JP5445665B2 - シート搬送装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような画像形成装置におけるシート搬送装置としては、例えば特開2004−338923号公報に記載されている従来技術を挙げることができる(特許文献1参照)。すなわち、同公報の図6および図7に示されているように、画像形成手段本体の下側に、各段にそれぞれ所定のサイズや紙種のシートを所定枚数積載して収容したシート収容手段としての給紙トレイを配置し、給紙トレイと画像形成手段本体との間には、選択された段である給紙トレイの略水平方向に1枚のシートを引き出して上方の画像形成手段本体に向けて給送するシート搬送装置を設けた構成としている。
けれども、上記のように構成したシート搬送装置では、厚紙等の記録紙や封筒のような剛性が高い特殊紙のシート(P)を搬送させようとすると、搬送経路の曲率部の曲率半径が小さいため、シート(P)がその曲率に従って撓みながら搬送されるときの抵抗が複写用の普通紙のようなシートと比べて格別に大きくなるため、高剛性の記録紙や特殊紙等のシート(P)を進行させることができず、ジャムや搬送不良を生じて安定した給送動作ができないという不具合があった。
換言すれば、上記給紙装置によれば、搬送されるシート上の変形箇所を、湾曲ガイド部材による1箇所の湾曲に集中させずに、その搬送方向における直線状ガイド部材の前後端付近である2箇所での湾曲に分散でき、しかも、直線状ガイド部材を略中間角度の斜め姿勢に設置して、これらの2箇所における湾曲の程度を略均等な同程度にしているので、その搬送時には搬送負荷の急激な上昇を抑制できるとしている。すなわち、シートがその進行方向を変えるため、湾曲される箇所は、上流側のローラ対から直線状ガイド部材に受け渡す箇所と、直線状ガイド部材から下流側のローラ対に受け渡す箇所との2箇所になり、少なくとも、それぞれの湾曲の程度が小さくなり、これに伴い各箇所で湾曲させたことによって生じる抵抗力を低く保てるので、搬送負荷が急激に上昇することを回避できるというものである。
この給紙装置によれば、反転ガイド部材に用紙後端が接触するときには、用紙後端が接する方向と概略同様な方向に反転ガイド部材が変位して、この変位によって、用紙後端が接触した際のショックを吸収できるので、弾き音を低減できるとしている。
このシート給送装置によれば、高剛性のシートは、その搬送時に、搬送路上を進んで曲率半径が大きい第1の曲率部を通過する際には、普通のシートと同程度に湾曲されることなく、普通シートに比べて、十分に緩やかに湾曲されて進み続けるので、その搬送時の抵抗が少なくでき、シートの停滞や遅延を生じることなく共通搬送路に到達させ搬送できるとしている。
このシート反転手段によれば、送り込まれたシートは前記の方向変更部位でその内側の接触部位が、ローラに必ず接することになり、しかもこのローラがシートの搬送方向の進行に伴い従動回転するので、従来のガイド板に比べて、搬送抵抗を軽減でき、つまり固定されたガイド部材と移動するシートとの間に生じる摩擦抵抗を解消して、前記の方向変更部位での搬送方向を変更するガイドができるとしている。
つまり、前記従来の構成では、上記の搬送不良やジャムを回避する効果が不十分であり、直線状のガイド部材では、たとえ搬送負荷の急激な上昇を抑制できても、搬送負荷を生じることには変わりがないといえる。特に、厚紙や封筒等の剛性の高い用紙(シート)を搬送する際には、上記の搬送不良やジャムおよび用紙後端のハネ音が顕著となってしまう。
請求項1記載の発明は、シートを第1のシート搬送方向に搬送する第1の搬送手段と、第1の搬送手段の第1のシート搬送方向の下流側に配置され、第1の搬送手段により搬送されてきたシートを第1のシート搬送方向と異なる第2のシート搬送方向に搬送する第2の搬送手段であって、第2の搬送手段は、第1の搬送手段と第2の搬送手段との間に形成される第1のシート搬送経路の内郭方向に配置され、回転駆動される回転搬送駆動手段と、第1のシート搬送経路の外郭方向に配置され、前記回転搬送駆動手段に当接して従動回転することによりシートを搬送するベルト搬送手段と、を有し、第1のシート搬送経路の内郭方向に配置され、第1の搬送手段から第2の搬送手段に至るまでの第1のシート搬送経路を形成する湾曲部を有する内郭のガイド部材と、第1のシート搬送経路の外郭方向に配置され、第1の搬送手段から前記ベルト搬送手段に至るまでの第1のシート搬送経路を形成する外郭のガイド部材と、を備えるシート搬送装置であって、前記ベルト搬送手段は、ベルトと、該ベルトを掛け回して走行可能に保持するように第2のシート搬送方向の最も下流側に配置される第1のベルト保持回転部材と、前記ベルトを掛け回して走行可能に保持するように第2のシート搬送方向の最も上流側に配置される第2のベルト保持回転部材と、を有し、シートの先端が、第1のベルト保持回転部材と第2のベルト保持回転部材に保持されている前記ベルト部分を除く該ベルトの搬送面に接触するように配置され、第2のベルト保持回転部材の軸中心は、第1の搬送手段の外郭に設けられる回転部材の下端より上方であって、前記外郭のガイド部材の第1のシート搬送方向の下流側の端部より下方に位置するように配置され、第1のベルト保持回転部材に前記ベルトを介して当接する前記回転搬送駆動手段は、該回転搬送駆動手段が回転する断面内において前記内郭のガイド部材の前記湾曲部と重なるように配置され、前記ベルトは、該ベルトの硬度が、40〜80度であり、かつ、前記ベルトの裏面に対する第1のベルト保持回転部材の外周表面の摩擦係数が、0.8〜2.6の範囲であり、なおかつ、前記各ベルト保持回転部材間に前記ベルトを巻き掛けたときにおける前記ベルト単体の周長からの伸張分の百分率割合である伸張率が、10〜5%の条件を満たすことを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、上記構成により、装置の小型化が図れるとともに、第1の搬送手段によりシートを搬送しつつ、ベルト搬送手段によりシートの先端が搬送される際に、ベルトの安定した適度な弾性変位・変形状態が得られることによって第2の搬送手段の挟持部に向けてシートの先端を安定した線速度で安定かつスムースに搬送できる。
画像形成装置本体2の上部であって、原稿読取装置4の下方に空間を形成するようにして、上記画像形成装置本体2を通過した用紙を排出・積載する排紙トレイ9が設置され、給紙装置3から排紙トレイ9に至るまで用紙Sを移動させる用紙搬送経路(シート搬送経路)としての用紙搬送路R1(以下、「搬送路R1」ともいう)が形成されている。この搬送路R1の大部分は、給紙装置3から画像形成装置本体2の上部に渡り、略水平線に対して略垂直上方向、すなわち略鉛直上方向に延在されていて、該搬送路R1上には、最小サイズの用紙Sに応じた所定間隔を確保して搬送ローラ対やコロ対などによって構成された幾つかのシート搬送手段としての用紙搬送手段が設けられている。これらの用紙搬送手段のうちの何れかの用紙搬送手段は、搬送路R1上の用紙Sを、挟持などによって必ず搬送し続けるように構成されている。さらに給紙装置3には、該給紙装置3の各段に収容された用紙Sを搬送路R1に給送・搬送するシート搬送装置としての用紙搬送装置5が設置されている。
