JP5446105B2 - 軟質塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、硬質塩化ビニル系樹脂製品の廃棄物などを原料として再利用して軟質塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品を製造する方法に関する。
塩化ビニル系樹脂は、物理的化学的特性が優れた汎用樹脂であり、また、他樹脂に比べて安価であるため、軟質、半硬質及び硬質樹脂の広い分野で用いられている。
一般に、軟質塩化ビニル系樹脂製品は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して40〜60重量部の可塑剤をもって塩化ビニル樹脂を膨潤、溶媒和したゲル状弾性体として使用され、ショア硬さDuro70〜95Aの軟質塩化ビニル系樹脂組成物である(非特許文献1参照。)。これに対して、硬質塩化ビニル系樹脂製品は、JIS K6740の硬質塩化ビニルコンパウンドに示されるように、長さ80mm以上、高さ4±0.2mm、幅10±0.5mmの成形体を試験材料として、オートグラフ等の曲げ冶具を設置した試験機を使用して測定した曲げ弾性率が150kgf/mm2(約1,471Mpa)以上の塩化ビニル系樹脂製品と定義されている。また、半硬質塩化ビニル系樹脂製品は、軟質塩化ビニル系樹脂製品と硬質塩化ビニル系樹脂製品の中間に位置付けられるものであり、一般的には、塩化ビニル樹脂100重量部に対して可塑剤30重量部以下のものとされている(非特許文献2参照。)。
硬質塩化ビニル系樹脂の具体的用途としては、パイプ、継手、サッシ等の建材、化粧板、ボトル等が挙げられる。一方、軟質塩化ビニル系樹脂は、農業用ビニルシート、防水シート、壁紙等のシート類、ホース、フィルム、電線被覆、玩具、自動車部材等の用途に使用されている。
従来、これら塩化ビニル系樹脂の廃棄物の多くは、使用された後に、埋立処理や焼却処理されていた。しかし、近年の環境問題への対応から、廃棄物を分別回収した後に、粉砕して、押出成形機等により混練、ペレット化して、塩化ビニル系樹脂材料としてリサイクルされており、パイプ、継手、農業用ビニルシートの分野において、そのシステムが確立されている。
ところで、これら塩化ビニル系樹脂の廃棄物を、粉砕後、押出ペレット化して樹脂材料を回収してリサイクルする場合、硬質塩化ビニル系樹脂と軟質塩化ビニル系樹脂とは、それぞれを分別してリサイクルする必要があった。すなわち、硬質塩化ビニル系樹脂からなる硬質材料は、硬質材料のリサイクル用途に、軟質塩化ビニル系樹脂からなる軟質材料は、軟質材料のリサイクル用途に、それぞれを分別してリサイクルしなければならなかった。これは、一般的な軟質塩化ビニル系樹脂は、可塑剤を配合して成形されているため、硬質塩化ビニル系樹脂と混合して混練機で加工すると、両者の溶融温度が大きく異なるため、硬質塩化ビニル系樹脂は溶融し難く、溶融状態となった軟質塩化ビニル系樹脂に浮遊した状態となり、混練機中で硬質塩化ビニル系樹脂に剪断力をかけて十分に溶融することができず、均一な成形品を回収できないという理由からである。
また、硬質塩化ビニル系樹脂製品を、軟質塩化ビニル系樹脂製品の原料として用いる場合には、通常、硬質塩化ビニル樹脂製品100重量部に対して、30〜100重量部の可塑剤を均質に分散させて含有させる必要がある。しかし、硬質塩化ビニル系樹脂製品は可塑剤をほとんど含んでいないため、硬質塩化ビニル系樹脂製品の粉砕物に可塑剤を配合して加熱混練機により混練しても、バージン原料と可塑剤とを溶融混練する場合のような均質な分散状態が得られず、可塑剤が均質に分散した軟質塩化ビニル系樹脂を得ることはできなかった。
バージンの塩化ビニル系樹脂を用いて軟質塩化ビニル系樹脂を製造する場合においては、通常、懸濁重合等で得られる塩化ビニル系樹脂原料が多孔性であり、樹脂内に空隙を有することから、この空隙に可塑剤を吸収させた後に、成形加工して、可塑剤が均一に分散した軟質塩化ビニル樹脂を得られる。一方、一旦、成形加工された硬質塩化ビニル系樹脂製品は、例え粉砕品としても前記可塑剤を吸収する空隙を殆ど有しないため、可塑剤を配合しても該粉砕品の表面にしか存在することができず、加熱混練しても該粉砕品の表面のみが溶融するに留まってしまう。また、該粉砕品の表面に吸着した可塑剤は、混練機に対して滑性を付与する現象を生じるため、剪断力が加わらず、該粉砕物の内部まで溶融させることができない。その結果、未溶融の塩化ビニル樹脂がブツとなって軟質塩化ビニル系樹脂製品の商品価値を損なうという問題があった。
なお、硬質塩化ビニル系樹脂製品と軟質塩化ビニル系樹脂製品を混合して処理し、塩化ビニル系樹脂製品を製造する方法も提案されてはいる(特許文献1参照。)。この方法は、硬質塩化ビニル樹脂製品と、可塑剤を含有する軟質塩化ビニル樹脂製品とを、塩化ビニル樹脂を溶解する溶媒に添加して溶解後、スチーム及び/又は熱水を添加して塩化ビニル系樹脂組成物を析出させつつ溶媒を除去し、塩化ビニル系樹脂組成物を回収するものである。この処理方法により、硬質塩化ビニル系樹脂は、軟質塩化ビニル系樹脂として回収可能となる。しかし、塩化ビニル系樹脂を溶解するためには多量の溶剤と、溶剤を回収して精製するための多大なエネルギーとが必要となり、かなりのコストを要することとなる。また、溶剤を回収して精製するためには大掛かりな設備を必要とするため、回収した樹脂も非常に高価なものとなってしまう。さらに、回収した塩化ビニル系樹脂中に溶剤が残存すると、成型加工時の環境を悪化させるため、回収した塩化ビニル系樹脂中から完全に溶剤を除去する必要があった。
