JP2023174772A - フィラー造粒物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィラー造粒物中のフィラーの高濃度化、フィラー造粒物の生産性、適用フィラーの汎用性、熱可塑性樹脂組成物中でのフィラーの分散性等に優れるフィラー造粒物を提供すること。【解決手段】本発明のフィラー造粒物の製造方法は、ポリマー液と、フィラーと、分散剤とを混合する混合工程と、混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む、フィラー造粒物の製造方法であって、フィラー造粒物が、ポリマーと、フィラーと、分散剤とを含み、分散剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、フィラーの含有割合が、ポリマーとフィラーの合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。【選択図】なし

Description

本発明は、フィラー造粒物の製造方法に関する。
近年、熱可塑性樹脂組成物には、高機能、高性能化が求められており、そのために、フィラーを混合して提供されることが多い。フィラーを含む熱可塑性樹脂組成物(以下、「フィラー含有樹脂組成物」とも称す)は、通常、フィラーと熱可塑性樹脂とを溶融混練して製造されるが、近年、所定濃度の(例えば50~80重量%でフィラーを含有する)フィラー造粒物を使用することが提案されている(例えば、特許文献1~4)。フィラー含有樹脂組成物の製造において、フィラー造粒物を用いることにより、コスト、安全衛生、作業環境、材料管理等の観点からの有利性が期待される。しかしながら、フィラー造粒物は、フィラーの高濃度化、フィラー造粒物の生産性、適用フィラーの汎用性、熱可塑性樹脂組成物中でのフィラーの分散性等は、いまだ十分ではなく、これら特性の向上が求められている。
特開2018-70856号公報 国際公開第2017/147465号 特許第6482755号 特開2014-101423号公報
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、フィラー造粒物中のフィラーの高濃度化、フィラー造粒物の生産性、適用フィラーの汎用性、熱可塑性樹脂組成物中でのフィラーの分散性等に優れるフィラー造粒物を提供することにある。
本発明のフィラー造粒物は、ポリマーと、フィラーと、分散剤とを含み、該分散剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、該フィラーの含有割合が、該ポリマーと該フィラーの合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。
1つの実施形態においては、上記フィラーの含有割合が、上記ポリマーと上記フィラーの合計量100重量部に対して、90重量部~99.9重量部である。
1つの実施形態においては、上記分散剤の含有割合が、上記ポリマーと上記フィラーの合計量100重量部に対して、0.1重量部~15重量部である。
1つの実施形態においては、上記分散剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
1つの実施形態においては、上記ポリマーが、ポリオレフィン系樹脂である。
本発明の別の局面によれば、フィラー造粒物の製造方法が提供される。このフィラー造粒物の製造方法は、ポリマー液と、フィラーと、分散剤とを混合する混合工程と、該混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、該造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む。
1つの実施形態においては、上記造粒工程において、半湿式造粒法により造粒することを含む。
1つの実施形態においては、上記造粒工程において、ディスクペレッター方式により造粒を行うことを含む。
本発明によれば、フィラー造粒物中のフィラーの高濃度化、フィラー造粒物の生産性、適用フィラーの汎用性、熱可塑性樹脂組成物中でのフィラーの分散性等に優れるフィラー造粒物を提供することができる。
A.フィラー造粒物の概要
本発明のフィラー造粒物は、ポリマーと、フィラーと、分散剤とを含む。分散剤は、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である。上記フィラーの含有割合は、ポリマーおよびフィラーの合計量100重量部に対して、好ましくは80重量部~99.9重量部である。
本発明のフィラー造粒物は、フィラー含有樹脂組成物の製造で使用され、樹脂組成物の溶融混練時に添加して用いられ得る。
1つの実施形態においては、上記フィラー造粒物は、上記ポリマーを含むポリマー液(ポリマー溶液またはポリマー分散液)と、上記フィラーと、上記分散剤とを含む混合物を任意の適切な方法により加工して、得ることができる。
本発明においては、上記分散剤を添加してフィラー造粒物を製造することにより、当該フィラー造粒物に、高濃度(80重量%以上)にフィラーを添加することができ、それのみならず、本発明のフィラー造粒物は、多量のフィラーを含みながらも優れた生産効率で製造され得、かつ、品質安定性(形状安定性、ペレット硬度の均一性、低微粉混入)に優れる。また、上記フィラー造粒物を用いて上記フィラー含有樹脂組成物を調製すれば、当該樹脂組成物の生産性向上を図ることができる。具体的には、上記フィラー造粒物は、押出機等の装置への投入安定性に著しく優れるため、当該フィラー造粒物を用いれば、フィラー含有樹脂組成物の生産性(時間当たりのコンパウンド加工速度)を飛躍的に向上させることができる。また、粉塵による作業環境汚染を著しく改善し、作業者の労働安全衛生環境を向上させることができ、さらに、設備の切り替え清掃の時間を大幅に短縮できる。更に、本発明のフィラー造粒物は高濃度にフィラーを含有するにも拘わらず、本フィラー造粒物を使用して得られたフィラー含有樹脂組成物では、優れたフィラー分散性を有する。また、本発明のフィラー造粒物は、成形加工性(高流動性)を高める効果を有するため、高濃度にフィラーを含みながらも、押出機の負荷を低減させることができ、樹脂の過剰発熱を抑制して、樹脂の熱劣化を抑えた溶融混練が可能となり、得られたフィラー含有樹脂組成物についても優れた機械的性能と成形加工性が付与されうる。このような効果を奏する本発明のフィラー造粒物を用いれば、フィラー含有樹脂組成物製造の低コスト化のみならず、高性能化を図ることができる。
1つの実施形態においては、上記フィラー造粒物は、半湿式造粒法により製造される。半湿式造粒法によれば、上記効果が顕著となる。
上記フィラー造粒物は、任意の適切な形状であり得る。代表的には、上記フィラー造粒物は円筒状(ペレット状)である。
上記フィラー造粒物が円筒状である場合、上記フィラー造粒物の直径は、例えば、2mm~5mmである。また、フィラー造粒物の長さ(高さ)は、例えば、1mm~5mmである。このような形状であれば、樹脂(特に熱可塑性樹脂)に好ましく組み合わせて用いられる得るフィラー造粒物を得ることができる。フィラー造粒物の直径は、造粒の際のディスクプレートのダイス孔の径により調整でき、長さはディスクプレートとカッター間の距離で調整できる。フィラー造粒物を、組み合わせて用いられる樹脂(特に熱可塑性樹脂)のペレットサイズに合わせることにより、ハンドリング性が向上し、また、溶融コンパウンドにおけるフィラーの分散性が良くなる。