感光体10Aの周囲には、図中矢印で示す回転方向に順に、現像装置12と、転写装置13と、感光体クリーニング装置18と、除電装置と、帯電装置14とが配置され、感光体10Aの反時計回りの回転方向におけるその1回転の範囲内に、これらの各装置12〜14それぞれによって、その上流から下流に渡って順次、現像位置、転写位置、クリーニング位置、除電位置、帯電位置が設定されている。
さらに、帯電位置と現像位置との間には、潜像形成位置が設定され、この潜像形成位置に所定のレーザ光を照射して、画像情報に応じた不可視の潜像を書き込むための露光装置47が、感光体ユニット10からやや離れた斜め下方に配置されている。そして、感光体10Aが所定の反時計回りに回転駆動されるとともに、この感光体10Aの回転に同期して各装置12〜14、および露光装置47が、それぞれ所定に連係した協働動作を行うことにより、一連の画像形成処理が実行される。
転写装置13は、略上下方向に所定に離間させて対向配置された2つの支持ローラ15,16と、これらの支持ローラ15,16間に張架された無端ベルトからなる転写ベルト17とで構成され、感光体10A外周表面上のトナー像を用紙Sに転写し、未定着のトナー像が転写された用紙Sを搬送路R1の下流側に搬送する。すなわち、下方の支持ローラ16は、その転写ベルト17を巻回した部分が、感光体10Aの略右斜め下方箇所に圧接されて、感光体10A表面と転写ベルト17とが接した箇所に、転写位置が設定されている。また、上方の支持ローラ15は、定着装置11の導入口の手前に配置されている。
除電装置は、所定強度の発光が可能なランプを主体に構成されており、このランプから除電位置に除電用の光を照射して、該除電位置を通過する感光体10A表面上の帯電状態を解除し、転写位置を通過した後の感光体10Aの表面電位を、初期状態に復帰させるようにしている。
なお、同図中の20は、新品・新規トナーを収容したトナーボトルなどからなるトナー収納容器であり、このトナー収納容器20から現像装置12まで、図示しないトナー搬送経路が形成されている。現像装置12が自身内のトナーを現像用に消費して不足した場合には、新規トナーがトナー収納容器20から現像装置12に補充されるようになっている。
また、原稿読取装置4には、コンタクトガラス57を覆う閉止位置と開放した開放位置とに開閉可能に構成された原稿押さえ板58が、読取装置本体4Aの上面に設置されている。すなわち、原稿押さえ板58は、コンタクトガラス57よりも大きな縦横寸法で形成され、その一端が図示しないヒンジで読取装置本体4Aの上面に開閉自在に支持されている。
他方、手差し給紙の場合には、手差しトレイ67上にセットされた用紙Sが、まず手差しトレイ用の給紙ローラ67Aの回転により繰り出され、用紙Sが複数枚積載・セットされた際には、同手差しトレイ用の分離ローラ67B,67Cによって1枚に分離されて、手差し給紙路R2に搬送され、さらに手差し給紙路R2から搬送路R1に搬送され、用紙Sの先端がレジストローラ対21に突き当たって一旦停止する。
そして、レジストローラ対21は、回転駆動された感光体10A上のトナー像の相対移動に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止した用紙Sを転写位置に送り込む。この結果として、この用紙S上に転写装置13によりトナー像が転写される。
次に、先願発明に係るシート搬送装置を適用した用紙搬送装置5(以下、「第1の例」ともいう)の特徴的な構成を説明する。
用紙搬送装置5は、図2および図3に示すように、図1に示した給紙装置3における所定段(この例では下段)の給紙トレイ51に積載・収容された多数枚の用紙Sから1枚の用紙Sを引き出し、引き出された用紙Sの用紙搬送方向(シート搬送方向)を変更し、略鉛直上方の画像形成装置本体2へ給送するものである。
ここで、第1および第2搬送手段6,7の各用紙搬送方向を厳密に表現すると、次のようである。すなわち、図4において、第1搬送手段6の用紙搬送方向は、フィードローラ61の回転中心と、リバースローラ62の回転中心と、フィードローラ61およびリバースローラ62の挟持部(ニップ部)の中心との3点を結ぶ線分におけるニップ部の中心に対して、直交する略水平方向に設定されている。
同様に、第2搬送手段7の用紙搬送方向は、グリップローラ81の回転中心と、プーリ83の回転中心と、グリップローラ81および搬送ベルト82の挟持部(ニップ部)の中心との3点を結ぶ線分におけるニップ部の中心に対して、直交する略鉛直上方向に設定されている。
ベルト搬送手段8は、第1搬送手段6により搬送されてきた用紙Sの先端が、プーリ83およびプーリ84に保持されている該搬送ベルト82部分を除く該搬送ベルト82の搬送面82aに当接(接触)するように配置することが肝要である。このように、プーリ84の軸中心(プーリ軸84aの中心)が、リバースローラ62の下端位置よりも上方であって搬送ガイド部材71の下流端の高さよりも下方に位置するようにしてベルト搬送手段8を配置することにより、用紙Sの先端が搬送ベルト82の腹の部分(いわば「有効搬送面」とも呼ぶべき部分である)に衝突することによって、搬送ベルト82の安定した適度な弾性変位・変形状態が得られ、用紙Sの先端の反発を招くことなく、用紙Sの先端が搬送ベルト82の搬送面82aに確実に当接した状態が保持されて、後述の作用効果を得ることができる。
これに対し、用紙Sの先端が、搬送ベルト82のプーリ83およびプーリ84に保持されている該搬送ベルト82部分に当接(接触)してもよいように配置すると、搬送ベルト82がプーリ83およびプーリ84に保持されている該搬送ベルト82部分は、一般的に搬送ベルト82の腹の部分よりも硬く弾性変位・変形状態も小さくなることから、用紙Sの先端が上記部分に当接した際には反発したり安定した適度な弾性変位・変形状態が得られなくなったりする点から好ましくない。これは、後述する先願発明を適用した各例等や、本願発明を適用した実施形態や変形例、実施例等でも同様である(以下、単に「以下、同様」ともいう)。
用紙Sの先端が、搬送ベルト82の搬送面82aに対して略垂直ないし直角の突入角度θをもって進入するように配置した場合には、用紙Sの先端部の搬送ベルト82の搬送面82aへの当接状態が不安定になる、例えば搬送ベルト82の走行方向と反対の方向に折れ曲がったり、反発を招いたりする点から、好ましくない(以下、同様)。
また、給紙トレイ51の底部には、所定形状の凹部が形成され、この凹部に、上昇アーム52が格納されている。上昇アーム52は、その基端部が前記凹部内に所定の角度範囲で回動自在、すなわち揺動可能に支持された水平軸52Aに固着されるとともに、この水平軸52Aには、図示しない回転駆動源から任意の回転方向の回転駆動力が伝達されて回動されることにより、上昇アーム52が水平軸52Aを中心として所定に傾斜した位置を占めるように揺動駆動される。これにより、上昇アーム52の自由端部が底板50を押し上げて、底板50上に載置された用紙Sの最上面の片側周縁を、所定の高さ位置に保つようになっている。