特開2007−70383号 プラスチック材料講座18 塩化ビニル樹脂(日刊工業新聞社、1982年)P131−132、P149 ポリ塩化ビニル その化学と工業II(朝倉書店、1968年)P290
本発明は、一旦、製品として成形され、使用された後、回収された硬質塩化ビニル系樹脂の廃棄物(成形品)を原料として、軟質塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品を効率良く製造するための方法を提供することを目的とする。
本発明は、軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法であって、硬質塩化ビニル系樹脂成形品を粉砕した粒径3mm以下の粉砕物100重量部と、可塑剤30〜70重量部と、DOP吸収量が25ml/100g以上の充填材15〜140重量部を、剪断摩擦力により溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するミキサーにて混合して粉状乃至粒状とすることを特徴とする軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法である。
前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物の粒径は、2mm以下であることがより好ましい。本発明において、前記粉砕物の径とは、粉砕物の最大径のことであり、通常は通過する篩やスクリーンの目開きや開口径で表される。
また、硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物としては、硬質塩化ビニル系樹脂成形品を、高速回転する衝撃粉砕機を使用して粉砕後、篩選別することにより調製したものが好ましい。
また、前記ミキサーは、剪断摩擦力による溶融機能を持つ高速攪拌型ミキサーであり、溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するものであることが好ましい。
本発明で用いる硬質塩化ビニル系樹脂成形品は、可塑剤を含まないもの、又は、可塑剤を塩化ビニル樹脂100重量部に対して10重量部未満の含有量で含むものであることが好ましい。
また、可塑剤に対する前記充填材の配合比は、0.5以上2以下であることが好ましい。
さらに、前記充填材は、炭酸カルシウムであることが好ましい。
また、本発明に係る軟質塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法は、上記方法により製造した軟質塩化ビニル系樹脂組成物を、加熱混練機で混練し、成形することを特徴とする。
本発明で使用する加熱混練機は、押出機型混練機もしくは混練ロールからなる連続式混練機又はインターナルミキサーもしくは加圧ニーダーからなるバッチ式混練機から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の軟質塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品の製造方法は、硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物100重量部と、可塑剤30〜70重量部と、DOP吸収量が25ml/100g以上、好ましくは40ml/100g以上の充填材15〜140重量部を使用して、剪断摩擦力により溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するミキサーにて混合して粉状乃至粒状の軟質塩化ビニル系樹脂組成物とし、該軟質塩化ビニル系樹脂組成物を加熱混練機で混練して適宜方法により成形することで、溶剤を使用することなく、また過大な設備投資を必要とせず、硬質塩化ビニル系樹脂廃棄物を原料として回収して軟質塩化ビニル系樹脂成形品を製造することができる。
前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物の粒径が3mm以下、より好ましくは2mm以下であれば、該硬質塩化ビニル系樹脂がミキサー内で均一に溶融して均質な軟質塩化ビニル系樹脂組成物となり、塩化ビニル系樹脂が軟質塩化ビニル系樹脂成形品中に未溶融物として残留することなく、良好な軟質塩化ビニル系樹脂成形品とすることができる。
本発明で使用する硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物は、硬質塩化ビニル系樹脂成形品を高速回転する衝撃粉砕機を使用して粉砕後、篩選別して調製することにより、効率良く粒径が3mm以下の粉砕物を得ることができる。