上記フィラー造粒物の木屋式硬度計における破壊応力は、好ましくは0.05kg~10kgであり、より好ましくは0.5kg~7kgであり、さらに好ましくは1.0kg~5kgである。このような範囲であれば、ハンドリング性とフィラー分散性に優れる。ここで、破壊応力とは、20粒以上について測定した平均の崩壊応力を示す。
上記フィラー造粒物の水分量は、任意の適切な水分量とされ得る。上記フィラー造粒物の水分量は、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下であり、さらに好ましくは3重量%以下であり、特に好ましくは1重量%以下であり、最も好ましくは0.5重量%以下である。
上記フィラー造粒物の嵩密度は、フィラーの種類に応じて、任意の適切なかさ密度とされ得る。フィラーが、ミネラル(天然鉱物)の場合、上記フィラー造粒物のかさ密度は、好ましくは0.5g/cm~2.0g/cmである。嵩密度を上げることで、樹脂(特に熱可塑性樹脂)との溶融混練を行う際に、フィラー造粒物の供給速度と供給安定性が高まる。
A-1.ポリマー
上記フィラー造粒物は、ポリマーをバインダーとして造粒されている。
上記ポリマーとしては、任意の適切なポリマーを用いることができる。ポリマーの具体例としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリオレフィン系エラストマー(POE)、ポリオレフィンベースのイオノマーを含む機能性ポリオレフィンコポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンコポリマー(例えば、エチレン-ブテン、エチレン-オクテン、エチレンビニルアルコール等)、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー(例えば、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー(例えば、SIS、SEBS、SEPS、SBS)等が挙げられる。こられのポリマーは、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1つの実施形態においては、上記ポリマーとして、ポリオレフィン系樹脂が用いられる。ポリオレフィン系樹脂を用いれば、多量のフィラーを分散性よく含むフィラー造粒物を得ることができる。ポリオレフィンは、通常、その融点が50~150℃の範囲であり、半湿式造粒法において、造粒の際のダイス孔を通過する際のせん断発熱で、溶融あるいは半溶融状態となることにより、フィラー粒子にポリマーが浸透し、フィラー造粒物の結着性を高めることができるので、特に好ましい。
上記ポリマーとして、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、三井化学社製のケミパール(登録商標)、ダウ・ケミカルカンパニーのHYPOD(登録商標)、ビックケミー・ジャパン社製のAQUACER(登録商標)、住友精化社製のザイクセン(登録商標)、マイケルマン・ジャパン社製のMichem(登録商標)等を挙げることができる。他の好ましい例として、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH;クラレ社製のエバール(登録商標))、ブテンジオール-ビニルアルコールコポリマー(BVOH;三菱ケミカル社製のニチゴーGポリマー(登録商標))が挙げられる。他の好ましい例として、イーストマンケミカル社製のイーストマンAQ(登録商標)で販売されている水性スルホポリエステル分散液、Ascend Performanceから販売されている、水で希釈されて水性ポリマー分散液を形成する、ヘキサン-1、6-ジアミンおよびアジピン酸の塩(AH塩)が挙げられる。
上記フィラー造粒物中のポリマーの含有割合は、フィラーのサイズ、形状、吸水性、吸油性、かさ比重等に応じて、任意の適切な割合とされ得る。上記フィラー造粒物中のポリマーの含有割合は、ポリマーおよびフィラーの合計量100重量部に対して、好ましくは0.1重量部~20重量部であり、好ましくは0.5重量部~18重量部であり、より好ましくは1重量部~18重量部であり、さらに好ましくは3重量部~15重量部である。このような範囲であれば、バインダーとしての結着力が好ましく発揮され、かつ、フィラーの分散性に優れるフィラー造粒物を得ることができる。
上記の通り、上記フィラー造粒物は、上記ポリマーを含むポリマー液(ポリマー溶液またはポリマー分散液)と、上記フィラーと、上記分散剤とを含む混合物から得られ得る。液体ポリマー分散液を用いれば、フィラー造粒物を造粒する際の混合物の粘度を低下させることができるため、容易に造粒することが可能となる。さらに、ポリマー液はフィラー表面を効率的に、かつ均一にコーティングできるために、粉落ちが少なく、崩壊硬度が大きく、嵩比重が大きなフィラー造粒物を得ることができる。さらに、熱可塑性樹脂に配合した場合に、フィラーの分散性を大きく向上させることができる。ポリマー液の詳細は後述する。
A-2.フィラー
上記のとおり、上記フィラーの含有割合は、ポリマーおよびフィラーの合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である。上記フィラーの含有割合は、ポリマーおよびフィラーの合計量100重量部に対して、好ましくは82重量部~99重量部であり、より好ましくは85重量部~98重量部であり、さらに好ましくは87重量部~97重量部であり、さらに好ましくは90重量部~96重量部である。1つの実施形態においては、上記フィラーの含有割合は、フィラー造粒物100重量部に対して、90重量部~99.9重量部である。
上記フィラー造粒物中のフィラーの体積含有割合は、好ましくは40体積%~95体積%であり、より好ましくは50体積%~90体積%、さらに好ましくは60体積%~85体積%である。
上記フィラーとしては、フィラー含有樹脂組成物および/または当該フィラー含有樹脂組成物から得られる成形体に要求される特性に応じて、任意の適切なフィラーを用いることができる。
上記フィラーによって付与できる特性・効果としては、例えば、増量化または軽量化、補強(高剛性化、高弾性率化、高強度化)、寸法安定性、成形サイクル(結晶化速度)、結晶化度、熱伝導性、導電性、磁性、圧電性、制振性、遮音性、摺動性、断熱性、電磁波吸収性、光反射性、光散乱性、熱線輻射性、難燃性、放射線防護、紫外線防護、脱湿、脱水、脱臭、ガス吸収、ガスバリア、アンチブロッキング、吸油、抗菌性、生分解促進性、バイオ度向上(天然物由来成分量の比率向上)等が挙げられる。
