JPH0892562A - 粒状難燃剤 - Google Patents

粒状難燃剤

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JPH0892562A
JPH0892562A JP23276094A JP23276094A JPH0892562A JP H0892562 A JPH0892562 A JP H0892562A JP 23276094 A JP23276094 A JP 23276094A JP 23276094 A JP23276094 A JP 23276094A JP H0892562 A JPH0892562 A JP H0892562A
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JP
Japan
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flame retardant
flame
retardant
polymer
granular
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JP23276094A
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Inventor
Akira Miyamoto
宮本  朗
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Fireproofing Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融混練を必要としないで、単純にポリマー
と混合して成形加工するだけで難燃ポリマーからなる成
形体を得ることができる粒状難燃剤を提供する。 【構成】 粉体状の難燃剤が造粒されていることを特徴
とする粒状難燃剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃剤に関する。さらに
詳しくはポリマー製品などの成形加工工程においてポリ
マーに添加することにより難燃ポリマーなどを得ること
ができる造粒された難燃剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、成形材料として使用されている
難燃の樹脂および難燃のゴム(以下、これらを総称して
難燃ポリマーという)は、液状あるいは粉体である難燃
剤を樹脂、ゴムに直接添加し、さらに溶融混練して難燃
剤を樹脂、ゴム内に練り込む方法で得られている。
【0003】しかしながら、この方法で難燃ポリマーを
得るためには、配合、ミキシング、溶融混練機械への原
料供給、溶融混練、ペレタイジング等の、煩雑で多くの
人手を要する工程を必要とするために、難燃ポリマーの
製造加工には加工費が多くかかり、そのために難燃ポリ
マーの製造コストの削減が強く望まれている。一方、別
の難燃剤の添加方法として、予め難燃剤の含有量の高い
ポリマー組成物(難燃マスターバッチ)を製造し、この
難燃マスターバッチをポリマーに添加して難燃ポリマー
を得る難燃マスターバッチ法がある。
【0004】このマスターバッチ法は、成形品の加工工
程においてポリマーと難燃マスターバッチを混合するの
みで手軽に任意のポリマー組成物を得ることができるの
で、安価でかつ小量生産にも順応できるフレキシブルな
難燃ポリマーの製造方法として注目されている。このよ
うな観点から、例えば特開平4−145132号公報に
は難燃剤と芳香族ビニル化合物ー共役ジエンブロック共
重合体および/またはその水素化物からなる難燃マスタ
ーバッチが提案されている。
【0005】しかしながら、従来の熱可塑性ポリマーを
バインダーとする難燃マスターバッチでは、その製造に
おいて溶融混練を必要とするために、依然として配合、
ミキシング、溶融混練機械への原料供給、溶融混練、ペ
レタイジング等の工程を必要とする。また、経済的観点
からいえば、マスターバッチ中の難燃剤の含有量が多い
程、その経済的効果を高めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、形状安定性
に優れ、ポリマーに添加した場合、分散性に優れ、その
結果、優れた難燃性と表面外観性とが得られ、さらに機
