液中のAPFOの削減割合は、97%であった。また、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が100ppmを超えるまでの通液量は、WBIERの体積の250倍であった。
WBIERへ通液する前のPTFE水性分散液のpHは3.2であり、通液開始後、通液量がWBIERの体積の25倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは8.9であり、WBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは3.8であった。
(実施例5)
185ppmのコハク酸に変えて、325ppmのマロン酸(pKa2.86)を用いる以外は、実施例1と同様にして通液試験を実施した。使用したマロン酸のモル数は、実施例2で使用したコハク酸のモル数と同じであった。PTFE水性分散液中のAPFO含有量は、2100ppmであった。試験用PTFE水性分散液の通液量がWBIERの体積の175倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は75ppmであり、通液量がWBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は85ppmであり、十分な吸着効率を示した。試験用PTFE水性分散液中のAPFOの削減割合は、96%であった。また、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が100ppmを超えるまでの通液量は、WBIERの体積の240倍であった。 WBIERへ通液する前のPTFE水性分散液のpHは2.7であり、通液開始後、通液量がWBIERの体積の25倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは9.0であり、WBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは5.8であった。
(実施例6)
185ppmのコハク酸に変えて、470ppmの酒石酸(pKa3.04)を用いる以外は、実施例1と同様にして通液試験を実施した。使用した酒石酸のモル数は、実施例2で使用したコハク酸のモル数と同じであった。PTFE水性分散液中のAPFO含有量は、2100ppmであった。試験用PTFE水性分散液の通液量がWBIERの体積の175倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は100ppmであり、十分な吸着効率を示した。その後、通液量がWBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は200ppmまで上昇した。試験用PTFE水性分散液中のAPFOの削減割合は、96%であった。
また、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が100ppmを超えるまでの通液量は、WBIERの体積の200倍であった。WBIERへ通液する前のPTFE水性分散液のpHは2.7であり、通液開始後、通液量がWBIERの体積の25倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは9.0であり、WBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは3.2であった。
Figure 0005446269
(比較例1)
185ppmのコハク酸を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして通液試験を実施した。通液量が増すと共に単調にPTFE水性分散液中のAPFO濃度が上がり、通液量がWBIERの体積の165倍の時点での採取で、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が通液前のほぼ90%まで減少したことに相当する含有量である200ppmを超えた。通液量は、WBIERの体積の450倍であった実施例2の約37%であり、低いイオン交換効率を示した。また、WBIERのイオン交換容量の約15%だけが、イオン交換に使用されたことを意味する。
なお、通液を継続したところ、通液量がWBIERの体積の175倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は220ppmであり、通液量がWBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は250ppmであった。また、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が100ppmを超えるまでの通液量は、WBIERの体積の70倍であった。WBIERへ通液する前のPTFE水性分散液のpHは3.5であり、通液開始後、通液量がWBIERの体積の25倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは9.0であり、WBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは8.6であった。
(比較例2)
185ppmのコハク酸に変えて、280ppmのシュウ酸(pKa1.27)を用いる以外は、実施例1と同様にして通液試験を実施した。使用したシュウ酸のモル数は、実施例2で使用したコハク酸のモル数と同じであった。PTFE水性分散液中のAPFO含有量は、2100ppmであった。通液量が増すと共に単調にAPFO濃度が上がり、通液量がWBIERの体積の175倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの含有量は180ppmであり、通液量がWBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液中のAPFOの濃度が通液前のほぼ90%まで削減されたことに相当する含有量である200ppmを超えた。
また、PTFE水性分散液中のAPFOの含有量が100ppmを超えるまでの通液量は、WBIERの体積の60倍であった。WBIERへ通液する前のPTFE水性分散液のpHは2.3であり、通液開始後、通液量がWBIERの体積の25倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは9.0であり、WBIERの体積の200倍の時に採取したPTFE水性分散液のpHは7.8であった。
Figure 0005446269
本発明の製造方法により得られた、含フッ素乳化剤の含有量が減少した含フッ素ポリマー水性分散液は、そのままで、又は、公知の濃縮方法で濃縮した後、ノニオン界面活性剤、非含フッ素乳化剤、防腐剤、粘度調整剤等を配合して、含フッ素ポリマー水性分散液として使用できる。得られた含フッ素ポリマー水性分散液は、プリント基板等の電子材料、膜構造物の屋根材、調理用品の表面コーティング剤、紡糸してPTFE繊維などの含フッ素ポリマー繊維、発塵防止剤、電池の活性物質バインダー、プラスチック添加剤等の、種々の用途に適用できる。

なお、2006年11月24日に出願された日本特許出願2006−316821号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (8)

  1. 含フッ素乳化剤を含有する含フッ素ポリマー水性分散液に、下記の一般式(1)で表される有機カルボン酸を添加し、ついで、弱塩基性陰イオン交換樹脂と接触させて、含フッ素乳化剤を吸着除去することを特徴とする含フッ素乳化剤の含有量が減少した含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
    Q(CH(CH(OH))COOH…(1)
    (式中、Qは、H、CH又はCOOHであり、mおよびnは、それぞれ独立に0又は1〜4の整数であり、4≧n+m≧1である。)
  2. 前記一般式(1)で表される有機カルボン酸が、HOCO(CHCOOH(式中、pは、1〜4の整数である。)である請求項1に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
  3. 前記一般式(1)で表される有機カルボン酸が、HOCOCHCH(OH)COOH又はCHCH(OH)COOHである請求項1に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
  4. 前記含フッ素ポリマー水性分散液が、ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液である請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
  5. 前記ポリテトラフルオロエチレン水性分散液中の、ポリテトラフルオロエチレンの標準比重が2.15〜2.20である請求項4に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
  6. 弱塩基性陰イオン交換樹脂と接触させた後の含フッ素ポリマー水性分散液中の前記含フッ素乳化剤の含有量が、含フッ素ポリマーに対して1ppm〜200ppmである請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
  7. 弱塩基性陰イオン交換樹脂と接触させる前の含フッ素ポリマー水性分散液中の前記含フッ素乳化剤の含有量が、含フッ素ポリマーがポリテトラフルオロエチレンの場合、ポリテトラフルオロエチレンに対して750ppm〜20000ppmであり、含フッ素ポリマーが溶融成形性フッ素樹脂の場合、溶融成形性フッ素樹脂に対して250ppm〜250000ppmであり、含フッ素ポリマーがフッ素ゴムの場合、フッ素ゴムに対して1000ppm〜50000ppmである請求項1〜6のいずれかに記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
  8. 前記含フッ素ポリマー水性分散液中の有機カルボン酸の含有量が、含フッ素ポリマー水性分散液に対して100ppm〜1000ppmである請求項1〜7のいずれかに記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
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