また、本発明で使用するミキサーとしては、剪断摩擦力による溶融機能を持つ高速攪拌型ミキサーであり、溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するものが好ましく、例えば、グラッシュミキサーやスーパーアドオンミキサー(株式会社カワタ製)などが例示され、これらによれば、粉状乃至粒状の軟質塩化ビニル系樹脂組成物を容易に得ることができ、該軟質塩化ビニル系樹脂組成物が粘着して塊状化したり、該軟質塩化ビニル系樹脂組成物が溶融してミキサー中で固まって攪拌時の過負荷によるトラブルが生じる、といったことを防止することができる。
本発明で使用する硬質塩化ビニル系樹脂成形品は、可塑剤を含まないもの、又は、可塑剤を塩化ビニル樹脂100重量部に対して10重量部未満の含有量で含むものを対象とするものである。
また、本発明における可塑剤と充填材の配合比は、0.5以上2以下であれば、効率良く、かつ、前記したようなトラブルを生じることなく軟質塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品を製造することができる。さらに、可塑剤に対する充填材の配合比が、0.7以上1.5以下であれば、より安定した加工条件で軟質塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品を製造することができる。
また、本発明で使用する充填材として炭酸カルシウムを使用すると、該炭酸カルシウムは軟質塩化ビニル系樹脂成形品に汎用的に使用される充填材であるため加工条件も調整しやすく、かつ、コストも安く好ましい。
また、本発明で使用する加熱混練機として、押出機型混練機もしくは混練ロールからなる連続式混練機又はインターナルミキサーもしくは加圧ニーダーからなるバッチ式混練機から選ばれる少なくとも1種を用いれば、軟質塩化ビニル系樹脂組成物から容易に成形品を製造することができる。
本発明に係る軟質塩化ビニル系樹脂組成物、更には成形品の製造方法は、硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粒径3mm以下の粉砕物100重量部と、可塑剤30〜70重量部と、DOP吸収量が25ml/100g以上、好ましくは40ml/100g以上の充填材15〜140重量部を原料とし、剪断摩擦力により溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するミキサーにて混合して軟質塩化ビニル系樹脂組成物とした後に、該軟質塩化ビニル系樹脂組成物を加熱混練機で混練して成形するものである。なお、本発明で使用する硬質塩化ビニル系樹脂成形品は、可塑剤を含まないものを対象とし、又は、可塑剤を塩化ビニル樹脂100重量部に対して10重量部未満の含有量で含むものであっても良い。硬質塩化ビニル系樹脂成形品として、例えば、パイプ、継手、建材、化粧板、工業板、波板、フィルム、シート等の成形品が挙げられ、使用後、回収されたこれらの廃材を用いることができる。
図1に示すものは、本発明により、硬質塩化ビニル系樹脂成形品を原料として、軟質塩化ビニル系樹脂組成物、更に成形品を製造するための処理フローの1例である。
図示した処理フローにおいては、硬質塩化ビニル系樹脂成形品を、必要に応じて粗粉砕した後に、衝撃式粉砕機により粉砕後、篩選別して粒径3mm以下の粉砕物を得、該粉砕物と可塑剤とDOP吸収量が25ml/100g以上、好ましくは40ml/100g以上の充填材と、成形して得られる軟質塩化ビニル系樹脂成形品の物性を勘案して、加工助剤、滑剤、安定剤等を適宜添加し、剪断摩擦力により溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するミキサーの1種であるグラッシュミキサーにて混合して粉状乃至粒状の軟質塩化ビニル系樹組成物とし、押出機型混練機もしくは混練ロールからなる連続式混練機や、インターナルミキサーの1種であるバンバリーミキサーもしくは加圧ニーダーからなるバッチ式混練機などを使用して混練して軟質塩化ビニル系樹脂成形品を得る。
ここで、本発明で使用される塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独の重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニルと塩化ビニル以外の重合成モノマーとの共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂を、後塩素化して得られる塩素化塩化ビニル樹脂、これらの一種又は二種以上から選ばれるものである。
また、塩化ビニル樹脂の重合度は特に制約はないが、平均重合度が小さいと得られる成形品の機械的強度、特に引っ張り強度が出にくい、大きいと成形時の流動性が低下し、成形が困難になるので、平均重合度500〜1800が好ましい。