械的強度及び成形加工性に優れた組成物を得ることが可
能な粒状難燃剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、造
粒されたことを特徴とする粒状難燃剤、である。ここで
造粒とは、平均粒径0.3mm以下の粉体状の難燃剤原
料から、ほぼ均一な形状と大きさをもつ粒を作る操作と
定義する。本発明に用いられる難燃剤は、一般にゴム、
樹脂等に使用される難燃剤で、ハロゲン含有化合物、リ
ン含有化合物等の有機系難燃剤、及び、ポリリン酸アン
モニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
赤燐等の無機系難燃剤が挙げられる。
【0008】本発明ではこれら難燃剤のうち、粉体状の
ものが好ましく使用される。常温で液状の難燃剤は、単
独では造粒が不能であるが、他の粉体状の難燃剤と混合
することにより使用される。本発明の粒状難燃剤は、上
記の粉体状の難燃剤が、単独でも、また2種以上が混合
して使用されていてもよく、常温で液状の難燃剤が混合
して使用されていてもよい。
【0009】本発明の粒状難燃剤は、 例えば、ハロゲ
ン含有化合物が好適に用いられる。ハロゲン含有化合物
としては、テトラブロモビスフェノールA、あるいはテ
ロラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエ
チルエーテル)、テロラブロモビスフェノールA−ビス
(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等のテロラブロ
モビスフェノールA誘導体、ヘキサブロモジフェニルエ
ーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモ
ジフェニルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エ
タン、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ビス
(ペンタブロモフェニル)エタン、ヘキサブロモシクロ
デカン等が挙げられる。
【0010】さらに、ハロゲン含有化合物として、例え
ばモノブロモフェノール、トリブロモフェノール、ペン
タブロモフェノール、トリブロモクレゾール、ジブロモ
プロピルフェノール、テトラブロモビスフェノールS、
塩化シアヌル等の重合により、あるいはこれらと上記ハ
ロゲン化物の群から選ばれる1種以上のハロゲン化合物
との共重合により得られるオリゴマー型ハロゲン化合物
が挙げられる。
【0011】さらに、ハロゲン含有化合物として、テト
ラブロモビスフェノールAのポリカーボネイトオリゴマ
ー、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールA
のポリカーボネイトオリゴマー、テトラブロモビスフェ
ノールSのポリカーボネイトオリゴマー、テトラブロモ
ビスフェノールSとビスフェノールSとのポリカーボネ
イトオリゴマー等が挙げられる。
【0012】さらに、ハロゲン含有化合物として下記一
般式(化1)で表されるハロゲン化エポキシオリゴマー
が挙げられる。
【0013】
【化1】
【0014】さらに、ハロゲン含有化合物として、塩素
化パラフィン、塩素化ポリエチレン、臭素化ポリスチレ
ン、エチレンビステトラブロモフタルイミドが挙げられ
る。特に、本発明の粒状難燃剤は、融点が50℃以上、
300℃以下である難燃剤を用いることが好ましい。難
燃剤の融点が50℃以下では造粒が困難であったり、得
られた造粒物が融着することなどがある。
【0015】一方、難燃剤の融点が300℃以上では、
本発明の粒状難燃剤を用いて得られたポリマー成形品に
おいて難燃剤の分散状態が不良であるために成形体の表
面外観や力学的強度を損なう場合がある。本発明で使用
される難燃剤は、その融点が難燃ポリマー製品の成形加
工温度以下であることが望ましく、融点の範囲は使用す
るポリマーにも依存するが、好ましくは70℃〜250
℃、さらに好ましくは100℃〜230℃てある。
【0016】また、本発明では難燃剤に必要に応じて難
燃助剤を併用することができる。難燃助剤としては、酸
化鉄、ホウ砂、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、酸化