例えば、増量の目的では、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレーが好適である。補強の目的では、ワラストナイト、チタン酸カリウム、ゾノトライト、石膏繊維、アルミボレート、繊維状マグネシウム化合物(MOS)、アラミド繊維、各種ファイバー系、カーボンファイバー(炭素繊維)、グラスファイバー(ガラス繊維)、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ポリオキシベンゾイルウイスカー等が好適である。抗菌付与の目的では、カテキン、銀イオン担持ゼオライト、銅フタロシアニン、等が好適である。ガスバリア性付与の目的では、合成マイカ系、クレー・合成マイカのナノフィラー、等が好適である。軽量化の目的では、シリカバルーン、ガラスバルーン、セノスフィア、パーライト、シラスバルーン、等のバルーン系が好適である。導電性付与の目的では、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、金属粉、金属繊維、金属箔、が好適である。磁性付与の目的では、各種磁性材料、各種フェライト系、磁性酸化鉄、サマコバ(Sm-Co)、Nd-Fe-B、等が好適である。熱伝導性付与の目的では、アルミナ、AlN、BN、BeO、等が好適である。圧電性付与の目的では、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、等が好適である。制振性付与の目的では、マイカ、黒鉛、チタン酸カリウム、ゾノトライト、炭素繊維、フェライト、等が好適である。遮音性付与の目的では、鉄粉、鉛粉、硫酸バリウム、等が好適である。摺動性付与の目的では、黒鉛、六方晶BN、硫化モリブデン、テフロン(登録商標)粉、タルク、高分子量ポリエチレン、等が好適である。電磁波吸収付与の目的では、電磁波吸収フェライト、黒鉛、木炭粉、カーボンマイクロコイル(CMC)、カーボンナノチューブ(CNT)、PZT、等が好適である。光反射、光散乱付与の目的では、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、アルミ粉、マイカ、等が好適である。熱線輻射付与の目的では、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、MOS、アルミナ、木炭粉末、等が好適である。難燃化の目的では、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、赤燐、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、ドーソナイト、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、等が好適である。放射線防護の目的では、鉛粉、硫酸バリウム、等が好適である。「紫外線防護」の目的では、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、等が好適である。脱湿、脱水の目的では、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、等が好適である。脱臭、ガス吸収の目的では、ゼオライト、活性白土、等が好適である。アンチブロッキング(フィルムの圧着防止)の目的では、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、球状微粒子(シリコーンやアクリルビーズ)、等が好適である。吸油(印刷インク吸収、速乾性等)の目的では、毬藻状炭酸カルシウム、毬藻状ゾノトライト、等が好適である。吸水の目的では、吸水用の高分子ゲル、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、等が好適である。バイオ度向上の目的には、セルロース系材料(木粉、木繊維、おがくず、木屑、新聞用紙、紙、亜麻、麻、麦わら、もみ殻、ケナフ、ジュート、サイザル、ピーナッツの殻、大豆の外皮、等)、でんぷん、天然ゴム、等が好適である。
上記フィラーのサイズは、任意の適切なサイズとすることができる。フィラーの粒子径は、例えば、10nm~100μmである。
ポリマーとフィラーとの配合比は、任意の適切な配合比とすることができる。一般に、フィラーの粒子径が小さくなるほどポリマーの配合比を高めることが好ましく、フィラーの形状対称性が低くなる(例えば、鱗片状、針状となる)ほどポリマーの配合比を高めることが好ましく、また、フィラー粒子径分布がブロードになるほどポリマーの配合比を高めることが好ましい。これらは、フィラー表面をポリマーで好ましく被覆することが可能となるためである。また、ポリマーとフィラーの混合において、フィラー粒子が崩壊しない範囲で強い機械的応力を与え、かつ、長時間かけて分配混合させることで、混合物の均一性を高めることにより、造粒特性が向上する。
A-3.分散剤
上記のとおり、分散剤は、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である。なかでも、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が、特に好ましく使用される。
上記分散剤は、疎水基と親水基とから構成される化合物である。親水性/疎水性バランスは、分散剤となる化合物のエステル化度や脂肪酸の種類(水酸基の有無、飽和又は不飽和脂肪酸、アルキル鎖長)、重合度を調整することにより、制御することができる。親水性/疎水性バランスは、上記フィラーの種類、フィラー造粒物に組み合わされる樹脂の種類等に応じて、任意の適切なバランスとされ得る。
上記多価アルコール脂肪酸エステルとは、多価アルコールと脂肪酸とから構成されるエステル化合物である。上記多価アルコール脂肪酸エステルは、上記多価アルコールと脂肪酸をエステル化反応させることで得られ得る。
上記多価アルコールは、例えば、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルカンポリオール;該アルカンポリオールの重合体であるポリアルカンポリオール;ショ糖などの糖類;ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールに代表される糖誘導体等が挙げられる。これらのアルコールは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記脂肪酸としては、任意の適切な脂肪酸が用いられ得る。1つの実施形態においては、炭素数が8以上(好ましくは炭素数8~24、より好ましくは炭素数10~22)の脂肪酸が用いられる。脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ガドレイ酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、べヘン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、リグノセリン酸、イソステアリン酸、リシノレイン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、9-ヒドロキシステアリン酸、10-ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12-ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪酸)等が挙げられる。なかでも好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸である。脂肪酸は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記脂肪酸アマイドとは、脂肪酸とアンモニアあるいは 1級、2級アミンとが脱水縮合した構造を持つ化合物である。