給紙トレイ51は、上述したように、給紙装置3の本体に対して着脱・挿脱自在に構成されている。すなわち、給紙トレイ51は、図1に示すように給紙装置3の本体内に挿入・装着されることで給紙可能となる装着位置と、給紙装置3の本体から図1において紙面の手前側に引き出され・離脱されることで、用紙Sの補充や用紙Sのサイズ交換等が可能となる離脱位置とを選択的に占めることが可能に構成されている。
また、少なくとも第1搬送手段6、第2搬送手段7、第1搬送手段6と第2搬送手段7との間に配置される用紙搬送経路(搬送路)は、給紙トレイ51を引き出したときに本体に残される。よって、本例では胴内排紙型の画像形成装置であるが、移動案内手段を設けることにより、上記搬送路を従来と同様の曲率またはそれ以下の曲率で搬送できるので、装置の幅方向を大きくすることなく、胴内排紙型の利点を減殺することを防ぐことができる。
ピックアップローラ60は、図3に詳しく示すように、図示しない芯金と一体的に形成された軸60aの周りに一体的に固着されていて、軸60aとともに回転自在になされた周知のもの、あるいは軸60aと前記芯金との間にワンウェイクラッチ(図示せず)を設けて、非駆動時には軸60aに対してフリーに回転するように支持されているものである。ピックアップローラ60の外周表面を含む外周部には、用紙Sと接触したときに容易にピックできるように用紙Sに対して摩擦係数の高いゴム等の軟質の高摩擦材料が用いられている。また、ピックアップローラ60の外周表面部は、適宜、摩擦抵抗を増大するために略鋸刃状の突起が全周に形成される場合もある。
フィードローラ61は、図示しない芯金と一体的に形成された軸61aの周りに一体的に固着されていて、軸61aとともに回転自在になされているか、あるいはピックアップローラ60と同様の支持方法を取られる場合もある。フィードローラ61の外周表面を含む外周部には、ピックアップローラ60と同様に用紙Sと接触したときにこれを容易に用紙搬送方向に送り出すことができるように用紙Sに対して摩擦係数の高いゴム等の軟質の高摩擦材料が用いられている。また、フィードローラ61の外周表面部は、適宜、摩擦抵抗を増大するために略鋸刃状の突起が全周に形成される場合もある。
リバースローラ62は、図示しない芯金と一体的に形成されていて、前記トルクリミッタを介して、リバースローラ駆動軸62aとともにハウジング80に回動自在に支持されている。
従って、リバースローラ62から該リバースローラ62に接した用紙Sに対して供給される搬送力は、用紙Sを元の積載位置に戻せる程度には十分な逆方向の搬送力を確保しながら、用紙Sを順方向に進めるためのフィードローラ61から用紙Sに供給される搬送力よりも、所定に小さく設定され、フィードローラ61による順方向の用紙搬送を妨げないようにしている。このため、謂わば、フィードローラ61から用紙Sに供給される搬送力は、リバースローラ62からの逆搬送力によって、減殺されている。
グリップローラ81の近傍には、このローラ81の外周面に搬送ベルト82を介して接するようにハウジング80に回転自在に軸支され、かつ、グリップローラ81の水平方向に対向して前記したプーリ83が配置されている。
プーリ83は、プーリ軸83aと一体的に形成されていて、プーリ軸83aとともにハウジング80に回転自在に支持されている。プーリ83の左斜め下方には、ハウジング80に回転自在に軸支された前記したプーリ84が配置されている。プーリ84は、プーリ軸84aと一体的に形成されていて、プーリ軸84aとともにハウジング80に回転自在に支持されている。プーリ83,84は、搬送ベルト82を走行・回転自在に支持・保持するベルト保持回転部材としての機能を有する。
このような開閉ガイド79を有する場合、プーリ83およびプーリ84は、各プーリ軸83a,84aとともに開閉ガイド79側に回転自在に支持される。なお、図3等に示す開閉ガイド79は、後述する実施形態の図18に示されていて複数に分割された搬送ベルト82を備えたベルト搬送手段8Aが配置されている開閉ガイド79Aと比較して、ベルト搬送手段8Aに代えて、少なくとも使用される用紙幅方向の用紙Sの全域あるいは両側端と接触可能に用紙幅方向に沿って延びてあるいは分割されて形成された搬送ベルト82を備えたベルト搬送手段8が配置されていることが主に相違する。
搬送ベルト82は、弾性部材である例えばゴム部材で形成されていて、その表面には、該ベルト自体の材質によって、または適宜の表面処理が施されて、使用される用紙S(シート)に対して所定の摩擦係数が設定されている。すなわち、搬送ベルト82は、用紙Sに対面して該用紙面に接する、その搬送面としてのベルト表面が、用紙面とベルト表面との間のすべり接触を回避して、ベルト表面から用紙面に搬送推進力を確実に伝達できる摩擦係数が設定されている。
なお、図11および図12を参照して説明する後述の実施形態ほどの効果をそれ程望まなくても良いのであれば、例えば駆動機構22からグリップローラ81を駆動する駆動系を除去してグリップローラ81を従動側とし、かつ、搬送ベルト82側を図示しない駆動機構で駆動するようにしてもよい。
図2および図3において、72は、第2搬送手段7を起点として略鉛直上方への縦搬送路における外郭側の位置に設けられた搬送ガイド部材であり、73は、給紙トレイ51からフィードローラ61とリバースローラ62との挟持部(ニップ部)へ到る用紙搬送経路を形成するとともに、同ニップ部に用紙Sを案内・進入させる導入口を形成した搬送ガイド部材である。また、搬送ガイド部材70は、第1搬送手段6および第2搬送手段7のニップ部同士を結ぶ線上を横切って略下方(外郭に設けられている搬送ガイド部材71側)に膨出した湾曲面(ガイド面70a)を備えており、その膨出の程度は、用紙Sの先端を必ずベルト搬送面に到達させるように、用紙Sを緩やかに湾曲させる程度に設定されている。
底板50上に積載された用紙Sは、図2に示すように、上昇アーム52の揺動・上昇動作によりその最上面が所定の高さになるよう持ち上げられ、先ず、ピックアップローラ60の回転によって最上面の用紙Sが引き出され、フィードローラ61とリバースローラ62とからなる給紙分離機構に搬送される。そして、前記給紙分離機構において、フィードローラ61とリバースローラ62とによる協働作用により最上面の1枚のみが分離され、この分離された1枚の用紙Sが用紙搬送経路の下流側へとさらに搬送されて、図2に示すように用紙Sの先端が搬送ベルト82のベルト搬送面に接触しつつ、搬送ベルト82の矢印方向の走行によって案内移動され、グリップローラ81と搬送ベルト82とのニップ部に到ると、グリップローラ81と搬送ベルト82とによって用紙Sが挟持搬送されつつさらに鉛直上方に搬送され、最終的に用紙Sは垂直姿勢にして送り出される。
他方、搬送ベルト81の搬送面82aはそのまま第2搬送手段7の挟持部(ニップ部)に連続して延びているので、ベルト搬送面に接した用紙Sの先端部は、確実かつスムーズに安定して挟持部に到達することになる。換言すれば、まず高剛性の用紙Sでもその先端部が必ずベルト搬送面に接する程度に緩やかに湾曲させながら用紙Sを第1搬送手段6によって搬送し、その用紙Sの先端部がベルト搬送面に接して該ベルト搬送面による能動的な搬送ガイド作用によって、該ベルト搬送面から用紙Sにその用紙搬送方向に進めるいわば第2の搬送推進力を得てから、該用紙Sの先端を第2搬送手段7の挟持部に到達させるように、より深く用紙Sを湾曲させるようにしている。