ジルコニウム、酸化モリブデンのほか、三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン
酸ナトリウム、リン酸アンチモンなどのアンチモン化合
物が挙げられ、これらは1種または2種以上で使用する
ことができる。
【0017】これらの難燃助剤のうち、好ましくは三酸
化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムである。これら
の難燃助剤を併用すると、一段と優れた難燃性が得られ
る。なお、難燃助剤の使用量は、難燃剤100重量部に
対して、好ましくは、通常、5〜40重量部である。さ
らに好ましくは、10〜30重量部である。
【0018】また、本発明の粒状難燃剤は、必要に応じ
て各種の添加剤が添加されていてもよい。この添加剤と
しては、難燃剤分散剤、例えば、金属せっけん等の界面
活性剤、各種のワックス、鉱油など;滑剤、例えばパラ
フィンワックス、ステアリン酸、n−ブチルステアレー
ト、ケトンワックス、オクチルアルコール、ポリシロキ
サン、エチレンビスステアロアミド;酸化防止剤、例え
ば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2
−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフ
ェノール、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−t
−ブチルフェノール)、トリス(ジノニルフェニル)ホ
スフェート;紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−
m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、;帯電
防止剤、例えばステアロアミドプロピルジメチル−β−
ヒドロキシエチル、アンモニウムトレート;安定剤、例
えばホスファイト類、エポキシ化合物、有機スズ化合
物、など;着色剤、例えば酸化チタン、カーボンブラッ
ク;顔料などを挙げることができる。また、公知の可塑
剤などが配合されていてもよい。
【0019】特に、本発明の粒状難燃剤に鉱油、可塑
剤、植物油などの油状物質が配合されていると、造粒を
行う工程で、これらが難燃剤粉体の可塑剤あるいはバイ
ンダーとして機能することにより造粒が安定して行える
場合が多く好都合である。ここで鉱油とは、高沸点の石
油留分であり、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等
に区分されている鉱油が含まれる。
【0020】また、可塑剤とは、フタル酸、イソフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカン−2−酸、マレイン酸、フマ
ル酸、トリメリット酸、クエン酸、イタコン酸、オレイ
ン酸、リシノール酸、ステアリン酸、グルタル酸、スル
ホン酸、リン酸等のエステル誘導体をはじめ、グリコー
ル誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体、エポ
キシ誘導体、さらに可塑剤として使用されるポリエステ
ル、ポリエーテル、ポリ−α−メチルスチレン、低分子
量ポリスチレン、ポリクロロピレン等の重合型可塑剤が
含まれる。
【0021】さらに、植物油とは、ひまし油、綿実油、
あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花
生油、木ろう、ロジン、パインオイル、ファクチス等が
含まれる。さらに、本発明の粒状難燃剤に上記の油状物
質が配合されていると、成形体の加工が容易になるとと
もに、難燃剤の分散性を著しく向上させることができる
ので好都合である。すなわち、本発明の粒状難燃剤に油
状物質が配合されることにより、300℃以上の高融点
の難燃剤についてもポリマー成形体中における分散性を
高めることができ、その使用が可能となる。
【0022】粒状難燃剤中における油状物質の好ましい
配合割合は、難燃剤100重量部に対し、好ましくは
0.1〜30重量部、さらに好ましくは、1〜20重量
部である。油状物質の配合割合が0.1重量部以下で
は、難燃剤の分散効果が充分に得られず、油状物質の配