上記脂肪酸アマイドは、特に限定されないが、具体的には、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸モノアミド類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド等の不飽和脂肪酸モノアミド類、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルオレイン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等の置換アミド類、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミド類、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド等の不飽和脂肪族ビスアミド類、m-キシリレンビスステアリン酸アミド等の芳香族系ビスアミド類等を挙げることができる。これら脂肪酸アマイドは、単独で使用しても2種類以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、融解温度が約70℃~120℃の範囲であるものが特に好ましい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、ポリグリセリンと脂肪酸とから構成されるエステル化合物である。
上記ポリグリセリンとしては、任意の適切なポリグリセリンが用いられ得る。上記ポリグリセリンの具体例としては、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリン、エイコサグリセリン、テトラコンタグリセリン等が挙げられる。なかでも好ましくは、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタグリセリンまたはデカグリセリンである。ポリグリセリンは1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記脂肪酸としては、任意の適切な脂肪酸が用いられ得る。1つの実施形態においては、炭素数が8以上(好ましくは8~24、より好ましくは10~22)の脂肪酸が用いられる。脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ガドレイ酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、べヘン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、リグノセリン酸、イソステアリン酸、リシノレイン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、9-ヒドロキシステアリン酸、10-ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12-ヒドロキシステアリン酸の他に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪酸)等が挙げられる。なかでも好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸である。脂肪酸は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、ジグリセリンパルミチン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸エステル化率は、好ましくは35%以上であり、より好ましくは50%~70%である。このような範囲であれば、製造安定性に優れるフィラー造粒物を得ることができる。また、当該フィラー造粒物は、樹脂(特に、熱可塑性樹脂)に対する分散性に優れる。エステル化率(%)は、エステル化率(%)=(構成脂肪酸のmol数/ポリグリセリンの水酸基の数)×100の式で表される。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、任意の適切な方法により得ることができる。例えば、ポリグリセリンと脂肪酸とを、触媒(例えば、リン酸、p-トルエンスルホン酸、苛性ソーダ)の存在下または無触媒で、100℃~300℃(好ましくは120℃~260℃)で、生成水を系外除去しながら、反応させることにより得ることができる。上記反応は不活性ガスの存在下で行うのが好ましい。また、トルエン、キシレン等の共沸溶剤中で行っても良い。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸は、ヒドロキシ脂肪酸を脱水縮合して得ることができる。縮合ヒドロキシ脂肪酸は、例えば、ヒドロキシ脂肪酸に苛性ソーダ等のアルカリ触媒を添加し、加熱下で反応水を除去することにより脱水縮合して、得ることができる。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸は、ヒドロキシ脂肪酸の縮合体であり、その縮合度は、好ましくは2以上であり、より好ましくは4以上である。縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度の上限は、例えば、20である。なお、縮合度とは、原料ヒドロキシ脂肪酸の酸価と縮合反応後の酸価とから計算して求めることができる。
上記ヒドロキシ脂肪酸は、分子内に1個以上の水酸基を有する脂肪酸である。ヒドロキシ脂肪酸の具体例としては、例えば、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸、サビニン酸、2-ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2-ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2-ヒドロキシオクタデカン酸、18-ヒドロキシオクタデカン酸、9,10-ジヒドロキシオクタデカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロン酸等が挙げられる。ヒドロキシ脂肪酸は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルは、上記縮合ヒドロキシ脂肪酸とアルコールとをエステル化反応させることで得られ得る。縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルは、例えば、上記縮合ヒドロキシ脂肪酸とアルコールとを混合し、得られた混合物に苛性ソーダ等のアルカリ触媒または燐酸等の酸触媒を添加し、加熱下で反応水を除去することにより、得ることができる。この反応中のエステル化の進行度は酸価、ケン化価、水酸基価等を測定することで確認することができる。ここで用いられる縮合ヒドロキシ脂肪酸においても、その縮合度は、上記のとおり、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。
