JP5445727B1 - 部品の破壊評価装置、部品の破壊評価方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

介在物寸法√areaの分布関数が一般パレート分布に従うものとして、機械部品の領域を、介在物が1つ含むように均等に区画した、仮想単位体積Vを有する仮想セルのそれぞれにおいて、作用応力の応力振幅σが、疲労強度の応力振幅σを超える確率(仮想セルの疲労強度超過確率pV0)を導出する。そして、この疲労強度超過確率pV0から、仮想セルの少なくとも1つにおいて、作用応力の応力振幅σが、疲労強度の応力振幅σを超える確率(機械部品の疲労強度超過確率pfV)を導出する。

Description

本発明は、部品の破壊評価装置、部品の破壊評価方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、機械部品の内部の破壊性能を評価するために用いて好適なものである。
高サイクルの負荷を受ける高張力鋼の機械部品では、介在物等の内部欠陥を起点とする内部疲労破壊による部品の折損トラブルのリスクを低減することが必要となる。内部疲労破壊では、その起点となる介在物の大きさや高応力部位での介在物の存在確率が大きく影響を及ぼすと考えられる。従来、介在物を起点とする疲労限を予想する方法が定式化されており、一様な応力下ではこのような推定式による疲労限を予測することができる(非特許文献1を参照)。
しかしながら、ショットピーニングやせん断応力の影響等、複雑な応力分布を持つばね等の機械部品としての破壊性能を評価する有効な方法はこれまでになかった。よって、既存の材料の実績に基づく疲労設計線図等を基に疲労設計されているのが現状である。
特開2010−256351号公報 特開昭63−194279号公報
村上敬宜著、「金属疲労 微小欠陥と介在物の影響」、養賢堂、2008年12月25日、OD版第1版 Shimanuki H.,;Effect of InclusionSize on Giga-Cycle Fatigue Properties of SUJ2,CAMP-ISIJ,(2010),p688.
非特許文献1に記載の技術では、機械部品の疲労強度を求める式と、極値統計処理による最大介在物寸法及び最大介在物分布の定式化とにより、一様な応力下で疲労破壊現象に影響を及ぼす体積効果を考慮して、機械部品の疲労設計を行うことが可能である。しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、体積効果(介在物の大きさや密度の分布)と、機械部品内部の応力の分布との両方の影響を考慮して機械部品の疲労設計を行うことはできない。
また、特許文献1に記載の技術により、素材の疲労強度のばらつきを求めるためには、多数の疲労試験を行ってP-S-N曲線を作成し、材料の疲労強度に関するワイブルプロットを作成する必要がある。また、特許文献1に記載の技術では、機械部品の位置ごとの材料特性(介在物の分布)の差を(素材の疲労強度のばらつきとは別に)考慮することができなかった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、機械部品の内部に存在する介在物の分布を考慮して機械部品の破壊性能を評価できるようにすることを目的とする。
本発明の部品の破壊評価方法は、機械部品の破壊性能を評価する部品の破壊評価方法であって、前記機械部品を構成する材料と同種の材料からなるサンプルから、当該サンプルに含まれる介在物を抽出する介在物抽出工程と、前記介在物抽出工程により抽出された介在物の寸法である介在物寸法に基づいて、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数を導出する閾値超過介在物数導出工程と、前記介在物抽出工程により抽出された介在物の介在物寸法の分布関数が一般パレート分布に従うものとして、前記介在物抽出工程により抽出された介在物の介在物寸法と、前記閾値超過介在物数と、前記閾値と、に基づいて、前記一般パレート分布の係数を導出する係数導出工程と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が0(ゼロ)を超える介在物寸法の数であるゼロ超過介在物数との比である仮想介在物比率を導出する仮想介在物比率導出工程と、前記閾値超過介在物数と、前記仮想介在物比率と、前記サンプルの体積と、に基づいて、それぞれが前記介在物を1つ含む複数の仮想セルで前記機械部品を均等に区画した場合の当該仮想セルの体積である仮想単位体積を導出する仮想単位体積導出工程と、を有し、前記仮想単位体積導出工程により導出された仮想単位体積を有する仮想セルの単位で前記機械部品の破壊性能を評価する指標を導出し、導出した指標を用いて、前記機械部品の破壊性能を評価することを特徴とする。
本発明の部品の破壊評価装置は、機械部品の破壊性能を評価する部品の破壊評価装置であって、前記機械部品を構成する材料と同種の材料からなるサンプルから抽出された介在物の寸法である介在物寸法に基づいて、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数を導出する閾値超過介在物数導出手段と、前記抽出された介在物の介在物寸法の分布関数が一般パレート分布に従うものとして、前記抽出された介在物の介在物寸法と、前記閾値超過介在物数と、前記閾値と、に基づいて、前記一般パレート分布の係数を導出する係数導出手段と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が0(ゼロ)を超える介在物寸法の数であるゼロ超過介在物数との比である仮想介在物比率を導出する仮想介在物比率導出手段と、前記閾値超過介在物数と、前記仮想介在物比率と、前記サンプルの体積と、に基づいて、それぞれが前記介在物を1つ含む複数の仮想セルで前記機械部品を均等に区画した場合の当該仮想セルの体積である仮想単位体積を導出する仮想単位体積導出手段と、を有し、前記仮想単位体積導出手段により導出された仮想単位体積を有する仮想セルの単位で前記機械部品の破壊性能を評価する指標を導出し、導出した指標を用いて、前記機械部品の破壊性能を評価することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、機械部品の破壊性能を評価することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記機械部品を構成する材料と同種の材料からなるサンプルから抽出された介在物の寸法である介在物寸法に基づいて、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数を導出する閾値超過介在物数導出工程と、前記抽出された介在物の介在物寸法の分布関数が一般パレート分布に従うものとして、前記抽出された介在物の介在物寸法と、前記閾値超過介在物数と、前記閾値と、に基づいて、前記一般パレート分布の係数を導出する係数導出工程と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が0(ゼロ)を超える介在物寸法の数であるゼロ超過介在物数との比である仮想介在物比率を導出する仮想介在物比率導出工程と、前記閾値超過介在物数と、前記仮想介在物比率と、前記サンプルの体積と、に基づいて、それぞれが前記介在物を1つ含む複数の仮想セルで前記機械部品を均等に区画した場合の当該仮想セルの体積である仮想単位体積を導出する仮想単位体積導出工程と、をコンピュータに実行させ、前記仮想単位体積導出工程により導出された仮想単位体積を有する仮想セルの単位で前記機械部品の破壊性能を評価する指標を導出し、導出した指標を用いて、前記機械部品の破壊性能を評価することを特徴とする。
本発明によれば、介在物寸法の分布関数が一般パレート分布に従うものとして、それぞれが介在物を1つ含む複数の仮想セルで機械部品を均等に分割する。そして、それぞれの仮想セルの単位で機械部品の破壊性能を評価する指標を導出し、導出した指標を用いて、機械部品の破壊性能を評価する。よって、機械部品の内部に存在する介在物の分布を考慮して機械部品の破壊性能を評価することができる。