合割合が30重量部を越えると、造粒物にべとつきが生
じる。
【0023】本発明の粒状難燃剤には、これらの添加剤
の他に、さらに粉体に可塑性を与えて造粒を円滑に行う
ために水が添加されていてもよい。水を添加する場合、
その配合量は、難燃剤100重量部に対し、好ましくは
0.1〜30重量部、さらに好ましくは、1〜10重量
部である。本発明の粒状難燃剤は、前記の難燃剤、更に
必要に応じて前記添加剤を加えて、予めミキシングを行
い、粉体造粒機を用いて平均粒径0.1〜10mmの粒
子として造粒されることが好ましい。
【0024】ここで、平均粒径とは、粒状難燃剤が球状
である場合はその直径の平均を表し、粒状難燃剤が円柱
状または角柱状のペレツト状である場合はペレツト長を
表し、粒状難燃剤がディスク状(ディスク面の最大径が
ディスクの厚みより大きいもの)の場合はディスク面の
最大径の平均を表し、また、不均一形状である場合は粒
子最大径の平均を表すものとする。
【0025】本発明の粒状難燃剤の原料となる難燃剤粉
体は、その平均粒径が0.3mm以下のものから選ばれ
るが、粒状難燃剤の平均粒径が0.1〜10mmの場合
は、原料である難燃剤粉体の平均粒径が0.1〜10μ
mであることが望ましく、また、粒状難燃剤の平均粒径
が1〜10mmである場合は、原料である難燃剤粉体の
平均粒径が0.1〜300μmであることが望ましい。
【0026】本発明の粒状難燃剤の大きさは、ポリマー
パウダーあるいはポリマーペレットと同等であることが
粒状難燃剤の分級を防ぐことができ、その結果均一な組
成のポリマー成形体を得ることができるので好ましい。
さらに、粒状難燃剤の硬さは、造粒物の貯蔵、供給、輸
送、包装、ポリマーとの混合、成形体中における難燃剤
の分散性を考慮すると、圧縮型強度試験機を用いて測定
される圧縮破壊荷重(平面圧子を使用)が1Kgf以
上、25Kgf以下の範囲にあることが好ましい。さら
に、好ましい、造粒物の圧縮破壊荷重は2Kgf以上、
10Kgf以下の範囲にある。
【0027】圧縮破壊荷重が1Kgf以下では、粒状難
燃剤の貯蔵、供給、輸送、包装、並びにポリマーとの混
合の際に粒状難燃剤が破壊され易い。粒状難燃剤が破壊
されと、難燃剤とポリマーとの組成比を一定に保つこと
が困難であり、難燃ポリマー成形体の製品むらが発生す
る。圧縮破壊荷重が25Kgf以上では、難燃ポリマー
成形体における難燃剤の分散性が不良となる。
【0028】本発明の粒状難燃剤が製造される方法とし
ては、回転パン、回転ドラム、回転頭切円錐等を使用す
る転動造粒法、流動層、変形流動層、噴流層等を使用す
る流動層造粒法、パグミル、ヘンシェル、アイリッヒ等
を使用する撹拌造粒法、回転刃、回転バー等を使用する
解砕造粒法、圧縮ロール、ブリケッティングロール、打
錠機等を使用する圧縮造粒法、スクリュー、回転多孔ダ
イス、回転ブレード等を使用する押出造粒法等が適用で
きる。
【0029】これらの造粒法のうち、上記の押出造粒法
は、つぎのような五つの特徴を有しているので、本発明
の粒状難燃剤が製造される方法として好適である。 すなわち、(1)ダイ、スクリーンの一定の孔径より押し
出すため造粒径が同じ太さであり、かつ、長さもほぼ同
じに揃えられ、外観が良い。 (2)希望する粒度分布の顆粒が収率良くうることがで
きる。 (3)顆粒硬度も練り込み式のために硬い。 (4)造粒径は、スクリーン、ダイの孔径により用意に
変更ができ、かつ、0.3〜30mmと広い範囲の粒径
の顆粒が得られる。 (5)後工程の機器との組み合わせにより、円柱、角
柱、球形、不定形と多彩な形状の顆粒形状が得られる、
等の特徴を有している。
【0030】この押出造粒法は、原料の難燃剤が液状物
質の含有量が20〜50重量%の湿潤状態であるか、液
状物質の含有量が0.1〜20重量%の半乾燥状態であ
るかによって適切な加工機が選択されることが好まし
い。難燃剤の原料粉体が湿潤状態で有る場合は、スクリ
ュー型押出造粒機が適用され、半乾燥状態である場合
は、ロール型造粒機、オシレーティング型造粒機、ギア
型造粒機から選ばれる造粒機は、造粒の安定性、歩留り
が高く、また乾燥工程が省略できるので、本発明の粒状
難燃剤の造粒機として特に好ましい。
【0031】造粒後の粒状難燃剤は、後工程の機器との
組み合わせにより、形状や大きさを揃えたり、あるい
は、バインダーとして使用された水、その他の液状物質
