JP5443693B2 - 燃料電池自動車の消音器 - Google Patents
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Description
また、低温環境下においてシェル内に溜まった水が凍結すると、排気ガスの流路を閉塞する虞もある。
そこで、消音器のシェルに排水孔あるいは水抜き管を設けて、消音器内に水が溜まらないように排水している(例えば、特許文献1,2参照)。
請求項1に係る発明は、車両に搭載した燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池1)で発電した電気で駆動モータを駆動し走行する燃料電池自動車の前記燃料電池から排出される排気ガスの音を消音する消音器(例えば、後述する実施例におけるサイレンサ50)であって、一側(例えば、後述する実施例における底部53)に排気ガス流入口(例えば、後述する実施例における排気ガス流入口55)と排気ガス排出口(例えば、後述する実施例における排気ガス排出口57)とを有するシェル(例えば、後述する実施例におけるシェル51)と、前記シェル内に設置され周囲に多数の透孔(例えば、後述する実施例における透孔69)を有し一端が前記排気ガス流入口に接続され他端が前記シェルの他側(例えば、後述する実施例における天板部67)に向かって延び前記排気ガス流入口から流入した前記排気ガスを前記シェル内に導入するインレットパイプ(例えば、後述する実施例におけるインレットパイプ63)と、前記シェル内に設置され周囲に多数の透孔(例えば、後述する実施例における透孔71)を有し一端が前記排気ガス排出口に接続され他端が前記シェルの前記他側に向かって延び前記シェル内の排気ガスおよび該排気ガス中に含まれる水分を前記排気ガス排出口を介してシェル外に排出するアウトレットパイプ(例えば、後述する実施例におけるアウトレットパイプ65)と、前記シェルと前記インレットパイプと前記アウトレットパイプの間に充填された吸音材(例えば、後述する実施例における吸音材99)とを備え、前記燃料電池自動車に取り付けられた状態で、前記シェルは前記一側を下方に位置させ、前記インレットパイプと前記アウトレットパイプが鉛直方向に配置されており、前記インレットパイプの前記透孔は前記排気ガス流入口から前記インレットパイプの前記他端側へ所定寸法離間した位置よりも上方に形成され、該位置よりも下方において前記アウトレットパイプは前記透孔を少なくとも有することを特徴とする燃料電池自動車の消音器である。
このように構成したことにより、インレットパイプから該インレットパイプの透孔を通ってシェル内に導入された排気ガス中の水分は、その自重により吸音材の隙間を通ってシェル内を下方へと移動し、さらにアウトレットパイプの透孔からアウトレットパイプ内に入り、排気ガス排出口を介してシェルの外部に排出される。したがって、シェル内に水が溜まり難くなる。
しかも、インレットパイプの透孔は排気ガス流入口からインレットパイプの他端側へ所定寸法離間した位置から上方に形成されているので、自重によりシェル内を下方へと移動した水がインレットパイプに流れ込むのを防止することができる。
このように構成したことにより、排気ガス中に含まれる水分のうち、粒子の大きな水滴はシェル内に導入されることなく、上流側パイプから分岐パイプを通って直接に下流側パイプへ流れる。また、分岐パイプの内径は上流側パイプにおける分岐パイプへの分岐部より下流側の内径よりも小さいので、排気ガスの殆どをインレットパイプを介してシェル内に導入することができる。
このように構成したことにより、インレットパイプからシェル内に導入された排気ガス中の水分が、インレットパイプの透孔を介して再びインレットパイプ内に入り、自重によりインレットパイプの内壁に沿って下方へと移動した場合に、その水を異径部の開口を介して吸音材に戻し、シェルの底部へ導くことができ、さらに、その水をアウトレットパイプの透孔からアウトレットパイプ内に流入させ、排気ガス排出口および下流側パイプを介してシェルの外部に排出することができる。
また、自重によりシェル内を下方へと移動した水がインレットパイプに流れ込むのを防止することができるので、シェル内に流入した排気ガス中の水分を確実にシェルの外部へ排出することができる。
なお、以下に説明する実施例の燃料電池自動車は、車体に、燃料電池とこの燃料電池で発電した電気を充電するバッテリーとを搭載し、前記燃料電池から直接あるいはバッテリーを介して駆動モータに電気を供給し走行する燃料電池自動車である。なお、バッテリーに代えてキャパシタを用いることも可能である。
図7を参照して、燃料電池自動車に搭載された燃料電池システムの概略構成を説明する。
燃料電池1は、反応ガスを化学反応させて電気を得るタイプのもので、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノード極とカソード極とで両側から挟み込んで膜電極構造体を形成し、この膜電極構造体の両側にアノードガス流路3とカソードガス流路5を備えてなるセルを複数積層して構成されており、アノードガス流路3にアノードガスとして水素ガスを供給し、カソードガス流路5にカソードガスとして酸素を含む空気を供給すると、アノード極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソード極まで移動して、カソード極で酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。なお、図1では、単一のセルのアノードガス流路3とカソードガス流路5を代表して示している。