図1は、部品の疲労破壊評価装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図2は、部品の疲労破壊評価装置の機能的な構成の一例を示す図である。 図3は、仮想セルの仮想単位体積を概念的に示す図である。 図4は、介在物寸法の密度関数の一例を概念的に示す図である。 図5は、仮想セルの一例を概念的に示す図である。 図6は、仮想セルで区画された機械部品の概観を概念的に示す図である。 図7Aは、介在物寸法が相対的に大きい場合の、作用応力の応力振幅及び疲労強度の応力振幅と、機械部品の位置との関係の一例を概念的に示す図である。 図7Bは、介在物寸法√areaが相対的に中程度の場合の、作用応力の応力振幅及び疲労強度の応力振幅と、機械部品の位置との関係の一例を概念的に示す図である。 図7Cは、介在物寸法√areaが相対的に小さい場合の、作用応力の応力振幅及び疲労強度の応力振幅と、機械部品の位置との関係の一例を概念的に示す図である。 図8は、仮想セルにおける介在物存在確率と介在物寸法との関係の一例を概念的に示す図である。 図9は、部品の疲労破壊評価装置の動作の流れの一例を説明するフローチャートである。 図10は、コイルばねの素線表面からの距離(深さ)と、コイルばねの残留応力の応力振幅との関係を示す図である。 図11は、コイルばねに対して設定される仮想セルの(一部)を概念的に示す図である。 図12は、材料A、Bのコイルばねの疲労強度超過確率と、各コイルばねの実験結果(5億回疲労破壊確率)を示す図である。 図13は、丸棒試験片の表面からの距離(深さ)と、丸棒試験片の残留応力の応力振幅との関係を示す図である。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の実施形態を想起するに至った背景について説明する。
高張力鋼の内部に含まれる介在物を起点とする内部疲労破壊については、いわゆる疲労限がみられず、長寿命域でも疲労強度が徐々に低下することが知られている。しかしながら、その傾きは極めて小さく、本発明者らは、同じ程度の寸法の介在物でも寿命が1000倍以上異なることを実験的にも確認している。つまり、こうした材料の疲労設計は寿命ではなく、疲労強度で設計することが合理的であることを示している(非特許文献2を参照)。
また、内部疲労が起こるような高い応力振幅が高張力鋼に作用した場合、き裂がひとたび発生すると急激に応力拡大係数が大きくなる。このため、高張力鋼では、き裂進展速度が速く、急速にき裂が進展し疲労破壊する。よって、ばね等の断面の小さい機械部品を高張力鋼で作製した場合、その機械部品の破断寿命は殆ど疲労き裂の発生寿命に支配される。
近年は、内部疲労破壊を防止するために、高張力鋼の内部に存在する介在物の大きさや数が小さくなっている。したがって、こうした材料の内部の介在物を検出することは難しい。しかしながら、ある程度の体積の材料を電解液中で溶かして介在物だけを抽出するスライム抽出法や、酸溶解法等の方法で、ある材料の所定の体積中に閾値以上の寸法を有する介在物がどの程度存在するかを測定できる。ただし、これらの手法では、採取できる介在物の最小限界寸法は装置のフィルターの粗さで決まり、全ての介在物を抽出できるわけではない。幸いにして、小さい介在物からは内部疲労破壊が問題にならない。そこで、内部疲労に寄与するような大きな介在物の分布だけを用いて、機械部品の疲労を評価することが有効である。
また、表層や内部での処理過程が異なるために、場所によって強度や内部応力等が大きく変わる可能性もあり、これら考慮して疲労破壊を評価することが必要である。
本発明者らは、こうした知見と条件に基づいて、以下のようにして、応力状態(平均応力や繰り返し応力)が与えられた場合に機械部品の疲労強度を超過する確率を定量的に算定する手法を見出した。この手法を用いることにより、疲労破壊防止のための有効な対策を決定するための方針を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
<部品(機械部品)の疲労破壊評価装置のハードウェア構成>
図1は、部品の疲労破壊評価装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。部品の疲労破壊評価装置100は、機械部品の破壊性能を評価するためのものである。
図1に示すように、部品の疲労破壊評価装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only
Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、PD(Pointing Device)104と、HD(Hard Disk)105と、表示装置106と、スピーカ107と、通信I/F(Interface)108と、システムバス109とを有している。
CPU101は、部品の疲労破壊評価装置100における動作を統括的に制御するものであり、システムバス109を介して、部品の疲労破壊評価装置100の各構成部(102〜108)を制御する。
ROM102は、CPU101の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(OS)、CPU101が後述する処理を実行するために必要なプログラム等を記憶する。
RAM103は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU101は、処理の実行に際して、ROM102から必要なコンピュータプログラム等や、HD105から必要な情報等をRAM103にロードし、当該コンピュータプログラム等や当該情報等の処理を実行することで各種の動作を実現する。
PD104は、例えば、マウスやキーボード等からなり、操作者が必要に応じて、部品の疲労破壊評価装置100に対して操作入力を行うための操作入力手段を構成する。
HD105は、各種の情報やデータ、ファイル等を記憶する記憶手段を構成する。
表示装置106は、CPU101の制御に基づいて、各種の情報や画像を表示する表示手段を構成する。
スピーカ107は、CPU101の制御に基づいて、各種の情報に係る音声を出力する音声出力手段を構成する。
通信I/F108は、CPU101の制御に基づいて、外部装置とネットワークを介して各種の情報等の通信を行う。
システムバス109は、CPU101、ROM102、RAM103、PD104、HD105、表示装置106、スピーカ107及び通信I/F108を相互に通信可能に接続するためのバスである。
<部品の疲労破壊評価装置>
図2は、部品の疲労破壊評価装置100の機能的な構成の一例を示す図である。本実施形態の部品の疲労破壊評価装置100は、機械部品を構成する材料の介在物の分布の調査結果をもとに、ばね等の一つの機械部品に存在する介在物の個数を想定し、その介在物の一つずつがおかれる応力状態(平均応力や繰り返し応力)に対して疲労強度を超えるかどうかの確率を判定し、その結果を総合して機械部品全体としての疲労強度超過確率を計算する。
図2において、部品の疲労破壊評価装置100は、介在物分布定量化部201と、仮想セル単位体積導出部202と、推定疲労強度導出部203と、作用応力振幅導出部204と、疲労強度超過確率導出部205と、疲労強度超過確率出力部206とを有する。
<介在物分布定量化部201>
まず、疲労強度超過確率の調査対象となる機械部品を構成する材料と同じ種類の材料からなるサンプルに含まれるそれぞれの介在物の寸法(介在物寸法√area[μm])を測定する(サンプルの体積をV[mm]とする)。ここで、介在物寸法√areaは、所謂「ルートエリア」と称されるものであり、介在物の形状を平面に投影した場合の投影面積(介在物の断面積)の平方根(√)をとった値である。しかしながら、現実的にはこのような面積を正確に求めることは困難であるため、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、介在物の形状を四角形や楕円形等の簡単な図形(形状)に近似させてその図形の代表的な寸法から介在物の投影面積(介在物の断面積)を推定して求め、この面積の平方根を介在物寸法√areaとしても良い。具体例として、介在物の形状を楕円形に近似した場合には、簡易的にその長径と短径との積の平方根をとった値や長径と短径とπとの積の平方根をとった値を介在物の投影面積(介在物の断面積)の推定値(介在物寸法√area)としてもよい。
尚、本明細書において、√Xとは、X1/2(Xの1/2乗)を示し、例えば、√areamaxはareamax 1/2を示す。
このような介在物の抽出は、例えば、スライム法を用いて行うことができる。スライム法とは、サンプルを第一鉄水溶液中で電解し、電解したスライムを網目状のサンプリング袋内に捕集し、水簸作業により、非鉄金属からなる、介在物以外の残渣物を除去し、サンプリング袋内に残った残渣物を磁性皿に移して更に残渣物の除去を行った後、篩い分け分離作業を行うものである。
尚、スライム法は、特許文献2等に記載されているように公知の技術であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。また、ここでは、スライム法を用いて介在物の数を測定する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、介在物抽出処理は、スライム法によるものに限定されない。例えば、酸溶解法や顕微鏡法等のその他の手法を用いて、サンプルに含まれる介在物を抽出してそれぞれの介在物寸法√areaを測定してもよい。