を乾燥させて除去することもできる。なお、本発明の粒
状難燃剤を配合して難燃性を与えるポリマーとして、樹
脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレンのごときポリオレフィン樹脂、ポリスチレ
ン、ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂、ABS樹
脂、AAS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂のごときスチ
レン系樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ナイロン6、ナイ
ロン6,6のごときポリアミド樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートのごときポリ
エステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、含フッ素
樹脂、含珪素樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラ
ミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂等が挙げられ、また、ゴムとしては、天
然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム(SB
R)、合成天然ゴム(IR)、ブタジエンゴム(B
R)、クロロピレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NB
R)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム
(EPMおよびEPDM)、ウレタンゴム、シリコーン
ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等のほ
か、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水添スチ
レン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・イソプ
レンブロック共重合体、水添スチレン・イソプレンブロ
ック共重合体等の各種の熱可塑性エラストマーが挙げら
れる。
【0032】また、本発明で使用されるポリマーとして
は、2種以上のポリマーからなるポリマーアロイも使用
することができる。本発明の粒状難燃剤を用いて難燃ポ
リマーを得るための配合比は、用いる難燃剤やポリマ
ー、ゴムの種類によって異なるが、通常、ポリマー95
〜50重量部に対して、粒状難燃剤5〜50重量部であ
ることが好ましく、より好ましくは、ポリマー90〜6
0重量部に対して、粒状難燃剤10〜40重量部であ
る。
【0033】本発明の粒状難燃剤は、添加量が5重量部
以下であると、目的とする難燃効果が得られず、一方、
添加量が50重量部を超えると、難燃剤の分散が良好で
なく、また得られる難燃ポリマーの機械的物性が大きく
損なわれる。本発明の粒状難燃剤は、従来公知の任意の
成形加工方法に適用することができ、例えば、射出成
形、圧縮成形、押出し成形(シート成形、ブロー成形)
等により、各種形状の成形物に容易に成形することがで
き、極めて多種多様にわたる実用上有用な難燃ポリマー
製品を作ることができる。
【0034】本発明の粒状難燃剤を各種の成形加工機に
供給する方法としては、予めポリマーパウダー、あるい
はポリマーペレットと混合して一括して供給することも
可能である、粒状難燃剤とポリマーを別々のフィーダー
を用いて各種成形機に供給することも可能である。ま
た、粒状難燃剤を成形機の途中からサイドフィードする
方法も適用することができる。本発明の粒状難燃剤は、
輸送性、定量性に優れるので、このようにポリマーと粒
状難燃剤とを別途に供給しても、得られる製品の組成比
を均一にすることができる。
【0035】また、使用するポリマーの溶融軟化温度に
対して難燃剤の融点が極端に低い場合(概ね100℃以
上離れている場合)は、しばしば原材料のフィードスリ
ップが生じることもあるが、これを防ぐために、成形機
のスクリューの溝を深くする方法や、成形機のホッパー
直下を冷却する方法や、あるいはポリマーを可塑化した