そして、本例では、移動案内手段としてのベルト搬送手段8は、搬送ベルト82により、第2搬送手段7の挟持部(ニップ部)に向かう方向に用紙Sの搬送方向を変えて移動・案内する機能も有する。
搬送ベルト82の材質:エチレン・プロピレンゴム(EPDM)
搬送ベルト82の硬度:JIS K6253 A型 40度
搬送ベルト82の用紙に対する摩擦係数:2.6
搬送ベルト82の厚さ(肉厚):1.5mm
プーリ83の直径:13mm
プーリ84の直径:7mm
プーリ83,84の間隔:13mm(プーリ軸83a,84aの軸間距離)
搬送ベルト82の伸張率:7%
各ローラ60,61,62,81の直径:全て20mm
用紙搬送装置5の第1搬送手段6と第2搬送手段7との間の湾曲した用紙搬送経路(第1搬送路A)中心での曲率半径は、従来方式およびベルト方式ともに約20mm一定にして実施した。
ここで、「メートル坪量」とは、紙、板紙(用紙)の重量を表示するとき、1平方メートル当たりの用紙1枚の重さをグラムで表したものに相当する。一般的に、坪量の少ない用紙は「軽い紙」あるいは「薄い紙」であり、坪量の多い用紙は「重い紙」あるいは「厚い紙」であるといえる。
表1の試験結果において、○印で示した「通紙良好」とは、給紙センサ88がオンして用紙(シート)の先端が検出されてから所定時間内に縦搬送センサ89に到達したこと、すなわち搬送良好であることを、×印で示した「通紙不可」とは、給紙センサ88がオンして用紙の先端が検出されてから所定時間内に縦搬送センサ89に到達しなかったこと、すなわち搬送不良であることを、それぞれ表している。
通紙・搬送状況の対比観察により、従来方式ではメートル坪量が256g/m2以上になると、用紙の腰が強くなって、前記湾曲した用紙搬送経路に沿って湾曲するのが難しくなり、図1〜図4を借りて説明すると、その用紙の先端がグリップローラ81に対向接触するローラ状のプーリ83に付き当たってしまうことが分かった。
また、紙種として、メートル坪量が256g/m2以上の用紙において、その表面部をコート処理したものと、コート未処理のものとを用いて、通紙・搬送状況の対比観察も行ったが、表1の試験結果以外の特筆する有意差は認められなかった。
それ故に、比較的剛性の高い用紙Sだけを用いて搬送する用紙搬送装置の場合、その必須の構成となるのは、上記した第1搬送手段6と、第2搬送手段7と、第1および第2搬送手段6,7の間に形成される第1搬送路A(この場合はガイド部材が不要)の外郭方向に配置され、用紙Sの先端と接触した状態を保持しつつ第2搬送手段7に向けて用紙Sを移動・案内するベルト搬送手段8(移動案内手段)とである。
上述のことから、第1搬送路Aを形成する上記各種ガイド部材は、比較的剛性の低い、例えば普通紙やPPC等の用紙Sを搬送する場合、その剛性の低い用紙Sの直進性の弱さ(厚紙等の比較的剛性の高い用紙Sと比べた場合の直進性である)を補い、搬送ベルト82の搬送面82aに導き・案内するために必要であると言える。別言すれば、用紙Sの剛性が低くなるほどその直進性の低下を補って、用紙Sの先端を搬送ベルト82の搬送面82aの腹の部分に確実に当接させるために、第1搬送路Aを形成する上記各種ガイド部材のガイド面の形状を設定する必要性があると言える。
換言すれば、その剛性が高くなる用紙S(メートル坪量が大きくなる用紙S)を用いる場合ほど、上述した比較的曲率半径の小さい曲率部の用紙搬送経路を構成する際に使用する種々のガイド部材の形状・配置等の設計に、自由度を持たせることが可能となる。
なお、搬送ベルト82の材質は、上記比較試験に用いたものに限らず、例えばクロロプレンゴムや、ウレタンゴム、あるいはシリコンゴムでもよい。また、搬送ベルト82の各ゴム硬度は、JIS K6253 A型 40〜60度でもよい。
従って、たとえ用紙Sの剛性が高くても、この剛性に打ち勝って、用紙Sを適宜、その厚さ方向に変形つまり湾曲させながら、用紙Sを下流の第2搬送手段の挟持部に向けて確実かつ安定して搬送できる。このように用紙Sが高剛性であることに起因した主要な搬送不良の要因に対処できるので、用紙Sの先端が第2搬送手段の挟持部に到達した以降の用紙搬送も確実かつ安定して持続できる。この結果、用紙搬送装置として、多種多様な紙種に対応することが可能となり、その搬送対応能力を拡充でき、高い用紙搬送性能が得られる。
図6に、先願発明を適用した第1の例の変形例を示す。
図6(a)に示すように、上流側に配置された第1搬送手段6の対向接触したローラ対の一方をベルト搬送手段8としてもよく、また図6(b)に示すように、第1搬送手段6および第2搬送手段7での対向接触したそれぞれのローラ対のうち、片側の双方をベルト搬送手段8,8’としてもよく、さらに図6(c)に示すように、上流側に配置された第1搬送手段6のローラ対の一方か、下流側に配置された第2搬送手段7のローラ対の一方か、の何れにも代替した移動案内手段(ムービングガイド)として、これらの2つのローラ対の間に、別体の独立したベルト搬送手段8を設けてもよい。
従って、上記変形例の何れによっても、少なくとも、上記した第1の例と同等の作用効果が得られる。
図7〜図9を参照して、先願発明を適用した第2の例を説明する。なお、図1〜図4に示した用紙搬送装置5と同一の構成要素・部材には、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化することにする。特に記載しないが、本例で説明しない構成、つまり用紙搬送装置や他の構成およびその動作などは、図1〜図4に示した第1の例および実施例1の用紙搬送装置5と同様である。
そこで、図8に示すように、給紙分離機構による用紙Sの1枚ずつの分離後、1枚の用紙Sは、搬送抵抗が少なくて済むよう緩やかな屈曲で搬送され、その先端が搬送ベルト82に当接する。
搬送ベルト82は、図8中の矢印a方向で示される略鉛直上(略真上)方向に向けて進むように走行しているため、搬送ベルト82に当接した用紙Sの先端は、図9に示すように、グリップローラ81と搬送ベルト82との挟持部(ニップ部)へと搬送され、グリップローラ81と搬送ベルト82との対により略鉛直上方向の下流側へと挟持搬送される。この際、上記したように用紙Sに対しては、搬送ベルト82からその搬送方向に進める搬送推進力が伝達され作用するとともに、搬送ベルト82によりグリップローラ81と搬送ベルト82とのニップ部に向かって方向が変えられるので、高剛性の用紙Sでも搬送不良を生じることなく、安定して搬送できる。
図10を参照して、先願発明を適用した第3の例を説明する。なお、第2の例と同一の構成要素・部材には、同一の符号を付して、説明を省略または簡略化することにする。特に記載しないが、第3の例で説明しない構成、つまり用紙搬送装置やその他の構成およびその動作などは、図7〜図9に示した第2の例の用紙搬送装置5と同様である。