シェル51の長手方向の一側である底部53には、排気ガス流入口55と排気ガス排出口57が設けられており、排気ガス流入口55には排出ガス流路35の上流部分に連なる上流側パイプ59が接続され、排気ガス排出口57には排出ガス流路35の下流部分に連なる下流側パイプ61が接続されている。
上流側パイプ59は略L字形をなし、車体前方から後方に向かって水平に延びる水平部59aと、水平部59aの下流端から鉛直方向上方へ屈曲して延びる鉛直部59bとからなり、鉛直部59bの先端が排気ガス流入口55に接続されている。
下流側パイプ61も略L字形をなし、上端を排気ガス排出口57に接続されて鉛直方向下方に延びる鉛直部61aと、鉛直部61aの下端から車体後方へ水平に延びる水平部61bとからなる。なお、図1では上流側パイプ59の水平部59aと下流側パイプ61の水平部61bが同一高さに記載されているが、実際には図3に示すように、下流側パイプ61の水平部61bは上流側パイプ59の水平部59aよりも下方に位置しており、下流側パイプ61の鉛直部61aはリヤフロアパネル100を貫通し、水平部61bはリヤフロアパネル100の下側に設置されたボトムプレート101を貫通して車体外側に露出する。
インレットパイプ63の一端は排気ガス流入口55に接続されており、つまり、排気ガス流入口55を介して上流側パイプ59に接続されている。インレットパイプ63の他端は、シェル51の長手方向の他側である天板部67に向かって延び、天板部67から下方に所定寸法離間して位置し、開口している。インレットパイプ63の外周面であって、排気ガス流入口55から他端側へ所定寸法離間した位置よりも上方の領域には、小径の透孔69が多数貫通形成されている。
これによって、シェル51内に水が溜まり難くすることができる。
サイレンサ50の実施例2を図4を参照して説明する。実施例2のサイレンサ50が前述した実施例1のものと相違する点は、上流側パイプ59が下流側パイプ61に連通する分岐パイプ81を備えることだけであり、それ以外は実施例1のサイレンサ50と同じである。以下、相違点についてだけ説明し、同一態様部分には同一符号を付して説明を省略する。
サイレンサ50の実施例3を図5を参照して説明する。実施例3のサイレンサ50が前述した実施例1のものと相違する点は、インレットパイプ63の構造だけであり、それ以外は実施例1のサイレンサ50と同じである。以下、相違点についてだけ説明し、同一態様部分には同一符号を付して説明を省略する。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、吸音材をステンレスウールで構成したが、グラスウールで構成することも可能である。
50 サイレンサ(消音器)
51 シェル
53 底部(一側)
55 排気ガス流入口
57 排気ガス排出口
59 上流側パイプ
61 下流側パイプ
63 インレットパイプ
65 アウトレットパイプ
67 天板部(他側)
69 透孔
71 透孔
73 吸音室
81 分岐パイプ
83 分岐部
85 異径部
99 吸音材
Claims (3)
- 車両に搭載した燃料電池で発電した電気で駆動モータを駆動し走行する燃料電池自動車の前記燃料電池から排出される排気ガスの音を消音する消音器であって、
一側に排気ガス流入口と排気ガス排出口とを有するシェルと、前記シェル内に設置され周囲に多数の透孔を有し一端が前記排気ガス流入口に接続され他端が前記シェルの他側に向かって延び前記排気ガス流入口から流入した前記排気ガスを前記シェル内に導入するインレットパイプと、前記シェル内に設置され周囲に多数の透孔を有し一端が前記排気ガス排出口に接続され他端が前記シェルの前記他側に向かって延び前記シェル内の排気ガスおよび該排気ガス中に含まれる水分を前記排気ガス排出口を介してシェル外に排出するアウトレットパイプと、前記シェルと前記インレットパイプと前記アウトレットパイプの間に充填された吸音材とを備え、
前記燃料電池自動車に取り付けられた状態で、前記シェルは前記一側を下方に位置させ、前記インレットパイプと前記アウトレットパイプが鉛直方向に配置されており、前記インレットパイプの前記透孔は前記排気ガス流入口から前記インレットパイプの前記他端側へ所定寸法離間した位置よりも上方に形成され、該位置よりも下方において前記アウトレットパイプは前記透孔を少なくとも有することを特徴とする燃料電池自動車の消音器。 - 前記シェルの前記排気ガス流入口には上流側パイプが、前記シェルの前記排気ガス排出口には下流側パイプがそれぞれ接続され、前記上流側パイプは前記排気ガス流入口よりも上流側で分岐して前記下流側パイプに接続する分岐パイプを備え、前記分岐パイプの内径は前記上流側パイプにおける分岐パイプへの分岐部より下流側の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池自動車の消音器。
- 前記インレットパイプは、前記排気ガス流入口から前記他端側へ所定寸法離間した位置に、下流側に拡径するとともに開口を有する異径部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池自動車の消音器。
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