介在物分布定量化部201は、サンプルに含まれる介在物のうち、スライム法等で抽出された介在物の寸法(介在物寸法√area)のそれぞれの情報を、オペレータの操作や、外部装置との通信等に基づいて入力して記憶する。尚、以下の説明では、このようにして得られた介在物寸法√areaの情報を必要に応じて「実測データ」と称する。
本実施形態では、介在物寸法√areaが閾値uを超える介在物のうち、介在物寸法√areaがxを超える介在物の条件付き確率Pで介在物寸法√areaの確率分布が表されるものとする。そうすると、介在物寸法√areaの密度関数pは、近似的に以下の(1)式又は(2)式で表される。
p(x)={1+ξ(x−u)/σ}−1/ξ−1 ・・・(1)
ただし、1+ξ(x−u)/σ>0,ξ≠0
p(x)=exp(−(x−u)/σ) ・・・(2)
ただし、ξ=0の場合の特異解(指数分布)
(1)式において、ξ、σは係数[−]、uは介在物寸法の閾値[μm]、x=x,x,・・・,xNuは閾値u以上の介在物の寸法(介在物寸法√area)[μm]である。
ここで、ξ>0の場合(1)式はパレート分布の密度関数となり、ξ<0の場合(1)式はベータ分布の密度関数となる。また、(2)式は指数分布である。このように係数ξの値によって分布関数の呼び方は変わるが、これらは、一般パレート分布の密度関数と総称される。このように、本実施形態では、介在物寸法√areaの分布関数が一般パレート分布に従うものとする。
スライム法では、サンプルに含まれる全ての介在物を抽出することができず、介在物寸法√areaが小さい介在物を抽出することができない。そこで、介在物分布定量化部201は、実測データから、介在物寸法√areaが閾値uを超える介在物の数である閾値超過介在物数Nを導出する。介在物分布定量化部201は、例えば、以下の(3)式の値をプロットすることにより得られる平均超過プロット、又は、以下の(4)式の値をプロットすることにより得られるメジアン超過プロットに基づいて、閾値uを決定し、閾値超過介在物数Nを求めることができる。このとき、介在物分布定量化部201は、平均超過プロット又はメジアン超過プロットを表示装置106に表示し、この表示結果に対するオペレータのPD104の操作に基づいて閾値uを決定し、その閾値uを超える介在物の数を閾値超過介在物数Nとして導出することができる。
Figure 0005445727
(3)式及び(4)式において、iは介在物を特定する変数[−]であり、xmaxは実測データに含まれる介在物寸法√areaの最大値[μm]である。
ここで、介在物寸法√areaの閾値uについては、厳密に定める必要は無く、破壊に寄与すると想定される程度の大きさを介在物寸法√areaの閾値uを定めることができる。
尚、本実施形態では、平均超過プロット又はメジアン超過プロットを表示装置106に表示して、オペレータに閾値uを入力させて介在物分布定量化部201が閾値超過介在物数Nを導出するようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、平均超過プロット又はメジアン超過プロットを表示装置106に表示して、オペレータに閾値超過介在物数Nを入力させるようにしてもよい。また、閾値超過介在物数Nを得るまでの処理を(介在物分布定量化部201が関与せずに)オペレータ自身が行って、介在物分布定量化部201は、閾値uと閾値超過介在物数Nを入力するようにしてもよい。さらに、複数のサンプルから、閾値超過介在物数Nを求めてもよい。このようにした場合に、それぞれのサンプルから抽出された介在物寸法√areaを全部合わせてから閾値uを設定するようにする。このとき、それぞれのサンプルに対する閾値をuとすると、閾値uが閾値uを超える値になることは勿論である。
次に、介在物分布定量化部201は、実測データから、一般パレート分布の係数ξ、σを導出する。本実施形態では、最尤法を用いて一般パレート分布の係数ξ、σを導出する。以下に、本実施形態における一般パレート分布の係数ξ、σの導出方法の一例を簡単に説明する。
一般パレート分布の分布関数H(y)は、以下の(5)式のようになる。そうすると、尤度関数L(σ,ξ)は、以下の(6)式で表される密度関数h(y)の積で表され、標本数をnとすると以下の(7)式のようになる。ここで、標本数nには、閾値超過介在物数Nが与えられ、変数yには、(x−u)が与えられる(xは介在物寸法√area、uは閾値)。
Figure 0005445727
そして、計算の簡単化のために、この尤度関数L(σ,ξ)を以下の(8)式で表される対数尤度l(σ,ξ)として取り扱い、この対数尤度l(σ,ξ)が最大となる係数ξ、σを導出する。本実施形態では、介在物分布定量化部201は、以上のようにして、介在物寸法√areaの分布関数と密度関数の係数ξ、σを導出する。
Figure 0005445727
介在物分布定量化部201は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、PD104、HD105、表示装置106、及び通信I/F108を用いることにより実現することができる。
<仮想セル単位体積導出部202>
本実施形態では、疲労強度超過確率の調査対象となる機械部品を、それぞれが、介在物寸法√areaが0(ゼロ)を超える介在物が1つ含まれる仮想単位体積Vを有するNV0個の仮想セルで均等に区画し、仮想セル毎に疲労強度超過確率を後述するようにして算定する。仮想セル単位体積導出部202は、この仮想セルの仮想単位体積Vを導出するものである。
図3は、仮想セルの仮想単位体積Vを概念的に示す図である。図3に示すように、仮想セルの仮想単位体積Vに、サンプルに含まれる介在物の数Nを掛け合わせたものがサンプルの体積Vとなる。サンプルの体積Vは、オペレータの操作により入力されるものである。
前述したように本実施形態では、介在物寸法√areaの分布関数が一般パレート分布に従うものとしている。図4は、介在物寸法√areaの密度関数h(x,σ,ξ,u)の一例を概念的に示す図である。
介在物分布定量化部201により導出された係数ξ、σから定まる介在物寸法√areaの密度関数h(x,σ,ξ,u)について、介在物寸法√areaが閾値uから∞の積分範囲で積分した値は1である。このことから、当該介在物寸法√areaの密度関数h(x,σ,ξ,u)を、介在物寸法√areaが0(ゼロ)から∞の積分範囲で積分すると、以下の(9)式のように仮想介在物比率λが得られる。
Figure 0005445727
(9)式及び図4に示すように、仮想介在物比率λは、介在物寸法√areaが閾値uを超える介在物の数N(閾値超過介在物数N)に対する、サンプルの体積V中の、介在物寸法√areaが0(ゼロ)を超える介在物の数N(ゼロ超過介在物数N)の割合を表すものである。この仮想介在物比率λを用いると、仮想セルの仮想単位体積Vは、以下の(10)式のようにして表される。
=V/N=V/(λN) ・・・(10)
尚、図4において、αは、介在物寸法√areaが0(ゼロ)から閾値uまでの範囲の介在物の数である。
図5は、仮想セルの一例を概念的に示す図であり、図6は、仮想セルで区画された機械部品(ばね)の概観を概念的に示す図である。
図5に示す1つの矩形の領域(図6に示す1つの網目の領域)が、仮想単位体積Vを有する仮想セルであり、疲労強度超過確率の調査対象となる機械部品の領域を、NV0個の(同一の)仮想セルで区画する。各仮想セルには、介在物寸法√areaが0(ゼロ)を超える介在物が1つ含まれており、その介在物寸法√areaは、介在物寸法√areaの密度関数に従って分布されるものとする。
仮想セル単位体積導出部202は、以上のようにして仮想セルの仮想単位体積Vを導出し、仮想単位体積Vを有するNV0個の仮想セルを、疲労強度超過確率の調査対象となる機械部品に対して設定する。
ここで、仮想セルの数NV0は、以下の(11)式で表される。
V0=(V/V)・N・λ ・・・(11)
(11)式において、Vは、疲労強度超過確率の調査対象となる機械部品の体積[mm]であり、オペレータにより入力されるものである。
仮想セル単位体積導出部202は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、及びPD104を用いることにより実現することができる。
<推定疲労強度導出部203>
本実施形態では、機械部品内に存在する介在物を起点とする疲労強度であって、機械部品に所定の荷重を繰り返し負荷したときの所定の繰り返し数に対する疲労強度の応力振幅σ[N/mm]は、介在物寸法√areaと、ビッカース硬さHvと、応力比R[−]の関数で表されるものとする。尚、以下の説明では、「鋼材等の機械部品内に存在する介在物を起点とする疲労強度であって、機械部品に所定の荷重を繰り返し負荷したときの所定の繰り返し数に対する疲労強度の応力振幅σ」を必要に応じて「疲労強度の応力振幅σ」と略称する。