すなわち、その搬送過程においては、少なくとも2つの支持点によって支持され強制的に用紙Sが湾曲され、その用紙Sの後端Se側が、一方の支持点としての第1搬送手段6の挟持部やガイド部材71などから外れると、先端側だけで支持され、その湾曲した用紙Sの弾性的な復帰力によって、用紙Sの後端Seが搬送ベルト82の搬送面82aに瞬時に衝突する。その際の衝撃は、用紙Sの剛性強度が高いほど大きくなる。このため、上記ハネ現象によって用紙Sの後端Seが搬送ベルト82に衝突して生じる突発音は、ユーザに不快感を生起させるだけでなく、故障が生じたとの誤認を招くおそれがある。すなわち、通常の用紙Sであるか高剛性の用紙Sであるかに拘わりなく用紙搬送が正常に行われていても、上記の突発音が生じることから、ユーザに、装置が不調であるかのような余計な疑念を与えるおそれがある。
特に、厚紙などのように高剛性の用紙Sを搬送した場合に、その用紙搬送方向における用紙Sの後端Seが搬送ベルト82に強く衝突するように接しても、該衝突による衝撃を搬送ベルト82の弾性的な変形によって吸収し緩和でき、その発生する衝撃音を十分に抑制できる。
従って、上記したように用紙搬送時の突発的な発生音を抑制できるので、ユーザの不快感を解消し、また故障が生じたとの誤認も回避した静粛性が得られ、装置の使用感を向上させることができる。
この構成の場合には、張力付与の機能に加えて、さらに、ベルト外周面をクリーニングする機能を兼用させた構成としてもよい。このようなベルトに対する張力付与機能とベルトの搬送面に対するクリーニング機能とを兼用させたテンション・ローラの構成によれば、そのベルトの搬送面を清浄に保つことができるので、ひいては画像品質の向上に寄与することが期待できる。すなわち、ベルト搬送面を清浄に保って、ベルトの搬送面に接する用紙の面を、同様に清浄に保つことができる。また、上記の所定位置を確保したうえで、テンション・ローラと、クリーニング・ローラとを別々に設けてもよく、さらに張力付与機能を主要な機能としないクリーニング機能を主体にしたクリーニング・ローラだけを設けてもよい。
これに対し、本発明の第1の実施形態等では、以下の内容により、グリップローラ81側を駆動側とし、搬送ベルト82側をグリップローラ81に対向接触して従動する従動側として明定した。
図11〜図20を参照して、第1の実施形態の用紙搬送装置5Aを説明する。図11および図12は、第1の実施形態の用紙搬送装置5Aにおける第1搬送手段6および第2搬送手段7の給送駆動手段(給紙駆動系)としての駆動機構22を簡略的に示している。図13〜図18は、第1の実施形態の用紙搬送装置5Aにおける第2搬送手段7のベルト搬送手段8A周りを詳細に示している。
図11〜図18等に示す第1の実施形態の用紙搬送装置5Aは、図1〜図4および図7〜図10に示した用紙搬送装置5と比較して、挟持搬送手段である第2搬送手段7の駆動・従動の関係を明定した点、およびベルト搬送手段8に代えて、ベルト搬送手段8Aを用い、その搬送ベルト82等が用紙幅方向Yの用紙Sの一部と接触するように用紙幅方向Yに断続的に構成されている点、搬送ベルト82の材質、後述する物性値等を特定した点が主に相違する。本実施形態の用紙搬送装置5Aは、上述した相違点以外は、図1〜図4および図7〜図10に示した用紙搬送装置5と同様である。
なお、図11では、駆動機構22を明確に示すため、グリップローラ81の配置間隔等を回転駆動軸81a方向に故意にずらせて不揃いに図示しているが、実際は搬送ベルト82に対向して等間隔に配置されていることは無論である。
給紙モータ23は、ハウジング80に固定されている。アイドラギヤ25,26,65は、それぞれハウジング80に回転自在に支持されている。
上述したとおり、本例においては、コンパクトで省スペースである用紙搬送装置5として構成、すなわち上記実施例1に例示したように第1搬送路Aが曲率半径の比較的小さな曲率部で構成されている関係上、給紙モータ23は、単一であり、第1搬送手段6および第2搬送手段7の駆動手段を兼用していて、装置のコンパクト化に寄与している。
なお、リバースローラ62の駆動は、例えばフィードローラ61に対する圧解除等を行うソレノイド等を備えていて別系統である。図11において、62bは、図1〜図4に示した例において、図示しないトルクリミッタと説明したものを表している。
実際の駆動機構22では、給紙モータ23ないしフィードローラ61間にはより多くのギヤおよびタイミングベルト等の駆動力伝達部材が適宜配設されているが、ここではグリップローラ81が回転搬送駆動部材であることを明示するためその一例を両図に簡略的に示した。
用紙搬送装置5Aのベルト搬送手段8Aは、図1〜図4および図7〜図10に示した用紙搬送装置5のベルト搬送手段8と比較して、搬送ベルト82の材質、物性値(弾性部材としてのゴム硬度(硬さ)、伸張率)および厚さを下記のように特定した範囲のものを用いる点、プーリ軸83a上に固着された3個のプーリ83に代えて、3個のプーリ83がプーリ軸83b上に回転自在に支持されている点、プーリ軸84a上に固着されたプーリ84に代えて、3個のプーリ84がプーリ軸84b上に回転自在に支持されている点、各プーリ83,84がポリアセタール樹脂等の樹脂で形成されている点、各プーリ83,84を回転可能に軸支・支持する支持部材としてのベルト支持部材86を用いている点、その軸方向に長く連続したプーリ軸84aに代えて、その軸方向に長さの短い金属製の3本のプーリ軸84bを用いている点および後述する特徴が主に相違する。
搬送ベルト82の材質としては、上記のものに限らず、例えばクロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム(U)またはシリコンゴムもしくはシリコーンゴム(Q)の何れか一つから形成されているものを使用してもよい。
すなわち、各プーリ軸83b,84bは、その軸間距離を一定に保持するように、ベルト支持部材86に固定・支持されている。このとき、各プーリ83,84間に搬送ベルト82を巻き掛けるときの搬送ベルト82の周長が、搬送ベルト82単体の周長よりも大きくなるように各プーリ軸83b,84bをベルト支持部材86に配設・支持したことも特徴点となっている。上記構成により、搬送ベルト82は、ベルト搬送手段8Aとしてベルト支持部材86に組んだ場合、搬送ベルト82単品の周長より組み付けた後の周長の方が大きくなるよう、搬送ベルト82をその弾性により伸ばして使用していることとなる。
図14に示すように、ベルト支持部材86のバネ台座86aと開閉ガイド79に固設されたバネ受け部材93との間には、ベルト支持部材86の背面を付勢することにより、搬送ベルト82を図14に示すグリップローラ81に常に圧接する向きに付勢する付勢手段としてのバネ(圧縮バネ)92が装着されている。
図14および図17を参照して、バネ92の一端がベルト支持部材86を加圧していることは上述したが、その他端はバネ加圧台94に支持・係止されている。バネ加圧台94は、バネ92の付勢力の向きに沿ってバネ受け部材93に形成されたスリット93aに対し、移動かつ任意の位置にて固定できるよう構成されている。同図では、ネジで締結・固定されている例を示す。この構成により、それぞれ3箇所において、バネ92の圧縮長さを任意に変えられることで、バネ92の付勢力としてのバネ荷重、すなわちその加圧力を変更可能に構成されている。本実施形態の例では、2個のバネ91のバネ荷重、バネ長さ、形状等のバネ仕様は、同一のものを使用している。同様に、3個のバネ92のバネ荷重、バネ長さ、形状等のバネ仕様は、同一のものを使用している。