上記アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコールなどの二価アルコール等が挙げられる。また、上記アルコールとして、多価アルコールを用いてもよい。多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルカンポリオール;該アルカンポリオールの重合体であるポリアルカンポリオール;ショ糖などの糖類;ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールに代表される糖誘導体等が挙げられる。これらのアルコールは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸およびそのアルコールエステルの具体例としては、例えば、リシノレイン酸を脱水縮合した縮合リシノレイン酸、12ヒドロキシステアリン酸を脱水縮合した縮合12ヒドロキシステアリン酸、縮合リシノレイン酸とグリセリン6重合体のヘキサグリセリンのエステルである縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリンエステル、縮合リシノレイン酸とグリセリン4重合体のテトラグリセリンのエステルである縮合リシノレイン酸テトラグリセリンエステル、縮合12ヒドロキシステアリン酸とプロピレングリコールのエステルである縮合12ヒドロキシステアリン酸プロピレングリコールエステル、縮合リシノレイン酸とプロピレングリコールとのエステルである縮合リノレイン酸プロピレングリコールエステルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルは、市販品を用いてもよい。市販品の例としては、太陽化学社製の「チラバゾールP-4」、「チラバゾールVR-01」、「チラバゾールVR-08」(ポリグリセリン脂肪酸エステル)、「チラバゾールH-818」(縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステル)、等が挙げられる。
上記分散剤の重量平均分子量は、好ましくは800以上であり、より好ましくは800~4000である。このような範囲であれば、造粒性、熱安定性および分散性に優れるフィラー造粒物を得ることができる。なお、重量平均分子量は、極限粘度法により測定することができる。
上記分散剤の含有割合は、上記ポリマーと上記フィラーの合計量100重量部に対して、好ましくは0.1重量部~15重量部であり、より好ましくは1重量部~10重量部であり、さらに好ましくは1重量部~5重量部である。このような範囲であれば、生産性および分散性に優れるフィラー造粒物を得ることができる。
A-4.その他の成分
上記フィラー造粒物は、必要に応じて、任意の適切なその他の成分(添加剤)さらに含み得る。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、衝撃改質剤、抗菌剤、相溶化剤、可塑剤、粘着付与剤、加工助剤、潤滑剤、カップリング剤、難燃剤、脱酸素剤、着色剤等が挙げられる。添加剤は、液体、粉体、ペレット、顆粒の形態、またはマスターバッチ等の形態で、フィラー造粒時、あるいは樹脂コンパウンドの工程で配合することができる。1つの実施形態においては、上記添加剤は、ポリマー液にブレンドし、半湿式造粒機で造粒処理してフィラー造粒物に配合することができる。
B.フィラー造粒物の製造方法
上記フィラー造粒物は、任意の適切な方法により、製造することができる。上記フィラー造粒物は、例えば、上記ポリマーを含むポリマー液と、上記フィラーと、上記分散剤とを含む混合物を、半湿式造粒法に供することにより得ることができる。
1つの実施形態においては、上記フィラー造粒物の製造方法は、上記ポリマーを含むポリマー液と、上記フィラーと、上記分散剤とを混合する混合工程と、混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む。
上記ポリマー液は、水性溶媒および/または非水性溶媒を含み得る。非水性溶媒は、有機溶剤、鉱油、またはその他の炭化水素系油、シリコーン系油等であり得る。ポリマー分液は、水とアルコール等有機溶剤とを含んでいてもよい。また、上記ポリマー液は、油中―水エマルジョン、または水中―油エマルジョンであってもよい。
上記ポリマー液は、好ましくはポリマー分散液であり、より好ましくは水性ポリオレフィン分散液である。
上記ポリマー液のポリマー含有割合は、ポリマー液100重量部に対して、好ましくは1重量部~70重量部であり、より好ましくは3重量部~60重量部であり、さらに好ましくは5重量部~50重量部である。1つの実施形態においては、上記ポリマー液の固形分濃度が、好ましくは1重量%~70重量%であり、より好ましくは3重量%~60重量%であり、さらに好ましくは5重量%~50重量%である。ポリマー液中のポリマー量を上記範囲とすることにより、ポリマーがバインダーとして十分な粘着力を発揮し、安定して造粒物を製造することができ、かつ、フィラーの均一性に優れるフィラー造粒物を得ることができる。
上記ポリマー液の混合割合は、ポリマー液およびフィラーの合計量100重量部に対して、好ましくは1重量部~70重量部であり、より好ましくは5重量部~50重量部であり、さらに好ましくは10重量部~30重量部である。
上記ポリマー液が、水性ポリオレフィン分散液である場合、ポリマー液の水性ポリオレフィンの平均粒径は、好ましくは0.1μm~100μmであり、より好ましくは0.5μm~50μmであり、さらに好ましくは1μm~25μmである。このような範囲であれば、ポリマーがフィラー粉体の表面を広範囲で均一に覆うことができ、バインダーとして十分な粘着力を発揮し、安定して造粒物を製造することができ、かつ、フィラーの均一性に優れるフィラー造粒物を得ることができる。本明細書において、平均粒径は、コールターカウント法により測定される重量平均粒径を意味する。
上記ポリマー液は、任意の適切な添加剤をさらに含み得る。1つの実施形態においては、上記ポリマー液は、界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等)および/または塩基性物質を含む。これらの添加剤を含んでいれば、ポリマー液中のポリマーの分散性を向上させることができる。一方、フィラー造粒物を樹脂組成物に適用した際には、界面活性剤または塩基性物質により、樹脂の劣化分解が生じるおそれがある。樹脂劣化防止の観点からは、界面活性剤および塩基性物質の添加量を抑制することが好ましい。このような観点から、三井化学社製のケミパール(登録商標)はソープフリーであり、好ましく使用することができる。ポリマー液(例えば、水性ポリオレフィン分散液)が塩基性物質を含有する場合、当該ポリマー液のpHは特に制限されるものではないが、例えば、7.0~12.0が好ましく、7.5~11.5がより好ましく、8.0~11.0が更に好ましい。
混合工程においては、その他の成分(例えば、上記添加剤)、溶媒(好ましくは、水)等をさらに混合してもよい。添加される水は、特に限定されず、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、硬水、軟水等を用いることができる。
混合工程においては、常温下で各成分を配合し、任意の適切な混合機を用いて、均一化することが好ましい。混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、粉体用ニーダー(KDH、KDA、CKD、CPM)(ダルトン社)、スパルタンミキサー(SPM)(ダルトン社)、SPグラニュレーター(SPG)(ダルトン社)、等を挙げることができる。
混合工程における混合時間は、成分の種類、混合機の種類、成分配合比等に応じて、任意の適切な混合時間とすることができる。好ましくは、フィラーの表面がポリマーで十分かつ均一に被覆されるように、混合時間が設定される。ヘンシェルミキサーやスパルタンミキサー等の高速撹拌機では1~10分の処理時間で行うことができる。一方、粉体用ニーダーの場合は、数分~60分の処理時間が必要になる場合がある。