本実施形態では、機械部品に繰り返し負荷する荷重の所定の繰り返し数を10回程度と想定して、以下の(12)式のように、疲労強度の応力振幅σを表すものとする。
σ={1.56×(Hv+120)/(√areamax1/6}×{(1−R)/2}γ ・・・(12)
尚、この(12)式は本来、疲労限を推定する式であるが、研究当時の試験機の能力などを考慮して10回程度での疲労強度の式として(12)式を用いる。
(12)式において、Hvはビッカース硬さである。また、Rは応力比であり、以下の(13)式で表される。また、γは硬度の影響乗数であり、以下の(14)式で表される。
R=(σ−σ)/(σ+σ) ・・・(13)
γ=0.226+Hv/10000 ・・・(14)
(13)式において、σは、機械部品の平均応力の応力振幅[N/mm]である。
ビッカース硬さHvの値は、部品を構成する材料の試験の結果から得られる。また、部品の平均応力σと応力比Rの値は、部品に負荷する荷重と部品の寸法とから得られる。本実施形態では、応力比Rとして、部品内部の各位置での相当応力の応力比、又は、部品内部の各位置での主応力の変動が最大となる方向での主応力の応力比を採用する。これらの何れを採用するかは、部品等に応じて適宜決定することができる。介在物寸法√areaは、介在物分布定量化部201により導出された係数ξ、σにより定まる介在物寸法√areaの分布関数((1)式又は(2)式)を参照)により定められるものである。
推定疲労強度導出部203は、オペレータによる操作等に基づいて、これらの値を入力して(12)式の計算を行って、所定の繰り返し数の所定の繰り返し荷重を機械部品に与えたときの当該機械部品に対して設定された各仮想セルでの疲労強度の応力振幅σをその仮想セルでの応力比Rに対して導出する。
本実施形態では、このような疲労強度の応力振幅σを、介在物寸法√areamaxと、仮想セルと使用応力条件とに応じて値が変わる応力比Rとをそれぞれ異ならせて複数導出する。これにより、機械部品の内部に存在する介在物の介在物寸法√areamaxに対して仮想セル毎に、疲労強度の応力振幅σを導出することができる。
尚、本実施形態では、(12)式により疲労強度の応力振幅σを導出するようにした。しかしながら、疲労強度の応力振幅σは、介在物寸法√areaと、ビッカース硬さHvと、応力比Rの関数で表されるようにしていれば、必ずしも(12)式で示されるものでなくてもよい。例えば、「松本ら著『ショットピーニングした浸炭歯車用鋼の回転曲げ疲労強度に及ぼす介在物の影響』、日本機械学会材料力学講演会論文集、No.900−86、1990年、p.275−p.277」に記載されているように、以下の(15)式で疲労強度の応力振幅σを表すようにしてもよい。
σ={1.56×(Hv+120)/(√areamax1/6}−0.5×σ ・・・(15)
尚、(15)式では、応力比Rではなく、部品の平均応力の応力振幅σを用いて疲労強度の応力振幅σを表現している。しかしながら、(13)式に示すように、部品の平均応力の応力振幅σは、疲労強度の応力振幅σと応力比Rとを使って表現できるので、(15)式は、応力比Rの関数であることと等価である。この他、(12)式や(15)式に示す係数を変更することもできる。
また、(12)式や(15)式に示すビッカース硬さHvは、部品の材料の強度[N/mm]と相関関係がある。よって、ビッカース硬さHvの代わりに、部品の材料の強度を用いて疲労強度の応力振幅σを表すようにしてもよい。また、(12)式や(15)式は鉄鋼材料に関する一般的な式であるため、これらの式を修正し、応力比、硬さ、介在物寸法をパラメータにして、評価対象材料の疲労特性に合わせた関数を作成して用いればさらなる高精度化が可能である。
推定疲労強度導出部203は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、PD104、及びHD105を用いることにより実現することができる。
<作用応力振幅導出部204>
作用応力振幅導出部204は、予めオペレータにより設定された荷重条件Pで繰り返し荷重を機械部品に与えたときに、当該機械部品に対して設定された各仮想セルに作用する作用応力の応力振幅σを導出する。尚、以下の説明では、「予めオペレータにより設定された荷重条件Pで繰り返し荷重を機械部品に与えたときに当該機械部品に対して設定された各仮想セルに作用する作用応力の応力振幅σ」を必要に応じて、「機械部品の各仮想セルに作用する作用応力の応力振幅σ」又は「作用応力の応力振幅σ」と略称する。ここで、荷重条件Pは、機械部品にどのような繰り返し荷重を与えるのかを示すものである。
作用応力振幅導出部204は、機械部品の形状、荷重条件P、及び機械部品を構成する材料の強度(例えば、引張強さ、降伏応力、及び加工硬化特性)といった機械部品の情報を入力する。作用応力振幅導出部204は、これらの機械部品の情報を、オペレータの操作や、外部装置との通信等に基づいて取得する。
そして、作用応力振幅導出部204は、取得した機械部品の情報を用いて、予めオペレータにより設定された荷重条件Pで繰り返し荷重を機械部品に与えたときの機械部品の各仮想セルでの各応力成分の変化を導出する。機械部品の各仮想セルでの各応力成分の変化は、例えば、FEM(Finite Element Method)やBEM(Boundary element
method)を用いた解析を行ったり、材料力学による手法を用いた計算を行ったりすることにより導出することができる。また、機械部品に対して、熱処理や塑性加工やショットピーニング処理等が施されており、無負荷の状態(荷重をかけていない状態)でも機械部品に内部応力が発生していることがある。この内部応力は、例えば、X線による残留応力の測定と電解研磨とを交互に行う方法などで測定することができる。材料力学による手法を用いて予めオペレータにより設定された荷重条件Pで繰り返し荷重が与えられたときの機械部品の各仮想セルでの各応力成分の変化に、この無負荷状態での内部応力を足し合わせることにより、この無負荷状態での内部応力についても考慮した疲労設計をすることができる。
そして、作用応力振幅導出部204は、以上のようにして導出した機械部品の各仮想セルでの各応力成分の変化から、作用応力の応力振幅σとして、例えば、機械部品の各仮想セルでの相当応力の振幅、又は、機械部品の各仮想セルでの主応力の変動が最大となる方向での主応力の振幅を採用する。これらの何れを採用するかは、機械部品等に応じて適宜決定することができる。
本実施形態では、このような作用応力の応力振幅σを、機械部品に対して設定されている仮想セルを異ならせて複数導出する。これにより、機械部品に対して設定された仮想セル毎に、作用応力の応力振幅σを導出することができる。
尚、機械部品に与える荷重振幅の最大値から最小値を引いた値に基づく相当応力の1/2を作用応力の応力振幅σとしても、機械部品に与える荷重振幅の最大値に基づく相当応力から当該荷重振幅の最小値に基づく相当応力を引いた値の1/2を作用応力の応力振幅σとしてもよい。
作用応力振幅導出部204は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、PD104、及びHD105を用いることにより実現することができる。
<疲労強度超過確率導出部205>
疲労強度超過確率導出部205は、推定疲労強度導出部203により導出された「介在物寸法√area毎、仮想セル毎の疲労強度の応力振幅σ」と、作用応力振幅導出部204により導出された「仮想セル毎の作用応力の応力振幅σ」とを読み出す。そして、疲労強度超過確率導出部205は、以下の(16)式で定められる疲労強度判定関数f(σ,σ)を設定する。
f(σ,σ)=(σ>σ then 1,σ≦σ then 0) ・・・(16)
(16)式に示す疲労強度判定関数f(σ,σ)は、仮想セル毎に設定されるものであり、当該仮想セルの作用応力の応力振幅σが、当該仮想セルの疲労強度の応力振幅σの値を超えるときに1となり、そうでないときに0(ゼロ)となるものである。仮想セルの疲労強度の応力振幅σは、介在物寸法√area毎に得られるものである。したがって、1つの仮想セルについて、疲労強度判定関数f(σ,σ)の値が、介在物寸法√area毎に得られる。
図7は、作用応力の応力振幅σ及び疲労強度の応力振幅σと、機械部品の位置との関係の一例を概念的に示す図である。図7Aは、介在物寸法√areaが相対的に大きい場合の関係を示し、図7Bは、介在物寸法√areaが相対的に中程度の場合の関係を示し、図7Cは、介在物寸法√areaが相対的に小さい場合の関係を示す。
図7Aに示すように、位置Pにある仮想セルに存在する介在物寸法√areaが大きいと、当該仮想セルの作用応力の応力振幅σが、当該仮想セルの疲労強度の応力振幅σの値を超え、疲労強度判定関数f(σ,σ)の値は、1となる。一方、図7B、図7Cに示すように、位置Pにある仮想セルに存在する介在物寸法√areaが小さいと、当該仮想セルの作用応力の応力振幅σが、当該仮想セルの疲労強度の応力振幅σの値を下回り、疲労強度判定関数f(σ,σ)の値は、0(ゼロ)となる。