このような本実施形態におけるベルト搬送手段8A周りの基本的な構成において、搬送ベルト82には適正な条件が存在し、その適正条件を決める際に考慮するべき項目としては、次の点が挙げられる。すなわち、
(1)伸張率を高くして、搬送ベルト82を従動回転させた際の回転負荷
(2)伸張率を低くして、搬送ベルト82を使用した際の搬送ベルト82の弛みが挙げられる。
また、搬送ベルト82として、高硬度のものを高い伸張率で使用すると、搬送ベルト82のテンションが大きくなるとともに搬送ベルト82を介して各プーリ83,84に掛かる回転負荷(荷重負荷)が増大することにより、搬送ベルト82を回転させるトルクが必要以上に大きくなってしまい、グリップローラ81に追従して連れ回ることが難しくなり、すなわちグリップローラ81に対して搬送ベルト82がスリップし、グリップローラ81の線速度(以下、「線速」ともいう)と比べて搬送ベルト82の線速が遅くなることで、狙い通りの搬送ベルト82の線速が出ず、本発明の効果が発揮できない。
上記閾値を基準として、搬送ベルト82の伸張率と硬度との各パラメータの組み合わせが、どのような範囲において用紙(シート)の保持・安定搬送に適しているか否かの試験評価を行った。その評価結果を下表2に示す。
実施例2に特別の試験条件としては、搬送ベルト82の厚さを、1.5mm一定とした。この他の実施例2の試験条件は、プーリ軸83b,84bの軸間距離13mm一定で、かつ、グリップローラ81の線速一定であり、常温環境等および用紙種類としてメートル坪量が6種類の用紙を搬送可能とすることを含め、実施例1の試験条件と同一である。
ベルトの伸張率という考え方は、ベルト保持回転部材としてのプーリ間の軸間距離が固定されていて一定のものに適用され、ベルトテンショナーなどと呼ばれていて部品点数が多く複雑で高価な周知の専用の手段により、ベルトにテンションを付与するものには適用されない。これに対し、本発明の移動案内手段としてのベルト搬送手段は、軸間距離が一定のプーリ83,84間に搬送ベルト82を単に巻き掛け伸張させる、という部品点数が少なく簡単な構成でかつ安価なものであり、従来のシート搬送装置および画像形成装置等には無い新規なものである。
○:搬送ベルト82の線速がグリップローラ81の線速と略同一であること(搬送ベルト82の狙い通りの線速が得られたこと)を表しており、実用上問題なく使用可能なオーケーレベルの組み合わせ範囲である。
△:外観観察の結果、図19(a)に破線で示すように、搬送ベルト82の伸張率が4%の場合に、各プーリ83,84間のストレート部分の搬送ベルト82が外側に膨らんでしまった(膨出した)ことを表している。それ故に、例えば図1における給紙装置3において、下段の給紙トレイ51の下方にさらに下段給紙トレイが配置されていて、搬送ガイド部材71が第2搬送路Bとガイドとを兼ねている本実施形態の構成の場合、図19(b)に破線で示すように、搬送ベルト82が搬送ガイド部材71に干渉してしまう。
しかしながら、下段給紙トレイからの用紙搬送路が無い場合(図1〜図4参照)には、図19(b)において実線で示されている搬送ガイド部材71を、破線で示す搬送ベルト82と干渉しない程度に図において左側にずらして配置すれば実用上問題がなくなるため、使用可能である。何故ならば、搬送ガイド部材71の下流端71cと搬送ベルト82までの用紙搬送方向の距離が離れていても、シート先端の移動案内に関しては問題はないからである。
硬度40° ⇒ 伸張率5〜10%
硬度60° ⇒ 伸張率5〜7%
硬度80° ⇒ 伸張率5%
の条件で搬送ベルト82の硬度と伸張率とを設定すれば良いことが分かった。また、ゴム硬度が小さい場合、伸張率を大きくとっても搬送ベルト82の連れ回りに与える影響は小さいことが分かった。
但し、硬度40〜80°の何れにおいても、伸張率4%は評価結果△であり、上述した特別条件付きで採用可能である。
上記相違点以外は、実施例2と同様である。すなわち、本実施例における搬送ベルト82の厚さ、伸張率およびゴムの硬度に関して、必要な閾値・評価基準としては、搬送ベルト82の線速がグリップローラ81の線速と略同一であること(搬送ベルト82の狙い通りの線速が得られること)を意味する。上記閾値を基準として、搬送ベルト82の厚さと伸張率とゴムの硬度との各パラメータの組み合わせが、どのような範囲において用紙(シート)の保持・安定搬送に適しているか否かの試験評価を行った。その評価結果を図22〜図26に示す。なお、図22、図24および図26においては、一部、実施例2と同一の試験・評価結果が含まれていることを付記しておく。すなわち、搬送ベルト82の厚さが1.5mmであって、搬送ベルト82のゴムの硬度が40°、60°、80°、搬送ベルト82の伸張率10〜4%の各パラメータの組み合わせた場合の評価結果は、実施例2と同一である。
上記以外の実施例3の試験条件は、実施例2と同様である(プーリ軸83b,84bの軸間距離13mm一定で、かつ、グリップローラ81の線速一定であり、常温環境等および用紙種類としてメートル坪量が6種類の用紙を搬送可能とすることを含め、実施例1および2の試験条件と同一である)。
搬送ベルト82の厚さは、ゴムの硬度と伸張率との関係で異なるが、図22〜図26に示されている試験評価結果からは1.5mm以上あれば良いことが分かる。しかしながら、搬送ベルト82の材料の節減・省資源化、これに伴うコストおよび手動による搬送ベルト82のプーリ83、84への組み付け・装着作業性等を総合的に勘案した場合、自ずとその上限値が制約され得ることは言うまでもない。
そこで、上述したフランジ形状101の高さh1が通常1.0mm程度である点、および上記耐久試験結果により判明した、搬送ベルト82の厚さh2の変化量の最大値が−0.42mm程度である点を考慮して、搬送ベルト82の外周表面がフランジ形状101の外周面より0.5mm(h2−h1=0.5)の厚さの分だけ突出するように搬送ベルト82の厚さh2を決定した。つまり、搬送ベルト82の厚さh2の実用上の下限値を1.5mmに設定することにした。
なお、フランジ形状101の高さh1を例えば0.5mmに設定したような場合、搬送ベルト82がフランジ形状101に乗り上げて外れやすくなるため、1.0mmに設定した。フランジ形状101の高さh1の設定は、フランジ形状101自身および搬送ベルト82の厚さ設定に伴う材料の節減等を考慮しなくてもよいのであれば、1.0mmの設定に限定されないことは言うまでもない。
なお、一般的にゴムの硬度が高くなると、通紙耐久試験結果から搬送ベルト82の磨耗量は低下する傾向にあることが分かっている。また、比較的剛性の高い用紙、例えばメートル坪量が256g/m2(表1参照)以上の用紙を通紙した場合の搬送ベルト82の厚さ変化量の最大値については、上記通紙耐久試験で使用した硬度40°の搬送ベルトでは普通紙等の場合より若干大きくなる可能性はある(普通紙等と同線速の場合)。しかし、上記比較的剛性の高い用紙の場合は、定着時の熱容量を確保するためにその線速を普通紙等の線速よりもかなり遅くするため(普通紙等の線速の約3分の1の線速)、機械寿命内の通紙枚数であれば普通紙を通紙した場合の搬送ベルト厚み変化量の最大値と実用上同程度になるものと考えられる。または、比較的剛性の高い用紙に併せて搬送ベルト82の硬度を高めに設定しておくことでも対応することが可能であると考えられる。