造粒工程においては、圧縮造粒法が好ましく採用される。また、造粒工程においては、半湿式造粒法が好ましく採用され得る。圧縮造粒法/半湿式造粒法としては、例えば、ディスクペレッター方式、タブレッティング方式、ブリケッティング方式等が挙げられる。生産性と得られるフィラー造粒物の品位のバランスの観点から、ディスクペレッター方式が好ましく採用される。
ディスクペレッター方式の造粒機は、基本構造として、2mm~30mmの孔が多数あけられた1個または2個のディスクと、ディスクの孔に原料を圧送するためのローラーとを有する。ディスクとローラーの間、もしくは2個のディスクの間に供給された原料が、ローラーの回転に伴い、ディスクの孔に圧入され、円柱状の押出物が成形される。ここで、ディスク孔にはテーパーが設けられており、フィラー混合物が孔を通過する過程で、ダイス孔の外周から圧縮応力が与えられる仕組みになっている。このテーパーのついた孔の長さを有効長と呼ぶ。押し出された造粒物前駆体は、ディスクの裏面において、カッター等で切断されることで、ペレット状のフィラー造粒物を得ることができる。造粒物前駆体(結果としてフィラー造粒物)の長さは、ディスクの裏面とカッター間の距離、ローラーの回転数、によって調整が可能である。
ディスクペレッター方式としては、より具体的には、ローラー・ディスクダイ方式、ローラー・リングダイ方式、ダブルダイス方式、フラットダイ方式等が挙げられる。市販のディスクペレッター方式の造粒機としては、例えば、ダルトン社製のディスクペレッターFシリーズを挙げることができる。
ディスクペレッター方式の造粒機は、通常、加熱システムを有しない場合が多いが、運転時に発生するせん断発熱により、昇温する。造粒工程において、造粒中の温度は、好ましくはポリマー液のポリマー成分の融点以上の温度以上に昇温されることが、フィラー間に溶融したポリマーが浸透し、強固なバインダー効果を得ることができるので好ましい。例えば、ポリマーとして水性ポリオレフィンを含むポリマー液(ポリマー分散液)では、造粒中の温度は、造粒直後のペレット温度として、通常40℃~100℃の範囲であり、50℃~90℃が好ましく、60℃~80℃となることがより好ましい。
乾燥工程における乾燥方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。乾燥工程後、振動ふるい等を処理を行うことで、微粉を除去したフィラー造粒物が得られ得る。乾燥工程では、任意の適切な乾燥設備が用いられる。例えば、振動流動式乾燥機が短時間に効率的に乾燥を行うことができるので好ましく、例えば、ダルトン社製の振動流動乾燥機VDFシリーズを挙げることができる。
C.樹脂とフィラー造粒物の溶融コンパウンド
1つの実施形態においては、上記フィラー造粒物と樹脂との溶融コンパウンドが提供される。当該樹脂としては、好ましくは、熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリウレタン(PUR)、フッ素系樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等の汎用樹脂、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE、変性PPE、PPO)、ポリエステル類(PET、PBT等)、環状ポリオレフィン(COP)等のエンジニアリングプラスチック類、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等のスーパーエンジニアリングプラスチック類を例示することができる。
また、上記樹脂として、生分解性樹脂を用いてもよい。当該生分解性樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂(例えば、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリヒドロキシバリレート等のホモポリマーあるいはコポリマー、これらのホモポリマーあるいはコポリマーの変性した物等)、脂肪族・芳香族ポリエステル樹脂(例えば、脂肪族カルボン酸もしくはヒドロキシ酸、芳香族ジカルボン酸と1,3-プロパンジオール等のブロックポリマーあるいはランダムポリマー等)、あるいは、ポリビニルアルコール系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート、エチレン・ビニルアルコールコポリマー等)等を挙げることができる。また、天然由来の生分解性樹脂として天然ゴム等を挙げることができる。
溶融コンパウンドの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール、単軸もしくは2軸以上の多軸押出機を使用することができる。好ましくは、二軸スクリュー押出機が用いられる。溶融混練された組成物はペレット化される。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、部および%は特に断りのない限り重量基準に基づく。
[実施例1]
ポリマー分散液(ポリオレフィン分散液(水性PEディスパージョン);三井化学社製、商品名「ケミパールA100」;ポリオレフィン固形分濃度:40重量%;ポリオレフィン粒子の平均粒子径4μm;表中、「A-1」)20重量部と、分散剤(ポリグリセリン縮合ヒドロキシ脂肪酸エステル;太陽化学社製、商品名「チラバゾールH818」;表中、「C-1」)1重量部とを、1Lのプラ容器に投入し、室温下で攪拌羽根を用いて20分間攪拌して、混合物Aを得た。次いで、粉体用ニーダー(ダルトン社製、商品名「KDHJ-10」;処理量:6L)に、フィラー(無処理水酸化マグネシウム粉末;ファイマテック社製、商品名「ジュンマグBF」;平均粒子径:12μm;表中、「B-1」)80重量部を投入し、回転数30rpmで攪拌羽根を攪拌させながら、混合物Aを当該粉体用ニーダーに投入した。その後、6分間の攪拌処理を行い、混合物Bを得た。
混合物Bを、ディスクペレッター(ダルトン社製、商品名「ディスクペレッターF-5/11-175;容量:5L」)に投入し、ペレッド状の造粒物前駆体を得た。この際、ダイスの孔径を3mmφとし、ダイスプレートの厚みを15mmとし、ダイス孔の有効長を10mmとし、ディスペレッターのローラーの回転数を108rpmとした。
得られた造粒物前駆体を、熱風式循環型乾燥機を用いて、140℃で4時間乾燥させて、フィラー造粒物MB-1を得た。造粒直後のフィラー造粒物の温度を接触式熱電対で測定したところ、50~60℃であった。
[実施例2~10、比較例1~2、参考例1~3]
表1に示すポリマー液、フィラーおよび分散剤を、表1に示す配合量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、フィラー造粒物MB-2~MB-10、MB-C1~MB-C5を得た。なお、参考例3においては、その他の成分として、水を12重量部配合した。
実施例1~10、比較例1~2および参考例1~3で用いた各成分の具体的な内容は、表2に示すとおりである。
Figure 2023174772000001
Figure 2023174772000002
<評価>
実施例1~10、比較例1~2および参考例1~3で得られたフィラー造粒物を下記の評価に供した。結果を表3に示す。