このように1つの仮想セルについて、介在物寸法√area毎に疲労強度判定関数f(σ,σ)を求めることにより、仮想セルの作用応力の応力振幅σが、当該仮想セルの疲労強度の応力振幅σを超えるようになる介在物寸法√areaを、各仮想セルにおいて得ることができる。図7に示す位置Pにある仮想セルでは、図7Bに示す疲労強度の応力振幅σが得られたときの介在物寸法√areaよりも大きな介在物寸法√areaが当該仮想セルに存在すると、当該仮想セルの作用応力の応力振幅σが、当該仮想セルの疲労強度の応力振幅σの値を超えることになる。
次に、疲労強度超過確率導出部205は、機械部品の疲労強度超過確率pfVを、機械部品の疲労破壊を判定する指標として導出する。
この疲労強度超過確率は、例えば、ばね等の機械部品に作用する作用応力が、ギガサイクルオーダーのある繰り返し負荷条件で疲労強度を超える確率を示す値である。本実施形態では、この疲労強度超過確率を計算するにあたって、ある介在物の周りの応力状態は近隣の介在物により生じる応力分布の影響を受けないと考え、前述したように、それぞれ寸法は分からないが一つの介在物を含有する仮想単位体積Vを持つ仮想セルが複数個集まって機械部品ができているとしている。本実施形態では、機械部品が疲労破壊するということは、この仮想セルのどれか一つが疲労破壊することと定義した。そして、全ての仮想セルが疲労破壊しない確率を1から減じた値を機械部品の疲労強度超過確率pfVとして導出した。
ある仮想単位体積Vの仮想セルにおける疲労強度超過確率pV0は、以下の(17)式で表される。
Figure 0005445727
ここで、h(x,σ,ξ,u)/λ、h(x,σ,u)/λは、介在物寸法√areaの密度関数を仮想介在物比率で割った「仮想セルにおける介在物存在確率」であり、それぞれ以下の(18)式、(19)式で表される。
Figure 0005445727
図8は、仮想セルにおける介在物存在確率と介在物寸法√areaとの関係の一例を概念的に示す図である。
図8に示す斜線の領域の面積が、1つの仮想セルにおける疲労強度超過確率pV0を表す。図8におけるDは、当該仮想セルの作用応力の応力振幅σが、当該仮想セルの疲労強度の応力振幅σを超えるようになる介在物寸法√areaであり、図7Bに示す疲労強度の応力振幅σが得られたときの介在物寸法√areaに対応する。
以上より、機械部品全体で疲労強度を超過する確率、すなわち全ての仮想セルからなる機械部品全体の疲労強度超過確率pfVは、以下の(20)式で表される。
Figure 0005445727
(20)式において、iは、仮想セルを特定する変数[−]である。
前述したように、機械部品の疲労強度超過確率pfVは、全ての仮想セルが疲労破壊しない確率を1から減じた値となる((20)式の右辺)を参照)。
疲労強度超過確率導出部205は、以上のようにして機械部品全体の疲労強度超過確率pfVを導出する。
疲労強度超過確率導出部205は、例えば、CPU101、ROM102、及びRAM103を用いることにより実現することができる。
<疲労強度超過確率出力部206>
疲労強度超過確率出力部206は、疲労強度超過確率導出部205で導出された機械部品全体の疲労強度超過確率pfVの値を、オペレータによる指示に基づいて、表示装置に表示したり、外部装置に送信したり、記憶媒体に記憶したりする。機械部品全体の疲労強度超過確率pfVの利用方法として、例えば、機械部品全体の疲労強度超過確率pfVが所定の値になるように機械部品の設計(使用条件としての外力、機械部品の形状、機械部品を構成する材料等の決定)を行い、当該設計に従って機械部品の製造を行うことができる。また、過去に疲労破壊が起こった機械部品の破壊原因を推定するために、当該機械部品全体に対する疲労強度超過確率pfVの値を導出することができる。
疲労強度超過確率出力部206は、例えば、CPU101、ROM102、RAM103、PD104、HD105、表示装置106、及び通信I/F108を用いることにより実現することができる。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、部品の疲労破壊評価装置100の動作の流れの一例を説明する。
まず、ステップS1において、介在物分布定量化部201は、実測データ取得処理を行う。具体的に介在物分布定量化部201は、スライム法等により得られた(機械部品と同種の材料からなる)サンプルの介在物寸法√areaの情報を、実績データとして取得する。
次に、ステップS2において、介在物分布定量化部201は、閾値超過介在物数導出処理を行う。具体的に介在物分布定量化部201は、ステップS1で得られた実績データを用いて平均超過プロット又はメジアン超過プロットを作成して表示する。そして、介在物分布定量化部201は、この平均超過プロット又はメジアン超過プロットに基づいてオペレータが視覚的に定めた閾値uを入力し、実績データから、その閾値uを超える介在物の数を閾値超過介在物数Nとして導出する。
次に、ステップS3において、介在物分布定量化部201は、一般パレート分布係数導出処理を行う。具体的に介在物分布定量化部201は、ステップS1で得られた実績データと、ステップS2で導出された閾値uとに基づいて、(8)式の対数尤度l(σ,ξ)が最大となる係数ξ、σを導出する。
次に、ステップS4において、仮想セル単位体積導出部202は、仮想介在物比率導出処理を行う。具体的に仮想セル単位体積導出部202は、ステップS2で導出された閾値uと、ステップS3で導出された係数ξ、σとに基づいて、(9)式の計算を行って仮想介在物比率λを導出する。
次に、ステップS5において、仮想セル単位体積導出部202は、仮想単位体積導出処理を行う。具体的に仮想セル単位体積導出部202は、サンプルの体積Vを入力し、このサンプルの体積Vと、ステップS2で導出された閾値超過介在物数Nと、ステップS4で導出された仮想介在物比率λとに基づいて、(10)式の計算を行って仮想セルの仮想単位体積Vを導出する。また、仮想セル単位体積導出部202は、機械部品の体積Vを入力し、この機械部品の体積Vと、サンプルの体積Vと、ステップS2で導出された閾値超過介在物数Nと、ステップS4で導出された仮想介在物比率λとに基づいて、(11)式の計算を行って仮想セルの数NV0を導出する。そして、仮想セル単位体積導出部202は、機械部品に対して仮想セルを設定する(すなわち、機械部品の領域を、仮想単位体積Vを有するNV0個の仮想セルで区画する)。
次に、ステップS6において、作用応力振幅導出部204は、作用応力導出処理を行う。具体的に作用応力振幅導出部204は、機械部品の情報を取得し、取得した機械部品の情報を用いて、予めオペレータにより設定された荷重条件Pで繰り返し荷重を機械部品に与えたときの各仮想セルでの各応力成分の変化を導出する。そして、作用応力振幅導出部204は、導出した各仮想セルでの各応力成分の変化から、予めオペレータにより設定された荷重条件Pで繰り返し荷重を機械部品に与えたときに当該機械部品に作用する作用応力の応力振幅σを、仮想セル毎に導出する。
次に、ステップS7において、推定疲労強度導出部203は、疲労強度導出処理を行う。具体的に推定疲労強度導出部203は、ビッカース硬さHv、機械部品の平均応力σ、及び応力比Rの値を入力する。そして、推定疲労強度導出部203は、それらビッカース硬さHv、機械部品の平均応力σ、及び応力比Rと、ステップS3で導出された係数ξ、σにより定まる介在物寸法√areaの分布関数に基づいて得られる介在物寸法√areaと、に基づいて、(12)式の計算を行う。この(12)式の計算によって、機械部品に所定の荷重を繰り返し負荷し、繰り返し数が大凡10回以上となるほぼ疲労限に対応する疲労強度の応力振幅σが、介在物寸法√areaに対して仮想セル毎に導出される。
次に、ステップS8において、疲労強度超過確率導出部205は、疲労強度判定関数導出処理を行う。具体的に疲労強度超過確率導出部205は、ステップS7で導出された「介在物寸法√area毎、仮想セル毎の疲労強度の応力振幅σ」と、ステップS6で導出された「仮想セル毎の作用応力の応力振幅σ」とに基づいて、(16)式の計算を行って、疲労強度判定関数f(σ,σ)を導出する。
次に、ステップS9において、疲労強度超過確率導出部205は、仮想セル疲労強度超過確率導出処理を行う。具体的に疲労強度超過確率導出部205は、ステップS2で導出された閾値uと、ステップS3で導出された係数ξ、σと、ステップS8で導出された疲労強度判定関数f(σ,σ)とに基づいて、(17)式を用いて、0から無限大までの介在物寸法範囲で積分を行い、それぞれの仮想セルにおける疲労強度超過確率pV0を導出する。