搬送ベルト82の外周表面には、通常、金型の凹凸形状模様にて、シボ(絞)加工を施すのが一般的である。なお、ベルトの厚さの精度向上のための研磨目を付けるベルト研磨は、用紙の紙粉付着対応のために行っている。搬送ベルト82の外周表面が平滑でつるつるの状態であると、グリップローラ81の駆動回転に対し連れ回りせず、スリップの可能性がある。シボ加工とベルト研磨とでは、表面処理方法が異なり、またシボ加工がベルト研磨より安価に済むという違いもある。
第2に、ベルト搬送手段8Aの搬送ベルト82は、駆動機構22により回転駆動されるグリップローラ81(回転搬送駆動手段・回転搬送駆動部材)と直接接触して連れ回る構成であるので、搬送ベルト82側を駆動する場合よりもグリップローラ81側を駆動した方が、搬送ベルト82の線速度のばらつきを小さくできる。これにより、第1搬送路A(用紙搬送経路)のターンの外側(外郭方向)に第2搬送手段7の挟持部に向けて回転する搬送ベルト82を配置することで、第1搬送路Aのターン部での厚紙等の比較的剛性の高い用紙搬送性の向上を可能とし、搬送ベルト82と対向し直接接触するグリップローラ81を駆動し、搬送ベルト82を連れ回りさせることで、安定した線速度で用紙を第2搬送手段7以降に搬送させることが可能となる。
この場合、搬送ベルト82の線速度は、搬送ベルト82の内側に設けたプーリ83の外径および回転数以外に、構成部品バラツキによる搬送ベルト82の厚さのばらつき、搬送ベルト82の磨耗による厚さの影響、あるいは搬送ベルト82とプーリ83との間のスリップの影響を受ける。このため、搬送ベルト82側を駆動するよりグリップローラ81側を駆動した方が、搬送ベルト82の線速度のばらつきを小さくできる。
これにより、第1搬送路Aのターン部での厚紙等の比較的剛性の高い用紙搬送性の向上を可能とした用紙搬送装置において、機構がシンプルで、省スペース、低コスト化を実現できる。その他、上述した発明の効果の欄に記載した効果も奏する。
第4に、搬送ベルト82の裏面に対するプーリ83の外周表面の摩擦係数を0.8〜2.6の範囲に設定したので、搬送ベルト82を安定して回転させることができるとともに、安定して用紙をグリップすることができる。
すなわち、上記の実施形態や変形例等では、その互いに異なる用紙(シート)搬送方向として、略水平方向からこれに対する垂直方向の上向き(略鉛直上方向)に変更する例を説明したが、これに限られることなく、略水平方向から垂直方向の下向き(略鉛直下方向)に変更したり、垂直方向の下向きか、上向きの何れかから略水平方向に変更したり(例えば、図21(a)参照)、あるいは両方が斜め方向等であったりしてもよい。
また、ローラ部材やコロ部材を配置していない前記のいくつかの間隔に、それぞれ上記した各実施形態における外郭方向および内郭方向のいくつかのガイド部材が形成したガイド面を位置させた構成としてよい。これらのガイド面としては、搬送方向の搬送中心線に対して適宜の規則的な対称に配置されていれば、用紙(シート)搬送方向に帯状のガイド面を形成したり、略線状のガイド面を形成したり、適宜、これらを混在させてもよい。
カラー複写機では、転写体で用紙(シート)を搬送しながら順次転写して重ね合わせる直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置や、中間転写体としての無端状の中間転写ベルトに転写した後、用紙に一括転写するタンデム型の画像形成装置においても同様に適用し実施することができる。無論、無端ベルト状の感光体が単一の画像形成装置においても同様に適用し実施することができる。
本発明は、孔版印刷機等を含む印刷装置において、シート収容手段(給紙トレイ)やシート積載手段(給紙台)からシート(用紙)を印刷部本体に搬送して供給するシート搬送装置にも適用してもよい。
さらには、画像形成装置として、複写機に限られることなく、ファクシミリ、プリンタ、インクジェット記録装置、印刷装置、原稿から画像を読み取るスキャナを有し画像読取機能を主体にした画像読取装置等またはそれらのうちの少なくとも二つを組み合わせた複合機等に適用してもよい。何れにしても、多種多様な紙種としてのシート種類を搬送対象にして、このシートの搬送経路上で省スペース化を図りながら、そのシート搬送方向を変更する必要がある機器や装置において、最適なシート搬送装置とすることができる。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するための手段の欄に記載した請求項1ないし8の何れか一つに記載のシート搬送装置であってもよいし、また請求項1ないし8の何れか一つに記載のシート搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置であってもよい。さらに、本発明は、前記画像形成装置が、複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機およびインクジェット記録装置の何れか一つ、またはそれらの少なくとも二つを組み合わせた複合機であってもよい。
2 画像形成装置本体
3 給紙装置
4 原稿読取装置
5,5A 用紙搬送装置(シート搬送装置)
6 第1搬送手段(第1の搬送手段)
7 第2搬送手段(第2の搬送手段)
8,8A ベルト搬送手段(移動案内手段)
9 排紙トレイ
10 感光体ユニット
10A 感光体
11 定着装置
12 現像装置
13 転写装置
21 レジストローラ対
22 駆動機構
23 給紙モータ
50 底板(シート積載手段)
51 給紙トレイ(シート収容手段)
60 ピックアップローラ
61 フィードローラ(第1の搬送手段の対向対の一方)
62 リバースローラ(第1の搬送手段の対向対の他方、搬送回転部材)
67 手差しトレイ
70 搬送ガイド部材(内郭のガイド部材)
71 搬送ガイド部材(外郭のガイド部材)
72 搬送ガイド部材(縦方向搬送路の外郭側、ガイド部材)
72a ガイド面
72b 搬送ガイドリブ
73 搬送ガイド部材(給紙トレイから搬送経路への導入口形成用)
79 開閉ガイド(シート搬送装置本体)
80 ハウジング(シート搬送装置本体)
81 グリップローラ(回転搬送駆動手段、第2の搬送手段の対向対の他方)
81a グリップローラの回転駆動軸
82 搬送ベルト(ベルト)
82a 搬送ベルトの搬送面(ベルトの搬送面)
83 プーリ(第1のベルト保持回転部材、ベルト搬送手段の構成部材)
83a,83b プーリ軸(ベルト保持回転部材の下流側の軸)
84 プーリ(第2のベルト保持回転部材、ベルト搬送手段の構成部材)
84a,84b プーリ軸
86 ベルト支持部材(支持部材)
91,92 バネ(付勢手段)
A 第1搬送路(第1のシート搬送経路)
B 第2搬送路(第2のシート搬送経路)
R1 搬送路
R2 手差給紙路
R3 反転搬送路
S 用紙(シート・シート状記録媒体、被画像形成媒体)
Y 用紙幅方向(シート幅方向)