(1)造粒性
得られたフィラー造粒物の確認し、以下の基準で造粒性を評価した。
〇: 直径3mmφの造粒物が得られる。
△: フィラーの造粒物の形態になるが、結着力が不足して、崩壊しやすい。
×: フィラーがダイスに目詰まりする、もしくは、フィラーの結着性がなく、粒状物にならない。

(2)造粒速度
時間当たりのフィラー造粒物の製造速度(kg/Hr)を算出した。

(3)かさ密度
乾燥後のフィラー造粒物を1リットルの升を用いて、正確に1リットルの容積ではかり取り、その重量を測定することで、フィラー造粒物の嵩密度(単位:kg/L)を算出した。

(4)ペレットサイズ
フィラー造粒物を20粒取り出し、ノギスを用いて、粒状物の長さと直径を平均値を測定した。

(5)水分量
赤外線水分計(ケット科学研究所製 FD-660)を用いて、フィラー造粒物に残存する水分量(単位:重量%)を測定した。

(6)崩壊強度測定
木屋式硬度計(シロ産業社製、商品名「WPF1600-B」)を用いて、乾燥後のフィラー造粒物の崩壊応力(単位:kg)を測定した。測定値はフィラー造粒物20粒の平均値とした。

(7)微粉量測定
フィラー造粒物を1kg計量し、14メッシュの篩にかけ、微粉量の質量割合(単位:重量%)を測定した。

(8)フィラー濃度
フィラー粒状物を1~3g採取し、電気炉にて、るつぼ内で600℃で3時間保持し、バインダー成分を除去して、重量変化からフィラー造粒物中のフィラー濃度を算出した(単位:重量%)
Figure 2023174772000003
表3に示す通り、MB-1~MB-10では、安定したペレット形状、高い造粒速度、適切な硬度のペレット状のフィラー造粒物を得ることができる。一方、MB-C1及びMB-C2では、ペレット状のフィラー造粒物が得られているが、熱可塑性樹脂と溶融混練した場合に、後述の実施例13と比較例4の対比、並びに実施例14と比較例5の対比で示す通り、フィラー分散性が不十分である。また、実施例5と比較例2の対比で、分散剤を欠く場合はフィラー造粒物の造粒性が劣ることが示される。MB-C3~MB-C5では、フィラー造粒物の品位が劣ると共に、ペレット状のフィラー造粒物を高生産性で、安定に得ることができていない。
[実施例11]
フィラー造粒物MB-1を70重量部と、熱可塑性樹脂(ホモポリプロピレン;日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックMA1B」、MFR21g/10min)30重量部とを、二軸押出機(東芝機械社製、商品名「TEM37SS」、L/D=48)に投入して、連続的に溶融混練を行い、熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。フィラー造粒物MB-1と熱可塑性樹脂は、それぞれ独立に、重量式フィーダーを介して、定量的に二軸押出機に押出機の最上流部のホッパー位置から投入した。押出機のシリンダー温度は、押出機の中段部以降を180℃に設定した。また、2軸押出機の主スクリューの回転数を200rpmとした。溶融混練された樹脂組成物はストランド状に押し出され、水冷バスで冷却し、長さ約3mmのペレットとした。
[実施例12]
表4に示すフィラー造粒物を表4に示す配合量で用い、押出機の吐出速度を表4に示すとおりとしたこと以外は、実施例11と同様にして、熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。
[実施例13]
フィラー造粒物MB-1を70重量部と、熱可塑性樹脂(ホモポリプロピレン;日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックMA1B」、MFR21g/10min)30重量部とを混合して得られた混合物Iを、40mm単軸押出機(いすず加工機(株)製、型番「SV-40-32-EXT」;ダルメージ付き、L/D=32)に投入して、熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。押出機のシリンダー温度は、押出機の中段部以降を180℃に設定した。また、単軸押出機の主スクリューの回転数を100rpmとした。溶融混練された樹脂組成物はストランド状に押し出され、水冷バスで冷却し、長さ約3mmのペレットとした。
[比較例3]
フィラー造粒物MB-1を使用せずに、水酸化マグネシウム粉末B-1を使用して、実施例12と同じ方法で熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。比較例3では樹脂組成物中の水酸化マグネシウム粉末B-1の含有量を65重量%とし、吐出速度を30kg/Hrとしている。
比較例3では、水酸化マグネシウム粉末B-1がホッパー内でブリッジを生じ、押出機スクリューへの食い込み不良が生じ、安定に生産することができなかった。
実施例12と比較例3の対比により、フィラー造粒物MB-1を使用することにより、水酸化マグネシウム粉末B-1のフィードネックが解消され、生産性を飛躍的に向上させることができ、同時に樹脂中のフィラー良分散性を同時に満足することができる溶融コンパウンドが可能となることがわかる。
[実施例14~22、比較例4~7]
表4に示すフィラー造粒物を表4に示す配合量で用い、熱可塑性樹脂の配合量を表4に示すとおりとしたこと以外は、実施例13と同様にして、熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。
なお、比較例6および7は、粉体混合物としてフィラーを添加した。
<評価>
実施例14~22および比較例4~7で得られた熱可塑性樹脂組成物のペレットを下記の評価に供した。結果を表4に示す。
(a)樹脂組成物の吐出速度(単位:kg/Hr)
時間当たりのコンパウンド樹脂組成物の吐出量である。

(b)押出機負荷(単位:%)
二軸押出機、単軸押出機の実測の動力負荷%(許容最大モーター負荷に対する割合)の表示値である。

(c)ダイス部での溶融樹脂温度(単位:℃)
ダイスから押し出される樹脂組成物の温度を接触式熱電対で測定した。

(d)MFR(単位:g/10min)
JISK7210に準拠し、東洋精機製作所社製の「メルトインデクサー」を用いてメルトマスフローレート(MFR)を測定し、流動性を評価した。樹脂組成物のMFR試験における試験条件は、添加する樹脂の種類に応じて以下の通りとした。
ポリプロピレン樹脂: 230℃、2.16kg荷重
ポリエチレン樹脂: 190℃、5kg荷重
PC/PET樹脂: 270℃、2.16kg荷重