次に、ステップS10において、疲労強度超過確率導出部205は、全疲労強度超過確率導出処理を行う。具体的に疲労強度超過確率導出部205は、ステップS9で導出された個々の仮想セルにおける疲労強度超過確率pV0に基づいて、(20)式の計算を行って、全ての仮想セルからなる機械部品全体の疲労強度超過確率pfVを導出する。
次に、ステップS11において、疲労強度超過確率出力部206は、全疲労強度超過確率出力処理を行う。具体的に疲労強度超過確率出力部206は、オペレータによる指示に基づいて、ステップS10で導出された機械部品全体の疲労強度超過確率pfVを表示装置に表示したり、外部装置に送信したり、記憶媒体に記憶したりする。
以上のように本実施形態では、介在物寸法√areaの分布関数が一般パレート分布に従うものとして、機械部品の領域を、介在物が1つ含むように均等に区画した、仮想単位体積Vを有する仮想セルのそれぞれにおいて、作用応力の応力振幅σが、疲労強度の応力振幅σを超える確率(仮想セルの疲労強度超過確率pV0)を導出する。そして、この疲労強度超過確率pV0から、仮想セルの少なくとも1つにおいて、作用応力の応力振幅σが、疲労強度の応力振幅σを超える確率(機械部品の疲労強度超過確率pfV)を導出する。したがって、介在物を起点とする内部疲労破壊によって壊れる機械部品の疲労強度超過確率を算定することができる。よって、機械部品の内部に存在する介在物の分布と、機械部品内部の応力の分布との双方を考慮して機械部品の疲労設計を行うことを、多数の疲労試験を行わずに実現することができる。
この手法は、例えば、目標となる機械部品の疲労性能や破壊確率を満たすための介在物制御、硬さ制御、残留応力制御、形状、使用条件等による設計応力の検討等、幅広い用途に適用することが可能であると考えられる。さらにこの手法は、個々のパラメータが他のパラメータに対してどの程度の影響があるかを明確にすることが出来、従来ばらばらに検討されてきたパラメータの効果を統一的に表現することができる。したがって、この手法は、機械部品の疲労設計に有効なツールとなり得る。また、この手法は、部位によって硬さの異なる材料の評価や、介在物種が疲労強度に及ぼす影響の違いを考慮した評価にも応用することが可能である。さらには、この手法は、コイルばね等の様々な機械部品にも適用することができる。
ここで、1つの仮想セルの応力分布は略一様であることが必要である。しかしながら、介在物の数が少なかったり、機械部品の内部に急峻な応力勾配があったりする場合には、応力分布に対して仮想単位体積Vが大きくなることがある。このような場合には、仮想セルの少なくとも1つにおいて、仮想単位体積Vを複数に均等に分割してサブ仮想セルを設定するサブ仮想セル設定処理を行うことができる。このようにした場合、サブ仮想セルにおける疲労強度超過確率pDjは、以下の(21)式で表される。
Figure 0005445727
(21)式において、VDjは、サブ仮想セルの体積であり、σpi,jは、各サブ仮想セルに作用する作用応力の応力振幅である。そして、サブ仮想セルの個数をNとすると、仮想セルにおける疲労強度超過確率pV0は、以下の(22)式により導出され、機械部品の疲労強度超過確率pfVは、以下の(23)式により導出される。(22)式に示すように、仮想セルにおける疲労強度超過確率pV0は、(21)式に示す各サブ仮想セルにおける疲労強度超過確率pDjを積算したものとなる。また、(23)式に示すように、機械部品の疲労強度超過確率pfVは、全ての仮想セルが疲労破壊しない確率を1から減じたものとなる。
Figure 0005445727
尚、(21)式〜(23)式では、介在物寸法√areaの分布関数がパレート分布又はベータ分布の場合について示した。しかしながら、(21)式〜(23)式の介在物寸法√areaの密度関数h(x,σ,ξ,u)を密度関数h(x,σ,u)とすれば、介在物寸法√areaの分布関数が指数分布の場合にも適用することができる。
以上のようにすれば、介在物の数が少なかったり、機械部品の内部に急峻な応力勾配があったりする場合であっても、機械部品全体の疲労強度超過確率pfVを適切に導出することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
まず、実施例1について説明する。
本実施例では、機械部品として、その表面に圧縮残留応力が導入されているコイルばねを用いた。コイルばねを構成する材料として、強度1900[MPa]級(ビッカース硬さHv=700)の二種類の高張力ばね鋼(材料A、B)を用いた。これらの材料は、その内部に存在する介在物を起点とする疲労破壊が起こることが知られている材料である。材料Aは、介在物の密度が(相対的に)高い部位から採取した材料であり、材料Bは、介在物の密度が(相対的に)低い位置から採取した材料である。これら2つの材料A、Bを伸線し、線径が3.3[mm]、外径が22[mm]、巻き数が7のコイルばねを10本ずつ作製し、これらのコイルばねのそれぞれに、同様のショットピーニング処理を施し、コイルばねの表面に残留応力を導入した。
図10は、コイルばねの素線表面からの距離(深さ)と、コイルばねの残留応力の応力振幅との関係を示す図である。本実施例では、図10に示す残留応力がコイルばねに導入されている。
体積2500[mm]の材料Aについてスライム抽出法を用いて、鉄の部分を溶かし、介在物のみを抽出した。この結果、介在物寸法√areaが20[μm]以上の介在物が材料Aに対して100個抽出された。体積7500[mm]の材料Bについてもスライム抽出法を用いて、鉄の部分を溶かし、介在物のみを抽出した。この結果、介在物寸法√areaが20[μm]以上の介在物を抽出すると100個であった。
介在物寸法の分布関数を調査したところ、抽出に要した体積は異なるものの、ほぼ同等の分布関数で実測データをフィットさせることが出来ることが分かった。
このときに用いた近似関数は、極値統計関数として一般パレート分布に属する指数分布であり、最尤法によって近似関数を得た。これにより得られた係数σは5.67(σ=5.67)でった。また、閾値uとして20(u=20)を用いた。
一方、評価に用いるコイルばねの体積Vは、巻き数が7であることからV=4006[mm]である。このコイルばねを荷重300[N]でばね疲労試験装置に取り付け、試験荷重範囲を350[N]として疲労試験を行った。
この結果、材料Aでは5億回の繰り返し負荷試験で7本疲労破壊したが、材料Bでは3本のみが疲労破壊した。
この実験結果を用いて、コイルばね全体の疲労強度超過確率pfVを予想した。
材料A、Bの介在物寸法√areaの分布関数から、材料Aの仮想単位体積V0Aとして0.733[mm]、材料Bの仮想単位体積V0Bとして2.1[mm]がそれぞれ得られた。
次に、材料Aのコイルばねについては、評価対象のコイルばね中に存在すると想定される介在物の数と同じ3409個の仮想セルで、当該コイルばねを区画した。材料Bのコイルばねについては、介在物の密度が材料Aの1/3であることから、材料Aの1/3の数の仮想セルで、当該コイルばねを区画することができる。しかしながら、ショットピーニングによるばね断面内の残留応力分布を詳細に表現するには仮想セルの大きさが大きすぎて、1つの仮想セルの中で大きな応力分布が生じてしまう。このことから、材料Bのコイルばねについては、1つの仮想セルを3分割したサブ仮想セルで、当該コイルばねを区画した。
図11は、コイルばねに対して設定される仮想セルの(一部)を概念的に示す図である。
等ピッチで巻かれたコイルばねは、素線の長さ方向に一様な応力状態となる。このため、素線の長さ方向については仮想セルにより区画しなかった。一方、素線の断面については、各仮想セルで、その位置の応力を再現できるよう細かく区画した。材料Aのコイルばねについては、3409個の仮想セルを用いるので、材料Aのコイルばねは、ところてん状の3409個の仮想セルで区画される。材料Bのコイルばねについては、この仮想セルを更に3つのサブ仮想セルで区画するので、ところてん状の10227個(=3409×3)のサブ仮想セルで区画される。これらの仮想セル及びサブ仮想セルのそれぞれの応力分布は一様となる。また、サブ仮想セルにおける介在物存在確率は、仮想セルの介在物存在確率の1/3倍である。
次に介在物起点の内部疲労破壊の疲労強度の推定方法として、広く用いられている村上の式を疲労強度推定式として用いることにした((12)式を参照)。尚、村上の式は疲労限を推定する式であるが、本発明者らの実験結果から、略10〜1010回程度の疲労強度に対応することが分かっている。また、10〜1010回での疲労強度の変化は極めて小さく数%以下であることも確認されている。
また、疲労評価に用いる応力は最大主応力の応力比と振幅を用いた。
コイルばねの内部の応力分布の状態は、繰り返し負荷でコイルばねの内部に生じる変動応力として、コイルばねのワールの理論によって推定できる応力に、静応力としてショットピーニングによる残留応力と、コイルばねの長さを固定するために必要な荷重に対応するねじり応力とを足し合わせて計算することができる。