後に、粒状難燃剤をサイドフィードする方法等を適用す
ることができる。
【0036】特に近年、高混練機能を持った可塑化スク
リュー、例えばハイメルタ(日本製鋼所(株)製、商品
名)、UBスクリュー(三菱重工業(株)製、商品
名)、DBスクリュー(東芝機械(株)製、商品名)S
Fスクリュー(住友重機械工業(株)製、商品名)、あ
るいは、ピン型、フィン型(ダルメージ等)の特殊ミキ
シングエレメント、さらにはミキシングノズル(東レ
(株)製)等の混練機能を有した各種の成形機が開発さ
れており、本発明の粒状難燃剤はこれらの高混練機能を
有する成形機を用いて成形加工を行うことにより、一層
優れた難燃ポリマー製品を得ることができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中の部は重量基準である。以下に示
す難燃剤成分を用いた。 (1)難燃剤成分FR−1 難燃剤;臭素化エポキシポリマー(大日本インキ化学
工業(株)製、商品名プラサームEC−14、mp.1
00℃、臭素含有量58%) 75部 難燃助剤;三酸化アンチモン粉末(同和工業(株)
製、商品名 アンチモニブルーニ100A) 18部 滑剤;ステアリン酸亜鉛(大日化学(株)製、商品名
ダイワックスZP)2部 分散剤;パラフィンオイル(エッソ石油(株)製、商
品名 クリストール352) 5部 (2)難燃剤成分FR−2 難燃剤;トリストリブロモネオペンチルホスフェート
(大八化学(株)製、商品名 CR900、mp.18
2℃) 15部 難燃剤;臭素化化合物(第一工業製薬(株)製、商品
名 ピロガードSR720、mp.105〜120℃)
63部 難燃助剤;三酸化アンチモン粉末(同和工業(株)
製、商品名 アンチモニブルーニ100A) 15部 滑剤;ステアリン酸マグネシウム(大日化学(株)
製、商品名 ダイワックスM) 2部 分散剤;パラフィンオイル(エッソ石油(株)製、商
品名 クリストール352) 5部 (3)難燃剤成分FR−3 難燃剤;ポリリン酸アンモニウム系難燃剤(ヘキスト
社製、商品名 ホスタフラム AP745) 95部 滑剤;ステアリン酸亜鉛(大日化学(株)製、商品名
ダイワックスZP)2部 分散剤;パラフィンオイル(エッソ石油(株)製、商
品名 クリストール352) 3部 (4)難燃剤成分FR−4 難燃剤;エチレンビステトラブロモフタルイミド(浅
野ケミカル(株)製、商品名 サイテックBT−93、
mp.446℃) 65部 難燃助剤;三酸化アンチモン粉末(同和工業(株)
製、商品名 アンチモニブルーニ100A) 25部 酸化防止剤;スミライザーGS(住友化学(株)製、
商品名) 0.5部 滑剤;ステアリン酸亜鉛(大日化学(株)製、商品名
ダイワックスZP)0.5部 分散剤;パラフィンオイル(エッソ石油(株)製、商
品名 クリストール352) 9部 なお、実施例の物性測定は以下の通りに行った。 (1)粒状難燃剤の圧縮破壊荷重 錠剤硬度計(岡田精工(株)製、商品名 TS−50
N)により平面圧子を使用して測定した。 (2)アイゾット衝撃強さ ポリマーペレットと粒状難燃剤の混合物を射出成形機
(日本製鋼(株)製、商品名 J50E−C3、L/D
=20、HPスクリュー付き)に直接供給し、シリンダ
ー設定温度230℃、金型温度60℃にて試験片を作製
し、測定方法はASTM D256に準じて評価した。 (3)引張強伸度 アイゾット衝撃強さ試験に用いた試験片の作成と同様の
条件で試験片を作成し、測定方法はASTM D638
に準じて評価した。 (4)難燃性 アンダー.ライト.ラボラトリー(UL)が定めるサブ
ジェクト94に準じ、1/8インチ厚さの試験片の難燃
性を評価した。 (5)表面外観性 100mm×100mm×2mmの平板プレートを射出
成形により作製し、表面外観を目視により評価した。
【0038】○;平滑な面を有し、光沢むら、フローマ
ークなどの不良が認められない。 ×;光沢むら、フローマークなどの不良現象がみられ
る。 (6)難燃剤の分散性 厚さ1mmの平板プレートを射出成形により作成し、難
燃剤の凝集物の有無を目視により評価した。
【0039】○;難燃剤の凝集物が観察されない。 ×;0.1mm以上の難燃剤の凝集物が観察される。
【0040】
【実施例1〜4】上記の難燃剤成分をヘンシェルミキサ
ーを用いて混合した後、ディスクペレッター(不二パウ