また、本発明で使用される硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物は、予め粗粉砕しておくと該粉砕物を効率よく調製できるが、該粉砕物の粒径は、3mm以下、更には2mm以下であることが好ましい。この大きさにすると、配合した可塑剤が硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物の表面に均一に吸着して混合されるためである。さらに、該粉砕物の粒径が1.5mm以下であれば、可塑剤と、DOP吸収量が25ml/100g以上、好ましくは40ml/100g以上の充填材とを混合して軟質塩化ビニル系樹脂組成物とする際の流動性が高く、より均一化した組成物が得られ易く好ましい。さらに、該粉砕物の粒径が1mm以下であれば、得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物の均一性が高く、加熱混練機で混練し、成形するために要する時間を短縮することができるため好ましい。ここで、該粉砕物の粒径が3mm以下のものとする場合、前記した微粉砕機により微粉砕した後、篩の目開きが3mmの篩を用いて篩選別すれば、容易に粉砕物を回収することができる。本発明で使用する篩は、円型振動篩、共振式振動篩、振動モーター式振動篩、電磁式振動篩、ジャイロシフター等の面内運動式振動篩が挙げられるが、中でも、振動モーター式振動篩及び円型振動篩は、作業性の点から好ましい。
また、硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物を調製する際には、ハンマミル、ケージミル、ターボミル、ピンディスクミル等からなる衝撃式粉砕機、又は、ローラーミル、ボールミル、ジェットミル等の公知の粉砕機を使用して粉砕すれば、目的とする粉砕物を得ることができるが、粉砕物の粒径が細かくなるほど、粉砕するために時間を要することとなる。
本発明においては、これらの粉砕機の中でも、高速回転する衝撃粉砕機を使用して粉砕後、篩選別して調製すると、容易にかつ効率良く、目的とする粉砕物を回収できるため好ましい。衝撃粉砕機の中でも、ハンマミルの1種であるスイングハンマクラッシャ、又は、ターボミルを使用して本発明で使用する粉砕物を調製すると、粒径分布の狭い粉砕物が効率良く得られることから好ましい。これらの内、スイングハンマクラッシャを使用する場合、粉砕物の粒度調整用のスクリーンとして目開きが0.8mm〜3mm、好ましくは0.8mm〜2mm、さらに好ましくは0.8mm〜1.5mmの開口径を有するスクリーンを設置し、ハンマのスピードを調整して粉砕を行うものであり、その回転数は1500〜4000rpmが好ましい範囲である。
一方、ターボミルは、スクリーンを内蔵せず、高速回転する翼による衝撃とこの翼の背後に生じる多数の高速渦流並びにこれによって生じる高周波の圧力振動により原料を粉砕して粉砕物とするものである。ターボミルを用いて粉砕する場合、その回転数は、3000〜7000rpmの範囲であり、回転数が高いほど、得られる粉砕物の粒径は細かくすることができる。
また、本発明で使用する可塑剤は、ジブチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)、ジ−イソノニルフタレート等のフタル酸エステル、リン酸エステル類、塩素化パラフィン、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(TOTM)などのトリメリット酸エステル類、ポリエステル類、エポキシ化大豆油などが単独または混合して使用されるが、これらのうちでも、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)を使用することが加工性の点から好ましい。
また、本発明で使用される充填材は、DOP吸収量が25ml/100g以上、好ましくは40ml/100g以上の吸油性を有する充填材であり、例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルクなどの無機充填材が挙げられる。これらは単独または混合して使用されるが、その中でも、DOP吸収量が高く、配合した際の加工性が良好な炭酸カルシウムを使用することが好ましい。なお、DOP吸収量は、JIS K5101で規定される顔料の吸油量測定法に準じて行われるものである。具体的な測定方法は、測定板に1〜5gの試料を精秤後、ビュレットから1回に4、5滴ずつDOPを滴下し、都度、パレットナイフでDOPを試料に練り込むことを繰り返す。試料の塊ができた後、以後、1滴ずつ滴下し、ペーストが滑らかな硬さになった時のDOP滴下量から試料100gあたりのDOP吸収量を算出する。
本発明においては、硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物と可塑剤と、DOP吸収量が25ml/100g以上、好ましくは40ml/100g以上の充填材とを、剪断摩擦力により溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するミキサーで混合するが、その際に、製造される軟質塩化ビニル系樹脂成形品の機械的特性や表面性等の必要特性に応じて、熱安定剤、滑剤、加工性改良剤、衝撃性改良剤、顔料等からなる配合剤を添加して混合することができ、これにより、引き続き、加熱混練機で混練する時の加工性や得られる軟質塩化ビニル系樹脂成形品の機械的特性や表面性等の特性を改良することができる。