図12は、以上の条件で推定した材料A、Bのコイルばね全体の疲労強度超過確率pfVと、各コイルばねの実験結果(5億回疲労破壊確率)を示す図である。
図12において、実線が、材料Aのコイルばね全体の疲労強度超過確率pfVであり、白丸が材料Aのコイルばねの実験結果(5億回疲労破壊確率)である。また、破線が材料Bのコイルばね全体の疲労強度超過確率pfVであり、黒丸が材料Bのコイルばねの実験結果(5億回疲労破壊確率)である。図12に示すように、コイルばね全体の疲労強度超過確率pfVと実験結果はよく一致していることが分かる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。本実施例では、曲げモーメントを負荷しつつ、表面に繰り返し引張・圧縮力を負荷する回転曲げ試験を行った場合を説明する。
本実施例では、機械部品として、その表面にショットピーニングにより圧縮残留応力が導入されている丸棒試験片を用いた。丸棒試験片を構成する材料として、強度2200[MPa]級(ビッカース硬さHv=750)の高張力鋼を用いた。この材料は、その内部に存在する介在物を起点とする疲労破壊が起こることが知られている材料である。
この材料で、平行部の長さが200[mm]、平行部の径が3.3[mm]の中村式回転曲げ試験に用いられる丸棒試験片を作製した。これらの丸棒試験片に異なる条件のショットピーニング処理を施し、丸棒試験片の表面に導入する残留応力変化させてその疲労特性に及ぼす効果を確認した。
図13は、丸棒試験片の表面からの距離(深さ)と、丸棒試験片の残留応力の応力振幅との関係を示す図である。ここでは、丸棒試験片の表層付近の残留応力を測定し、測定した表層付近の残留応力から丸棒試験片の内部の残留応力パターンを求めた。残留応力パターンは、残留応力の大きさや深さ分布を変化させた5パターンであり、そのうちの1つは残留応力の無いものとした。
次に、体積3000[mm]の材料(丸棒試験片を構成する材料と同種の材料)についてスライム抽出法を用いて、鉄の部分を溶かし、介在物のみを抽出した。この結果、介在物寸法√areaが20[μm]以上の介在物が100個抽出された。
介在物寸法√areaの分布関数として、極値統計関数として一般パレート分布のうちのベータ分布を用い、最尤法によって近似関数を得た。これにより得られた係数ξは、−0.1(ξ=−0.1)であり、係数σは、6.1(σ=6.1)であった。また、閾値uとして20(u=20)を用いた。
次に、この材料の中村式回転曲げ試験片(直径が3.3[mm]、曲げ中央スパンが200[mm])の疲労強度超過確率pfVが50[%](=0.5)となる試験応力(試験片の表面における応力振幅)を、前述した本実施形態のフローチャートに基づく処理により推定した。表1に、疲労強度超過確率pfVが50[%](=0.5)となる丸棒試験片の表面における応力振幅と、当該丸棒試験片の破断確率(実験結果)とを示す。
Figure 0005445727
次に、この材料で中村式回転曲げ試験片(直径が3.3[mm]、曲げ中央スパンが200mm)を各10本作製し、計算結果の応力で3億回の回転曲げ試験を行った。この結果、破断した試験片の数の割合(破断確率)は、0.5(50%)に近くなり、推定した結果と実験結果が対応していることが明らかになった。
尚、表1において、ショットピーニングを行わないと疲労強度は低いが、多少のショットピーニングで大きな疲労強度の改善効果があることが分かる。また、表1において、ショットピーニングにより導入される最大圧縮残留応力の大きさの違い(残留応力の最大を2/3にしても疲労強度超過確率が50%となる応力振幅は変わらない)よりも、最大圧縮残留応力の分布の深さの違い(タイプ1とタイプ2の違い)によって、疲労強度が大きく変化することがあることを示している。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明は、例えば、機械部品の設計及び製造や、機械部品の破壊原因の推定に利用することができる。

Claims (11)

  1. 機械部品の破壊性能を評価する部品の破壊評価方法であって、
    前記機械部品を構成する材料と同種の材料からなるサンプルから、当該サンプルに含まれる介在物を抽出する介在物抽出工程と、
    前記介在物抽出工程により抽出された介在物の寸法である介在物寸法に基づいて、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数を導出する閾値超過介在物数導出工程と、
    前記介在物抽出工程により抽出された介在物の介在物寸法の分布関数が一般パレート分布に従うものとして、前記介在物抽出工程により抽出された介在物の介在物寸法と、前記閾値超過介在物数と、前記閾値と、に基づいて、前記一般パレート分布の係数を導出する係数導出工程と、
    前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が0(ゼロ)を超える介在物寸法の数であるゼロ超過介在物数との比である仮想介在物比率を導出する仮想介在物比率導出工程と、
    前記閾値超過介在物数と、前記仮想介在物比率と、前記サンプルの体積と、に基づいて、それぞれが前記介在物を1つ含む複数の仮想セルで前記機械部品を均等に区画した場合の当該仮想セルの体積である仮想単位体積を導出する仮想単位体積導出工程と、を有し、
    前記仮想単位体積導出工程により導出された仮想単位体積を有する仮想セルの単位で前記機械部品の破壊性能を評価する指標を導出し、導出した指標を用いて、前記機械部品の破壊性能を評価することを特徴とする部品の破壊評価方法。
  2. 予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに、前記仮想セルのそれぞれに作用する作用応力の応力振幅を導出する作用応力導出工程と、
    前記機械部品に存在する介在物を起点とする疲労強度であって、繰り返し負荷する所定の荷重の所定の繰り返し数に対する疲労強度として、前記介在物寸法と、前記機械部品の硬さ又は前記機械の部品の材料の強度と、前記機械部品の応力比とで表される疲労強度の式に、前記介在物寸法の分布関数が、前記係数導出工程により導出された係数を有する一般パレート分布に従うものとしてそれぞれ値を代入することにより、前記仮想セルのそれぞれにおける介在物寸法ごとの疲労強度の応力振幅を導出する推定疲労強度導出工程と、
    前記推定疲労強度導出工程により導出された疲労強度と、前記作用応力導出工程により導出された作用応力とに基づいて、前記作用応力が前記疲労強度を超えるか否かを示す疲労強度判定関数を、前記仮想セルのそれぞれについて導出する疲労強度判定関数導出工程と、
    前記係数導出工程により導出された係数を有する前記介在物寸法の密度関数と、前記仮想介在物比率と、前記疲労強度判定関数とに基づいて、予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに前記仮想セルに作用する作用応力が疲労強度を超える確率である疲労強度超過確率を、前記仮想セルのそれぞれについて導出する仮想セル疲労強度超過確率導出工程と、
    前記仮想セル疲労強度超過確率導出工程により導出された疲労強度超過確率に基づいて、予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに前記機械部品に作用する作用応力が疲労強度を超える確率である疲労強度超過確率を導出する全疲労強度超過確率導出工程と、
    前記全疲労強度超過確率導出工程により導出された疲労強度超過確率を出力する全疲労強度超過確率出力工程と、を更に有することを特徴とする請求項1に記載の部品の破壊評価方法。
  3. 前記介在物寸法は、前記サンプルの内部に存在する介在物の形状を平面に投影して得られる介在物の断面積の平方根をとった値、又は、前記サンプルの内部に存在する介在物の形状を所定の図形に近似させた場合の当該図形の代表的な寸法から得られる介在物の断面積の推定値の平方根をとった値であることを特徴とする請求項2に記載の部品の破壊評価方法。
  4. 前記作用応力は、前記機械部品の各位置での相当応力の振幅、又は、前記機械部品の各位置での主応力の変動が最大となる方向での主応力の振幅であり、
    前記応力比は、前記機械部品の各位置での相当応力の応力比、又は、前記機械部品の各位置での主応力の変動が最大となる方向での主応力の応力比であることを特徴とする請求項2に記載の部品の破壊評価方法。
  5. 前記仮想単位体積導出工程により導出された仮想単位体積を有する仮想セルの少なくとも1つを複数のサブ仮想セルに均等に分割するサブ仮想セル設定工程を更に有し、