ダル(株)製、商品名)を用いて、造粒を行い、3mm
φ径の円柱状の粒状難燃剤を得た。得られた粒状難燃剤
と次に示すポリマーペレットとを表1に示す割合で混合
し、前記した射出成形機J50E−C3を用い、シリン
ダー設定温度230℃、金型温度60℃の条件により試
験片を作製し、各種物性評価を行った。
【0041】使用したポリマーペレット ハイインパクトポリスチレン(HIPS);旭化成工業
(株)製、商品名H8117 ポリスチレン(GPPS);旭化成工業(株)製、商品
名 GP685 スチレン・ブタジエンブロック共重合体(SBS);旭
化成工業(株)製、商品名 タフプレンA ブロックポリプロピレン(PP);旭化成工業(株)
製、商品名M8600結果を表1に示す。 表1から明らかなように、本発明の目的とする、優れた
難燃性と成形外観性とが得られ、さらに機械的強度及び
成形加工性に優れたポリマー組成物が得られている。
【0042】
【比較例1〜3】実施例1〜3で使用した難燃剤を造粒
を行わずにポリマーペレットと混合した以外は、実施例
1〜3と同様に、射出成形機を用いて試験片を調製し
た。この方法では、得られる成形体に含まれる難燃剤
とポリマーの組成比が一様でなく、射出成形機への原
料の供給を安定して行うことができず、原料の難燃剤
の供給時に粉塵が発生し作業環境が損われる、等の理由
により成形体を安定して製造することができなかった。
【0043】
【比較例4】実施例4で使用した難燃剤成分FR−4か
らパラフィンオイルを除外して、実施例1〜3と同様に
してディスクペレッターにより粒状難燃剤を製造した。
得られた粒状難燃剤と前記したポリマーペレットとを表
1に示す割合で混合し、前記した実施例1〜3と同様の
条件で射出成形機により試験片を作製し、各種物性評価
を行った。
【0044】得られた成形体は、難燃剤の凝集物が観察
される、難燃剤の分散性が劣悪なもので、成形外観も不
良現象がみられ、破断伸びが著しく低下したものであっ
た。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の粒状難燃剤は、配合、ミキシン
グ、溶融混練機械への原料供給、溶融混練、ペレタイジ
ング等の工程を必要とせず、単に、ポリマーパウダーま
たはポリマーペレットと混合して成形加工を行う簡単な
操作により、難燃ポリマーからなる成形体を安価に得る
ことができ、難燃ポリマーの製造コストを大幅に削減す
ることが可能となる。
【0047】また、本発明の粒状難燃剤は、形状安定性
に優れ、ポリマーに添加した場合、分散性に優れ、その
結果、優れた難燃性と成形外観性とが得られ、さらに機
械的強度及び成形加工性に優れた組成物を得ることが可
能であり、本発明の粒状難燃剤を用いて得られる成形体
は、家電製品、OA機器のハウジング、車両部品、雑貨
等の用途に使用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】ここで、平均粒径とは、粒状難燃剤が球状
である場合はその直径の平均を表し、粒状難燃剤が円柱
状または角柱状のペレット状である場合はペレット長
平均を表し、粒状難燃剤がディスク状(ディスク面の最
大径がディスクの厚みより大きいもの)の場合はディス
ク面の最大径の平均を表し、また、不均一形状である場
合は粒子最大径の平均を表すものとする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明の粒状難燃剤の大きさは、ポリマー
パウダーあるいはポリマーペレットと同等であることが
粒状難燃剤の分級を防ぐことができ、その結果均一な組
成のポリマー形成体を得ることができるので好ましい。
さらに、粒状難燃剤の硬さは、粒状物の貯蔵、供給、輸
送、包装、ポリマーとの混合、形成体中における難燃剤
の分散性を考慮すると、圧縮型強度試験機を用いて測定
される圧縮破壊荷重(平面圧子を使用)が1Kgf以
上、25Kgf以下の範囲にあることが好ましい。さら
に、好ましい、粒状難燃剤の圧縮破壊荷重は2Kgf以
上、10Kgf以下の範囲にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造粒されたことを特徴とする粒状難燃
    剤。
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