具体的には、熱安定剤として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸Ca−Zn、ステアリン酸Ba−Zn、Pb系金属石鹸、有機錫系安定剤等が挙げられるが、その中でも、硬質塩化ビニル系樹脂成形品に多く使用されているステアリン酸Ca−Zn、有機錫系安定剤を用いることが好ましい。また、滑剤としては、通常一般的に塩化ビニル系樹脂の成形材料に使用される、滑剤が使用される。例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、脂肪酸エステル類、オレフィン類等が挙げられる。また、加工助剤として、アクリル系高分子加工助剤が挙げられ、塩化ビニル系樹脂に添加することで溶融弾性の向上と塩化ビニル系樹脂のゲル化の促進を図ることができる。顔料その他配合剤は、通常一般的に塩化ビニル樹脂の成形材料に使用される顔料や紫外線吸収剤、酸化防止剤等が適量使用される。
硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物100重量部に対する可塑剤の配合量は、30〜70重量部が好ましい。また、硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物100重量部に対する、DOP吸収量が25ml/100g以上、好ましくは40ml/100g以上の充填材の配合量は、15〜140重量部が好ましい。可塑剤及び前記充填材の配合量がこの範囲であれば、得られる軟質塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品は、軟質材料として良好な特性を示すためである。一方、可塑剤量を70重量部を超えて多く配合し、充填材に吸収されず、硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物にも吸着されない可塑剤成分が多くなると、該粉砕物や充填材に吸着、吸収されない過剰な可塑剤成分の影響で滑性が高くなり、ミキサーでの混合時に剪断摩擦力が生じ難くなるうえに、硬質塩化ビニル系樹脂を溶融し、可塑剤や充填材中に分散させて均一化して軟質塩化ビニル系樹脂組成物とすることができず、また、混合の結果得られた粉状乃至粒状の軟質塩化ビニル系樹脂組成物の粒子同士が粘着して固まる等のトラブルを生じる。このような状態になると、得られた樹脂組成物をミキサーから取り出して、例えば、押出成形機などの成形機への定量供給ができず、安定して軟質塩化ビニル系樹脂成形品を製造することは困難になる。
一方、DOP吸収量が25ml/100g以上、好ましくは40ml/100g以上の充填材の配合量が、140重量部を超えると、塩化ビニル系樹脂の含有比率が小さくなるため、該軟質塩化ビニル系樹脂組成物を加熱混練機で混練した際に、混練機への粘着や、成形して得られた軟質塩化ビニル系樹脂成形品の物性の低下を引き起こすこととなる。
このようなトラブルを防止するため、配合する可塑剤量に対して充分な量の前記充填材が必要であり、その配合比が、0.5以上2以下であることが好ましく、さらに、可塑剤に対する充填材の配合比が、0.7以上1.5以下であれば、より安定した加工条件で軟質塩化ビニル系樹脂組成物及び成形品を製造することができる。
また、本発明で使用する剪断摩擦力による溶融機能を持つ高速攪拌型ミキサーとは、剪断摩擦力により溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するミキサーであり、例えば、容器底部に平板状の高速水平攪拌翼を有し、また、容器側壁に、前記攪拌翼に付着した溶融樹脂を取り除くためのバッフルを有し、該攪拌翼が被攪拌物である硬質塩化ビニル樹脂成形品の粉砕物、可塑剤、充填材などに対して剪断摩擦力を与えると共に硬質塩化ビニル樹脂粉砕物を溶融させ、引き続き、該溶融樹脂に対して水を加えて冷却すると、該溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するものである。また、塩化ビニル系樹脂に、可塑剤と充填材を始めとする各種配合剤を混合するために用いられるヘンシェルミキサー又はスーパーミキサーに、造粒するための破砕機能を有する攪拌翼を設置して使用することもできるが、本発明においては、このような機構を有するグラッシュミキサー又はスーパーアドオンミキサーを使用することが好ましい。なお、硬質塩化ビニル樹脂粉砕物を溶融させ、該溶融樹脂に対して水を加えて冷却する際に、水を投入するタイミングは、溶融物の溶融状態とミキサーの電流値から、適時、選択されるものであるが、その時の溶融物の樹脂温は、100〜140℃の範囲である。また、溶融樹脂の冷却に使用する水の投入量は、溶融物(混合の結果物である軟質塩化ビニル系樹脂組成物)100重量部に対し、0.5〜5重量部の範囲であることが好ましく、溶融樹脂を100℃未満、好ましくは、80℃以下に冷却する量の水を投入するようにすれば良い。