(e)フィラー含有量(単位:重量%)
樹脂組成物のペレット1~3gを80℃、4時間の乾燥処理を行い、電気炉にて、るつぼ内で600℃で3時間保持し、熱可塑性樹脂成分を除去して、重量変化から樹脂組成物中のフィラー濃度を算出した。

(f)樹脂組成物中のおけるフィラーの分散性
樹脂組成物のペレットを熱プレスで圧延し、厚み約0.5mmのシートとする。当該シートを透かして、フィラー凝集物の残存を目視観察し、以下の基準で評価した。
AA:フィラーの凝集物がほとんど観察されない良好な分散性状態
A:比較的小さなフィラーの凝集が微量残存する状態
BB:比較的小さなフィラーの凝集物がかなり多く残存する状態
B:フィラーの凝集物が大きい状態
(分散状態の序列: AA>A>BB>B (左良好))
Figure 2023174772000004
表4から明らかなように、本発明によれば、高濃度にフィラーを含有していながらも、流動性、フィラーの分散性に優れる樹脂組成物を得ることができる。フィラー造粒物に代えて水酸化マグネウム粉体(B-1)を使用する場合(比較例3)では、吐出速度30kg/Hrでも、水酸化マグネウム粉体(B-1)のフィード不良が生じてしまい、安定生産を行うことができなかった。
また、2軸押出機に比べて、フィラーの分散機能が劣る単軸押出機を使用しても、高濃度にフィラーを含有していながらも、流動性、フィラーの分散性に優れる樹脂組成物を得ることができる(実施例13~22)。実施例13~16から、分散剤の配合量が増えると共に、流動性とフィラー分散性が向上することが示される。
さらに、本発明のフィラー造粒物を使用することで、溶融混練での樹脂温度の上昇を抑えることができている。この事実は、高フィラー含有樹脂組成物でありながら、発熱を抑え、樹脂の熱分解を抑制して成形加工が可能となることを示しており、樹脂の発熱による着色・変色の抑制できることや、加工品の強度が維持できることに繋がり、極めて有用な効果を奏するものである。
[実施例23~30]
表5に示すポリマー液、フィラーおよび分散剤を、表5に示す配合量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、フィラー造粒物MB-11~MB-18を得た。
ここでMB-13については、ディスクペレッターのダイスの孔径を5mmφとし、ダイスプレートの厚みを15mmとし、ダイス孔の有効長を10mmに変更した。
なお、実施例27および28におけるポリマー液「A-2」は、水溶性ビニルアルコール系樹脂(BVOH)(三菱ケミカル社製、商品名「Nichigo G-polymer」;ケン化度98.0モル%以上、融点:172℃)を使用した。BVOHは水道水に溶解させ、2.5重量%(実施例27)、5.0質量%(実施例28)の濃度で使用した。その他、実施例23~30で用いた各成分の具体的な内容は、表2に示すとおりである。
得られたフィラー造粒物を上記評価(1)~(8)に供した。結果を表6に示す。
Figure 2023174772000005
Figure 2023174772000006
[実施例31~33]
表7に示すフィラー造粒物を表7に示す配合量で用い、表7に示す熱可塑性樹脂を表7に示す配合量で用いたこと以外は、実施例13と同様にして、熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。いずれもフィラー分散性に優れた樹脂組成物が得られた。
[実施例34~37]
表7に示すフィラー造粒物を表7に示す配合量で用い、表7に示す熱可塑性樹脂を表7に示す配合量で用い、押出機のシリンダー温度を押出機の中段部以降を250℃に設定したこと以外は、実施例11と同様にして、熱可塑性樹脂組成物のペレットを製造した。
なお、実施例34~37においては、ポリカーボネート(PC;三菱エンジニアプラスチックス社製、商品名「ノバレックス 7022PJ」;MVR(300℃、1.2kg荷重):11cm/10min)とポリエチレンテレフタレート(PET;三菱エンジニアプラスチックス社製、商品名「PBK1」)との混合物(重量比 PC:PET=65/35)を樹脂組成物として用いた。いずれもフィラー分散性に優れた樹脂組成物が得られた。
Figure 2023174772000007

Claims (7)

  1. ポリマー液と、フィラーと、分散剤とを混合する混合工程と、
    該混合工程を経て得られた混合物を造粒して造粒物前駆体を得る造粒工程と、
    該造粒物前駆体を乾燥する乾燥工程とを含む、フィラー造粒物の製造方法であって、
    該フィラー造粒物が、
    リマーと、フィラーと、分散剤とを含み、
    該分散剤が、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    該フィラーの含有割合が、該ポリマーと該フィラーの合計量100重量部に対して、80重量部~99.9重量部である、
    フィラー造粒物の製造方法
  2. 前記フィラーの含有割合が、該ポリマーと該フィラーの合計量100重量部に対して、90重量部~99.9重量部である、請求項1に記載のフィラー造粒物の製造方法
  3. 前記分散剤の含有割合が、前記ポリマーと前記フィラーの合計量100重量部に対して、0.1重量部~15重量部である、請求項1または2に記載のフィラー造粒物の製造方法
  4. 前記分散剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、縮合ヒドロキシ脂肪酸および縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から3のいずれかに記載のフィラー造粒物の製造方法
  5. 前記ポリマーが、ポリオレフィン系樹脂である、請求項1から4のいずれかに記載のフィラー造粒物の製造方法
  6. 前記造粒工程において、半湿式造粒法により造粒することを含む、請求項1から5のいずれかに記載のフィラー造粒物の製造方法。
  7. 前記造粒工程において、ディスクペレッター方式により造粒を行うことを含む、請求項1から6のいずれかに記載のフィラー造粒物の製造方法。


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