θ 突入角度
Claims (9)
- シートを第1のシート搬送方向に搬送する第1の搬送手段と、
第1の搬送手段の第1のシート搬送方向の下流側に配置され、第1の搬送手段により搬送されてきたシートを第1のシート搬送方向と異なる第2のシート搬送方向に搬送する第2の搬送手段であって、第2の搬送手段は、第1の搬送手段と第2の搬送手段との間に形成される第1のシート搬送経路の内郭方向に配置され、回転駆動される回転搬送駆動手段と、第1のシート搬送経路の外郭方向に配置され、前記回転搬送駆動手段に当接して従動回転することによりシートを搬送するベルト搬送手段と、を有し、
第1のシート搬送経路の内郭方向に配置され、第1の搬送手段から第2の搬送手段に至るまでの第1のシート搬送経路を形成する湾曲部を有する内郭のガイド部材と、
第1のシート搬送経路の外郭方向に配置され、第1の搬送手段から前記ベルト搬送手段に至るまでの第1のシート搬送経路を形成する外郭のガイド部材と、を備えるシート搬送装置であって、
前記ベルト搬送手段は、ベルトと、該ベルトを掛け回して走行可能に保持するように第2のシート搬送方向の最も下流側に配置される第1のベルト保持回転部材と、前記ベルトを掛け回して走行可能に保持するように第2のシート搬送方向の最も上流側に配置される第2のベルト保持回転部材と、を有し、シートの先端が、第1のベルト保持回転部材と第2のベルト保持回転部材に保持されている前記ベルト部分を除く該ベルトの搬送面に接触するように配置され、
第2のベルト保持回転部材の軸中心は、第1の搬送手段の外郭に設けられる回転部材の下端より上方であって、前記外郭のガイド部材の第1のシート搬送方向の下流側の端部より下方に位置するように配置され、
第1のベルト保持回転部材に前記ベルトを介して当接する前記回転搬送駆動手段は、該回転搬送駆動手段が回転する断面内において前記内郭のガイド部材の前記湾曲部と重なるように配置され、
前記ベルトは、該ベルトの硬度が、40〜80度であり、かつ、前記ベルトの裏面に対する第1のベルト保持回転部材の外周表面の摩擦係数が、0.8〜2.6の範囲であり、なおかつ、前記各ベルト保持回転部材間に前記ベルトを巻き掛けたときにおける前記ベルト単体の周長からの伸張分の百分率割合である伸張率が、10〜5%の条件を満たすことを特徴とするシート搬送装置。 - 前記ベルトの硬度が40〜80度であって、かつ、前記伸張率が4%の特別条件の場合に、シートと接触する前記ベルトの搬送面が、前記外郭のガイド部材と干渉する方向に膨出したとき、前記外郭のガイド部材を前記搬送面と干渉しない程度に該搬送面から離れた位置に配置することにより、前記特別条件を満たす前記ベルトを採用可能としたことを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
- シートを第1のシート搬送方向に搬送する第1の搬送手段と、
第1の搬送手段の第1のシート搬送方向の下流側に配置され、第1の搬送手段により搬送されてきたシートを第1のシート搬送方向と異なる第2のシート搬送方向に搬送する第2の搬送手段であって、第2の搬送手段は、第1の搬送手段と第2の搬送手段との間に形成される第1のシート搬送経路の内郭方向に配置され、回転駆動される回転搬送駆動手段と、第1のシート搬送経路の外郭方向に配置され、前記回転搬送駆動手段に当接して従動回転することによりシートを搬送するベルト搬送手段と、を有し、
第1のシート搬送経路の内郭方向に配置され、第1の搬送手段から第2の搬送手段に至るまでの第1のシート搬送経路を形成する湾曲部を有する内郭のガイド部材と、
第1のシート搬送経路の外郭方向に配置され、第1の搬送手段から前記ベルト搬送手段に至るまでの第1のシート搬送経路を形成する外郭のガイド部材と、を備えるシート搬送装置であって、
前記ベルト搬送手段は、ベルトと、該ベルトを掛け回して走行可能に保持するように第2のシート搬送方向の最も下流側に配置される第1のベルト保持回転部材と、前記ベルトを掛け回して走行可能に保持するように第2のシート搬送方向の最も上流側に配置される第2のベルト保持回転部材と、を有し、シートの先端が、第1のベルト保持回転部材と第2のベルト保持回転部材に保持されている前記ベルト部分を除く該ベルトの搬送面に接触するように配置され、
第2のベルト保持回転部材の軸中心は、第1の搬送手段の外郭に設けられる回転部材の下端より上方であって、前記外郭のガイド部材の第1のシート搬送方向の下流側の端部より下方に位置するように配置され、
第1のベルト保持回転部材に前記ベルトを介して当接する前記回転搬送駆動手段は、該回転搬送駆動手段が回転する断面内において前記内郭のガイド部材の前記湾曲部と重なるように配置され、
前記ベルトは、該ベルトの硬度が、35〜85度であり、かつ、前記ベルトの裏面に対する第1のベルト保持回転部材の外周表面の摩擦係数が、0.8〜2.6の範囲であり、なおかつ、前記各ベルト保持回転部材間に前記ベルトを巻き掛けたときにおける前記ベルト単体の周長からの伸張分の百分率割合である伸張率が、10〜5%の条件を満たすことを特徴とするシート搬送装置。 - 前記ベルトの硬度が35〜85度であって、かつ、前記伸張率が4%の特別条件の場合に、シートと接触する前記ベルトの搬送面が、前記外郭のガイド部材と干渉する方向に膨出したとき、前記外郭のガイド部材を前記搬送面と干渉しない程度に該搬送面から離れた位置に配置することにより、前記特別条件を満たす前記ベルトを採用可能としたことを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
- 第2の搬送手段の上流から第2の搬送手段に至って形成され、第1のシート搬送経路と異なる第2のシート搬送経路と、
第1のシート搬送経路と第2のシート搬送経路とが、第2の搬送手段の上流側で合流する合流搬送経路とを有し、
前記ベルト搬送手段は、前記合流搬送経路の外郭方向に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一つに記載のシート搬送装置。 - 前記ベルトの厚さが、1.5mm以上であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記載のシート搬送装置。
- 前記ベルトは、エチレン・プロピレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴムまたはシリコンゴムの何れか一つであることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一つに記載のシート搬送装置。
- メートル坪量が80〜300g/m 2 のシートを、第1の搬送手段から第2の搬送手段と前記ベルト搬送手段との挟持部に搬送可能であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一つに記載のシート搬送装置。
- 請求項1ないし8の何れか一つに記載のシート搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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