前記ミキサーにより配合し、粉状乃至粒状物として回収された軟質塩化ビニル系樹脂組成物は、加熱混練機にて混練して軟質塩化ビニル系樹脂成形品が製造される。前記加熱混練機としては、押出機型混練機、混練ロールもしくはカレンダーロールなどの連続式混練機、又は、バンバリーミキサーなどのインターナルミキサーもしくは加圧ニーダーなどのバッチ式混練機が使用され、軟質塩化ビニル系樹脂組成物が、ペレット等の成形品やシート状成形品として回収され、例えば、床材の中間層や下層、成形品の芯材などの再生原料として使用できる。
押出機型混練機(成形機)のフィーダーは、一般的に1軸又は2軸のスクリュウタイプのものが多く使用されている。2軸のタイプの押出成形機においては、スクリュウが同方向に回転するものと異方向に回転するものがあり、これらは1軸のスクリュウタイプのものに対して練り深くしてより均一化することも可能であるが、本発明においては、1軸のスクリュウタイプの押出成形機を使用しても良好なペレットや押出成形品を得ることができる。
また、バッチ式の混練機については、インターナルミキサー、ニーダー、ロールミルに大別され、その中で、インターナルミキサーは、ゴム・プラスチック用混練機であり、その代表的なものとして米国Farrel社により開発されたバンバリーミキサーがある。インターナルミキサーは、ホッパー部、混練室部、排出部からなり、ホッパー部から投入された材料は、混練室に押し込められ、2本のロータが異方向に回転することにより剪断力が与えられて混練され、混練終了後、混練室内から混練物を排出するものである。
また、加圧ニーダーもバッチ式混練機として密閉式混練機の1種であるが、前記ミキサーとニーダーの大きな違いは、混練した混練物の排出形態であり、ミキサーは混練物の排出時、排出ドアが開くことにより下方向に排出されるのに対し、ニーダーには排出ドアがなく混練室が回転して排出がなされる点である。また、一般に、ニーダーは、ミキサーと比較すると、動力が低く、比較的安価で、開口部が大きいことから掃除が容易であるが、低トルクのため発熱は穏やかで、生産性・混練能力は前記ミキサーに劣る場合が多いとされている。
本発明において、得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物を用いて軟質塩化ビニル系樹脂成形品を製造する具体的方法については、押出機型混練機(押出成形機)でペレット状等の成形品を成形する方法、又は得られたペレットを、更にバンバリーミキサーなどのインターナルミキサーや加圧ニーダー等のバッチ式混練機にて混練したのちカレンダーロールで成形してシート状成形品とする方法、あるいは、前記軟質塩化ビニル系樹脂組成物を混練ロールからなる連続式混練機でシート状成形品とする方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(I)硬質塩化ビニル系樹脂成形品粉砕物の調製
(粉砕物−1)
重合度800の塩化ビニル樹脂を使用した硬質塩化ビニル製シート状成形品を、5mmの開口径を有するスクリーンを設置した剪断式粉砕機(株式会社三力製作所製粉砕機FS−1)を使用して、予め、5mmの大きさの粗粉砕物を調製した。次に、この粗粉砕物をターボ工業株式会社製ターボ粉砕機T−250Jにて、回転数5000rpmで投入口の開口面積を10%として微粉砕し、2mmの目開きの振動篩で処理して篩通過品を粉砕物−1として収率87%で回収した。
(粉砕物−2)
粉砕物−1を、さらに、1.4mmの目開きの篩で処理し、篩通過品を粉砕物−2として収率85%で回収した。
(粉砕物−3)
重合度1000の塩化ビニル樹脂を使用した硬質塩化ビニルコンパウンドのペレット(昭和化成工業株式会社製カネビニルコンパウンド852C−K01)を原料として使用した。株式会社尾上機械製衝撃粉砕機(バルツ15型粉砕機)に3mmの開口径を有するスクリーンを設置して、回転数1800rpmで粉砕した後、2mmの目開きの振動篩で処理して篩通過品を粉砕物−3として収率40%で回収した。
(粉砕物−4)
重合度800の塩化ビニル樹脂を使用した硬質塩化ビニル製シート状成形品を、5mmの開口径を有するスクリーンを設置した剪断式粉砕機(株式会社三力製作所製粉砕機FS−1)を使用して、予め、5mmの大きさの粉砕物を調製した。次に、この粉砕物をターボ工業株式会社製ターボ粉砕機T−250Jにて、回転数5000rpmで投入口の開口面積を60%として微粉砕し、3mmの目開きの振動篩で処理して篩上に残った粉砕物を粉砕物−4として収率40%で回収した。
(II)軟質塩化ビニル系樹脂成形品の成形
(実施例1)