    前記作用応力導出工程は、前記サブ仮想セルが設定された前記仮想セルについては、予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに、前記サブ仮想セルのそれぞれに作用する作用応力の応力振幅を導出し、
    前記疲労強度判定関数導出工程は、前記サブ仮想セルが設定された前記仮想セルについては、前記推定疲労強度導出工程により導出された疲労強度と、前記作用応力導出工程により導出された作用応力とに基づいて、前記作用応力が前記疲労強度を超えるか否かを示す疲労強度判定関数を、前記サブ仮想セルのそれぞれについて導出し、
    前記仮想セル疲労強度超過確率導出工程は、前記サブ仮想セルが設定された前記仮想セルについては、前記仮想単位体積と、前記サブ仮想セルの体積と、前記係数導出工程により導出された係数を有する前記介在物寸法の密度関数と、前記仮想介在物比率と、前記疲労強度判定関数とに基づいて、予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに、前記サブ仮想セルに作用する作用応力が疲労強度を超える確率である疲労強度超過確率を、前記サブ仮想セルのそれぞれについて導出し、それらを積算したものを、前記仮想セルにおける疲労強度超過確率として導出することを特徴とする請求項2に記載の部品の破壊評価方法。
  6. 機械部品の破壊性能を評価する部品の破壊評価装置であって、
    前記機械部品を構成する材料と同種の材料からなるサンプルから抽出された介在物の寸法である介在物寸法に基づいて、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数を導出する閾値超過介在物数導出手段と、
    前記抽出された介在物の介在物寸法の分布関数が一般パレート分布に従うものとして、前記抽出された介在物の介在物寸法と、前記閾値超過介在物数と、前記閾値と、に基づいて、前記一般パレート分布の係数を導出する係数導出手段と、
    前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が0(ゼロ)を超える介在物寸法の数であるゼロ超過介在物数との比である仮想介在物比率を導出する仮想介在物比率導出手段と、
    前記閾値超過介在物数と、前記仮想介在物比率と、前記サンプルの体積と、に基づいて、それぞれが前記介在物を1つ含む複数の仮想セルで前記機械部品を均等に区画した場合の当該仮想セルの体積である仮想単位体積を導出する仮想単位体積導出手段と、を有し、
    前記仮想単位体積導出手段により導出された仮想単位体積を有する仮想セルの単位で前記機械部品の破壊性能を評価する指標を導出し、導出した指標を用いて、前記機械部品の破壊性能を評価することを特徴とする部品の破壊評価装置。
  7. 予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに、前記仮想セルのそれぞれに作用する作用応力の応力振幅を導出する作用応力導出手段と、
    前記機械部品に存在する介在物を起点とする疲労強度であって、繰り返し負荷する所定の荷重の所定の繰り返し数に対する疲労強度として、前記介在物寸法と、前記機械部品の硬さ又は前記機械の部品の材料の強度と、前記機械部品の応力比とで表される疲労強度の式に、前記介在物寸法の分布関数が、前記係数導出手段により導出された係数を有する一般パレート分布に従うものとしてそれぞれ値を代入することにより、前記仮想セルのそれぞれにおける介在物寸法ごとの疲労強度の応力振幅を導出する推定疲労強度導出手段と、
    前記推定疲労強度導出手段により導出された疲労強度と、前記作用応力導出手段により導出された作用応力とに基づいて、前記作用応力が前記疲労強度を超えるか否かを示す疲労強度判定関数を、前記仮想セルのそれぞれについて導出する疲労強度判定関数導出手段と、
    前記係数導出手段により導出された係数を有する前記介在物寸法の密度関数と、前記仮想介在物比率と、前記疲労強度判定関数とに基づいて、予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに前記仮想セルに作用する作用応力が疲労強度を超える確率である疲労強度超過確率を、前記仮想セルのそれぞれについて導出する仮想セル疲労強度超過確率導出手段と、
    前記仮想セル疲労強度超過確率導出手段により導出された疲労強度超過確率に基づいて、予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに前記機械部品に作用する作用応力が疲労強度を超える確率である疲労強度超過確率を導出する全疲労強度超過確率導出手段と、
    前記全疲労強度超過確率導出手段により導出された疲労強度超過確率を出力する全疲労強度超過確率出力手段と、を更に有することを特徴とする請求項6に記載の部品の破壊評価装置。
  8. 前記介在物寸法は、前記サンプルの内部に存在する介在物の形状を平面に投影して得られる介在物の断面積の平方根をとった値、又は、前記サンプルの内部に存在する介在物の形状を所定の図形に近似させた場合の当該図形の代表的な寸法から得られる介在物の断面積の推定値の平方根をとった値であることを特徴とする請求項7に記載の部品の破壊評価装置。
  9. 前記作用応力は、前記機械部品の各位置での相当応力の振幅、又は、前記機械部品の各位置での主応力の変動が最大となる方向での主応力の振幅であり、
    前記応力比は、前記機械部品の各位置での相当応力の応力比、又は、前記機械部品の各位置での主応力の変動が最大となる方向での主応力の応力比であることを特徴とする請求項7に記載の部品の破壊評価装置。
  10. 前記仮想単位体積導出手段により導出された仮想単位体積を有する仮想セルの少なくとも1つを複数のサブ仮想セルに均等に分割するサブ仮想セル設定手段を更に有し、
    前記作用応力導出手段は、前記サブ仮想セルが設定された前記仮想セルについては、予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに、前記サブ仮想セルのそれぞれに作用する作用応力の応力振幅を導出し、
    前記疲労強度判定関数導出手段は、前記サブ仮想セルが設定された前記仮想セルについては、前記推定疲労強度導出手段により導出された疲労強度と、前記作用応力導出手段により導出された作用応力とに基づいて、前記作用応力が前記疲労強度を超えるか否かを示す疲労強度判定関数を、前記サブ仮想セルのそれぞれについて導出し、
    前記仮想セル疲労強度超過確率導出手段は、前記サブ仮想セルが設定された前記仮想セルについては、前記仮想単位体積と、前記サブ仮想セルの体積と、前記係数導出手段により導出された係数を有する前記介在物寸法の密度関数と、前記仮想介在物比率と、前記疲労強度判定関数とに基づいて、予め設定された荷重条件で繰り返し荷重を前記機械部品に与えたときに、前記サブ仮想セルに作用する作用応力が疲労強度を超える確率である疲労強度超過確率を、前記サブ仮想セルのそれぞれについて導出し、それらを積算したものを、前記仮想セルにおける疲労強度超過確率として導出することを特徴とする請求項7に記載の部品の破壊評価装置。
  11. 機械部品の破壊性能を評価することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記機械部品を構成する材料と同種の材料からなるサンプルから抽出された介在物の寸法である介在物寸法に基づいて、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数を導出する閾値超過介在物数導出工程と、
    前記抽出された介在物の介在物寸法の分布関数が一般パレート分布に従うものとして、前記抽出された介在物の介在物寸法と、前記閾値超過介在物数と、前記閾値と、に基づいて、前記一般パレート分布の係数を導出する係数導出工程と、
    前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が閾値を超える介在物の数である閾値超過介在物数と、前記サンプルの内部に含まれる介在物のうち、介在物寸法が0(ゼロ)を超える介在物寸法の数であるゼロ超過介在物数との比である仮想介在物比率を導出する仮想介在物比率導出工程と、
    前記閾値超過介在物数と、前記仮想介在物比率と、前記サンプルの体積と、に基づいて、それぞれが前記介在物を1つ含む複数の仮想セルで前記機械部品を均等に区画した場合の当該仮想セルの体積である仮想単位体積を導出する仮想単位体積導出工程と、をコンピュータに実行させ、
    前記仮想単位体積導出工程により導出された仮想単位体積を有する仮想セルの単位で前記機械部品の破壊性能を評価する指標を導出し、導出した指標を用いて、前記機械部品の破壊性能を評価することを特徴とするコンピュータプログラム。
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