粉砕物−1を15kgと、日東粉化工業株式会社製炭酸カルシウム(NS100;DOP吸収量:44ml/100g)8.5kgと、株式会社カネカ製アクリル系加工助剤;カネエースPA−40(スチレン換算の重量平均分子量500万)を150gと、ステアリン酸(株式会社ADEKA製SA200)を300gとを、150Lの容量を有する株式会社カワタ製のグラッシュミキサー(SMK−150)に投入した。次に、前記グラッシュミキサーの攪拌翼を回転しながら、株式会社ジェイ・プラス製のジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)7.5kgをゆっくりと添加した。攪拌開始10分後に、内温が105℃となり、電流計の最大指示値が280Aになった時に、水300gを投入し、1分間攪拌した後に、排出口を開けて細かい粒状の流動性の良いドライな状態の軟質塩化ビニル系樹脂組成物を回収することができた。次に、回収した軟質塩化ビニル系樹脂組成物を、大阪精機工作株式会社製50mm一軸押出機にて、シリンダー温度175℃で、回転数15rpmで押出し、ペレットを回収した。得られたペレットを用いて、8インチロールで160℃、7分間混練して厚み0.7mmの軟質塩化ビニル系樹脂シートを得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして、粉砕物−3を15kgと、日東粉化工業株式会社製炭酸カルシウム(NS100;DOP吸収量:44ml/100g)7.5kgと、株式会社カネカ製の加工助剤カネエースPA−40を150gと、ステアリン酸(株式会社ADEKA製SA200)を300gとを、150Lの容量を有する株式会社カワタ製のグラッシュミキサー(SMK−150)に投入した。次に、前記グラッシュミキサーの攪拌翼を回転しながら、株式会社ジェイ・プラス製のジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)7.5kgをゆっくりと添加した。攪拌開始10分後に、内温が105℃となり、電流計の最大指示値が300Aになった時に、水300gを投入し、1分間攪拌した後に、排出口を開けて細かい粒状の流動性の良いドライな状態の軟質塩化ビニル系樹脂組成物を回収することができた。次に、回収した軟質塩化ビニル系樹脂組成物を、大阪精機工作株式会社製50mm一軸押出機にて、シリンダー温度175℃で、回転数15rpmで押出し、ペレットを回収した。得られたペレットを用いて、8インチロールで170℃、7分間混練して厚み0.7mmの軟質塩化ビニル系樹脂シートを得た。
(実施例3)
粉砕物−3の代わりに、粉砕物−2を15kg用いた以外は、実施例2と同様にしてペレットを回収した、得られたペレットを用いて、8インチロールで160℃、10分間混練して厚み0.7mmの軟質塩化ビニル樹脂系シートを得た。
(実施例4)
日東粉化工業株式会社製炭酸カルシウム(NS100;DOP吸収量:44ml/100g)15kgを用いた以外は、実施例3と同様にして軟質塩化ビニル系樹脂組成物とし、ペレットを回収した。得られたペレットを用いて、8インチロールで160℃、10分間混練して厚み0.7mmの軟質塩化ビニル系樹脂シートを得た。
(実施例5)
日東粉化工業株式会社製の炭酸カルシウム(NS100;DOP吸収量:44ml/100g)15.75kgとジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)10.5kgを用いた以外は、実施例3と同様にして軟質塩化ビニル系樹脂組成物とし、ペレットを回収した。得られたペレットを用いて、8インチロールで160℃、10分間混練して厚み0.7mmの軟質塩化ビニル系樹脂シートを得た。
(実施例6)
日東粉化工業株式会社製の炭酸カルシウム(NS100;DOP吸収量:44ml/100g)3.15kgとジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)4.5kgを用いた以外は、実施例3と同様にして軟質塩化ビニル系樹脂組成物とし、ペレットを回収した。得られたペレットを用いて、8インチロールで160℃、10分間混練して厚み0.7mmの軟質塩化ビニル系樹脂シートを得た。
(実施例7)
ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)の代わりに、株式会社ADEKA製トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(TOTM;トリメリット酸エステル類)を7.5kg使用した以外は、実施例3と同様にして、ペレットを回収した。得られたペレットを用いて、8インチロールで160℃、15分間混練して厚み0.7mmの軟質塩化ビニル系樹脂シートを得た。
(比較例1)
粉砕物−1を15kg使用し、バージンの塩化ビニル系樹脂を用いて塩化ビニル系樹脂組成物を配合するために使用される株式会社カワタ製スーパーミキサー(SMJ−100)にて、実施例1と同様の配合にてブレンドした。その結果、ミキサー内温が100℃を超えたところでミキサー内の混合物が餅状となり、ミキサーの内壁と底部に塊状物が生成し、均一な軟質塩化ビニル系樹脂組成物として回収することができなかった。
(比較例2)
粉砕物−4を15kg使用し、比較例1と同様にして、株式会社カワタ製グラッシュミキサー(SMK−150)を使用してブレンドした。その結果、ミキサー内温が100℃を超えたところでミキサー内の混合物が粘稠となり、電流値の容量オーバーで攪拌が停止し、軟質塩化ビニル系樹脂組成物としてミキサーから払い出すことができなかった。ミキサーの容器内部を確認した結果、混合物はベタベタしたダンゴ状となって固まっていた。
(比較例3)
実施例2と同様にして、粉砕物−2を15kgと、日東粉化工業株式会社製の炭酸カルシウム(NS100;DOP吸収量:44ml/100g)1.5kgと、株式会社カネカ製の加工助剤カネエースPA−40を150gと、ステアリン酸(株式会社ADEKA製SA200)を300gとを、150Lの容量を有する株式会社カワタ製のグラッシュミキサー(SMK−150)に投入した。次に、前記グラッシュミキサーの攪拌翼を回転しながら、株式会社ジェイ・プラス製のジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)7.5kgをゆっくりと添加した。攪拌開始10分後に、内温が100℃を超えたところで、水300gを投入し、1分間攪拌した後に、排出口を開けて軟質塩化ビニル系樹脂組成物を回収しようとしたが、ミキサー内の樹脂組成物が粘稠であり、その一部しか払い出すことができなかった。ミキサー内部の側壁及び底部はベタベタであり、粘稠な樹脂組成物が残留していた。
(比較例4)
日東粉化工業株式会社製の炭酸カルシウム(NS100;DOP吸収量:44ml/100g)22.5kgと株式会社ジェイ・プラス製のジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)10.5kgを用いた以外は、実施例3と同様にして軟質塩化ビニル系樹脂組成物とし、ペレットを回収した。次に、得られたペレットを用いて、8インチロールで140℃、15分間混練した結果、ロールへの粘着が生じ、良好なシートが回収できなかった。
以上の実施例及び比較例で得られたシートについて、外観検査と硬度測定を実施した。その結果を表1に示す。なお、硬度の測定は、アスカー社製ゴム硬度計(A型)を使用し、JIS K6253に準拠して行った。
Figure 0005446105
表1に示すとおり、本発明によれば、硬質塩化ビニル系樹脂成形品から品質の良好な軟質塩化ビニル系樹脂成形品を得ることができ、硬質塩化ビニル系樹脂製品のリサイクルを促進し、軟質塩化ビニル系樹脂のリサイクル品を従来に較べて低コストで提供できる。
本発明により、硬質塩化ビニル系樹脂成形品を原料として軟質塩化ビニル系樹脂組成物、更には成形品を製造するための処理フローの一例を示すブロック図である。

Claims (9)

  1. 硬質塩化ビニル系樹脂成形品を粉砕した粒径3mm以下の粉砕物100重量部と、可塑剤30〜70重量部と、DOP吸収量が25ml/100g以上の充填材15〜140重量部とを、剪断摩擦力により溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するミキサーにて混合して粉状乃至粒状とすることを特徴とする軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物の粒径が、2mm以下である請求項1に記載の軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  3. 硬質塩化ビニル系樹脂成形品の粉砕物が、硬質塩化ビニル系樹脂成形品を、高速回転する衝撃粉砕機を使用して粉砕後、篩選別して調製したものである請求項1又は2に記載の軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記ミキサーが、剪断摩擦力による溶融機能を持つ高速攪拌型ミキサーであり、溶融させるとともに溶融樹脂を破砕して造粒せしめる機能を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記硬質塩化ビニル系樹脂成形品が、可塑剤を含まないもの又は可塑剤を塩化ビニル樹脂100重量部に対して10重量部未満の含有量で含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記可塑剤に対する充填材の配合比が、0.5以上2以下である請求項1〜5のいずれかに記載の軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記充填材が炭酸カルシウムである請求項1〜6のいずれかに記載の軟質塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法により軟質塩化ビニル系樹脂組成物を製造した後、該軟質塩化ビニル系樹脂組成物を加熱混練機により混練し、成形することを特徴とする軟質塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法。
  9. 前記加熱混練機が、押出機型混練機もしくは混練ロールからなる連続式混練機又はインターナルミキサーもしくは加圧ニーダーからなるバッチ式混練機から選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載の軟質塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法。
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